JP2001181178A - 皮膚毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ３倍以上に水希釈しても希釈性が良好で適度
な粘度を保ち、尚且つ従来の原液使用タイプと比較して
も使用感、使用時の使用性の両面で同等の性能で、経日
での液安定性が良い皮膚・毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成
物を提供する。 【解決手段】 アニオン界面活性剤と天然系高分子を含
む液体洗浄剤において、さらに高分子分散剤ないしアル
コールのうちの少なくとも１つを含み、３〜８倍の希釈
水における２５℃の粘度が１００〜５００ｍＰａ・ｓで
ある皮膚毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は希釈が容易にでき、
希釈後使用性の良い粘度を有する皮膚ないしは毛髪用の
濃縮型液体洗浄剤組成物に関し、化粧・香粧品分野、特
にシャンプー、ボディシャンプーに好適に適用できる。

【０００２】

【従来の技術】化粧・香粧品分野におけるシャンプー、
ボディシャンプー等の洗浄剤では、泡立ち、すすぎやす
さ、刺激の無さといった使用感上の必要項目の他、手に
取ったときに指の間から液がこぼれにくく、且つ頭髪や
皮膚上に塗布しやすい適度な粘度を有することが必要で
ある。濃縮洗浄剤の開発においては、例えば原液をその
まま５倍濃縮しようとすると、従来技術では濃縮時の界
面活性剤濃度が高い為に、その形状はほとんどの場合ゲ
ル、ペースト、または固体となる。一方、このような原
液を希釈して均一な液を得るには、膨大な時間を要する
か、または機械力や加温が必要となる。

【０００３】また特表平７−５０９４８０号公報では、
塩化ナトリウムまたは塩化アンモニウムで、濃縮時の粘
度を低下させ、原液１００部に対し６０〜４００部の希
釈水で希釈したとき１００００〜５０ｍＰａ・ｓの粘度
を有する組成物を示しているが、実使用に際して、１０
０００ｍＰａ・ｓでは粘度が高すぎ、５０ｍＰａ・ｓで
は逆に低すぎて使用時に不都合を感じる。また界面活性
剤含有量が通常の原液使用タイプのシャンプーと大差無
い為、４００部の希釈水で希釈した時のシャンプーとし
ての性能は著しく低下し、実使用に耐えない。更に減粘
剤として塩化物を使用しているので、製造設備の腐食が
懸念される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、これまで無か
った、３倍以上に水希釈しても希釈性が良好で適度な粘
度を保ち、尚且つ従来の原液使用タイプと比較しても使
用感、使用時の使用性の両面で同等の性能で、経日での
液安定性が良い皮膚毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成物を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、アニオン界面活性
剤と天然系高分子を含む液体洗浄剤において、さらに高
分子分散剤ないしアルコールのうちの少なくとも１つを
含み、３〜８倍の希釈水における２５℃の粘度が１００
〜５００ｍＰａ・ｓであることを特徴とする皮膚毛髪用
濃縮型液体洗浄剤組成物を提供するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】アニオン界面活性剤としてはアル
キルサルフェート、α−オレフィンスルホン酸塩、アル
キルエトキシエーテルサルフェート、アシルアミノ酸
塩、アルキル（エトキシ）エーテルカルボン酸塩、パラ
フィンスルホン酸塩、アルキルエトキシスルホサクシネ
ート等があげられるが、好ましくはアルキルサルフェー
ト、アルキルエトキシエーテルサルフェート、α−オレ
フィンスルホン酸塩である。これらは単独でも、２種類
以上の混合物でも良い。これらは全組成物に対して、１
０〜８０重量％、好ましくは１５〜６０重量％配合され
る。

【０００７】天然系高分子とは、天然高分子ないし、天
然高分子由来の高分子を意味するが、具体的にはヒドロ
キシエチルセルロース、カチオン化セルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、グァーガム、カチオ
ン化グァーガム、キサンタンガム、アルギン酸塩、カチ
オン化デンプン等があげらるが、好ましくはヒドロキシ
エチルセルロース、カチオン化セルロースである。ヒド
ロキシエチルセルロースの場合、エチレンオキサイド付
加モル数１．５〜３、分子量１０万〜１５０万程度のも
のが好ましい。カチオン化セルロースでは窒素分０．４
〜２％で分子量１０万〜２００万程度のものが好まし
く、さらに好ましくは窒素分０．４〜１．２％、分子量
３０万〜１５０万である。これらの天然系高分子の全組
成物に対する配合量は、０．５〜５重量％、好ましくは
１．５〜３．５重量％である。

