JP2001187680A - 金具付き熱可塑性エラストマー部品及びその製造方法 - Google Patents

金具付き熱可塑性エラストマー部品及びその製造方法

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JP2001187680A
JP2001187680A JP2000012459A JP2000012459A JP2001187680A JP 2001187680 A JP2001187680 A JP 2001187680A JP 2000012459 A JP2000012459 A JP 2000012459A JP 2000012459 A JP2000012459 A JP 2000012459A JP 2001187680 A JP2001187680 A JP 2001187680A
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lubricating resin
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Tomohiro Akatsuka
智広 赤塚
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NAGOYA GOSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性が高く、かつ射出成形が可能な金具付
き熱可塑性エラストマー部品、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 金具の熱可塑性エラストマー層が接合さ
れるべき部分に第1接着剤層を形成し、予め所定形状に
形成された潤滑性樹脂層を形成する潤滑性樹脂部材の熱
可塑性エラストマーに接合されるべき部分に第2接着剤
層を形成し、金型の内面に前記潤滑性樹脂層を形成する
潤滑性樹脂部材を、その第2接着剤層が内側を向くよう
に配置すると共に、前記金具を金型内に配置し、熱可塑
性エラストマーを前記金型内に注入して射出成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の箇所に取付ける
ことにより、振動を吸収し、異音の発生等を防止するこ
とができる金具付き熱可塑性エラストマー部品及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エレベーター、エスカレータ
ー等の埋め込み式ガイドシュー、自動車エンジンの固定
具、スタビライザー等には、振動を吸収し、異音などの
発生を防止するために金具付きゴム部品が使用されてい
る。
【0003】これらの金具付きゴム部品の表面には、摩
擦係数の低い樹脂(以下、「潤滑性樹脂」という)から
なる潤滑性樹脂層が形成されている。この潤滑性樹脂層
は、すべり性を向上させて、スティックスリップを防止
すると共に、ごみの付着を防止し、耐油性を付与する。
【0004】上記ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム
(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、ブチルゴム(IIR)、塩化ブチルゴム(Cl−
IIR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられ、なか
でも防振性能、強度という観点から、NR、SBR、B
Rが好適に用いられている。
【0005】上記潤滑性樹脂層を有する金具付きゴム部
品は、金具とゴム層、ゴム層と潤滑性樹脂層を接着する
ために、金具のゴム層と接着する部分及び潤滑性樹脂層
を形成する潤滑性樹脂部材のゴムと接着する部分にそれ
ぞれ接着剤層を形成し、これらを成形金型の所定の位置
に配置し、押出成形により製造されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の金具付きゴム部品は、ゴムに配合される可塑剤など
の影響によりゴムが劣化しやすく、また、耐油性や耐薬
品性の点で充分とは言えなかった。さらに、金具とゴム
層の接着、ゴム層と潤滑性樹脂層の接着が充分とは言え
ず、耐久性の点で問題があった。
【0007】また、ゴムは性能を付与するために成形後
に加硫工程が必要であり、製造時間を短縮することが難
しく、さらに、上述した押出成形は、金具や潤滑性樹脂
部材を所定の位置に接着させるために成形金型の所定の
位置に正確に置く必要があり、自動化が難しかった。
【0008】したがって、本発明の目的は、耐久性が高
く、かつ射出成形が可能な金具付き熱可塑性エラストマ
ー部品、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の金具付き熱可塑性エラストマー部品は、所
