JP2001187038A - 磁気共鳴スペクトロスコピー装置、関心領域の位置決め方法、及び記録媒体 - Google Patents
磁気共鳴スペクトロスコピー装置、関心領域の位置決め方法、及び記録媒体Info
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Abstract
する場合に、設定した関心領域が脂肪組織を多く含む部
分をできるだけ含まないようにして、水及び脂肪以外の
代謝物質の濃度分布を視覚的に明確に捉えることができ
るようにしたことを目的としたものである。 【解決手段】操作者が位置決め画像上で関心領域(通常
は、水の励起される領域)を設定すると、この設定した
関心領域とは別に、脂肪の励起される領域が表示され
る。これにより、操作者は、脂肪の励起される領域が、
脂肪組織を多く含んでいる部分を含んでいるか否かを認
識することができる。そのため、たとえ脂肪組織を多く
含んでいる部分を含んでいても、関心領域を再設定すれ
ば、上記課題を解決することができる。
Description
netic resonance)現象を利用して、生
体の機能情報としてMRスペクトルを得る磁気共鳴スペ
クトロスコピー(MRS)装置におけるスペクトルデー
タの位相補正に関する。
ング(MRI:Magnetic Resonance
Imaging)装置は、被検体中(主に水分子に含
まれる)の水素原子核の濃度分布に反映した画像を取得
するものである。従って、このMRI装置では、腫瘍や
出血等によって、コリン、クレアチン、NAA、脂肪等
の代謝物質の濃度分布における強度比が変化しても、こ
の腫瘍や出血等の情報は得られない。
質(コリン、クレアチン、NAA、脂肪等)の濃度分布
を複素スペクトルにより視覚的に捉えることができる磁
気共鳴スペクトロスコピー(MRS:Magnetic
Resonance Spectroscopy)装
置が開発されている。MRSとは、様々な分子の化学結
合の違いによる磁気共鳴周波数の差異(ケミカルシフ
ト)を手掛かりに、分子ごとの信号を分離する方法であ
る。このケミカルシフトが生じるのは、同一の核種でも
周囲の電子の状態など環境の異なる物質は、それぞれ少
しずつ異なる静磁場を感ずるため、これにより異なる共
振周波数を持つためである。
しており、図11(b)は、このMRI画像中の関心領
域(ROI)におけるMRスペクトルを示している。こ
れらMRI画像及びMRスペクトルにより、多数の画素
のスペクトルを同時に取得して、分子ごとに画像化を行
うことで、代謝物質ごとの濃度分布を視覚的に捉えるこ
とが可能となる。
してMRI画像を表示させ、その後に操作者がこのMR
I画像上で関心領域100を設定すると、この関心領域
におけるMRスペクトルが表示されるようになってい
る。
心のある代謝物質(NAA、クレアチン、コリン、乳酸
等)は、おおよそ水と脂肪のケミカルシフトの間に存在
し、水及び脂肪は、これら乳酸等の代謝物質に比べて極
めて大きな信号値(信号強度)を持つ。従って、水及び
脂肪の信号が混入すると、乳酸等のピークそのものが隠
れて見えなくなるか、或いはこれらの大きなスペクトル
のベースラインにより歪みを受けて、定量的な評価がで
きなくなるなどの問題が生じてしまう。そのため、この
問題を解消すべく、ほとんどの組織に存在する水信号に
ついては、通常、周波数選択的励起パルスによりプリサ
チュレーションさせて抑制する方法が取られている。
ペクトルピークは、脂肪のケミカルシフトとほぼ同じ周
波数領域に存在する。そのため、脂肪信号については、
上記水信号と同様にプリサチュレーションさせて抑制す
ると、観測の対象である乳酸信号なども一緒に抑制され
てしまう。このように、脂肪信号についてはプリサチュ
レーションできないため、関心領域を設定する際に、脂
肪の組織を極力含まないように設定しなければならな
い。
像)上に表示される関心領域は、ほとんどの組織に存在
する水信号を基準としているため、脂肪組織を含まない
ように関心領域を設定しても、実際には関心領域内に脂
肪組織を多く含む領域を含むおそれがある。これに関し
ては、以下詳細に説明する。
象にする場合と、多数の画素(ボクセル)のスペクトル
を同時に取得し、分子ごとに画像化を行う場合がある。
前者は、領域選択スペクトロスコピー又はシングルボク
セルスペクトロスコピー(single−voxel
Spectroscopy)と呼ばれている。また、後
者は、マルチボクセルスペクトロスコピー(multi
−voxel Spectroscopy)又は磁気共
鳴スペクトロスコピックイメージング(MRSI:Ma
gnetic Resonance Spectros
copic Imaging)若しくはケミカルシフト
イメージング(CSI:Chemical Shift
Imaging)と呼ばれている。
ピーでは、MR信号の発生する領域を関心領域に限定す
るため、パルス状の線形な傾斜磁場と、特定の中心周波
数及び帯域を持つ高周波磁場とを組み合わせて、この周
波数に対応する領域を選択的に励起する方法(「選択励
起法」という。)が使用される場合が多い。そこで、領
域選択スペクトロスコピーのパルスシーケンスを図12
に示す。この図12に示すごとく、領域選択スペクトロ
スコピーでは、90°、180°、180°の高周波パ
ルス(RFパルス)のそれぞれにX,Y,Zの直交する
3方向の傾斜磁場(Gx,Gy,Gz)を付加して、直
方体の領域より2ndスピンエコーを得ている。この選
択励起法は、一般のMRIでスライス面選択に使用され
る方法と同じである。
別は位相エンコードとフーリエ変換によって行うが、1
Hスペクトロスコピーでは、周囲の脂肪組織の信号の折
り返しなどを防ぐために、上記領域選択スペクトロスコ
ピーの場合と同様の選択励起法を組み合わせる場合があ
る。そこで、MRSIのパルスシーケンスを図13に示
す。これは、選択励起法と位相エンコードを組み合わせ
た空間2Dのパルスシーケンスである。
ロスコピーやMRSIのように選択励起法を用いると、
位置決め画像上で関心領域を設定する場合に不具合を生
