JP2001176059A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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Abstract
力を兼ね備え、さらに、シード層の成膜条件にかかわら
ず、高温高湿条件下においてもクラックおよび剥離が発
生しない耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 プラスチック基板表面に、それぞれ少な
くとも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、お
よび保護層が順次積層された磁気記録媒体であって、前
記緩衝層は原子量が47よりも小さい元素を主成分とす
る金属膜、および/または0〜100℃において線膨張
係数が20×10-6/Kより大きい金属膜から成る。
Description
タの外部記録装置として主流となっている磁性膜を具え
たハードディスクドライブ(HDD)に用いられる磁気
記録媒体に関し、さらに詳しくは、今後巨大な市場へと
成長することが予想されるAV−HDD用途の磁気記録
媒体の中でも低価格帯において主流になるであろうプラ
スチック基板を使用した磁気記録媒体であって、表面の
平坦性を犠牲にすることなく記録層を制御して高い保磁
力を実現し、特に耐久性が改良された磁気記録媒体に関
する。
の面記録密度は、開発段階で20Gbits/in2に
まで達している。このような磁気記録の高密度化にとも
なって、媒体表面上の単位ビットに相当する面積に含ま
れる結晶粒の数も1000個近くになっている。したが
って、磁気ノイズを低下させるためには結晶サイズが小
さく均一である磁性膜から成る記録層が必要とされる。
て、記録された磁化方向を安定に保持する能力、すなわ
ち保磁力は低下する。
膜を行う前に砥粒などを用いて基板表面の磁化方向に平
行に線状の細かな凹凸を形成した構造(テクスチャー構
造)を設けることが一般的である。そして、高密度の記
録媒体の記録層として最もよく用いられているCo系磁
性膜(Cr、Ta、Ptなどを含む合金膜)の場合は、
媒体表面に設けられたテクスチャーによってその結晶容
易軸の方向を制御して、3000〜4000Oeの高い
保磁力を実現している。
好適な磁気記録媒体として、磁気記録媒体の基板上に形
成するCrまたはCrTiの下地膜の厚みを所定の値に
設定したものも開発されている(特開平10−2894
35号公報)。
って一層小さな磁化領域を高いSN比で書き込むため
に、書き込み/読み出しヘッドを記録媒体表面に一層近
づけることが要求されるようになった。現在、ヘッド浮
上量は20Gbits/in2で19nm以下、50G
bits/in2で15nm以下と見積もられている。
そして、今後も磁気記録の高密度化に対応して磁気記録
媒体とデータR/W用ヘッドとの間隔を狭くすることが
求められると予想される。
必要とされる磁気記録媒体とデータR/W用ヘッドとの
間隔を狭くするということと、基板表面にテクスチャー
などの凹凸を設けることとは相反する要求である。した
がって、基板表面にテクスチャーなどの凹凸を設けるな
ど、表面平坦性を犠牲にして磁性膜の結晶性および磁気
特性を向上させるのではなく、平坦性を犠牲にせず、あ
るいは向上させながら、記録層を制御して高い保磁力を
実現する技術の提供が切望されている。
は、従来、アルミ合金、ガラスなどが用いられていた
が、最近では形状安定性に優れた樹脂の開発が進み、ア
ルミ合金やガラスに比べて成形がしやすく廉価な基板を
製造できるなどの理由から、ポリカーボネートやポリオ
レフィンなどの樹脂を射出成形してなる基板をHDD用
の磁気媒体に使用する試みがなされている。
性を向上させ、且つ保磁力をも向上せしめた磁気記録媒
体として、図2に示すような、プラスチック基板と下地
層との間に、ある種の金属膜から成るシード層を設けた
磁気記録媒体、すなわち、プラスチック基板表面に、そ
れぞれ少なくとも1層の、Tiを主成分として含有する
シード層、下地層、記録層、および保護層が順次積層さ
れた磁気記録媒体を開発した(特願平11−20372
5号)。
付近の線膨張率を比較すると、ポリオレフィンやポリカ
ーボネートの線膨張率は6〜7×10-5/K、一方、C
oの線膨張率は1.2×10-5/Kであり、樹脂材料の
方が数倍大きい。金属膜とプラスチック基板との熱収縮
の違いおよび両者間の弱い密着性のために、プラスチッ
ク基板は、アルミ基板やガラス基板に比べて基板上の膜
が剥がれ易いという問題がある。磁気記録媒体は、一般
的に、日常の使用環境の変化に対しても十分な信頼性を
保持できるようにいくつかの信頼性加速試験が行われて
いる。この試験の1つに、例えば85℃で相対湿度80
%という高温高湿雰囲気に磁気記録媒体を長時間暴露し
た後、膜質の劣化を評価する項目があり、この試験によ
