JP2001185816A - 化合物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents
化合物半導体発光素子およびその製造方法Info
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Abstract
nの遊離を極力抑え、制御性に優れた結晶成長を可能と
し、良質の活性層および活性層の界面を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明の化合物半導体発光素子は、下部
クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成されたIn
を含む活性層と、前記活性層上に形成された蒸発防止層
と、前記蒸発防止層上に形成された上部クラッド層とを
含むものである。また、蒸発防止層の成長温度より高い
温度で上部クラッド層を形成する工程を設けた化合物半
導体発光素子の製造方法を提示する。
Description
素子およびその製造方法に関するもので、特に青色領域
で発光可能な半導体レーザダイオードや発光ダイオード
に関するものである。
AlGaN/InGaN/AlGaN系化合物半導体発
光素子(半導体レーザ、発光ダイオード)の模式断面を
示す図である。
(0001)基板1と、サファイア(0001)基板1
上に順に積層されたGaNまたはAlNバッファ層2、
n型GaN層3、n型AlZGa1-ZN(0≦Z≦1)下
部クラッド層4、ノンドープまたはZnドープInYG
a1-YN(0≦Y≦1)活性層(または発光層とも呼ば
れる)5、p型AlZGa1-ZN(0≦Z≦1)上部クラ
ッド層7およびp型GaNキャップ層8により構成され
る。またn型GaN層3にはn型電極10が、p型Ga
Nキャップ層8にはp型電極9が形成されている。
には有機金属気相成長法(以下「MOCVD法」とい
う。)により、以下の工程を経て製造される。 (1) 温度約1050℃にてサファイア基板1の表面
処理を行なう。 (2) 基板温度を約510℃まで下げ、薄層のGaN
またはAlNバッファ層2を成長させる。 (3) 基板温度を1020℃まで上げ、n型GaN層
3を成長させる。 (4) 同温度にて、n型AlGaN下部クラッド層4
を成長させる。 (5) 基板温度を約800℃に下げ、ノンドープIn
GaN系活性層(またはZnドープ発光層)5を約10
0〜500Åの厚さに成長させる。 (6) 基板温度を約1020℃に上げて、p型AlG
aN上部クラッド層7を成長させる。 (7) 同温度にてp型GaNキャップ層8を成長させ
る。 (8) エッチングを行なった後、p型電極9およびn
型電極10を形成する。
性層5を成長させるときの温度を約800℃とするの
は、Inの蒸気圧は比較的高いため、1000℃以上の
成長温度では所望のIn比を得ることができないためで
ある。またAlGaNクラッド層の成長温度を1020
℃とするのはAlGaNクラッド層は1000℃以上の
温度で成長させないと、良好な結晶品質の膜とすること
ができないためである。
おいて、発光素子は図16に示される成長温度プロファ
イルを辿ることになるのである。図16中、横軸は半導
体の成長方向を、縦軸は成長温度を示す。
た従来の化合物半導体の製造方法には、p型AlGaN
上部クラッド層7を成長させるため基板温度を約102
0℃まで上げたときに、その前の工程で作られたInを
含む活性層(発光層)5からInの遊離が生じるという
問題点があった。Inの遊離が生じることは、活性層5
と上部クラッド層7との界面の悪化を招いたり、活性層
5の膜厚やInの混晶比を制御することが困難になると
いう結果に結び付いていた。
されたもので、化合物半導体発光素子の製造工程におい
てInの遊離を極力抑え、かつ制御性に優れた結晶成長
を可能とし、また良質のInを含む活性層および良質の
活性層の界面を有する化合物半導体発光素子を提供する
ことを目的とする。
光素子は、下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に
形成されたInを含む活性層と、前記活性層上に形成さ
れた蒸発防止層と、前記蒸発防止層上に形成された上部
クラッド層とを含む。
造方法は、下部クラッド層を形成する第1のステップ
と、前記下部クラッド層上に、第1の温度でInを含む
