JP2001174851A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001174851A
JP2001174851A JP36194999A JP36194999A JP2001174851A JP 2001174851 A JP2001174851 A JP 2001174851A JP 36194999 A JP36194999 A JP 36194999A JP 36194999 A JP36194999 A JP 36194999A JP 2001174851 A JP2001174851 A JP 2001174851A
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crystal display
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Nobuyuki Ito
信行 伊藤
Akira Tagawa
晶 田川
Masaaki Kabe
正章 加邉
Tomoaki Furukawa
智朗 古川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高コントラストおよび高速応答を達成し、動
画ボケの無い高品位の画像を再現することができる液晶
表示装置を提供する。 【解決手段】 負の誘電異方性を有する液晶を垂直配向
させ、電界印加により水平配向に変化させるVAモード
において、少なくとも片方の基板1の液晶層側表面に、
画素領域の一辺に突起体14または凹段差部を設ける。
電界印加時には、その辺からそれと対向する辺に向かっ
て液晶分子15が一様方向に傾いて水平配向に変化する
ので、ディスクリネーションを発生させることなく、高
コントラストおよび高速応答が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直配向させた負
の誘電異方性を有する液晶を電界印加により水平配向さ
せて光学変化を生じさせる、所謂VA(Vertical Align
ed:垂直配向)モード液晶表示装置に関する。特に、液
晶配向の傾く方向を対称として配向の不連続点(テ゛ィスクリ
ネーション)を制御する従来の表示装置とは異なり、液晶配
向の傾く方向を非対称にしてディスクリネーションを発
生させることなく、高コントラストおよび高速応答を可
能とした液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、図8に示すように、ガ
ラス等からなる一対の基板1、2をITO(Indium Tin
Oxide)等からなる電極3、4が形成された面を内側に
して貼り合わせて作製される。電極3、4上には必要に
応じて絶縁膜7、8および配向膜9、10が積層され、
配向膜9、10には必要に応じてラビング処理等の配向
処理が施される。そして、所望の径のスペーサー11を
基板上に配置することにより均等な間隔を確保して両基
板が貼り合わせられ、シール剤12によって固定され
る。最後に、シール剤12の一部に設けられた孔から液
晶13を注入して注入孔を封止することにより液晶表示
装置が完成する。
【0003】この液晶表示装置において、上記配向膜
9、10に施される配向処理により、液晶13は一様配
向を呈する。また、各電極3、4は外部に引き出し部を
有し、任意の信号波形電界を液晶13に印加できるよう
になっており、印加される電界に応じて液晶13が配向
状態を変化させ、液晶層を通過する光を偏光、変調させ
る。さらに、必要に応じて光の偏光、変調を可視化させ
る偏光子を設けることにより、表示装置として機能させ
ることができる。なお、液晶層に光を透過させるため、
少なくとも一方の電極はITO等からなる透明電極とす
る必要がある。
【0004】液晶表示装置は、その電極構造により2種
類に分けられる。図9に示すように各基板1、2上にス
トライプ状に形成した電極3、4を交差させた単純マト
リクス方式と、図10に示すように一方の基板1に互い
に交差する信号配線(信号線と走査線)5とトランジス
ター等のスイッチング素子6を形成し、スイッチング素
子6を介して電極3に電位を与えるアクティブマトリク
ス方式である。現在、液晶材料としては、どちらの方式
も殆どがネマティック液晶を使用している。