ってもプラスチック基板を用いた磁気記録媒体は、アル
ミ基板やガラス基板を用いたものに比べて耐久性が劣る
ということが明らかにされている。
表面に、それぞれ少なくとも1層の、Tiを主成分とし
て含有するシード層、下地層、記録層、および保護層が
順次積層された磁気記録媒体において、さらに、プラス
チック基板とシード層との間に、金属膜、シリコン膜、
シリサイド膜、炭素含有絶縁膜、シリコン窒化膜、シリ
コン炭化膜、およびシリコン酸化膜からなる群から選択
された少なくとも1種の膜から成るバインダー層を設け
て、プラスチック基板とシード層との間の密着性を高め
た磁気記録媒体も開発した(特願平11−203725
号)。
(Diamond-like carbon)、TiC膜などのバインダー
膜は、温度変化が繰り返し生じるような環境下で使用す
ると膜表面にクラックが入ることがある。
変化が繰り返し生じるような環境下で使用すると、バイ
ンダー膜の成膜条件によっては剥離が生じる場合があ
る。
は、基板の表面の平坦性と高い保磁力を兼ね備え、さら
に、シード層の成膜条件にかかわらず、高温高湿条件下
でもクラックおよび剥離が発生しない耐久性に優れた磁
気記録媒体を提供することにある。
課題を解決するために、シード層の成膜にあたり成膜粒
子が衝突してプラスチック基板表面に及ぼすダメージを
緩和することにより、および/または、昇温降温にとも
なうプラスチック基板とシード層との膨張収縮の差を緩
和することにより、基板の表面の平坦性と高い保磁力を
維持したままプラスチック基板とシード層の剥離および
クラックの発生を防止し、耐久性に優れた磁気記録媒体
を提供できることを見出した。
記録媒体は、プラスチック基板表面に、それぞれ少なく
とも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、およ
び保護層が順次積層された磁気記録媒体であって、前記
緩衝層は前記シード層の成膜粒子の衝突によるダメージ
を緩和できる層であることを特徴とする。
媒体は、第1の形態において、緩衝層は、原子量が47
よりも小さい元素を主成分とする金属膜から成ることを
特徴とする。
は、プラスチック基板表面に、それぞれ少なくとも1層
の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、および保護層
が順次積層された磁気記録媒体であって、前記緩衝層
は、昇温降温にともなう前記プラスチック基板と前記シ
ード層との膨張収縮の差を緩和できる層であることを特
徴とする。
媒体は、第3の形態において、緩衝層は、0〜100℃
において線膨張係数が20×10-6/Kより大きい金属
膜から成ることを特徴とする。
は、プラスチック基板表面に、それぞれ少なくとも1層
の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、および保護層
が順次積層された磁気記録媒体であって、前記緩衝層は
前記シード層の成膜粒子の衝突によるダメージを緩和で
き、且つ昇温降温にともなう前記プラスチック基板と前
記シード層との膨張収縮の差を緩和できる層であること
を特徴とする。
媒体は、第5の形態において、記緩衝層は、原子量が4
7よりも小さい元素を主成分とする金属膜であって、0
〜100℃において線膨張係数が20×10-6/Kより
大きい金属膜から成ることを特徴とする。
気記録媒体は、第1〜第6の形態のいずれかの磁気記録
媒体において、記録層が、強磁性金属結晶粒子と該粒子
間に析出した絶縁体とから成ることを特徴とする。
れ少なくとも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録
層、および保護層が順次積層されている。図1は好まし
いひとつの形態を表し、プラスチック基板表面に、緩衝
層、シード層、下地層、記録層、および保護層が順次連
続積層されて成る磁気記録媒体である。
慣用のいかなるプラスチック基板でもよい。具体的な基
板形成材料としては、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリイミドなどを挙げることができる。特に、
ポリカーボネートおよびポリオレフィンを射出成形して
成る基板が好適に用いられる。
性を向上させ、且つ保磁力も向上せしめることができる
層である。このような機能を有する層は、具体的には、
Tiを主成分として含有する金属膜から成る。Tiを主
成分として含有する金属膜とは、Tiのみからなる金属
膜、Cr−Ti合金膜などを挙げることができる。保磁
力を向上せしめるという点ではTi膜が好ましい。
好ましくは10〜20nm、さらに好ましくは5〜10
nmである。シード層は1層でも多層でもよい。
る成分から形成されてもよく、特に限定されない。具体
的には、Cr、Cr−W、Cr−V、Cr−Mo、Cr
−Si、Ni−Al、Co67Cr33、Mo、W、Pt、
Al2O3などから成る。