じることがある。即ち、ケミカルシフトにより異なる代
謝物質は少しずつずれた周波数で共振するため、このケ
ミカルシフトに相当する分だけ、各代謝物質のMR信号
は異なる領域から発生することになる。これについて、
以下、具体的に説明する。
形の傾斜磁場GXを印加し、その時のケミカルシフトσ
の代謝物質の共鳴周波数Fは、磁気回転比をγとする
と、(1)式のようになる。
さいため無視することができる。そのため、中心周波数
を(γ/2π)B0と設定して、検波した後に観測され
る周波数fは、(2)式で表される。
シフトがそれぞれσA,σBの2つの代謝物質A、Bの
共鳴周波数と励起される領域の様子を表すと、図14に
示す関係が成り立つ。即ち、代謝物質AとBから励起さ
れるMR信号は、ケミカルシフトに相当する分だけずれ
て、異なる領域から発生する。
面上でどの程度になるかについて例示する。
磁場強度をG、関心領域の一辺の大きさをL、水と脂肪
のケミカルシフトをσ、対象核種の共鳴周波数をf0、
水と脂肪の位置ずれをDとすると、(3)、(4)式の
ように表される。
場合を考えると、同じフリップ角を得るには、RFの波
高値を上げる必要があるため、RFパルスを出力するハ
ードウェアの性能、人体に照射されるRFパワーの上
限、RFコイルの耐圧などから制限を受ける。従って、
上記Δfの値をむやみに大きくすることはできない。
z〕である領域選択スペクトロスコピーの場合を考えて
みる。ボクセルサイズを1辺2〔cm〕とすると、付加
する傾斜磁場強度は、上記(3)式より、2000/2
=1000〔Hz/cm〕となる。水と脂肪のケミカル
シフトは約3.5〔ppm〕であり、静磁場強度1.5
〔T〕におけるラーモア周波数は63.9×106〔H
z〕であるから、静磁場強度1.5〔T〕での共鳴周波
数は、3.5×10−6×63.9×106=224
〔Hz〕である。従って、水と脂肪の位置のずれは、
(4)式より、224/1000=0.22〔cm〕に
なる。
では、シングルボクセルスペクトロスコピーの場合に比
べて、複数のボクセルを含む広い領域を選択励起する必
要がある。しかし、上記の理由により、高周波パルスの
帯域をこれに合わせて広げることは現実的に困難である
ため、実際には傾斜磁場パルスの強度を下げる方法が取
られている。ここで、MRSIの選択領域を1辺8〔c
m〕とすると、傾斜磁場の強度は上記の場合の1/4と
なるため、水信号と脂肪信号の位置ずれは4倍の0.9
〔cm〕にもなる。即ち、RFパルスの最大出力振幅が
一定の場合、スライス厚が厚いほど、ケミカルシフトの
位置ずれは大きくなることになる。
る関心領域は、上記の如く、ほとんどの組織に存在する
水信号を基準とするものである。そのため、上記のよう
に水信号と脂肪信号の励起される領域の位置ずれが生じ
ると、操作者は脂肪組織を多く含んだ領域を避けて関心
領域を設定したつもりでも、実際には脂肪組織を多く含
んだ領域を関心領域に含めてしまうことになる。その結
果、周囲の脂肪組織が励起されてMRスペクトルデータ
に混入してしまう。特に、上記の如く、MRSIの場合
には、水と脂肪の位置のずれは0.9〔cm〕にもなる
ため、MRI画像上で関心領域の位置決めをする際に、
このずれを無視することはできない。ここで、位置のず
れが実際にどの程度になるかを、ヒトの頭部を例にとっ
てに説明する。
決め画像)を示す。頭部の脂肪組織103は、主に頭皮
下に存在する。そのため、操作者は脂肪組織103を避
けて、関心領域の位置決めをする必要がある。しかし、
実線101で示す如く、操作者が脂肪組織103を避け
て関心領域の位置決めをしたつもりでも、上記のように
水信号と脂肪信号の励起される領域の位置がずれている
ため、実際には、点線102で示した領域を位置決めし
たことになる。これでは、脂肪組織が励起されてスペク
トルデータに混入するため、脂肪組織を避けて位置決め
をしても意味がない。
される領域の位置ずれがどの方向に発生するかというこ
とに関しては、選択励起の際の傾斜磁場の極性により決
まる。即ち、図16(a)に示すように、システムの座
標軸に対して正方向の傾斜磁場を加えた場合には、脂肪
の励起される領域は常にシステムの座標軸の正方向にシ
フトする。一方、図16(b)に示すように、傾斜磁場
の極性を反転させると、システムの座標軸の負方向にシ
フトする。ところが、実際のMRI画像を用いた位置決
め操作の際には、操作者は、傾斜磁場の印加される極性
を知ることができないため、脂肪の励起される領域も知
ることができない。
S装置では、操作者は水信号に対して脂肪信号の励起さ
れる領域の位置がずれるという事実を分かっていても、
それがどのように(どの方向へ及びどの程度)ずれてい
るかを認識することはできないため、関心領域の周囲の
脂肪組織が励起されて多量にMRスペクトルデータに混
入し、水及び脂肪以外の代謝物質の濃度分布を視覚的に
明確に捉えることができない場合があるという問題が生
じていた。
のであり、MRスペクトルを得るために位置決め画像
(MRI画像)上で関心領域の設定をする場合に、設定
した関心領域が脂肪組織を多く含む部分をできるだけ含
まないようにして、水及び脂肪以外の代謝物質の濃度分
布を視覚的に明確に捉えることができるようにしたこと
を目的としたものである。
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、関心領域の
位置決め画像上で関心領域を設定することにより、当該
設定した関心領域における代謝物質ごとの濃度分布を示
すスペクトルデータを表示することができる磁気共鳴ス
ペクトロスコピー装置において、前記関心領域の位置決
め画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂肪の励
起される領域を表示することを特徴とする。ここで、脂
肪の励起される領域は、設定された関心領域とは別個に
表示されていればよく、脂肪の励起される領域と設定さ
れた関心領域の表示態様(例えば、線、図形、記号、模
様、色彩等)が同じであってもよい。また、脂肪の励起
