JP2001182084A - 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造 - Google Patents

法面補強用積重ね部材及び法面補強構造

Info

Publication number
JP2001182084A
JP2001182084A JP37496199A JP37496199A JP2001182084A JP 2001182084 A JP2001182084 A JP 2001182084A JP 37496199 A JP37496199 A JP 37496199A JP 37496199 A JP37496199 A JP 37496199A JP 2001182084 A JP2001182084 A JP 2001182084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
stacking
stacking member
members
male
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP37496199A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ishii
剛 石井
Hiroyuki Koike
博之 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI DANKE KK
Original Assignee
ASAHI DANKE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI DANKE KK filed Critical ASAHI DANKE KK
Priority to JP37496199A priority Critical patent/JP2001182084A/ja
Publication of JP2001182084A publication Critical patent/JP2001182084A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 法面が水平方向に曲面状である場
合にも、簡単且つ短時間に法面の補強作業が行える上、
強度及び安全性にも優れた法面補強用積重ね部材及び法
面補強構造を提供する。 【解決手段】 土砂等の重し材3を投入可能な有
底又は無底の枠状を呈し、水抜き構造13と左右両端側
の接続部1,2とを備えると共に、上方に積み重ね可能
で且つ前記接続部1,2により左右に連結可能に形成さ
れた積重ね部材10であって、前記左右両端側の接続部
1,2は、該積重ね部材10が左右に連結される際に雄
部11と雌部12とを水平回動可能に嵌め合うように形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路や河岸並びに
海岸等の法面を、覆い包むことで補強する法面補強用積
重ね部材及び法面補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、法面の補強構造は、通称カゴマッ
トと呼ばれる金網製のマットを籠状に組んだ籠状部材内
に土砂を投入しながら、該籠状部材を、法面に沿って上
方向に階段状に多数積上げると共に、水平方向に連続す
るように多数配置するようにした構造が一般的である。
【0003】しかしながら、上記従来の法面補強構造で
は、法面が水平方向に曲面状である場合に、その法面の
曲面形状に合わせるために、上記籠状部材が平面視台形
状になるようにカゴマットを組む必要があり、その作業
が面倒で、作業時間もかかるという欠点を有する。更
に、上記籠状部材が金網製のカゴマットを籠状に組み合
わせたものであるため、上方に多数積上げられた際の過
大な荷重や土圧によって、金網が変形したり、カゴマッ
トが分解したりすることが懸念される。また、上記籠状
部材が上方に積上げられて行くにしたがって、カゴマッ
トを平面視台形状に組むという煩雑な作業を高所で行う
ことになるため、その作業が危険である上、上記籠状部
材が崩れて落下したりする危険も懸念される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来事情
に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、法
面が水平方向に曲面状である場合にも、簡単且つ短時間
に法面の補強作業が行える上、強度及び安全性にも優れ