定形状をなす金具と、この金具の少なくとも一部に第1
接着剤層を介して接合された熱可塑性エラストマー層
と、この熱可塑性エラストマー層の表面に第2接着剤層
を介して接合された潤滑性樹脂層とを備えていることを
特徴とする。本発明においては、前記熱可塑性エラスト
マーが、オレフィン系エラストマー又はウレタン系エラ
ストマーであることが好ましく、前記潤滑性樹脂が、フ
ッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン及び
これらの樹脂に充填剤を添加したものからなる群より選
ばれた1種であることが好ましい。
【0010】また、本発明の金具付き熱可塑性エラスト
マー部品の製造方法は、所定形状をなす金具と、この金
具の少なくとも一部に接合された熱可塑性エラストマー
層と、この熱可塑性エラストマー層の表面に接合された
潤滑性樹脂層とを備えた金具付き熱可塑性エラストマー
部品の製造方法において、前記金具の前記熱可塑性エラ
ストマー層が接合されるべき部分に第1接着剤層を形成
し、予め所定形状に形成された前記潤滑性樹脂層を形成
する潤滑性樹脂部材の前記熱可塑性エラストマーに接合
されるべき部分に第2接着剤層を形成し、金型の内面に
前記潤滑性樹脂層を形成する潤滑性樹脂部材を、その第
2接着剤層が内側を向くように配置すると共に、前記金
具を前記金型内に配置し、前記熱可塑性エラストマーを
前記金型内に注入して射出成形することを特徴とする。
【0011】本発明の金具付き熱可塑性エラストマー部
品は、耐油性及び耐薬品性に優れ、かつ金具と熱可塑性
エラストマー層、及び熱可塑性エラストマー層と潤滑性
樹脂層との接着性が高いので耐久性に優れる。また、熱
可塑性エラストマーは加硫ゴムに比べて比重が軽いた
め、製品の軽量化を図ることができる。
【0012】さらに、本発明の金具付き熱可塑性エラス
トマー部品の製造方法によれば、熱可塑性エラストマー
を用いることにより、金具付き熱可塑性エラストマー部
品を射出成形法により製造することが可能になり、製造
作業性が向上すると共に、成形後の加硫工程が不要とな
るので製造時間を短縮して生産性を上げることが可能と
なる。また、成形後のバリ等を再利用することができる
ため歩留まりを上げることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる熱可塑
性エラストマーとしては、特に制限はなく、公知のもの
を用いることができ、塩化ビニル系エラストマー、オレ
フィン系エラストマー、ポリスチレン−ポリブタジエン
共重合熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニルエラ
ストマー、塩素化ポリエチレンエラストマー、ウレタン
系エラストマー等が挙げられる。中でも、オレフィン系
エラストマー及びウレタン系エラストマーが好ましく用
いられ、特に圧縮永久ひずみ・反発弾性に優れたオレフ
ィン系エラストマーが好ましく用いられる。具体的に
は、オレフィン系エラストマーとしては、例えばサント
プレーン(商品名、エーイーエス社製)、ミラストマー
(三井石油化学工業(株)社製)、サーモラン(JSR
(株)社製)等を用いることができる。また、ウレタン
系エラストマーとしては、例えばエラストラン(日本エ
ラストラン(株)社製)、パラプレン(日本ポリウレタ
ン製)等を用いることができる。
【0014】上記熱可塑性エラストマーには、必要に応
じて、老化防止剤、着色剤、充填剤等を適宜配合するこ
とができる。
【0015】本発明において用いられる潤滑性樹脂とし
ては、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルスルフォン(PES)及びこれらの樹脂に充填
剤を添加したもの等が挙げられる。
【0016】フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−
パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、ポ
リフッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)等が挙げら
れる。
【0017】オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0018】ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイ
ロンが挙げられる。
【0019】また、上記樹脂に添加する充填剤として
は、グラファイト、二硫化モリブデン、ガラス等が挙げ
られる。
【0020】本発明においては、潤滑性が良好な点でフ
ッ素系樹脂及びこれらの樹脂に充填剤を添加したものが
特に好ましく用いられる。
【0021】本発明で用いられる金具としては、形状及
び金属材料は特に限定されず、使用箇所により種々の形