される領域を点滅させて表示してもよい。更に、脂肪の
励起される領域と設定された関心領域を、別の表示画面
にそれぞれ別個に表示してもよい。
の位置決め画像上で関心領域を設定することにより、当
該設定した関心領域における代謝物質ごとの濃度分布を
示すスペクトルデータを表示することができる磁気共鳴
スペクトロスコピー装置において、前記位置決め画像上
における関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性を
制御することを特徴とする。
の位置決め画像上で関心領域を設定することにより、当
該設定した関心領域における代謝物質ごとの濃度分布を
示すスペクトルデータを表示することができる磁気共鳴
スペクトロスコピー装置において、前記位置決め画像上
における関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性を
制御する磁場極性制御手段と、前記関心領域の位置決め
画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂肪の励起
される領域を表示させる脂肪領域表示手段と、を具備し
たことを特徴とする。
の位置決め画像上で関心領域を設定することにより、当
該設定した関心領域における代謝物質ごとの濃度分布を
示すスペクトルデータを表示することができる磁気共鳴
スペクトロスコピー装置において、前記位置決め画像上
における関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性を
制御する磁場極性制御手段と、前記関心領域の位置決め
画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂肪の励起
される領域を表示させる脂肪領域表示手段と、前記設定
した関心領域を再設定する関心領域再設定手段と、を具
備したことを特徴とする。
の位置決め画像上で関心領域を設定することにより、当
該設定した関心領域における代謝物質ごとの濃度分布を
示すスペクトルデータを表示することができる磁気共鳴
スペクトロスコピー装置において、前記位置決め画像上
における関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性を
制御する磁場極性制御手段と、前記関心領域の位置決め
画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂肪の励起
される領域を表示させる脂肪領域表示手段と、前記磁場
極性制御手段により制御された傾斜磁場の極性を再制御
する磁場極性再制御手段と、を具備したことを特徴とす
る。
濃度分布を示すスペクトルデータの表示対象となる関心
領域を位置決めする方法において、前記位置決め画像上
における関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性を
制御する磁場極性制御処理と、前記関心領域の位置決め
画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂肪の励起
される領域を表示させる脂肪領域表示処理と、前記磁気
極性制御処理及び前記脂肪領域表示処理の後に、前記設
定した関心領域を再設定する関心領域再設定処理と、を
行うことを特徴とする。
ごとの濃度分布を示すスペクトルデータの表示対象とな
る関心領域を位置決めする方法において、前記位置決め
画像上における関心領域の設定位置に応じて、傾斜磁場
の極性を制御する磁場極性制御処理と、前記関心領域の
位置決め画像上に、前記設定した関心領域とは別に、脂
肪の励起される領域を表示させる脂肪領域表示処理と、
前記磁気極性制御処理及び前記脂肪領域表示処理の後
に、前記磁場極性制御処理により制御された傾斜磁場の
極性を再制御する磁場極性再制御処理と、を行うことを
特徴とする。
のいずれか一項に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー装
置又は請求項6、7に記載の関心領域位置決め方法にお
いて、前記傾斜磁場の極性を制御するとは、前記脂肪の
励起される領域が前記関心領域よりも静磁場の中心側に
位置するように、傾斜磁場の極性を変化することである
ことを特徴とする。
の磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は請求項7に記載
の関心領域位置決め方法において、前記磁場極性再制御
手段又は前記磁気極性再制御処理により傾斜磁場の極性
を再制御するとは、前記磁場極性制御手段又は前記磁気
極性制御処理により制御された傾斜磁場の極性を反転す
ることであることを特徴とする。
載の磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は請求項7に記
載の関心領域位置決め方法において、前記磁場極性再制
御手段又は前記磁気極性再制御処理による傾斜磁場の極
性の再制御は、前記脂肪領域表示手段又は前記脂肪領域
表示処理により表示されている脂肪の励起された領域を
移動させることにより始動することを特徴とする。
3、4若しくは5に記載の磁気共鳴スペクトロスコピー
装置又は請求項6若しくは7に記載の関心領域位置決め
方法において、前記関心領域と前記脂肪の励起される領
域との表示態様を異ならせることを特徴とする。
記載の磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は関心領域位
置決め方法において、前記関心領域と脂肪の励起される
領域の表示態様を異ならせることは、関心領域の外枠を
実線で表し、脂肪の励起される領域を点線で表すことで
あることを特徴とする。
記載の磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は関心領域位
置決め方法において、前記関心領域と脂肪の励起される
領域の表示態様を異ならせることは、カラー表示におけ
る色の違いにより行うことであることを特徴とする。
