JP2001176544A - ナトリウム・硫黄2次電池及びその放電深度、残存容量判定方法 - Google Patents

ナトリウム・硫黄2次電池及びその放電深度、残存容量判定方法

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JP2001176544A
JP2001176544A JP36036399A JP36036399A JP2001176544A JP 2001176544 A JP2001176544 A JP 2001176544A JP 36036399 A JP36036399 A JP 36036399A JP 36036399 A JP36036399 A JP 36036399A JP 2001176544 A JP2001176544 A JP 2001176544A
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negative electrode
secondary battery
sulfur
positive electrode
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Masaru Kadoshima
勝 門島
Yuichi Kamo
友一 加茂
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力貯蔵用等の目的で使用する際には、電池の
放電可能電荷量に対して現時点がどれだけ電荷を放電し
た状態であるかを示す放電深度や、放電限界までの残存
容量を正確に測定し、その情報を用いて充放電制御を行
うことが効率的かつ安全な運転を行うのに有効な方法で
ある。 【解決手段】ナトリウムイオン伝導性を有する固体電解
質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極活
物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極活
物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容したナト
リウム・硫黄2次電池において、該負極容器内に存在す
る溶融ナトリウム量を計測する手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナトリウム・硫黄2
次電池及びその放電深度、残存容量判定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム・硫黄2次電池は、ナトリウ
ムイオン導電性を有する固体電解質と、それによって隔
てられた負極活物質であるナトリウムを収容する負極室
と、正極活物質である硫黄を含浸した耐食性及び電子伝
導性を持つ炭素繊維等の物質(以下、正極集電材と呼
ぶ)を収容する正極室によって構成される動作温度300
〜350℃の密閉型2次電池である。
【0003】従来のナトリウム・硫黄2次電池は、図1
に示すように有底円筒状の固体電解質管1の外側と内側
に正極室及び負極室が形成され、その正極室には正極活
物質の硫黄9が収容され、負極室内には負極活物質であ
るナトリウム5と固体電解質管が万が一破損した場合に
硫黄とナトリウムとの直接反応を防ぐための安全管6が
存在する構造になっている。放電時においては、安全管
底部等に存在する硫黄供給穴から安全管と固体電解質管
との隙間に溶融状態のナトリウムが供給され、負極側固
体電解質管表面でナトリウムがイオン化され生成したナ
トリウムイオンが固体電解質管内部を透過して正極室内
の硫黄或いは多硫化ナトリウムと反応することで放電が
行われるようになっている。また、充電時には、放電反
応と全く逆の反応が起こることで充電が行われるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電力貯蔵用等の目的で
使用する際には、電池の放電可能電荷量に対して現時点
がどれだけ電荷を放電した状態であるかを示す放電深度
や、放電限界までの残存容量を正確に測定し、その情報
を用いて充放電制御を行うことが効率的かつ安全な運転
を行うのに有効な方法である。また、ナトリウム・硫黄
2次電池を多数本直並列に接続したモジュールとして制
御する際には、電池管のばらつきから特定の電池が過放
電状態に陥りやすいこと、さらに充電・放電末期では電
池の抵抗は急激に上昇するが、電池のばらつきにより電