活性層を形成する第2のステップと、前記活性層上に、
第2の温度で蒸発防止層を形成する第3のステップと、
前記蒸発防止層上に、前記第2の温度以上の第3の温度
で上部クラッド層を形成する第4のステップとを備えた
ことを特徴とする。
は、前記第2の温度は前記第1の温度以下であることを
特徴とするものである。
は、前記第3のステップと前記第4のステップの間に、
基板温度を上げるステップを有することを特徴とするも
のである。
上に蒸発防止層を備える。この蒸発防止層の存在によ
り、従来化合物半導体発光素子の製造中に生じていた活
性層中のInの遊離が防止される。
では、第1のステップにより下部クラッド層が形成され
る。第2のステップにより、第1の温度で下部クラッド
層上にAlXGayInzN(X+Y+Z=1かつ0≦X
・Y≦1,0<Z≦1)により構成される活性層が形成
される。第3のステップにおいて、第1の温度以下の第
2の温度で活性層上にAlXGa1-XN(0≦X≦1)に
より構成される蒸発防止層が形成される。
では、第1のステップにおいて下部クラッド層が形成さ
れる。第2のステップにおいて下部クラッド層上にAl
XGaYInZN(X+Y+Z=1かつ0≦X・Y≦1,
0<Z≦1)により構成される活性層が形成される。第
3のステップにおいて、第1の温度以上の第2の温度で
活性層上にAlXGa1-XN(0≦X≦1)により構成さ
れる蒸発防止層が形成される。第4のステップにおい
て、第2の温度以上の第3の温度で蒸発防止層上に上部
クラッド層が形成される。
では、第1のステップにおいて下部クラッド層が形成さ
れる。第2のステップにおいて第1の温度で下部クラッ
ド層上にAlXGaYInZN(X+Y+Z=1かつ0≦
X・Y≦1,0<Z≦1)により構成される活性層が形
成される。第3のステップにおいて、第1の温度とほぼ
同じ温度で活性層上にAlXGa1-XN(0≦X≦1)に
より構成される蒸発防止層が形成される。
する。なお本実施例は成長条件、有機金属化合物ガスの
種類、使用材料などを下記のものに限定するものではな
い。本実施例は特許請求の範囲内において種々の変更を
加えることができる。
イア(0001)c面が基板として用いられ、MOCV
D法により各々の層の成長が行なわれる。またIII族
ガス源としてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチ
ルアルミニウム(TMA)およびトリメチルインジウム
(TMI)が用いられ、V族ガス源としてアンモニア
(NH3)が用いられ、n型ドーパント源としてモノシ
ラン(SiH4)が、p型ドーパント源としてビスシク
ロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)が各々用
いられ、キャリアガスとしてH2が用いられる。
体レーザダイオードの模式断面図である。
ザダイオードは、サファイア基板1と、サファイア(0
001)c面基板1上に順に形成された、GaNまたは
AlNバッファ層2、n型GaN層3、n型Al0.1G
a0.9N下部クラッド層4、ノンドープまたはSiドー
プIn0.2Ga0.8N活性層(または発光層ともいう)
5、薄層p型Al0.05Ga0.95N蒸発防止層6、p型A
l0.1Ga0.9N上部クラッド層7、p型GaNキャップ
層8により構成される。またn型GaN層3にはn型電
極10が、p型GaNキャップ層8にはp型電極9が形
成される。
る従来の半導体の積層状態と異なる点は、蒸発防止層6
が活性層5と上部クラッド層7との間に設けられている
点である。
に示される工程により形成される。 (1) MOCVD装置内にサファイア基板1を導入
し、基板をH2中で基板温度約1050℃で加熱し、基
板の表面処理を行なう。 (2) 基板温度を約500℃まで下げ、GaNまたは
AlNバッファ層2を成長させる。このときバッファ層
2の層厚はGaNであれば250Å、AlNであれば5
00Åである。 (3) 基板温度を約1020℃まで上げ、n型GaN
層3を約4μm程度の厚さに成長させる。この時点で図
3に示される積層構造が形成される。 (4) 同じ基板温度でn型Al0.1Ga0.9N下部クラ
ッド層4を約1μmの厚さに成長させる。このときの基
板の積層状態を図4に示す。 (5) 基板温度を約800℃に下げて、ノンドープ
(non−doped )またはSiドープIn0.2G
a0.8N活性層(または発光層)を約200Åの膜厚で
