JP2001183573A - ミラー保持機構及び該ミラー保持機構を含む光学機器 - Google Patents

ミラー保持機構及び該ミラー保持機構を含む光学機器

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JP2001183573A
JP2001183573A JP36900099A JP36900099A JP2001183573A JP 2001183573 A JP2001183573 A JP 2001183573A JP 36900099 A JP36900099 A JP 36900099A JP 36900099 A JP36900099 A JP 36900099A JP 2001183573 A JP2001183573 A JP 2001183573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性変形しても確実に元の状態に戻り、常に
保持するミラーの位置精度を高度に維持することのでき
るミラーの保持機構を提供することを課題とするもので
ある。 【解決手段】上記課題を解決するために、筐体と、ミラ
ーと、筐体に設置され、ミラーの周縁部近傍を保持して
ミラーの位置を規制する規制部材と、上記規制部材に保
持されるミラーの周縁部近傍のうちの一部を規制部材に
対して固着することによりミラーの位置精度を維持する
固着部材とを備え、筐体の弾性変形からの復帰の際、規
制部材及び固着部材はミラーが元の位置に回帰するのを
妨害しないよう上記一部以外の部位の移動を許容すべく
構成されることを特徴とする光学機器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミラー保持機構及び
該保持機構を含む光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクターのような光学機器に
おいては、ダイクロイックミラーや全反射ミラー、ハー
フミラー等のミラーが使用される。これらのミラーを一
定の位置に保持するためには、従来一般に、図1のよう
に、ミラーの両端部を筐体の凹部にはめこみ、はめ込ん
だ部分を弾性部材により筐体に向かって押さえ込むこと
で固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法によ
ると、図2のように、負荷がかかる等して筐体が弾性変
形し、さらに筐体が元の状態に戻ろうとすると、ミラー
の両端部が弾性部材により押さえ込まれているため、筐
体の凹部とミラーの端部との間に強度の摩擦力が発生
し、該摩擦力のために筐体が元の状態に戻りきらないと
いう問題があった。筐体が元の状態に戻りきらないと、
筐体に保持されるミラーの位置精度を高く保てない。そ
のため、例えば反射像の歪み、液晶プロジェクターにお
ける光むらやけられの発生など、筐体が弾性変形した場
合にミラーの機能を阻害するという問題があった。特に
ダイクロイックミラーにおいては、設置角度にずれが生
じると光学特性が変化してしまうという特有の問題があ
る。また、特に液晶プロジェクターにおいて、光源から
液晶パネルまでの距離が遠いためにミラー間にリレー光
学系を配している場合にはけられが発生しやすいという
問題がある。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みたものであ
り、弾性変形しても確実に元の状態に戻り、常に保持す
るミラーの位置精度を高度に維持することのできるミラ
ーの保持機構を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第一の構成は、筐体と、ミラーと、筐体に
設置され、ミラーの周縁部近傍を保持してミラーの位置
を規制する規制部材と、上記規制部材に保持されるミラ
ーの周縁部近傍のうちの一部を規制部材に対して固着す
ることによりミラーの位置精度を維持する固着部材とを
備え、筐体の弾性変形からの復帰の際、規制部材及び固
着部材はミラーが元の位置に回帰するのを妨害しないよ
う上記一部以外の部位の移動を許容すべく構成されるこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の第二の構成は、上記第一の構成に
おいて、固着部材が弾性部材よりなることを特徴とす
る。
【0007】本発明の第三の構成は、筐体とミラーを有
する光学機器において、筐体に設置され、ミラーの端辺
近傍を保持してミラーの位置を規制する第一規制部材
と、筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラー
