JP2001181251A - アスピリン誘導体、その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗炎症剤 - Google Patents
アスピリン誘導体、その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗炎症剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 胃粘膜障害が軽減された新規なアスピリン誘
導体を提供すること。 【解決手段】 抗炎症剤の有効成分として(2−アセト
キシベンゾイル)グルタミンを使用する。
導体を提供すること。 【解決手段】 抗炎症剤の有効成分として(2−アセト
キシベンゾイル)グルタミンを使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアスピリン誘導体、
その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗
炎症剤に関する。
その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗
炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アスピリン(アセチルサリチル酸)は、
解熱・鎮痛・抗炎症作用を有し、慢性関節リウマチ、
リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲
炎、結合織炎(内服)、術後疼痛、歯痛、症候性神経
痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風に
よる痛み、頭痛、月経痛、次の疾患の解熱・鎮痛:急
性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
等の疾患に広く使用されている。ところで、アスピリン
は副作用として胃粘膜障害を引き起こすことがよく知ら
れている。かかる胃粘膜障害を軽減する方法として、ア
スピリンに制酸緩衝剤ダイアルミネート(アルミニウム
グリシネート1:炭酸マグネシウム2の混合物)を添加
する方法、腸溶製剤(錠、顆粒)、坐剤のような製剤的
な工夫、アスピリンアルミニウムのように塩にする方
法、更にはアスピリンDL−リジン塩とすることで注射
剤として用いること等が知られている。一方、アスピリ
ンとアミノ酸を結合させたアスピリン誘導体は、特開昭
49−86540,特開昭52−5759,欧州特許公
開第143399号公報、米国特許第4505898号
等に記載されている。しかしながら、アスピリンとグル
タミンをアミド結合させたアスピリン誘導体について
は、その合成上の困難を伴うこと等からその報告はなさ
れていない。
解熱・鎮痛・抗炎症作用を有し、慢性関節リウマチ、
リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲
炎、結合織炎(内服)、術後疼痛、歯痛、症候性神経
痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風に
よる痛み、頭痛、月経痛、次の疾患の解熱・鎮痛:急
性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
等の疾患に広く使用されている。ところで、アスピリン
は副作用として胃粘膜障害を引き起こすことがよく知ら
れている。かかる胃粘膜障害を軽減する方法として、ア
スピリンに制酸緩衝剤ダイアルミネート(アルミニウム
グリシネート1:炭酸マグネシウム2の混合物)を添加
する方法、腸溶製剤(錠、顆粒)、坐剤のような製剤的
な工夫、アスピリンアルミニウムのように塩にする方
法、更にはアスピリンDL−リジン塩とすることで注射
剤として用いること等が知られている。一方、アスピリ
ンとアミノ酸を結合させたアスピリン誘導体は、特開昭
49−86540,特開昭52−5759,欧州特許公
開第143399号公報、米国特許第4505898号
等に記載されている。しかしながら、アスピリンとグル
タミンをアミド結合させたアスピリン誘導体について
は、その合成上の困難を伴うこと等からその報告はなさ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、胃粘
膜障害が軽減された新規なアスピリン誘導体を提供する
ことにある。
膜障害が軽減された新規なアスピリン誘導体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、次式
(I)、
(I)、
【化7】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミンに
関する。また、本発明は、次の一般式(II)、
関する。また、本発明は、次の一般式(II)、
【化8】 (式中、Xはハロゲン原子を表す)で表されるアセチル
サリチル酸ハライドと次の一般式(III)
サリチル酸ハライドと次の一般式(III)
【化9】 (式中、Rは保護基を表す)で表されるグルタミン誘導
体又はその塩を反応させ、次の一般式(IV)、
体又はその塩を反応させ、次の一般式(IV)、
【化10】 (式中、Rは前記と同じ)で表されるアスピリン誘導体
を得た後、次いで保護基Rを脱離することにより次式
(I)、
を得た後、次いで保護基Rを脱離することにより次式
