JP4390338B2 - ゴルフボールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた反撥性能、飛行性能、コントロール性、打撃時の良好なフィーリングを有するゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールの構造には耐久性と飛距離において優れるソリッドゴルフボールと、コントロール性能とフィーリングに優れる糸巻きゴルフボールがある。ソリッドボールには、コアをカバー剤で被覆したツーピースゴルフボールをはじめとし、コアとカバーの間に1層または2層以上の中間層を介在させた多層構造ゴルフボールがある。これらのソリッドゴルフボールは、そのコアをポリブタジエンを基材ゴムとするゴム組成物を加硫成型して得られる。また、コアのベースとなるゴム組成物には通常、反撥係数および耐衝撃性を向上させるために、共架橋剤としてα,β−不飽和カルボン酸の金属塩等の不飽和結合を有するモノマーと、加硫助剤または無機充填剤、共架橋開始剤として過酸化物を配合したものが一般的である。
【0003】
このような配合系による加硫成型物はグラフト重合を伴う三次元構造を形成するため、コアが適度な硬さと耐久性を有する。しかし、従来の糸巻きゴルフボールに比較すると、打撃時のフィーリングが著しく硬く、アプローチのコントロール性能に劣っていた。そこで打撃時のフィーリングを改良する試みとしてコアの硬度を低くし柔らかくすることが行なわれてきた。しかしながら、上記の配合系におけるこのような試みは、打撃時のフィーリングは改良されるが、反撥性能が低下するため十分な飛距離が得られていない。
【0004】
また、通常ツーピースソリッドゴルフボールのカバー剤に用いられているアイオノマー樹脂では、飛行性能および耐久性を満足させるために剛性が高く、硬度も高い樹脂が用いられており、スピン性能が劣る。
【0005】
そこでかかる欠点を改善する試みとして剛性が低く硬度の低い樹脂を用いることが提案された(特開平7−51406号公報)。しかしながら、スピン性能は向上するがカバー自体の反撥性能が低下して、ゴルフボールとして満足する飛行性能が得られないという問題があった。
【0006】
ソリッドゴルフボールのコントロール性能と反撥性能を両立させるために有機硫黄化合物を含有させてコアの高反撥化の試みがなされている(特許第2778229号公報、特許第2669051号公報)。
【0007】
一般にソリッドツーピースゴルフボールのコアはポリブタジエンゴム、共架橋剤としてのα,β−不飽和カルボン酸金属塩、重量調整剤あるいは加硫助剤としての酸化亜鉛およびジクミルパーオキサイドなどの遊離基開始剤からなる組成物を加熱加圧成形することによって得られる。この組成物において、α,β−不飽和カルボン酸金属塩はジクミルパーオキサイドなどの遊離基開始剤によってポリブタジエン主鎖にグラフトされ、共架橋剤として働く。ここでポリブタジエン等のゴム成分へのα,β−不飽和カルボン酸金属塩の分散度、あるいはそのグラフト重合の架橋形態の相違が架橋後のコアの硬度と反撥係数のバランスに影響する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はα,β−不飽和カルボン酸金属塩のゴム組成物への分散を改善し、コアの硬度と反撥係数のバランスの優れた架橋形態を可能としたコア組成物を用いたゴルフボールに関する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、式(1)で示されるチオールまたは式(2)で示されるスルフィドから選択される少なくとも1種の硫黄含有化合物と、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の混合物および/または前記少なくとも1種の硫黄含有化合物でコーティングされたα,β−不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム組成物よりなるコアにカバーを被覆したことを特徴とするゴルフボールである。
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、Xは置換基を表わし、kは0〜5の整数を表わす)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、Y、Zは置換基を表わし、l、mは0〜5の整数、nは自然数を表わす)
第2の発明は、前記式(1)で示されるチオールまたは前記式(2)で示されるスルフィドから選択される少なくとも1種の硫黄含有化合物と、高級脂肪酸あるいはその金属塩と、α,β−不飽和カルボン酸金属塩の混合物および/または前記少なくとも1種の硫黄含有化合物と高級脂肪酸あるいはその金属塩の混合物でコーティングされたα,β−不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴム組成物よりなるコアにカバーを被覆したことを特徴とするゴルフボールである。
【0014】