の端辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規
制する第二規制部材と、第一規制部材に対してミラーを
固着することでミラーの位置精度を維持する固着部材と
を有し、ミラーは第二規制部材に対して固着されないこ
とを特徴とする 本発明の第四の構成は、上記第三の構成において、第一
規制部材は、ミラーにモーメントをかけてミラーが第二
規制部材に押圧される形状をしていることを特徴とす
る。
【0008】本発明の第五の構成は、上記第三の構成に
おいて、さらに、第二規制部材に対してミラーを固定し
ない程度に押圧することでミラーの位置を安定させる押
圧部材を有することを特徴とする。
【0009】本発明の第六の構成は、筐体とミラーを有
する光学機器において、筐体に設置され、ミラーの端辺
近傍を保持してミラーの位置を規制する第一規制部材
と、筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラー
の端辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規
制する第二、第三規制部材と、第一規制部材に対してミ
ラーを固着することでミラーの位置精度を維持する固着
部材と第二、第三規制部材に対してミラーを固定しない
程度に押圧することでミラーの位置を安定させる押圧部
材とを有することを特徴とする。
【0010】本発明の第七の構成は、筐体とミラーを有
する光学機器において、筐体に設置され、ミラーの端辺
近傍を保持してミラーの位置を規制する第一規制部材
と、筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラー
の端辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規
制する第二、第三規制部材と、第一規制部材に対してミ
ラーを固着することでミラーの位置精度を維持する固着
部材とを備え、上記第一規制部材は、ミラーにモーメン
トをかけてミラーが第二、第三規制部材に押圧される形
状をしていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(発明の実施の形態1)まず、図
3を参照にして液晶プロジェクター全体の概略構成と機
能について説明する。なお、図3は筐体14の上を覆う
カバーを外した図であり、光源1を示すためにリフレク
タ2のみ断面図となっている。
【0012】この液晶プロジェクターは、光源1、リフ
レクタ2、IR−UVカットフィルター3、レンズアレ
イ4及び7、偏光ビームスプリッタ5、ダイクロイック
ミラー8a〜8b、R(レッド)反射ミラー9a、B
(ブルー)反射ミラー9b〜9c、フィールドレンズ1
0a〜10c、液晶パネル6a〜6c、リレー光学系1
1a〜11b、ダイクロイックプリズム12、投影レン
ズ13、筐体14,ミラー保持機構15により構成され
る。
【0013】まず、光源1のまわりを囲むようにリフレ
クタ2が配され、リフレクタ2の開口部にIR−UVカ
ットフィルター3、レンズアレイ4が固定されている。
レンズアレイ4を挟んで光源1の反対側には偏光ビーム
スプリッタ5が配されている。光源から放たれた光は偏
光ビームスプリッタ5で左に進行方向を変える。そし
て、該進行方向には、レンズアレイ7が偏光ビームスプ
リッタ5近傍において配されている。レンズアレイ7を
通過して直進する光の方向には、順にダイクロイックミ
ラー8a、R反射ミラー9aが配される。共に、光源か
らの光を進行方向に対して左に反射できる角度で配置さ
れている。また、ダイクロイックミラー8aにより反射
された光の進行方向にはダイクロイックミラー8b、B
反射ミラー9bの順に配置されている。これらは共にダ
イクロイックミラー8aからの反射光を反射光の進行方
向に対して右に反射できる角度で配置されている。B反
射ミラー9bにより反射された光の進行方向には、B反
射ミラー9cが光の進行方向に対して右に光を反射でき
る角度で配置されている。ダイクロイックミラー8bと
B反射ミラー9bの間にはリレー光学系11aが、B反射
ミラー9bとB反射ミラー9cの間にはリレー光学系1
1bが設置されている。そして、ダイクロイックミラー
8a〜8b、R反射ミラー9a、B反射ミラー9b〜9c
は、ミラー保持機構15により不動に保持されている。
また、R反射ミラー9aに反射された光の進行方向には
フィールドレンズ10a、液晶パネル6a、ダイクロイ
ックプリズム12の順に配されている。ダイクロイック