(I)、
【化11】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミンを
製造する方法に関する。さらに、また本発明は、次式
(I)、
製造する方法に関する。さらに、また本発明は、次式
(I)、
【化12】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミンを
有効成分として含有する抗炎症剤に関する。
有効成分として含有する抗炎症剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を更に詳細に説明する。上
記式(I)で表される(2−アセトキシベンゾイル)グ
ルタミン(以下、本発明化合物という)は不斉炭素原子
を有するのでラセミ体、光学活性体が存在するが、本発
明化合物はこれら全てを含むが、好ましくは(−)体で
ある。次に、本発明化合物の製造方法について述べる。
上記一般式(II)で表されるアセチルサリチル酸ハラ
イドと上記一般式(III)で表されるグルタミン誘導体
又はその塩とのアミド化反応は、塩化メチレン等の溶媒
中、トリエチルアミン等の塩基の存在下、0℃〜溶媒の
沸点、好ましくは室温で行うことができる。上記一般式
(II)で表されるアセチルサリチル酸ハライドにおい
て、Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子が好
ましい。また一般式(III)で表されるグルタミン誘導
体又はその塩において、Rで表される保護基としては、
置換ベンジル基、ベンジル基が挙げられ、好ましくはベ
ンジル基である。前記アミド化反応により得られた上記
一般式(IV)で表されるアスピリン誘導体の脱保護反
応は、例えばRの保護基が、ベンジル基の場合は中性条
件下、アセトキシ基が加水分解しない条件で、脱ベンジ
ル化することが好ましい。かかる脱ベンジル化反応とし
ては、メタノール、エタノール等の溶媒中、ニッケル、
パラジウム炭素等の触媒存在下、好ましくはパラジウム
炭素の存在下、室温〜溶媒の沸点、好ましくは室温で、
水素添加により行うことが挙げられる。尚、出発原料で
ある一般式(III)で表されるグルタミン誘導体又はそ
の塩は例えば下記の合成ルートにより得ることができ
る。
記式(I)で表される(2−アセトキシベンゾイル)グ
ルタミン(以下、本発明化合物という)は不斉炭素原子
を有するのでラセミ体、光学活性体が存在するが、本発
明化合物はこれら全てを含むが、好ましくは(−)体で
ある。次に、本発明化合物の製造方法について述べる。
上記一般式(II)で表されるアセチルサリチル酸ハラ
イドと上記一般式(III)で表されるグルタミン誘導体
又はその塩とのアミド化反応は、塩化メチレン等の溶媒
中、トリエチルアミン等の塩基の存在下、0℃〜溶媒の
沸点、好ましくは室温で行うことができる。上記一般式
(II)で表されるアセチルサリチル酸ハライドにおい
て、Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子が好
ましい。また一般式(III)で表されるグルタミン誘導
体又はその塩において、Rで表される保護基としては、
置換ベンジル基、ベンジル基が挙げられ、好ましくはベ
ンジル基である。前記アミド化反応により得られた上記
一般式(IV)で表されるアスピリン誘導体の脱保護反
応は、例えばRの保護基が、ベンジル基の場合は中性条
件下、アセトキシ基が加水分解しない条件で、脱ベンジ
ル化することが好ましい。かかる脱ベンジル化反応とし
ては、メタノール、エタノール等の溶媒中、ニッケル、
パラジウム炭素等の触媒存在下、好ましくはパラジウム
炭素の存在下、室温〜溶媒の沸点、好ましくは室温で、
水素添加により行うことが挙げられる。尚、出発原料で
ある一般式(III)で表されるグルタミン誘導体又はそ
の塩は例えば下記の合成ルートにより得ることができ
る。
【化13】 (式中、Bocはt−ブトキシカルボニル基を表し、T
sOHはp−トルエンスルホン酸を表し、そしてPhは
フェニル基を表す)
sOHはp−トルエンスルホン酸を表し、そしてPhは
フェニル基を表す)
【0006】次に、本発明化合物の薬理実験結果につい
て述べる。後記実施例3に記載のように、ラットを用い
たカラゲニン足浮腫モデルに対する薬物の抗炎症効果を
調べる実験で、本発明化合物はアスピリンと同等の抑制
率を示した。一方、急性胃粘膜損傷の発生に関しては、
アスピリン投与群に比較して本発明化合物は損傷の発生
を100%抑制した。従って、本発明化合物は、安全性
の高い解熱、鎮痛、抗炎症剤として使用できる。
て述べる。後記実施例3に記載のように、ラットを用い
たカラゲニン足浮腫モデルに対する薬物の抗炎症効果を
調べる実験で、本発明化合物はアスピリンと同等の抑制
率を示した。一方、急性胃粘膜損傷の発生に関しては、
アスピリン投与群に比較して本発明化合物は損傷の発生
を100%抑制した。従って、本発明化合物は、安全性
の高い解熱、鎮痛、抗炎症剤として使用できる。
【0007】本発明化合物を有効成分として含有する抗
炎症剤はヒトに対して一般的な経口投与又は非経口投与
のような適当な投与方法によって投与することができ
る。製剤化するためには、製剤の技術分野における通常
の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、坐
薬等の剤型に製造することができる。これらの調製に