成長させる。このときの基板の積層状態を図5に示す。 (6) 基板温度をノンドープまたはSiドープIn
0.2Ga0.8N活性層(または発光層)成長温度以下に下
げて、成長温度約500〜800℃にて薄層p型Al
0.05Ga0.95N蒸発防止層6を成長させる。このときの
基板の積層状態を図6に示す。 (7) 基板温度を約1020℃まで上げ、p型Al
0.1Ga0.9N上部クラッド層7を約1μmの層厚で成長
させる。 (8) 次に同温度にてp型電極GaNキャップ層8を
約1μmの厚さに成長させる。このときの基板の積層状
態を図7に示す。
は、基板温度を約1020℃まで上げる間に良質膜とな
る。
700℃においてN2中で熱アニーリングが行なわれ
る。熱アニーリングにより、薄層p型Al0.05Ga0.95
N蒸発防止層6、p型Al0.1Ga0.9N上部クラッド層
7をおよびp型GaNキャップ層8は高濃度p型層に変
化する。
部はn型GaN層3が露出するまでエッチングされる、
その後p型電極9およびn型電極10がそれぞれ形成さ
れる。以上の工程を経て図1に示されるAlGaN/I
nGaN/AlGaN系半導体レーザダイオードは製造
される。
部クラッド層4から上部クラッド層7までを形成する間
における結晶の成長温度プロファイルを示す図である。
発光素子では活性層5の形成後、活性層5の成長温度以
下の温度で蒸発防止層6が形成され、その後基板温度約
1020℃にて上部クラッド層7が形成される。そのた
め活性層5中に含まれるInの遊離が生ずることは防止
され、これにより良質のInを含む活性層および良質の
活性層の界面を有する化合物半導体発光素子を提供する
ことが可能となり、かつ、その製造工程においては制御
性に優れた結晶成長が可能となる。
ードの模式断面図である。図8を参照して発光ダイオー
ドは図1に示される半導体レーザダイオードと異なり、
p型電極9が小さく形成される。これは活性層5により
発せられた光を上部クラッド層7およびキャップ層8を
介して上方にも出力させるためである。
施例における化合物半導体発光素子の下部クラッド層か
ら上部クラッド層までの成長温度プロファイルを示す図
である。
積層構造は図1および図8に示される第1の実施例と同
一であるので、ここでの説明を繰返さない。第2の実施
例における化合物半導体発光素子は蒸発防止層をInを
含む活性層の成長温度以上かつ上部クラッド層の成長温
度以下の基板温度で形成することを特徴としている。
CVD法が用いられ、基板としてサファイア(000
1)c面が用いられる。またIII族ガス源としてトリ
メチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム
(TMA)およびトリメチルインジウム(TMI)が用
いられ、V族ガス源としてアンモニア(NH3)が用い
られる。またn型ドーパント源としてモノシラン(Si
H4)が、p型ドーパント源としてビスシクロペンタジ
エニルマグネシウム(Cp2Mg)が、キャリアガスと
してH2が用いられる。その製造工程を以下に説明す
る。 (1) MOCVD装置内にサファイア基板を導入し、
基板をH2中で基板温度約1050℃で加熱し、基板の
表面処理を行なう。 (2) 基板温度を約500℃まで下げ、GaNまたは
AlNバッファ層を形成する。このときのバッファ層の
層厚はGaNであれば250Å、AlNであれば500
Åである。 (3) 基板温度を約1020℃まで上げて、n型Ga
N層を約4μm程度成長させる。 (4) 同じ基板温度でn型Al0.1Ga0.9N下部クラ
ッド層4を約1μm成長させる。 (5) 基板温度を約800℃に下げ、ノンドープまた
はSiドープIn0.2Ga0.8N活性層(または「発光
層」ともいう。)を約200Åの膜厚で成長させる。 (6) 基板温度をノンドープまたはSiドープIn
0.2Ga0.8N活性層の成長温度以上かつp型Al0.1G
a0.9N上部クラッド層の成長温度以下である、約90
0℃にて薄層p型Al0.05Ga0.95N蒸発防止層を成長
させる。 (7) 基板温度を約1020℃まで上げ、p型Al
0.1Ga0.9N上部クラッド層を約1μm成長させる。 (8) p型電極GaNキャップ層を約1μm成長させ
る。薄層p型Al0.05Ga0.95N蒸発防止層は、基板温
度を約1020℃まで上げる間に良質膜となる。
エッチングが行なわれた後電極の形成が行なわれる。こ