本発明で用いるα,β−不飽和カルボン酸金属塩とは、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などの亜鉛塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等をいう。好ましくはアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛である。そしてα,β−不飽和カルボン酸金属塩は、コアのゴム成分100重量部に対して15〜45重量部配合される。α,β−不飽和カルボン酸金属塩が45重量部を超えると、コアが硬すぎて打球感が悪くなる。一方、上記α,β−不飽和カルボン酸金属塩が15重量部未満のとき、適切な硬さにするために過酸化物を増やさなければならず高反撥が得られないことがある。
【0015】
好ましくは、上記α,β−不飽和カルボン酸金属塩はゴム成分100重量部に対して20〜35重量部である。
【0016】
次に前記式(1)で示されるチオールを例示すれば、ベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、3−クロロベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、4−ヨードベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2,6−ジクロロベンゼンチオール、2,5−ジブロモベンゼンチオール、3,5−ジブロモベンゼンチオール、2−クロロ−5−ブロモベンゼンチオール、2,4,6−トリクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6−ペンタクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンチオール、4−シアノベンゼンチオール、2−シアノベンゼンチオール、4−ニトロベンゼンチオール、2−ニトロベンゼンチオール等があり、特にベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、4−ヨードベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2−クロロ−5−ブロモベンゼンチオール、2,4,5−トリクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6−ペンタクロロベンゼンチオール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンチオール等が好ましい。
【0017】
また、前記式(2)で表わされるスルフィドを例示すれば、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ニトロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド等があり、特にジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)スルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)スルフィド等が好ましい。
【0018】
上記チオールおよびスルフィドは、1種以上を単独もしくは任意の組合せで用いることができる。
【0019】
α,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーティングまたはブレンドする硫黄含有化合物はα,β−不飽和カルボン酸金属塩に対して0.2〜15重量%である。硫黄含有化合物が15重量%を超えると分散性が悪くなる。0.2重量%未満では反撥力増大効果が期待できず、分散性も悪い。好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。
【0020】
このようにα,β−不飽和カルボン酸金属塩をチオール等でコーティングまたはブレンドしたものを用いることにより、これらをそれぞれ別個に配合した場合に比べゴム練りによるゴム組成物への分散が均一になるとともにα,β−不飽和カルボン酸金属塩が過酸化物等の共架橋開始剤の作用によって、ゴム成分の主鎖にグラフト重合し、三次元架橋を形成するが、コア硬度および反撥係数に有利な架橋形態を形成する。
【0021】
本発明では前記硫黄含有化合物に高級脂肪酸あるいはその金属塩を混合したもので、α,β−不飽和カルボン酸金属塩をコーティングするかまたはこれらの混合物とすることもできる。
【0022】
高級脂肪酸あるいはその金属塩を加えることにより、ゴム組成物のロール加工性を改善し、かつゴム組成物中でのα,β−不飽和カルボン酸金属塩の分散性を向上し、コア硬度と反撥係数のバランスを改善する。
【0023】
本発明において用いる高級脂肪酸としてはステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ミリスチン酸などが挙げられ、これらの高級脂肪酸は単独でまたは2種以上混合して使用される。適当な高級脂肪酸の金属塩の金属としては、錯化されない金属であり、1〜3の原子価を有する。一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また二価金属としてマグネシウム、カルシウム、バリウム、銅(第二銅)および亜鉛である。三価金属としては鉄(第二鉄)、コバルト、アルミニウムである。好ましくは亜鉛、マグネシウムによって得られる。
【0024】