池抵抗が未だ低い状態にある電池に電流が集中し、電池
にダメージを与える等の懸念が存在することから、電池
の放電深度や残存容量の判定による充放電制御を行うこ
とが不可欠である。
【0005】従来、この電池の放電深度及び残存容量の
一般的な判定方法としては、特開平8−17478号に記載の
あるように、充放電回路に流れる極性の異なる充放電電
流をシャント抵抗を用いて電圧に変換し、さらに演算装
置で電圧を電流値に変換するとともに積分装置で積算す
ることによって電池の放電深度を求めている。また、残
存容量は制御方法によって決定される電池放電限界量か
ら現時点での放電深度を差分することによって求めてい
る。この方法では、放電深度を運転開始から継続して電
流値を時間で積算して求めるが、電力貯蔵用の用途では
数千サイクル・十数年間の使用が求められており、計測
系のわずかな誤差が累積し大きな誤差となってしまうと
いう問題がある。またこれをクリアする計測系は莫大な
コストを必要とすることになる。
【0006】別の方法として、特開平8−50930号では単
電池及び複数の電池を一つの単位とした開放電圧を測定
してナトリウム・硫黄2次電池の残存容量を判定する方
法が開示されているが、330℃において電池の開放時平
衡起電力は図2に示すように正極活物質が全て三硫化ナ
トリウムになったときの放電深度を100%と定義した場
合、電池の解放時平衡起電力は放電深度が60 100%の
範囲においてのみでしか変化しないため、特に充電の際
には放電深度の情報は得ることができないという問題が
ある。また、正確な平衡起電力を測定するためには数十
時間以上の待機時間を必要とするものである。
【0007】さらに、特開平10−228927号では、所定の
放電深度になった時点でナトリウム液面が硫黄モールド
上面より低くなり、電池抵抗の上昇を引き起こさせ、そ
の抵抗の変化を検知することで過放電状態から保護する
方法が開示されている。この方法は、過放電状態から保
護するために放電を停止する時点を特定することのみ可
能であるが、その時の放電深度や残存容量等の情報を任
意の時点で得ることは不可能という意味で不利な方法で
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記で示した課題に対
し、本発明では充放電の際に正極室内へとナトリウムイ
オンが流入出するために起こるナトリウム量及び液面の
変化を測定し、ナトリウムの変化量から電池の放電深度
を求めることによって達成できる。具体的には、負極容
器内に電子伝導回路を形成し、その電子抵抗の変化によ
り液面の変化を求める方法と負極容器内の圧力変化を測
定してナトリウム量の変化を求める方法である。
【0009】電子抵抗によるナトリウム量の測定方法に
ついて、図3及び図4に従って説明する。前述したよう
に、ナトリウム・硫黄2次電池において放電時にはナト
リウムがナトリウムイオンになり正極へ移動し、正極の
硫黄と反応し、多硫化ナトリウムを生成する。このた
め、ナトリウムは、Na→Na++e~で表されるように放電
電荷量に比例してナトリウム液量は減少する。また、充
電においては全く逆の反応により、ナトリウム液量は充
電電荷量に比例して増加する。
【0010】図3に電子抵抗を測定することによってナ
トリウム液量を判定することのできるナトリウム・硫黄
2次電池の概念図を示す。従来(図1)との違いは、ナ
トリウム液面測定用の電子伝導性の棒が負極容器に対し
てガラス等の絶縁性材料によって固定された状態になっ
ているのみである。そこで、図4に示すように、初期の
ナトリウムが最大の状態の時の負極内電子伝導回路の電
子抵抗値R0(Ω)を測定しておき、運転中に同様にして
測定した負極内電子伝導回路の電子抵抗値R(Ω)を用
いて、
【0011】
【数1】L=(R−R0)/ρ' を求めることにより、ナトリウムの液面変化L(cm)を
求めることができる。ここで、ρ'(Ωcm)は液面の変
化に伴う抵抗変化率である。このようにして求められた
液面変化Lに安全管内空間の断面積を掛けることで、ナ
トリウムの変化量ΔV(cm3)を判定することができ
る。ナトリウムの変化量ΔV(cm3)に対して、ナトリ
ウムの密度d(g/cm3)とナトリウムの原子量22.99及
びファラデー定数F(=96489(C/mol))を用いて、
次のようにして放電深度変化量を求めることができる。
【0012】
【数2】 (放電深度変化量)=FΔVd/(22.99×3600)(Ah) また、溶融ナトリウム及びSUS製の安全管の300℃に