【０００８】本発明の高分子分散剤としては、カルボキ
シル基を有するポリ（メタ）アクリル酸系ホモポリマ
ー、（メタ）アクリル酸と（メタ）アクリル酸エステル
コポリマー、カルボキシルメチルセルロース等があげら
れる。好ましくは（メタ）アクリル酸と（メタ）アクリ
ル酸エステルコポリマーである。これらの高分子分散剤
は、全組成物に対して、０．０１から２重量％（以下、
重量％は、単に％と略記する）、好ましくは０．２〜
０．８％配合される。

【０００９】本発明のアルコールは、エタノール、プロ
パノール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル、ブタノール、１，３−ブタンジオール、ヘキシレン
グリコール、グリセリン等の１〜３価の低級アルコール
が挙げられるが、好ましくはエタノールであり、これら
のアルコールは全組成物に対して、１〜２０％、好まし
くは３〜１２％配合される。本発明は、上記高分子分散
剤、アルコールのうち、少なくとも１つを含むことを特
徴とする。

【００１０】本発明においては、好ましくは、アミノ酸
系両性界面活性剤を配合することができる。例えばアル
キルアミノジプロピオン酸塩、アルキルイミダゾリン、
アルキルアミノジ酢酸塩等があげられるが、好ましく
は、アルキルアミノジプロピオン酸塩である。これらは
減粘、増泡効果を与えるが、組成物全体に対して５〜３
０％好ましくは５〜２０％配合される。本発明の洗浄剤
組成物は、上記の各成分を水、又は、水−アルコールに
溶解ないし分散させた水性液体組成物であるが、該組成
物を、該組成物に対して３〜８倍の希釈水で希釈したと
き、２５℃での粘度が１００〜５００ｍＰａ・ｓでなけ
ればならない。１００ｍＰａ・ｓ未満では使用時に手か
らこぼれおちやすく、また頭髪や皮膚上にとどまりにく
く、すぐ流れ落ちてしまう等使用性で劣り、また希釈時
５００ｍＰａ・ｓ以上では容器からの排出性や頭髪、皮
膚上での伸びが悪くなる傾向がある他、濃縮時の液性が
悪化するなど製造上の不都合が生じてくる。本発明の洗
浄剤組成物は、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔
料、クレンジングクリーム等の皮膚・毛髪用に用いられ
るが、好ましくはシャンプー、ボディシャンプーであ
る。

【００１１】次に本発明の洗浄剤組成物の好ましい製造
方法の一例について以下に述べる。配合順序は、下記の
順番で行うのが好ましい。 （１） 天然系高分子 （２） バランス水 （３） アルコール （４） 両性界面活性剤 （５） 高分子分散剤 （６） アニオン界面活性剤 （７） その他

【００１２】天然系高分子にバランス水、水の替わりに
アルコールでバランスする場合はアルコールを加え、全
体を浸らせる。その後攪拌して十分分散させたら、天然
系高分子が膨潤して溶解する前にただちに両性界面活性
剤を加えて、攪拌羽で攪拌し、（５）を加えて更に十分
に攪拌する。アニオン界面活性剤とその他必要成分を配
合して良く攪拌する。両性界面活性剤を配合しないとき
は、高分子分散剤を加えて良く攪拌し、以下同様に仕上
げる。

【００１３】その使用方法について以下に述べる。本発
明品は３〜８倍の水で希釈して使用する。本品を容器に
取り、希釈水として水道水、イオン交換水を適量加え
る。希釈水の量は、使用者の好む泡量、粘度になるよう
調整する。希釈水は室温〜８０℃の範囲の水を使用す
る。希釈水を加えた後は、容器を振って均一に溶解させ
る。このとき、容器ごと温浴につけて加温したり、攪拌
棒やその他器具を用いて溶解時間を短縮することもでき
る。本品には上記の発明組成に、必要に応じて以下の剤
を組み合わせることができる。