【0005】このうち、単純マトリクス方式は構造が単
純で、作製が容易である。その反面、画素毎にスイッチ
ング素子を持たないので全ての画素が液晶の静電容量で
結合され、画素数の増加に伴って画素毎のスイッチング
の閾値が明確でなくなり、表示画像が不鮮明になるとい
う、所謂クロストークの問題を本質的に抱えている。ま
た、透明導電膜であるITOやネサ膜は金属等に比較し
て抵抗値が100倍から1000倍程度と高いため、表
示装置の大型化および大表示容量化に伴って、透明電極
の電極抵抗による信号波形の歪みが重大な問題となる。
このため、特開平9−127494号のように、透明電
極と金属配線とを並列に設置して電極抵抗を低減する試
みもなされているが、開口率が低くなることによる輝度
の低下や、単純マトリクス本来の特徴である製造の容易
さが失われる結果となっている。
【0006】一方、アクティブマトリクス方式は、画素
毎にスイッチング素子を作り込むため、単純マトリクス
方式に比べて製造が容易ではない。しかし、各画素を独
立して駆動することができるので、クロストークの問題
が無く、単純マトリクス駆動方式に比べて格段に鮮明な
画像を表示することができる。また、光の透過に寄与し
ない電極配線(走査線や信号線)をTiやAl等の金属
で形成することができ、さらに、対向電極もパターンの
必要が無いベタ形状であるために、電極抵抗による信号
波形の歪みの問題が極めて少ない。よって、表示装置の
大型化および大表示容量化に対しても、比較的容易に対
応することができる。
【0007】さらに、単純マトリクス方式の構造の単純
さを活かして、クロストークの問題を強誘電性液晶によ
り解決しようとする試みもなされている(N.Itoh等によ
るProceedings of The Fifth International Display W
orkshops(IDW'98),(1998)p.205「17"Video-Rate Full Co
lor FLCD」)。従来のネマティック液晶を用いた単純マ
トリクス方式では、メモリー性を持たないため、走査線
毎に高速で表示情報を順に書き込んで行き、書き込まれ
た表示情報を書換信号が入力されるまで電圧を印加しな
いで保持していた。これに対して、強誘電性液晶はメモ
リー性とμs桁の高速応答性を有する(N/Clark等によ
るApply.Phys.Lett.,36(1980),p.899「Submicrosecond b
istable electro-optic switching in liquid crystal
s」)ため、従来の単純マトリクス方式とは異なる線順次
駆動方式を適用することが可能である。これにより、単
純マトリクス方式でも、クロストークが発生することな
く、アクティブマトリクス方式と変わらないような鮮明
な画像を表示することができる。
【0008】しかし、単純マトリクス方式では、強誘電
性液晶を利用した場合でも、電極抵抗の問題は解決され
ない。電極抵抗は信号波形の歪みという問題を発生させ
るが、この問題は表示装置の大型化および大表示容量化
に対してだけではなく、信号波形の高速化に対しても重
大な問題となる。特に、高速応答性を利用する強誘電性
液晶では、上述した透明電極と金属配線とを並列に設置
する技術が不可欠になり、開口率が低くなることによる
輝度の低下や単純マトリクス本来の特徴である製造の容
易さが失われる結果となっている。また、電極抵抗の問
題は、消費電力の増加やパネルの発熱と言った問題も発
生させてしまう。
【0009】このような観点から、一部の低機能な表示
装置を除いて、高解像度で動画表示対応が可能な液晶表
示装置としては、アクティブマトリクス方式の方が優れ
ている。その中でも、スイッチング素子として3端子素
子である薄膜トランジスタ(TFT)を用いたTFT方式
が、2端子素子である金属・絶縁膜・金属積層(MIM)
構造を用いたMIM方式等に比べて優れている。
【0010】現在、TFT方式とネマティック液晶を組
み合わせた表示装置により20型の液晶テレビジョンも
実現され、このTFT−ネマティック液晶方式によって
平面表示装置が技術的に完成し、以後は更なる大型化お
よび大表示容量化に向けて改良を進めるだけのように思
われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示装置(以下、LCDと称する)が、将来の平面表示装置