プリズムに入射した長波長の光は右に反射される。ま
た、同様に、ダイクロイックミラー8aに反射された光
の進行方向にはフィールドレンズ10b、液晶パネル6
b、ダイクロイックプリズム12の順に配されており、
ダイクロイックプリズム12に入射した中間の波長の光
はそのまま反射されずに直進する。さらに、B反射ミラ
ー9cに反射された光の進行方向にはフィールドレンズ
10c、液晶パネル6c、ダイクロイックプリズム12
の順に配されており、ダイクロイックプリズム12に入
射した短波長の光は左に反射される。つまり、液晶パネ
ル6a〜6c及びフィールドレンズ10a〜cに囲まれ
るようにダイクロイックプリズム12が設置される。ダ
イクロイックプリズム12から射出される光の進行方向
には、投影レンズ13が設置される。そして、以上の部
材はすべて、筐体14内部に納められている。筐体14
はプラスチック製であるため、負荷をうけて変形しても
弾性により元の状態に戻る。
【0014】以上の構成よりなる液晶プロジェクターに
おいて、光源1より出射した白色ランダム偏光の光束
は、リフレクタ2により反射されIR−UVカットフィ
ルター3によって不要な波長域をカットされた後、第1
のレンズアレイ4に入射する。
【0015】第1のレンズアレイ4によって光源1から
の光束は複数の光束に分割されて偏光ビームスプリッタ
5に入射し、S波とP波の直線偏光成分の光束に分離さ
れる。このうち、液晶パネル6a〜6cの照明に必要な
S波偏光成分の光束はそのまま反射されて第2のレンズ
アレイ7に導かれる。またP波偏光成分の光束は偏光ビ
ームスプリッタを透過する。なお、半波長板により、P
波偏光成分をS波偏光成分に変換し、第2のレンズアレ
イ7に導くようにしてもよい。
【0016】第2のレンズアレイ7に導かれた光束は、
長波長成分を透過させるダイクロイックミラー8a〜8
bにより、R・G・Bの三つの波長帯に分離される。ダ
イクロイックミラー8aを透過したRの波長帯の光束は
R反射ミラー9aにより反射されフィールドレンズ10
aを透過後、液晶パネル6aを照明する。また、ダイク
ロイックミラー8bにより反射されたGの波長帯の光束
はフィールドレンズ10b透過後、液晶パネル6bを照
明する。さらに、ダイクロイックミラー8bを透過した
Bの波長帯の光束はリレー光学系11aを透過してB反
射ミラー9bにより反射され、そしてリレー光学系11
bを透過後B反射ミラー9cに反射されてフィールドレ
ンズ10cを透過し、液晶パネル6cを照明する。
【0017】液晶パネル6a〜6cに表示された各R・
G・Bの画像は、ダイクロイックプリズム12により合
成されて投影レンズ13によりスクリーン上にカラー画
像として投影される。
【0018】次に、図4を参照してB反射ミラー9cを
保持するミラー保持機構15の構成および機能について
説明する。
【0019】ミラー保持機構15は、筐体14の内部に
おける側壁が突起した突起部16a、16bと、板ばね
17よりなる。
【0020】図4のように、筐体の側壁には、向かい合
って一対の突起部16a及び16bがある。突起部16
a、16bの先端は、L字型になったミラーの押さえ部
分18a、18bと、ミラーが押し付けられる押し付け
部19a、19bによりなっている。押さえ部分18
a、18bと押し付け部19a、19bとの間にはB反
射ミラー9cの厚み程の間隔が設けられているので、押
さえ部分18a、18bと押し付け部19a、19bと
の間にB反射ミラー9cを挟みこめるようになってい
る。
【0021】図5のように板ばね17は長細い板状の部
材であるが、中央部付近が段状になっている。板ばね1
7は、この段状の部分を押圧されて弾性力を生じる。該
板ばね17は、L字になった押さえ部分18aに囲われ
る位置に、段状の部分が押し付け部19aに向かうよう
設置される。
【0022】B反射ミラー9cは押さえ部分18a、1
8bと押し付け部19a、19bとにその端部を挟まれ
て保持されるが、押さえ部分18bと押し付け部19b
に保持されるB反射ミラー9cの端部は軽く挟まれる程
度で固定されるものではない。そして、押さえ部分18
aと押し付け部19aに挟まれるB反射ミラー9cの端
部は、上記板ばね20により押し付け部19aの壁面
(以下基準面と呼ぶ)に押し付けられて固定される。
【0023】次に、以上の構成よりなるミラー保持機構
15の機能について説明する。
【0024】筐体はプラスチックなので、衝撃をうけた
場合負荷により一次的に弾性変形を起こすが、負荷から
解放されると元の状態に戻ろうとする。そして、突起部
16aも筐体の一部であるので、同じく弾性変形から元