れらの工程は第1の実施例と同一であるのでここでの説
明を繰返さない。
む活性層の形成後、活性層の成長温度以上かつ上部クラ
ッド層の成長温度以下で蒸発防止層を形成するため、I
nの遊離を防止することができ、制御性に優れた結晶成
長が可能となり、良質のInを含む活性層および活性層
の界面を提供することが可能となる。
造される化合物半導体発光素子の積層状態は図1および
図8に示される第1の実施例における化合物半導体発光
素子の積層状態と同一であるのでここでの説明を繰返さ
ない。
合物半導体発光素子の下部クラッド層から上部クラッド
層の形成の間の温度プロファイルを示す図である。
製造工程は、蒸発防止層の成長温度をInを含む活性層
の成長温度とほぼ同じにすることを特徴としている。
製造方法にはMOCVD法が用いられる。また基板とし
てサファイア(0001)c面が用いられ、III族ガ
ス源としてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチル
アルミニウム(TMA)およびトリメチルインジウム
(TMI)が用いられ、V族ガス源としてアンモニア
(NH3)が用いられ、n型ドーパント源としてモノシ
ラン(SiH4)が、p型ドーパント源としてビスシク
ロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)が、キャ
リアガスとしてH2が用いられる。その製造工程を以下
に説明する。 (1) MOCVD装置内にサファイア基板を導入し、
基板をH2中で基板温度約1050℃で加熱し、基板の
表面処理を行なう。 (2) 基板温度を約500℃まで下げ、GaNまたは
AlNバッファ層を成長させる。このときのバッファ層
の層厚はGaNであれば250Å、AlNであれば50
0Åである。 (3) 基板温度を約1020℃まで上げ、n型GaN
層を約4μm程度成長させる。 (4) 同じ基板温度でn型Al0.1Ga0.9N下部クラ
ッド層を約1μm成長させる。 (5) 基板温度を約800℃に下げてノンドープまた
はSiドープIn0.2Ga0.8N活性層を約200Åの層
厚で成長させる。 (6) ノンドープまたはSiドープIn0.2Ga0.8N
活性層の成長温度とほぼ同じ成長温度にて、薄層p型A
l0.05Ga0.95N蒸発防止層を成長させる。 (7) 基板温度を約1020℃まで上げ、p型Al
0.1Ga0.9N上部クラッド層を約1μm成長させる。 (8) p型GaNキャップ層を約1μm成長させる。
薄層p型Al0.05Ga0. 95N蒸発防止層は、基板温度を
約1020℃まで上げる間に良質膜となる。
エッチングおよび電極形成の工程を経て半導体レーザや
発光ダイオードなどの素子とされる。これらの工程は第
1の実施例と実質的に同一であるのでここでの説明を繰
返さない。
実施例における化合物半導体発光素子の模式断面図であ
る。
体発光素子は、積層されたn型電極10、n型GaAs
基板11、n型GaAsバッファ層12、n型Al0.8
Ga0 .2As下部クラッド層13、活性層20、p型
(Mgドープ)Al0.8Ga0.2As上部クラッド層1
7、絶縁層18、p型GaAsキャップ層19およびp
型電極9により構成される。また活性層20は図面に対
して下からノンドープGaAs層14、ノンドープIn
0.15Ga0.85Asひずみ量子井戸活性層15およびノン
ドープGaAs蒸発防止層16の順に積層された化合物
半導体により構成される。
す。また本実施例における化合物半導体発光素子にはフ
ォトリソグラフィーとウエットエッチングにより幅3μ
mのリッジ導波構造が形成されている。
MOCVD法により形成される。本実施例においては基
板としてGaAsが用いられ、III族ガス源としてト
リメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム
(TMA)およびトリメチルインジウム(TMI)が用
いられ、V族ガス源としてアルシン(AsH3)が用い
られ、n型ドーパント源としてSeが、p型ドーパント
源としてMgおよびZnが、キャリアガスとしてH2が
用いられる。そして本実施例における化合物半導体発光
素子は以下の工程により製造される。 (1) MOCVD装置内にn型(100)GaAs基
板11を導入し、基板温度を約800℃まで上げGaA
sバッファ層12を成長させる。GaAsバッファ層の