た法面補強用積重ね部材及び法面補強構造を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の技術的手段として、請求項1は、土砂等の重
し材を投入可能な有底又は無底の枠状を呈し、水抜き構
造と左右両端側の接続部とを備えると共に、上方に積み
重ね可能で且つ前記接続部により左右に連結可能に形成
された積重ね部材であって、前記左右両端側の接続部
は、該積重ね部材が左右に連結される際に雄部と雌部と
が水平回動可能に嵌まり合うように形成してあることを
特徴とする。
【0006】ここで、土砂等の重し材を投入可能な有底
又は無底の枠状とは、例えば、平面視コの字形や、四辺
を有する枠形、又は、前記形状に底部を有する形状等を
意味する。また、該積重ね部材内に投入される重し材
は、該積重ね部材内に収納された際に重しとなる部材を
意味し、例えば、土砂や、土、石等を含み、好ましく
は、現地で発生した土砂や土、石等を用いることで、現
地の生態系を崩さないようにする。また、水抜き構造と
は、具体的には、側面や底面に排水孔を設けた構造や、
側面や底面に網板を設けた構成等であり、この場合、排
水孔または網板の網目の広さは、投入される前記重し材
を逃がさない程度に設定するのが好ましい。尚、水抜き
構造として側面に前記排水孔や前記網板を設けた場合に
は、その排水孔や網板を植生孔あるいは魚の巣穴として
機能させることができ、現地の環境への配慮からも好ま
しい構成となる。また、雄部と雌部とを水平回動可能に
嵌め合うように形成とは、複数の該積重ね部材を連結す
る際に隣り合う該積重ね部材を任意の角度で折れ曲がっ
た状態に配置できるように、雄部と雌部とを水平回動可
能なように形成することを意味し、例えば、雄部を凸状
に形成し、雌部を前記雄部と遊嵌すべく形成すれば、雄
部と雌部間の遊びによって、隣り合う積重ね部材を任意
の角度で折れ曲がった状態に配置できる。また、雄部を
半円状に形成し、雌部を前記雄部の周側面に摺接させて
回動させるように形成してもよい。更に、上記接続部
は、該積重ね部材の一端側の上下に雄部と雌部とを有す
ると共に、同積重ね部材の他端側の上下に雌部と雄部と
を有し、複数の該積重ね部材を連結する際に隣り合う該
接続部同士が、上側と下側とで雄雌が逆になって嵌り合
うようにした構成も含み、この構成の場合、複数の該積
重ね部材を連結した際に該接続部における上下方向のズ
レを防止できる。
【0007】また、請求項2は、複数の上記法面補強用
積重ね部材を、法面に沿って上方に積重ねるとともに、
法面に沿って水平方向に連結したことを特徴とする法面
補強構造である。更に、請求項3は、請求項2記載の法
面補強構造において、上下又は左右の関係に配置された
法面補強用積重ね部材を金具で連結し固定したことを特
徴とする。
【0008】上記技術的手段によれば、本発明は下記の
作用を奏する。 (請求項1) 雄部と雌部とが嵌合した状態で水平方向
に回動可能な形状に形成されているため、複数の該積重
ね部材を連結する際、隣り合う該積重ね部材を、任意の
角度で折れ曲がった状態に配置できる。また、該重ね部
材は、水抜き構造を有するため、雨水や法面から噴き出
る湧き水等が内部に溜まってしまうことがない。 (請求項2)左右に連結される積重ね部材を、接続部に
より任意の角度で折れ曲がった状態に配置できるため、
法面が水平方向に曲面状であったとしても、その法面形
状に沿って積重ね部材が配置される。 (請求項3)上下及び左右の法面補強用積重ね部材が金
具で固定されるため、土圧や施工時の振動によって積重
ね部材がずれたり崩れたりすることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1及び2は、本発明に係る法面
補強用積重ね部材の一例を示し、図3乃至5は同法面補
強用積重ね部材を用いた法面補強構造の一例を示す。
【0010】積重ね部材10は、土砂等の重し材3が上
方から投入されるように上下を開口した上下貫通状の枠
体で、その周側面に、多数の水抜き孔13(水抜き構
造)を有し、長手方向の左右両端側には接続部1,2を
備え、上方に積み重ね可能で且つ前記接続部1,2によ
り左右に連結可能に形成されたコンクリート製部材であ
る。
【0011】尚、積重ね部材10の底部は、本実施の形
態では、上記したように上下貫通状に開口させること
で、該積重ね部材10が積上げられた際、上記重し材3
が上下連通状に収納されるようにしているが、水抜き孔
を有する有底にすることで上記重し材3が各積重ね部材
10毎に収納されるようにしても構わない。