は、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、
溶剤、懸濁剤などが用いられる。ここで、賦形剤として
は、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ
糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢
剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど
が、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PV
P)などが挙げられる。投与量は通常成人においては、
アスピリン誘導体を経口投与で1日100mg〜5gで
あるが、年齢、症状等により増減することができる。
炎症剤はヒトに対して一般的な経口投与又は非経口投与
のような適当な投与方法によって投与することができ
る。製剤化するためには、製剤の技術分野における通常
の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、坐
薬等の剤型に製造することができる。これらの調製に
は、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、
溶剤、懸濁剤などが用いられる。ここで、賦形剤として
は、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ
糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢
剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど
が、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース
(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PV
P)などが挙げられる。投与量は通常成人においては、
アスピリン誘導体を経口投与で1日100mg〜5gで
あるが、年齢、症状等により増減することができる。
【0008】
【実施例】次に、参考例、実施例にて本発明を更に詳細
に説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (参考例1)ベンジル t−ブトキシカルボニル−L−グルタミネー
ト t−ブトキシカルボニル−L−グルタミン 35.1g
(143mmol)をメタノール(600ml)−水
(60ml)の混合溶媒に溶解後、20%炭酸セシウム
水溶液(120ml)を添加し、溶媒を減圧留去した。
残渣にジメチルホルムアミドを加えた後、再度、溶媒を
減圧留去することにより、白色アモルファスを得た。こ
のアモルファスをジメチルホルムアミド(360ml)
に溶解後、氷冷下、臭化ベンジル 18.8ml(15
8mmol)を添加し、室温で16時間攪拌した。氷冷
下、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた結晶をヘキサン
で洗浄し、減圧下、乾燥することにより、標題化合物
43.7g(収率 91%)を白色結晶として得た。 mp 108.5−110.0℃1 H NMR(CDCl3,400MHz) δ; 1.43(9H,s) 1.93−2.34(4H,m) 4.35(1H,m) 5.14,5.20(2H,each d,each
J=12Hz) 5.34(1H,d,J=8Hz) 5.48(1H,bs) 6.00(1H,bs) 7.31−7.39(5H,m)
に説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (参考例1)ベンジル t−ブトキシカルボニル−L−グルタミネー
ト t−ブトキシカルボニル−L−グルタミン 35.1g
(143mmol)をメタノール(600ml)−水
(60ml)の混合溶媒に溶解後、20%炭酸セシウム
水溶液(120ml)を添加し、溶媒を減圧留去した。
残渣にジメチルホルムアミドを加えた後、再度、溶媒を
減圧留去することにより、白色アモルファスを得た。こ
のアモルファスをジメチルホルムアミド(360ml)
に溶解後、氷冷下、臭化ベンジル 18.8ml(15
8mmol)を添加し、室温で16時間攪拌した。氷冷
下、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた結晶をヘキサン
で洗浄し、減圧下、乾燥することにより、標題化合物
43.7g(収率 91%)を白色結晶として得た。 mp 108.5−110.0℃1 H NMR(CDCl3,400MHz) δ; 1.43(9H,s) 1.93−2.34(4H,m) 4.35(1H,m) 5.14,5.20(2H,each d,each
J=12Hz) 5.34(1H,d,J=8Hz) 5.48(1H,bs) 6.00(1H,bs) 7.31−7.39(5H,m)
【0009】(実施例1)ベンジル 2−アセトキシベンゾイル−L−グルタミネ
ート 参考例1で得られた化合物 32.9g(97.8mm
ol)を乾燥エーテル(392ml)−乾燥塩化メチレ
ン(587ml)の混合溶媒に溶解後、氷冷下、p−ト
ルエンスルホン酸・1水和物 74.5g(392mm
ol)の乾燥エーテル(392ml)−乾燥塩化メチレ
ン(196ml)混合溶液を40分間以上かけて滴下
