JP2001187167A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2001187167A
JP2001187167A JP37321099A JP37321099A JP2001187167A JP 2001187167 A JP2001187167 A JP 2001187167A JP 37321099 A JP37321099 A JP 37321099A JP 37321099 A JP37321099 A JP 37321099A JP 2001187167 A JP2001187167 A JP 2001187167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はα,β−不飽和カルボン酸金属塩の
ゴム組成物への分散を改善し、コアの硬度と反撥係数の
バランスの優れた架橋形態を可能としたコア組成物を用
いたゴルフボールに関する。 【解決手段】 チオールまたはスルフィドから選択され
る少なくとも1種の硫黄含有化合物とα,β−不飽和カ
ルボン酸金属塩の混合物および/または前記少なくとも
1種の硫黄含有化合物でコーティングされたα,β−不
飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム組成物よりなるコ
アにカバーを被覆したことを特徴とするゴルフボール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた反撥性能、
飛行性能、コントロール性、打撃時の良好なフィーリン
グを有するゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールの構造には耐久性と飛距離
において優れるソリッドゴルフボールと、コントロール
性能とフィーリングに優れる糸巻きゴルフボールがあ
る。ソリッドボールには、コアをカバー剤で被覆したツ
ーピースゴルフボールをはじめとし、コアとカバーの間
に1層または2層以上の中間層を介在させた多層構造ゴ
ルフボールがある。これらのソリッドゴルフボールは、
そのコアをポリブタジエンを基材ゴムとするゴム組成物
を加硫成型して得られる。また、コアのベースとなるゴ
ム組成物には通常、反撥係数および耐衝撃性を向上させ
るために、共架橋剤としてα,β−不飽和カルボン酸の
金属塩等の不飽和結合を有するモノマーと、加硫助剤ま
たは無機充填剤、共架橋開始剤として過酸化物を配合し
たものが一般的である。
【0003】このような配合系による加硫成型物はグラ
フト重合を伴う三次元構造を形成するため、コアが適度
な硬さと耐久性を有する。しかし、従来の糸巻きゴルフ
ボールに比較すると、打撃時のフィーリングが著しく硬
く、アプローチのコントロール性能に劣っていた。そこ
で打撃時のフィーリングを改良する試みとしてコアの硬
度を低くし柔らかくすることが行なわれてきた。しかし
ながら、上記の配合系におけるこのような試みは、打撃
時のフィーリングは改良されるが、反撥性能が低下する
ため十分な飛距離が得られていない。
【0004】また、通常ツーピースソリッドゴルフボー
ルのカバー剤に用いられているアイオノマー樹脂では、
飛行性能および耐久性を満足させるために剛性が高く、
硬度も高い樹脂が用いられており、スピン性能が劣る。
【0005】そこでかかる欠点を改善する試みとして剛
性が低く硬度の低い樹脂を用いることが提案された(特
開平7−51406号公報)。しかしながら、スピン性
能は向上するがカバー自体の反撥性能が低下して、ゴル
フボールとして満足する飛行性能が得られないという問
題があった。
【0006】ソリッドゴルフボールのコントロール性能
と反撥性能を両立させるために有機硫黄化合物を含有さ
せてコアの高反撥化の試みがなされている(特許第27
78229号公報、特許第2669051号公報)。
【0007】一般にソリッドツーピースゴルフボールの
コアはポリブタジエンゴム、共架橋剤としてのα,β−
不飽和カルボン酸金属塩、重量調整剤あるいは加硫助剤
としての酸化亜鉛およびジクミルパーオキサイドなどの
遊離基開始剤からなる組成物を加熱加圧成形することに
よって得られる。この組成物において、α,β−不飽和
カルボン酸金属塩はジクミルパーオキサイドなどの遊離
基開始剤によってポリブタジエン主鎖にグラフトされ、
共架橋剤として働く。ここでポリブタジエン等のゴム成
分へのα,β−不飽和カルボン酸金属塩の分散度、ある
いはそのグラフト重合の架橋形態の相違が架橋後のコア
の硬度と反撥係数のバランスに影響する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はα,β−不飽
和カルボン酸金属塩のゴム組成物への分散を改善し、コ
アの硬度と反撥係数のバランスの優れた架橋形態を可能
としたコア組成物を用いたゴルフボールに関する。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、式(1)
で示されるチオールまたは式(2)で示されるスルフィ
ドから選択される少なくとも1種の硫黄含有化合物と、
α,β−不飽和カルボン酸金属塩の混合物および/また
は前記少なくとも1種の硫黄含有化合物でコーティング
されたα,β−不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム
組成物よりなるコアにカバーを被覆したことを特徴とす
るゴルフボールである。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Xは置換基を表わし、kは0〜5
の整数を表わす)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Y、Zは置換基を表わし、l、m
は0〜5の整数、nは自然数を表わす) 第2の発明は、前記式(1)で示されるチオールまたは
前記式(2)で示されるスルフィドから選択される少な
くとも1種の硫黄含有化合物と、高級脂肪酸あるいはそ
の金属塩と、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の混合物