【0012】水抜き孔13は、法面からの涌き水や、雨
水等を排水するために積重ね部材10の周壁に貫通状に
多数形成された孔であり、図示例では長孔状に形成して
あるが、内部に投入される上記重し材3がこぼれ落ちな
いような形状及び大きさであれば、円形やその他の形状
であってもよい。
【0013】一端側の接続部1は、上側の雌部12と下
側の雄部11とを上下に並ぶように形成してなる。雌部
12は、図1に示すように、積重ね部材10の一端側の
上半部が内窄み状に切り欠かれた形状に形成されること
で、積重ね部材10の両側壁の端部に傾斜面12a,1
2aを有するとともに、外部と中空内部10aとを連通
している。また、雄部11は、積重ね部材10一端側の
下半部に凸部11bが形成され、この凸部11bの両側
面の付け根に、上記雌部12の両傾斜面12a,12a
と対象な先窄み状の傾斜面11a,11aを形成してな
る。
【0014】他端側の接続部2は、上側の雄部11と下
側の雌部12とを上下に並ぶように形成してなり、雄部
11及び雌部12の形状は、上記した接続部1の雌部1
2及び雄部11と同一である。
【0015】そして、上記接続部1,2は、雌部12を
構成する積重ね部材10の中空内部10aの幅H1より
も、雄部11の凸部11bの幅H2を小さくしてある。
即ち、前記凸部11bを中空内部10aに遊嵌させるよ
うに形成することで、二つの積重ね部材10,10が左
右に連結された際に、その連結箇所の上側で雌部12と
雄部11が、そして同連結箇所の下側では雄部11と雌
部12が、上下で雄雌が逆になるようにして、水平回動
可能に嵌まり合う(図2参照)。
【0016】次に、上記構成の積重ね部材10を用いた
法面補強構造Aについて説明する。この法面補強構造A
は、複数の積重ね部材10を、法面60に沿って上方に
積重ねると共に、同法面60に沿って左右に連結するこ
とで構成されている。
【0017】この法面補強構造Aの積上げ手順の一例を
詳細に説明すれば、先ず、複数の積重ね部材10を設置
する箇所の地面に、該地面と積重ね部材10との隙間か
ら重し材3が流出しないように金網40が敷設される。
そして、その金網40の上面に、第一段目の積重ね部材
10が法面60に沿って水平方向に連結され配置され
る。尚、前記地面に敷設される金網40は、予め、積重
ね部材10の底面に倣って形成した金網を、積重ね部材
10各々の底面に固定するようにしてもよい。また、同
金網40は、地面が平坦面であり該地面と積重ね部材1
0との間に隙間がほとんどできない場合には省いても構
わない。
【0018】この際、先に配置された積重ね部材10の
接続部1に、後に配置される積重ね部材10の接続部2
が上方から重ねられるようにして、前記接続部1の雄部
11に前記接続部2の雌部12が遊嵌され、且つ前記接
続部1の雌部12に前記接続部2の雄部11が遊嵌され
る。図3に示すように、法面60が水平方向に曲面状で
あった場合でも、前記雄部11と雌部12が回動可能に
嵌まり合うため、法面60の曲面に合わせて隣り合う積
重ね部材10,10が折れ曲がった状態になるように配
置される。尚、これら一段目の積重ね部材10は、設置
場所の地質等に応じて地面にアンカー止めされる。
【0019】次に、上記一段目の積重ね部材10の各々
内に、土砂や、土、石等の重し材3が投入される。そし
て、積重ね部材10の上面に煉瓦積み状に二段目の積重
ね部材10が積まれる。尚、法面補強構造Aの側端面を
平坦にするため、その側端部には、図3に示すように、
必要に応じて、積重ね部材10’及び積重ね部材10”
が用いられる。積重ね部材10’は、前記側端部側にな
る一端側に、雄部11を上下に二つ連続させた形状の雄
部11’を形成することで、その側端面を略平坦状にし
たものであり、他端側の構成及びその他の構成は上記積
重ね部材10と同様である。また、積重ね部材10”
は、上記積重ね部材10’をその長さ方向の中途部分を
短くすることで、全長を略半分の長さにしたものであ
り、接続部1,2等他の構成は、上記積重ね部材10’
と同様である。この積重ね部材10”は、法面補強構造
Aの側端部において、上下段関係になる側端面を略面一
にするものである。
【0020】次に、上記二段目の積重ね部材10の各々
内に、重し材3が投入される。従って、一段目の積重ね
部材10内と二段目の積重ね部材10内とに投入された
前記重し材3は、上下に連続した状態で収納される。そ
して、上記同様にして、三段目以降の積重ね部材10が
順次積重ねられる。
【0021】尚、上記法面補強構造Aにおいて、重し材
