JP2001176814A - 薄膜半導体装置の製造方法および装置 - Google Patents

薄膜半導体装置の製造方法および装置

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JP2001176814A
JP2001176814A JP35602699A JP35602699A JP2001176814A JP 2001176814 A JP2001176814 A JP 2001176814A JP 35602699 A JP35602699 A JP 35602699A JP 35602699 A JP35602699 A JP 35602699A JP 2001176814 A JP2001176814 A JP 2001176814A
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Hideharu Nakajima
英晴 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギービームによって、加熱溶融された
半導体薄膜の一部がアモルファス化することを確実に、
かつ、効果的に防止して、表面平滑性に優れ、高移動度
で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を製造する
ことのできる薄膜半導体装置の製造方法および製造装置
を提供する。 【解決手段】 基板11に形成された非単結晶半導体の
半導体薄膜10に、主レーザビーム3を照射し、主レー
ザビーム3により、半導体薄膜10を走査して、非単結
晶半導体を結晶化させる薄膜半導体装置の製造方法およ
び装置であって、主レーザビーム3の走査方向に対し
て、主レーザビーム3が照射される半導体薄膜10の加
熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の上流側に
隣接する半導体薄膜10の隣接領域14を副レーザビー
ム6によって照射することを特徴とする薄膜半導体装置
の製造方法および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜半導体装置の製造
方法および装置に関するものであり、さらに詳細には、
エネルギービームによって、加熱溶融された半導体薄膜
の一部がアモルファス化することを確実にかつ効果的に
防止して、表面平滑性に優れ、高移動で均一な薄膜半導
体装置を製造することのできる薄膜半導体装置の製造方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体装置は、たとえば、アクティ
ブマトリックス型液晶ディスプレイパネルなどの駆動基
板に好適であり、そのため、近年、盛んに開発が進めら
れている。ことに、多結晶シリコン薄膜半導体装置は、
小型で、解像度の高いアクティブマトリックス型カラー
液晶ディスプレイパネルに使用できるため、注目を集め
ている。
【0003】多結晶シリコン薄膜半導体装置の製造にあ
たっては、従来、900℃以上の処理温度を用いて、石
英などの耐熱性のある基板上に、半導体薄膜を成膜し、
時間をかけて、固相成長させ、改質する方法が用いられ
て来たが、石英基板が高価なために、コストが高くなる
という問題があった。
【0004】そこで、600℃以下の処理温度で、多結
晶シリコン薄膜半導体装置を製造する低温多結晶化プロ
セスが開発され、その中でも、エネルギービーム、とく
に、レーザビームを用いて、多結晶シリコン薄膜半導体
装置を製造する方法が注目を集めている。
【0005】この方法は、ガラスなどの低耐熱性絶縁基
板上に、たとえば、非晶質シリコンや多結晶シリコンな
どの非単結晶シリコンの半導体薄膜を成膜し、半導体薄
膜にレーザビームを照射して、半導体薄膜を局所的に加
熱溶融した後、レーザビームの照射を停止して、加熱溶
融された部分を冷却し、その過程で、半導体薄膜を再結
晶化させ、レーザビームにより、半導体薄膜を走査する
ことによって、結晶粒径の大きい多結晶シリコン膜を生
成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非単結
晶シリコンの半導体薄膜上を、レーザビームを走査し
て、半導体薄膜の領域を、次々に、加熱溶融した後、冷
却して、結晶化させる場合には、それぞれの加熱溶融領
域の中央部分においては、熱は、基板に向けて放出され
るにすぎないのに対して、加熱溶融領域の周辺部分にお
いては、熱が、周囲に向けても放出されるため、冷却速
度が高く、過冷却状態となって、加熱溶融された半導体
薄膜が再アモルファス化し、その結果、この領域での移
動度が低下するとともに、シリコンの体積が増大して、
表面に盛り上がり、局所的に、表面平滑性が悪化すると
いう問題があった。
【0007】非単結晶シリコンのみならず、非単結晶シ
リコン−ゲルマニウム、非単結晶ゲルマニウムその他の
非単結晶半導体よりなる半導体薄膜上を、レーザビーム
を走査して、半導体薄膜の領域を、次々に、加熱溶融し
た後、冷却して、結晶化させる場合にも、同様な問題が
あった。さらに、レーザビームに代えて、電子ビーム、
電磁波、原子ビーム、分子ビームなどを用いる場合に
も、同様の問題が生じ、その解決が望まれていた。
【0008】したがって、本発明は、エネルギービーム
によって、加熱溶融された半導体薄膜の一部がアモルフ
ァス化することを確実に、かつ、効果的に防止して、表
面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する
薄膜半導体装置を製造することのできる薄膜半導体装置
の製造方法および製造装置を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明らは、本発明のか
かる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、本発
明の前記目的が、基板に形成された非単結晶半導体より
なる半導体薄膜に、第一のエネルギービームを照射し、
前記第一のエネルギービームによって、前記半導体薄膜
を走査して、前記非単結晶半導体を結晶化させる薄膜半
導体装置の製造方法であって、前記第一のエネルギービ
ームの走査方向に対して、前記第一のエネルギービーム
が照射される前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のト
レーリングエッジ領域の上流側に隣接する前記半導体薄
膜の隣接領域を第二のエネルギービームによって照射す
ることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法によって
達成されることを見出した。本発明において、第一のエ
ネルギービームが照射される半導体薄膜の加熱溶融すべ
き領域とは、第一のエネルギービームの回り込みなどに
よって、第一のエネルギービームが半導体薄膜に照射さ
れる部分を含まず、半導体薄膜に、第一のエネルギービ
ームを照射して、加熱溶融することを意図された半導体
薄膜の領域をいう。
【0010】また、本発明において、半導体薄膜の加熱
溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域とは、半導体
薄膜に対して、相対的に移動されて、半導体薄膜上を走
査される第一のエネルギービームによって、照射を受け
る半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の第一のエネルギー
ビームの走査方向に対して、後ろ側の縁部に相当するト
レーリングエッジを含む領域をいう。
【0011】本発明は、単一のエネルギービームによっ
て、非単結晶半導体の半導体薄膜上を走査し、半導体薄
膜の領域を、次々に、加熱溶融して、冷却させ、薄膜半
導体装置を製造する場合においては、エネルギービーム
が、次々に、照射され、加熱溶融される半導体薄膜の領
域のうち、トレーリングエッジ領域から、第一のエネル
ギービームの走査方向に対して、その上流側に隣接する
半導体薄膜の隣接領域に、熱が放出され、半導体薄膜の
トレーリングエッジ領域が過冷却になって、アモルファ
ス化温度以下に温度が低下し、アモルファス化しやすい
という知見に基づくものである。
【0012】すなわち、アモルファスシリコン膜の加熱
特性を示す図1に示されように、エネルギービームをア
モルファスシリコン膜に照射すると、アモルファスシリ
コン膜の温度が上昇を開始し、約1100℃で、アモル
ファスシリコン膜が溶融し始める。アモルファスシリコ
ン膜が完全に溶融すると、再び、アモルファスシリコン
膜の温度が上昇する。この時点で、エネルギービームの
照射を停止すると、アモルファスシリコン膜の冷却開始
される。冷却速度が所定速度よりも小さい場合には、約
1420℃で、結晶シリコンが生成され始め、アモルフ
ァスシリコンが完全に固化すると、再び、温度が低下す
る。これに対して、冷却速度が所定速度よりも大きい場
合には、アモルファスシリコン膜の温度が、結晶シリコ
ンの生成温度である1420℃よりも低下して、アモル
ファスシリコンの生成温度である約1100℃まで低下
し、その結果、アモルファスシリコンが生成される。し
たがって、単一のエネルギービームにより、アモルファ
スシリコン膜の表面を走査して、アモルファスシリコン
膜の表面領域を、次々に、加熱溶融し、アモルファスシ
リコンを結晶化させる場合には、エネルギービームの照
射が停止された後、加熱溶融されたアモルファスシリコ
ン膜領域の周辺部分においては、熱が、基板に向けてだ
けではなく、周囲のシリコン膜に向けても放出されるた
め、冷却速度が大きくなって、過冷却状態になり、温度
がアモルファスシリコンの生成温度以下に低下して、シ
リコンがアモルファスシリコン化されるが、エネルギー
ビームの走査方向に対して、トレーリングエッジ部分と
は反対の前側にあたるシリコン膜の加熱溶融された領域
のリーディングエッジ部分は、エネルギービームの走査
にしたがって、再度、エネルギービームが照射されて、
加熱溶融されるため、アモルファスシリコン膜の加熱溶
融すべき領域のトレーリングエッジ領域のみが、アモル
ファス化されるものと推定される。非単結晶シリコンの
みならず、非単結晶シリコン−ゲルマニウム、非単結晶
ゲルマニウムその他の非単結晶半導体よりなる半導体薄
膜上を、レーザビームを走査して、半導体薄膜の領域
を、次々に、加熱溶融した後、冷却して、結晶化させる
場合にも、同様な問題が生じる。しかしながら、本発明
によれば、第一のエネルギービームの走査方向に対し
て、第一のエネルギービームが照射される半導体薄膜の
加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の上流側
に隣接する半導体薄膜の隣接領域を、第二のエネルギー
ビームによって照射するように構成されているから、第
一のエネルギービームによって加熱溶融された非単結晶
シリコンが冷却される際、半導体薄膜のトレーリングエ
ッジ領域の上流側に隣接する半導体薄膜の隣接領域は、
第二のエネルギービームの照射を受けて、加熱されてい
るので、半導体薄膜のトレーリングエッジ領域とこれの
上流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配は小さく、
したがって、半導体薄膜のトレーリングエッジ領域か
ら、その上流側に隣接する隣接領域への放熱量は小さ
く、熱は主として、半導体薄膜のトレーリングエッジ領
域から基板に向けて放出されるから、半導体薄膜のトレ
ーリングエッジ領域が急速に冷却され、過冷却状態にな
って、半導体薄膜のトレーリングエッジ領域中のシリコ
ンがアモルファス化することを確実かつ効果的に防止し
て、所望のように、結晶化させて、表面平滑性に優れ、
高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を
得ることが可能にななり、半導体薄膜が、非単結晶シリ
コンではなく、非単結晶シリコン−ゲルマニウム、非単
結晶ゲルマニウムその他の非単結晶半導体によって形成
されている場合にも、同様にして、非単結晶半導体を、
所望のように、結晶化させて、表面平滑性に優れ、高移
動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得る
ことができる。
【0013】本発明において、エネルギービームを、半
導体薄膜に照射するとは、エネルギービームを、半導体
薄膜に直接的に照射する場合と、エネルギービームを、
基板を介して、半導体薄膜に照射する場合とを包含する
ものである。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一のエネルギービームの照射が停止される以前に、
前記第一のエネルギービームが照射される前記半導体薄
膜の領域の上流側に隣接する前記半導体薄膜の前記隣接
領域を第二のエネルギービームによって照射することに
よって、薄膜半導体装置が製造される。
【0015】本発明の好ましい実施態様によれば、第一
のエネルギービームの照射を停止する以前に、半導体薄
膜のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領
域に、第二のエネルギービームが照射され、半導体薄膜
のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域
が、第二のエネルギービームによって加熱されているか
ら、第一のエネルギービームの照射が停止された後にお
いても、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリン
グエッジ領域と、その上流側に隣接する隣接領域との間
の温度勾配は小さく、したがって、トレーリングエッジ
領域から、その上流側に隣接する隣接領域へ放出される
熱は少なく、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレー
リングエッジ領域が急速に冷却され、過冷却状態になっ
て、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエ
ッジ領域中の半導体がアモルファス化することを確実か
つ効果的に防止して、非単結晶半導体を、所望のよう
に、結晶化させて、表面平滑性に優れ、高移動度で均一
な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得ることが可能
になる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された後
に、前記第一のエネルギービームが照射される前記半導
体薄膜の領域の上流側に隣接する前記半導体薄膜の前記
隣接領域を第二のエネルギービームによって照射するこ
とによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一のエネルギービームの照射を停止した後におい
ても、トレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接