および/または前記少なくとも1種の硫黄含有化合物と
高級脂肪酸あるいはその金属塩の混合物でコーティング
されたα,β−不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム
組成物よりなるコアにカバーを被覆したことを特徴とす
るゴルフボールである。
【0014】本発明で用いるα,β−不飽和カルボン酸
金属塩とは、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸などの亜鉛塩、ナトリウム塩、マグネ
シウム塩等をいう。好ましくはアクリル酸亜鉛、メタク
リル酸亜鉛である。そしてα,β−不飽和カルボン酸金
属塩は、コアのゴム成分100重量部に対して15〜4
5重量部配合される。α,β−不飽和カルボン酸金属塩
が45重量部を超えると、コアが硬すぎて打球感が悪く
なる。一方、上記α,β−不飽和カルボン酸金属塩が1
5重量部未満のとき、適切な硬さにするために過酸化物
を増やさなければならず高反撥が得られないことがあ
る。
【0015】好ましくは、上記α,β−不飽和カルボン
酸金属塩はゴム成分100重量部に対して20〜35重
量部である。
【0016】次に前記式(1)で示されるチオールを例
示すれば、ベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオ
ール、3−クロロベンゼンチオール、4−ブロモベンゼ
ンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、4−フルオ
ロベンゼンチオール、4−ヨードベンゼンチオール、
2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロ
ベンゼンチオール、2,6−ジクロロベンゼンチオー
ル、2,5−ジブロモベンゼンチオール、3,5−ジブ
ロモベンゼンチオール、2−クロロ−5−ブロモベンゼ
ンチオール、2,4,6−トリクロロベンゼンチオー
ル、2,3,4,5,6−ペンタクロロベンゼンチオー
ル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンチオ
ール、4−シアノベンゼンチオール、2−シアノベンゼ
ンチオール、4−ニトロベンゼンチオール、2−ニトロ
ベンゼンチオール等があり、特にベンゼンチオール、4
−クロロベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオー
ル、4−フルオロベンゼンチオール、4−ヨードベンゼ
ンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,
5−ジクロロベンゼンチオール、2−クロロ−5−ブロ
モベンゼンチオール、2,4,5−トリクロロベンゼン
チオール、2,3,4,5,6−ペンタクロロベンゼン
チオール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼ
ンチオール等が好ましい。
【0017】また、前記式(2)で表わされるスルフィ
ドを例示すれば、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−
クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジス
ルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、
ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4
−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジク
ロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロ
フェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)
ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2,4,6−トリクロロフェ
ニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペン
タクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス
(4−シアノフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シア
ノフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ニトロフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2−ニトロフェニル)ジスル
フィド等があり、特にジフェニルジスルフィド、ビス
(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロ
モフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスル
フィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィ
ド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、
ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィ
ド、ビス(2,4,5−トリクロロフェニル)ジスルフ
ィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニ
ル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,
5,6−ペンタクロロフェニル)スルフィド、ビス
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)スル
フィド等が好ましい。