おける電子抵抗率は20(μΩcm)、100(μΩcm)程度
であることから、ナトリウム液面測定用電子伝導性棒と
して炭素に代表される約1000(μΩcm)以上の材料を使
用すれば、ρ'=ρ(ナトリウム液面測定用電子伝導性
棒の抵抗変化率(Ω/cm))とみなせ、簡単にナトリウ
ム量を求めることができる。しかし、コスト高になる場
合は必ずしもそのような必要はなく、あらかじめρ'の
変化を正確に測定しておけばよい。
【0013】以上で示したように放電深度を測定できる
電池を電力貯蔵用に多数本の直並列接続を行う場合に
は、すべての電池に対しこのような構造を採用してもよ
く、同電流が流れる直列接続された電池群(ストリン
グ)の内の一本に対してでもよく、さらには直並列接続
された電池群(モジュール)中の1本に対して本発明の
電池を組み込んで電池の放電深度及び残存容量を判定
し、その結果に応じて充放電制御を行えば、ナトリウム
・硫黄2次電池による電力貯蔵システムの効率及び安全
性の向上が期待できる。
【0014】図5にナトリウム液面測定用電子伝導性棒
を2本有したナトリウム・硫黄2次電池を示す。この電
池においても、2本のナトリウム液面測定用電子伝導性
棒管の電子抵抗を測定することにより、次式からナトリ
ウム液面高さの変化量を求めることができる。
【0015】
【数3】L=(R-RO)/2ρ(ρ:ナトリウム液面測定用電
子伝導性棒の抵抗変化率(Ω/cm)) さらに、上述した方法と同様の方法で、ナトリウム量並
びに電池の放電深度を判定することができる。
【0016】図6に示す電池構造は、基本的に図3のナ
トリウム・硫黄2次電池と同様の構成であるが、ナトリ
ウム液面測定用電子伝導性棒は中空であり、電池組立時
におけるナトリウム注入のための導入管の役割を果たす
構造になっていることを特徴としている。このような構
造にすれば、特別にナトリウム量測定のための構造を増
やすことなく、従来とほぼ同等の構造のままで済むこと
になる。
【0017】図7に放電終了時にナトリウム液面測定用
電子伝導性棒の下端がナトリウム液面より高くなり、負
極内電子伝導回路が開放状態となる電池の模式図を示
す。このように、過放電を防ぐために所定の放電深度の
時点で負極内電子伝導回路が開放状態となるようにすれ
ば、負極内電子伝導回路の抵抗値は急激に高くなる。そ
の情報を用いれば、電池を過放電状態になるのを防ぐこ
とができ、安全性が増す。
【0018】図8に負極容器内の圧力を測定できるナト
リウム・硫黄2次電池の概念図を示す。この電池におい
ても、運転温度に昇温し、運転開始前の負極の圧力を計
測しておき、その後運転中の負極内圧力をモニタすれば
現時点における電池の放電深度を判定することができ
る。ただし、この方法では高温状態の電池モジュール内
に圧力計測システムを含めることは困難であるので、電
池モジュールの内の一本に負極圧力を計測できるように
し、負極から細管によってモジュール外に取り出して圧
力を計測する方法を採るのが好ましい。
【0019】図13に従来型のナトリウム・硫黄2次電
池を多数本直並列に接続した電池群・モジュールの中に
少なくとも一本、放電深度測定用ナトリウム・硫黄2次
電池を内在させたナトリウム・硫黄2次電池モジュール
の回路図を示す。このように、モジュール内の少なくと
も1本の電池に本発明の放電深度の測定できるナトリウ
ム・硫黄2次電池を使用することでモジュールの放電状
態を把握することができるようになる。また、図14に
多数本直列に接続した電池群・ストリングの中に少なく
とも一本の電池に、本発明の放電深度の測定できるナト
リウム・硫黄2次電池を使用したストリングの回路図を
示す。直列接続されている電池はすべて同じ電流が流れ
ることから、本発明のナトリウム・硫黄2次電池によっ
てストリング内電池の放電深度を正確に測定することが
可能になる。このようにすれば、従来電池に対して少数
本の本発明電池の入れ替えのみですみ、そのために発生
する費用も低く押さえることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示す。こ
こに示す実施例は、本発明に適応した代表的な例を示し
たものであり、ここに示した実施例に限定されるもので
はない。
【0021】(実施例1)図3に示す構造のナトリウム
−硫黄電池を作製した。固体電解質管1の材質はβ”−
アルミナ、正極容器3、負極容器4、負極キャップ7、
正極キャップ11、安全管6の材質はSUS310S、正極端
子12、負極端子13の材質はアルミニウム金属とし