領域には、第二のエネルギービームが照射され、加熱さ
れているので、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレ
ーリングエッジ領域と、その上流側に隣接する隣接領域
との間の温度勾配は小さく、したがって、トレーリング
エッジ領域から、その上流側に隣接する隣接領域へ放出
される熱は少なく、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
トレーリングエッジ領域が急速に冷却され、過冷却状態
になって、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリ
ングエッジ領域中の半導体がアモルファス化することを
確実かつ効果的に防止して、非単結晶半導体を、所望の
ように、結晶化させて、表面平滑性に優れ、高移動度で
均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得ることが
可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
後、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度をモニターし、前記トレーリン
グエッジ領域の冷却状態にしたがって、前記半導体薄膜
の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射
することによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一のエネルギービームの照射が停止された後、半
導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領
域の温度をモニターし、トレーリングエッジ領域の冷却
状態にしたがって、半導体薄膜のトレーリングエッジ領
域の上流側に隣接する領域に、第二のエネルギービーム
を照射するように構成されているから、半導体薄膜の加
熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域と、その上
流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配を小さな値に
保持しつつ、トレーリングエッジ領域内の非単結晶半導
体を結晶化させることができ、非単結晶半導体を、所望
のように、結晶化させて、表面平滑性に優れ、高移動度
で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得ること
が可能になる。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度が所定温度以下になったとき
に、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネ
ルギービームを照射することによって、薄膜半導体装置
が製造される。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエ
ッジ領域の温度が所定温度以下になったときに、半導体
薄膜のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接
領域に、第二のエネルギービームを照射するように構成
されているから、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のト
レーリングエッジ領域と、その上流側に隣接する隣接領
域との間の温度勾配を小さな値に保持しつつ、トレーリ
ングエッジ領域内の非単結晶半導体を結晶化させること
ができ、非単結晶半導体を、所望のように、結晶化させ
て、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を
有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが照射されているにも
かかわらず、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前
記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下になっ
たときに、前記第二のエネルギービームのパワーを増大
させることによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、モニターされた前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領
域の前記トレーリングエッジ領域の温度に基づき、前記
トレーリングエッジ領域の冷却速度を算出し、前記トレ
ーリングエッジ領域の冷却速度を、前記トレーリングエ
ッジ領域と、前記第一のエネルギービームの走査方向に
対して、前記トレーリングエッジ領域の上流側の前記半
導体薄膜との間の温度勾配で除した値が、最大結晶化速
度よりも大きくなったときに、前記半導体薄膜の前記隣
接領域に、前記第二のエネルギービームを照射すること
によって、薄膜半導体装置が製造される。
【0024】本発明のさらに別の好ましい実施態様によ
れば、トレーリングエッジ領域の冷却速度を、トレーリ
ングエッジ領域と、第一のエネルギービームの走査方向
に対して、トレーリングエッジ領域の上流側の半導体薄
膜との間の温度勾配で除した値が、最大結晶化速度より
も大きくなったときに、半導体薄膜のトレーリングエッ
ジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、第二のエネルギ
ービームを照射するように構成されているから、半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域
と、その上流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配を
小さな値に保持しつつ、トレーリングエッジ領域内の非
単結晶半導体を結晶化させることができ、非単結晶半導
体を、所望のように、結晶化させて、表面平滑性に優
れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装
置を得ることが可能になる。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記非単結晶半導体が、非単結晶シリコンよりなってい
る。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記トレーリングエッジ領域と、前記第一のエネル
ギービームの走査方向に対して、前記トレーリングエッ
ジ領域の上流側の前記半導体薄膜との間の温度勾配で除
した値が、20m/秒よりも大きくなったときに、前記
半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービ
ームを照射することによって、薄膜半導体装置が製造さ
れる。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが照射されているにも
かかわらず、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前
記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下になっ
たときに、前記第二のエネルギービームのパワーを増大
させることによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された後
に、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度が、アモルファス化温度を越え
る温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記隣接
領域に、前記第二のエネルギービームを照射することに
よって、薄膜半導体装置が製造される。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエ
ッジ領域の温度が、アモルファス化温度を越える温度に
保持されるように、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
トレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域
に、第二のエネルギービームを照射するように構成され
ているから、シリコンがアモルファス化することを確実
に防止して、非単結晶シリコンを、所望のように、結晶
化させて、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体
薄膜を有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された後
に、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度が、1100℃を越える温度に
保持されるように、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、
前記第二のエネルギービームを照射することによって、
薄膜半導体装置が製造される。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
後、前記半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度で除した時
間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領
域の前記トレーリングエッジ領域が、アモルファス化温
度を越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜の
前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射す
ることによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0032】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第一のエネルギービームの照射が停止された後、半導体
薄膜の膜厚を最大結晶化速度で除した時間にわたって、
トレーリングエッジ領域が、アモルファス化温度を越え
る温度に保持されるように、半導体薄膜のトレーリング
エッジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、第二のエネ
ルギービームを照射しているから、トレーリングエッジ
領域内の非単結晶シリコンが結晶化するまでの間、半導
体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域
をアモルファス化温度を越える温度に保持することがで
き、非単結晶シリコンを、所望のように、結晶化させ
て、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を
有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
後、前記半導体薄膜の膜厚を20m/秒で除した時間以
上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
前記トレーリングエッジ領域が、アモルファス化温度を
越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記
隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射するこ
とによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0034】非単結晶シリコンを結晶化する最大結晶化
速度は20m/秒であり、本発明のさらに好ましい実施
態様によれば、第一のエネルギービームの照射が停止さ
れた後、半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度である20
m/秒で除した時間にわたって、アモルファス化温度を
越える温度に保持されるように、半導体薄膜のトレーリ
ングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、第二の
エネルギービームを照射しているから、トレーリングエ
ッジ領域内の非単結晶シリコンが結晶化するまでの間、
半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ
領域をアモルファス化温度を越える温度に保持すること
ができ、非単結晶シリコンを、所望のように、結晶化さ
せて、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜
を有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
後、前記半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度で除した時
間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領
域の前記トレーリングエッジ領域の温度が1100℃を
越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記
隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射するこ
とによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
後、前記半導体薄膜の膜厚を20m/秒で除した時間以
上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
前記トレーリングエッジ領域の温度が1100℃を越え
る温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記隣接
領域に、前記第二のエネルギービームを照射することに
よって、薄膜半導体装置が製造される。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度が、結晶化温度以上になるよう
に、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネ
ルギービームを照射することによって、薄膜半導体装置
が製造される。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域の温度が、1420℃以上になるよう
に、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネ
ルギービームを照射することによって、薄膜半導体装置