【0018】上記チオールおよびスルフィドは、1種以
上を単独もしくは任意の組合せで用いることができる。
【0019】α,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーテ
ィングまたはブレンドする硫黄含有化合物はα,β−不
飽和カルボン酸金属塩に対して0.2〜15重量%であ
る。硫黄含有化合物が15重量%を超えると分散性が悪
くなる。0.2重量%未満では反撥力増大効果が期待で
きず、分散性も悪い。好ましくは0.5〜5重量%の範
囲である。
【0020】このようにα,β−不飽和カルボン酸金属
塩をチオール等でコーティングまたはブレンドしたもの
を用いることにより、これらをそれぞれ別個に配合した
場合に比べゴム練りによるゴム組成物への分散が均一に
なるとともにα,β−不飽和カルボン酸金属塩が過酸化
物等の共架橋開始剤の作用によって、ゴム成分の主鎖に
グラフト重合し、三次元架橋を形成するが、コア硬度お
よび反撥係数に有利な架橋形態を形成する。
【0021】本発明では前記硫黄含有化合物に高級脂肪
酸あるいはその金属塩を混合したもので、α,β−不飽
和カルボン酸金属塩をコーティングするかまたはこれら
の混合物とすることもできる。
【0022】高級脂肪酸あるいはその金属塩を加えるこ
とにより、ゴム組成物のロール加工性を改善し、かつゴ
ム組成物中でのα,β−不飽和カルボン酸金属塩の分散
性を向上し、コア硬度と反撥係数のバランスを改善す
る。
【0023】本発明において用いる高級脂肪酸としては
ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレイン酸、ミリスチン酸などが挙げられ、これ
らの高級脂肪酸は単独でまたは2種以上混合して使用さ
れる。適当な高級脂肪酸の金属塩の金属としては、錯化
されない金属であり、1〜3の原子価を有する。一価金
属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げ
られる。また二価金属としてマグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、銅(第二銅)および亜鉛である。三価金
属としては鉄(第二鉄)、コバルト、アルミニウムであ
る。好ましくは亜鉛、マグネシウムによって得られる。
【0024】α,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーテ
ィングまたは混合される高級脂肪酸またはその金属塩の
量は、α,β−不飽和カルボン酸金属塩に対して5〜2
0重量%の範囲である。5重量%未満の場合は混練作業
性、分散性とともに、コア硬度と反撥係数のバランスは
改善されない。一方、20重量%を超えるとコアの反撥
係数が低下する。
【0025】前記硫黄含有化合物とともに高級脂肪酸
(金属塩)をα,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーテ
ィングするには、たとえば硫黄含有化合物とステアリン
酸などの高級脂肪酸の金属塩を、トルエン、キシレン、
ベンゼンなどの有機溶剤に加熱溶解したものとα,β−
不飽和カルボン酸金属塩、たとえばアクリル酸亜鉛をか
き混ぜ、スラリー状にして、アクリル酸亜鉛の粒子表面
を被覆する方法が採用される。
【0026】本発明で用いるコアのゴム成分としては、
通常単層ソリッドゴルフボールまたは多層構造ソリッド
ゴルフボールの芯材として使用されるもので、特に制限
はないが、たとえばシス構造を少なくとも40%以上有
する1,4−ポリブタジエンゴムが好ましい。そしてか
かる1,4−ポリブタジエンゴムに天然ゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合す
ることもできる。
【0027】なお1,4−ポリブタジエンゴムはゴム成
分中80重量%以上配合されることが好ましく、80重
量%未満の場合1,4−ポリブタジエンゴムが持つ優れ
た反撥弾性が損なわれる。
【0028】次に本発明ではコアのゴム組成物に比重調
整剤を配合することが好ましい。該比重調整剤は、主と
して最終製品として得られるゴルフボールの比重を1〜
1.5の範囲に調整するための成分として配合されるも
のであるが、コアを構成するゴム組成物を硬質化して反
撥係数を高め、飛距離アップに有効に作用する役割を持
つものである。比重調整剤としては、金属酸化物や無機
金属塩、具体的には酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カル
シウムなど一般に無機充填剤として用いられる無機物を
使用することができ、高比重金属充填剤、たとえばタン
グステン粉末、モリブデン粉末等およびこれらの混合物
と併用してもよい。これらの中でも特に好ましいものは
加硫助剤としての機能も発揮する酸化亜鉛である。比重
調整剤はゴム成分100重量部に対して2〜30重量部
配合される。比重調整剤が30重量部を超えるときゴム
の重量分率が小さくなり反撥に不利である。2重量部未
満では比重調整が難しい。好ましくは10〜25重量部
である。
【0029】さらに本発明は前記α,β−不飽和カルボ
ン酸金属塩を架橋するのに重合開始剤として過酸化物を
用いる。過酸化物は0.2〜5重量部配合される。過酸
化物が5重量部を超える配合にすると加硫ゴムが硬くな
り過ぎて打球感が悪くなる。過酸化物が0.2重量部未
満のときは十分に架橋が形成されず高反撥が得られな
い。好ましくは過酸化物は0.3〜2.0重量部であ
る。
【0030】本発明のコアのゴム組成物には、老化防止
剤、しゃく解剤、その他ソリッドゴルフボールのコアの
製造に通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。
【0031】なお、コアは複層構造とすることができ
る。この場合効果を十分発揮し得るために、本発明によ
る配合のコアの体積がコア全体の体積の50%以上、よ
り好ましくは80%以上である。
【0032】コアは金型を用いて130〜240℃で1
5〜60分間加熱加圧成形することにより、直径32.