し、室温で24時間攪拌した。析出した結晶を乾燥エー
テルで洗浄後、減圧下、乾燥することにより、ベンジル
L−グルタミネートのp−トルエンスルホン酸塩 5
3.0gを白色結晶として得た。窒素雰囲気下、この化
合物 46.1g(79.4mmol)を乾燥塩化メチ
レン(1400ml)に懸濁後、氷冷下、乾燥トリエチ
ルアミン 38.8ml(278mmol)を添加し、
20分間攪拌した。次に、氷冷下、95%アセチルサリ
シロイル クロライド 16.6g(79.4mmo
l)を添加後、室温で5時間攪拌した。析出した結晶を
濾過後、エーテル及び塩化メチレンで洗浄し、減圧下、
乾燥することにより、標題化合物 21.2gを白色結
晶として得た。 mp 167.5−170.5℃1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 1.87−2.22(4H,m) 2.19(3H,s) 4.42(1H,m) 5.15(2H,s) 6.78(1H,bs) 7.19(1H,d,J=8Hz) 7.26(1H,bs) 7.31−7.38(6H,m) 7.52(1H,t,J=8Hz) 7.59(1H,d,J=8Hz) 8.70(1H,d,J=7Hz)
ート 参考例1で得られた化合物 32.9g(97.8mm
ol)を乾燥エーテル(392ml)−乾燥塩化メチレ
ン(587ml)の混合溶媒に溶解後、氷冷下、p−ト
ルエンスルホン酸・1水和物 74.5g(392mm
ol)の乾燥エーテル(392ml)−乾燥塩化メチレ
ン(196ml)混合溶液を40分間以上かけて滴下
し、室温で24時間攪拌した。析出した結晶を乾燥エー
テルで洗浄後、減圧下、乾燥することにより、ベンジル
L−グルタミネートのp−トルエンスルホン酸塩 5
3.0gを白色結晶として得た。窒素雰囲気下、この化
合物 46.1g(79.4mmol)を乾燥塩化メチ
レン(1400ml)に懸濁後、氷冷下、乾燥トリエチ
ルアミン 38.8ml(278mmol)を添加し、
20分間攪拌した。次に、氷冷下、95%アセチルサリ
シロイル クロライド 16.6g(79.4mmo
l)を添加後、室温で5時間攪拌した。析出した結晶を
濾過後、エーテル及び塩化メチレンで洗浄し、減圧下、
乾燥することにより、標題化合物 21.2gを白色結
晶として得た。 mp 167.5−170.5℃1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 1.87−2.22(4H,m) 2.19(3H,s) 4.42(1H,m) 5.15(2H,s) 6.78(1H,bs) 7.19(1H,d,J=8Hz) 7.26(1H,bs) 7.31−7.38(6H,m) 7.52(1H,t,J=8Hz) 7.59(1H,d,J=8Hz) 8.70(1H,d,J=7Hz)
【0010】(実施例2)(―)−2−アセトキシベンゾイル−L−グルタミン 実施例1で得られた化合物 20.0g(50.2mm
ol)をメタノール(1000ml)に懸濁後、10%
パラジウム炭素(1.0g)を添加し、水素置換した。
室温で3時間攪拌後、触媒を濾過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた結晶をエーテル、エタノール−ヘキサンの
混合溶媒、ヘキサンで順次洗浄することにより、標題化
合物 13.9g(収率 90%)を白色結晶として得
た。 [α]23 D ―36.2゜(c 1.00 , MeO
H) mp 138.0−140.0℃1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 1.85−2.07(2H,m) 2.18(2H,t,J=7Hz) 2.23(3H,s) 4.32(1H,m) 6.77(1H,bs) 7.18(1H,d,J=8Hz) 7.27(1H,bs) 7.32−7.63(3H,m) 8.47(1H,d,J=8Hz) 12.59(1H,bs)
ol)をメタノール(1000ml)に懸濁後、10%
パラジウム炭素(1.0g)を添加し、水素置換した。
室温で3時間攪拌後、触媒を濾過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた結晶をエーテル、エタノール−ヘキサンの
混合溶媒、ヘキサンで順次洗浄することにより、標題化
合物 13.9g(収率 90%)を白色結晶として得
た。 [α]23 D ―36.2゜(c 1.00 , MeO
H) mp 138.0−140.0℃1 H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ; 1.85−2.07(2H,m) 2.18(2H,t,J=7Hz) 2.23(3H,s) 4.32(1H,m) 6.77(1H,bs) 7.18(1H,d,J=8Hz) 7.27(1H,bs) 7.32−7.63(3H,m) 8.47(1H,d,J=8Hz) 12.59(1H,bs)
【0011】(実施例3) 薬理実験実験方法 (1)使用動物 雄性Wistar/ST系ラット(6−7週齢、日本
S.L.C.社)及び雄性SD系ラット(6−7週齢、
日本S.L.C.社)を使用した。 (2)使用薬物 アスピリン及びアスピリン−グルタミンは、0.5%カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)溶液に懸濁した。