の状態に戻ろうとする。しかし、板ばね17は突起部1
6aにのみ設置されてB反射ミラー9cを固定している
だけなので、押さえ部分18bと押し付け部19bとに
保持される側のB反射ミラー9cの端部は高い自由度を
有している。そのため、筐体が弾性変形から回帰する際
に、B反射ミラー9cの自由な端部と押し付け部19b
の基準面の間には摩擦力は発生しない。
【0025】よって、筐体は衝撃をうけても必ず元の状
態に回帰でき、衝撃を受けた後にも常にミラーの位置精
度を高度に維持できる。
【0026】次に、以上のミラー保持機構の変形例を列
挙する。なお、変形部分には、図4の実施の形態の符号
に、−1、−2のような枝番号を付している。
【0027】まず変形例1では、図6のように、突起部
に保持されるB反射ミラー9cの端部をそれぞれ板ばね
17a、17bにより押圧する。板ばね17aは図5に
示すものと同様のものであるのに対し、板ばね17bは
17aと形状は同じだが幅が細く形成されており、押圧
力は弱い。そのため、板ばね17aの押圧力がB反射ミ
ラー9cの端部を固定する程のものであるのに対して、
板ばね17bの押圧力はB反射ミラー9cの端部を固定
する程強いものではなく、軽く押圧して安定させる程度
のものにすぎない。よって、板ばね17bに押圧される
B反射ミラー9cの端部はある程度の自由度を有してお
り、筐体が弾性変形して回帰する際に、B反射ミラー9
cの端部と基準面の間には筐体の回帰を妨げるほどの摩
擦力は発生しない。そして、図4に示す実施の形態と異
なりB反射ミラー9cの端部両方を板ばねで押圧するの
で、B反射ミラー9cは図4に示す実施の形態に比べて
より安定してかつ精度よく保持される。なお、一方の板
ばね17bの押圧力を小さくできればよいので、幅の狭
い板ばねを使用しなくても、段状の部分を低く設定した
板ばねを使用したり、もしくは、押さえ部分18aの内
面とB反射ミラー9cとの間隔を大きくして板ばねとB反
射ミラー9cの接触を弱くしてもよい。
【0028】次に、変形例2では、図7のように、一方
の押さえ部分18a―1の長さを図4に示す押さえ部分
18aに比べて他方の押さえ部分18b−1に向かって
長く伸びるように延長する。さらに、押し付け部19a
−1の長手方向の長さを図4に示す押し付け部19aに
比べて短くしている。これにより、図4に示す実施の形
態に比べて、板ばねを設置する空間が広くなり、より幅
の広い板ばねが設置できる。さらに、板ばねの幅が広く
なり、かつ押し付け部19a−1の基準面が狭くなるの
で、板ばねが押し付け部19a―1の基準面を超えてB
反射ミラー9cを押圧し、B反射ミラー9cに図中時計
方向に向かうモーメントがかかる。そのため、モーメン
トによってB反射ミラー9cが押し付け部19b―1の
基準面に押圧され、B反射ミラーは図4に示す実施の形
態より安定して精度よく保持される。よって、一つの板
ばねで変形例1と同様の効果を得ることができる。
【0029】次に、変形例3では、図8のように、押さ
え部分18a―2と押し付け部19a―2の基準面との
距離が押し付け部18b―2の先端部に向かうほど遠く
なるよう、押し付け部19a−2の基準面は板ばねがB
反射ミラー9cを付勢する方向に傾斜している。そのた
め、図8のように、B反射ミラー9cに図中時計方向に
向かうモーメントがかかりB反射ミラー9cの端部は1
9b―2の基準面に軽く押圧され、B反射ミラーは図4
に示す実施の形態より安定して保持される。よって、一
つの板ばねで変形例1と同様の効果を得ることができ
る。
【0030】なお、本実施の形態では、B反射ミラー9
cの保持機構について説明したが、B反射ミラー9a〜
9b、ダイクロイックミラー8a〜8bも同様に構成可
能である。(発明の実施の形態2)次に、実施の形態2
について、図9及び図10を参照して説明する。
【0031】なお、本液晶プロジェクターにおいて、ミ
ラー保持機構以外の構造は上記発明の実施の形態1と同
様であるので省略する。
【0032】以下、ミラー保持機構215の構成及び機
能について図9及び図10を参照して説明する。
【0033】ミラー保持機構215は、筐体の内部に設
置される突部20a〜20fとゴム21a〜21cによ
り構成される。
【0034】図9のように突部20a〜fは、プラスチ
ックよりなり、筐体内部の天井部に20aと20bの一
組が設置され、それに対向して底面に20cと20d、
及び20eと20fの二組が設置される。突部20a〜
20fは三角柱であり、各組みの突部は近接して向かい
合わせに設置される。突部20a〜20fの向かい合う
面は相互に平行で、筐体の天井部もしくは底面と直交し
ている。
