JP2001180904A - 燃料蒸発装置 - Google Patents
燃料蒸発装置Info
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- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 急激な負荷変動に対して充分な応答性が確
保できると共に、原料ガスを適切な温度で改質器に供給
することができ、燃料電池電気自動車などに搭載される
燃料電池システムなどにも高いレベルで要求を満たして
使用することのできる燃料蒸発装置を提供すること。 【解決手段】 高温熱媒体HGにより原燃料FLを蒸
発させ原燃料ガスFGを得る蒸発室11を備えた燃料蒸
発装置1において、蒸発室11は複数の蒸発室11A・
11B・11Cが直列に通気可能に連結されてなり、蒸
発室11に連結されこの蒸発室11から送られる原燃料
ガスFGを高温熱媒体HGと熱交換し温度調整するガス
温度調整室30と、複数の蒸発室11A・11B・11
Cにそれぞれ設けられ原燃料FLを噴射する原燃料噴射
手段40とを備える構成とした。
保できると共に、原料ガスを適切な温度で改質器に供給
することができ、燃料電池電気自動車などに搭載される
燃料電池システムなどにも高いレベルで要求を満たして
使用することのできる燃料蒸発装置を提供すること。 【解決手段】 高温熱媒体HGにより原燃料FLを蒸
発させ原燃料ガスFGを得る蒸発室11を備えた燃料蒸
発装置1において、蒸発室11は複数の蒸発室11A・
11B・11Cが直列に通気可能に連結されてなり、蒸
発室11に連結されこの蒸発室11から送られる原燃料
ガスFGを高温熱媒体HGと熱交換し温度調整するガス
温度調整室30と、複数の蒸発室11A・11B・11
Cにそれぞれ設けられ原燃料FLを噴射する原燃料噴射
手段40とを備える構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原燃料を蒸発させ
た原燃料ガスを改質器で改質して燃料電池に供給して発
電を行う燃料電池システムに好適に使用することのでき
る燃料蒸発装置に関する。
た原燃料ガスを改質器で改質して燃料電池に供給して発
電を行う燃料電池システムに好適に使用することのでき
る燃料蒸発装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタノールと水の混合液など
からなる原燃料を、原燃料噴射装置を介して燃料蒸発装
置内(蒸発室内)に噴射し、原燃料を蒸発させて原燃料
ガスを得、次いで、この原燃料ガスを改質器で改質する
と共に一酸化炭素を除去して水素リッチな燃料ガスに
し、そして、この燃料ガスを燃料電池に供給して発電を
行う燃料電池システムが知られている。ところで、この
ような構成の燃料電池システムが負荷変動の極端に大き
い条件で使用される場合、例えば、燃料電池電気自動車
に搭載されて使用される場合、出力アップの要求に応じ
て原燃料を急激に燃料蒸発装置内に噴射すると、原燃料
のすべてを蒸発させることができず、燃料蒸発装置内に
原燃料の液溜まり(以下「液溜まり」という)を生じる
ことがある。また、燃料電池システムを起動する際な
ど、燃料蒸発装置が充分に温まっていない場合にも蒸発
に用いられる熱量が不足して液溜まりを生じやすい。
からなる原燃料を、原燃料噴射装置を介して燃料蒸発装
置内(蒸発室内)に噴射し、原燃料を蒸発させて原燃料
ガスを得、次いで、この原燃料ガスを改質器で改質する
と共に一酸化炭素を除去して水素リッチな燃料ガスに
し、そして、この燃料ガスを燃料電池に供給して発電を
行う燃料電池システムが知られている。ところで、この
ような構成の燃料電池システムが負荷変動の極端に大き
い条件で使用される場合、例えば、燃料電池電気自動車
に搭載されて使用される場合、出力アップの要求に応じ
て原燃料を急激に燃料蒸発装置内に噴射すると、原燃料
のすべてを蒸発させることができず、燃料蒸発装置内に
原燃料の液溜まり(以下「液溜まり」という)を生じる
ことがある。また、燃料電池システムを起動する際な
ど、燃料蒸発装置が充分に温まっていない場合にも蒸発
に用いられる熱量が不足して液溜まりを生じやすい。
【0003】燃料蒸発装置内に液溜まりが生じた場合、
原燃料の噴射を停止しても内部で維持された熱により液
溜まりが蒸発し、原燃料ガスを発生することになり、結
果として燃料蒸発装置の応答性を悪くするので好ましく
ない。また、原燃料が混合物の場合は、生じた液溜まり
は、蒸発しやすい成分から先に蒸発するため、原燃料ガ
スの組成にバラツキが生じ、改質器が充分に性能を発揮
しない場合や、一酸化炭素が充分に除去できずに燃料電
池の性能が低下する場合がある。
原燃料の噴射を停止しても内部で維持された熱により液
溜まりが蒸発し、原燃料ガスを発生することになり、結
果として燃料蒸発装置の応答性を悪くするので好ましく
ない。また、原燃料が混合物の場合は、生じた液溜まり
は、蒸発しやすい成分から先に蒸発するため、原燃料ガ
スの組成にバラツキが生じ、改質器が充分に性能を発揮
しない場合や、一酸化炭素が充分に除去できずに燃料電
池の性能が低下する場合がある。
【0004】このため、液溜まりの発生を有効に防止し
て燃料蒸発装置の応答性を良くすると共に、燃料蒸発装
置の暖機を速やかに行うことができるように、本願出願
人による特願平11−125366号(未公開)には、
図18に示すような燃料蒸発装置100が、提案されて
いる。この燃料蒸発装置100は、蒸発装置本体110
と、この蒸発装置本体110の後段側に過熱部150、
蒸発装置本体110の上部に原燃料噴射装置140を備
える。この燃料蒸発装置100には、図示しない燃料電
池で発生するオフガス(水素を含むガス)を図示しない
触媒燃焼器で触媒燃焼させた燃焼ガス(高温熱媒体)H
Gが、熱源として供給される。燃焼ガスHGは、入口部
112inから蒸発装置本体110内の蒸発室111に多
数配設されたU字型の熱媒チューブ112の内側を通
り、出口部112outに達する。次いで、燃焼ガスHG
は、蒸発室本体110の下部に設けられた燃焼ガス通路
113を通って、蒸発装置本体110の下流側に取り付
けられた過熱部150に導かれる。メタノールと水の混
合液などからなる原燃料FLは、原燃料噴射装置140
から霧状に噴射され、熱媒チューブ112で熱せられて
蒸発し、原燃料ガスFGになる。この原燃料ガスFG
は、過熱部150の蒸気チューブ151の内側を通って
過熱され、過熱部150後段の図示しない改質器に導か
れる。
て燃料蒸発装置の応答性を良くすると共に、燃料蒸発装
置の暖機を速やかに行うことができるように、本願出願
人による特願平11−125366号(未公開)には、
図18に示すような燃料蒸発装置100が、提案されて
いる。この燃料蒸発装置100は、蒸発装置本体110
と、この蒸発装置本体110の後段側に過熱部150、
蒸発装置本体110の上部に原燃料噴射装置140を備
える。この燃料蒸発装置100には、図示しない燃料電
池で発生するオフガス(水素を含むガス)を図示しない
触媒燃焼器で触媒燃焼させた燃焼ガス(高温熱媒体)H
Gが、熱源として供給される。燃焼ガスHGは、入口部
112inから蒸発装置本体110内の蒸発室111に多
数配設されたU字型の熱媒チューブ112の内側を通
り、出口部112outに達する。次いで、燃焼ガスHG
は、蒸発室本体110の下部に設けられた燃焼ガス通路
113を通って、蒸発装置本体110の下流側に取り付
けられた過熱部150に導かれる。メタノールと水の混
合液などからなる原燃料FLは、原燃料噴射装置140
から霧状に噴射され、熱媒チューブ112で熱せられて
蒸発し、原燃料ガスFGになる。この原燃料ガスFG
は、過熱部150の蒸気チューブ151の内側を通って
過熱され、過熱部150後段の図示しない改質器に導か
れる。
【0005】この燃料蒸発装置100は、蒸発装置本体
110における蒸発室111の下面111bが燃焼ガス
通路113の上面113tを兼ねるものである。従っ
て、蒸発室111の下面111bからも熱が供給される
ため、液溜まりの発生が防止され、また液溜まりが生じ
た場合も速やかに蒸発する。従って、燃料蒸発装置10
0の応答性が良くなる。さらに、燃料蒸発装置100の
暖機も速やかに行われるようになる。
110における蒸発室111の下面111bが燃焼ガス
通路113の上面113tを兼ねるものである。従っ
て、蒸発室111の下面111bからも熱が供給される
ため、液溜まりの発生が防止され、また液溜まりが生じ
た場合も速やかに蒸発する。従って、燃料蒸発装置10
0の応答性が良くなる。さらに、燃料蒸発装置100の
暖機も速やかに行われるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料電
池システムが燃料電池電気自動車に搭載される場合など
は、燃料蒸発装置に対して、始動時や急激な負荷変動時
に速やかに原燃料を蒸発させること、つまり一層応答性
よく原燃料ガスを得ることが必要となる。さらには、改
質器を良好な状態で運転するためには、原燃料ガスを適
切な温度範囲で、かつ温度ムラなく供給することが望ま
れる。加えて、従来は、高負荷時に適切な温度範囲の原
燃料ガスを得ようとすると、中負荷時から低負荷時にか
けて原燃料ガスの温度が高くなってしまうという問題が
あった。そこで、本発明は、急激な負荷変動に対して充
分な応答性が確保できると共に、原燃料ガスを適切な温
度で後段の改質器に供給することができ、燃料電池電気
自動車などに搭載される燃料電池システムなどにも高い
レベルで要求を満たして使用することのできる燃料蒸発
装置を提供することを主たる目的とする。
池システムが燃料電池電気自動車に搭載される場合など
は、燃料蒸発装置に対して、始動時や急激な負荷変動時
に速やかに原燃料を蒸発させること、つまり一層応答性
よく原燃料ガスを得ることが必要となる。さらには、改
質器を良好な状態で運転するためには、原燃料ガスを適
切な温度範囲で、かつ温度ムラなく供給することが望ま
れる。加えて、従来は、高負荷時に適切な温度範囲の原
燃料ガスを得ようとすると、中負荷時から低負荷時にか
けて原燃料ガスの温度が高くなってしまうという問題が
あった。そこで、本発明は、急激な負荷変動に対して充
分な応答性が確保できると共に、原燃料ガスを適切な温
度で後段の改質器に供給することができ、燃料電池電気
自動車などに搭載される燃料電池システムなどにも高い
レベルで要求を満たして使用することのできる燃料蒸発
装置を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の燃料蒸発装置は、高温熱媒体により原燃料を蒸発さ
せ原燃料ガスを得る蒸発室を備えた燃料蒸発装置におい
て、前記燃料蒸発室は複数の蒸発室が直列に通気可能に
連結されてなる。そして、この燃料蒸発装置は、前記蒸
発室に連接されこの蒸発室から送られる原燃料ガスを前
記高温熱媒体と熱交換し温度調整するガス温度調整室
と、前記複数の蒸発室にそれぞれ設けられ前記原燃料を
噴射する原燃料噴射手段とを備える。
明の燃料蒸発装置は、高温熱媒体により原燃料を蒸発さ
せ原燃料ガスを得る蒸発室を備えた燃料蒸発装置におい
て、前記燃料蒸発室は複数の蒸発室が直列に通気可能に
連結されてなる。そして、この燃料蒸発装置は、前記蒸
発室に連接されこの蒸発室から送られる原燃料ガスを前
記高温熱媒体と熱交換し温度調整するガス温度調整室
と、前記複数の蒸発室にそれぞれ設けられ前記原燃料を
噴射する原燃料噴射手段とを備える。
【0008】この構成によれば、原燃料噴射手段は直列
となった複数の蒸発室のそれぞれに設けられるので、原
燃料ガス要求に応じた任意の蒸発室を選択して原燃料を
噴射し、応答性を確保することが可能になる。また、ガ
ス温度調整室により、蒸発室で蒸発して生成した原燃料
ガスの温度ムラを解消することができる。
となった複数の蒸発室のそれぞれに設けられるので、原
燃料ガス要求に応じた任意の蒸発室を選択して原燃料を
噴射し、応答性を確保することが可能になる。また、ガ
ス温度調整室により、蒸発室で蒸発して生成した原燃料
ガスの温度ムラを解消することができる。
【0009】また、本発明の燃料蒸発装置は、燃料蒸発
装置内のいずれかの温度を検知する温度センサと、この
温度センサからの温度信号を受けていずれかの前記原燃
料噴射手段を選択し、前記原燃料を噴射させる原燃料噴
射制御部とを備える(請求項2)。
装置内のいずれかの温度を検知する温度センサと、この
温度センサからの温度信号を受けていずれかの前記原燃
料噴射手段を選択し、前記原燃料を噴射させる原燃料噴
射制御部とを備える(請求項2)。
【0010】この構成によれば、例えば、蒸発室内の温
度などに基づいて、原燃料噴射制御部がどの/いくつの
蒸発室にどの程度原燃料を噴射するかを定め、原燃料噴
射手段を作動することが可能になる。よって、より確実
に負荷変動に対して応答性を高めると共に、より好適な
温度の原燃料ガスを得ることができる。燃料蒸発装置内
のいずれかの温度とは、例えば、蒸発室内やガス温度調
整室の入口などにおける原燃料ガスの温度、蒸発室やガ
ス温度調整室を加熱する高温熱媒体の温度などである。
度などに基づいて、原燃料噴射制御部がどの/いくつの
蒸発室にどの程度原燃料を噴射するかを定め、原燃料噴
射手段を作動することが可能になる。よって、より確実
に負荷変動に対して応答性を高めると共に、より好適な
温度の原燃料ガスを得ることができる。燃料蒸発装置内
のいずれかの温度とは、例えば、蒸発室内やガス温度調
整室の入口などにおける原燃料ガスの温度、蒸発室やガ
ス温度調整室を加熱する高温熱媒体の温度などである。
【0011】そして、本発明の燃料蒸発装置は、前記ガ
ス温度調整室に導入される高温熱媒体に低温熱媒体を混
合する低温熱媒体供給部及び低温熱媒体供給流路及び低
温熱媒体供給弁と、この低温熱媒体供給弁の開度を制御
する低温熱媒体供給弁制御部とを備える(請求項3)。
ス温度調整室に導入される高温熱媒体に低温熱媒体を混
合する低温熱媒体供給部及び低温熱媒体供給流路及び低
温熱媒体供給弁と、この低温熱媒体供給弁の開度を制御
する低温熱媒体供給弁制御部とを備える(請求項3)。
【0012】ここで、低温熱媒体は高温熱媒体よりも温
度の低い熱媒体である。この構成によれば、ガス温度調
整室の熱源として使用される高温熱媒体の温度を調整す
ることができ、より適した温度の原燃料ガスを後段の機
器に供給することができる。
度の低い熱媒体である。この構成によれば、ガス温度調
整室の熱源として使用される高温熱媒体の温度を調整す
ることができ、より適した温度の原燃料ガスを後段の機
器に供給することができる。
【0013】さらに、本発明の燃料蒸発装置は、前記ガ
ス温度調整室に導入される高温熱媒体を抜き出して前記
ガス温度調整室をバイパスさせるバイパス流路及びバイ
パス弁と、このバイパス弁の開度を制御するバイパス弁
制御部とを備える(請求項4)。
ス温度調整室に導入される高温熱媒体を抜き出して前記
ガス温度調整室をバイパスさせるバイパス流路及びバイ
パス弁と、このバイパス弁の開度を制御するバイパス弁
制御部とを備える(請求項4)。
【0014】この構成によれば、ガス温度調整室の熱源
として使用される高温熱媒体の量を調整することがで
き、適切な熱量付与がなされることで、より適した温度
の原燃料ガスを後段の機器に供給することができる。
として使用される高温熱媒体の量を調整することがで
き、適切な熱量付与がなされることで、より適した温度
の原燃料ガスを後段の機器に供給することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態の
燃料蒸発装置を、図面を参照して詳細に説明する。な
お、本発明に係る実施の形態は、原燃料ガスの温度を調
整するガス温度調整室への高温熱媒体の供給の仕方など
の違いによって、第1の実施形態、第2実施形態、第3
実施形態の3つに分けられる。
燃料蒸発装置を、図面を参照して詳細に説明する。な
お、本発明に係る実施の形態は、原燃料ガスの温度を調
整するガス温度調整室への高温熱媒体の供給の仕方など
の違いによって、第1の実施形態、第2実施形態、第3
実施形態の3つに分けられる。
【0016】≪第1の実施形態≫以下、本発明に係る第
1の実施形態の燃料蒸発装置を説明する。図1は、第1
の実施形態の燃料蒸発装置が使用される燃料電池システ
ムの構成図である。図2は、第1の実施形態の燃料蒸発
装置の一部破断平面図である。図3は、図2のA−A線
断面図である。図4は、図2のB−B線断面図である。
図5は、図2のC−C線断面図である。図6は、第1の
実施形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図である。
1の実施形態の燃料蒸発装置を説明する。図1は、第1
の実施形態の燃料蒸発装置が使用される燃料電池システ
ムの構成図である。図2は、第1の実施形態の燃料蒸発
装置の一部破断平面図である。図3は、図2のA−A線
断面図である。図4は、図2のB−B線断面図である。
図5は、図2のC−C線断面図である。図6は、第1の
実施形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図である。
【0017】〔燃料電池システム〕先ず、第1の実施形
態の燃料蒸発装置1が使用される燃料電池システムFC
Sの構成及び作用を、図1を参照して説明する。燃料電
池システムFCSは、燃料蒸発装置1、改質器2、CO
除去器3、空気圧縮機4、燃料電池5、気液分離装置
6、燃焼バーナ7、そして、原燃料タンクT(水・メタ
ノール混合液貯蔵タンク)を含んで構成される。
態の燃料蒸発装置1が使用される燃料電池システムFC
Sの構成及び作用を、図1を参照して説明する。燃料電
池システムFCSは、燃料蒸発装置1、改質器2、CO
除去器3、空気圧縮機4、燃料電池5、気液分離装置
6、燃焼バーナ7、そして、原燃料タンクT(水・メタ
ノール混合液貯蔵タンク)を含んで構成される。
【0018】燃料蒸発装置1は、蒸発装置本体10、触
媒燃焼器20、ガス温度調整室30、原燃料噴射装置4
0を有する。この燃料蒸発装置1は、原燃料タンクTか
らポンプPで圧送されたメタノール・水混合液などの液
体状の原燃料を、原燃料噴射装置40を介して高温に加
熱された蒸発装置本体10内に噴射して、原燃料を蒸発
させて原燃料ガスにするものである。なお、原燃料を蒸
発させる高温熱媒体は、触媒燃焼器20から供給される
燃焼ガスであり、この燃焼ガスは燃料電池5のオフガス
などを触媒燃焼器20で触媒燃焼させることにより得ら
れる。このようにして得られた原燃料ガスは、ガス温度
調整室30で温度調整された後に改質器2へ供給され
る。この燃料蒸発装置1については、後に詳細に説明す
る。
媒燃焼器20、ガス温度調整室30、原燃料噴射装置4
0を有する。この燃料蒸発装置1は、原燃料タンクTか
らポンプPで圧送されたメタノール・水混合液などの液
体状の原燃料を、原燃料噴射装置40を介して高温に加
熱された蒸発装置本体10内に噴射して、原燃料を蒸発
させて原燃料ガスにするものである。なお、原燃料を蒸
発させる高温熱媒体は、触媒燃焼器20から供給される
燃焼ガスであり、この燃焼ガスは燃料電池5のオフガス
などを触媒燃焼器20で触媒燃焼させることにより得ら
れる。このようにして得られた原燃料ガスは、ガス温度
調整室30で温度調整された後に改質器2へ供給され
る。この燃料蒸発装置1については、後に詳細に説明す
る。
【0019】改質器2は、水蒸気改質と部分酸化により
燃料蒸発装置1から供給される原燃料ガスを水素リッチ
な燃料ガスに改質する。水蒸気改質及び部分酸化は、改
質器2内に設けた触媒の作用により反応が促進される。
なお、原燃料ガスの部分酸化を行うため、改質器2に
は、空気圧縮機4などから図示しない配管により空気が
供給される。
燃料蒸発装置1から供給される原燃料ガスを水素リッチ
な燃料ガスに改質する。水蒸気改質及び部分酸化は、改
質器2内に設けた触媒の作用により反応が促進される。
なお、原燃料ガスの部分酸化を行うため、改質器2に
は、空気圧縮機4などから図示しない配管により空気が
供給される。
【0020】このようにして得られた燃料ガスは、CO
除去器3により、触媒の存在下一酸化炭素の選択酸化反
応が行われる。これにより、燃料ガス中の一酸化炭素が
二酸化炭素に転換されて除去される。一酸化炭素を除去
するのは、燃料電池5(固体高分子型)の白金触媒が被
毒されるのを防止して、燃料電池5の寿命を長くするた
めである。CO除去器3は、No.1-CO除去器3aとNo.