た。安全管6の上部空間には安全管内部のナトリウムを
押し出すためにアルゴンガスが封入されている。安全管
6の底には、液体ナトリウムの供給のために直径0.14mm
の孔を2つ空けた。正極集電体10は、特開平5−54908
号、特開平6−283201号、特開平7−122294号公報等に開
示されている技術を使用した。即ち、図2に示す炭素繊
維を縦横に積層した炭素フェルトを所定形状に切り出し
て正極集電体として使用した。80%の見かけ体積にな
るまで圧縮した後、正極室内に組み込んだ。また、β”
−アルミナ管1と正極集電体10の間に、充電受け入れ
改善層を、特開平6−283203号、特開平6−80593号にお
いて開示された技術と同様の方法で形成した。即ち、
β”−アルミナ管1と正極集電体10の間に厚さ500μ
mのアルミナ織布を挿入して、充電受け入れ改善層とし
た。負極活物質としては金属ナトリウムを343g、正極
活物質としては硫黄を539g使用した。
【0022】本発明に関わるナトリウム液面測定用棒の
材質として、直径11mmの炭素棒を使用した。この炭素棒
には炭素の多孔質体にフェノール樹脂を含浸・熱処理し
たものを用いた。また、炭素棒と負極容器とはガラスに
よって絶縁した。このガラスは負極内の密閉性を破らな
いようにしている。
【0023】図1に、放電時の放電深度に対する負極容
器内電子伝導回路の抵抗値の計測結果を示す。抵抗値は
1kHzの交流を用いて求めた。また炭素棒は約4(mΩc
m)のものを使用した。この炭素棒は溶融ナトリウム及
びSUS製の安全管の300℃における電子抵抗率は2
0(μΩcm)、100(μΩcm)程度に対し十分に抵抗が
高いために、負極容器内電子伝導回路の抵抗値は炭素棒
のナトリウムに浸っていない部分の長さに依存し、その
結果放電深度に対して直線的な変化をしている。この得
られた曲線から、たとえば0.06(Ω)の時の放電深度は
122(Ah)であり、残存容量としては正極活物質が全て
Na2S3になる300(Ah)を放電終了点とすると、残
存容量は278(Ah)として求めることができる。
【0024】このように、負極内にナトリウム液面測定
用の棒を配置して、負極容器内に電子伝導回路を構成す
ることにより、その回路の抵抗値から現在の電池の放電
深度(Ah)を求めることができ、さらに電池の残存容量
(Ah)を求めることができる。図中に示さなかったが、
充電においても同様の曲線から電池の充電状態(Ah)を
求めることができる。
【0025】(実施例2)図5に示すようにナトリウム
液面測定用棒を2本にした以外は実施例1と全く同じ構
成のナトリウム・硫黄2次電池を作製した。この時、負
極活物質としては金属ナトリウムを343g、正極活物質
としては硫黄を539g使用した。
【0026】実施例1と同様にナトリウム液面測定用棒
の材質として、直径11mmの炭素棒を使用した。この炭素
棒には炭素の多孔質体にフェノール樹脂を含浸・熱処理
したものを用いた。また、炭素棒と負極容器とはガラス
によって絶縁した。このガラスは負極内の密閉性を破ら
ないようにしている。
【0027】図10に、放電時の放電深度に対する負極
容器内電子伝導回路の抵抗値の計測結果を示す。抵抗値
は1kHzの交流を用いて求めた。また炭素棒は約4(mΩ
cm)のものを使用した。このときも炭素棒は約4(mΩc
m)のものを使用したため、溶融ナトリウムの300℃
における電子抵抗率は20(μΩcm)と比較して十分に
抵抗が高いために、負極容器内電子伝導回路の抵抗値は
炭素棒のナトリウムに浸っていない部分の長さに依存
し、その結果放電深度に対して直線的な変化をしてい
る。この得られた曲線を用いて実施例1と同様に、たと
えば0.15(Ω)の時の放電深度は183(Ah)であり、残
存容量としては正極活物質が全てNa2S3になる300(Ah)
を放電終了点とすると、残存容量は117(Ah)として求
めることができる。
【0028】このように、負極内にナトリウム液面測定
用の棒を2本配置して、負極容器内に電子伝導回路を構
成することにより、その回路の抵抗値から現在の電池の
放電深度(Ah)を求めることができ、さらに電池の残存
容量(Ah)を求めることができる。図中に示さなかった
が、充電においても同様の曲線から電池の充電状態(A
h)を求めることができる。また、負極容器内電子伝導
回路に充放電電流の通過する安全管を使用していないた
め、直流でも抵抗を計測することができ、さらに、ナト
リウム液面測定用棒が2本であるため、実施例1に比べ