が製造される。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームの少なくとも一部を発
散させて、前記半導体薄膜の前記隣接領域に照射するこ
とによって、薄膜半導体装置が製造される。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームおよび前記第二のエネ
ルギービームを、前記基板に対して、同じ側から、前記
半導体薄膜に照射することによって、薄膜半導体装置が
製造される。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームおよび前記第二のエネ
ルギービームを、前記基板に対して、反対側から、前記
半導体薄膜に照射することによって、薄膜半導体装置が
製造される。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームが、コヒーレントな光
ビームによって構成されている。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、コヒーレントな光
ビームによって構成されている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービームが、レーザビームによ
って構成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、レーザビームによ
って構成されている。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記レーザビームが、XeFエキシマレーザ(共振
波長351nm)、XeClエキシマレーザ(共振波長
308nm)、KrFエキシマレーザ(共振波長248
nm)、KrClエキシマレーザ(共振波長222n
m)、ArFエキシマレーザ(共振波長193nm)お
よびFエキシマレーザ(共振波長157nm)よりな
る群から選ばれるエキシマレーザによって構成されてい
る。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、コヒーレントでな
い光ビームによって構成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、電子ビームによっ
て構成されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、電磁波によって構
成されている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが、原子ビームおよび
分子ビームよりなる群から選ばれたエネルギービームに
よって構成されている。
【0051】本発明の前記目的はまた、第一のエネルギ
ービーム光源と、第二のエネルギービーム光源と、前記
第一のエネルギービーム光源から発せられた第一のエネ
ルギービームおよび前記第二のエネルギービーム光源か
ら発せられた第二のエネルギービームを、基板に形成さ
れた非単結晶半導体からなる半導体薄膜上を走査させる
エネルギービーム走査手段と、前記第一のエネルギービ
ーム光源および前記第二のエネルギービーム光源のオン
・オフを制御するエネルギービーム光源制御手段とを備
え、前記エネルギービーム走査手段が、前記第一のエネ
ルギービームおよび前記第二のエネルギービームの走査
方向に対して、前記第一のエネルギービームが照射され
る前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリング
エッジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、前記第二の
エネルギービームを照射可能に、前記半導体薄膜の前記
第一のエネルギービームおよび前記第二のエネルギービ
ームの光路を設定するように構成されたことを特徴とす
る薄膜半導体装置の製造装置によって達成される。
【0052】本発明によれば、エネルギービーム走査手
段によって、第一のエネルギービームおよび第二のエネ
ルギービームの光路が、第一のエネルギービームおよび
第二のエネルギービームの走査方向に対して、第一のエ
ネルギービームが照射される半導体薄膜の加熱溶融すべ
き領域のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣
接領域に、第二のエネルギービームを照射可能に設定さ
れ、エネルギービーム光源制御手段によって、第一のエ
ネルギービーム光源および第二のエネルギービー光源の
オン・オフが制御されるように構成されているから、第
一のエネルギービームおよび第二のエネルギービームの
走査方向に対して、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
トレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域
に、第二のエネルギービームを照射して、加熱すること
により、第一のエネルギービーム光源がオフされた後
に、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエ
ッジ領域と、これの上流側に隣接する隣接領域との間の
温度勾配を小さくすることができ、したがって、第一の
エネルギービーム光源がオフされた後に、半導体薄膜の
加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域から、こ
れの上流側に隣接する隣接領域に、大量の熱が放出され
ることを防止することができるから、第一のエネルギー
ビームの照射が停止された後において、半導体薄膜の加
熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域が急速に冷
却されて、過冷却状態になり、半導体薄膜のトレーリン
グエッジ領域内の非単結晶半導体がアモルファス化する
ことを確実にかつ効果的に防止して、所望のように、非
単結晶半導体を結晶化して、表面平滑性に優れ、高移動
度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得るこ
とが可能になる。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、前
記エネルギービーム光源制御手段が、前記第一のエネル
ギービームの照射が停止される以前に、前記第二のエネ
ルギービーム光源をオンさせるように構成されている。
【0054】本発明の好ましい実施態様によれば、第一
のエネルギービームの照射を停止する以前に、第二のエ
ネルギービーム光源がオンされて、半導体薄膜のトレー
リングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、第二
のエネルギービームが照射され、半導体薄膜のトレーリ
ングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域が、第二の
エネルギービームによって加熱されているから、第一の
エネルギービームの照射が停止された後においても、半
導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領
域と、その上流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配
は小さく、したがって、トレーリングエッジ領域から、
その上流側に隣接する隣接領域へ放出される熱は少な
く、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエ
ッジ領域が急速に冷却され、過冷却状態になって、半導
体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域
中の半導体がアモルファス化することを確実かつ効果的
に防止して、非単結晶半導体を、所望のように、結晶化
させて、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄
膜を有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記第一の
エネルギービームの照射が停止された後に、前記第二の
エネルギービーム光源をオンさせるように構成されてい
る。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一のエネルギービームの照射が停止された後に、
第二のエネルギービーム光源がオンされるように構成さ
れているから、トレーリングエッジ領域内の非結晶半導
体が結晶化される際、トレーリングエッジ領域の上流側
に隣接する隣接領域には、第二のエネルギービームが照
射され、加熱されており、半導体薄膜の加熱溶融すべき
領域のトレーリングエッジ領域と、その上流側に隣接す
る隣接領域との間の温度勾配は小さく、したがって、ト
レーリングエッジ領域から、その上流側に隣接する隣接
領域へ放出される熱は少なく、半導体薄膜の加熱溶融す
べき領域のトレーリングエッジ領域が急速に冷却され、
過冷却状態になって、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域
のトレーリングエッジ領域中の半導体がアモルファス化
することを確実にかつ効果的に防止して、非単結晶半導
体を、所望のように、結晶化させて、表面平滑性に優
れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装
置を得ることが可能になる。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、薄膜半導体装置の製造装置は、さらに、前記半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリングエッジ領
域の温度をモニターする温度検出手段を備え、前記第一
のエネルギービーム光源がオフされた後、前記温度検出
手段によってモニターされた前記トレーリングエッジ領
域の冷却状態にしたがって、前記エネルギービーム光源
制御手段が、前記第二のエネルギービーム光源をオンさ
せるように構成されている。
【0058】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一のエネルギービームの照射が停止された後、温
度検出手段によって、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域
のトレーリングエッジ領域の温度をモニターし、トレー
リングエッジ領域の冷却状態にしたがって、エネルギー
ビーム光源制御手段により、半導体薄膜のトレーリング
エッジ領域の上流側に隣接する領域に、第二のエネルギ
ービームを照射するように構成されているから、半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域
と、その上流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配を
小さな値に保持しつつ、トレーリングエッジ領域内の非
単結晶半導体を結晶化させることができ、非単結晶半導
体を、所望のように、結晶化させて、表面平滑性に優
れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装
置を得ることが可能になる。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記第一の
エネルギービーム光源がオフされた後、前記温度検出手
段によってモニターされた前記半導体薄膜の加熱溶融す
べき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度が所定温
度以下になったときに、前記第二のエネルギービーム光
源をオンさせるように構成されている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、温度検出手段によって、半導体薄膜の加熱溶融すべ
き領域のトレーリングエッジ領域の温度をモニターし、
トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下になった
ときに、エネルギービーム光源制御手段によって、半導
体薄膜のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣
接領域に、第二のエネルギービームを照射するように構
成されているから、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
トレーリングエッジ領域と、その上流側に隣接する隣接
領域との間の温度勾配を小さな値に保持しつつ、トレー
リングエッジ領域内の非単結晶半導体を結晶化させるこ
とができ、非単結晶半導体を、所望のように、結晶化さ
せて、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜
を有する薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービームが照射されているにも
かかわらず、前記温度検出手段によってモニターされた
前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリン
グエッジ領域の温度が所定温度以下になったときに、前
記エネルギービーム光源制御手段が、前記第二のエネル
ギービームのパワーを増大させるように構成されてい
る。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記温度検
出手段によってモニターされた前記半導体薄膜の加熱溶
融すべき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度に基
づいて、前記トレーリングエッジ領域の冷却速度を算出
し、前記トレーリングエッジ領域の冷却速度を、前記ト
レーリングエッジ領域と前記第一のエネルギービームの
走査方向に対して、前記トレーリングエッジ領域の上流
側の前記半導体薄膜との間の温度勾配で除した値が、最
大結晶化速度よりも大きくなったときに、前記第二のエ
ネルギービーム光源をオンさせるように構成されてい
る。
【0063】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、温度検出手段によってモニターされた半導体薄膜の
加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の温度に
基づいて、トレーリングエッジ領域の冷却速度を、トレ
ーリングエッジ領域と、第一のエネルギービームの走査
方向に対して、トレーリングエッジ領域の上流側の半導
体薄膜との間の温度勾配で除した値が、最大結晶化速度
よりも大きくなったときに、エネルギービーム光源制御
手段によって、半導体薄膜のトレーリングエッジ領域の
上流側に隣接する隣接領域に、第二のエネルギービーム
が照射されるように構成されているから、半導体薄膜の