2-CO除去器3bを有し、燃料ガス中の一酸化炭素の濃
度を可及的に低減する。なお、CO除去器3において、
逆シフトやメタネーションなどの好ましくない反応が起
こらないように、図示しない熱交換器により燃料ガスの
温度調整が行われる。
除去器3により、触媒の存在下一酸化炭素の選択酸化反
応が行われる。これにより、燃料ガス中の一酸化炭素が
二酸化炭素に転換されて除去される。一酸化炭素を除去
するのは、燃料電池5(固体高分子型)の白金触媒が被
毒されるのを防止して、燃料電池5の寿命を長くするた
めである。CO除去器3は、No.1-CO除去器3aとNo.
2-CO除去器3bを有し、燃料ガス中の一酸化炭素の濃
度を可及的に低減する。なお、CO除去器3において、
逆シフトやメタネーションなどの好ましくない反応が起
こらないように、図示しない熱交換器により燃料ガスの
温度調整が行われる。
【0021】空気圧縮機4は、空気を圧縮して燃料電池
5が必要とする酸素を供給する。また、空気圧縮機4
は、前記のとおり、改質器2における部分酸化用の空気
を供給する。さらに、空気圧縮機4は、No.2-CO除去
器3bにも空気を供給し、燃料ガス中の一酸化炭素を二
酸化炭素に転換する。なお、この空気圧縮機4の動力と
して、燃料電池5から排出されるオフガスが膨張する際
のエネルギーを利用することができる。
5が必要とする酸素を供給する。また、空気圧縮機4
は、前記のとおり、改質器2における部分酸化用の空気
を供給する。さらに、空気圧縮機4は、No.2-CO除去
器3bにも空気を供給し、燃料ガス中の一酸化炭素を二
酸化炭素に転換する。なお、この空気圧縮機4の動力と
して、燃料電池5から排出されるオフガスが膨張する際
のエネルギーを利用することができる。
【0022】燃料電池5は、前記のとおり固体高分子型
である。燃料電池5の水素極には一酸化炭素が除去され
た燃料ガスが供給され、燃料電池5の酸素極には、空気
圧縮機4からの空気が供給される。燃料電池5の内部で
は、白金触媒の存在下、電気化学反応により水素と酸素
から水を生じると共に、電気を生じる。この電気は、電
気自動車の動力源などとして使用することができる。
である。燃料電池5の水素極には一酸化炭素が除去され
た燃料ガスが供給され、燃料電池5の酸素極には、空気
圧縮機4からの空気が供給される。燃料電池5の内部で
は、白金触媒の存在下、電気化学反応により水素と酸素
から水を生じると共に、電気を生じる。この電気は、電
気自動車の動力源などとして使用することができる。
【0023】燃料電池5の水素極からは、未利用の水素
を含むオフガス及び生成した水が排出されるが、これら
は、気液分離装置6により気体と液体とに分離される。
オフガスは、燃料電池システムFCSの起動時には、燃
焼バーナ7に供給されて燃やされ、触媒燃焼器20など
を暖機する。また、オフガスは、燃料電池システムFC
Sの暖機終了後には、燃焼バーナ7で燃やされることな
く燃料蒸発装置1に供給され、触媒燃焼器20で触媒燃
焼され原燃料を蒸発させる熱源などに使用される。な
お、燃料電池システムFCSの起動時には、触媒燃焼器
20にはオフガスの代わりに触媒燃焼用の燃料(メタノ
ールなど)が供給される。以上が、第1の実施形態の燃
料蒸発装置1が使用される燃料電池システムFCSの構
成及び作用である。
を含むオフガス及び生成した水が排出されるが、これら
は、気液分離装置6により気体と液体とに分離される。
オフガスは、燃料電池システムFCSの起動時には、燃
焼バーナ7に供給されて燃やされ、触媒燃焼器20など
を暖機する。また、オフガスは、燃料電池システムFC
Sの暖機終了後には、燃焼バーナ7で燃やされることな
く燃料蒸発装置1に供給され、触媒燃焼器20で触媒燃
焼され原燃料を蒸発させる熱源などに使用される。な
お、燃料電池システムFCSの起動時には、触媒燃焼器
20にはオフガスの代わりに触媒燃焼用の燃料(メタノ
ールなど)が供給される。以上が、第1の実施形態の燃
料蒸発装置1が使用される燃料電池システムFCSの構
成及び作用である。
【0024】〔燃料蒸発装置〕次に、本発明を具現化し
た燃料蒸発装置1の説明を行う(図2〜図5参照)。第
1の実施形態の燃料蒸発装置1は、蒸発装置本体10、
触媒燃焼器20、ガス温度調整室30、原燃料噴射装置
40を含んで構成される。これらの概略的な位置関係を
説明すると、蒸発装置本体10は触媒燃焼器20の上
部、ガス温度調整室30は蒸発装置本体10の一側面
に、原燃料噴射装置40は蒸発装置本体10の上部に、
それぞれ取り付けられる。
た燃料蒸発装置1の説明を行う(図2〜図5参照)。第
1の実施形態の燃料蒸発装置1は、蒸発装置本体10、
触媒燃焼器20、ガス温度調整室30、原燃料噴射装置
40を含んで構成される。これらの概略的な位置関係を
説明すると、蒸発装置本体10は触媒燃焼器20の上
部、ガス温度調整室30は蒸発装置本体10の一側面
に、原燃料噴射装置40は蒸発装置本体10の上部に、
それぞれ取り付けられる。
【0025】(1)蒸発装置本体;蒸発装置本体10
は、図3などに示すように、内側にU字型の熱媒チュー
ブ12Aなどを多数備える箱型をした蒸発室11を有す
る。この蒸発室11は、原燃料噴射装置40から噴射さ
れた原燃料FLを、高温熱媒体たる燃焼ガスHGにより
蒸発させて、原燃料ガスFGを発生させる。ここで、蒸
発室11は、第1蒸発室11A、第2蒸発室11B及び
第3蒸発室11Cの3つが直列に通気可能に連結される
ことで構成されている。第1蒸発室11A及び第2蒸発
室11Bで発生した原燃料ガスFGは、第3蒸発室11
Cを経由して後段のガス温度調整室30に導かれるよう
になっている。なお、符号11pは、蒸発室11を通気
可能に仕切る仕切である。
は、図3などに示すように、内側にU字型の熱媒チュー
ブ12Aなどを多数備える箱型をした蒸発室11を有す
る。この蒸発室11は、原燃料噴射装置40から噴射さ
れた原燃料FLを、高温熱媒体たる燃焼ガスHGにより
蒸発させて、原燃料ガスFGを発生させる。ここで、蒸
発室11は、第1蒸発室11A、第2蒸発室11B及び
第3蒸発室11Cの3つが直列に通気可能に連結される
ことで構成されている。第1蒸発室11A及び第2蒸発
室11Bで発生した原燃料ガスFGは、第3蒸発室11
Cを経由して後段のガス温度調整室30に導かれるよう
になっている。なお、符号11pは、蒸発室11を通気
可能に仕切る仕切である。
【0026】蒸発室11の中で、第1蒸発室11Aが最
も大きく、第2蒸発室11Bは第1蒸発室11Aよりも
小さく、第3蒸発室11Cは最も小さい。それぞれの蒸
発室11A・11B・11Cには、その大きさ(容積)
に応じた数のU字型の熱媒チューブ12A・12B・1
2Cが配置されている。ちなみに、第1蒸発室11Aの
大きさ(容積)は、第2蒸発室11Bと第3蒸発室11
Cを足し合わせたのと同程度であり、多数本の熱媒チュ
ーブ12Aを有して熱容量が他の蒸発室11B・11C
よりも大きくなるように形成されている。したがって、
原燃料FLを蒸発して原燃料ガスHGを発生させる能力
は、第1蒸発室11Aが最も大きい。
も大きく、第2蒸発室11Bは第1蒸発室11Aよりも
小さく、第3蒸発室11Cは最も小さい。それぞれの蒸
発室11A・11B・11Cには、その大きさ(容積)
に応じた数のU字型の熱媒チューブ12A・12B・1
2Cが配置されている。ちなみに、第1蒸発室11Aの
大きさ(容積)は、第2蒸発室11Bと第3蒸発室11
Cを足し合わせたのと同程度であり、多数本の熱媒チュ
ーブ12Aを有して熱容量が他の蒸発室11B・11C
よりも大きくなるように形成されている。したがって、
原燃料FLを蒸発して原燃料ガスHGを発生させる能力
は、第1蒸発室11Aが最も大きい。
【0027】図3に示すように、第1蒸発室11Aにお
ける熱媒チューブ12Aは、熱媒チューブ12A同士の
間隔が上方に広く下方に狭くなるように配されている
(インジェクタ41Aに近づくにつれて疎、離れるにつ
れて密となるよう配されている)。これは、インジェク
タ41Aから噴射された原燃料FLが、遠方まで行き渡
るようにするためである。さらに、インジェクタ41A
に近い部分の熱媒チューブ12Aに、熱媒チューブ12
A同士にまたがるような大きな膜沸騰を生じ難くして
(インジェクタ41Aに近い部分の熱媒チューブ12A
同士の間隔を広くして、膜沸騰を起こしている部分が大
き成長するのを防いで)、原燃料FL及び発生した原燃
料ガスFGの通路を確保するためである。ちなみに、本
実施形態の場合、蒸発室11Aの下方における熱媒チュ
ーブ12Aの間隔を密にして蒸発室11Aの下方を強く
加熱することで、液溜まりの発生も防止される。なお、
第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cにおける熱媒チ
ューブ12B及び熱媒チューブ12Cの配置も、第1蒸
発室11Aにおける熱媒チューブ12Aの配置と同じで
ある。
ける熱媒チューブ12Aは、熱媒チューブ12A同士の
間隔が上方に広く下方に狭くなるように配されている
(インジェクタ41Aに近づくにつれて疎、離れるにつ
れて密となるよう配されている)。これは、インジェク
タ41Aから噴射された原燃料FLが、遠方まで行き渡
るようにするためである。さらに、インジェクタ41A
に近い部分の熱媒チューブ12Aに、熱媒チューブ12
A同士にまたがるような大きな膜沸騰を生じ難くして
(インジェクタ41Aに近い部分の熱媒チューブ12A
同士の間隔を広くして、膜沸騰を起こしている部分が大
き成長するのを防いで)、原燃料FL及び発生した原燃
料ガスFGの通路を確保するためである。ちなみに、本
実施形態の場合、蒸発室11Aの下方における熱媒チュ
ーブ12Aの間隔を密にして蒸発室11Aの下方を強く
加熱することで、液溜まりの発生も防止される。なお、
第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cにおける熱媒チ
ューブ12B及び熱媒チューブ12Cの配置も、第1蒸
発室11Aにおける熱媒チューブ12Aの配置と同じで
ある。
【0028】また、図3に示すように、第1蒸発室11
Aの蒸発室下面11bは、多数備える熱媒チューブ12
Aの内、最下層に位置する熱媒チューブ12Aの形状
(配置)に応じて断面波形に構成され、熱媒チューブ1
2Aと蒸発室下面11bとの間にできる空間を少なくし
て、大きな液溜まりが生じないようになっている。但
し、この蒸発室下面11bと最下層に位置する熱媒チュ
ーブ12Aの間にはわずかな隙間が設けてあり、振動な
どにより両者が接触しないようになっている。
Aの蒸発室下面11bは、多数備える熱媒チューブ12
Aの内、最下層に位置する熱媒チューブ12Aの形状
(配置)に応じて断面波形に構成され、熱媒チューブ1
2Aと蒸発室下面11bとの間にできる空間を少なくし
て、大きな液溜まりが生じないようになっている。但
し、この蒸発室下面11bと最下層に位置する熱媒チュ
ーブ12Aの間にはわずかな隙間が設けてあり、振動な
どにより両者が接触しないようになっている。
【0029】一方、図3に示すように、第2蒸発室11
B及び第3蒸発室11Cにおける蒸発室下面11bは第
1蒸発室11A側に向けて下るように傾斜しており、仮
に第2蒸発室11Bや第3蒸発室11Cに液溜まりが生
じると、生じた液溜まりが第1蒸発室11Aに流れ込む
ようになっている。これに対応して、仕切11pは、蒸
発室下面11bの部分に液溜まりの通流を許容する開口
部ができるように構成される。また、仕切11pの上部
側に位置する開口部の間口の高さと、熱媒チューブ12
A(12B・12C)の上部側の束の厚みは、ほぼ等し
くなっており、発生した原燃料ガスFGが簡単に通過で
きるように形成されている。
B及び第3蒸発室11Cにおける蒸発室下面11bは第
1蒸発室11A側に向けて下るように傾斜しており、仮
に第2蒸発室11Bや第3蒸発室11Cに液溜まりが生
じると、生じた液溜まりが第1蒸発室11Aに流れ込む
ようになっている。これに対応して、仕切11pは、蒸
発室下面11bの部分に液溜まりの通流を許容する開口
部ができるように構成される。また、仕切11pの上部
側に位置する開口部の間口の高さと、熱媒チューブ12
A(12B・12C)の上部側の束の厚みは、ほぼ等し
くなっており、発生した原燃料ガスFGが簡単に通過で
きるように形成されている。
【0030】図4に示すように、第1蒸発室11Aの正
面側(燃料蒸発装置1を基準としての正面側)は、熱媒
チューブ12Aを保持する熱媒チューブ保持板12Aa
により塞がれ、燃焼ガスHGと原燃料ガスFGとが混じ
り合わないようになっている。熱媒チューブ12Aは、
その両端が開放されており、燃焼ガスHGは、熱媒チュ
ーブ12Aの下部側の端部(熱媒チューブ入口12Ai
n)からこの熱媒チューブ12Aの中に入り、熱媒チュ
ーブ12Aの上部側の端部(熱媒チューブ出口12Aou
t)から抜け出る構造になっている。この熱媒チューブ
出口12Aoutが、後に説明する燃焼ガス通路13(第
1燃焼ガス通路13a)の起端になる。ここで、正面、
側面及び後面などの位置関係は、燃料蒸発装置1を基準
としたものである(以下同じ)。
面側(燃料蒸発装置1を基準としての正面側)は、熱媒
チューブ12Aを保持する熱媒チューブ保持板12Aa
により塞がれ、燃焼ガスHGと原燃料ガスFGとが混じ
り合わないようになっている。熱媒チューブ12Aは、
その両端が開放されており、燃焼ガスHGは、熱媒チュ
ーブ12Aの下部側の端部(熱媒チューブ入口12Ai
n)からこの熱媒チューブ12Aの中に入り、熱媒チュ
ーブ12Aの上部側の端部(熱媒チューブ出口12Aou
t)から抜け出る構造になっている。この熱媒チューブ
出口12Aoutが、後に説明する燃焼ガス通路13(第
1燃焼ガス通路13a)の起端になる。ここで、正面、
側面及び後面などの位置関係は、燃料蒸発装置1を基準
としたものである(以下同じ)。
【0031】なお、熱媒チューブ12Aの上部側は、そ
の端部に向かって下るように傾斜している。このように
傾斜しているのは、熱媒チューブ12Aの上部側に原燃
料FLが液滴状に付着した場合、付着した液滴を熱媒チ
ューブ保持板12Aaの方へ向けて移動させ、熱媒チュ
ーブ保持板12Aaが有する熱により蒸発させるためで
ある。この点、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C
における熱媒チューブ12B・12Cも、熱媒チューブ
12Aと同じように傾斜している。
の端部に向かって下るように傾斜している。このように
傾斜しているのは、熱媒チューブ12Aの上部側に原燃
料FLが液滴状に付着した場合、付着した液滴を熱媒チ
ューブ保持板12Aaの方へ向けて移動させ、熱媒チュ
ーブ保持板12Aaが有する熱により蒸発させるためで
ある。この点、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C
における熱媒チューブ12B・12Cも、熱媒チューブ
12Aと同じように傾斜している。
【0032】次に、図5に示すように、第2蒸発室11
B及び第3蒸発室11Cの燃料蒸発装置1を基準とした
後面側は、熱媒チューブ12B・12Cを一体として保
持する熱媒チューブ保持板12Baにより塞がれ、燃焼
ガスHGと原燃料ガスFGとが混じり合わないようにな
っている。熱媒チューブ12B・12Cは、その両端が
開放されており、燃焼ガスHGは、熱媒チューブ12B
・12Cの上部側の端部(熱媒チューブ入口12Bin・
12Cin)からこの熱媒チューブ12B・12Cの中に
入り、熱媒チューブ12B・12C下部側の端部(熱媒
チューブ出口12Bout・12Cout)から抜け出る構造
になっている。なお、熱媒チューブ入口12Bin・12
Cinにおける燃焼ガスHGと熱媒チューブ出口12Bou
t・12Coutにおける燃焼ガスHGが混合しないよう
に、仕切13pが設けられている。ちなみに、燃焼ガス
HGは、第1蒸発室11Aを加熱した後に、分岐して第
2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cを加熱する。
B及び第3蒸発室11Cの燃料蒸発装置1を基準とした
後面側は、熱媒チューブ12B・12Cを一体として保
持する熱媒チューブ保持板12Baにより塞がれ、燃焼
ガスHGと原燃料ガスFGとが混じり合わないようにな
っている。熱媒チューブ12B・12Cは、その両端が
開放されており、燃焼ガスHGは、熱媒チューブ12B
・12Cの上部側の端部(熱媒チューブ入口12Bin・
12Cin)からこの熱媒チューブ12B・12Cの中に
入り、熱媒チューブ12B・12C下部側の端部(熱媒
チューブ出口12Bout・12Cout)から抜け出る構造
になっている。なお、熱媒チューブ入口12Bin・12
Cinにおける燃焼ガスHGと熱媒チューブ出口12Bou
t・12Coutにおける燃焼ガスHGが混合しないよう
に、仕切13pが設けられている。ちなみに、燃焼ガス