状、金属材料を用いることができ、熱可塑性エラストマ
ーと接着可能な形状、金属材料であればよい。例えば、
形状としては平板状、棒状等が挙げられ、金属材料とし
ては、鉄、ステンレス、アルミ、真鍮等の各種金属が挙
げられる。
【0022】本発明において、接着剤層を形成する接着
剤としては、以下のようなものが挙げられる。
【0023】第1接着剤層 金具と熱可塑性エラストマーを接着できるものであれば
特に限定されないが、エポキシ系樹脂、フェノール系樹
脂、メラミン系樹脂が挙げられ、特に金属製金具との接
着性に優れたものを用いることが好ましい。具体的に
は、ケムロック205、ケムロック487、ケムロック
810(以上いずれも商品名、ロード社製)、メタロッ
クPA、メタロックA、メタロックAS、メタロックC
D、メタロックP、メタロックPA−3375(以上い
ずれも商品名、東洋化学社製)、シクソンP−6−1、
シクソンP−15−S、シクソンD−21657、シク
ソンP−10、シクソン500、シクソン509、シク
ソン708、シクソン710、シクソンD−2082
0、シクソン800、シクソン806、シクソン80
7、シクソン304(以上いずれも商品名、モートン社
製)、エスロック900P、SL950、SL935
P、MC−1020、エスロック921P(以上いずれ
も商品名、坂井化学社製)等が挙げられる。
【0024】第2接着剤層 熱可塑性エラストマーと潤滑性樹脂を接着できるもので
あれば特に限定されないが、エポキシ系樹脂、フェノー
ル系樹脂、メラミン系樹脂が挙げられる。具体的には、
ケムロック220、ケムロック234B、ケムロック2
36、ケムロック250、ケムロック487、タイプラ
イBN、ケムロック233、ケムロック217、ケムロ
ック222、ケムロック232、ケムロック238、ケ
ムロック253、ケムロック820、タイプライQ、タ
イプライS、タイプライRC(以上いずれも商品名、ロ
ード社製)、メタロックG、メタロックFB、メタロッ
クFC−1700、メタロックR−15、メタロックR
26−B、メタロックN−20、メタロックNA、メタ
ロックB、メタロックNC、メタロックNT、メタロッ
ク828(以上いずれも商品名、東洋化学社製)、シク
ソン814−1、シクソンOSN−2、シクソン71
5、シクソン508−T、シクソン511−T、シクソ
ン520、シクソン100、シクソンGPO、シクソン
AN−187、シクソン300、シクソン301、シク
ソン711−1、シクソンOSN−3(以上いずれも商
品名、モートン社製)等が挙げられる。
【0025】本発明において金具付き熱可塑性エラスト
マー部品とは、金具と熱可塑性エラストマー層が第1接
着剤層を介して接着され、該熱可塑性エラストマー層の
表面に潤滑性樹脂層が第2接着剤層を介して接着された
ものをいい、熱可塑性エラストマー層及び潤滑性樹脂層
の厚さは、部品の用途等により適宜設定されるが、潤滑
性樹脂層の厚さは、特にコストの点から0.05〜2m
mであることが好ましい。また、第1接着剤層及び第2
接着剤層の厚さは、5〜20μmであることが好まし
い。
【0026】なお、本発明において上記潤滑性樹脂層
は、熱可塑性エラストマー層の表面の少なくとも一部に
形成されていればよい。すなわち、例えば棒状の潤滑性
樹脂部材を、熱可塑性エラストマー層の四隅等の潤滑性
を付与したい部分に接着することにより、熱可塑性エラ
ストマー層の一部に潤滑性樹脂層を形成してもよく、シ
ート状の潤滑性樹脂部材を熱可塑性エラストマー層の全
面に接着して、熱可塑性エラストマー層の全面に潤滑性
樹脂層を形成してもよい。したがって、上記潤滑性樹脂
部材の形状は、特に限定されず、部品の用途により、シ
ート状、棒状、板状等の様々な形状に形成されたものを
用いることができる。
【0027】例えば、図1には、本発明の金具付き熱可
塑性エラストマー部品の一実施態様であるエレベーター
のスライドシューが示されている。このスライドシュー
10は、先端部にネジ取付け孔14を有する金具11の
一部が熱可塑性エラストマー層12で被覆され、さらに
該熱可塑性エラストマー層の金具突出面及びその反対側
の端面を除いた外周4面が潤滑性樹脂フィルム13で被
覆されたものである。
【0028】また、図2には、図1に示されたAで切断
した断面の模式図が示されている。金具11と熱可塑性
エラストマー層12は、第1接着剤層20により接着さ
れており、熱可塑性エラストマー層12と潤滑性樹脂フ
ィルム13は、第2接着剤層21により接着されてい
る。
【0029】本発明の金具付き熱可塑性エラストマー部
品は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0030】金具の熱可塑性エラストマー層と接着する
部分に上記接着剤を塗布して第1接着剤層を形成する。
また、予め所定形状に形成した潤滑性樹脂部材の熱可塑