てその感度が約2倍となりより精密な電池の放電深度の
計測が可能となる (実施例3)図6に示すようにナトリウム液面測定用棒
が1本であり、電子伝導性の棒がナトリウム注入棒の役
割を果たす構造にした以外は実施例1と全く同じ構成の
ナトリウム・硫黄2次電池を作製した。この時、負極活
物質としては金属ナトリウムを343g、正極活物質とし
ては硫黄を539g使用した。
【0029】ここではナトリウム液面測定用棒の材質と
して、中空の直径10mmの炭素棒(肉厚3mm)を使用し
た。この炭素棒には炭素の多孔質体にフェノール樹脂を
含浸・熱処理したものを用いた。また、炭素棒と負極容
器とはガラスによって絶縁した。このガラスは負極内の
密閉性を破らないようにしている。また、ナトリウム液
面測定用棒の上端は、ネジ止めができるようになってお
り、ナトリウム注入の際にはナトリウム注入用のフレキ
シブルチューブをつなげ、ナトリウム注入後にはキャッ
プで封止した。
【0030】図11に、放電時の放電深度に対する負極
容器内電子伝導回路の抵抗値の計測結果を示す。抵抗値
は1kHzの交流を用いて求めた。また炭素棒は約4(mΩ
cm)のものを使用した。このときも炭素棒は約4(mΩc
m)のものを使用したため、溶融ナトリウムの300℃
における電子抵抗率は20(μΩcm)と比較して十分に抵
抗が高いために、負極容器内電子伝導回路の抵抗値は炭
素棒のナトリウムに浸っていない部分の長さに依存し、
その結果放電深度に対して直線的な変化をしている。こ
の得られた曲線を用いて実施例1と同様に、たとえば0.1
4(Ω)の時の放電深度は167(Ah)であり、残存容量と
しては正極活物質が全てNa2S3になる300(Ah)を放電終
了点とすると、残存容量は133(Ah)として求めること
ができる。
【0031】以上示したように、負極内にナトリウム液
面測定用棒を1本配置し、電子伝導性の棒がナトリウム
注入棒8の役割を果たす構造をすることにより、その回
路の抵抗値から現在の電池の放電深度(Ah)を求めるこ
とができ、さらに電池製造時のナトリウム注入の機能も
果たすために従来構造である図1と殆ど構造が同じとな
る。またこのときも図中に示さなかったが、充電におい
ても同様の曲線から電池の充電状態(Ah)を求めること
ができる。
【0032】(実施例4)図8に示すように負極内圧力
を計測可能としたナトリウム・硫黄2次電池を作製し
た。負極内圧力を測定する計測器までの配管以外は従来
構造と同様の構造であり、電池構成材料についてはナト
リウム液面測定用棒を使用しないこと以外は実施例1と
同じとした。この時、負極活物質としては金属ナトリウ
ムを343g、正極活物質としては硫黄を539g使用した。
【0033】図12に放電時の放電深度に対する負極内
圧力の計測結果を示す。放電深度に対し、負極内圧力は
大きく変化をしており、逆に実際の充放電時には負極内
の圧力を計測することによって、図12に示した曲線か
ら電池の放電深度及び残存容量を求めることができる。
【0034】このように本発明によれば、負極容器内の
圧力を計測する方法でも電池の放電深度及び残存容量を
求めることができ、電池を安全に運転するための有益な
情報を得ることが可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように、該負極容器内に
存在する溶融ナトリウム量の計測により放電深度を求
め、その放電深度に基づいて残存容量を判定すること
で、充放電サイクル数を重ねても放電深度測定が正確に
測定できるため、十数年の使用が求められる電力貯蔵用
の用途においても効率的かつ安全な充放電制御が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のナトリウム・硫黄2次電池の断面図。
【図2】ナトリウム・硫黄2次電池の330℃における
開放時平衡起電力を示したグラフ。
【図3】本発明に関わる、ナトリウム液面測定用棒を負
極内に配置して負極内において電子伝導回路を構成した
ナトリウム・硫黄2次電池の概念図。
【図4】図3に示したナトリウム・硫黄2次電池の測定
方法を示す図。
【図5】本発明に関わる、ナトリウム液面測定用棒を2
本負極内に配置して負極内において電子伝導回路を構成
したナトリウム・硫黄2次電池の概念図。
【図6】本発明に関わる、ナトリウム液面測定用棒を負
極内に配置して負極内において電子伝導回路を構成し、
さらに電子伝導性の棒がナトリウム注入棒の役割を果た
すナトリウム・硫黄2次電池の概念図。