HGは、第1蒸発室11Aを加熱した後に、分岐して第
2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cを加熱する。
【0033】なお、この蒸発装置本体10は、蒸発室1
1内で原燃料FLを蒸発して原燃料ガスFGを発生する
が、発生した原燃料ガスFGは、第3蒸発室11Cが備
える通気手段14を通ってガス温度調整室30に導かれ
る(図3参照)。ちなみに、通気手段14は、小孔がた
くさんあいたパンチングプレートなどから構成され、原
燃料FLの飛沫などの液滴がガス温度調整室30に直接
入り込まないようにしている。
1内で原燃料FLを蒸発して原燃料ガスFGを発生する
が、発生した原燃料ガスFGは、第3蒸発室11Cが備
える通気手段14を通ってガス温度調整室30に導かれ
る(図3参照)。ちなみに、通気手段14は、小孔がた
くさんあいたパンチングプレートなどから構成され、原
燃料FLの飛沫などの液滴がガス温度調整室30に直接
入り込まないようにしている。
【0034】ところで、第1の実施形態の燃料蒸発装置
1は、蒸発室11の保温を兼ねた燃焼ガス通路13を有
する。この燃焼ガス通路13は、第1燃焼ガス通路13
aと第2燃焼ガス通路13bに分けられる。第1燃焼ガ
ス通路13aは、第1蒸発室11Aの熱媒チューブ出口
12Aoutを起端として、第2蒸発室11B及び第3蒸
発室11Cの熱媒チューブ入口12Bin・12Cinに至
る。つまり、第1燃焼ガス通路13aは、第1蒸発室1
1Aの正面、側面、後面並びに第2蒸発室11B及び第
3蒸発室11Cの後面(上半分)に配設される。なお、
本実施形態の第1燃焼ガス通路13aは、触媒燃焼器2
0の隔壁板24及び触媒燃焼器20の一側面20sも併
せて覆う構造を有する。
1は、蒸発室11の保温を兼ねた燃焼ガス通路13を有
する。この燃焼ガス通路13は、第1燃焼ガス通路13
aと第2燃焼ガス通路13bに分けられる。第1燃焼ガ
ス通路13aは、第1蒸発室11Aの熱媒チューブ出口
12Aoutを起端として、第2蒸発室11B及び第3蒸
発室11Cの熱媒チューブ入口12Bin・12Cinに至
る。つまり、第1燃焼ガス通路13aは、第1蒸発室1
1Aの正面、側面、後面並びに第2蒸発室11B及び第
3蒸発室11Cの後面(上半分)に配設される。なお、
本実施形態の第1燃焼ガス通路13aは、触媒燃焼器2
0の隔壁板24及び触媒燃焼器20の一側面20sも併
せて覆う構造を有する。
【0035】一方、第2燃焼ガス通路13bは、第2蒸
発室11B及び第3蒸発室11Cの熱媒チューブ出口1
2Bout・12Coutを起端としてガス温度調整室30
(胴32)に至る。つまり、第2燃焼ガス通路13b
は、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C後面(下半
分)、下面並びに正面に配設される。
発室11B及び第3蒸発室11Cの熱媒チューブ出口1
2Bout・12Coutを起端としてガス温度調整室30
(胴32)に至る。つまり、第2燃焼ガス通路13b
は、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C後面(下半
分)、下面並びに正面に配設される。
【0036】なお、図2において符号15で表される部
材は空気導入口であり、改質器2における改質反応(部
分酸化反応)で必要とする空気(酸素)を、燃料蒸発装
置1での原燃料ガスFGを発生させる段階で導入し、原
燃料ガスFGに混合する。このように原燃料ガスHGに
空気を混合することにより、原燃料ガスHGと空気との
ミキシングが良好になり、改質器2において円滑な反応
が行われる。
材は空気導入口であり、改質器2における改質反応(部
分酸化反応)で必要とする空気(酸素)を、燃料蒸発装
置1での原燃料ガスFGを発生させる段階で導入し、原
燃料ガスFGに混合する。このように原燃料ガスHGに
空気を混合することにより、原燃料ガスHGと空気との
ミキシングが良好になり、改質器2において円滑な反応
が行われる。
【0037】(2)触媒燃焼器;第1の実施形態の触媒
燃焼器20は、蒸発室11と同様に箱型をしており、そ
の内部にハニカム形状の触媒からなる触媒層22を有す
る。そして、触媒燃焼器入口21を介して供給される被
燃焼体たる燃料電池5のオフガスOG、即ち、水素と酸
素の混合ガスを触媒燃焼させる。オフガスOGの触媒燃
焼により発生した燃焼ガスHGは、高温熱媒体として蒸
発室11における原燃料FLの蒸発、蒸発室11の保
温、及びガス温度調整室30における原燃料ガスFGの
温度調整に使用される。
燃焼器20は、蒸発室11と同様に箱型をしており、そ
の内部にハニカム形状の触媒からなる触媒層22を有す
る。そして、触媒燃焼器入口21を介して供給される被
燃焼体たる燃料電池5のオフガスOG、即ち、水素と酸
素の混合ガスを触媒燃焼させる。オフガスOGの触媒燃
焼により発生した燃焼ガスHGは、高温熱媒体として蒸
発室11における原燃料FLの蒸発、蒸発室11の保
温、及びガス温度調整室30における原燃料ガスFGの
温度調整に使用される。
【0038】また、触媒燃焼器20は、その内部におけ
る触媒燃焼により、触媒燃焼器20自体が高温になって
いる。本実施形態においては、この触媒燃焼器20自体
が発生する熱を利用するため、触媒燃焼器20は、第1
蒸発室11Aの蒸発室下面11bにその上面(触媒燃焼
器上面20t)が密着して設けられている。このように
密着させることにより、触媒燃焼器20が発生する熱を
蒸発室下面11bに伝導伝熱により伝え、触媒燃焼器2
0が発生する熱を有効に利用することができる。
る触媒燃焼により、触媒燃焼器20自体が高温になって
いる。本実施形態においては、この触媒燃焼器20自体
が発生する熱を利用するため、触媒燃焼器20は、第1
蒸発室11Aの蒸発室下面11bにその上面(触媒燃焼
器上面20t)が密着して設けられている。このように
密着させることにより、触媒燃焼器20が発生する熱を
蒸発室下面11bに伝導伝熱により伝え、触媒燃焼器2
0が発生する熱を有効に利用することができる。
【0039】ちなみに、蒸発室下面11bは、液溜まり
が生じる場所である。殊に、第1蒸発室11Aの蒸発室
下面11bは、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C
で生じた液溜まりが集まる部分である。従って、第1蒸
発室11Aの蒸発室下面11bを、触媒燃焼器20によ
り強く加熱することで、液溜まりの発生防止及び発生し
た液溜まりの速やかな蒸発を図ることができる。また、
触媒燃焼器20の廃熱の有効利用も図られる。なお、触
媒燃焼器上面20tが、第1蒸発室11Aの蒸発室下面
11bを兼ねる構成であってもよい。また、触媒燃焼器
上面20tと蒸発室下面10bの間に電熱ヒータを介在
させる構成であってもよい。さらに、触媒燃焼器上面2
0tと蒸発室下面11bの間に距離を置き、輻射及び対
流により触媒燃焼器20が発する熱を蒸発室11に伝え
る構成としてもよい。
が生じる場所である。殊に、第1蒸発室11Aの蒸発室
下面11bは、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11C
で生じた液溜まりが集まる部分である。従って、第1蒸
発室11Aの蒸発室下面11bを、触媒燃焼器20によ
り強く加熱することで、液溜まりの発生防止及び発生し
た液溜まりの速やかな蒸発を図ることができる。また、
触媒燃焼器20の廃熱の有効利用も図られる。なお、触
媒燃焼器上面20tが、第1蒸発室11Aの蒸発室下面
11bを兼ねる構成であってもよい。また、触媒燃焼器
上面20tと蒸発室下面10bの間に電熱ヒータを介在
させる構成であってもよい。さらに、触媒燃焼器上面2
0tと蒸発室下面11bの間に距離を置き、輻射及び対
流により触媒燃焼器20が発する熱を蒸発室11に伝え
る構成としてもよい。
【0040】なお、触媒燃焼器20には、燃焼ガスHG
を触媒燃焼器出口23から第1蒸発室11Aにおける熱
媒チューブ入口12Ainに導く断面半円状の隔壁板24
が取り付けられている。この隔壁板24により、触媒燃
焼器出口23(熱媒チューブ入口12Ain)と熱媒チュ
ーブ出口12Aoutの燃焼ガスHGが混合しないように
なっている。この触媒燃焼器20や触媒層22(ハニカ
ム材料)の材質としては、高温に耐え、耐蝕性もあるス
テンレス鋼(例えばSUS316)などが適している。
を触媒燃焼器出口23から第1蒸発室11Aにおける熱
媒チューブ入口12Ainに導く断面半円状の隔壁板24
が取り付けられている。この隔壁板24により、触媒燃
焼器出口23(熱媒チューブ入口12Ain)と熱媒チュ
ーブ出口12Aoutの燃焼ガスHGが混合しないように
なっている。この触媒燃焼器20や触媒層22(ハニカ
ム材料)の材質としては、高温に耐え、耐蝕性もあるス
テンレス鋼(例えばSUS316)などが適している。
【0041】(3)ガス温度調整室;ガス温度調整室3
0は、蒸発室11(第3蒸発室11C)の出口の下流側
に、蒸発装置本体10の一側面から突出して取り付けら
れる。図3に示すように、このガス温度調整室30はシ
ェル&チューブ式の熱交換器であり、管31の側に原燃
料ガスFGを通し(管入口31inから管31に入り管出
口31outから排出)、胴32の側に燃焼ガスHGを通
し(胴入口32inから胴32に入り胴出口32outから
排出)、蒸発室11で発生した原燃料ガスFGの温度ム
ラを解消する。同時に、凝縮性の原燃料ガスFGを燃焼
ガスHGで過熱して乾き蒸気にし、原燃料ガスFGの凝
縮を防止する役割も備える。本実施形態では、ガス温度
調整室30へは、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cを加熱した後の燃焼ガスHGが供給される。
0は、蒸発室11(第3蒸発室11C)の出口の下流側
に、蒸発装置本体10の一側面から突出して取り付けら
れる。図3に示すように、このガス温度調整室30はシ
ェル&チューブ式の熱交換器であり、管31の側に原燃
料ガスFGを通し(管入口31inから管31に入り管出
口31outから排出)、胴32の側に燃焼ガスHGを通
し(胴入口32inから胴32に入り胴出口32outから
排出)、蒸発室11で発生した原燃料ガスFGの温度ム
ラを解消する。同時に、凝縮性の原燃料ガスFGを燃焼
ガスHGで過熱して乾き蒸気にし、原燃料ガスFGの凝
縮を防止する役割も備える。本実施形態では、ガス温度
調整室30へは、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cを加熱した後の燃焼ガスHGが供給される。
【0042】(4)原燃料噴射装置;原燃料噴射装置4
0は、1流体ノズルの噴射装置であり、原燃料FLを蒸
発室11内に噴射するものである。この原燃料噴射装置
40は、原燃料FLを噴射するインジェクタ41及び原
燃料供給管42を含んで構成され、蒸発室上面11tに
取り付けられている。インジェクタ41は、第1蒸発室
11A、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cにそれ
ぞれ設けられる。具体的には、インジェクタ41は、第
1蒸発室11Aに3つ(インジェクタ41A1、41
A2、41A3)、第2蒸発室11Bに1つ(インジェク
タ41B)、そして、第3蒸発室11Cに1つ(インジ
ェクタ41C)、それぞれ設けられる。なお、原燃料F
Lは、高温の燃焼ガスHGの保有熱量を有効に利用する
ため、蒸発室11内に多数備える熱媒チューブ12A・
12B・12Cに沿う方向(各蒸発室11A・11B・
11Cとも、熱媒チューブ12A・12B・12Cの保
持板12Aa・12Baに向かう方向)に主として噴射
される。
0は、1流体ノズルの噴射装置であり、原燃料FLを蒸
発室11内に噴射するものである。この原燃料噴射装置
40は、原燃料FLを噴射するインジェクタ41及び原
燃料供給管42を含んで構成され、蒸発室上面11tに
取り付けられている。インジェクタ41は、第1蒸発室
11A、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cにそれ
ぞれ設けられる。具体的には、インジェクタ41は、第
1蒸発室11Aに3つ(インジェクタ41A1、41
A2、41A3)、第2蒸発室11Bに1つ(インジェク
タ41B)、そして、第3蒸発室11Cに1つ(インジ
ェクタ41C)、それぞれ設けられる。なお、原燃料F
Lは、高温の燃焼ガスHGの保有熱量を有効に利用する
ため、蒸発室11内に多数備える熱媒チューブ12A・
12B・12Cに沿う方向(各蒸発室11A・11B・
11Cとも、熱媒チューブ12A・12B・12Cの保
持板12Aa・12Baに向かう方向)に主として噴射
される。
【0043】ちなみに、インジェクタ41A1から噴射
された原燃料FLは主として第1蒸発室11Aの左側で
蒸発するように、インジェクタ41A2から噴射された
原燃料FLは主として第1蒸発室11Aの中央で蒸発す
るように、インジェクタ41A3から噴射された原燃料
FLは主として第1蒸発室11Aの右側で蒸発するよう
に、噴射方向に指向性が持たせてある(図3参照)。つ
まり、噴射していない部分はいわば空焚状態になるよう
にしてある。
された原燃料FLは主として第1蒸発室11Aの左側で
蒸発するように、インジェクタ41A2から噴射された
原燃料FLは主として第1蒸発室11Aの中央で蒸発す
るように、インジェクタ41A3から噴射された原燃料
FLは主として第1蒸発室11Aの右側で蒸発するよう
に、噴射方向に指向性が持たせてある(図3参照)。つ
まり、噴射していない部分はいわば空焚状態になるよう
にしてある。
【0044】(5)温度センサ・原燃料噴射制御部;図
2〜図6を参照して燃料蒸発装置内の温度を測定する温
度センサ、及びこの温度センサの温度信号などを受けて
作動する原燃料噴射制御部を説明する。温度センサTg
inは触媒燃焼器出口21の部分、温度センサTg1は第
1蒸発室11A正面における熱媒チューブ12Aの出口
部分(第1燃焼ガス通路13aの起端部分)、温度セン
サTg2は第2蒸発室11Bにおける熱媒チューブ12
Bの出口部分(第2燃焼ガス通路13bの起端部分)、
温度センサTgoはガス温度調整室30における胴入口
32inの部分に設置され、それぞれの位置における燃焼
ガスHGの温度を検知する。検知した温度信号は、原燃
料噴射制御部FICに送信される。
2〜図6を参照して燃料蒸発装置内の温度を測定する温
度センサ、及びこの温度センサの温度信号などを受けて
作動する原燃料噴射制御部を説明する。温度センサTg
inは触媒燃焼器出口21の部分、温度センサTg1は第
1蒸発室11A正面における熱媒チューブ12Aの出口
部分(第1燃焼ガス通路13aの起端部分)、温度セン
サTg2は第2蒸発室11Bにおける熱媒チューブ12
Bの出口部分(第2燃焼ガス通路13bの起端部分)、
温度センサTgoはガス温度調整室30における胴入口
32inの部分に設置され、それぞれの位置における燃焼
ガスHGの温度を検知する。検知した温度信号は、原燃
料噴射制御部FICに送信される。
【0045】温度センサTv1は第1蒸発室11A内の
第2蒸発室11B寄りに、温度センサTv2は第2蒸発
室11B内の第3蒸発室11C寄りに、温度センサTv
3は蒸発室11の出口(ガス温度調整室30の管入口3
1in)に、温度センサTv4は、ガス温度調整室30の
管出口31outに設置され、それぞれの位置における原
燃料ガスFGの温度を検知する。検知した温度信号は、
原燃料噴射制御部FICに送信される。
第2蒸発室11B寄りに、温度センサTv2は第2蒸発
室11B内の第3蒸発室11C寄りに、温度センサTv
3は蒸発室11の出口(ガス温度調整室30の管入口3
1in)に、温度センサTv4は、ガス温度調整室30の
管出口31outに設置され、それぞれの位置における原
燃料ガスFGの温度を検知する。検知した温度信号は、
原燃料噴射制御部FICに送信される。
【0046】原燃料噴射制御部FICは、温度信号など
を受けて原燃料噴射装置40による原燃料FLの噴射量
を制御する噴射量制御手段、及び、5つあるインジェク
タ41A1・41A2・41A3・41B・41Cのうち
使用(作動)するインジェクタ41を選択する噴射位置
選択手段を有する。
を受けて原燃料噴射装置40による原燃料FLの噴射量
を制御する噴射量制御手段、及び、5つあるインジェク
タ41A1・41A2・41A3・41B・41Cのうち
使用(作動)するインジェクタ41を選択する噴射位置
選択手段を有する。
【0047】〔燃料蒸発装置の一般的動作〕次に、第1
の実施形態の燃料蒸発装置1の一般的な動作及び作用に
ついて説明する。 (1)蒸発室下面の加熱;触媒燃焼器20は、燃料電池
5のオフガスOGが供給され、触媒燃焼により燃焼して
燃焼ガスHGを生成する。触媒燃焼が始まると、触媒燃
焼器20自体の温度も上昇し、触媒燃焼器20の外表面