8〜40.8mmの球状ソリッドコアに作製される。好
ましくは直径は33.6〜40.0mmである。32.
8mmより小さいと反撥性能が低下して飛距離が低下
し、一方40.8mmより大きいと耐久性が低下する。
【0033】本発明のゴルフボールはコアにカバーを被
覆して製造するが、そのカバーは単層構造はもとより、
2層以上の多層構造であってもよい。カバー材料として
は、アイオノマー、ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リウレタン系等の熱可塑性エラストマー、ジエン系ブロ
ック共重合体を単独または2種以上混合して使用し得
る。カバー用樹脂全体を100重量部とすると、上記熱
可塑性エラストマーやジエン系ブロック共重合体の配合
量は、0〜60重量部、好ましくは10〜40重量部で
ある。
【0034】カバーには上記混合物以外にも必要に応じ
て、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機充填剤や種々の添
加剤、たとえば二酸化チタン等の顔料、分散剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することができ
る。
【0035】カバー成形時に、必要に応じてボール表面
にディンプルを形成し、カバー成形後、ペイント仕上
げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。
【0036】カバーをコアに被覆するにはカバー用組成
物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚
用いてソリッドコアを包み込み加圧成形するか、射出成
形できる。カバーの厚さは1.0〜5.0mm、好まし
くは1.4〜4.6mm、さらに好ましくは1.4〜
2.5mmである。
【0037】
【実施例】1.アクリル酸亜鉛のコーティング 酸化亜鉛600gとトルエン2000mlとを5lのジ
ャケット式立て型のミキサーに仕込み、かき混ぜながら
懸濁させ、次にアクリル酸1060gを30℃で30分
間で滴下して混合した後、60℃で60分間反応させ
た。反応終了後、ステアリン酸亜鉛166gと硫黄含有
化合物1.66g〜299gをトルエン100mlに加
えて45〜50℃加熱溶解した溶液を添加し、30分間
かき混ぜ、スラリー状にした。生成物を次に70℃、1
20〜60mmHgの減圧下で3時間加熱して生成水お
よびトルエンを留出させ乾燥を行なった。ステアリン酸
亜鉛でコーティングされた耐吸湿性のアクリル酸亜鉛A
〜Eを得た。またステアリン酸亜鉛を添加せずに上記と
同様な方法でアクリル酸亜鉛Fを得た。
【0038】2.コア組成物の作製 表1に上記方法で得られた硫黄含有化合物とステアリン
酸亜鉛でコーティングしたアクリル酸亜鉛A〜Eと硫黄
含有化合物(ベンゼンチオール)のみでアクリル酸亜鉛
をコーティングしたアクリル酸亜鉛Fを用いた各種配合
内容を示す。
【0039】また表2には比較例の配合を示す。また表
3にはコーティングされたアクリル酸亜鉛の配合量を変
更した配合内容を示す。これらのゴム組成物をロール混
練で調製し、金型で160℃で30分間加熱加圧成形し
て、外径38.2mmのコアを得た。
【0040】なお、表1〜表3に用いたゴム成分、アク
リル酸亜鉛の仕様は次のとおりである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】1) BR11:シス含量96%(JSR
社製) 2) アクリル酸亜鉛A:10%ステアリン酸亜鉛と
1.5%ベンゼンチオールでコーティング 3) アクリル酸亜鉛B:10%ステアリン酸亜鉛と
2.5%ベンゼンチオールでコーティング 4) アクリル酸亜鉛C:10%ステアリン酸亜鉛と
1.5%ペンタフルオロチオフェノールでコーティング 5) アクリル酸亜鉛D:10%ステアリン酸亜鉛と
0.1%ベンゼンチオールでコーティング 6) アクリル酸亜鉛E:10%ステアリン酸亜鉛と1
8%ベンゼンチオールでコーティング 7) アクリル酸亜鉛F:2.0%ベンゼンチオールで
コーティング 3.カバーの被覆 前述の方法で製造されたコアに、表4に示す配合のカバ
ーを被覆し、ゴルフボールを製造した。カバーの厚さは
2.3mmで、ゴルフボール直径は43.0mmであ
る。
【0045】
【表4】
【0046】4.ゴルフボールの性能評価 このようにして得られたコアおよびゴルフボールの性能
評価をするため、次の評価方法を採用した。
【0047】(1) コアコンプレッション コアに初荷重98Nをかけた状態から終荷重1275N