加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域と、その
上流側に隣接する隣接領域との間の温度勾配を小さな値
に保持しつつ、トレーリングエッジ領域内の非単結晶半
導体を結晶化させることができ、非単結晶半導体を、所
望のように、結晶化させて、表面平滑性に優れ、高移動
度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体装置を得るこ
とが可能になる。
【0064】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記第二の
エネルギービーム光源をオンしたにもかかわらず、前記
温度検出手段によってモニターされた前記トレーリング
エッジ領域の温度が所定温度以下になったときに、前記
第二のエネルギービーム光源のパワーを増大させるよう
に構成されている。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記温度検出手段が、赤外線温度センサによって構
成されている。
【0066】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリングエッジ領
域の温度が、アモルファス化温度を越える温度に保持さ
れるように、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第
二のエネルギービームを照射するように構成されてい
る。
【0067】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、エネルギービーム光源制御手段によって、半導体薄
膜の加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の温
度が、アモルファス化温度を越える温度に保持されるよ
うに、半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリング
エッジ領域の上流側に隣接する隣接領域に、第二のエネ
ルギービームを照射するように構成されているから、非
単結晶半導体がアモルファス化することを確実に防止し
て、非単結晶半導体を、所望のように、結晶化させて、
表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有す
る薄膜半導体装置を得ることが可能になる。
【0068】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域の温度が、結晶化温度以上に
なるように、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域に、
前記第一のエネルギービームを照射するように構成され
ている。
【0069】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記第一の
エネルギービームの照射が停止された後、前記半導体薄
膜の膜厚を最大結晶化速度で除した時間以上にわたっ
て、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネ
ルギービームを照射するように構成されている。
【0070】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
エネルギービーム光源制御手段によって、第一のエネル
ギービームの照射が停止された後、半導体薄膜の膜厚を
最大結晶化速度で除した時間にわたって、トレーリング
エッジ領域が、アモルファス化温度を越える温度に保持
されるように、半導体薄膜のトレーリングエッジ領域の
上流側に隣接する隣接領域に、第二のエネルギービーム
を照射しているから、トレーリングエッジ領域内の非単
結晶半導体が結晶化するまでの間、半導体薄膜の加熱溶
融すべき領域のトレーリングエッジ領域をアモルファス
化温度を越える温度に保持することができ、非単結晶シ
リコンを、所望のように、結晶化させて、表面平滑性に
優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体
装置を得ることが可能になる。
【0071】本発明の好ましい実施態様においては、前
記非単結晶半導体が、非単結晶シリコンからなってい
る。
【0072】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記トレー
リングエッジ領域の冷却速度を、前記トレーリングエッ
ジ領域と前記第一のエネルギービームの走査方向に対し
て、前記トレーリングエッジ領域の上流側の前記半導体
薄膜との間の温度勾配で除した値が、最20m/秒より
も大きくなったときに、前記第二のエネルギービーム光
源をオンさせるように構成されている。
【0073】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリングエッジ領
域の温度が、1100℃を越える温度に保持されるよう
に、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
リングエッジ領域に、前記第二のエネルギービームを照
射するように構成されている。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記半導体
薄膜の加熱溶融すべき領域の温度が、1420℃以上に
なるように、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域に、
前記第一のエネルギービームを照射するように構成され
ている。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記第一の
エネルギービームの照射が停止された後、前記半導体薄
膜の膜厚を20m/秒で除した時間以上にわたって、前
記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギー
ビームを照射するように構成されている。
【0076】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、薄膜半導体その製造装置は、さらに、前記第二のエ
ネルギービームの少なくとも一部を発散させて、前記半
導体薄膜の前記隣接領域に照射するエネルギービーム発
散手段を備えている。
【0077】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービーム光源および前記第二の
エネルギービーム光源が、前記基板に対して、同じ側に
設けられている。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービーム光源および前記第二の
エネルギービーム光源が、前記基板に対して、反対側に
設けられている。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービーム光源が、コヒーレント
な光ビームを発生する光ビーム光源によって構成されて
いる。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、コヒーレント
な光ビームを発生する光ビーム光源によって構成されて
いる。
【0081】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のエネルギービーム光源が、レーザビーム
光源によって構成されている。
【0082】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、レーザビーム
光源によって構成されている。
【0083】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記レーザビームが、XeFエキシマレーザ(共振
波長351nm)、XeClエキシマレーザ(共振波長
308nm)、KrFエキシマレーザ(共振波長248
nm)、KrClエキシマレーザ(共振波長222n
m)、ArFエキシマレーザ(共振波長193nm)お
よびFエキシマレーザ(共振波長157nm)よりな
る群から選ばれるエキシマレーザによって構成されてい
る。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、コヒーレント
でない光ビームを発生するように構成されている。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、電子ビームを
発生するように構成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、電磁波を発生
するように構成されている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二のエネルギービーム光源が、原子ビームお
よび分子ビームよりなる群から選ばれたエネルギービー
ムを発生するように構成されている。
【0088】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明にかかる好ましい実施態様につき、詳細に説
明を加える。
【0089】図2は、本発明の好ましい実施態様にかか
るレーザアニール装置の略縦断面図である。
【0090】図2に示されるように、レーザアニール装
置は、第一のレーザビーム光源1および第二のレーザビ
ーム光源2を備えている。本実施態様においては、第一
のレーザビーム光源1および第二のレーザビーム光源2
として、共振波長308nmのXeClエキシマレーザ
が用いられている。第一のレーザビーム光源1から発せ
られた主レーザビーム3は、ホモジナイザー4に導か
れ、さらに、スリット5に導かれる。同様にして、第二
のレーザビーム光源2から発せられた副レーザビーム6
は、ホモジナイザー7に導かれ、さらに、スリット8に
導かれる。
【0091】図3は、第一のレーザビーム光源1から発
せられた主レーザビーム3および第二のレーザビーム光
源2から発せられた副レーザビーム6の強度分布を示す
グラフであり、図4は、ホモジナイザー4およびスリッ
ト5を通過した主レーザビーム3およびホモジナイザー
7およびスリット8を通過した副レーザビーム6の強度
分布を示すグラフである。
【0092】図3に示されるように、第一のレーザビー
ム光源1から発せられた主レーザビーム3および第二の
レーザビーム光源2から発せられた副レーザビーム6の
強度は、ガウシャン分布をなしており、ホモジナイザー
4およびスリット5を通過することによって、また、ホ
モジナイザー7およびスリット8を通過することによっ
て、主レーザビーム3および副レーザビーム6の強度
は、それぞれ、図4に示されるように、強度が均一な矩
形状分布に変換される。
【0093】スリット5を通過した主レーザビーム3
は、V字状の反射ミラー9の反射面9aに入射し、スリ
ット8を通過した副レーザビーム6は、V字状の反射ミ
ラー9の反射面9bに入射して、それぞれ、反射され
る。
【0094】非単結晶シリコンの半導体薄膜10が形成
されたガラスよりなる基板11は、図2において矢印X
で示される方向に、移動機構(図示せず)によって、移
動可能な移動台12に載置されており、反射ミラー9に
入射した主レーザビーム3および副レーザビーム6は、
それぞれ、基板11上に形成された半導体薄膜10に向
けて、反射面9a、9bによって、反射される。その結
果、半導体薄膜10の加熱溶融されるべき領域13が、
主レーザビーム3によって照射され、主レーザビーム3
および副レーザビーム6の走査方向に対して、半導体薄
膜10の加熱溶融されるべき半導体薄膜10の直上流側
の隣接領域14に、副レーザビーム6が照射される。
【0095】主レーザビーム3によって加熱溶融される
べき半導体薄膜10の領域13のうち、主レーザビーム
3および副レーザビーム6の走査方向に対して、半導体
薄膜10のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する
隣接領域14に、副レーザビーム6を照射することが可
能なように、反射ミラー9の位置、反射面9a、9bの
なす角度などが設定されている。
【0096】第一のレーザビーム光源1および第二のレ
ーザビーム光源2は、レーザビーム光源制御手段16に
よって制御されており、本実施態様においては、主レー
ザビーム3のパワーおよび照射時間は、主レーザビーム
3を照射することによって、半導体薄膜10の加熱溶融
すべき領域13の温度が、結晶化温度である1420℃
以上になるように、実験的に決定され、第一のレーザビ
ーム光源1が、レーザビーム光源制御手段16によっ
て、制御されている。また、本実施態様においては、第
二のレーザビーム光源2は、第一のレーザビーム光源1
がオンされるのと同時に、オンされ、第一のレーザビー
ム光源1がオフされるのと同時に、オフされるように、
レーザビーム光源制御手段16によって制御されてい
る。さらに、第二のレーザビーム光源2から発せられる
副レーザビーム6のパワーは、主レーザビーム3および
副レーザビーム6の走査方向に対して、半導体薄膜10
のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域
14に、副レーザビーム6を照射することにより、第一
のレーザビーム光源1がオフされた後、トレーリングエ
ッジ領域内の非単結晶シリコンの結晶化が完了するまで
の間、トレーリングエッジ領域の温度が、アモルファス
化温度である1100℃を越える温度に保持されるよう
に、レーザビーム光源制御手段16によって制御されて
いる。
【0097】以上のように構成された本発明の好ましい
実施態様にかかるレーザアニール装置によれば、以下の
ようにして、基板11上に形成された非単結晶シリコン
の半導体薄膜10が結晶化され、薄膜半導体装置が製造
される。
【0098】レーザビーム光源制御手段16によって、
まず、第一のレーザビーム光源1と第二のレーザビーム
光源2がオンされ、第一のレーザビーム光源1から主レ
ーザビーム3が発せられ、第二のレーザビーム光源2か
ら副レーザビーム6が発せられる。
【0099】第一のレーザビーム光源1から発せられた
主レーザビーム3は、ホモジナイザ4およびスリット5
を通過することによって、強度分布が、図4に示される
矩形状の強度分布に変換された後、反射ミラー9に入射
して、反射面9aによって反射される。
【0100】反射ミラー9にによって反射された主レー
ザビーム3は、移動台12上に載置された基板11上の
半導体薄膜10の加熱溶融されるべき領域13に照射さ
れ、加熱溶融されるべき領域13内に含まれた非単結晶
シリコンが加熱される。
【0101】非単結晶シリコンの温度が約1100℃ま
で上昇すると、非単結晶シリコンが溶融を開始し、溶融
が完了すると、再び、非単結晶シリコンの温度が上昇す
る。
【0102】本実施態様においては、主レーザビーム3
を照射することによって、半導体薄膜10の領域13の
温度が、1420℃以上になるように、第一のレーザビ