層厚は0.5μmである。 (2) 同温度にてn型Al0.8Ga0.2As下部クラッ
ド層13を層厚約1.4μmに成長させる。 (3) ノンドープ型GaAs層14を約100Å成長
させる。 (4) 基板温度を約630℃に下げてノンドープIn
0.15Ga0.85Asひずみ量子井戸活性層15を約110
Åの層厚で成長させる。 (5) ノンドープ型GaAs蒸発防止層16を約10
0Åの層厚で成長させる。なお蒸発防止層の成長におけ
る基板の温度は図13から図15に示されるいずれの成
長温度プロファイルによっても行なうことが可能であ
る。すなわち図13においては蒸発防止層はひずみ量子
井戸活性層の成長温度である630℃よりも低い約55
0℃にて形成される。また図14においては蒸発防止層
はひずみ量子井戸活性層の成長温度である約630℃以
上かつ上部クラッド層の成長温度である約800℃以下
の温度である約700℃で成長させることができる。ま
た図15においては蒸発防止層はひずみ量子井戸活性層
の成長温度とほぼ同じ温度である約630℃で成長させ
ることが可能である。 (6) p型(Mgドープ)Al0.8Ga0.2As上部ク
ラッド層17を約1.4μmの層厚で成長させる。 (7) p型(Znドープ)GaAsキャップ層19を
約1μmの層厚で成長させる。
術であるフォトリソグラフィーとウエットエッチングの
技術が用いられ、図11に示される幅3μmのリッジ導
波構造が形成される。リッジ導波構造が形成されたウェ
ハにはp型およびn型電極が形成され素子化が行なわれ
る。
成される化合物半導体発光素子の積層状態は図1および
図8に示される第1の実施例における化合物半導体発光
素子の積層構造と同一であるのでここでの説明を繰返さ
ない。第5の実施例においてその特徴とするところは蒸
発防止層を形成する物質としてAl0.4Ga0.6Nを用い
る点である。これにより蒸発防止層と上部クラッド層と
の間の物質の化学組成の明瞭な差を付けることができ、
これにより素子製造後の蒸発防止層の検証が容易とな
る。
製造にはMOCVD法が用いられ、基板としてサファイ
ア(0001)c面が用いられる。またIII族ガス源
としてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアル
ミニウム(TMA)およびトリメチルインジウム(TM
I)が用いられ、V族ガス源としてアンモニア(N
H 3)が用いられる。またn型ドーパント源としてモノ
シラン(SiH4)が、p型ドーパント源としてビスシ
クロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)が、キ
ャリアガスとしてH2が用いられる。
素子は以下の工程を経て形成される。 (1) MOCVD装置内にサファイア基板を導入し、
基板温度をH2中で基板温度約1050℃で加熱し基板
の表面処理を行なう。 (2) 基板温度を約500℃まで下げGaNまたはA
lNバッファ層を成長させる。このときバッファ層の層
厚はGaNであれば250Å、AlNであれば500Å
である。 (3) 基板温度を約1020℃まで上げてn型GaN
層を層厚約4μm程度成長させる。 (4) 同じ基板温度でn型Al0.1Ga0.9N下部クラ
ッド層を層厚約1μmで成長させる。 (5) 基板温度を約800℃に下げてノンドープまた
はSiドープIn0.2Ga0.8N活性層(または発光層と
もいう。)を層厚約200Åで成長させる。 (6) 薄層p型Al0.4Ga0.6N蒸発防止層を成長さ
せる。なおこのときの基板温度は約600℃から約90
0℃の間で任意に選択可能である。たとえば約600
℃、約800℃、約900℃等を選択することができ
る。 (7) 基板温度を約1020℃まで上げ、p型Al
0.1Ga0.9N上部クラッド層を層厚約1μmの厚さに成
長させる。 (8) p型GaNキャップ層を層厚約1μmの厚さに
成長させる。薄層p型Al0.4Ga0.6N蒸発防止層は、
基板温度を約1020℃まで上げる間に良質膜となる。
でN2中にて熱アニーリングが行なわれる。熱アニーリ
ングにより薄層p型Al0.4Ga0.6N蒸発防止層、p型
Al 0.1Ga0.9N上部クラッド層およびp型GaNキャ
ップ層は高濃度p型層に変化する。
aN層が露出するまでエッチングが行なわれ、エッチン
グされたウェハ上にp型およびn型電極がそれぞれ形成
される。
D法を用いることとしたが、成長方法としてMBE法