1乃至13のいずれか一項に記載の磁気共鳴スペクトロ
スコピー装置、関心領域位置決め方法における各手段又
は各処理を実行可能なプログラムを記録した記録媒体で
あることを特徴とする。ここで、前記「記録媒体」と
は、上記磁気共鳴スペクトロスコピー装置側で上記手順
を実行するためのプログラムが読み取り可能であればよ
く、物理的な記録方法には依存しない。
記載の発明に対応)以下に本発明の第1の実施形態につ
いて、主に図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本
発明が適用された一実施形態のMRS装置の概略図であ
る。このMRS装置は、被検体としての患者Pを載せる
寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場
に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、RF信
号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロー
ル及び画像再構成を担う制御・演算部と、患者Pの心時
相を表す信号としてのECG(心電図)信号を計測する
心電計測部とを機能的に備えている。
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の長手軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させ
る。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられて
いる。このシムコイル14には、後述するホスト計算機
6の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化の
ための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた
天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サの制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁
場を発生させるためのパルス電流を供給する。
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、Z軸に沿っ
たスライス用傾斜磁場、X軸に沿った第1位相エンコー
ド用傾斜磁場、Y軸方向に沿った第2位相エンコード用
傾斜磁場の各方向を任意に設定・変更することができ
る。スライス方向、第1及び第2の位相エンコード方向
の各傾斜磁場は、静磁場H0に重畳される。
Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このRFコイル
7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。
後述するシーケンサの制御のもと、この送信器8Tは、
磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数
のRF電流パルスをRFコイル7に供給する一方、受信
器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信
号)を受信し、この受信信号に各種の信号処理を施し
て、対応するデジタルデータを形成するようになってい
る。
(「シーケンスコントローラ」とも呼ばれる)5、ホス
ト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表
示器12、および入力器13を備える。この内、ホスト
計算機6は、記憶したソフトウエア手順により、シーケ
ンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、シ
ーケンサ5を含む装置全体の動作を統括する機能を有す
る。
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルス
シーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tお
よび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報で
あり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパ
ルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関す
る情報を含む。また、シーケンサ5は、受信器8Rが出
力するデジタルデータ(MR信号)を入力して、このデ
ータを演算ユニット10に転送する。
ケンサ5を介して送られてくるMR信号のデジタルデー
タを入力してフーリエ空間(k空間または周波数空間と
も呼ばれる)への原データ(「生データ」とも呼ばれ
る)の配置、および、原データを実空間画像に再構成す
るための2次元または3次元のフーリエ変換処理を行う
一方で、画像データの合成処理を行うようになってい
る。この画像データは表示器12に送信され、MRI画
像又はMRS画像として表示される。尚、フーリエ変換
処理はホスト計算機6に担当させてもよい。
加え、本発明の特徴部分を担う機能として、以下のもの
を有する。即ち、演算ユニット10は、入力器13によ
り設定した関心領域(水信号の励起される領域)のMR
I画像上における位置を認識することができる。また、
上記(3)式及び(4)式に基づいて、水信号に対して
脂肪信号が励起される領域のずれ量を計算し、上記関心
領域とは別に、MRI画像上に脂肪の励起された領域
(例えば、当該領域の外枠を点線で表す)を表示させる
ことができる。更に、操作者が入力器13により関心領
域の大きさ又は位置の設定を変更した場合には、脂肪の
励起された領域も変更して表示させることができる。
る同期タイミング選択用のパラメータ情報、スキャン条
件、パルスシーケンス、画像合成法などの情報をホスト