ーム光源1が、レーザビーム光源制御手段16によって
制御されているから、半導体薄膜10の加熱溶融される
べき領域13内の非単結晶シリコンの温度は、非単結晶
シリコンの結晶化温度である1420℃以上にまで上昇
される。
【0103】第二のレーザビーム光源2から発せられた
副レーザビーム6は、主レーザビーム3および副レーザ
ビーム6の走査方向に対して、半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領域14に照
射される。その結果、半導体薄膜10のトレーリングエ
ッジ領域に隣接する隣接領域14の温度が上昇する。
【0104】その後、レーザビーム光源制御手段16に
よって、第一のレーザビーム光源1をオフされると、半
導体薄膜10の加熱すべき領域13内の非単結晶シリコ
ンの温度は低下し始め、半導体薄膜10の加熱溶融され
た領域13内の非単結晶シリコンが冷却される。
【0105】一般に、半導体薄膜10の加熱溶融された
領域13の中央部分においては、熱は、基板11に向け
て放出されるにすぎないのに対して、半導体薄膜10の
加熱溶融された領域13の周辺部分においては、熱は、
周囲の加熱されていない半導体薄膜10の領域に向けて
も放出されるため、冷却速度が高くなって、通常は、急
速に冷却され、アモルファスシリコンが生成される虞が
あるが、本実施態様においては、第一のレーザビーム光
源1がオンされるとともに、第二のレーザビーム光源2
がオンされ、主レーザビーム3および副レーザビーム6
の走査方向に対して、半導体薄膜10のトレーリングエ
ッジ領域の上流側に隣接する隣接領域14に、副レーザ
ビーム6が照射されることによって、第一のレーザビー
ム光源1がオフされた後、トレーリングエッジ領域内の
非単結晶シリコンの結晶化が完了するまでの間、半導体
薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度が、アモルフ
ァス化温度である1100℃を越える温度に保持される
ように、加熱されているため、半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域とこれの上流側に隣接する隣接領域1
4との間の温度勾配は小さく、半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域から、熱がトレーリングエッジ領域の
上流側に隣接する隣接領域14に放出されにくく、した
がって、第一のレーザビーム光源1がオフされた後、ト
レーリングエッジ領域内の非単結晶シリコンの結晶化が
完了するまでの間、トレーリングエッジ領域内の非単結
晶シリコンの温度がアモルファス化の開始される110
0℃以下に低下して、アモルファスシリコンが生成され
ることが防止され、所望のように、非単結晶シリコンを
結晶化させることが可能になる。
【0106】ここに、主レーザビーム3および副レーザ
ビーム6の走査方向に対して、主レーザビーム3のリー
ディングエッジ部分が照射される半導体薄膜10の領域
も、熱が、基板11に向けて放出されるだけでなく、周
囲の加熱されていない半導体薄膜10の下流側領域に向
けても放出されるため、冷却速度が高くなり、急速に冷
却されて、非単結晶シリコンの温度がアモルファス化が
開始される1100℃以下に低下して、非単結晶シリコ
ンがアモルファス化される虞があるが、主レーザビーム
3のリーディングエッジ部分が照射される半導体薄膜1
0の領域は、移動台12が移動されることによって、主
レーザビーム3および副レーザビーム6により、再び、
走査され、加熱溶融されて、結晶化されるため、アモル
ファス化されても、最終製品に欠陥を生じさせることは
ない。
【0107】本実施態様によれば、主レーザビーム3を
照射することによって、半導体薄膜10の加熱溶融すべ
き領域13の温度が、1420℃以上になるように、第
一のレーザビーム光源1が、レーザビーム光源制御手段
16によって制御されているから、領域13内の非単結
晶シリコンの温度は、非単結晶シリコンの結晶化温度で
ある1420℃以上にまで上昇され、また、レーザビー
ム光源制御手段16によって、第一のレーザビーム光源
1がオンされている間、第二のレーザビーム光源2がオ
ンされるように、第一のレーザビーム光源1および第二
のレーザビーム光源2が制御されており、主レーザビー
ム3および副レーザビーム6の走査方向に対して、半導
体薄膜10のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接す
る隣接領域14には、第一のレーザビーム光源1がオン
されている間、副レーザビーム6が照射され、第一のレ
ーザビーム光源1がオフされた後、トレーリングエッジ
領域内の非単結晶シリコンの結晶化が完了するまでの
間、半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度
が、アモルファス化温度である1100℃を越える温度
に保持されるように、加熱されているから、第一のレー
ザビーム光源1がオフされた後に、半導体薄膜10の加
熱溶融すべき領域13のトレーリングエッジ領域が冷却
される際、半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域と
これの上流側に隣接する隣接領域14との間の温度勾配
は小さく、半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域か
ら、大量の熱が、トレーリングエッジ領域の上流側に隣
接する隣接領域14に放出されることが防止される。し
たがって、従来、シリコンがアモルファス化して、表面
平滑性が損なわれるとともに、移動度が低下する虞があ
った半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域において
も、非単結晶シリコンがアモルファス化することを確実
にかつ効果的に防止して、所望のように、非単結晶シリ
コンを結晶化させ、表面平滑性に優れ、高移動度で均一
な薄膜半導体装置を製造することが可能になる。
【0108】図5は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【0109】図5に示されるように、本実施態様にかか
るレーザアニール装置においては、第二のレーザビーム
光源2、ホモジナイザ7およびスリット8は、基板11
に対して、半導体薄膜10の反対側に設けられ、V字状
の反射ミラー9に代えて、主レーザビーム3を反射する
平面反射ミラー20と、副レーザビーム6を反射する平
面反射ミラー21が、基板11の反対側に設けられてい
る。また、本実施態様においては、移動台12は透明部
材によって構成されている。
【0110】さらに、本実施態様にかかるレーザアニー
ル装置は、主レーザビーム3が照射されている半導体薄
膜10の加熱溶融すべき領域13のトレーリングエッジ
領域の温度をモニターする赤外線温度センサ22と、赤
外線温度センサ22によって温度を測定すべき半導体薄
膜10の領域を決定するためのモニター23と、赤外線
温度センサ22によって測定された半導体薄膜10のト
レーリングエッジ領域15の温度にしたがって、第二の
レーザビーム光源2をオン・オフ制御するレーザコント
ローラ24を備えている。
【0111】以上のように構成された本実施態様にかか
るレーザアニール装置においては、レーザアニール処理
に先立って、オペレータにより、モニター23が観察さ
れ、赤外線温度センサ22が、主レーザビーム3を照射
して、加熱溶融されるべき半導体薄膜10のトレーリン
グエッジ領域の温度を測定可能なように、赤外線温度セ
ンサ22が位置決めされる。
【0112】次いで、第一のレーザビーム光源1がオン
され、主レーザビーム3が、半導体薄膜10の加熱溶融
されるべき領域13に照射される。
【0113】主レーザビーム3によって、半導体薄膜1
0の加熱溶融すべき領域13内の非単結晶シリコンの温
度が1420℃以上に加熱された後、第一のレーザビー
ム光源1がオフされると、半導体薄膜10のトレーリン
グエッジ領域の温度が、赤外線温度センサ22によって
測定される。
【0114】赤外線温度センサ22によって測定された
半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度が、所
定温度、たとえば、アモルファス化温度よりもわずかに
高い1120℃にまで低下すると、レーザコントローラ
24は、赤外線温度センサ22からの測定信号に基づ
き、第二のレーザビーム光源2に駆動信号を出力して、
第二のレーザビーム光源2をオンさせる。
【0115】その結果、副レーザビーム6は、基板11
に対して、半導体薄膜10の反対側に設けられた平面反
射ミラー21によって反射され、透明な移動台12およ
びガラスよりなる基板11を介して、主レーザビーム3
が照射されている半導体薄膜10の加熱溶融すべき領域
13のトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接
領域14に照射される。
【0116】ここに、第二のレーザビーム光源2のパワ
ーは、第二のレーザビーム光源2から発せられた副レー
ザビーム6を、トレーリングエッジ領域の上流側に隣接
する隣接領域14に照射することによって、第一のレー
ザビーム光源1がオフされた後、半導体薄膜10の加熱
溶融すべき領域13のトレーリングエッジ領域の温度
が、非単結晶シリコンのアモルファス化温度である11
00℃を越える温度に保持されるように、選択されてい
る。
【0117】しかしながら、第二のレーザビーム光源2
をオンさせたにもかかわらず、何らかの理由で、赤外線
温度センサ22によって測定された半導体薄膜10のト
レーリングエッジ領域の温度が、所定温度、たとえば、
非単結晶シリコンのアモルファス化温度よりもわずかに
高い1120℃にまで低下した場合には、レーザコント
ローラ24は、第二のレーザビーム光源2のパワーを増
大させ、他方、赤外線温度センサ22によって測定され
た半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度が高
くなりすぎた場合には、レーザコントローラ24は、第
二のレーザビーム光源2のパワーを低下させるように、
第二のレーザビーム光源2のパワーを制御する。
【0118】本実施態様によれば、赤外線温度センサ2
2によって、半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域
の温度を測定し、トレーリングエッジ領域の温度が、所
定温度、たとえば、非単結晶シリコンのアモルファス化
温度よりもわずかに高い1120℃にまで低下したとき
に、第二のレーザビーム光源2をオンさせて、副レーザ
ビーム6を半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の
上流側に隣接する隣接領域14に照射するように、第二
のレーザビーム光源2を制御しているので、加熱溶融さ
れた半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域内の非単
結晶シリコンがアモルファス化することを確実にかつ効
果的に防止して、所望のように、非単結晶シリコンを結
晶化させ、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体
薄膜10を有する薄膜半導体装置を製造することが可能
になる。
【0119】さらに、本実施態様によれば、第二のレー
ザビーム光源2をオンさせたにもかかわらず、赤外線温
度センサ22によって測定された半導体薄膜10のトレ
ーリングエッジ領域の温度が、所定温度、たとえば、非
単結晶シリコンのアモルファス化温度よりもわずかに高
い1120℃以下にまで低下した場合には、第二のレー
ザビーム光源2のパワーを増大させ、他方、赤外線温度
センサ22によって測定された半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域の温度が高くなりすぎた場合には、第
二のレーザビーム光源2のパワーを低下させるように、
第二のレーザビーム光源2のパワーが、レーザコントロ
ーラ24によって制御されているので、加熱溶融された
半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域内の非単結晶
シリコンがアモルファス化することをより確実にかつ効
果的に防止して、所望のように、非単結晶シリコンを結
晶化させ、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体
薄膜10を有する薄膜半導体装置を製造することが可能
になる。
【0120】図6は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【0121】図6に示されるように、本実施態様にかか
るレーザアニール装置は、主レーザビーム3が照射され
ている半導体薄膜10の加熱溶融すべき領域13のトレ
ーリングエッジ領域15の温度をモニターする赤外線温
度センサ22と、赤外線温度センサ22によって温度を
測定すべき半導体薄膜10の領域を決定するためのモニ
ター23と、赤外線温度センサ22によって測定された
半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度にした
がって、第二のレーザビーム光源2をオン・オフ制御す
るレーザコントローラ24を備えている点を除いて、図
2に示されたレーザアニール装置と同様の構成を有して
いる。
【0122】本実施態様においては、レーザコントロー
ラ24は、赤外線温度センサ22によって測定された半
導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度に基づ
き、第一のレーザビーム光源1がオフされた後の半導体
薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度の低下速度α
℃/秒を算出して、メモリ(図示せず)に記憶可能で、
赤外線温度センサ22によって測定される半導体薄膜1
0のトレーリングエッジ領域の温度に基づいて、トレー
リングエッジ領域内の所定の領域と、その領域からβm
の距離にあるトレーリングエッジ領域15の上流側の半
導体薄膜10の領域との間の温度差γ℃を検出し、(α
×β÷γ)が、20m/秒を越えたときに、第二のレー
ザビーム光源2をオンさせるように構成されている。こ
こに、20m/秒は非単結晶シリコンの最大結晶化速度
である。
【0123】図5に示された実施態様と同様に、第二の
レーザビーム光源2のパワーは、第二のレーザビーム光
源2から発せられた副レーザビーム6を、トレーリング
エッジ領域の上流側に隣接する隣接領域14に照射する
ことによって、第一のレーザビーム光源1がオフされた
後、半導体薄膜10の加熱溶融すべき領域13のトレー
リングエッジ領域の温度が、非単結晶シリコンのアモル
ファス化温度である1100℃を越える温度に保持され
るように、選択されている。