全ての薬物は体重200g当たり1mLの割合で経口投
与した。対照群には溶媒(CMC)のみを同量投与し
た。また、カラゲニン(Sigma)は生理食塩水に溶
解し、0.1mL/footの割合で投与した。 (3)カラゲニン足浮腫モデルの作製 カラゲニン足浮腫モデルは非麻酔下に右後足踵に1%カ
ラゲニン溶液を0.1mL注入することにより作製し
た。足容積の測定は足容積測定装置(UGO BASI
LE)を用いて、カラゲニン注入直前及び注入後6時間
まで1時間ごとに行った。浮腫はカラゲニン注入直前の
容積との差(ΔmL)で表した。アスピリン(20mg
/kg)及びアスピリン−グルタミン(34.2mg/
kg)はカラゲニン注入の30分前に経口投与した。ア
スピリン−グルタミンはアスピリン(20mg/kg/
5mL=22.2mM)と同濃度になるように用量設定
した。 (4)急性胃損傷の作製 塩酸アスピリン損傷は150mM塩酸・アスピリン(ア
スピリン:150mg/kg/5mL=167mM)、
アスピリン−グルタミンを1mL/200gの割合で経
口投与し、作製した。投与2時間後に、動物をエーテル
で致死せしめ、胃を摘出した。胃の内壁側と外壁側から
2%ホルマリンで軽く固定した。その後、胃を大弯に沿
って切開し、実体顕微鏡下(オリンパス、10倍率)
に、腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(m
m)を測定し、1匹当たりの総和を算出した。 (5)統計学的処理 本実験で得られたデータは、平均値±標準誤差で表示し
た。統計学的有意性の検討はStudentのt検定を
用いて行い、危険率P<0.05の場合に有意であると
した。
S.L.C.社)及び雄性SD系ラット(6−7週齢、
日本S.L.C.社)を使用した。 (2)使用薬物 アスピリン及びアスピリン−グルタミンは、0.5%カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)溶液に懸濁した。
全ての薬物は体重200g当たり1mLの割合で経口投
与した。対照群には溶媒(CMC)のみを同量投与し
た。また、カラゲニン(Sigma)は生理食塩水に溶
解し、0.1mL/footの割合で投与した。 (3)カラゲニン足浮腫モデルの作製 カラゲニン足浮腫モデルは非麻酔下に右後足踵に1%カ
ラゲニン溶液を0.1mL注入することにより作製し
た。足容積の測定は足容積測定装置(UGO BASI
LE)を用いて、カラゲニン注入直前及び注入後6時間
まで1時間ごとに行った。浮腫はカラゲニン注入直前の
容積との差(ΔmL)で表した。アスピリン(20mg
/kg)及びアスピリン−グルタミン(34.2mg/
kg)はカラゲニン注入の30分前に経口投与した。ア
スピリン−グルタミンはアスピリン(20mg/kg/
5mL=22.2mM)と同濃度になるように用量設定
した。 (4)急性胃損傷の作製 塩酸アスピリン損傷は150mM塩酸・アスピリン(ア
スピリン:150mg/kg/5mL=167mM)、
アスピリン−グルタミンを1mL/200gの割合で経
口投与し、作製した。投与2時間後に、動物をエーテル
で致死せしめ、胃を摘出した。胃の内壁側と外壁側から
2%ホルマリンで軽く固定した。その後、胃を大弯に沿
って切開し、実体顕微鏡下(オリンパス、10倍率)
に、腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(m
m)を測定し、1匹当たりの総和を算出した。 (5)統計学的処理 本実験で得られたデータは、平均値±標準誤差で表示し
た。統計学的有意性の検討はStudentのt検定を
用いて行い、危険率P<0.05の場合に有意であると
した。
【0012】実験結果 (1) カラゲニン足浮腫モデルに対する薬物の抗炎症
効果(Wistar/ST系ラット) 1%カラゲニン0.1mL/footの注入により足容
積は有意に増大し、投与2時間後以降は一定であった。
アスピリンの前投与により足容積の増大は有意に抑制さ
れ、抑制率は56%であった。また、アスピリンーグル
タミンの前投与によってもアスピリンと同程度(61
%)に抑制された。 (2) 急性胃粘膜損傷 1)Wistar/ST系ラット 150mM塩酸アスピリン(アスピリン:167mM)
の経口投与2時間後に出血性の損傷が発生しており、そ
の長さの総和は50−60mmであった。一方、アスピ
リン投与群と比較してアスピリンーグルタミン投与群で
は損傷の発生は100%抑制された。 2)SD系ラット SD系ラットにおいて同様の実験を行った結果、アスピ
リンの投与により出血性損傷が発生し、その長さの総和
は約60mmであった。一方、アスピリンーグルタミン
の投与により損傷の発生は有意に(99.4%)抑制さ
れた。
効果(Wistar/ST系ラット) 1%カラゲニン0.1mL/footの注入により足容
積は有意に増大し、投与2時間後以降は一定であった。
アスピリンの前投与により足容積の増大は有意に抑制さ
れ、抑制率は56%であった。また、アスピリンーグル
タミンの前投与によってもアスピリンと同程度(61
%)に抑制された。 (2) 急性胃粘膜損傷 1)Wistar/ST系ラット 150mM塩酸アスピリン(アスピリン:167mM)
の経口投与2時間後に出血性の損傷が発生しており、そ
の長さの総和は50−60mmであった。一方、アスピ
リン投与群と比較してアスピリンーグルタミン投与群で