しくは30〜50nm、さらに好ましくは20〜30n
mである。下地層は1層でも多層でもよい。
り、好ましくは強磁性金属結晶粒子とその粒子間に析出
した絶縁体とから成る磁性膜から成る。アルミ合金やガ
ラスなどの基板と異なり、プラスチック基板を用いた場
合には、プラスチック材料固有のガラス転移温度以上の
高温、通常、約100〜300℃での成膜ができない。
そこで、常温付近の成膜温度でも高い保磁力を得るため
に、強磁性金属結晶粒子に絶縁体を混合した材料が好適
に用いられる。
た絶縁体とから成る磁性膜は、グラニュラー膜と呼ばれ
ている膜である。グラニュラー膜は、例えば、従来のC
o系磁性膜を構成するCo、Cr、Ta、Ptなどの金
属元素にSiO2、Al2O3、Cr2O3などの安定な酸
化物を数%から数10%混入させた材料を、スパッタリ
ング法で成膜して、Co系の磁性材料の微粒子(この粒
子が単一のグレインに対応する)が、添加された酸化物
によって取り囲まれネットワーク構造を形成している。
グラニュラー膜は、従来の強磁性金属のみから構成され
る磁性膜と比較して、粒径を小さくしても比較的保磁力
が大きい熱的に安定な膜、すなわち、高保磁力を持つ膜
を常温成膜でも形成できる磁性膜である。
属を含む磁性膜は、具体的には、Co−Cr−Pt、C
o−Cr−Ta−Pt、CoCrTaPt−Cr2O3、
CoPt−SiO2、CoCrTaPt−SiO2、(C
o60Cr28Pt12)−(Cr 2O3)、(Co60Cr28P
t12)−(SiO2)、(Co60Cr28Pt12)−(Z
rO2)、(Co60Cr28Pt12)−(TiO2)、(C
o60Cr28Pt12)−(Al2O3)などを成分とする磁
性膜である。(Co60Cr28Pt12)−(Cr 2O3)、
(Co60Cr28Pt12)−(SiO2)、(Co60Cr
28Pt12)−(ZrO2)、(Co60Cr28Pt12)−
(TiO2)、(Co60Cr28Pt12)−(Al2O3)
から成るグラニュラー膜が特に好ましい。
ましくは10〜20nmである。記録層は1層でも多層
でもよい。
ドの衝撃、外界の腐食性物質などの腐食から保護する機
能を有する。このような機能を提供できる慣用のいかな
る成分から形成されてもよく特に限定されないが、具体
的には、炭素、窒素含有炭素、水素含有炭素などから成
る。
ましくは5〜10nmである。保護層は1層でも多層で
もよい。
り成膜粒子が衝突してプラスチック基板表面に及ぼすダ
メージを緩和することができるか、または、昇温降温に
ともなうプラスチック基板とシード層との膨張収縮の差
を緩和することができる層である。両方の機能を有する
緩衝層が一層好ましい。
組み合わせてプラスチック基板上に層を形成し耐久性を
検討した。結果は以下の表に示されるとおりであった。
mTorr) 高温高湿:1気圧、80℃、80%
ック基板との間のバインダー層として用いることができ
る炭素膜、ケイ素膜、SiN膜などでは、剥離は発生し
ないが、膜表面にクラックが発生することがわかった。
すなわち、原子量の小さい元素を成膜した場合には、成
膜によるダメージが小さく膜の剥離は発生しないが、バ
インダー層の線膨張係数がプラスチック基板の線膨張係
数(60〜70×10 -6/K)より小さいため、昇温降
温によって引き起こされるプラスチック基板の膨張収縮
によってクラックが入るものと考えられる。そして、シ
ード層の線膨張係数もプラスチック基板の線膨張係数よ
り小さいため、このようなバインダー層を用いた場合に
は、シード層にもクラックが発生するものと考えられ
る。
るためには、上記のようなバインダー層に代えて、昇温
降温にともなうプラスチック基板とシード層との膨張収
縮の差を緩和することができる層を設ける必要がある。
ード層との間に、TiやCrよりも線膨張係数の大きい
金属膜、すなわち、0〜100℃において線膨張係数が
20×10-6/Kより大きい金属膜から成る緩衝層を設
けることによりもたらされる。このような金属膜は、A
l、NiAlなどである。
場合には、成膜圧力が低い場合には金属粒子の平均自由
工程が長くなるため、成膜圧力の高い成膜条件の場合と
比較して成膜粒子が運動量の大きい状態でプラスチック
基板表面に衝突する確率が大きい。その結果、プラスチ
ック基板表面での成膜粒子のマイグレーションが大きく
なり緻密な膜を形成することができるが、基板に及ぼす
ダメージの程度は大きくなると考えられる。このように
プラスチック基板に及ぼされたダメージによって基板表
面から膜剥離が生じる。さらにまた、緻密な膜ができる
ことによって、プラスチック基板と膜との線膨張係数の
差が大きい場合には膜の表面にクラックが生じることが
ある。
圧力を上げた場合、膜剥がれはある程度抑えられるが、
膜の緻密さが低くなると同時に膜表面の凹凸も大きくな
る。
ド層とプラスチック基板との間の剥離を防止するには、
シード層の成膜にあたり成膜粒子が衝突してプラスチッ
ク基板表面に及ぼすダメージを緩和することが必要であ