が高温(約300℃)になる。ここで、燃料蒸発装置1
は、第1蒸発室11Aの蒸発室下面11bと触媒燃焼器
上面20tが密接している。従って、第1蒸発室11A
の蒸発室下面11b(蒸発室11の床面)は、触媒燃焼
器20により加熱され高温になる。このように、触媒燃
焼器20が発する熱を有効に利用することで、液溜まり
の発生を防止し、また発生した液溜まりを迅速に蒸発さ
せる。ちなみに、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cの蒸発室下面11bは、第1蒸発室11Cの蒸発室下
面11bに向かって下るように傾斜している。従って、
仮に第2蒸発室11Bや第3蒸発室11Cに液溜まりが
生じると、第1蒸発室11Aの蒸発室下面11bに液溜
まりが集まり(集まる最中にも蒸発が促進される)、主
としてここで液溜まりが最終的に蒸発するようになって
いる。
の実施形態の燃料蒸発装置1の一般的な動作及び作用に
ついて説明する。 (1)蒸発室下面の加熱;触媒燃焼器20は、燃料電池
5のオフガスOGが供給され、触媒燃焼により燃焼して
燃焼ガスHGを生成する。触媒燃焼が始まると、触媒燃
焼器20自体の温度も上昇し、触媒燃焼器20の外表面
が高温(約300℃)になる。ここで、燃料蒸発装置1
は、第1蒸発室11Aの蒸発室下面11bと触媒燃焼器
上面20tが密接している。従って、第1蒸発室11A
の蒸発室下面11b(蒸発室11の床面)は、触媒燃焼
器20により加熱され高温になる。このように、触媒燃
焼器20が発する熱を有効に利用することで、液溜まり
の発生を防止し、また発生した液溜まりを迅速に蒸発さ
せる。ちなみに、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cの蒸発室下面11bは、第1蒸発室11Cの蒸発室下
面11bに向かって下るように傾斜している。従って、
仮に第2蒸発室11Bや第3蒸発室11Cに液溜まりが
生じると、第1蒸発室11Aの蒸発室下面11bに液溜
まりが集まり(集まる最中にも蒸発が促進される)、主
としてここで液溜まりが最終的に蒸発するようになって
いる。
【0048】(2)燃焼ガスの流れ;文中の(P1)〜(P1
2)の記号は、図2〜図5に付したP1〜P12の符号に
対応して、燃料ガス蒸発装置1における燃焼ガスHGの
流れを示す。先ず、触媒燃焼器20によりオフガスOG
を触媒燃焼させて生成した650〜700℃の高温の燃
焼ガスHGは(P1)、熱媒チューブ入口12Ainから熱
媒チューブ12Aに入り、第1蒸発室11Aを加熱し
て、熱媒チューブ出口12Aoutから抜け出る(P2)。
この間、燃焼ガスHGは、インジェクタ41Aから噴射
され熱媒チューブ12Aに接触した原燃料FLに熱を伝
えて蒸発させる。なお、熱媒チューブ出口12Aoutに
おける燃焼ガスHGの温度は、約350℃である。
2)の記号は、図2〜図5に付したP1〜P12の符号に
対応して、燃料ガス蒸発装置1における燃焼ガスHGの
流れを示す。先ず、触媒燃焼器20によりオフガスOG
を触媒燃焼させて生成した650〜700℃の高温の燃
焼ガスHGは(P1)、熱媒チューブ入口12Ainから熱
媒チューブ12Aに入り、第1蒸発室11Aを加熱し
て、熱媒チューブ出口12Aoutから抜け出る(P2)。
この間、燃焼ガスHGは、インジェクタ41Aから噴射
され熱媒チューブ12Aに接触した原燃料FLに熱を伝
えて蒸発させる。なお、熱媒チューブ出口12Aoutに
おける燃焼ガスHGの温度は、約350℃である。
【0049】次に、燃焼ガスHGは、第1燃焼ガス通路
13aに入り、第1蒸発室11Aの正面(P3)、触媒燃
焼器側面20sを含む第1蒸発室11Aの側面(P4)、
第1蒸発室11Aの後面(P5)を経由して第2蒸発室1
1B及び第3蒸発室11Cの後面の上部(P6)に達す
る。この間、燃焼ガスHGは、主として第1蒸発室11
Aを保温する。なお、前記のとおり、正面や側面などの
位置関係は、燃料蒸発装置1を基準としてのものであ
る。
13aに入り、第1蒸発室11Aの正面(P3)、触媒燃
焼器側面20sを含む第1蒸発室11Aの側面(P4)、
第1蒸発室11Aの後面(P5)を経由して第2蒸発室1
1B及び第3蒸発室11Cの後面の上部(P6)に達す
る。この間、燃焼ガスHGは、主として第1蒸発室11
Aを保温する。なお、前記のとおり、正面や側面などの
位置関係は、燃料蒸発装置1を基準としてのものであ
る。
【0050】続いて、燃焼ガスHGは分流して、熱媒チ
ューブ入口12Bin・12Cinから熱媒チューブ12B
・12Cに入り、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cを加熱して、熱媒チューブ出口12Bout・12Cout
から抜け出る(P7,P8)。この間、燃焼ガスHGは、イ
ンジェクタ41B・41Cから噴射された原燃料FLを
蒸発させる。なお、熱媒チューブ出口12Bout・12
Coutにおける燃焼ガスHGの温度は、約315℃であ
る。
ューブ入口12Bin・12Cinから熱媒チューブ12B
・12Cに入り、第2蒸発室11B及び第3蒸発室11
Cを加熱して、熱媒チューブ出口12Bout・12Cout
から抜け出る(P7,P8)。この間、燃焼ガスHGは、イ
ンジェクタ41B・41Cから噴射された原燃料FLを
蒸発させる。なお、熱媒チューブ出口12Bout・12
Coutにおける燃焼ガスHGの温度は、約315℃であ
る。
【0051】次に、分流した燃焼ガスHGは、第2燃焼
ガス通路13bに入って合流し、第2蒸発室11B及び
第3蒸発室11Cの後面の下部(P9)、第2蒸発室11
B及び第3蒸発室11Cの蒸発室下部11b(P10)、
第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cの正面(P11)
を経由してガス温度調整室30の胴入口32inに至る
(P12)。この間、燃焼ガスHGは、第2蒸発室11B
及び第3蒸発室11C、さらには、触媒燃焼器20の側
面(符号20sとは反対の側面)を保温する。なお、ガ
ス温度調整室30の入口(胴入口32in)における燃焼
ガスHGの温度は、約300℃である。
ガス通路13bに入って合流し、第2蒸発室11B及び
第3蒸発室11Cの後面の下部(P9)、第2蒸発室11
B及び第3蒸発室11Cの蒸発室下部11b(P10)、
第2蒸発室11B及び第3蒸発室11Cの正面(P11)
を経由してガス温度調整室30の胴入口32inに至る
(P12)。この間、燃焼ガスHGは、第2蒸発室11B
及び第3蒸発室11C、さらには、触媒燃焼器20の側
面(符号20sとは反対の側面)を保温する。なお、ガ
ス温度調整室30の入口(胴入口32in)における燃焼
ガスHGの温度は、約300℃である。
【0052】そして、燃焼ガスHGは、ガス温度調整室
30の胴32を通過した後に排気ダクト33から排出さ
れる(P13)。この間、燃焼ガスHGは、原燃料ガスF
Gの温度調整を行う。
30の胴32を通過した後に排気ダクト33から排出さ
れる(P13)。この間、燃焼ガスHGは、原燃料ガスF
Gの温度調整を行う。
【0053】このように燃焼ガスHGが燃料蒸発装置1
の内側を通流することにより、蒸発室11における原燃
料FLの蒸発が一層促進され、燃料蒸発装置としての応
答性が優れたものになる。また、暖機も迅速に行われ
る。
の内側を通流することにより、蒸発室11における原燃
料FLの蒸発が一層促進され、燃料蒸発装置としての応
答性が優れたものになる。また、暖機も迅速に行われ
る。
【0054】(3)原燃料及び原燃料ガスの流れ;原燃
料タンクT(水・メタノール混合液貯蔵タンク)に貯蔵
された原燃料FLは、ポンプで圧送され、原燃料噴射装
置40のインジェクタ41から蒸発室11内に噴射され
る。第1の実施形態における原燃料噴射装置40のイン
ジェクタ41は、3つの蒸発室11A・11B・11C
にそれぞれ設けられ、所定の条件の下、任意のインジェ
クタ41xから原燃料FLを任意の蒸発室11に噴射可
能になっている。ちなみに、特定のインジェクタ41を
使用することにより、原燃料ガスFGの温度調整を行う
ことができる。この点については、燃料蒸発装置の具体
的制御として後述する。
料タンクT(水・メタノール混合液貯蔵タンク)に貯蔵
された原燃料FLは、ポンプで圧送され、原燃料噴射装
置40のインジェクタ41から蒸発室11内に噴射され
る。第1の実施形態における原燃料噴射装置40のイン
ジェクタ41は、3つの蒸発室11A・11B・11C
にそれぞれ設けられ、所定の条件の下、任意のインジェ
クタ41xから原燃料FLを任意の蒸発室11に噴射可
能になっている。ちなみに、特定のインジェクタ41を
使用することにより、原燃料ガスFGの温度調整を行う
ことができる。この点については、燃料蒸発装置の具体
的制御として後述する。
【0055】原燃料噴射装置40のインジェクタ41か
ら蒸発室11内に噴射された原燃料FLは、大部分が蒸
発室11内に多数配設された熱媒チューブ12の表面で
直ちに蒸発し原燃料ガスFGになる。ところで、急激か
つ多量に原燃料FLが噴射されるなどした場合は、蒸発
しきれない原燃料FLは、蒸発室11の下方に滴下する
が、滴下する際に、すでに蒸発した原燃料ガスFGと熱
交換して温度が上昇する(一部は蒸発する)。また、未
蒸発の原燃料FLが下方に位置する熱媒チューブ12の
上に滴下すると、熱媒チューブ12の表面で加熱されて
蒸発する。なお、最後まで蒸発しきれない原燃料FL
は、蒸発室下面11bまで達するが、蒸発室下面11b
は、触媒燃焼器20などにより加熱され高温になってい
るので、液溜まりを生じることなく蒸発する。さらに、
蒸発装置本体10(蒸発室11)は、燃焼ガス通路13
(13a・13b)により加熱・保温されるため、一層
原燃料FLの蒸発が促進され、液溜まりが生じ難くなっ
ている。
ら蒸発室11内に噴射された原燃料FLは、大部分が蒸
発室11内に多数配設された熱媒チューブ12の表面で
直ちに蒸発し原燃料ガスFGになる。ところで、急激か
つ多量に原燃料FLが噴射されるなどした場合は、蒸発
しきれない原燃料FLは、蒸発室11の下方に滴下する
が、滴下する際に、すでに蒸発した原燃料ガスFGと熱
交換して温度が上昇する(一部は蒸発する)。また、未
蒸発の原燃料FLが下方に位置する熱媒チューブ12の
上に滴下すると、熱媒チューブ12の表面で加熱されて
蒸発する。なお、最後まで蒸発しきれない原燃料FL
は、蒸発室下面11bまで達するが、蒸発室下面11b
は、触媒燃焼器20などにより加熱され高温になってい
るので、液溜まりを生じることなく蒸発する。さらに、
蒸発装置本体10(蒸発室11)は、燃焼ガス通路13
(13a・13b)により加熱・保温されるため、一層
原燃料FLの蒸発が促進され、液溜まりが生じ難くなっ
ている。
【0056】つまり、従来のこのような燃料蒸発装置に
おいては、蒸発室の各面は蒸発した原燃料ガスにより暖
められるか、熱源である熱媒チューブ及び熱媒チューブ
保持板から伝導伝熱などにより暖められるのみであっ
た。従って、原燃料が蒸発室の側面などに付着しても蒸
発しにくく、また、一旦蒸発した原燃料ガスも蒸発室内
で凝縮しやすいものであった(即ち液溜まりを生じやす
かった)。この点、本実施の形態の燃料蒸発装置1は、
蒸発室11の複数の面が燃焼ガスHG及び触媒燃焼器2
0により加熱・保温される構成であるので、液溜まりの
発生を可及的に防止することができる(即ち燃料蒸発装
置としての応答性がよい)。
おいては、蒸発室の各面は蒸発した原燃料ガスにより暖
められるか、熱源である熱媒チューブ及び熱媒チューブ
保持板から伝導伝熱などにより暖められるのみであっ
た。従って、原燃料が蒸発室の側面などに付着しても蒸
発しにくく、また、一旦蒸発した原燃料ガスも蒸発室内
で凝縮しやすいものであった(即ち液溜まりを生じやす
かった)。この点、本実施の形態の燃料蒸発装置1は、
蒸発室11の複数の面が燃焼ガスHG及び触媒燃焼器2
0により加熱・保温される構成であるので、液溜まりの
発生を可及的に防止することができる(即ち燃料蒸発装
置としての応答性がよい)。
【0057】また、各蒸発室11A・11B・11Cに
おける熱媒チューブ12A・12B・12Cは、インジ
ェクタ41A・41B・41Cに近づくにつれて間隔が
疎になるように配されているので、良好に原燃料FLを
蒸発させることができる。同時に、原燃料FLや原燃料
ガスの流路の阻害となるような膜沸騰部分が、インジェ
クタ41A・41B・41Cに近い部分で生じ難く、こ
の点からも良好に原燃料FLを蒸発させることができ
る。
おける熱媒チューブ12A・12B・12Cは、インジ
ェクタ41A・41B・41Cに近づくにつれて間隔が
疎になるように配されているので、良好に原燃料FLを
蒸発させることができる。同時に、原燃料FLや原燃料
ガスの流路の阻害となるような膜沸騰部分が、インジェ
クタ41A・41B・41Cに近い部分で生じ難く、こ
の点からも良好に原燃料FLを蒸発させることができ
る。
【0058】なお、蒸発室11で蒸発した原燃料ガスF
Gは、小孔が多数あいたパンチングプレートなどの通気
手段14を通ってガス温度調整室30に入り、蒸気チュ
ーブ31を通って温度調整され、図1に示す改質器2に
導かれる。このように、ガス温度調整室30を通過させ
ることにより、原燃料ガスFGにおける温度ムラが解消
される。
Gは、小孔が多数あいたパンチングプレートなどの通気
手段14を通ってガス温度調整室30に入り、蒸気チュ
ーブ31を通って温度調整され、図1に示す改質器2に
導かれる。このように、ガス温度調整室30を通過させ
ることにより、原燃料ガスFGにおける温度ムラが解消
される。
【0059】〔燃料蒸発装置の具体的制御〕次に、第1
の実施形態の燃料蒸発装置の具体的制御、殊に蒸発室内
における原燃料を噴射する位置を切り換えることにより
蒸発室出口(燃料蒸発装置出口)における原燃料の温度
を制御する燃料蒸発装置の具体的制御について説明す
る。ちなみに、燃料蒸発装置は、燃料電池システムに組
み込まれて車両(燃料電池電気自動車)に搭載されるも
のとする。図7は、蒸発室内における原燃料噴射位置と
蒸発室出口における原燃料ガス温度の関係を示す図であ
る。図8(a)は、原燃料ガス温度の目標温度範囲と許
容温度範囲を説明する図である。図8(b)は、定常時
における基本噴射パターンを示す。図9は、定常時にお
ける制御を示すフローチャートである。図10は、加速
時における制御を示すフローチャートである。図11
は、燃料電池の運転出力と燃料ガス温度の関係を示す図
である。
の実施形態の燃料蒸発装置の具体的制御、殊に蒸発室内
における原燃料を噴射する位置を切り換えることにより
蒸発室出口(燃料蒸発装置出口)における原燃料の温度
を制御する燃料蒸発装置の具体的制御について説明す
る。ちなみに、燃料蒸発装置は、燃料電池システムに組
み込まれて車両(燃料電池電気自動車)に搭載されるも
のとする。図7は、蒸発室内における原燃料噴射位置と
蒸発室出口における原燃料ガス温度の関係を示す図であ
る。図8(a)は、原燃料ガス温度の目標温度範囲と許
容温度範囲を説明する図である。図8(b)は、定常時
における基本噴射パターンを示す。図9は、定常時にお
ける制御を示すフローチャートである。図10は、加速
時における制御を示すフローチャートである。図11
は、燃料電池の運転出力と燃料ガス温度の関係を示す図
である。
【0060】(1)原燃料噴射位置と原燃料ガス温度の
関係;本発明者らは、どのように蒸発室内に原燃料を噴
射すれば好適な温度範囲の原燃料ガスが得られるかにつ
いての試験を、別に行なった。具体的には、原燃料噴射
手段たるインジェクタを蒸発室出口からの距離を違えて
3つ設けてある蒸発室(本実施形態の第1蒸発室11A
のような蒸発室)を使用し、各インジェクタについて同
じ量の原燃料を噴射したときの蒸発室出口における原燃
料ガスの温度を測定した。そして、蒸発室における原燃
料噴射位置と蒸発室出口における原燃料ガスの温度の関
係を明らかにした。
関係;本発明者らは、どのように蒸発室内に原燃料を噴
射すれば好適な温度範囲の原燃料ガスが得られるかにつ
いての試験を、別に行なった。具体的には、原燃料噴射
手段たるインジェクタを蒸発室出口からの距離を違えて
3つ設けてある蒸発室(本実施形態の第1蒸発室11A
のような蒸発室)を使用し、各インジェクタについて同
じ量の原燃料を噴射したときの蒸発室出口における原燃
料ガスの温度を測定した。そして、蒸発室における原燃
料噴射位置と蒸発室出口における原燃料ガスの温度の関
係を明らかにした。
【0061】試験の結果を図7に示す。この図に示すと
おり、蒸発室出口を基準にして、蒸発室の奥に位置する
インジェクタAから原燃料を噴射したときが、アイドリ
ング時及び低負荷時とも、原燃料ガスの温度が最も高く
なった。また、蒸発室出口に近い手前に位置するインジ
ェクタCから原燃料を噴射したときが、アイドリング時
及び低負荷時とも、原燃料ガスの温度が最も低くなった
(噴射量は同じ)。そして、インジェクタAとインジェ