【0124】しかしながら、第二のレーザビーム光源2
をオンさせたにもかかわらず、何らかの理由で、赤外線
温度センサ22によって測定された半導体薄膜10の温
度に基づいて算出した(α×β÷γ)の値が、非単結晶
シリコンの最大結晶化速度である20m/秒を越えると
きは、レーザコントローラ24は、第二のレーザビーム
光源2のパワーを増大させ、これに対して、赤外線温度
センサ22によって測定された半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域の温度に基づいて算出したトレーリン
グエッジ領域の冷却速度が低くなりすぎた場合には、レ
ーザコントローラ24は、第二のレーザビーム光源2の
パワーを低下させるように、第二のレーザビーム光源2
のパワーを制御する。
【0125】本実施態様によれば、トレーリングエッジ
領域15内の非単結晶シリコンの冷却速度を、所望のよ
うに、制御することができ、加熱溶融された半導体薄膜
10のトレーリングエッジ領域内の非単結晶シリコンが
アモルファス化することを確実にかつ効果的に防止し
て、所望のように、非単結晶シリコンを結晶化させ、表
面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜10を有
する薄膜半導体装置を製造することが可能になる。
【0126】さらに、本実施態様によれば、第二のレー
ザビーム光源2をオンさせたにもかかわらず、赤外線温
度センサ22によって測定された半導体薄膜10の温度
に基づいて算出した(α×β÷γ)の値が、非単結晶シ
リコンの最大結晶化速度である20m/秒を越えるとき
は、第二のレーザビーム光源2のパワーを増大させ、こ
れに対して、赤外線温度センサ22によって測定された
半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度に基づ
いて算出したトレーリングエッジ領域の冷却速度が低く
なりすぎた場合には、第二のレーザビーム光源2のパワ
ーを低下させるように、レーザコントローラ24によっ
て、第二のレーザビーム光源2のパワーが制御されてい
るので、加熱溶融された半導体薄膜10のトレーリング
エッジ領域内の非単結晶シリコンがアモルファス化する
ことをより確実にかつ効果的に防止して、所望のよう
に、非単結晶シリコンを結晶化させ、表面平滑性に優
れ、高移動度で均一な半導体薄膜10を有する薄膜半導
体装置を製造することが可能になる。
【0127】図7は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【0128】図7に示されるように、本実施態様にかか
るレーザアニール装置においては、第二のレーザビーム
光源2から発せられた副レーザビーム6を発散させる凹
レンズ25を備え、副レーザビーム6は、凹レンズ25
によって発散された後、反射ミラー9によって反射され
て、半導体薄膜10の領域14に入射するように構成さ
れている。
【0129】本実施態様においては、第二のレーザビー
ム光源2は、第一のレーザビーム光源1と同時に、オン
され、第一のレーザビーム光源1がオフされた後も、所
定の時間にわたり、オンされているように構成されてい
る。
【0130】図8は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【0131】図8に示されるように、本実施態様にかか
るレーザアニール装置においては、反射ミラー9は設け
れておらず、第一のレーザビーム光源1は、ホモジナイ
ザ4およびスリット5を介して、基板11に形成された
半導体薄膜10の表面に向けて、主レーザビーム3を入
射させるように構成され、第二のレーザビーム光源2
は、ホモジナイザ7およびスリット8を介して、基板1
1に形成された半導体薄膜10の表面に対して、斜め方
向から、副レーザビーム6を入射させるように構成され
ている。
【0132】本実施態様においては、第二のレーザビー
ム光源2は、第一のレーザビーム光源1がオフされるの
と同時に、オンされ、所定の時間にわたり、オンされて
いるように構成されている。
【0133】本発明は、以上の実施態様および実施例に
限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明
の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の
範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0134】たとえば、前記実施態様においては、非単
結晶シリコンによって形成された半導体薄膜10を加熱
溶融して、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導体
薄膜を有する薄膜半導体装置を製造する場合につき、説
明を加えたが、本発明は、非単結晶シリコンによって形
成された半導体薄膜10を加熱溶融して、表面平滑性に
優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導体
装置を製造する場合に限定されるものではなく、非単結
晶シリコン−ゲルマニウム、非単結晶ゲルマニウムその
他の非単結晶半導体によって形成された半導体薄膜を加
熱溶融して、表面平滑性に優れ、高移動度で均一な半導
体薄膜を有する薄膜半導体装置を製造する場合に広く適
用することができる。
【0135】さらに、前記実施態様および実施例におい
ては、共振波長308nmのXeClエキシマレーザが
用いられているが、XeClエキシマレーザに代えて、
XeFエキシマレーザ(共振波長351nm)、KrF
エキシマレーザ(共振波長248nm)、KrClエキ
シマレーザ(共振波長222nm)、ArFエキシマレ
ーザ(共振波長193nm)およびFエキシマレーザ
(共振波長157nm)などのエキシマレーザを用いて
もよい。
【0136】また、図2に示された実施態様において
は、第二のレーザビーム光源2は、第一のレーザビーム
光源1と同時にオンされ、オフされるように制御され、
図5および図6に示された実施態様においては、第一の
レーザビーム光源1がオフされた後、トレーリングエッ
ジ領域の冷却状態にしたがって、第二のレーザビーム光
源2がオンされ、図7に示された実施態様においては、
第一のレーザビーム光源1と第二のレーザビーム光源2
が同時にオンされ、図8に示された実施態様において
は、第二のレーザビーム光源2が、第一のレーザビーム
光源1がオフされるのと同時に、オンされるように構成
されているが、少なくとも、第二のレーザビーム光源2
から発せられた副レーザビーム6が、半導体薄膜10の
加熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の上流側
に隣接する隣接領域14に照射され、第一のレーザビー
ム光源1がオフされた後、非単結晶シリコンの結晶化が
完了するまでの間、トレーリングエッジ領域内の非単結
晶シリコンの冷却速度を所定速度以下に制御することが
できればよく、第二のレーザビーム光源2がオンされる
タイミングが、とくに、限定されるものではない。
【0137】さらに、図5および図6に示された実施態
様においては、赤外線温度センサ22およびレーザコン
トローラ24が設けられて、第一のレーザビーム光源1
がオフされた後、半導体薄膜10のトレーリングエッジ
領域の温度が測定されて、半導体薄膜10のトレーリン
グエッジ領域の温度あるいは冷却速度にしたがって、第
二のレーザビーム光源2がオン・オフ制御されている
が、図7および図8に示された実施態様においても、図
5および図6に示された実施態様と全く同様にして、赤
外線温度センサ22およびレーザコントローラ24を設
けて、半導体薄膜10のトレーリングエッジ領域の冷却
状態にしたがって、第二のレーザビーム光源2をオン・
オフ制御することもできる。
【0138】また、図5に示された実施態様において
は、第一のレーザビーム光源1がオフされた後、半導体
薄膜10のトレーリングエッジ領域の温度を、赤外線温
度センサ22によって測定し、半導体薄膜10のトレー
リングエッジ領域の温度にしたがって、第二のレーザビ
ーム光源2のオンしているが、図2、図7および図8に
示された実施態様と同様にして、第二のレーザビーム光
源2をオンするタイミングをあらかじめ実験的に決定し
ておき、実験的に決定したタイミングにしたがって、第
二のレーザビーム光源2をオン・オフ制御するようにし
てもよい。
【0139】さらに、前記実施態様においては、エネル
ギービームとしてレーザビームが用いられているが、レ
ーザビームを用いることは必ずしも必要がなく、他のコ
ヒーレントな光ビームを用いることができるし、さらに
は、トレーリングエッジ領域の上流側に隣接する隣接領
域14に照射するエネルギービームとしては、レーザビ
ームなどのコヒーレントな光ビームを用いることは必ず
しも必要がなく、コヒーレントでない光ビームを用いる
こともでき、たとえば、電子ビーム、電磁波、原子ビー
ム、分子ビームなどを用いることもできる。
【0140】また、前記実施態様におては、基板11と
して、ガラス基板を用いているが、ガラスに代えて、プ
ラスチック基板などを用いることもできる。
【0141】さらに、前記実施態様においては、主レー
ザビーム3を照射することによって、半導体薄膜10の
加熱溶融すべき領域13の温度が、1420℃以上にな
るように、第一のレーザビーム光源1のパワーが、レー
ザビーム光源制御手段16によって制御されているが、
主レーザビーム3を照射することによって、半導体薄膜
の加熱溶融すべき領域13の温度が、結晶化温度以上に
なるように、主レーザビーム3のパワーが制御されてい
ればよく、半導体薄膜10の加熱溶融すべき領域13の
温度が、1420℃以上になるように、第一のレーザビ
ーム光源1のパワーを制御することは必ずしも必要でな
い。
【0142】また、前記実施態様においては、副レーザ
ビーム6をトレーリングエッジ領域の上流側に隣接する
隣接領域14に照射することによって、半導体薄膜10
のトレーリングエッジ領域の温度が、1100℃を越え
る温度に保持されるように、第二のレーザビーム光源2
のパワーが、レーザビーム光源制御手段16によって制
御されているが、半導体薄膜10のトレーリングエッジ
領域の温度が、アモルファス化温度を越える温度に保持
されるように、第二のレーザビーム光源2のパワーが制
御されればよく、半導体薄膜10のトレーリングエッジ
領域の温度が、1100℃を越える温度に保持されるよ
うに、第二のレーザビーム光源2のパワーを制御するこ
とは必ずしも必要でない。
【0143】また、図6に示された実施態様において
は、赤外線温度センサ22によって測定された半導体薄
膜10の温度に基づいて算出した(α×β÷γ)の値
が、非単結晶シリコンの最大結晶化速度である20m/
秒を越えたときに、第二のレーザビーム光源2をオンさ
せているが、トレーリングエッジ領域内の非単結晶シリ
コンの冷却速度にしたがって、第二のレーザビーム光源
2をオンさせて、トレーリングエッジ領域内の非単結晶
シリコンの冷却速度を制御すればよく、(α×β÷γ)
の値が、非単結晶シリコンの最大結晶化速度である20
m/秒を越えたときに、第二のレーザビーム光源2をオ
ンさせるように制御することは必ずしも必要がない。
【0144】さらに、図2および図7に示された実施態
様においては、反射面9aおよび反射面9bを備えたV
字状の反射ミラー9を用いているが、別個の反射ミラー
を用いて、主レーザビーム3および副レーザビーム6を
反射させるようにすることもできる。
【0145】また、図5に示された実施態様において
は、第二のレーザビーム光源2、ホモジナイザ7および
スリット8が、基板11に対して、半導体薄膜10の反
対側に設けられているが、第二のレーザビーム光源2、
ホモジナイザ7およびスリット8を、基板11に対し
て、半導体薄膜10の側に設け、第一のレーザビーム光
源1、ホモジナイザ4およびスリット5を、基板11に
対して、半導体薄膜10の反対側に設けるようにしても
よい。
【0146】さらに、図2に示された実施態様において
は、基板11に対して、半導体薄膜10の側に、第一の
レーザビーム光源1、第二のレーザビーム光源2、ホモ
ジナイザ4、7、スリット5、8および反射ミラー9を
設けているが、第一のレーザビーム光源1、第二のレー
ザビーム光源2、ホモジナイザ4、7、スリット5、8
および反射ミラー9を基板11に対して、半導体薄膜1
0の反対側に設けるようにしてもよい。
【0147】さらに、図7に示された実施態様において
は、凹レンズ25によって、副レーザビーム6を発散さ
せているが、凹レンズ25以外の手段によって、副レー
ザビーム6を発散させるようにしてもよい。
【0148】また、図2、図5および図7に示された実
施態様において、V字状反射ミラー9によって反射され
なかった主レーザビーム3および副レーザビーム6なら
びに平面反射ミラー20、21によって反射されなかっ
た主レーザビーム3および副レーザビーム6が、半導体
薄膜10に照射されることがないように、V字状反射ミ
ラー9によって反射されなかった主レーザビーム3およ
び副レーザビーム6ならびに平面反射ミラー20、21
によって反射されなかった主レーザビーム3および副レ
ーザビーム6を導くミラーを、それぞれ、設けることも
できる。
【0149】さらに、図8に示された実施態様において
は、第一のレーザビーム光源1は、ホモジナイザ4およ
びスリット5を介して、基板11に形成された半導体薄
膜10の表面に向けて、主レーザビーム3を入射させる
ように構成され、第二のレーザビーム光源2は、ホモジ
ナイザ7およびスリット8を介して、基板11に形成さ
れた半導体薄膜10の表面に対して、斜め方向から、副
レーザビーム6を入射させるように構成されているが、
第二のレーザビーム光源2を、ホモジナイザ7およびス
リット8を介して、基板11に形成された半導体薄膜1
0の表面にに向けて、副レーザビーム6を入射させるよ
うに構成し、第一のレーザビーム光源1を、ホモジナイ
ザ4およびスリット5を介して、基板11に形成された
半導体薄膜10の表面に対して、斜め方向から、主レー
ザビーム3を入射させるように構成することもできる。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、エネルギービームによ
って、加熱溶融された半導体薄膜の一部がアモルファス
化することを確実にかつ効果的に防止して、表面平滑性
に優れ、高移動度で均一な半導体薄膜を有する薄膜半導
体装置を製造することのできる薄膜半導体装置の製造方
法および装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、アモルファスシリコン膜の加熱特性を
示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施態様にかかるレ
ーザアニール装置の略縦断面図である。
【図3】図3は、第一のレーザビーム光源から発せられ
た主レーザビームおよび第二のレーザビーム光源から発