は損傷の発生は100%抑制された。 2)SD系ラット SD系ラットにおいて同様の実験を行った結果、アスピ
リンの投与により出血性損傷が発生し、その長さの総和
は約60mmであった。一方、アスピリンーグルタミン
の投与により損傷の発生は有意に(99.4%)抑制さ
れた。
【0013】(実施例4) 製剤例(顆粒剤) 1g中、下記成分を含有する。 本発明化合物 250mg 乳糖 400mg コーンスターチ 350mg
Claims (3)
- 【請求項1】次式(I)、 【化1】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミン。
- 【請求項2】次の一般式(II)、 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を表す)で表されるアセチル
サリチル酸ハライドと次の一般式(III)、 【化3】 (式中、Rは保護基を表す)で表されるグルタミン誘導
体又はその塩を反応させ、次の一般式(IV)、 【化4】 (式中、Rは前記と同じ)で表されるアスピリン誘導体
を得た後、次いで保護基Rを脱離することによる次式
(I)、 【化5】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミンの
製造方法。 - 【請求項3】次式(I)、 【化6】 で表される(2−アセトキシベンゾイル)グルタミンを
有効成分として含有する抗炎症剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37209199A JP2001181251A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | アスピリン誘導体、その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗炎症剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37209199A JP2001181251A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | アスピリン誘導体、その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗炎症剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181251A true JP2001181251A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18499840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37209199A Pending JP2001181251A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | アスピリン誘導体、その製造方法、並びにこれを有効成分として含有する抗炎症剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181251A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1843661A2 (en) * | 2005-01-03 | 2007-10-17 | Ruey J. Dr. Yu | Compositions comprising o-acetylsalicyl derivatives of aminocarbohydrates and amino acids |
WO2010130396A3 (en) * | 2009-05-11 | 2011-10-27 | King Saud University | Preparation of acetyl salicylic acid/glutamic acid complex for oral administration |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37209199A patent/JP2001181251A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1843661A2 (en) * | 2005-01-03 | 2007-10-17 | Ruey J. Dr. Yu | Compositions comprising o-acetylsalicyl derivatives of aminocarbohydrates and amino acids |
EP1843661A4 (en) * | 2005-01-03 | 2009-01-14 | Yu Ruey J | COMPOSITIONS COMPRISING O-ACETYLSALICYL DERIVATIVES OF AMINO ACID AND AMINO ACIDS |
WO2010130396A3 (en) * | 2009-05-11 | 2011-10-27 | King Saud University | Preparation of acetyl salicylic acid/glutamic acid complex for oral administration |
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