クタCの中央に位置するインジェクタBから原燃料を噴
射したときは、原燃料ガスの温度はインジェクタAとイ
ンジェクタCの中間であった(噴射量は同じ)。
おり、蒸発室出口を基準にして、蒸発室の奥に位置する
インジェクタAから原燃料を噴射したときが、アイドリ
ング時及び低負荷時とも、原燃料ガスの温度が最も高く
なった。また、蒸発室出口に近い手前に位置するインジ
ェクタCから原燃料を噴射したときが、アイドリング時
及び低負荷時とも、原燃料ガスの温度が最も低くなった
(噴射量は同じ)。そして、インジェクタAとインジェ
クタCの中央に位置するインジェクタBから原燃料を噴
射したときは、原燃料ガスの温度はインジェクタAとイ
ンジェクタCの中間であった(噴射量は同じ)。
【0062】このことから、蒸発室が直列に通気可能に
連結され、それぞれの蒸発室に原燃料噴射手段を備える
構成の燃料蒸発装置の場合(本実施形態の燃料蒸発装置
1などの場合)も、原燃料を噴射するインジェクタの位
置を切り換え、蒸発室の奥から(奥の蒸発室から)原燃
料を噴射することにより、蒸発室出口における原燃料ガ
スの温度を高めることができることがわかる。一方、蒸
発室出口に近い手前側から(手前側の蒸発室から)原燃
料を噴射することにより、蒸発室出口における原燃料ガ
スの温度を低くすることができることがわかる。こうし
た噴射位置の変化による原燃料又は燃焼ガスへの付与熱
量の変化を対応付け、本実施形態では以下に示す温度制
御を実施している。
連結され、それぞれの蒸発室に原燃料噴射手段を備える
構成の燃料蒸発装置の場合(本実施形態の燃料蒸発装置
1などの場合)も、原燃料を噴射するインジェクタの位
置を切り換え、蒸発室の奥から(奥の蒸発室から)原燃
料を噴射することにより、蒸発室出口における原燃料ガ
スの温度を高めることができることがわかる。一方、蒸
発室出口に近い手前側から(手前側の蒸発室から)原燃
料を噴射することにより、蒸発室出口における原燃料ガ
スの温度を低くすることができることがわかる。こうし
た噴射位置の変化による原燃料又は燃焼ガスへの付与熱
量の変化を対応付け、本実施形態では以下に示す温度制
御を実施している。
【0063】(2)原燃料噴射位置による原燃料ガスの
温度制御(定常時);先ず、図8及び図9を参照して、
原燃料噴射位置による蒸発室出口における原燃料ガスの
温度制御を説明する。図8(a)は、燃料電池の運転出
力と原燃料ガスの目標温度範囲を示す。この図で、Tv
maxは許容温度範囲の上限、Tvminは許容温度範囲の下
限である。この許容温度範囲を逸脱することは許容され
ない。また、Tvhighは目標温度範囲の上限、Tvlow
は目標温度範囲の下限である。この目標温度範囲に原燃
料ガスFGの温度を納めることにより、良好な条件で燃
料電池システムFCSを運転することができる。
温度制御(定常時);先ず、図8及び図9を参照して、
原燃料噴射位置による蒸発室出口における原燃料ガスの
温度制御を説明する。図8(a)は、燃料電池の運転出
力と原燃料ガスの目標温度範囲を示す。この図で、Tv
maxは許容温度範囲の上限、Tvminは許容温度範囲の下
限である。この許容温度範囲を逸脱することは許容され
ない。また、Tvhighは目標温度範囲の上限、Tvlow
は目標温度範囲の下限である。この目標温度範囲に原燃
料ガスFGの温度を納めることにより、良好な条件で燃
料電池システムFCSを運転することができる。
【0064】図8(b)は、インジェクタの基本噴射パ
ターンを示すものである。なお、この基本噴射パターン
は、定常時における基本となる原燃料の噴射パターンを
示すものである。すなわち、燃料電池5の運転出力が
最も小さいアイドリング時(idle)には、要求される原
燃料ガスFGは少量なので、原燃料FL及び原燃料ガス
FGに与える熱量は小さくてよい。したがって、第1蒸
発室11Aの蒸発室11の出口に近い側のインジェクタ
41A3から原燃料FLが噴射される。 燃料電池5の運転出力がアイドリング時よりも大きい
状態のときは、やや原燃料ガスFGの量を増やし、熱量
も増加させる必要があるので、第1蒸発室11Aの中央
のインジェクタ41A2からも原燃料FLが噴射される
ようになる。 さらに燃料電池5の運転出力が大きいときは、より原
燃料ガスFGの量を増加させ、かつ与える熱量も大きく
する必要がある。したがって、インジェクタ41A2か
らの原燃料FLの噴射を停止し、その代わりに、最も高
い温度で原燃料ガスFGを発生させることのできる第1
蒸発室11Aの奥のインジェクタ41A 1から原燃料F
Lが噴射されるようになる。この場合、原燃料FLを噴
射するインジェクタ41の数はと同じ2つであるが、
インジェクタ41の開閉時間を制御するパルス制御信号
により、の場合よりもの場合の方が原燃料FLの噴
射量は多くなっている。 燃料電池5の運転出力が最も大きいスロットルの全開
時(WOT)には、第1蒸発室11Aの3つのインジェ
クタ41A1・41A2・41A3の全てから原燃料FL
が噴射される。
ターンを示すものである。なお、この基本噴射パターン
は、定常時における基本となる原燃料の噴射パターンを
示すものである。すなわち、燃料電池5の運転出力が
最も小さいアイドリング時(idle)には、要求される原
燃料ガスFGは少量なので、原燃料FL及び原燃料ガス
FGに与える熱量は小さくてよい。したがって、第1蒸
発室11Aの蒸発室11の出口に近い側のインジェクタ
41A3から原燃料FLが噴射される。 燃料電池5の運転出力がアイドリング時よりも大きい
状態のときは、やや原燃料ガスFGの量を増やし、熱量
も増加させる必要があるので、第1蒸発室11Aの中央
のインジェクタ41A2からも原燃料FLが噴射される
ようになる。 さらに燃料電池5の運転出力が大きいときは、より原
燃料ガスFGの量を増加させ、かつ与える熱量も大きく
する必要がある。したがって、インジェクタ41A2か
らの原燃料FLの噴射を停止し、その代わりに、最も高
い温度で原燃料ガスFGを発生させることのできる第1
蒸発室11Aの奥のインジェクタ41A 1から原燃料F
Lが噴射されるようになる。この場合、原燃料FLを噴
射するインジェクタ41の数はと同じ2つであるが、
インジェクタ41の開閉時間を制御するパルス制御信号
により、の場合よりもの場合の方が原燃料FLの噴
射量は多くなっている。 燃料電池5の運転出力が最も大きいスロットルの全開
時(WOT)には、第1蒸発室11Aの3つのインジェ
クタ41A1・41A2・41A3の全てから原燃料FL
が噴射される。
【0065】このように原燃料FLを蒸発室11に噴射
することにより、アイドリング時から全開時まで(定常
時)、原燃料ガスFGを適切な温度で、かつ適切な量発
生することが可能になる。なお、基本的にインジェクタ
41B及び41Cは、後述するように加速時における原
燃料ガスFGの増加要求に対応するためや、インジェク
タ41A(第1蒸発室11A)での原燃料ガスFGの温
度調整を補うためなどに使用される。
することにより、アイドリング時から全開時まで(定常
時)、原燃料ガスFGを適切な温度で、かつ適切な量発
生することが可能になる。なお、基本的にインジェクタ
41B及び41Cは、後述するように加速時における原
燃料ガスFGの増加要求に対応するためや、インジェク
タ41A(第1蒸発室11A)での原燃料ガスFGの温
度調整を補うためなどに使用される。
【0066】次に、図9のフローチャートを参照して原
燃料噴射位置による原燃料ガスの温度制御(定常時)を
説明する。このフローチャートは、燃料電池システムF
CSが車両に搭載された場合を想定するものである。な
お、これ以降、符号Tv1,Tv2,Tv3,Tv4は原燃
料ガス温度センサではなく、原燃料ガス温度センサが検
知した原燃料ガス温度を意味するものとする。また、符
号Tgin,Tg1,Tg2,Tgoも、燃焼ガス温度セン
サではなく、燃焼ガス温度センサが検知した燃焼ガス温
度を意味するものとする。
燃料噴射位置による原燃料ガスの温度制御(定常時)を
説明する。このフローチャートは、燃料電池システムF
CSが車両に搭載された場合を想定するものである。な
お、これ以降、符号Tv1,Tv2,Tv3,Tv4は原燃
料ガス温度センサではなく、原燃料ガス温度センサが検
知した原燃料ガス温度を意味するものとする。また、符
号Tgin,Tg1,Tg2,Tgoも、燃焼ガス温度セン
サではなく、燃焼ガス温度センサが検知した燃焼ガス温
度を意味するものとする。
【0067】先ず、暖機運転か否かを判断する(S
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S17)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S2)。
スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加速サブ
ルーチンにより加速処理が行われる(S18)。この加
速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)における原燃
料FLの噴射を行うものである。
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S17)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S2)。
スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加速サブ
ルーチンにより加速処理が行われる(S18)。この加
速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)における原燃
料FLの噴射を行うものである。
【0068】ステップS2でスロットル開度の変化(Δ
θth)がないと判断されると、車速やスロットル開度
(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参照)
に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する(S
3)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料FLの
噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決定する
(S4)。続いて、バッテリへの充電や補器類の作動な
どの各種補正項による補正を行い、原燃料FLの噴射時
間Tiを演算により決定する(S5)。そして、ステッ
プS3で選択した基本噴射パターンとステップS5で決
定した噴射時間Tiに基づいてインジェクタ41から原
燃料FLを噴射する(S6)。例えば、スロットル開度
(θth)が多少開かれている場合には、インジェクタ
41A2及び41A3が選択され(S3)、続いて噴射時
間Tiが演算され(S4・S5)、インジェクタ41A
2及び41A3が演算された時間だけ作動制御される(S
6)。
θth)がないと判断されると、車速やスロットル開度
(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参照)
に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する(S
3)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料FLの
噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決定する
(S4)。続いて、バッテリへの充電や補器類の作動な
どの各種補正項による補正を行い、原燃料FLの噴射時
間Tiを演算により決定する(S5)。そして、ステッ
プS3で選択した基本噴射パターンとステップS5で決
定した噴射時間Tiに基づいてインジェクタ41から原
燃料FLを噴射する(S6)。例えば、スロットル開度
(θth)が多少開かれている場合には、インジェクタ
41A2及び41A3が選択され(S3)、続いて噴射時
間Tiが演算され(S4・S5)、インジェクタ41A
2及び41A3が演算された時間だけ作動制御される(S
6)。
【0069】次に、ガス温度調整室30の管出口31ou
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S7)。原燃料ガス温度
Tv4の方が高くなっている場合は、原燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
8)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin・
Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg 1間、
Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する(S
9)。これら温度勾配に基づいて、所定のΔTv−噴射
パターンテーブルを読み込む(S10)。そして、この
ΔTv−噴射パターンテーブルに基づいてインジェクタ
41の噴射位置を切り換える。具体的な例として、41
A1、41A2、41A3のインジェクタで噴射していた
場合に、Tv4>Tvhighになると、インジェクタ41
A1からインジェクタ41Cへと噴射位置を切り換える
ようにΔTv−噴射パターンデーブルが与えられてい
る。この一連の処理により原燃料ガスFGの温度(Tv
4)を低くして、目標温度範囲内にする。
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S7)。原燃料ガス温度
Tv4の方が高くなっている場合は、原燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
8)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin・
Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg 1間、
Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する(S
9)。これら温度勾配に基づいて、所定のΔTv−噴射
パターンテーブルを読み込む(S10)。そして、この
ΔTv−噴射パターンテーブルに基づいてインジェクタ
41の噴射位置を切り換える。具体的な例として、41
A1、41A2、41A3のインジェクタで噴射していた
場合に、Tv4>Tvhighになると、インジェクタ41
A1からインジェクタ41Cへと噴射位置を切り換える
ようにΔTv−噴射パターンデーブルが与えられてい
る。この一連の処理により原燃料ガスFGの温度(Tv
4)を低くして、目標温度範囲内にする。
【0070】一方、ステップS7において、原燃料ガス
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、原燃料ガス温度Tv4と目標温度下限Tvm
inとを比較する(S12)。原燃料ガス温度Tv4が目
標温度下限Tvminよりも高い場合は、適温であるので
最初に戻る。逆に、原燃料ガス温度Tv4が目標温度下
限Tvminよりも低い場合は、原燃料ガス温度Tv4を高
くする処理が行われる。具体的には、各測定ポイント間
の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾配(T
v1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S1
3)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin・
Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg1間、
Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する(S1
4)。これら温度勾配に基づいて、所定のΔTv−噴射
パターンテーブルを読み込む(S15)。そして、この
ΔTv−噴射パターンテーブルに基づいてインジェクタ
41の噴射位置を切り換える。具体的な例として、41
A3のインジェクタで噴射していた場合に、Tv4<Tv
lowになると、インジェクタ41A3からインジェクタ4
1A1へと噴射位置を切り換えるようにΔTv−噴射パ
ターンデーブルが与えられている。この一連の処理によ
り、原燃料ガスFLの温度(Tv4)を高くして目標温
度範囲内にする。
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、原燃料ガス温度Tv4と目標温度下限Tvm
inとを比較する(S12)。原燃料ガス温度Tv4が目
標温度下限Tvminよりも高い場合は、適温であるので
最初に戻る。逆に、原燃料ガス温度Tv4が目標温度下