3の材質によっては上下の積重ね部材10,10間に形
成される段部から該重し材3がこぼれ出る場合があるた
め、その場合には、上下の積重ね部材10,10の間に
も金網を介在する。この場合の金網は、予め、積重ね部
材10の底面に固定してあっても構わない。
【0022】また、この法面補強構造Aによって、図5
に示すように、水平方向に曲面状の法面60を補強する
際には、隣り合う積重ね部材10,10の間における前
面側に縦長の隙間が生じるため、その隙間が大きい場合
や、重し材3の粒が小さい場合等、該重し材3のこぼれ
落ちが懸念される場合には、積重ね部材10内部から前
記隙間を覆う流出防止ネット41が設けられる。尚、前
記縦長の隙間は、流出防止ネット41の有無に拘わら
ず、上記水抜き孔13と共に植物が生育する植生孔、あ
るいは魚の巣孔として機能する。
【0023】この流出防止ネット41は、前記隙間を覆
うことができ耐久性を有する樹脂製ネットであり、排水
性を確保できれば、金網や布、多孔質な他のシート材で
あっても構わない。また、この流出防止ネット41は、
積重ね部材10の内部形状に倣った袋状に形成すること
で、前記隙間を覆うだけでなく、内部に投入される重し
材3を収納できるようにしても構わない。
【0024】また、上記法面補強構造Aの強度を更に向
上するためには、各段の積重ね部材10が積み重ねられ
る毎に、図4に示す金具51,52,53,54を、上
下又は左右の関係に配置された積重ね部材10,10間
にわたるようにネジ止めする。
【0025】側部用金具51と上部用金具52は、面長
の金属製平板の両端側にネジ挿入孔を形成してなり、側
部用金具51は、法面補強構造Aの側面において上下関
係になる積重ね部材10’と積重ね部材10”とを連結
固定し、上部用金具52は、法面補強構造Aの最上段に
おいて左右関係になる積重ね部材(10と10、又は1
0と10’、又は10と10”)同士をその裏面側で連
結固定する。
【0026】中間部用上側金具53と中間部用下側金具
54の各々は、両端側にネジ挿入孔を形成した面長の金
属製平板の略中央面部に、端部側にネジ挿入孔が形成さ
れたL字状金属製板を溶接して一体に構成したものであ
り、中間部用上側金具53は、その面長平板部分により
左右関係になる積重ね部材同士を裏面側で連結固定し、
中間部用下側金具54は、その面長平板部分が前記左右
関係になる積重ね部材の上側の積重ね部材の内面に固定
され、これら中間部用上側金具53と中間部用下側金具
54とは、双方のL字状板部分が重ね合わされてネジ止
め固定される。従って、中間部用上側金具53及び中間
部用下側金具54は、左右の関係にある積重ね部材と、
その上側にある積重ね部材とを連結し固定している。
【0027】尚、上記金具51,52,53,54の各
々のネジ挿入孔は、ねじ止め作業の作業性に応じて長孔
又は丸穴に形成されている。また、法面60が水平方向
に曲面状であり、左右の積重ね部材10,10を折れ曲
がったように連結する場合には、中間部用下側金具54
を後述する中間部用下側金具55に置換した方が好まし
い。
【0028】次に、図6に示す態様の積重ね部材20に
ついて説明する。この積重ね部材20は、前面側の壁部
の水抜き構造として、上記積重ね部材10における両側
壁の水抜き孔13に代えて網部材21を設けたものであ
る。尚、図示例では、裏面側の壁部、及び雄部11を形
成する壁部における水抜き構造は、上記積重ね部材10
と同様に水抜き孔13を設けているが、該両壁部又は一
方の壁部の水抜き構造も前記網部材21で構成してもよ
い。
【0029】網部材21は、金網や樹脂製ネット、ある
いは多孔質のシート状部材等であり、積重ね部材20の
両側壁に正面視矩形状の貫通孔を設け、該貫通孔の内側
にネジ止め等の固定手段によって固定してあり、積重ね
部材10における両側壁の水抜き孔13同様に法面から
の湧き水や雨水を排水する。また、網部材21の固定
は、網縁部を一体的に埋設することで行うようにしても
良い。この積重ね部材20における上記以外の構成部分
は、上記積重ね部材10と同様にしているため、同一部
分に同一符号を付けることで重複説明を省略する。
【0030】次に、図7に示す態様の積重ね部材30に
ついて説明する。この積重ね部材30は、上記積重ね部
材10の一端側の接続部1を雌部32に置換するととも
に、上記積重ね部材10の他端側の接続部2を雄部31
に置換することで、平面視略U字状に形成したコンクリ
ート製部材である。尚、前記以外の構成は、上記積重ね
部材10と同一にしているため、同一部分に同一の符号