性エラストマー層と接着する部分に上記接着剤を塗布し
て第2接着剤層を形成する。そして、上記接着剤層を形
成した金具を、該接着剤層を形成した部分が金型の内方
向に突出するように、また、上記接着剤層を形成した潤
滑性樹脂部材を、該接着剤層が内側となるように金型の
所定の位置に配置した後、該金型に熱可塑性エラストマ
ーを注入することにより、熱可塑性エラストマーが成形
されると共に上記金具及び潤滑性樹脂部材が上記各接着
剤層を介して成形された熱可塑性エラストマー層と接着
され、金具付き熱可塑性エラストマー部品を得ることが
できる。
【0031】本発明の製造方法においては、上記潤滑性
樹脂部材の接着剤層を形成する部分(面)は、接着剤層
との接着性を高めるために、予め溶融アルカリ塩による
エッチング処理、プラズマ処理等の表面処理を施してお
くことが好ましい。特に、潤滑性樹脂部材として、フッ
素系樹脂を用いる場合は溶融アルカリ塩によるエッチン
グ処理を施すことが好ましく、オレフィン系樹脂を用い
る場合はプラズマ処理を施すことが好ましい。
【0032】また、第1及び第2接着剤層を形成する方
法は特に限定されないが、例えばディッピング塗装、ハ
ケ塗り、スプレー塗装等が挙げられ、各接着剤層の厚さ
が5〜20μmとなるように上記接着剤を塗布すること
が好ましい。そして、接着剤層は、充分に乾燥させて、
残留溶剤を完全になくすことが好ましい。接着剤層に溶
剤が残留していると、熱可塑性エラストマー層等との接
着性が低下してしまうため好ましくない。
【0033】本発明の金具付き熱可塑性エラストマー部
品は、射出成形法により製造することができ、特にイン
サート射出成形法により製造することが好ましい。
【0034】例えば、図3には、本発明の金具付き熱可
塑性エラストマー部品の製造に用いられるインサート射
出成形用金型の一例が示されている。
【0035】この成形用金型30は、図1に示したスラ
イドシュー10の製造に用いられる金型であり、上型3
1と下型32とからなっている。上型31は、ノズルタ
ッチ部33及びスプール部34を有する型31aと、ラ
ンナー部35及び製品部キャビティー36の一部を有す
る型31bとからなる。下型32は、製品部キャビティ
ー36及び取付け金具キャビティー37を有する型32
aと、上記取付け金具キャビティー37に連続する凹部
38を有し、取付け金具の支持高さを調整すると共に取
付け金具キャビティー37の底面を閉塞する底板32b
とからなる。
【0036】上述したようにして予め第1接着剤層を形
成した金具を、該接着剤層を形成した部分が製品部キャ
ビティー36内へ突出するように取付け金具キャビティ
ー37に配置し、底板32bの凹部38に支持する。ま
た、上述したようにして予め所定形状に形成して第2接
着剤層を形成した潤滑性樹脂シートを、該接着剤層が内
側になるように製品部キャビティー36の内周に配置す
る。そして、上型31を所定の位置にセットし、ノズル
タッチ部33に射出成形ノズルを押し当てて熱可塑性エ
ラストマーを注入する。注入された熱可塑性エラストマ
ーは、製品部キャビティー36内へ充填されて成形され
ると共に上記金具及び潤滑性樹脂シートと上記各接着剤
層を介して接着され、スライドシュー10を得ることが
できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例1 熱可塑性エラストマーとしてサンプレーン111−45
(商品名、エーイーエス社製)、潤滑性樹脂としてPT
FEフィルム(0.05mm厚)、金具としてネジ取付
け孔14を有する金具11を用いて、図1に示すスライ
ドシュー10を作成した。なお、PTFEフィルムは、
表面処理として溶融アルカリ塩によりエッチング処理し
てから用いた。
【0038】金具11の熱可塑性エラストマー層12と
接着する部分に、デッピング塗装により接着剤(ケムロ
ック487、商品名、ロード社製)を適量塗布し、93
℃で15分間乾燥させて第1接着剤層20を形成した。
また、PTFEフィルムの熱可塑性エラストマー層12
との接着面に接着剤(ケムロック487、商品名、ロー
ド社製)を適量塗布し、93℃で15分間乾燥させて第
2接着剤層21を形成した。
【0039】そして、これらを図3に示す金型下型の所
定の位置にセットした後、サントプレーン111−45
を該金型に注入し、冷却した後金型から取り出してスラ
イドシュー10を得た。
【0040】実施例2 潤滑性樹脂として、PTFEフィルムの代わりに、高分
子ポリエチレンフィルム(0.05mm厚)を用い、表
面処理としてプラズマ処理を行なった以外は、実施例1
と同様にしてスライドシューを得た。
【0041】比較例1 熱可塑性エラストマーの代わりにJIS BIII51
0相当のクロロプレンゴム、金型としてトランスファー
成形用金型を用いた以外は実施例1と同様のものを用い
た。
【0042】実施例1と同様にして各接着剤層を形成し