限Tvminよりも低い場合は、原燃料ガス温度Tv4を高
くする処理が行われる。具体的には、各測定ポイント間
の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾配(T
v1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S1
3)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin・
Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg1間、
Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する(S1
4)。これら温度勾配に基づいて、所定のΔTv−噴射
パターンテーブルを読み込む(S15)。そして、この
ΔTv−噴射パターンテーブルに基づいてインジェクタ
41の噴射位置を切り換える。具体的な例として、41
A3のインジェクタで噴射していた場合に、Tv4<Tv
lowになると、インジェクタ41A3からインジェクタ4
1A1へと噴射位置を切り換えるようにΔTv−噴射パ
ターンデーブルが与えられている。この一連の処理によ
り、原燃料ガスFLの温度(Tv4)を高くして目標温
度範囲内にする。
【0071】このようにすることで、殊に定常時におけ
る原燃料ガスFGの温度を、原燃料ガスFGの発生量
(燃料電池5の運転出力)にかかわりなく、適切な温度
範囲とすることができる。
る原燃料ガスFGの温度を、原燃料ガスFGの発生量
(燃料電池5の運転出力)にかかわりなく、適切な温度
範囲とすることができる。
【0072】(3)加速時における原燃料ガスの発生量
の確保;図10のフローチャートを参照して、加速時に
おける原燃料ガスの発生量を確保する制御(過渡時)を
説明する。このフローチャートも、燃料電池システムF
CSが車両に搭載された場合を想定するものである。先
ず、スロットル開度の変化(Δθth)があるか否かを
判断する(S21)。スロットル開度の変化(Δθt
h)がない場合は、定常運転ルーチンによる処理を行う
(S38、図9参照)。スロットル開度の変化(Δθt
h)がある場合は、スロットル開度の変化(Δθth)
の量が予め定められているものよりも大きいか否かを判
断する(S22)。スロットル開度の変化(Δθth)
の量が予め定められているものよりも大きいとき(Δθ
th>k)、つまり、車両が中間加速あるは全開加速に
あるときは、各インジェクタ41が停止しているか否か
を判断する(S23)。
の確保;図10のフローチャートを参照して、加速時に
おける原燃料ガスの発生量を確保する制御(過渡時)を
説明する。このフローチャートも、燃料電池システムF
CSが車両に搭載された場合を想定するものである。先
ず、スロットル開度の変化(Δθth)があるか否かを
判断する(S21)。スロットル開度の変化(Δθt
h)がない場合は、定常運転ルーチンによる処理を行う
(S38、図9参照)。スロットル開度の変化(Δθt
h)がある場合は、スロットル開度の変化(Δθth)
の量が予め定められているものよりも大きいか否かを判
断する(S22)。スロットル開度の変化(Δθth)
の量が予め定められているものよりも大きいとき(Δθ
th>k)、つまり、車両が中間加速あるは全開加速に
あるときは、各インジェクタ41が停止しているか否か
を判断する(S23)。
【0073】作動しているインジェクタ41について
は、各種補正項から原燃料FLの噴射時間Tiを演算し
(S24)、インジェクタ増量マップ2を読み込んで噴
射量(噴射時間)を求め(S25)、インジェクタ41
からの噴射量を増加する。一方、停止しているインジェ
クタ41については、各種補正項から原燃料FLの噴射
時間Tiを演算し(S27)、インジェクタ増量マップ
3を読み込んで噴射量(噴射時間)を求め(S28)、
作動していないインジェクタ41を作動させ原燃料FL
を噴射する。これにより、中間加速や全開加速などの過
渡状態における原燃料ガスFGの増加要求に対応する。
は、各種補正項から原燃料FLの噴射時間Tiを演算し
(S24)、インジェクタ増量マップ2を読み込んで噴
射量(噴射時間)を求め(S25)、インジェクタ41
からの噴射量を増加する。一方、停止しているインジェ
クタ41については、各種補正項から原燃料FLの噴射
時間Tiを演算し(S27)、インジェクタ増量マップ
3を読み込んで噴射量(噴射時間)を求め(S28)、
作動していないインジェクタ41を作動させ原燃料FL
を噴射する。これにより、中間加速や全開加速などの過
渡状態における原燃料ガスFGの増加要求に対応する。
【0074】次に、ガス温度調整室30の胴出口32ou
tにおける燃焼ガス温度Tgoが所定温度(Tglow)よ
りも低いか否かを判断する(S30)。燃焼ガス温度T
goの方が低い場合は、第2蒸発室11B及び第3蒸発
室11Cにおける原燃料FLの蒸発能力が低くなってい
ることが想定される。従って、燃焼ガス温度Tgoが所
定温度(Tglow)よりも低い場合は、第2蒸発室11
Bのインジェクタ41B及び/又は第3蒸発室11Cの
インジェクタ41Cを停止する(S31)。そして、第
1蒸発室11Aの3つのインジェクタ41A1・41A2
・41A3からの噴射量を増量する。これにより、燃焼
ガスHGの温度が低下しても、原燃料ガスFGの発生量
の確保(並びに原燃料ガスの温度維持)を図ることがで
きる。一方、燃焼ガス温度Tgoが所定温度(Tglo
w)よりも高い場合は、ステップS27に戻る。
tにおける燃焼ガス温度Tgoが所定温度(Tglow)よ
りも低いか否かを判断する(S30)。燃焼ガス温度T
goの方が低い場合は、第2蒸発室11B及び第3蒸発
室11Cにおける原燃料FLの蒸発能力が低くなってい
ることが想定される。従って、燃焼ガス温度Tgoが所
定温度(Tglow)よりも低い場合は、第2蒸発室11
Bのインジェクタ41B及び/又は第3蒸発室11Cの
インジェクタ41Cを停止する(S31)。そして、第
1蒸発室11Aの3つのインジェクタ41A1・41A2
・41A3からの噴射量を増量する。これにより、燃焼
ガスHGの温度が低下しても、原燃料ガスFGの発生量
の確保(並びに原燃料ガスの温度維持)を図ることがで
きる。一方、燃焼ガス温度Tgoが所定温度(Tglo
w)よりも高い場合は、ステップS27に戻る。
【0075】ところで、ステップS22において、スロ
ットル開度の変化(Δθth)の量が予め定められてい
るものよりも大きくない場合(Δθth<=k)、つま
り車両の加速要求が弱いときは、インジェクタ41が作
動(噴射)しているか否かを判断し(S33)、噴射し
ていないインジェクタ41は停止のままとし、噴射して
いるインジェクタ41にて増加要求に対応する。すなわ
ち、噴射していないインジェクタ41については停止し
たままとする(S37)。作動しているインジェクタ4
1については、各種補正項により噴射時間Tiを演算し
(S34)、演算値とインジェクタ増量マップ1に基づ
いて原燃料FLの噴射を行い(S35)、わずかな加速
に対する原燃料ガスFGの増加要求に対処する。
ットル開度の変化(Δθth)の量が予め定められてい
るものよりも大きくない場合(Δθth<=k)、つま
り車両の加速要求が弱いときは、インジェクタ41が作
動(噴射)しているか否かを判断し(S33)、噴射し
ていないインジェクタ41は停止のままとし、噴射して
いるインジェクタ41にて増加要求に対応する。すなわ
ち、噴射していないインジェクタ41については停止し
たままとする(S37)。作動しているインジェクタ4
1については、各種補正項により噴射時間Tiを演算し
(S34)、演算値とインジェクタ増量マップ1に基づ
いて原燃料FLの噴射を行い(S35)、わずかな加速
に対する原燃料ガスFGの増加要求に対処する。
【0076】このように、停止中のインジェクタ41の
作動開始、及び作動中のインジェクタ41の噴射量の増
量により、車両が加速する際の原燃料ガスFGの増加要
求に対処することができる。つまり、加速時には、原燃
料の噴射量に見合った熱量が直ちに蒸発室に供給される
のではなく、通常、熱量の供給に時間的な遅れができ、
結果として原燃料ガスの増量要求に的確に応答すること
ができない状況が生じる。しかし、本実施形態のよう
に、原燃料FLの蒸発のために直接寄与していない部分
(いわば空焚き状態の蒸発室11〔熱媒チューブ12A
1などや熱媒チューブ12Bなど〕)に原燃料FLを噴
射することにより、当該熱媒チューブ12A1などが保
有する熱量(熱マス)をもって、極めて応答性よく原燃
料ガスFGの増量要求に応答することができる。
作動開始、及び作動中のインジェクタ41の噴射量の増
量により、車両が加速する際の原燃料ガスFGの増加要
求に対処することができる。つまり、加速時には、原燃
料の噴射量に見合った熱量が直ちに蒸発室に供給される
のではなく、通常、熱量の供給に時間的な遅れができ、
結果として原燃料ガスの増量要求に的確に応答すること
ができない状況が生じる。しかし、本実施形態のよう
に、原燃料FLの蒸発のために直接寄与していない部分
(いわば空焚き状態の蒸発室11〔熱媒チューブ12A
1などや熱媒チューブ12Bなど〕)に原燃料FLを噴
射することにより、当該熱媒チューブ12A1などが保
有する熱量(熱マス)をもって、極めて応答性よく原燃
料ガスFGの増量要求に応答することができる。
【0077】このように蒸発室を3つ連結すること、及
び蒸発室の熱容量の大きさを異ならせることなどによ
り、各蒸発室及びインジェクタにおいて蒸発能力を異な
らせることができ、もって原燃料ガスの温度制御、並び
に原燃料ガスの発生量の制御を容易かつ精度よく行うこ
とができる。従って、応答性に優れ、負荷変動が極端に
大きい条件で使用される燃料電池システムの原燃料を蒸
発させる燃料蒸発装置として好適に使用することができ
る。ちなみに図11は、燃料蒸発装置により原燃料を蒸
発した際の発生する原燃料ガス温度と燃料電池の運転出
力の関係を示したものである。従来の燃料蒸発装置は、
燃料電池の運転出力が大きい高負荷時に原燃料ガスの温
度(装置出口での温度)が、好適な温度範囲となるよう
に設計される。従って、燃料電池の運転出力が小さい低
負荷時から運転出力が中位の中負荷時では、原燃料ガス
の温度(装置出口での温度)が好適な温度範囲よりも高
くなるという問題があった。しかし、第1の実施形態の
燃料蒸発装置によれば、原燃料を噴射するインジェクタ
を任意に選択することにより、原燃料ガス温度(ガス温
度調整室の出口)を、燃料電池の運転出力が小さい低負
荷時から運転出力が大きい高負荷時まで好適な温度範囲
に収めることができるとう顕著な効果を有する。
び蒸発室の熱容量の大きさを異ならせることなどによ
り、各蒸発室及びインジェクタにおいて蒸発能力を異な
らせることができ、もって原燃料ガスの温度制御、並び
に原燃料ガスの発生量の制御を容易かつ精度よく行うこ
とができる。従って、応答性に優れ、負荷変動が極端に
大きい条件で使用される燃料電池システムの原燃料を蒸
発させる燃料蒸発装置として好適に使用することができ
る。ちなみに図11は、燃料蒸発装置により原燃料を蒸
発した際の発生する原燃料ガス温度と燃料電池の運転出
力の関係を示したものである。従来の燃料蒸発装置は、
燃料電池の運転出力が大きい高負荷時に原燃料ガスの温
度(装置出口での温度)が、好適な温度範囲となるよう
に設計される。従って、燃料電池の運転出力が小さい低
負荷時から運転出力が中位の中負荷時では、原燃料ガス
の温度(装置出口での温度)が好適な温度範囲よりも高
くなるという問題があった。しかし、第1の実施形態の
燃料蒸発装置によれば、原燃料を噴射するインジェクタ
を任意に選択することにより、原燃料ガス温度(ガス温
度調整室の出口)を、燃料電池の運転出力が小さい低負
荷時から運転出力が大きい高負荷時まで好適な温度範囲
に収めることができるとう顕著な効果を有する。
【0078】≪第2の実施形態≫次に、本発明に係る第
2の実施形態の燃料蒸発装置の説明を行う。第2の実施
形態の燃料蒸発装置は、原燃料ガスの温度を調整するガ
ス温度調整室に導入される燃焼ガスにこの燃焼ガスより
も温度の低い低温熱媒体としての空気(希釈エア)を混
合して、ガス温度調整室において積極的な原燃料ガスの
温度調整を可能とするものである。なお、第1の実施形
態と同一の部材・要素などについては、第1の実施形態
で使用した図面を参酌すると共に同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。図12は、第2の実施形態の燃料蒸
発装置の一部破断平面図である。図13は、第2の実施
形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図である。
2の実施形態の燃料蒸発装置の説明を行う。第2の実施
形態の燃料蒸発装置は、原燃料ガスの温度を調整するガ
ス温度調整室に導入される燃焼ガスにこの燃焼ガスより
も温度の低い低温熱媒体としての空気(希釈エア)を混
合して、ガス温度調整室において積極的な原燃料ガスの
温度調整を可能とするものである。なお、第1の実施形
態と同一の部材・要素などについては、第1の実施形態
で使用した図面を参酌すると共に同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。図12は、第2の実施形態の燃料蒸
発装置の一部破断平面図である。図13は、第2の実施
形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図である。
【0079】〔燃料電池システム〕第2の実施形態の燃
料電池システムは、第1の実施形態における燃料電池シ
ステムと同じであるので、その説明を省略する。
料電池システムは、第1の実施形態における燃料電池シ
ステムと同じであるので、その説明を省略する。
【0080】〔燃料蒸発装置〕第2の実施形態の燃料蒸
発装置は、第1の実施形態の燃料蒸発装置の構成をすべ
て備える。そして、第2の実施形態の燃料蒸発装置は、
ガス温度調整室に導入される燃焼ガス(高温熱媒体)に
希釈エア(低温熱媒体)を混合する希釈エア供給部(低
温熱媒体供給部)、希釈エア供給流路(低温熱媒体供給
流路)、希釈エア供給弁(低温熱媒体供給弁)と、この
希釈エア供給弁の開度を制御する希釈エア供給弁制御部
(低温熱媒体供給弁制御部)を有する。
発装置は、第1の実施形態の燃料蒸発装置の構成をすべ
て備える。そして、第2の実施形態の燃料蒸発装置は、
ガス温度調整室に導入される燃焼ガス(高温熱媒体)に
希釈エア(低温熱媒体)を混合する希釈エア供給部(低
温熱媒体供給部)、希釈エア供給流路(低温熱媒体供給
流路)、希釈エア供給弁(低温熱媒体供給弁)と、この
希釈エア供給弁の開度を制御する希釈エア供給弁制御部
(低温熱媒体供給弁制御部)を有する。
【0081】希釈エア供給部は、図1に示す空気圧縮機
4が兼ねる。つまり、希釈エアは、空気圧縮機4から供
給される空気である。希釈エア供給流路51は、空気圧
縮機4と燃料蒸発装置1のガス温度調整室30の胴入口
32inとを結ぶ配管である。ちなみに、希釈エアの温度
は10〜70℃程度である。
4が兼ねる。つまり、希釈エアは、空気圧縮機4から供
給される空気である。希釈エア供給流路51は、空気圧
縮機4と燃料蒸発装置1のガス温度調整室30の胴入口
32inとを結ぶ配管である。ちなみに、希釈エアの温度
は10〜70℃程度である。
【0082】第2の実施形態における希釈エア供給弁A
CVは、ステッピングモータにより作動するバタフライ
弁である。希釈エア供給弁制御部は原燃料噴射制御部F
ICが兼ね、希釈エア供給弁ACVの状態を制御する。
なお、図12において、符号52は逆止弁である。ま
た、符号Tairは、希釈エアの温度を検知する温度セン
サである。この構成により、ガス温度調整室30に供給
される燃焼ガスHGの温度を変化させ、もって原燃料ガ
スFGの温度調整を行う。
CVは、ステッピングモータにより作動するバタフライ
弁である。希釈エア供給弁制御部は原燃料噴射制御部F
ICが兼ね、希釈エア供給弁ACVの状態を制御する。
なお、図12において、符号52は逆止弁である。ま
た、符号Tairは、希釈エアの温度を検知する温度セン
サである。この構成により、ガス温度調整室30に供給
される燃焼ガスHGの温度を変化させ、もって原燃料ガ
スFGの温度調整を行う。
【0083】〔燃料蒸発装置の一般的動作〕第2の実施
形態における燃料蒸発装置1は、燃焼ガスHGの温度を
変化させるための希釈エアを供給すること以外の一般的
な動作・作用は、第1の実施形態の燃料蒸発装置1の動
作・作用と同じであるので説明を省略する。
形態における燃料蒸発装置1は、燃焼ガスHGの温度を
変化させるための希釈エアを供給すること以外の一般的
な動作・作用は、第1の実施形態の燃料蒸発装置1の動
作・作用と同じであるので説明を省略する。
【0084】〔燃料蒸発装置の具体的制御〕第2の実施