を付けることで重複説明を省略する。
【0031】雄部31は、上記積重ね部材10の雄部1
1を上下に二つ連続させた形状を呈し、凸部31bの両
側の付け根に、先窄み状となる両側の傾斜面31a,3
1aを形成してなる。
【0032】雌部32は、上記積重ね部材10の雌部1
2を上下に二つ連続させた形状を呈し、積重ね部材30
の両側壁の端部に傾斜面32a,32aを有するととも
に、外部と中空内部30aとを連通しており、積重ね部
材10同様に複数の積重ね部材30を連結する際に前記
雄部31と水平回動可能に嵌まり合う。
【0033】而して、この積重ね部材30は、法面補強
構造を構成する際、積重ね部材10同様に、法面の曲面
に合わせて隣り合う積重ね部材30、30が折れ曲がっ
た状態になるように配置される。
【0034】尚、水平方向に隣り合う部材が上下方向に
ズレないようにするという観点からは上述した積重ね部
材10のように、接続部1,2が上下で雄雌を逆にして
嵌まり合うようにした構成が好ましいが、積重ね部材3
0では、例えば、地面が水平方向(左右方向)に傾斜し
ている場合や、地面に起伏がある場合等に、隣り合う積
重ね部材30,30を上下にずらして連結することで、
地面の上下方向の変化に合わせて配置できるという利点
を有する。
【0035】次に、図8に示す態様の積重ね部材40に
ついて説明する。この積重ね部材70は、上記積重ね部
材10における雌部12の一方の傾斜面12aに、施工
時の状況に応じて切断されるスペーサブロック71を一
体に形成したものであり、他の構成については、上記積
重ね部材10と同一にしているため、同一部分に同一の
符号を付けることで重複説明を省略する。
【0036】スペーサブロック71は、積重ね部材10
における雌部12の一方の傾斜面12aを他方の傾斜面
12aよりも雄部11の突出方向に突出させるようにし
て、傾斜面12a’を形成し、もとの傾斜面12aの位
置における両側壁に縦溝71a,71aを形成すること
で、ハンマー等の叩打により前記縦溝71a,71aの
部位が切断されるように構成したものである。尚、この
スペーサブロック71は、左右双方の接続部1,2のそ
れぞれについて、雌部12の一方の傾斜面12a側に形
成されている。
【0037】而して、この積重ね部材70は、図9に示
すように、曲面状の法面60に沿って左右に接続される
場合、スペーサブロック71が法面60の曲面の外側に
なるように配置されることで、隣り合う積重ね部材7
0,70間の前面側に縦長の隙間が生じるのを防ぐこと
ができる。また、スペーサブロック71は、法面60が
略平面状である場合、ハンマー等で叩打することで切断
すればよいため、接続の邪魔になることがない。
【0038】また、上記スペーサブロック71を、ボル
トにより着脱可能なスペーサブロック81に置換するこ
とで、図10に示す積重ね部材80を構成しても構わな
い。このスペーサブロック81は、上記スペーサブロッ
ク71と略同一形状を呈し、上下二本のボルトにより一
方の傾斜面12aに着脱可能に固定されたものである。
尚、積重ね部材80において、スペーサブロック81以
外の構成は、上記積重ね部材70と同一であるため重複
説明を省略する。
【0039】この積重ね部材80によれば、上記積重ね
部材70と同様の効果を奏するのは勿論のこと、法面6
0の曲率や凹凸等に応じて曲げられて接続される積重ね
部材80,80が、それらの間に縦長の隙間を生じない
ように、臨機応変にスペーサブロック81を着脱して対
応することができる。
【0040】また、図11に示す法面補強構造A’は、
図4に示す法面補強構造Aにおける中間部用下側金具5
4を中間部用下側金具55に置換してなる。尚、図4の
法面補強構造Aにおける側部用金具51及び上部用金具
52は、この法面補強構造A’においても必要に応じて
同様にして用いられる。また、中間部用下側金具55以
外の構成は、上記法面補強構造Aと同様であるため、同
一部に同一符号を付けることで重複説明を省略する。
【0041】中間部用下側金具55は、図12に示すよ
うに、二枚の面長の金属製平板55a,55a’を十字
状に重ねて溶接固定し、その際に上側となった金属製平
板55a’の一端側の下面に、短尺の金属製平板55b
を、前記金属製平板55a’に直交させるとともに左方
に突出させて溶接し、四箇所の端部側各々に長孔状のネ
ジ挿入孔を形成したものである。
【0042】この中間部用下側金具55は、一方の金属
製平板55aの両端部が左右の積重ね部材10,10の
上面にネジ止め固定されるとともに、金属製平板55b