【図7】ナトリウム液面測定用棒の下端が該放電末期に
溶融ナトリウムの液面より上部となり、負極容器内電子
伝導回路が開放状態となることを示した図。
【図8】本発明に関わる、負極内の圧力測定によりナト
リウム量を判定することのできるナトリウム・硫黄2次
電池の概念図。
【図9】実施例1で作製した電池の放電深度と負極容器
内電子伝導回路の抵抗値の関係を測定した結果を示す
図。
【図10】実施例2で作製した電池の放電深度と負極容
器内電子伝導回路の抵抗値の関係を測定した結果を示す
図。
【図11】実施例3で作製した電池の放電深度と負極容
器内電子伝導回路の抵抗値の関係を測定した結果を示す
図。
【図12】実施例4で作製した電池の放電深度と負極内
圧力の関係を測定した結果を示す図。
【図13】従来型のナトリウム・硫黄2次電池を多数本
直並列に接続した電池群・モジュールの中に少なくとも
一本、放電深度測定用ナトリウム・硫黄2次電池を内在
させたナトリウム・硫黄2次電池モジュールの回路図。
【図14】従来型のナトリウム・硫黄2次電池を多数本
直列に接続した電池群・ストリングの中に少なくとも一
本、放電深度測定用ナトリウム・硫黄2次電池を内在さ
せたナトリウム・硫黄2次電池ストリングの回路図。
【符号の説明】
1…固体電解質管、2…正負極絶縁用α−アルミナリン
グ、3…正極容器、4…負極容器、5…負極活物質ナト
リウム、6…安全管、7…負極キャップ、8…ナトリウ
ム注入棒、9…正極活物質硫黄、10…正極導電材、1
1…正極キャップ、12…正極端子、13…負極端子、
14…ナトリウム液面測定用電子伝導性棒、15…絶縁
用ガラス、16…ナトリウム液面測定用電子伝導性棒、
兼ナトリウム注入棒、17…従来型ナトリウム・硫黄2
次電池、18…放電深度測定用ナトリウム・硫黄2次電
池、19…モジュール、20…ストリング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ05 AJ12 AK05 AL13 AM15 BJ02 BJ16 BJ27 5H030 AA03 AA04 AA06 AS20 DD05 FF10 FF31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体電
    解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極
    活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極
    活物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容したナ
    トリウム・硫黄2次電池において、該負極容器内に存在
    する溶融ナトリウム量を計測する手段を備えていること
    を特徴とするナトリウム・硫黄2次電池。
  2. 【請求項2】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体電
    解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極
    活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極
    活物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容したナ
    トリウム・硫黄2次電池において、該負極容器内安全管
    内側に存在する溶融ナトリウム量を計測する手段を備え
    ていることを特徴とするナトリウム・硫黄2次電池。
  3. 【請求項3】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体電
    解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極
    活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極
    活物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容したナ
    トリウム・硫黄2次電池の残存容量判定方法において、
    該負極容器内に存在する溶融ナトリウム量の計測により
    放電深度を求め、該放電深度に基づいて残存容量を判定
    することを特徴とするナトリウム・硫黄2次電池の放電
    深度及び残存容量判定方法。