計算機6に入力できるようになっている。
成画像データのみならず、上述の合成処理が施された画
像データを保管することができる。また、記憶ユニット
11には、後述するアルゴリズムを実行するためのプロ
グラムが記録されており、演算ユニット10によって読
み取られて実行されるようになっている。
y,zコイル3x〜3zは、それぞれスライス方向傾斜
磁場、位相エンコード方向傾斜磁場、読出し方向(周波
数エンコード方向)傾斜磁場の発生に用いられる。
動作について、主に図1乃至図3を用いて説明する。
関心領域の位置決め画像(MRI画像)を表示器12に
表示する必要がある。このMRI画像を表示させるため
のパルスシーケンスは、特開平4−227232号公報
等に示されているように、従来から一般に使用されてい
るものであるため、ここでは説明を省略する。
コイル3x〜3zは、それぞれスライス方向傾斜磁場、
位相エンコード方向傾斜磁場、読出し方向(周波数エン
コード方向)傾斜磁場を静磁場H0に重畳する。この
間、送信器8Tから供給されたRF電流パルスにより、
RFコイル7からRFパルスが患者Pに印加されて、磁
気共鳴を励起させる。一方、受信器8Rは、励起された
MR信号を受信し、この受信信号に各種の信号処理を施
して、対応するデジタルデータを形成する。このデジタ
ルデータはシーケンサ5を介して演算ユニット10に送
られる。
原データの配置、及び、原データを実空間画像に再構成
するための2次元又は3次元のフーリエ変換処理を行う
一方で、画像データの合成処理を行う。演算ユニット1
0で合成処理が行われた画像データは、表示器12にM
RI画像として表示される。
位置決め動作に入る。この位置決め動作に関しては、図
3に示すアルゴリズムに基づき、以下のような処理によ
って行われる。尚、本実施形態では、位置決め画像の一
例として、ヒトの頭部のMRI画像を用いる。
13を使用して、位置決め画像上で関心領域(実線の四
角形21)を設定すると(ステップS1)、関心領域を
表す実線の四角形21とは別に、脂肪の励起される領域
が点線の四角形22で表される(ステップS2)。これ
により、操作者は、脂肪の励起される領域が頭皮部分2
3を含んでいるか否かを認識することができる。
を含んでいるように表示された場合には(ステップS
3)、操作者は、点線の四角形22が頭皮部分23を含
まないように、再度、関心領域を設定し直し(ステップ
S4)、関心領域の設定が完了する。一方、点線の四角
形22が頭皮部分23を含んでいない場合は(ステップ
S3)、この時点で関心領域の設定が完了する。
入力器13によりMRスペクトルを表示させるための操
作を行う。この操作は、例えば、入力器13に設けられ
た図示しないスイッチを押すことにより行う。これによ
り、従来と同様、図12及び図13に示すパルスシーケ
ンスに基づいて、MRスペクトルが表示器13に表示さ
れる。
MRI画像上で関心領域(水が励起される領域)を設定
すると、脂肪が励起される領域も同時に表示することが
可能である。そのため、たとえ脂肪の励起される領域が
人体の脂肪を多く含む部分を含んでいても、操作者は脂
肪の励起される領域が脂肪組織を多く含んでいる部分を
含まないように関心領域を容易に設定し直すことができ
る。これによって、脂肪組織が励起されてMRスペクト
ルデータに混入することを防止でき、水及び脂肪以外の
代謝物質の濃度分布を視覚的に明確に捉えることができ
る。
示されているが、これに限るものではなく、MRI画像
として矢状断面、冠状断面を表示する場合には、脂肪信
号が励起される領域の3方向のずれ量を計算して、Z方
向についても同様に脂肪の励起される領域が同時に表示
される。
明に対応)以下に本発明の第2の実施形態について、主
に図1、図4及び図5に基づいて説明する。ここで、本
実施形態は、第1の実施形態の特徴部分である脂肪の励
起される領域を表示させる機能以外は、第1の実施形態
と同じであるため、同一の構成要素には同一の符号を用
いて、その説明を省略する。
に、水に対する脂肪の位置ずれがどの方向に発生するか
否かは、選択励起の際の傾斜磁場の極性により決まる
が、実際のMRI画像を用いた位置決め操作の際には、
操作者は傾斜磁場の印加される極性を知ることはできな
い。そのため、操作者は、脂肪の励起される領域が関心
領域に対してどの方向にあるかを知ることができない。
ーゲットは脳であり、混入を避けるべき頭部の脂肪は主
に頭皮部分、即ち、関心領域の周辺部(静磁場中心から
外側に向かう方向)に存在していることは分かってい
る。
る事実に基づき、傾斜磁場の極性について以下に示すよ
うな一定の規則に従った既定義の設定を持たせて、自動
的に傾斜磁場の極性(磁場勾配の正・負)を変える機能
を演算ユニット10に追加したものである。尚、以下、
説明の便宜上、X方向1次元のみについて説明する。
0、関心領域の中心のX座標をXRとすると、一定の規
則に従った既定義は、(5)式及び(6)式で表され
る。
4(a)に示すように、関心領域の中心が、磁石1の中
心に対して、システムのX座標軸の正側にある場合は、
シーケンサ5から負の磁場勾配を与えるようなパルスを
出力する。即ち、空間的にX座標の正方向の増加に対し
て、静磁場強度が減少する極性のパルスを出力する。一
方、図4(b)に示すように、関心領域の中心が、磁石
1の中心に対して、システムのX座標軸の負側にある場
合は、シーケンサ5から正の磁場勾配を与えるようなパ
ルスを出力する。即ち、空間的にX座標の正方向の増加
に対して、静磁場強度が増加する極性のパルスを出力す
る。
と同様な既定義の設定を持たせることはいうまでもな
い。
いて説明する。尚、関心領域の位置決めに至るまでの動
作については、第1の実施形態と同じであるため、その
説明を省略し、関心領域の位置決め動作から説明する。
この位置決め動作に関しては、図5に示すアルゴリズム
に基づき、以下のような処理によって行われる。
置決め画像上で関心領域を設定する(ステップS1
1)。すると、演算ユニット10により、この設定され
た関心領域の中心が磁石1の中心に対してシステムのX