の端部が右側の積重ね部材10の上面にネジ止め固定さ
れ、更に、金属製平板55a’の奥側上面に、上述した
中間部用上側金具53が固定され、この中間部用上側金
具53が、上記法面補強構造Aと同様に上側の積重ね部
材10内面にネジ止め固定される(図11参照)。
【0043】而して、この法面補強構造A’では、中間
部用下側金具55が、左右の積重ね部材10,10の上
面にネジ止め固定されるため、左右の積重ね部材10,
10が法面60の曲面に合わせて折れ曲がったように配
置される場合でも、左右の積重ね部材10,10上面で
のネジ止め位置を若干移動するだけで容易に対応するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。左
右に連結される積重ね部材を、接続部により任意の角度
で折れ曲がった状態に配置できるため、法面が水平方向
に曲面状である場合にも、その法面形状に沿って積重ね
部材を配置でき、その上、接続部を雄雌による嵌合構造
にしているため、その嵌合代の範囲内で左右に連結され
る積重ね部材の長さを調整できる。従って、従来構造の
ように法面の曲面形状に合わせてカゴマットを平面視台
形状に組んむという手間がかからない上、左右に連結さ
れる長さの調整も容易であり、簡単且つ短時間に法面の
補強作業が行える。しかも、該積重ね部材は枠状に一体
構造に形成されているため、上方に多数積重ねられるこ
とで過大な荷重がかかったとしても、変形したり容易に
破壊したりすることがなく、強度及び安全性に優れてい
る。また、上記接続部の嵌合代や水抜き構造を構成する
水抜き孔等が、植生孔や魚の巣穴として機能するため、
現地の生態系を崩すことがなく、環境面での配慮がなさ
れた法面補強用積重ね部材及び法面補強構造を提供する
ことができる。更に、上下及び左右の法面補強用積重ね
部材を金具で固定するようにすれば、地震が発生した場
合や、該重ね部材が海岸や河岸等の波や水流の影響を受
ける場所に設置された場合にも、土圧や施工時の振動、
水勢等によってずれたり崩れたりすることがないため、
強度及び安全性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る法面補強用積重ね部材の一例を
示す斜視図。
【図2】 同積重ね部材を連結した状態を示す平面図。
【図3】 本発明に係る法面補強構造の一例を示す斜視
図。
【図4】 同法面補強構造において要部を切欠して示す
斜視図。
【図5】 同法面補強構造を示す平面図。
【図6】 本発明に係る法面補強用積重ね部材の他例を
示す斜視図。
【図7】 本発明に係る法面補強用積重ね部材の他例を
示す斜視図。
【図8】 本発明に係る法面補強用積重ね部材の他例を
示す斜視図。
【図9】 図8の法面補強用積重ね部材を連結した状態
を示す斜視図。
【図10】 本発明に係る法面補強用積重ね部材の他例
を示す斜視図。
【図11】 本発明に係る法面補強構造の他例を示す斜
視図。
【図12】 中間部用下側金具の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1:接続部 2:接続部 3:重し材 10,10’,10”,20,30,70,80:積重
ね部材 11,31:雄部 12,32:雌部 13:水抜き孔(水抜き構造) 21:網部材(水抜き構造) 51:側部用金具 52:上部用金具 53:中間部用上側金具 54:中間部用下側金具 55:中間部用下側金具 A,A’:法面補強構造

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土砂等の重し材を投入可能な有底又は無
    底の枠状を呈し、水抜き構造と左右両端側の接続部とを
    備えると共に、上方に積み重ね可能で且つ前記接続部に
    より左右に連結可能に形成された積重ね部材であって、 前記左右両端側の接続部は、該積重ね部材が左右に連結
    される際に雄部と雌部とが水平回動可能に嵌まり合うよ
    うに形成してあることを特徴とする法面補強用積重ね部
    材。
  2. 【請求項2】 複数の上記法面補強用積重ね部材を、法
    面に沿って上方に積重ねるとともに、法面に沿って水平
    方向に連結したことを特徴とする請求項1記載の法面補
    強用積重ね部材を用いた法面補強構造。
  3. 【請求項3】 上下又は左右の関係に配置された法面補
    強用積重ね部材を金具で連結し固定したことを特徴とす
    る請求項2記載の法面補強構造。