  4. 【請求項4】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体電
    解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極
    活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極
    活物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容したナ
    トリウム・続黄2次電池において、該負極容器内に溶融
    ナトリウムを介する電子伝導回路を形成していることを
    特徴とする請求項1に記載のナトリウム・硫黄2次電
    池。
  5. 【請求項5】 請求項3において、該負極容器内電子伝
    導回路は溶融ナトリウムと安全管と、ナトリウム及び安
    全管の材質より電子伝導抵抗値が十分に大きい材質から
    なる棒で構成されることを特徴とするナトリウム・硫黄
    2次電池。
  6. 【請求項6】 請求項3において、該負極容器内電子伝
    導回路は溶融ナトリウムと、該ナトリウムに浸っている
    溶融ナトリウムより電子伝導抵抗値が十分に大きい材質
    からなる棒2本で構成されることを特徴とするナトリウ
    ム・硫黄2次電池。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし5において、該負極容器
    内電子伝導回路は溶融ナトリウムと安全管と、ナトリウ
    ム及び安全管の材質より電子伝導抵抗値が十分に大きい
    材質からなる棒で構成され、さらに該放電末期には該棒
    の下端が溶融ナトリウムの液面より上部となり、該負極
    容器内電子伝導回路が開放状態となることを特徴とする
    ナトリウム・硫黄2次電池。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし6に記載のナトリウム・
    硫黄2次電池において、該負極容器内に溶融ナトリウム
    を介する電子伝導回路を形成し、該電子伝導回路の抵抗
    値から溶融ナトリウム量もしくはナトリウム液面の変化
    を計測することを特徴とするナトリウム・硫黄2次電池
    の残存容量判定方法。
  9. 【請求項9】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体電
    解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負極
    活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正極
    活物質である硫黄または多硫化ナトリウムに対する耐食
    性及び電子伝導性を有す正極集電体に硫黄を含浸した正
    極成形体を収容したナトリウム・硫黄2次電池におい
    て、該負極容器内の圧力を計測する装置を有することを
    特徴とする請求項1に記載のナトリウム・硫黄2次電
    池。
  10. 【請求項10】 ナトリウムイオン伝導性を有する固体
    電解質により正,負極室に隔てられ、該負極室内には負
    極活物質であるナトリウムを収容し、該正極室内には正
    極活物質である硫黄または多硫化ナトリウムを収容した
    ナトリウム・硫黄2次電池の残存容量判定方法におい
    て、該負極容器内の圧力を計測し、該圧力の変化からナ
    トリウム量を計測する事を特徴とする請求項2に記載の
    ナトリウム・硫黄2次電池の残存容量判定方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から2、ないし4から7、な
    いし9に記載のナトリウム・硫黄2次電池が、多数本直
    並列に接続した電池群・モジュールの中に少なくとも一
    本内在することを特徴とするナトリウム・硫黄2次電池
    モジュール。
  12. 【請求項12】 請求項1から2、ないし4から7、な
    いし9に記載のナトリウム・硫黄2次電池が、多数本直
    列に接続した電池群・ストリングの中に少なくとも一本
    内在することを特徴とするナトリウム・硫黄2次電池ス
    トリング。
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