せられた副レーザビームの強度分布を示すグラフであ
る。
【図4】図4は、ホモジナイザーおよびスリットを通過
した主レーザビームおよびホモジナイザーおよびスリッ
トを通過した副レーザビームの強度分布を示すグラフで
ある。
【図5】図5は、本発明の別の好ましい実施態様にかか
るレーザアニール装置の略縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の好ましい実施態様にかか
るレーザアニール装置の略縦断面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに他の好ましい実施態様
にかかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【図8】図8は、本発明のさらに他の好ましい実施態様
にかかるレーザアニール装置の略縦断面図である。
【符号の説明】 1 第一のレーザビーム光源 2 第二のレーザビーム光源 3 主レーザビーム 4 ホモジナイザー 5 スリット 6 副レーザビーム 7 ホモジナイザー 8 スリット 9 反射ミラー 9a 反射面 9b 反射面 10 半導体薄膜 11 基板 12 移動台 13 加熱溶融されるべき半導体薄膜の領域 14 副レーザビームが照射される半導体薄膜の領域 16 レーザビーム光源制御手段 20 平面反射ミラー 21 平面反射ミラー 22 赤外線温度センサ 23 モニター 24 レーザコントローラ 25 凹レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/263 H01L 21/263 F Z

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に形成された非単結晶半導体の半導
    体薄膜に、第一のエネルギービームを照射し、前記第一
    のエネルギービームによって、前記半導体薄膜を走査し
    て、前記非単結晶半導体を結晶化させる薄膜半導体装置
    の製造方法であって、前記第一のエネルギービームの走
    査方向に対して、前記第一のエネルギービームが照射さ
    れる前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域のトレーリン
    グエッジ領域の上流側に隣接する前記半導体薄膜の隣接
    領域を第二のエネルギービームによって照射することを
    特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一のエネルギービームの照射が停
    止される以前に、前記第一のエネルギービームが照射さ
    れる前記半導体薄膜の領域の上流側に隣接する前記半導
    体薄膜の前記隣接領域を第二のエネルギービームによっ
    て照射することを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一のエネルギービームの照射が停
    止された後に、前記第一のエネルギービームが照射され
    る前記半導体薄膜の領域の上流側に隣接する前記半導体
    薄膜の前記隣接領域を第二のエネルギービームによって
    照射することを特徴とする請求項1または2に記載の薄
    膜半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第一のエネルギービームの照射が停
    止された後、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前
    記トレーリングエッジ領域の温度をモニターし、前記ト
    レーリングエッジ領域の冷却状態にしたがって、前記半
    導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービー
    ムを照射することを特徴とする請求項3に記載の薄膜半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
    前記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下にな
    ったときに、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第
    二のエネルギービームを照射することを特徴とする請求
    項4に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第二のエネルギービームが照射され
    ているにもかかわらず、前記半導体薄膜の加熱溶融すべ
    き領域の前記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度
    以下になったときに、前記第二のエネルギービームのパ
    ワーを増大させることを特徴とする請求項5に記載の薄
    膜半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 モニターされた前記半導体薄膜の加熱溶
    融すべき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度に基
    づき、前記トレーリングエッジ領域の冷却速度を算出
    し、前記トレーリングエッジ領域の冷却速度を、前記ト
    レーリングエッジ領域と、前記第一のエネルギービーム
    の走査方向に対して、前記トレーリングエッジ領域の上
    流側の前記半導体薄膜との間の温度勾配で除した値が、
    最大結晶化速度よりも大きくなったときに、前記半導体
    薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを
    照射することを特徴とする請求項4に記載の薄膜半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第二のエネルギービームが照射され
    ているにもかかわらず、前記半導体薄膜の加熱溶融すべ
    き領域の前記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度
    以下になったときに、前記第二のエネルギービームのパ
    ワーを増大させることを特徴とする請求項7に記載の薄
    膜半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第一のエネルギービームの照射が停
    止された後に、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の
    前記トレーリングエッジ領域の温度が、アモルファス化
    温度を越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜
    の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射
    することを特徴とする請求項3または4に記載の薄膜半
    導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第一のエネルギービームの照射が
    停止された後、前記半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度
    で除した時間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶
    融すべき領域の前記トレーリングエッジ領域が、アモル
    ファス化温度を越える温度に保持されるように、前記半
    導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービー
    ムを照射することを特徴とする請求項9に記載の薄膜半
    導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域
    の前記トレーリングエッジ領域の温度が、結晶化温度以
    上になるように、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前
    記第二のエネルギービームを照射することを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれか1項に記載の薄膜半導体
    装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記非単結晶半導体が、非単結晶シリ
    コンよりなることを特徴とする請求項1ないし11のい
    ずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記トレーリングエッジ領域と、前記
    第一のエネルギービームの走査方向に対して、前記トレ
    ーリングエッジ領域の上流側の前記半導体薄膜との間の
    温度勾配で除した値が、20m/秒よりも大きくなった
    ときに、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記第二の
    エネルギービームを照射することを特徴とする請求項1
    2に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第一のエネルギービームの照射が
    停止された後に、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域
    の前記トレーリングエッジ領域の温度が、1100℃を
    越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記
    隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射するこ
    とを特徴とする請求項12に記載の薄膜半導体装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記第一のエネルギービームの照射が
    停止された後、前記半導体薄膜の膜厚を20m/秒で除
    した時間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融す
    べき領域の前記トレーリングエッジ領域が、アモルファ
    ス化温度を越える温度に保持されるように、前記半導体
    薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを
    照射することを特徴とする請求項12に記載の薄膜半導
    体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第一のエネルギービームの照射が
    停止された後、前記半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度
    で除した時間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶
    融すべき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度が1
    100℃を越える温度に保持されるように、前記半導体
    薄膜の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを
    照射することを特徴とする請求項15に記載の薄膜半導
    体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第一のエネルギービームの照射が
    停止された後、前記半導体薄膜の膜厚を20m/秒で除
    した時間以上にわたって、前記半導体薄膜の加熱溶融す
    べき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度が110
    0℃を越える温度に保持されるように、前記半導体薄膜
    の前記隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照射
    することを特徴とする請求項12に記載の薄膜半導体装
    置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域
    の前記トレーリングエッジ領域の温度が、1420℃以
    上になるように、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前
    記第二のエネルギービームを照射することを特徴とする
    請求項17に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第二のエネルギービームの少なく
    とも一部を発散させて、前記半導体薄膜の前記隣接領域
    に照射することを特徴とする請求項1ないし18のいず
    れか1項に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第一のエネルギービームおよび前
    記第二のエネルギービームを、前記基板に対して、同じ
    側から、前記半導体薄膜に照射することを特徴とする請
    求項1ないし19のいずれか1項に記載の薄膜半導体装
    置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第一のエネルギービームおよび前
    記第二のエネルギービームを、前記基板に対して、反対
    側から、前記半導体薄膜に照射することを特徴とする請
    求項1ないし19のいずれか1項に記載の薄膜半導体装
    置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記第一のエネルギービームが、コヒ
    ーレントな光ビームによって構成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし21のいずれか1項に記載の薄膜半導
    体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第二のエネルギービームが、コヒ
    ーレントな光ビームによって構成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし22のいずれか1項に記載の薄膜半導
    体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第一のエネルギービームが、レー
    ザビームによって構成されたことを特徴とする請求項1
    ないし23のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 前記第二のエネルギービームが、レー
    ザビームによって構成されたことを特徴とする請求項1