【0035】図10のように、ゴム21aは20aと2
0bの間に、ゴム21bは20cと20dの間に、ゴム
21cは20eと20fの間に設置される。
【0036】B反射ミラー9cはゴム21aと突部20
a、ゴム21bと突部20c、ゴム21cと突部20e
との間にその端部を挟まれて設置される。そして、ゴム
21aは突部20aに対してB反射ミラー9cの端部を
強く押圧して固定する。一方で、20cと20dの間に
設置されるゴム21bと20eと20fの間に設置され
るゴム21cは、上記ゴム21aよりも小さいものが使
用されているため、B反射ミラー9cを固定する程の押
圧力はなくB反射ミラー9cを安定させる程度の押圧力
しか有していない。
【0037】以上のように、B反射ミラー9cは突部2
0aと突部20bの間でゴム21aにより固定される一
方、突部20cと突部20dの間でゴム21bにより、
突部20eと突部20fの間でゴム21cによってある
程度自由度を有しながら支持され安定する。
【0038】以上の構成よりなるミラー保持機構215
の機能について説明する。
【0039】筐体は衝撃をうけた場合、負荷によって一
次的に弾性変形を起こすが、筐体はプラスチックからな
るので、負荷から解放されると元の状態に戻ろうとす
る。そして、突部20a〜20fは筐体に設置されてい
ることから、突部20a〜20fも筐体と共に元に戻ろ
うとする。この際、弾性変形から元の状態に戻ろうとす
る突部20a、20c、20eと、該突部に押圧される
B反射ミラー9cの端部との間に摩擦が生じる。
【0040】しかし、B反射ミラー9cは突部20cと
突部20eに対してゴム21b、21cにより押圧され
ているものの、固定される程の押圧はうけておらず自由
度を有して保持されている。そのため、筐体が弾性変形
から回帰する際に、突部20c、突部20eとB反射ミ
ラー9cの間には、筐体の回帰を妨げるほどの摩擦力は
発生しない。
【0041】そのため、筐体は衝撃をうけても必ず元の
状態に戻ることができ、衝撃を受けた後にも常にB反射
ミラー9cの位置精度を高度に維持できる。
【0042】次に、以上のミラー保持機構215の変形
例について以下に列挙する。
【0043】変形例1では、図11のように、筐体の天
井部に設置される突部20b―1の高さを図10に示す
実施の形態よりも延ばし、図10に示す実施の形態より
も大きなゴム21a―1を設置する。すると、ゴム21
a―1がミラーを突部20a―1の高さを超えて押圧す
るため、B反射ミラー9cに図中反時計方向のモーメン
トがかかる。これにより、底面の突部にはゴムを設置し
なくても、ミラーは底面の突部20c―1、20e―1
に圧接され安定する。よって、底面の突部にゴムを設置
しなくても、図10に示す実施の形態と同様の効果を得
ることができる。
【0044】さらに、変形例2では、図12のように、
突部20a−2におけるB反射ミラー9c側の面はゴム
がB反射ミラー9cを付勢する方向に傾斜しており、筐
体の天井部に設置される突部20a―2と20b−2と
の距離が突部20a―2の先端に向かう程遠くなってい
る。これにより、ミラーが押圧される突部20c―2、
20e―2の面は、天井部の突部20a―2におけるミ
ラーの接触面と同一平面上にはなく、よって、突部20
c−2、20e―2の面に押圧されるミラーに図中反時
計方向にモーメントがかかる。そこで、底面の突部には
ゴムを設置しなくても、ミラーは底面の突部20c―
2、20e―2に圧接され安定し、底面の突部にゴムを
設置しなくても、図10に示す実施の形態と同様の効果
を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によると、弾性変形しても確実に
元の状態に戻り、常に保持するミラーの位置精度を高度
に維持することのできるミラーの保持機構を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のミラー保持機構の斜視図である。
【図2】 弾性変形後における従来のミラー保持機構の
上面図である。
【図3】 実施の形態1及び2における液晶プロジェク
ターの上面図である。
【図4】 実施の形態1におけるミラー保持機構の上面
図である。
【図5】 実施の形態1における板ばねの斜視図であ
る。
【図6】 実施の形態1の変形例1におけるミラー保持
機構の上面図である。
【図7】 実施の形態1の変形例2におけるミラー保持
機構の上面図である。
【図8】 実施の形態1の変形例3におけるミラー保持
機構の上面図である。
【図9】 実施の形態2における突部の斜視図である。
【図10】 実施の形態2におけるミラー保持機構の断