た金具及びPTFEフィルムを金型下型の所定の位置に
セットし、金型上型にクロロプレンゴム約50gを置
き、加硫プレス機で100kg/cm2、165℃トラ
ンスファー成形後、15分間加硫した後、金型から取り
出し、同じ形状のスライドシューを得た。
【0043】比較例2 PTFEフィルムの代わりに高分子ポリエチレンフィル
ムを用いた以外は比較例1と同様にしてスライドシュー
を得た。
【0044】試験例 上記各実施例及び比較例で得られたスライドシューにつ
いて、硬さ、伸び、引っ張り強さなどの常態物性をJI
S K6380に準拠した方法で測定した。その結果を
表1及び表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表1及び表2から、実施例で得られたスラ
イドシューは、比較例のものに比べて、金具と熱可塑性
エラストマー層との接着性、及び熱可塑性エラストマー
層と潤滑性樹脂層との接着性に優れていることが分か
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金具付き
熱可塑性エラストマー部品は、金具と熱可塑性エラスト
マー層、及び熱可塑性エラストマー層と潤滑性樹脂層と
の接着性が高く、かつ熱可塑性エラストマーは加硫ゴム
に比べて耐油性及び耐薬品性に優れるので耐久性に優れ
る。また、熱可塑性エラストマーは加硫ゴムに比べて比
重が軽いため、製品の軽量化を図ることもできる。
【0049】さらに、本発明の金具付き熱可塑性エラス
トマー部品の製造方法によれば、熱可塑性エラストマー
を用いることにより、金具と熱可塑性エラストマー層と
潤滑性樹脂層とのインサート射出成形が可能になり、製
造作業性が向上すると共に、成形後の加硫工程が不要と
なるので製造時間を短縮して生産性を上げることが可能
となる。また、成形後のバリ等を再利用することがで
き、歩留まりを上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金具付き熱可塑性エラストマー部品
の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す金具付き熱可塑性エラストマー部
品の断面を示す模式図である。
【図3】 図1に示す金具付き熱可塑性エラストマー部
品の製造に用いられる射出成形用金型の断面図である。
【符号の説明】 10 スライドシュー 11 金具 12 熱可塑性エラストマー 13 潤滑性樹脂 14 ネジ取付け孔 20 第1接着剤層 21 第2接着剤層 30 射出成形用金型 31 上型 32 下型 36 製品部キャビティー 37 取付け金具キャビティー 38 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状をなす金具と、この金具の少な
    くとも一部に第1接着剤層を介して接合された熱可塑性
    エラストマー層と、この熱可塑性エラストマー層の表面
    に第2接着剤層を介して接合された潤滑性樹脂層とを備
    えていることを特徴とする金具付き熱可塑性エラストマ
    ー部品。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマーが、オレフィ
    ン系エラストマー又はウレタン系エラストマーである請
    求項1記載の金具付き熱可塑性エラストマー部品。
  3. 【請求項3】 前記潤滑性樹脂が、フッ素系樹脂、オレ
    フィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテル
    ケトン、ポリエーテルスルフォン及びこれらの樹脂に充
    填剤を添加したものからなる群より選ばれた1種である
    請求項1又は2記載の金具付き熱可塑性エラストマー部
    品。
  4. 【請求項4】 所定形状をなす金具と、この金具の少な
    くとも一部に接合された熱可塑性エラストマー層と、こ
    の熱可塑性エラストマー層の表面に接合された潤滑性樹
    脂層とを備えた金具付き熱可塑性エラストマー部品の製
    造方法において、 前記金具の前記熱可塑性エラストマー層が接合されるべ
    き部分に第1接着剤層を形成し、 予め所定形状に形成された前記潤滑性樹脂層を形成する
    潤滑樹脂部材の前記熱可塑性エラストマーに接合される
    べき部分に第2接着剤層を形成し、 金型の内面に前記潤滑性樹脂層を形成する潤滑樹脂部材
    を、その第2接着剤層が内側を向くように配置すると共
    に、前記金具を前記金型内に配置し、前記熱可塑性エラ
    ストマーを前記金型内に注入して射出成形することを特
    徴とする金具付き熱可塑性エラストマー部品の製造方
    法。
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