    ないし24のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製
    造方法。
  26. 【請求項26】 前記レーザビームが、XeFエキシマ
    レーザ(共振波長351nm)、XeClエキシマレー
    ザ(共振波長308nm)、KrFエキシマレーザ(共
    振波長248nm)、KrClエキシマレーザ(共振波
    長222nm)、ArFエキシマレーザ(共振波長19
    3nm)およびFエキシマレーザ(共振波長157n
    m)よりなる群から選ばれるエキシマレーザによって構
    成されたことを特徴とする請求項24または25に記載
    の薄膜半導体装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記第二のエネルギービームが、コヒ
    ーレントでない光ビームによって構成されたことを特徴
    とする請求項12ないし22、24および26のいずれ
    か1項に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記第二のエネルギービームが、電子
    ビームによって構成されたことを特徴とする請求項26
    に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 第一のエネルギービーム光源と、第二
    のエネルギービーム光源と、前記第一のエネルギービー
    ム光源から発せられた第一のエネルギービームおよび前
    記第二のエネルギービーム光源から発せられた第二のエ
    ネルギービームを、基板に形成された非単結晶半導体よ
    りなる半導体薄膜上を走査させるエネルギービーム走査
    手段と、前記第一のエネルギービーム光源および前記第
    二のエネルギービーム光源のオン・オフを制御するエネ
    ルギービーム光源制御手段とを備え、前記エネルギービ
    ーム走査手段が、前記第一のエネルギービームおよび前
    記第二のエネルギービームの走査方向に対して、前記第
    一のエネルギービームが照射される前記半導体薄膜の加
    熱溶融すべき領域のトレーリングエッジ領域の上流側に
    隣接する隣接領域に、前記第二のエネルギービームを照
    射可能に、前記半導体薄膜の前記第一のエネルギービー
    ムおよび前記第二のエネルギービームの光路を設定する
    ように構成されたことを特徴とする薄膜半導体装置の製
    造装置。
  30. 【請求項30】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第一のエネルギービームの照射が停止される以
    前に、前記第二のエネルギービーム光源をオンさせるよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項29に記載の薄
    膜半導体装置の製造装置。
  31. 【請求項31】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第一のエネルギービームの照射が停止された後
    に、前記第二のエネルギービーム光源をオンさせるよう
    に構成されたことを特徴とする請求項29に記載の薄膜
    半導体装置の製造装置。
  32. 【請求項32】 さらに、前記半導体薄膜の加熱溶融す
    べき領域の前記トレーリングエッジ領域の温度をモニタ
    ーする温度検出手段を備え、前記第一のエネルギービー
    ム光源がオフされた後、前記温度検出手段によってモニ
    ターされた前記トレーリングエッジ領域の冷却状態にし
    たがって、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記
    第二のエネルギービーム光源をオンさせるように構成さ
    れたことを特徴とする請求項31に記載の薄膜半導体装
    置の製造装置。
  33. 【請求項33】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第一のエネルギービーム光源がオフされた後、
    前記温度検出手段によってモニターされた前記半導体薄
    膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリングエッジ領域
    の温度が所定温度以下になったときに、前記第二のエネ
    ルギービーム光源をオンさせるように構成されたことを
    特徴とする請求項32に記載の薄膜半導体装置の製造装
    置。
  34. 【請求項34】 前記第二のエネルギービームが照射さ
    れているにもかかわらず、前記温度検出手段によってモ
    ニターされた前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前
    記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下になっ
    たときに、前記エネルギービーム光源制御手段が、前記
    第二のエネルギービームのパワーを増大させるように構
    成されたことを特徴とする請求項33に記載の薄膜半導
    体装置の製造装置。
  35. 【請求項35】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記温度検出手段によってモニターされた前記半導
    体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレーリングエッジ
    領域の温度に基づいて、前記トレーリングエッジ領域の
    冷却速度を算出し、前記トレーリングエッジ領域の冷却
    速度を、前記トレーリングエッジ領域と前記第一のエネ
    ルギービームの走査方向に対して、前記トレーリングエ
    ッジ領域の上流側の前記半導体薄膜との間の温度勾配で
    除した値が、最大結晶化速度よりも大きくなったとき
    に、前記第二のエネルギービーム光源をオンさせるよう
    に構成されたことを特徴とする請求項32に記載の薄膜
    半導体装置の製造装置。
  36. 【請求項36】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第二のエネルギービーム光源をオンしたにもか
    かわらず、前記温度検出手段によってモニターされた前
    記トレーリングエッジ領域の温度が所定温度以下になっ
    たときに、前記第二のエネルギービーム光源のパワーを
    増大させるように構成されたことを特徴とする請求項3
    5に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  37. 【請求項37】 前記温度検出手段が、赤外線温度セン
    サによって構成されたことを特徴とする請求項32ない
    し36のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装
    置。
  38. 【請求項38】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
    リングエッジ領域の温度が、アモルファス化温度を越え
    る温度に保持されるように、前記半導体薄膜の前記隣接
    領域に、前記第二のエネルギービームを照射するように
    構成されたことを特徴とする請求項29ないし37のい
    ずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  39. 【請求項39】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の温度が、結
    晶化温度以上になるように、前記半導体薄膜の加熱溶融
    すべき領域に、前記第一のエネルギービームを照射する
    ように構成されたことを特徴とする請求項29ないし3
    8のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  40. 【請求項40】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
    後、前記半導体薄膜の膜厚を最大結晶化速度で除した時
    間以上にわたって、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、
    前記第二のエネルギービームを照射するように構成され
    たことを特徴とする請求項29、31ないし39のいず
    れか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  41. 【請求項41】 前記非単結晶半導体が、非単結晶シリ
    コンよりなることを特徴とする請求項29ないし40の
    いずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  42. 【請求項42】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記トレーリングエッジ領域の冷却速度を、前記ト
    レーリングエッジ領域と前記第一のエネルギービームの
    走査方向に対して、前記トレーリングエッジ領域の上流
    側の前記半導体薄膜との間の温度勾配で除した値が、最
    20m/秒よりも大きくなったときに、前記第二のエネ
    ルギービーム光源をオンさせるように構成されたことを
    特徴とする請求項41に記載の薄膜半導体装置の製造装
    置。
  43. 【請求項43】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の前記トレー
    リングエッジ領域の温度が、1100℃を越える温度に
    保持されるように、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領
    域の前記トレーリングエッジ領域に、前記第二のエネル
    ギービームを照射するように構成されたことを特徴とす
    る請求項41または42に記載の薄膜半導体装置の製造
    装置。
  44. 【請求項44】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記半導体薄膜の加熱溶融すべき領域の温度が、1
    420℃以上になるように、前記半導体薄膜の加熱溶融
    すべき領域に、前記第一のエネルギービームを照射する
    ように構成されたことを特徴とする請求項41ないし4
    3のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  45. 【請求項45】 前記エネルギービーム光源制御手段
    が、前記第一のエネルギービームの照射が停止された
    後、前記半導体薄膜の膜厚を20m/秒で除した時間以
    上にわたって、前記半導体薄膜の前記隣接領域に、前記
    第二のエネルギービームを照射するように構成されたこ
    とを特徴とする請求項41、43ないし44のいずれか
    1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  46. 【請求項46】 さらに、前記第二のエネルギービーム
    の少なくとも一部を発散させて、前記半導体薄膜の前記
    隣接領域に照射するエネルギービーム発散手段を備えた
    ことを特徴とする請求項29ないし45のいずれか1項
    に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  47. 【請求項47】 前記第一のエネルギービーム光源およ
    び前記第二のエネルギービーム光源が、前記基板に対し
    て、同じ側に設けられたことを特徴とする請求項29な
    いし46のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造
    装置。
  48. 【請求項48】 前記第一のエネルギービーム光源およ
    び前記第二のエネルギービーム光源が、前記基板に対し
    て、反対側に設けられたことを特徴とする請求項29な
    いし46のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造
    装置。
  49. 【請求項49】 前記第一のエネルギービーム光源が、
    コヒーレントな光ビームを発生する光ビーム光源によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項29ないし48の
    いずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  50. 【請求項50】 前記第二のエネルギービーム光源が、
    コヒーレントな光ビームを発生する光ビーム光源によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項29ないし49の
    いずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
  51. 【請求項51】 前記第一のエネルギービーム光源が、
    レーザビーム光源によって構成されたことを特徴とする
    請求項29ないし50のいずれか1項に記載の薄膜半導
    体装置の製造装置。
  52. 【請求項52】 前記第二のエネルギービーム光源が、
    レーザビーム光源によって構成されたことを特徴とする
    請求項29ないし51のいずれか1項に記載の薄膜半導
    体装置の製造装置。
  53. 【請求項53】 前記レーザビームが、XeFエキシマ
    レーザ(共振波長351nm)、XeClエキシマレー
    ザ(共振波長308nm)、KrFエキシマレーザ(共
    振波長248nm)、KrClエキシマレーザ(共振波
    長222nm)、ArFエキシマレーザ(共振波長19
    3nm)およびFエキシマレーザ(共振波長157n
    m)よりなる群から選ばれるエキシマレーザによって構
    成されたことを特徴とする請求項51または52に記載
    の薄膜半導体装置の製造装置。
  54. 【請求項54】 前記第二のエネルギービーム光源が、
    コヒーレントでない光ビームを発生するように構成され
    たことを特徴とする請求項29ないし49、51および
    53のいずれか1項に記載の薄膜半導体装置の製造装
    置。
  55. 【請求項55】 前記第二のエネルギービーム光源が、
    電子ビームを発生するように構成されたことを特徴とす
    る請求項54に記載の薄膜半導体装置の製造装置。
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