座標軸の正側にあるか或いは負側にあるかが判断される
(ステップS12)。演算ユニット10により、関心領
域の中心が、磁石1の中心に対してシステムのX座標軸
の正側にあると判断された場合には、送信器8Tにより
与えられる傾斜磁場が、負の磁場極性となるように変化
する(ステップS13)。一方、演算ユニット10によ
り、関心領域の中心が、磁石1の中心に対してシステム
のX座標軸の負側にあると判断された場合には、送信器
8Tにより与えられる傾斜磁場が、正の磁場勾配となる
ように変化する(ステップS14)。これにより、関心
領域の設定が完了する。これ以降は、上記第1の実施形
態と同様であるため、その説明を省略する。
画像上における関心領域の設定位置に応じて、磁場勾配
の正・負を変えて与えるようにしたため、脂肪の励起さ
れる領域は、水の励起される領域に対して常に静磁場中
心側にシフトすることになる。これにより、上記第1の
実施形態と同様の効果を得ると共に、更に、操作者が関
心領域を設定し直す手間が省けるため、より円滑な診断
を行うことが可能となる。
明に対応)以下に本発明の第3の実施形態について、主
に図6〜図8に基づいて説明する。本実施形態は、要約
すると、第1の実施形態の特徴部分である脂肪の励起さ
れる領域を表示する機能、及び、第2の実施形態の特徴
部分である関心領域の設定位置に応じて傾斜磁場の極性
を制御する機能を合わせたものである。このように、本
実施形態は第1及び第2の実施の形態を合わせた構成で
あるため、同一の構成要素には同一の符号を用いて、そ
の説明を省略する。また、関心領域の位置決めに至るま
での動作については、第1の実施形態と同じであるた
め、その説明を省略する。
説明する。
コピーの主なターゲットが脳であり、混入を避けるべき
頭部の脂肪は主に頭皮部分、即ち、関心領域の周辺部分
(静磁場中心から外側に向かう方向)に存在すると仮定
した場合の好適な設定である。そのため、例えば、頭部
の中心が静磁場中心から大きくずれている場合に、上記
と同様の方法でMRS画像を得ようとすると、関心領域
内に脂肪組織を含む事態が生じる。これに関しては、更
に以下詳細に説明する。
いる場合の一例を図6に示す。この図6は、関心領域の
中心は頭部の中心を基準にすると負方向(左側)にある
が、静磁場(システム)の中心を基準にすると正方向
(右側)にある場合を示している。この様な場合に、第
2の実施形態と同様に傾斜磁場の極性を制御すると、脂
肪の励起される領域は更に負方向(左側)になり、更に
多くの脂肪組織が励起されてスペクトルデータに混入し
てしまう。
に、第2の実施形態に加えて、第1の実施形態の特徴で
ある「関心領域の表示とは別に、脂肪の励起される領域
を点線の四角形22で表示する機能」を用いたものであ
る。
様に、Y方向及びZ方向についても、X方向と同様な既
定義の設定を持たせることはいうまでもない。
いて説明する。尚、関心領域の位置決めに至るまでの動
作については、第1の実施形態と同じであるため、その
説明を省略し、関心領域の位置決め動作から説明する。
この位置決め動作に関しては、図8に示すアルゴリズム
に基づき、以下のような処理によって行われる。
置決め画像上で関心領域を設定する(ステップS2
1)。すると、上記第2の実施形態と同様に、演算ユニ
ット10により、この設定された関心領域の中心が磁石
1の中心に対してシステムのX座標軸の正側にあるか或
いは負側にあるかが判断される(ステップS22)。演
算ユニット10により、関心領域の中心が、磁石1の中
心に対してシステムのX座標軸の正側にあると判断され
た場合には、送信器8Tにより与えられる傾斜磁場が、
負の磁場極性となるように変化する(ステップS2
3)。一方、演算ユニット10により、関心領域の中心
が、磁石1の中心に対してシステムのX座標軸の負側に
あると判断された場合には、送信器8Tにより与えられ
る傾斜磁場が、正の磁場勾配となるように変化する(ス
テップS24)。
2に示すように、関心領域を表す実線の四角形21とは
別に、脂肪の励起される領域が点線の四角形22で表さ
れる(ステップS25)。これにより、操作者は、脂肪
の励起される領域が頭皮部分23を含んでいるか否かを
認識することができる。
を含んでいるように表示された場合には(ステップS2
6)、操作者は、点線の四角形22が頭皮部分23を含
まないように、再度、関心領域を設定し直し(ステップ
S27a)、関心領域の設定が完了する。一方、点線の
四角形22が頭皮部分23を含んでいない場合は(ステ
ップS26)、この時点で関心領域の設定が完了する。
これ以降は、上記第1の実施形態と同様であるため、そ
の説明を省略する。
心が静磁場中心から大きく外れていない場合には、第1
の実施形態のように操作者が関心領域を設定し直すとい
う手間が省け、頭部の中心が静磁場中心から大きく外れ
ている場合に限り、操作者が関心領域を設定し直せば良
いことになる。これにより、あらゆる場合に即応して、
脂肪組織が励起されてデータに混入することを防止で
き、水及び脂肪以外の代謝物質の濃度分布を視覚的に明
確に捉えることができる。
記載の発明に対応)以下に本発明の第4の実施形態につ
いて、主に図9に基づいて説明する。上記第3の実施形
態では、頭部の中心が静磁場中心から大きく外れている
場合には、位置決め画像上の関心領域を設定し直すこと
としたが、本実施形態では、関心領域を設定し直さず、
上記第2の実施形態で自動的に行っていた傾斜磁場の極
性の反転を操作者が手動で行うことを可能としたもので
ある。そのため、本実施の形態では、入力器13に、関
心領域の直交3方向の傾斜磁場の極性を反転させるため
の図示しないスイッチ機構を設けている。このように、
本実施形態は、上記第3の実施形態の変形例の1つであ
り、傾斜磁場の極性を反転させるスイッチ機構以外は、
上記第3の実施形態と同様の構成であるため、その説明
を省略する。
いて説明する。尚、位置決め動作に関しては、図9に示
すアルゴリズムに基づいて処理されるが、ステップS2
6までは上記第3の実施形態と同じであるため、それ以