(分子線エピタキシャル成長法)などを用いることがで
きる。また特許請求の範囲内において使用材料、成長条
件などの変更を加えることができる。
おいて基板としてサファイア(0001)c面を用いる
こととしたが、基板としてSiC、MgO、ZnOまた
はMgAl2O4などを用いることができる。
化学式AlXGa1-XN(0<X<1)などの物質を用い
ることができる。
(X+Y+Z=1かつ0≦X・Y≦1,0<Z≦1)に
より構成される物質であれば何を用いてもよい。
a1-ZN(0≦Z≦1)により構成される物質を用いる
ことが可能であり、上部クラッド層としてp型AlZG
a1-ZN(0≦Z≦1)により構成される物質を用いる
ことができる。
GaAs層14を構成する物質としてノンドープAlX
Ga1-XAs(0≦X≦1)により構成される物質を使
用することができ、ノンドープIn0.15Ga0.85Asひ
ずみ量子井戸活性層を構成する物質として、ノンドープ
InyGa1-yAs(0<y≦1)を用いることが可能で
ある。さらに第4の実施例において蒸発防止層としてp
型AlXGa1-XAs(0≦X≦1)により構成される物
質を使用することができる。
と、蒸発防止層を備えるため、Inの遊離を極力抑える
ことができ、制御性に優れた結晶成長を可能とし、良質
のInを含む活性層(発光層)および活性層の界面を含
む化合物半導体発光素子を提供することが可能となる。
造方法によれば、活性層中に含まれるInの遊離を極力
抑えることができるので、制御性に優れた結晶成長を可
能とし、良質のInを含む活性層および活性層の界面を
提供することが可能となる。
ードの模式断面図である。
光素子の成長温度プロファイルを示す図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
式断面図である。
光素子の成長温度プロファイルを示す図である。
発光素子の成長温度プロファイルを示す図である。
ダイオードの模式断面図である。
を示す図である。
おける温度プロファイルを示す第1の図である。
おける温度プロファイルを示す第2の図である。
おける温度プロファイルを示す第3の図である。
ける温度プロファイルを示す図である。
ある。
N(0<Y≦1)活性層 (または発光層) 6 薄層p型AlXGa1-XN(0≦X≦1)蒸発防止層 7 p型AlZGa1-ZN(0≦Z≦1)上部クラッド層 8 p型GaNキャップ層 9 p型電極 10 n型電極 11 n型GaAs基板 12 n型GaAsバッファ層 13 n型AlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)下部クラッ
ド層 14 ノンドープAlXGa1-XAs(0≦X≦1)層 15 ノンドープInYGa1-YAs(0<Y≦1)ひず
み量子井戸活性層 16 p型AlXGa1-XAs(0≦X≦1)蒸発防止層 17 p型AlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)上部クラッ
ド層 18 絶縁層 19 p型GaAsキャップ層 20 活性層
Claims (4)
- 【請求項1】 下部クラッド層と、前記下部クラッド層
上に形成されたInを含む活性層と、前記活性層上に形
成された蒸発防止層と、前記蒸発防止層上に形成された
上部クラッド層とを含む、化合物半導体発光素子。 - 【請求項2】 下部クラッド層を形成する第1のステッ
プと、 前記下部クラッド層上に、第1の温度でInを含む活性
層を形成する第2のステップと、 前記活性層上に、第2の温度で蒸発防止層を形成する第
3のステップと、 前記蒸発防止層上に、前記第2の温度以上の第3の温度
で上部クラッド層を形成する第4のステップとを備えた
ことを特徴とする化合物半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記第2の温度は前記第1の温度以下で
あることを特徴とする請求項2に記載の化合物半導体発
光素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記第3のステップと前記第4のステッ
プの間に、基板温度を上げるステップを有することを特
徴とする請求項2または3に記載の化合物半導体発光素
子の製造方法。
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