JP37496199A 1999-12-28 1999-12-28 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造 Pending JP2001182084A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37496199A JP2001182084A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37496199A JP2001182084A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001182084A true JP2001182084A (ja) 2001-07-03

Family

ID=18504726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37496199A Pending JP2001182084A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001182084A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022021655A (ja) * 2020-07-22 2022-02-03 株式会社九コン コンクリート壁体およびコンクリートブロック

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022021655A (ja) * 2020-07-22 2022-02-03 株式会社九コン コンクリート壁体およびコンクリートブロック
JP7137861B2 (ja) 2020-07-22 2022-09-15 株式会社九コン コンクリート壁体およびコンクリートブロック

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100485742B1 (ko) 우수 저류조
KR102097760B1 (ko) 해안침식 방지용 블록 조립체 및 이의 제작 방법
JP7118709B2 (ja) 堰堤および捕捉体
JP5782734B2 (ja) 液状化対策を施した壁体および液状化抑止機能を有する鋼矢板
KR102095581B1 (ko) 조립식 빗물 저류용 블록과 그 블록을 이용한 빗물 저류 구조물 및 시공방법
KR101633853B1 (ko) 토압 저항력과 구조 일체화가 개선된 옹벽 시공용 친환경 개비블럭
JP2014530975A (ja) 捨石が除去された防波堤構造物
JP2001182084A (ja) 法面補強用積重ね部材及び法面補強構造
JP2006299605A (ja) 地中構造物の直下地盤の液状化対策設備並びに盛土の直下地盤の液状化対策設備及び工法
KR100641287B1 (ko) 사방 또는 호안 공사용 조립식 프레임 축조 구조체
JP5550070B2 (ja) 地盤排水構造、およびその施工方法
US4293245A (en) Structural system and structural elements for use and construction of earth filled walls
JP2003278192A (ja) 地下貯水槽用コンクリートブロック、地下貯水槽用構造体及び地下貯水槽の施工方法
JP2005097999A (ja) 張り出し歩道構造及びそれに用いられる土台部ブロック
JP2007138564A (ja) ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法
JPH11350505A (ja) 石材擁壁
KR20180104827A (ko) 조립식 콘크리트 박스를 이용한 모듈식 토석류 유도둑
JP4147090B2 (ja) 地下貯水槽用構造体及びその施工方法
US11661716B1 (en) Erosion control system for preventing shoreline erosion
JP2519602B2 (ja) 消波堤の構築方法
KR200299545Y1 (ko) 도로 보강토 구간의 누수방지를 위한 콘크리트 보강블록설치구조
JPH01125413A (ja) 液状化抑止用鋼矢板
JP5349551B2 (ja) 土砂沈殿用構造物、沈殿池施工方法、及び水路回復方法
JP5211010B2 (ja) 垂直面崩落防止構造
JP2668922B2 (ja) 掘割道路の耐震構造