をかけたときのコアの変形量(mm)を測定した。
【0048】(2) 飛距離(キャリー) ツルーテンパー社製スイングロボットにて、ウッド1番
を用いてヘッドスピード45m/sにて実打したときの
キャリー(m)を測定した。
【0049】(3) コア反撥係数 コアに198.4gの金属円筒物を40m/sの速度で
衝突させ、衝突前後の円筒物およびボールの速度を測定
し、それぞれの速度および重量から算出した。
【0050】評価結果を表1、表2および表3に示し、
さらにその結果を図1に横軸に反撥係数を、縦軸にコア
コンプレッションとしてプロットしている。グラフの右
側にシフトするほど、同じ反撥係数でも柔らかい、すな
わちフィーリングの良いゴルフボールが得られる。
【0051】本発明の実施例は比較例1、2および3よ
りも右側にシフトしたところでプロットが分布してお
り、フィーリングおよび反撥係数の優れたものであるこ
とがわかる。
【0052】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0053】
【発明の効果】本発明は、共架橋剤としてのα,β−不
飽和カルボン酸金属塩を改良し、高級脂肪酸または高級
脂肪酸の金属塩とチオールまたはスルフィドを併用し
た、あるいはチオール、スルフィドを単独でコーティン
グ、あるいは併用したα,β−不飽和カルボン酸の金属
塩を配合したゴム組成物を用いることにより前記配合剤
を単独に用いた場合よりもコアの硬度を損なうことな
く、優れた反撥性能を有するゴルフボールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コアコンプレッションとコア反撥係数の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 5/098 5/375 5/375 C08L 21/00 C08L 21/00 (72)発明者 伏原 和久 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC001 AC031 EF058 EG017 EG018 EG057 EV026 EV046 FB087 FD147 FD206 FD207 FD208 GC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示されるチオールまたは式
    (2)で示されるスルフィドから選択される少なくとも
    1種の硫黄含有化合物と、α,β−不飽和カルボン酸金
    属塩の混合物および/または前記少なくとも1種の硫黄
    含有化合物でコーティングされたα,β−不飽和カルボ
    ン酸金属塩を配合したゴム組成物よりなるコアにカバー
    を被覆したことを特徴とするゴルフボール。 【化1】 (式中、Xは置換基を表わし、kは0〜5の整数を表わ
    す) 【化2】 (式中、Y、Zは置換基を表わし、l、mは0〜5の整
    数、nは自然数を表わす)
  2. 【請求項2】 α,β−不飽和カルボン酸金属塩は、ゴ
    ム組成物のゴム成分100重量部に対して15〜45重
    量部配合されていることを特徴とする請求項1記載のゴ
    ルフボール。
  3. 【請求項3】 硫黄含有化合物は、α,β−不飽和カル
    ボン酸金属塩に対して0.2〜15重量%使用されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 金属酸化物および/または無機金属塩が
    ゴム成分100重量部に対して2〜30重量部配合され
    ていることを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
  5. 【請求項5】 式(1)で示されるチオールまたは式
    (2)で示されるスルフィドから選択される少なくとも
    1種の硫黄含有化合物と、高級脂肪酸あるいはその金属
    塩と、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の混合物および
    /または前記少なくとも1種の硫黄含有化合物と高級脂
    肪酸あるいはその金属塩の混合物でコーティングされた
    α,β−不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム組成物
    よりなるコアにカバーを被覆したことを特徴とするゴル
    フボール。
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