る。
ード層との間に、TiやCrよりも原子量が小さい元
素、すなわち、原子量が47より小さい元素を主成分と
する金属膜から成る緩衝層によりもたらされる。
る金属膜とは、原子量が47より小さい元素を少なくと
も50%含み、シード層の成膜にあたり成膜粒子が衝突
してプラスチック基板表面に及ぼすダメージを緩和する
ことができるという機能を緩衝層にもたらす膜である。
さい元素は、アルミニウム、ケイ素などであり、そのよ
うな元素と合金を形成し得る元素は、ニッケル、鉄、マ
ンガン、銅、亜鉛、モリブデンなどである。このよう合
金の具体例は、Al、AlTi、AlSi、AlTa、
AlV、AlZr、NiAl、NiP、NiFe、Ni
Siなどである。シード層とプラスチック基板の線膨張
係数の差によって生じる、昇温降温にともなう両者の膨
張収縮の差を緩和することができる、Al膜、Alを少
なくとも50%含むNiAl合金膜が特に好ましい。
供する場合でも、5〜100nmであり、好ましくは5
〜50nmであり、1層でも多層でもよい。
ないが、通常、各方式スパッタ法により成膜される。以
下の表に、ポリカーボネートまたはポリオレフィンから
成るプラスチック基板への各層のスパッタリング法によ
る代表的な成膜条件を示す。
との間に、記録層を形成するグラニュラー膜からのCo
が媒体表面に溶け出して生じる腐食を防止するために、
Co溶出防止膜を形成してもよい。
もよい。潤滑層は、パーフルオロ−ポリエーテル、プラ
ズマ重合フッ化炭素などから成る。
ド状、または帯状などいかなる形態の磁気記録媒体にも
適用できる。
本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
されたプラスチック基板上に、NiAl合金(50:5
0)から50nmの緩衝層を成膜し、順次、Tiから2
0nmのシード層、Crから50nmの下地層、Co系
材料から30nmの記録層、Tiから3nmのCo溶出
防止層、およびグラファイトから10nmの保護層を連
続して成膜した。シード層の成膜圧力は、実施例1が高
圧力(〜100mTorr)であり、実施例2が低圧力
(数mTorr)であった。
℃、80%という高温高湿条件下に、24時間および5
00時間放置した後の、プラスチック基板からの剥離の
有無、およびシード層のクラックの有無を観察した。結
果は表3に示す。
く、それ以外の層を実施例1と同様に成膜した。シード
層の成膜圧力は、比較例1が高圧力(〜100mTor
r)であり、比較例2が低圧力(数mTorr)であっ
た。
験を行った。結果は表3に示す。
なく、それ以外の層を実施例1と同様に成膜した。下地
層の成膜圧力は、対照例1が高圧力(〜100mTor
r)であり、対照例2が低圧力(数mTorr)であっ
た。
験を行い、プラスチック基板からの層剥離の有無、下地
層表面のクラックの有無を観察した。結果は表3に示
す。
成膜することなく、実施例1と同様にそれ以外の層を成
膜した。下地層の成膜圧力は、比較例3が高圧力(〜1
00mTorr)であり、比較例4が低圧力(数mTo
rr)であった。
験を行い、プラスチック基板からの層剥離の有無、下地
層表面のクラックの有無を観察した。結果は表3に示
す。
ド層を成膜した以外は、実施例1と同様に各層を成膜し
た。シード層の成膜圧力は、比較例5が高圧力(〜10
0mTorr)であり、比較例6が低圧力(数mTor
r)であった。
験を行った。結果は表3に示す。
成膜せずに、炭素から20nmのバインダー層を成膜し
た以外は、実施例1と同様に各層を成膜した。バインダ
ー層の成膜圧力は、比較例7が高圧力(〜100mTo
rr)であり、比較例8が低圧力(数mTorr)であ
った。
験を行った。結果は表3に示す。
を比較すると、プラスチック基板とTiシード層との間
に緩衝層を設けたことにより、Tiシード層が高い成膜
圧力の条件下で成膜されても、低い成膜圧力条件下で成
膜されても、プラスチック基板とシード層との剥離も起
こらず、クラックも発生しないことがわかる。
を比較すると、プラスチック基板とCr下地層との間に
緩衝層を設けたことにより、下地層の成膜圧力条件にか
かわらず、高温高湿条件下に500時間放置した後にお
いてもプラスチック基板と下地層との剥離が起こらない
ことがわかる。また、下地層の成膜が低い圧力で行なわ
れた場合には、緻密で線膨張係数の小さい層となる結
果、高温高湿条件下ではクラックが発生していたが、線
膨張係数が20×10-6/Kより大きい緩衝層を設ける
ことによりクラックの発生を防止することができた。し
たがって、本発明の緩衝層は、シード層を具えない従来
の磁気記録媒体においても、その耐久性を改良できるこ
とがわかる。
を比較すると、いずれもプラスチック基板からの剥離は
ないが、クラックが発生していることがわかる。この結
果から、炭素から形成されているバインダー層に対して
は、緩衝層は有効ではないことがわかった。これは、炭