【００１４】すなわち、補助洗浄剤として高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物のようなポリエチレングリ
コール型非イオン活性剤、ショ糖脂肪酸エステルのよう
な多価アルコールのアルキルエーテル型非イオン活性
剤、増泡剤として脂肪酸アルカノールアミド、アルキレ
ンオキサイド、すすぎ時コンディショニング剤としてモ
ノ、ジアルキルアンモニウム塩、シリコン油、硫酸ナト
リウム塩等の無機塩、保湿剤としてグリセリン等のポリ
オール、グリシン等アミノ酸、コラーゲン、アロエエキ
ス等の各種動植物抽出物、防腐剤、香料、色素、パール
剤等が挙げられる。本洗浄剤組成物は、均一液体から流
動状のゲル状の製品となり、長期保存しても固化するこ
ともなく、また、沈殿物を生じることもなく、安定性に
優れている。また、希釈水で希釈した場合も同様に液安
定性が良好である。

【００１５】

【発明の効果】この発明により、これまで無かった、３
倍以上に水希釈しても希釈性が良好で適度な粘度を保
ち、尚且つ従来の原液使用タイプと比較しても使用感、
使用時の使用性の両面で同等の性能で、経日での液安定
性が良い皮膚・毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成物を提供す
ることができる。

【００１６】

【実施例】以下に実施例を記すが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。これらは、シャンプ
ー、ボディシャンプーとして好適に用いられる。また、
ＡＩは、純分としての重量％を意味する。 実施例１． ラウリル硫酸トリエタノールアミン ２０％ＡＩ （サンノールＬＭ−１１４０Ｔとしてライオン（株）より販売） ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム １０％ＡＩ （エナジコールＤＰ−３０としてライオン（株）より販売） ヒドロキシエチルセルロース ２．５％ （住友精化製 高粘度タイプ） アクリル酸エステル共重合体エマルション ０．３５％ＡＩ （レオアールＭＳ−２００としてライオン（株）より販売） 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 イオン交換水 バランス

【００１７】ヒドロキシエチルセルロースにバランス水
を加え攪拌して、全体がぬれたらラウリルアミドジプロ
ピオン酸ナトリウムを加え攪拌する。継いでアクリル酸
エステル共重合体エマルジョンを加えて、十分攪拌して
分散させる。ラウリル硫酸トリエタノールアミンを加
え、最後に香料、防腐剤、ｐＨ調整剤を必要に応じて加
える。本品は、室温で１ヶ月放置後も沈殿物を生じるこ
とはなく、液安定性は良好であった。本品の５倍希釈液
粘度は、２５℃で３２０ｍＰａ・ｓである。この希釈液
も室温で１ヶ月放置しても液安定性は良好であった。

【００１８】 実施例２． ラウリル硫酸トリエタノールアミン ２０％ＡＩ （サンノールＬＭ−１１４０Ｔとしてライオン（株）より販売） ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム １０％ＡＩ （エナジコールＤＰ−３０としてライオン（株）より販売） ヒドロキシエチルセルロース ２．５％ （住友精化製 高粘度タイプ） アクリル酸エステル共重合体エマルション ０．７％ＡＩ （レオアールＭＳ−２００としてライオン（株）より販売） ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ５％ＡＩ （ホームリードＣＤとしてライオン（株）より販売） 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 エタノール バランス

【００１９】ヒドロキシエチルセルロースにバランス用
エタノールを加え攪拌して、全体がぬれたらラウリルア
ミドジプロピオン酸ナトリウムを加え攪拌する。継いで
アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを加えて、十
分攪拌して分散させる。ラウリル硫酸トリエタノールア
ミン、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドを加え最後に香
料、防腐剤、ｐＨ調整剤を必要に応じて加える。本品
は、室温で１ヶ月放置しても沈殿物が生じることなく、
液安定性は良好であった。本品の５倍希釈液粘度は、２
５℃で２９０ｍＰａ・ｓである。この希釈液は、１ヶ月
放置しても液安定性が良好であった。