形態の燃料蒸発装置1の具体的制御のうち、本実施形態
に特有の、燃焼ガスHGに希釈エアを混合することによ
る原燃料ガスFGの温度調整を行う制御(定常時)を説
明する。なお、以下の説明で符号Tairは、希釈エアの
温度を検知する温度センサではなく、この温度センサが
検知した希釈エア温度を意味するものとする。図14
は、燃焼ガスに希釈エアを混合することにより燃料ガス
の温度を調整行う制御のフローチャートである。このフ
ローチャートは、燃料電池システムFCSが車両に搭載
された場合を想定するものである。
形態の燃料蒸発装置1の具体的制御のうち、本実施形態
に特有の、燃焼ガスHGに希釈エアを混合することによ
る原燃料ガスFGの温度調整を行う制御(定常時)を説
明する。なお、以下の説明で符号Tairは、希釈エアの
温度を検知する温度センサではなく、この温度センサが
検知した希釈エア温度を意味するものとする。図14
は、燃焼ガスに希釈エアを混合することにより燃料ガス
の温度を調整行う制御のフローチャートである。このフ
ローチャートは、燃料電池システムFCSが車両に搭載
された場合を想定するものである。
【0085】先ず、暖機運転か否かを判断する(S5
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S64)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S5
2)。スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加
速サブルーチンにより加速処理が行われる(S65)。
この加速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)におけ
る原燃料FLの噴射を行うものである。
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S64)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S5
2)。スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加
速サブルーチンにより加速処理が行われる(S65)。
この加速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)におけ
る原燃料FLの噴射を行うものである。
【0086】ステップS52でスロットル開度の変化
(Δθth)がないと判断されると、車速やスロットル
開度(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参
照)に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する
(S53)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料
FLの噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決
定する(S54)。続いて、バッテリへの充電や補器類
の作動などの各種補正項による補正を行い、原燃料FL
の噴射時間Tiを演算により決定する(S55)。そし
て、ステップS53で選択した基本噴射パターンとステ
ップS55で決定した噴射時間Tiに基づいてインジェ
クタ41から原燃料FLを噴射する(S56)。例え
ば、スロットル開度(θth)が多少開かれている場合
には、インジェクタ41A2及び41A3が選択され(S
53)、続いて噴射時間Tiが演算され(S54・S5
5)、インジェクタ41A2及び41A3が演算された時
間だけ作動制御される(S56)。
(Δθth)がないと判断されると、車速やスロットル
開度(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参
照)に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する
(S53)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料
FLの噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決
定する(S54)。続いて、バッテリへの充電や補器類
の作動などの各種補正項による補正を行い、原燃料FL
の噴射時間Tiを演算により決定する(S55)。そし
て、ステップS53で選択した基本噴射パターンとステ
ップS55で決定した噴射時間Tiに基づいてインジェ
クタ41から原燃料FLを噴射する(S56)。例え
ば、スロットル開度(θth)が多少開かれている場合
には、インジェクタ41A2及び41A3が選択され(S
53)、続いて噴射時間Tiが演算され(S54・S5
5)、インジェクタ41A2及び41A3が演算された時
間だけ作動制御される(S56)。
【0087】次に、ガス温度調整室30の管出口31ou
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S57)。原燃料ガス温
度Tv4の方が高くなっている場合は、燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
58)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin
・Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg
1間、Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する
(S59)。さらに、希釈エア圧力Pair及び希釈エア
温度Tairを検知すると共に、補正項の演算を行う(S
60)。上記演算に基づいて、希釈エア供給弁ACVの
STEP−Qマップを読み込み及び演算を行い、希釈エ
ア供給弁ACVの開度(STEP)を決定する(S6
1)。そして、決定した開度に基づいて、希釈エア供給
弁ACVをONする(S62)。この一連の処理によ
り、適切な量の希釈エアがガス温度調整室30の胴32
の側に導入(燃焼ガスHGに希釈エアが混合)され、管
32の側を通流する原燃料ガスFGの温度(Tv4)を
低くして目標温度範囲内にする。
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S57)。原燃料ガス温
度Tv4の方が高くなっている場合は、燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
58)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin
・Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg
1間、Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する
(S59)。さらに、希釈エア圧力Pair及び希釈エア
温度Tairを検知すると共に、補正項の演算を行う(S
60)。上記演算に基づいて、希釈エア供給弁ACVの
STEP−Qマップを読み込み及び演算を行い、希釈エ
ア供給弁ACVの開度(STEP)を決定する(S6
1)。そして、決定した開度に基づいて、希釈エア供給
弁ACVをONする(S62)。この一連の処理によ
り、適切な量の希釈エアがガス温度調整室30の胴32
の側に導入(燃焼ガスHGに希釈エアが混合)され、管
32の側を通流する原燃料ガスFGの温度(Tv4)を
低くして目標温度範囲内にする。
【0088】一方、ステップ57において、原燃料ガス
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、希釈エア供給弁ACVをOFFにして全閉
する(S63)。この処理により、熱の損失が押さえら
れる。
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、希釈エア供給弁ACVをOFFにして全閉
する(S63)。この処理により、熱の損失が押さえら
れる。
【0089】このように希釈エアを燃焼ガスに混合して
ガス温度調整室に供給することで、原燃料ガスの温度
を、第1の実施形態よりもさらに好適に制御することが
できる。
ガス温度調整室に供給することで、原燃料ガスの温度
を、第1の実施形態よりもさらに好適に制御することが
できる。
【0090】≪第3の実施形態≫次に、本発明に係る第
3の実施形態の燃料蒸発装置の説明を行う。なお、第1
の実施形態と同一の部材・要素などについては、第1の
実施形態で使用した図面を参酌すると共に同一の符号を
付し、その説明を省略する。図15は、第3の実施形態
の燃料蒸発装置の一部破断平面図である。図16は、第
3の実施形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図であ
る。
3の実施形態の燃料蒸発装置の説明を行う。なお、第1
の実施形態と同一の部材・要素などについては、第1の
実施形態で使用した図面を参酌すると共に同一の符号を
付し、その説明を省略する。図15は、第3の実施形態
の燃料蒸発装置の一部破断平面図である。図16は、第
3の実施形態の燃料蒸発装置の制御系のブロック図であ
る。
【0091】〔燃料電池システム〕第3の実施形態の燃
料電池システムは、第1の実施形態及び第2の実施形態
における燃料電池システムと同じであるので、その説明
を省略する。
料電池システムは、第1の実施形態及び第2の実施形態
における燃料電池システムと同じであるので、その説明
を省略する。
【0092】〔燃料蒸発装置〕第3の実施形態の燃料蒸
発装置は、第1の実施形態の燃料蒸発装置の構成をすべ
て備える。そして、第3の実施形態の燃料蒸発装置は、
ガス温度調整室に導入される燃焼ガス(高温熱媒体)を
抜き出してガス温度調整室をバイパスさせるバイパス流
路及びバイパス弁と、このバイパス弁の開度を制御する
バイパス弁制御部を有する。
発装置は、第1の実施形態の燃料蒸発装置の構成をすべ
て備える。そして、第3の実施形態の燃料蒸発装置は、
ガス温度調整室に導入される燃焼ガス(高温熱媒体)を
抜き出してガス温度調整室をバイパスさせるバイパス流
路及びバイパス弁と、このバイパス弁の開度を制御する
バイパス弁制御部を有する。
【0093】バイパス流路61は、ガス温度調整室30
における胴入口32inの部分から分岐して、胴31を迂
回し、胴出口32outに合流する燃焼ガスHGのバイパ
ス流路である。第3の実施形態におけるバイパス弁BV
は、ステッピングモータにより作動するバタフライ弁で
ある。バイパス弁制御部は原燃料噴射制御部FICが兼
ね、バイパス弁BVの状態を制御する。この構成によ
り、ガス温度調整室30に供給される燃焼ガスHGの量
を変化させ、もって原燃料ガスFGの温度調整を行う。
における胴入口32inの部分から分岐して、胴31を迂
回し、胴出口32outに合流する燃焼ガスHGのバイパ
ス流路である。第3の実施形態におけるバイパス弁BV
は、ステッピングモータにより作動するバタフライ弁で
ある。バイパス弁制御部は原燃料噴射制御部FICが兼
ね、バイパス弁BVの状態を制御する。この構成によ
り、ガス温度調整室30に供給される燃焼ガスHGの量
を変化させ、もって原燃料ガスFGの温度調整を行う。
【0094】〔燃料蒸発装置の一般的動作〕第3の実施
形態における燃料蒸発装置1は、燃焼ガスHGの量を変
化させるために燃焼ガスHGの流れを抜き出してバイパ
スすること以外の一般的な動作・作用は、第1の実施形
態の燃料蒸発装置1の動作・作用と同じであるので説明
を省略する。
形態における燃料蒸発装置1は、燃焼ガスHGの量を変
化させるために燃焼ガスHGの流れを抜き出してバイパ
スすること以外の一般的な動作・作用は、第1の実施形
態の燃料蒸発装置1の動作・作用と同じであるので説明
を省略する。
【0095】〔燃料蒸発装置の具体的制御〕第3の実施
形態の燃料蒸発装置の具体的制御のうち、本実施形態に
特有の、燃焼ガスHGをバイパスすることによる燃料ガ
スの温度調整を行う制御(定常時)を説明する。図17
は、燃焼ガスをバイパスさせることにより原燃料ガスの
温度調整を行う制御のフローチャートである。このフロ
ーチャートは、燃料電池システムFCSが車両に搭載さ
れた場合を想定するものである。
形態の燃料蒸発装置の具体的制御のうち、本実施形態に
特有の、燃焼ガスHGをバイパスすることによる燃料ガ
スの温度調整を行う制御(定常時)を説明する。図17
は、燃焼ガスをバイパスさせることにより原燃料ガスの
温度調整を行う制御のフローチャートである。このフロ
ーチャートは、燃料電池システムFCSが車両に搭載さ
れた場合を想定するものである。
【0096】先ず、暖機運転か否かを判断する(S7
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S84)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S7
2)。スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加
速サブルーチンにより加速処理が行われる(S85)。
この加速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)におけ
る原燃料FLの噴射を行うものである。
1)。暖機運転であれば、暖機運転サブルーチンにより
暖機運転処理を行う(S84)。次に、スロットル開度
の変化(Δθth)があるか否かを判断する(S7
2)。スロットル開度の変化(Δθth)があれば、加
速サブルーチンにより加速処理が行われる(S85)。
この加速サブルーチンは、加速時(過渡状態時)におけ
る原燃料FLの噴射を行うものである。
【0097】ステップS72でスロットル開度の変化
(Δθth)がないと判断されると、車速やスロットル
開度(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参
照)に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する
(S73)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料
FLの噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決
定する(S74)。続いて、バッテリへの充電や補器類
の作動などの各種補正項による補正を行い、原燃料FL
の噴射時間Tiを演算により決定する(S75)。そし
て、ステップS73で選択した基本噴射パターンとステ
ップS75で決定した噴射時間Tiに基づいてインジェ
クタ41から原燃料FLを噴射する(S76)。例え
ば、スロットル開度(θth)が多少開かれている場合
には、インジェクタ41A2及び41A3が選択され(S
73)、続いて噴射時間Tiが演算され(S74・S7
5)、インジェクタ41A2及び41A3が演算された時
間だけ作動制御される(S76)。
(Δθth)がないと判断されると、車速やスロットル
開度(θth)などから基本噴射パターン(図8(b)参
照)に基づいて、噴射するインジェクタ41を選択する
(S73)。次に、Ti−Qマップを読み込み、原燃料
FLの噴射時間Ti(原燃料FLの噴射量Q)を仮に決
定する(S74)。続いて、バッテリへの充電や補器類
の作動などの各種補正項による補正を行い、原燃料FL
の噴射時間Tiを演算により決定する(S75)。そし
て、ステップS73で選択した基本噴射パターンとステ
ップS75で決定した噴射時間Tiに基づいてインジェ
クタ41から原燃料FLを噴射する(S76)。例え
ば、スロットル開度(θth)が多少開かれている場合
には、インジェクタ41A2及び41A3が選択され(S
73)、続いて噴射時間Tiが演算され(S74・S7
5)、インジェクタ41A2及び41A3が演算された時
間だけ作動制御される(S76)。
【0098】次に、ガス温度調整室30の管出口31ou
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S77)。原燃料ガス温
度Tv4の方が高くなっている場合は、燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
78)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin
・Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg
1間、Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する
(S79)。さらに、燃焼ガス温度Tgoを検知すると