α,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーティングまたは混合される高級脂肪酸またはその金属塩の量は、α,β−不飽和カルボン酸金属塩に対して5〜20重量%の範囲である。5重量%未満の場合は混練作業性、分散性とともに、コア硬度と反撥係数のバランスは改善されない。一方、20重量%を超えるとコアの反撥係数が低下する。
【0025】
前記硫黄含有化合物とともに高級脂肪酸(金属塩)をα,β−不飽和カルボン酸金属塩にコーティングするには、たとえば硫黄含有化合物とステアリン酸などの高級脂肪酸の金属塩を、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの有機溶剤に加熱溶解したものとα,β−不飽和カルボン酸金属塩、たとえばアクリル酸亜鉛をかき混ぜ、スラリー状にして、アクリル酸亜鉛の粒子表面を被覆する方法が採用される。
【0026】
本発明で用いるコアのゴム成分としては、通常単層ソリッドゴルフボールまたは多層構造ソリッドゴルフボールの芯材として使用されるもので、特に制限はないが、たとえばシス構造を少なくとも40%以上有する1,4−ポリブタジエンゴムが好ましい。そしてかかる1,4−ポリブタジエンゴムに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合することもできる。
【0027】
なお1,4−ポリブタジエンゴムはゴム成分中80重量%以上配合されることが好ましく、80重量%未満の場合1,4−ポリブタジエンゴムが持つ優れた反撥弾性が損なわれる。
【0028】
次に本発明ではコアのゴム組成物に比重調整剤を配合することが好ましい。
該比重調整剤は、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1〜1.5の範囲に調整するための成分として配合されるものであるが、コアを構成するゴム組成物を硬質化して反撥係数を高め、飛距離アップに有効に作用する役割を持つものである。比重調整剤としては、金属酸化物や無機金属塩、具体的には酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど一般に無機充填剤として用いられる無機物を使用することができ、高比重金属充填剤、たとえばタングステン粉末、モリブデン粉末等およびこれらの混合物と併用してもよい。これらの中でも特に好ましいものは加硫助剤としての機能も発揮する酸化亜鉛である。比重調整剤はゴム成分100重量部に対して2〜30重量部配合される。比重調整剤が30重量部を超えるときゴムの重量分率が小さくなり反撥に不利である。2重量部未満では比重調整が難しい。好ましくは10〜25重量部である。
【0029】
さらに本発明は前記α,β−不飽和カルボン酸金属塩を架橋するのに重合開始剤として過酸化物を用いる。過酸化物は0.2〜5重量部配合される。過酸化物が5重量部を超える配合にすると加硫ゴムが硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。過酸化物が0.2重量部未満のときは十分に架橋が形成されず高反撥が得られない。好ましくは過酸化物は0.3〜2.0重量部である。
【0030】
本発明のコアのゴム組成物には、老化防止剤、しゃく解剤、その他ソリッドゴルフボールのコアの製造に通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。
【0031】
なお、コアは複層構造とすることができる。この場合効果を十分発揮し得るために、本発明による配合のコアの体積がコア全体の体積の50%以上、より好ましくは80%以上である。
【0032】
コアは金型を用いて130〜240℃で15〜60分間加熱加圧成形することにより、直径32.8〜40.8mmの球状ソリッドコアに作製される。好ましくは直径は33.6〜40.0mmである。32.8mmより小さいと反撥性能が低下して飛距離が低下し、一方40.8mmより大きいと耐久性が低下する。
【0033】
本発明のゴルフボールはコアにカバーを被覆して製造するが、そのカバーは単層構造はもとより、2層以上の多層構造であってもよい。カバー材料としては、アイオノマー、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の熱可塑性エラストマー、ジエン系ブロック共重合体を単独または2種以上混合して使用し得る。カバー用樹脂全体を100重量部とすると、上記熱可塑性エラストマーやジエン系ブロック共重合体の配合量は、0〜60重量部、好ましくは10〜40重量部である。
【0034】
カバーには上記混合物以外にも必要に応じて、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機充填剤や種々の添加剤、たとえば二酸化チタン等の顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することができる。
【0035】
カバー成形時に、必要に応じてボール表面にディンプルを形成し、カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。
【0036】