面図である。
【図11】 実施の形態2の変形例1におけるミラー保
持機構の断面図である。
【図12】 実施の形態2の変形例2におけるミラー保
持機構の断面図である。
【符号の説明】
1;光源、2;リフレクタ、3;IR−UVカットフィ
ルター、4及び7;レンズアレイ、5;偏光ビームスプ
リッタ、8a〜8b;ダイクロイックミラー、9a;R
反射ミラー、9b〜9c;B反射ミラー、10a〜10
c;フィールドレンズ、6a〜6c;液晶パネル、11
a〜11b;リレー光学系、12;ダイクロイックプリ
ズム、13;投影レンズ、14;筐体、15及び21
5;ミラー保持機構、16a及び16b;突起部、17
及び17a及び17b;板ばね、18a及び18b及び
18a―1及び18b―1及び18a―2及び18b―
2;押さえ部分、19a及び19b及び19a―1及び
19b―1及び19a―2及び19b―2;押し付け
部、20a〜20f及び20a―1〜20e―1及び2
0a―2〜20e―2;突部、21a及び21a―1及
び21a―2及び21b及び21c;ゴム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、 ミラーと、 筐体に設置され、ミラーの周縁部近傍を保持してミラー
    の位置を規制する規制部材と、 上記規制部材に保持されるミラーの周縁部近傍のうちの
    一部を規制部材に対して固着することによりミラーの位
    置精度を維持する固着部材とを備え、 筐体の弾性変形からの復帰の際、規制部材及び固着部材
    はミラーが元の位置に回帰するのを妨害しないよう上記
    一部以外の部位の移動を許容すべく構成されることを特
    徴とする光学機器。
  2. 【請求項2】 上記固着部材が弾性部材よりなることを
    特徴とする請求項1記載の光学機器。
  3. 【請求項3】 筐体とミラーを有する光学機器におい
    て、 筐体に設置され、ミラーの端辺近傍を保持してミラーの
    位置を規制する第一規制部材と、 筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラーの端
    辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規制す
    る第二規制部材と、 第一規制部材に対してミラーを固着することでミラーの
    位置精度を維持する固着部材とを有し、 ミラーは第二規制部材に対して固着されないことを特徴
    とするミラー保持機構。
  4. 【請求項4】 上記ミラー保持機構において、第一規制
    部材は、ミラーにモーメントをかけてミラーが第二規制
    部材に押圧される形状をしていることを特徴とする請求
    項3記載のミラー保持機構。
  5. 【請求項5】 上記ミラー保持機構は、さらに、第二規
    制部材に対してミラーを固着しない程度に押圧すること
    でミラーの位置を安定させる押圧部材を有することを特
    徴とする請求項3記載のミラー保持機構。
  6. 【請求項6】 筐体とミラーを有する光学機器におい
    て、 筐体に設置され、ミラーの端辺近傍を保持してミラーの
    位置を規制する第一規制部材と、 筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラーの端
    辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規制す
    る第二、第三規制部材と、 第一規制部材に対してミラーを固着することでミラーの
    位置精度を維持する固着部材と第二、第三規制部材に対
    してミラーを固定しない程度に押圧することでミラーの
    位置を安定させる押圧部材とを有することを特徴とする
    ミラー保持機構。
  7. 【請求項7】 筐体とミラーを有する光学機器におい
    て、 筐体に設置され、ミラーの端辺近傍を保持してミラーの
    位置を規制する第一規制部材と、 筐体に設置され、第一規制部材に保持されるミラーの端
    辺に対向する端辺近傍を保持してミラーの位置を規制す
    る第二、第三規制部材と、 第一規制部材に対してミラーを固着することでミラーの
    位置精度を維持する固着部材とを備え、 上記第一規制部材は、ミラーにモーメントをかけてミラ
    ーが第二、第三規制部材に押圧される形状をしているこ
    とを特徴とするミラー保持機構。
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