共に、補正項の演算を行う(S80)。この演算に基づ
いて、バイパス弁BVのSTEP−Qマップを読み込み
及び演算を行い、バイパス弁BVの開度(STEP)を
決定する(S81)。そして、決定した開度に基づい
て、バイパス弁BVをONする(S82)。この一連の
処理により、ガス温度調整室30において、胴32の側
を通流する燃焼ガスHGの流量を押さえることで、原燃
料ガスFGに与える熱量を小さくし、原燃料ガスFGの
温度(Tv4)を低くして(Tv4とTv3の温度差を小
さくして)目標温度範囲内にする。
tにおける原燃料ガス温度Tv4と、図8(a)に示す目標
温度上限Tvhighを比較する(S77)。原燃料ガス温
度Tv4の方が高くなっている場合は、燃料ガスFGの
温度を下げる処理が行われる。具体的には、各測定ポイ
ント間の原燃料ガス温度Tv1・Tv2・Tv3の温度勾
配(Tv1・Tv2間、Tv2・Tv3間)を演算する(S
78)。また、各測定ポイント間の燃焼ガス温度Tgin
・Tg1・Tg2・Tgoの温度勾配(Tgin・Tg
1間、Tg1・Tg2間、Tg2・Tgo間)を演算する
(S79)。さらに、燃焼ガス温度Tgoを検知すると
共に、補正項の演算を行う(S80)。この演算に基づ
いて、バイパス弁BVのSTEP−Qマップを読み込み
及び演算を行い、バイパス弁BVの開度(STEP)を
決定する(S81)。そして、決定した開度に基づい
て、バイパス弁BVをONする(S82)。この一連の
処理により、ガス温度調整室30において、胴32の側
を通流する燃焼ガスHGの流量を押さえることで、原燃
料ガスFGに与える熱量を小さくし、原燃料ガスFGの
温度(Tv4)を低くして(Tv4とTv3の温度差を小
さくして)目標温度範囲内にする。
【0099】一方、ステップ77において、原燃料ガス
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、バイパス弁BVをOFFにして全閉する
(S83)。この処理により、熱の損失が押さえられ
る。
温度Tv4が目標温度上限Tvhighよりも低いと判断さ
れた場合は、バイパス弁BVをOFFにして全閉する
(S83)。この処理により、熱の損失が押さえられ
る。
【0100】このように熱源たる燃焼ガスを抜き出して
ガス温度調整室をバイパスさせることで、原燃料ガスの
温度を、第1の実施形態よりもさらに好適に制御するこ
とができる。
ガス温度調整室をバイパスさせることで、原燃料ガスの
温度を、第1の実施形態よりもさらに好適に制御するこ
とができる。
【0101】以上説明した本発明は、上記発明の実施の
形態に限定されることなく、広く変形実施することがで
きる。例えば、上記実施の形態では、蒸発室を3室直列
に連結したが2室でも、3室以上でもよい。また、高温
熱媒体通路たる燃焼ガス通路を蒸発室上面に配設しても
よい。このようにすることで、蒸発室上面からの熱逃げ
を防止することができる。触媒燃焼器は、燃焼バーナや
電熱ヒータなどに置きかえることもできる。また、高温
熱媒体は、燃焼ガスを空気や液体などと熱交換したも
の、電熱ヒータにより加熱された空気や液体などでもよ
い。
形態に限定されることなく、広く変形実施することがで
きる。例えば、上記実施の形態では、蒸発室を3室直列
に連結したが2室でも、3室以上でもよい。また、高温
熱媒体通路たる燃焼ガス通路を蒸発室上面に配設しても
よい。このようにすることで、蒸発室上面からの熱逃げ
を防止することができる。触媒燃焼器は、燃焼バーナや
電熱ヒータなどに置きかえることもできる。また、高温
熱媒体は、燃焼ガスを空気や液体などと熱交換したも
の、電熱ヒータにより加熱された空気や液体などでもよ
い。
【0102】また、例えば、燃焼ガスの熱量が過剰とな
るような場合は、触媒燃焼器の出口で燃焼ガスをバイパ
スして一部を排気することとしてもよい。燃焼ガスの熱
量が不足するような場合は、メタノールなどの補助燃料
を電気ヒータなどで加熱して蒸発させ、これを触媒燃焼
器で燃焼させることで燃焼ガスの熱量を増すこととして
もよい。また、燃料電池は、固体高分子型に限らず、燐
酸型の燃料電池(PAFC)などであってもよい。ま
た、蒸発室の形状にかかわらず本発明を実施することが
できる。さらに、第2の実施形態と第3の実施形態を組
み合わせて実施することができる。
るような場合は、触媒燃焼器の出口で燃焼ガスをバイパ
スして一部を排気することとしてもよい。燃焼ガスの熱
量が不足するような場合は、メタノールなどの補助燃料
を電気ヒータなどで加熱して蒸発させ、これを触媒燃焼
器で燃焼させることで燃焼ガスの熱量を増すこととして
もよい。また、燃料電池は、固体高分子型に限らず、燐
酸型の燃料電池(PAFC)などであってもよい。ま
た、蒸発室の形状にかかわらず本発明を実施することが
できる。さらに、第2の実施形態と第3の実施形態を組
み合わせて実施することができる。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば(請求項1)、蒸発室を
連結しつつ、各インジェクタから原燃料を噴き分けるこ
とにより、任意に蒸発能力を変化させることができ、も
って原燃料ガスの温度制御、並びに原燃料ガスの発生量
の制御を容易かつ精度よく行うことができる。また、ガ
ス温度調整室により、蒸発室で蒸発して生成した原燃料
ガスの温度ムラを解消することができる。また、本発明
によれば(請求項2)、蒸発室内の温度などに基づい
て、どの/いくつの蒸発室(及び蒸発室のどの部分)に
どの程度原燃料を噴射するかを定め、原燃料噴射手段を
作動することが可能になる。よって、より一層負荷変動
に対して応答性を高めると共に、より好適な温度の原燃
料ガスを得ることができる。さらに、本発明によれば
(請求項3)、低温熱媒体を供給することにより、ガス
温度調整室の熱源として使用される高温熱媒体の温度を
調整することができ、より適した温度の原燃料ガスを後
段の機器に供給することができる。加えて、本発明によ
れば(請求項4)、高温熱媒体をバイパスすることで、
ガス温度調整室の熱源として使用される高温熱媒体の量
を調整することができ、より適した温度の原燃料ガスを
後段の機器に供給することができる。
連結しつつ、各インジェクタから原燃料を噴き分けるこ
とにより、任意に蒸発能力を変化させることができ、も
って原燃料ガスの温度制御、並びに原燃料ガスの発生量
の制御を容易かつ精度よく行うことができる。また、ガ
ス温度調整室により、蒸発室で蒸発して生成した原燃料
ガスの温度ムラを解消することができる。また、本発明
によれば(請求項2)、蒸発室内の温度などに基づい
て、どの/いくつの蒸発室(及び蒸発室のどの部分)に
どの程度原燃料を噴射するかを定め、原燃料噴射手段を
作動することが可能になる。よって、より一層負荷変動
に対して応答性を高めると共に、より好適な温度の原燃
料ガスを得ることができる。さらに、本発明によれば
(請求項3)、低温熱媒体を供給することにより、ガス
温度調整室の熱源として使用される高温熱媒体の温度を
調整することができ、より適した温度の原燃料ガスを後
段の機器に供給することができる。加えて、本発明によ
れば(請求項4)、高温熱媒体をバイパスすることで、
ガス温度調整室の熱源として使用される高温熱媒体の量
を調整することができ、より適した温度の原燃料ガスを
後段の機器に供給することができる。
【図1】 本発明に係る実施の形態の燃料蒸発装置が
使用される燃料電池システムの構成図である。
使用される燃料電池システムの構成図である。
【図2】 第1の実施形態の燃料蒸発装置の一部破断
平面図である。
平面図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】 図2のB−B線断面図である。
【図5】 図2のC−C線断面図である。
【図6】 第1の実施形態の燃料蒸発装置の制御系の
ブロック図である。
ブロック図である。
【図7】 蒸発室内における原燃料噴射位置と蒸発室
出口における原燃料ガス温度の関係を示す図である。
出口における原燃料ガス温度の関係を示す図である。
【図8】 (a)は原燃料ガス温度の目標温度範囲と
許容温度範囲を説明する図であり、(b)は定常時にお
ける基本噴射パターンを示す。
許容温度範囲を説明する図であり、(b)は定常時にお
ける基本噴射パターンを示す。
【図9】 第1の実施形態の燃料蒸発装置の定常時に
おける制御を示すフローチャートである。
おける制御を示すフローチャートである。
【図10】 第1の実施形態の燃料蒸発装置の加速時に
おける制御を示すフローチャートである。
おける制御を示すフローチャートである。
【図11】 第1の実施形態の燃料蒸発装置を使用した
燃料電池システムの運転出力と原燃料ガス温度の関係を
示す図である。
燃料電池システムの運転出力と原燃料ガス温度の関係を
示す図である。
【図12】 第2の実施形態の燃料蒸発装置の一部破断
平面図である。
平面図である。
【図13】 第2の実施形態の燃料蒸発装置の制御系の
ブロック図である。
ブロック図である。
【図14】 第2の実施形態の燃料蒸発装置の燃焼ガス
に希釈エアを混合することにより燃料ガスの温度調整を
行う制御のフローチャートである。
に希釈エアを混合することにより燃料ガスの温度調整を
行う制御のフローチャートである。
【図15】 第3の実施形態の燃料蒸発装置の一部破断
平面図である。
平面図である。
【図16】 第3の実施形態の燃料蒸発装置の制御系の
ブロック図である。
ブロック図である。
【図17】 第3の実施形態の燃料蒸発装置の燃焼ガス
をバイパスさせることにより原燃料ガスの温度調整を行
う制御のフローチャートである。
をバイパスさせることにより原燃料ガスの温度調整を行
う制御のフローチャートである。
【図18】 従来例における燃料蒸発装置の断面図で
ある。
ある。
FL … 原燃料 FG … 原燃料ガス HG … 燃焼ガス(高温熱媒体) 1 … 燃料蒸発装置 11 … 蒸発室 11A… 第1蒸発室(蒸発室) 11B… 第2蒸発室(蒸発室) 11C… 第3蒸発室(蒸発室) 30 … ガス温度調整室 40 … 原燃料噴射手段(原燃料噴射装置) 51 … 低温熱媒体供給流路(希釈エア供給流路) 61 … バイパス流路 FIC… 原燃料噴射制御部(低温熱媒体供給弁制御部
・バイパス弁制御部) ACV… 低温熱媒体供給弁(希釈エア供給弁) BV … バイパス弁 Tv1、Tv2、Tv3、Tv4… 原燃料ガス温度センサ
(温度センサ、原燃料ガス温度) Tgin、Tg1、Tg2、Tgo… 燃焼ガス温度センサ
(温度センサ、燃焼ガス温度)
・バイパス弁制御部) ACV… 低温熱媒体供給弁(希釈エア供給弁) BV … バイパス弁 Tv1、Tv2、Tv3、Tv4… 原燃料ガス温度センサ
(温度センサ、原燃料ガス温度) Tgin、Tg1、Tg2、Tgo… 燃焼ガス温度センサ
(温度センサ、燃焼ガス温度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立原 隆宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中村 雅人 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3K068 AA11 AB19 AB35 BB12 BB25 4G040 EA02 EA06 EB03 EB04 EB43 5H027 BA01 BA09 BA16 KK41 MM12
Claims (4)
- 【請求項1】 高温熱媒体により原燃料を蒸発させ原
燃料ガスを得る蒸発室を備えた燃料蒸発装置において、 前記蒸発室は複数の蒸発室が直列に通気可能に連結され
てなり、 前記蒸発室に連結されこの蒸発室から送られる原燃料ガ
スを前記高温熱媒体と熱交換し温度調整するガス温度調
整室と、 前記複数の蒸発室にそれぞれ設けられ前記原燃料を噴射
する原燃料噴射手段と、を備えることを特徴とする燃料
蒸発装置。 - 【請求項2】 前記燃料蒸発装置内のいずれかの温度
を検知する温度センサと、 この温度センサからの温度信号を受けていずれかの前記
原燃料噴射手段を選択し、前記原燃料を噴射させる原燃
料噴射制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に
記載の燃料蒸発装置。 - 【請求項3】 前記ガス温度調整室に導入される高温
熱媒体に低温熱媒体を混合する低温熱媒体供給部、低温
熱媒体供給流路及び低温熱媒体供給弁と、 この低温熱媒体供給弁の開度を制御する低温熱媒体供給
弁制御部と、を備えることを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の燃料蒸発装置。 - 【請求項4】 前記ガス温度調整室に導入される高温
熱媒体を抜き出して前記ガス温度調整室をバイパスさせ
るバイパス流路及びバイパス弁と、 このバイパス弁の開度を制御するバイパス弁制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
ずれか1項に記載の燃料蒸発装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36348199A JP2001180904A (ja) | 1999-12-21 | 1999-12-21 | 燃料蒸発装置 |
US09/740,994 US6899741B2 (en) | 1999-12-21 | 2000-12-21 | Fuel evaporator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36348199A JP2001180904A (ja) | 1999-12-21 | 1999-12-21 | 燃料蒸発装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001180904A true JP2001180904A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18479428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36348199A Withdrawn JP2001180904A (ja) | 1999-12-21 | 1999-12-21 | 燃料蒸発装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001180904A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007507852A (ja) * | 2003-10-02 | 2007-03-29 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | 一体型の燃料電池スタック及び触媒燃焼器装置、アセンブリ、及び使用方法 |
US8739858B2 (en) | 2005-05-23 | 2014-06-03 | Honda Motor Co., Ltd. | Evaporator and vapor production method |
WO2019229877A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池システムおよびその運転方法 |
-
1999
- 1999-12-21 JP JP36348199A patent/JP2001180904A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019229877A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2021-06-17 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池システムおよびその運転方法 |
JP7004072B2 (ja) | 2018-05-30 | 2022-02-04 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池システムおよびその運転方法 |
US11929529B2 (en) | 2018-05-30 | 2024-03-12 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel cell system and method of operating the same |
CN112204785B (zh) * | 2018-05-30 | 2024-04-26 | 日产自动车株式会社 | 燃料电池系统及其运转方法 |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051205 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061106 |