降の処理から説明する。
23を含んでいるように表示された場合には(ステップ
26)、操作者は、入力器13のスイッチ機構により、
手動で傾斜磁場の極性(磁場勾配の正・負)を反転させ
る(ステップS27b)。一方、点線の四角形23が頭
皮部分23を含んでいない場合は(ステップS26)、
この時点で関心領域の設定が完了する。これ以降は、上
記第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略す
る。
が静磁場中心から大きく外れていない場合には、第1の
実施形態のように操作者が関心領域を設定し直すという
手間が省け、頭部の中心が静磁場中心から大きく外れて
いる場合に限り、操作者が傾斜磁場の極性を反転させれ
ば良いことになる。これにより、第3の実施形態と同様
に、あらゆる場合に対応して、脂肪組織が励起されてデ
ータに混入することを防止でき、水及び脂肪以外の代謝
物質の濃度分布を視覚的に明確に捉えることができる。
の発明に対応)以下に本発明の第5の実施形態につい
て、主に図10に基づいて説明する。上記第4の実施形
態では、入力器13のスイッチ機構により傾斜磁場の極
性を反転させることとしたが、本実施形態では、脂肪の
励起される領域を示す点線の四角形22を位置決め画面
上で移動させると、これに対応して自動的に傾斜磁場の
極性が反転するような機能にしたものである。
の励起される領域を示す点線の四角形22を、関心領域
を表す実線の四角形21に独立して移動させることがで
きるようにし、操作者が点線の四角形22を移動させる
と、これに合わせて傾斜磁場の極性が変化する機能とし
たものである。
点線の四角形22の位置は、ホスト計算機6により認識
され、これに基づいて、シーケンサ5に送るパルスシー
ケンス情報が変更されることになる。この変更されたパ
ルスシーケンス情報は、送信器8Tが加える傾斜磁場の
極性を反転させるものである。
は、入力器13に新たに設けてもよいし、関心領域(実
線の四角形23)を設定する際に使用する機構を使用し
てもよい。
施形態の変形例の1つであり、点線の四角形22を移動
させると、これに合わせて傾斜磁場の極性が変化するこ
と以外は、上記第3の実施形態と同様の構成であるた
め、その説明を省略する。
用いて説明する。尚、位置決め動作に関しては、図10
に示すアルゴリズムに基づいて処理されるが、ステップ
S26までは上記第3の実施形態と同じであるため、そ
れ以降の処理から説明する。
23を含んでいるように表示された場合に(ステップ2
6)、操作者は、入力器13により、手動で図2に示す
点線の四角形22を頭皮部分23から遠ざけるように移
動させると、傾斜磁場の磁場勾配が自動的に反転する
(ステップS27c)。一方、点線の四角形23が頭皮
部分23を含んでいない場合は(ステップS26)、こ
の時点で関心領域の設定が完了する。これ以降は、上記
第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略す
る。
励起される領域である点線の四角形22を位置決め画面
上で直接移動させるため、上記第3及び第4の実施形態
に比べて、より直観的かつ視覚的な動作を行うことがで
きる。
域(水信号の励起される領域)を実線で表し、脂肪信号
の励起される領域を点線で表したが、これに限るもので
はなく、関心領域と脂肪の励起される領域が区別して表
示さえすれば、共に実線で表してもよい。また、これら
の違いは、表示態様が異なるのであればどのような表示
をしてもよい。ここで、表示態様が異なる例として、例
えば、これらの違いをカラー表示の色の違いにより表し
たり、太い線と細い線とで区別して表しり、実線と波線
で区別して表すことが挙げられる。更に、入力器13の
操作により、関心領域と脂肪の励起される領域を1つの
位置決め画像(MRI画像)上で切り替えて表示した
り、2つの位置決め画像上でそれぞれを独立に表示させ
てもよい。
水信号に合わせて、水の励起される領域を関心領域とし
ているが、これに限るものではなく、水と脂肪の共鳴周
波数の中間に存在する測定対象の特定の代謝物質に合わ
せてもよい。また、中間周波数を水と脂肪の中間の位置
に合わせてもよい。
MRS画像を得るための関心領域の位置決めをする場合
に、設定した関心領域が脂肪組織を多く含む部分をでき
るだけ含まないようにすることができるため、水及び脂
肪以外の代謝物質の濃度分布を視覚的に明確に捉えるこ
とができるという効果を奏する。
例を示す機能ブロック図。
画像(MRI画像)を示す図。
心領域の設定が完了するまでのフローチャート。
定義の傾斜磁場極性を示した図。
心領域の設定が完了するまでのフローチャート。
用いた、位置決め画像(MRI画像)を示す図。
用いた、位置決め画像(MRI画像)を示す図。
心領域の設定が完了するまでのフローチャート。
心領域の設定が完了するまでのフローチャート。
関心領域の設定が完了するまでのフローチャート。
図。
スペクトロスコピーのパルスシーケンスを示す図。
エンコードを組み合わせた空間2D(2次元)のMRS
I法のパルスシーケンスを示す図。
示す図。
102は実際には表示されていない)。
スライス位置のずれを示す図。
Claims (14)
- 【請求項1】 関心領域の位置決め画像上で関心領域を
設定することにより、当該設定した関心領域における代
謝物質ごとの濃度分布を示すスペクトルデータを表示す
ることができる磁気共鳴スペクトロスコピー装置におい
て、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示することを特
徴とする磁気共鳴スペクトロスコピー装置。 - 【請求項2】 関心領域の位置決め画像上で関心領域を
設定することにより、当該設定した関心領域における代
謝物質ごとの濃度分布を示すスペクトルデータを表示す
ることができる磁気共鳴スペクトロスコピー装置におい
て、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て傾斜磁場の極性を制御することを特徴とする磁気共鳴