カバーをコアに被覆するにはカバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてソリッドコアを包み込み加圧成形するか、射出成形できる。カバーの厚さは1.0〜5.0mm、好ましくは1.4〜4.6mm、さらに好ましくは1.4〜2.5mmである。
【0037】
【実施例】
1.アクリル酸亜鉛のコーティング
酸化亜鉛600gとトルエン2000mlとを5lのジャケット式立て型のミキサーに仕込み、かき混ぜながら懸濁させ、次にアクリル酸1060gを30℃で30分間で滴下して混合した後、60℃で60分間反応させた。反応終了後、ステアリン酸亜鉛166gと硫黄含有化合物1.66g〜299gをトルエン100mlに加えて45〜50℃加熱溶解した溶液を添加し、30分間かき混ぜ、スラリー状にした。生成物を次に70℃、120〜60mmHgの減圧下で3時間加熱して生成水およびトルエンを留出させ乾燥を行なった。ステアリン酸亜鉛でコーティングされた耐吸湿性のアクリル酸亜鉛A〜Eを得た。またステアリン酸亜鉛を添加せずに上記と同様な方法でアクリル酸亜鉛Fを得た。
【0038】
2.コア組成物の作製
表1に上記方法で得られた硫黄含有化合物とステアリン酸亜鉛でコーティングしたアクリル酸亜鉛A〜Eと硫黄含有化合物(ベンゼンチオール)のみでアクリル酸亜鉛をコーティングしたアクリル酸亜鉛Fを用いた各種配合内容を示す。
【0039】
また表2には比較例の配合を示す。
また表3にはコーティングされたアクリル酸亜鉛の配合量を変更した配合内容を示す。これらのゴム組成物をロール混練で調製し、金型で160℃で30分間加熱加圧成形して、外径38.2mmのコアを得た。
【0040】
なお、表1〜表3に用いたゴム成分、アクリル酸亜鉛の仕様は次のとおりである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
1) BR11:シス含量96%(JSR社製)
2) アクリル酸亜鉛A:10%ステアリン酸亜鉛と1.5%ベンゼンチオールでコーティング
3) アクリル酸亜鉛B:10%ステアリン酸亜鉛と2.5%ベンゼンチオールでコーティング
4) アクリル酸亜鉛C:10%ステアリン酸亜鉛と1.5%ペンタフルオロチオフェノールでコーティング
5) アクリル酸亜鉛D:10%ステアリン酸亜鉛と0.1%ベンゼンチオールでコーティング
6) アクリル酸亜鉛E:10%ステアリン酸亜鉛と18%ベンゼンチオールでコーティング
7) アクリル酸亜鉛F:2.0%ベンゼンチオールでコーティング
3.カバーの被覆
前述の方法で製造されたコアに、表4に示す配合のカバーを被覆し、ゴルフボールを製造した。カバーの厚さは2.3mmで、ゴルフボール直径は43.0mmである。
【0045】
【表4】
【0046】
4.ゴルフボールの性能評価
このようにして得られたコアおよびゴルフボールの性能評価をするため、次の評価方法を採用した。
【0047】
(1) コアコンプレッション
コアに初荷重98Nをかけた状態から終荷重1275Nをかけたときのコアの変形量(mm)を測定した。
【0048】
(2) 飛距離(キャリー)
ツルーテンパー社製スイングロボットにて、ウッド1番を用いてヘッドスピード45m/sにて実打したときのキャリー(m)を測定した。
【0049】
(3) コア反撥係数
コアに198.4gの金属円筒物を40m/sの速度で衝突させ、衝突前後の円筒物およびボールの速度を測定し、それぞれの速度および重量から算出した。
【0050】
評価結果を表1、表2および表3に示し、さらにその結果を図1に横軸に反撥係数を、縦軸にコアコンプレッションとしてプロットしている。グラフの上側にシフトするほど、同じ反撥係数でも柔らかい、すなわちフィーリングの良いゴルフボールが得られる。
【0051】
本発明の実施例は比較例1、2および3よりも右上側にシフトしたところでプロットが分布しており、フィーリングおよび反撥係数の優れたものであることがわかる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、共架橋剤としてのα,β−不飽和カルボン酸金属塩を改良し、高級脂肪酸または高級脂肪酸の金属塩とチオールまたはスルフィドを併用した、あるいはチオール、スルフィドを単独でコーティング、あるいは併用したα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を配合したゴム組成物を用いることにより前記配合剤を単独に用いた場合よりもコアの硬度を損なうことなく、優れた反撥性能を有するゴルフボールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コアコンプレッションとコア反撥係数の関係を示すグラフである。
Claims (5)
- α,β−不飽和カルボン酸金属塩は、ゴム組成物のゴム成分100重量部に対して15〜45重量部配合されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
- 金属酸化物および/または無機金属塩がゴム成分100重量部に対して2〜30重量部配合されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
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