【００２０】 実施例３． テトラデセンスルホン酸ナトリウム ２５％ＡＩ （ＫリポランＰＪ−４００としてライオン（株）より販売） ラウリン酸アミドプロピルベタイン １０％ＡＩ （エナジコールＬ−３０Ｂとしてライオン（株）より販売） ヒドロキシエチルセルロース ２．５％ （住友精化製 高粘度タイプ） エタノール ７％ 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 イオン交換水 バランス

【００２１】ヒドロキシエチルセルロースにエタノール
を加え攪拌して、全体がぬれたらラウリン酸アミドプロ
ピルベタインを加え攪拌する。継いでテトラデセンスル
ホン酸ナトリウムをバランス水で溶解した液を加え、最
後に香料、防腐剤、ｐＨ調整剤を必要に応じて加える。
本品は、室温で１ヶ月放置しても沈殿物を生じることな
く液安定性は良好であった。本品の５倍希釈液粘度は、
２５℃で２５０ｍＰａ・ｓである。この希釈液も、室温
で１ヶ月放置しても液安定性が良好であった。

【００２２】 実施例４． ラウリル硫酸トリエタノールアミン ２０％ＡＩ （サンノールＬＭ−１１４０Ｔとしてライオン（株）より販売） ポリオキシエチレンアルキル（１２〜１５） １０％ＡＩ エーテル硫酸ナトリウム （サンノールＤＭ−１４７０としてライオン（株）より発売） カチオン化セルロース ２％ （レオガートＨＬＰとしてライオン（株）より販売） ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ５％ＡＩ （ホームリードＣＤとしてライオン（株）より販売） エタノール １０％ 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 イオン交換水 バランス

【００２３】ヒドロキシエチルセルロースにエタノール
を加え攪拌して、全体がぬれたらラウリル硫酸トリエタ
ノールアミンを加え攪拌する。継いでポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸ナトリウムをバランス水で希釈
した液を加えて、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドを加え
最後に香料、防腐剤、ｐＨ調整剤を必要に応じて加え
る。本品は、室温で１ヶ月放置しても沈殿を生じること
なく、液安定性は良好であった。本品の５倍希釈液粘度
は、２５℃で２４０ｍＰａ・ｓである。この希釈液を室
温で１ヶ月放置しても、液安定性は良好であった。

【００２４】

【比較例】 比較例１． ラウリル硫酸トリエタノールアミン ２０％ＡＩ （サンノールＬＭ−１１４０Ｔとしてライオン（株）より販売） ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム １０％ＡＩ （エナジコールＤＰ−３０としてライオン（株）より販売） ヒドロキシエチルセルロース ２．５％ （住友精化製 高粘度タイプ） 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 イオン交換水 バランス

【００２５】本品を攪拌均一した状態でサンプリング
し、５倍に希釈した液の粘度は３２０ｍＰａ・ｓである
が、静置するとヒドロキシエチルセルロースが液中で沈
降し、均一溶液とならない。

【００２６】 比較例２． ラウリル硫酸トリエタノールアミン ２０％ＡＩ （サンノールＬＭ−１１４０Ｔとしてライオン（株）より販売） ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム １０％ＡＩ （エナジコールＤＰ−３０としてライオン（株）より販売） 香料、防腐剤、ｐＨ調整剤 適 量 イオン交換水 バランス 本品の３倍希釈液粘度は１０ｍＰａ・ｓである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 3/20 Ｃ１１Ｄ 3/20 3/382 3/382 3/43 3/43 17/08 17/08 Ｆターム(参考） 4C083 AC102 AC532 AC642 AC712 AC782 AC792 AD092 AD132 AD282 BB05 BB60 CC02 CC23 CC31 CC38 DD23 EE01 EE06 EE07 4H003 AB27 AB46 AC13 AD02 BA13 DA02 EB30 EB42 ED02 ED28 FA16 FA21 FA30

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アニオン界面活性剤と天然系高分子を含
   む液体洗浄剤において、さらに高分子分散剤ないしアル
   コールのうちの少なくとも１つを含み、３〜８倍の希釈
   水における２５℃の粘度が１００〜５００ｍＰａ・ｓで
   あることを特徴とする皮膚毛髪用濃縮型液体洗浄剤組成
   物。