素は原子量が小さいため、成膜によるプラスチック基板
へのダメージが小さく、したがって膜の剥離は発生せ
ず、このような層は線膨張係数がプラスチック基板の線
膨張係数よりもあまりに小さいため、緩衝層を設けても
昇温降温によって引き起こされるプラスチック基板の膨
張収縮を緩和しきれず、クラックが入るからであると考
えられる。
面の平坦性と高い保磁力を兼ね備え、さらに、シード層
の成膜条件にかかわらず、高温高湿条件下においてもク
ラックおよび剥離が発生しない耐久性に優れた磁気記録
媒体を提供することができる。このような磁気記録媒体
は、磁気記録の一層の高密度化に十分に対応できるもの
である。
媒体の断面概略図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 プラスチック基板表面に、それぞれ少な
くとも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、お
よび保護層が順次積層された磁気記録媒体であって、前
記緩衝層は前記シード層の成膜粒子の衝突によるダメー
ジを緩和できる層であることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項2】 前記緩衝層は、原子量が47よりも小さ
い元素を主成分とする金属膜から成ることを特徴とする
請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 プラスチック基板表面に、それぞれ少な
くとも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、お
よび保護層が順次積層された磁気記録媒体であって、前
記緩衝層は、昇温降温にともなう前記プラスチック基板
と前記シード層との膨張収縮の差を緩和できる層である
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記緩衝層は、0〜100℃において線
膨張係数が20×10-6/Kより大きい金属膜から成る
ことを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 プラスチック基板表面に、それぞれ少な
くとも1層の、緩衝層、シード層、下地層、記録層、お
よび保護層が順次積層された磁気記録媒体であって、前
記緩衝層は前記シード層の成膜粒子の衝突によるダメー
ジを緩和でき、且つ昇温降温にともなう前記プラスチッ
ク基板と前記シード層との膨張収縮の差を緩和できる層
であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項6】 前記緩衝層は、原子量が47よりも小さ
い元素を主成分とする金属膜であって、0〜100℃に
おいて線膨張係数が20×10-6/Kより大きい金属膜
から成ることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項7】 前記記録層は、強磁性金属結晶粒子と該
粒子間に析出した絶縁体とから成ることを特徴とする請
求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35799799A JP2001176059A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2001176059A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6911256B2 (en) | 2003-06-30 | 2005-06-28 | Imation Corp. | Buffer layers for magnetic media with a plastic substrate |
US7160571B2 (en) | 2001-12-25 | 2007-01-09 | Fuji Electric Co., Ltd. | Method of manufacturing a magnetic recording medium |
US7270898B2 (en) | 2002-04-04 | 2007-09-18 | Fujitsu Limited | Polycrystalline structure of ordered alloy and method of making the same |
JPWO2007099754A1 (ja) * | 2006-03-03 | 2009-07-16 | コニカミノルタオプト株式会社 | 磁気記録媒体用基板及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-12-16 JP JP35799799A patent/JP2001176059A/ja active Pending
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