スペクトロスコピー装置。 - 【請求項3】 関心領域の位置決め画像上で関心領域を
設定することにより、当該設定した関心領域における代
謝物質ごとの濃度分布を示すスペクトルデータを表示す
ることができる磁気共鳴スペクトロスコピー装置におい
て、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て傾斜磁場の極性を制御する磁場極性制御手段と、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示させる脂肪領
域表示手段と、 を具備したことを特徴とする磁気共鳴スペクトロスコピ
ー装置。 - 【請求項4】 関心領域の位置決め画像上で関心領域を
設定することにより、当該設定した関心領域における代
謝物質ごとの濃度分布を示すスペクトルデータを表示す
ることができる磁気共鳴スペクトロスコピー装置におい
て、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て傾斜磁場の極性を制御する磁場極性制御手段と、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示させる脂肪領
域表示手段と、 前記設定した関心領域を再設定する関心領域再設定手段
と、 を具備したことを特徴とする磁気共鳴スペクトロスコピ
ー装置。 - 【請求項5】 関心領域の位置決め画像上で関心領域を
設定することにより、当該設定した関心領域における代
謝物質ごとの濃度分布を示すスペクトルデータを表示す
ることができる磁気共鳴スペクトロスコピー装置におい
て、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て傾斜磁場の極性を制御する磁場極性制御手段と、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示させる脂肪領
域表示手段と、 前記磁場極性制御手段により制御された傾斜磁場の極性
を再制御する磁場極性再制御手段と、 を具備したことを特徴とする磁気共鳴スペクトロスコピ
ー装置。 - 【請求項6】 代謝物質ごとの濃度分布を示すスペクト
ルデータの表示対象となる関心領域を位置決めする方法
において、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て傾斜磁場の極性を制御する磁場極性制御処理と、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示させる脂肪領
域表示処理と、 前記磁気極性制御処理及び前記脂肪領域表示処理の後
に、前記設定した関心領域を再設定する関心領域再設定
処理と、 を行うことを特徴とする関心領域位置決め方法。 - 【請求項7】 代謝物質ごとの濃度分布を示すスペクト
ルデータの表示対象となる関心領域を位置決めする方法
において、 前記位置決め画像上における関心領域の設定位置に応じ
て、傾斜磁場の極性を制御する磁場極性制御処理と、 前記関心領域の位置決め画像上に、前記設定した関心領
域とは別に、脂肪の励起される領域を表示させる脂肪領
域表示処理と、 前記磁気極性制御処理及び前記脂肪領域表示処理の後
に、前記磁場極性制御処理により制御された傾斜磁場の
極性を再制御する磁場極性再制御処理と、 を行うことを特徴とする関心領域位置決め方法。 - 【請求項8】 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の
磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は請求項6又は7に
記載の関心領域位置決め方法において、前記傾斜磁場の
極性を制御するとは、前記脂肪の励起される領域が前記
関心領域よりも静磁場の中心側に位置するように、傾斜
磁場の極性を変化することであることを特徴とする装置
又は方法。 - 【請求項9】 請求項5に記載の磁気共鳴スペクトロス
コピー装置又は請求項7に記載の関心領域位置決め方法
において、前記磁場極性再制御手段又は前記磁気極性再
制御処理により傾斜磁場の極性を再制御するとは、前記
磁場極性制御手段又は前記磁気極性制御処理により制御
された傾斜磁場の極性を反転することであることを特徴
とする装置又は方法。 - 【請求項10】 請求項5に記載の磁気共鳴スペクトロ
スコピー装置又は請求項7に記載の関心領域位置決め方
法において、前記磁場極性再制御手段又は前記磁気極性
再制御処理による傾斜磁場の極性の再制御は、前記脂肪
領域表示手段又は前記脂肪領域表示処理により表示され
ている脂肪の励起された領域を移動させることにより始
動することを特徴とする装置又は方法。 - 【請求項11】 請求項1、3、4若しくは5に記載の
磁気共鳴スペクトロスコピー装置又は請求項6若しくは
7に記載の関心領域位置決め方法において、前記関心領
域と前記脂肪の励起される領域との表示態様を異ならせ
ることを特徴とする装置又は方法。 - 【請求項12】 請求項11に記載の磁気共鳴スペクト
ロスコピー装置又は関心領域位置決め方法において、前
記関心領域と脂肪の励起される領域の表示態様を異なら
せることは、関心領域の外枠を実線で表し、脂肪の励起
される領域を点線で表すことであることを特徴とする装
置又は方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の磁気共鳴スペクト
ロスコピー装置又は関心領域位置決め方法において、前
記関心領域と脂肪の励起される領域の表示態様を異なら
せることは、カラー表示における色の違いにより行うこ
とであることを特徴とする装置又は方法。 - 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか一項に記
載の磁気共鳴スペクトロスコピー装置、関心領域位置決
め方法における各手段又は各処理を実行可能なプログラ
ムを記録した記録媒体。
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