として現在の表示装置の主流であるCRT(Cathode Ra
y Tube)と競合して大型、大重量という問題を抱えるC
RTと置き換わるためには、画質の点で幾つかの重大な
問題が残されている。最も重要な問題は、信号波形電界
に対する液晶の応答速度が遅いことである。以下に、液
晶の応答速度と画質との関係について説明する。
【0012】現在のTFT−ネマティックLCDでは、
動画表示に表示ボケが知覚され、大きな問題となってい
る。その原因は、栗田による平成10年液晶学会:LCDフォー
ラム主催「LCDがCRTモニターに食い込むには−動画表示の観点
から−」、1項「ホールト゛型テ゛ィスフ゜レイの表示方式と動画表
示における画質」に詳しく説明されている。
【0013】CRTとLCDでは表示光の時間応答が異
なっており、CRTの表示光は図11(a)に示すよう
にインパルス型であり、LCDの表示光は図11(b)
に示すようにホールド型である。これは、液晶が自発発
光ではなく、バックライトの光と透過および遮光させる
シャッターとしてのみ機能していることと、現在広く利
用されているTN(ツイスティット゛ネマティック)液晶の応答速度は
15msであるため、16.7msである1フィールド
内一杯を使って応答していることによる。なお、以下の
説明では、簡単のために応答時間と応答速度とを同一の
意味として表現する。
【0014】このようなホールド型表示では、眼球運動
のうち、動画像を知覚する上で最も重要な随従運動(左
右両眼がほぼ同様に動体に滑らかに追従する動き)と視
覚の時間積分効果がほぼ完全であれば、観察者に知覚さ
れるのは幾つかの画素の平均の明るさとなる。よって、
異なる画素で表現されるはずの画像内容は完全に消失し
てしまう。随従運動は、動き速度の増大と共にその眼球
運動に占める割合が低下する。しかし、4度/秒〜5度
/秒以内の動きであれば、随従運動のみで追従できると
されている。また、短時間での随従運動の最高速度は、
30度/秒とされている。一方、時間積分効果について
は、ある程度以下の輝度であれば、数10ms以内の短
時間の光刺激はほぼ完全に積分されると考えられる。実
際に表示される動画像の多くは、これらの角速度および
輝度を満たすため、ホールド型表示では所謂アイトラッ
キングによって動画ボケが生じてしまう。
【0015】従って、LDCにおいて動画ボケを根本的
に無くすためには、CRTと同じインパルス型表示にす
る必要がある。このためには、バックライトを現在のよ
うに常時点灯させるのではなく、シャッターを用いて見
掛け上のインパルス発光にする方法や高速にフラッシン
グさせる方法があるが、いずれの場合も液晶の応答速度
を現在よりも大幅に高速化する必要がある。
【0016】このことについて図12を用いて説明す
る。この図12(a)では横軸に時間、縦軸にバックラ
イトの発光量を示し、図12(b)では横軸に時間、縦
軸にLCDの透過光量を示す。tはTFTの走査線であ
るゲートを開くために必要な時間(ケ゛ートON時間)であ
り、nは走査線(ケ゛ートライン)の本数である。例えば、走
査線数n本の表示装置では、全てのTFTをONするた
めにt×nの時間を必要とする。図12中の曲線は液晶
の時間応答特性を示し、τrは液晶の立ち上がり応答速
度である。最終n本目のゲートラインをONしてからn
本目のゲートラインに相当する液晶が応答した後に、バ
ックライトを点灯または発光させることによりCRTと
同様なインパルス型表示を行うことができる。
【0017】この場合、液晶の応答速度は、 τ=16.7ms−t×n−T 以下とする必要がある。インパルス型表示として有効な
バックライトの発光期間比率(コンハ゜クション比)は、栗田に
よる平成10年液晶学会:LCDフォーラム主催「LCDがCRTモニター市
場に食い込むには−動画表示の観点から−」、1項「ホール
ト゛型テ゛ィスフ゜レイの表示方式と動画表示における画質」によ
ると、1フィールド16.7msの25%とされてお
り、Tを約4msとしなければならない。また、走査線
数が1025本であるハイビジョン放送を再現しようと
すると、nは約1000である。さらに、TFTのゲー
トON時間tは、現在、20”の大型表示装置で実現さ
れているアモルファスシリコン(αSi)−TFTで約
10μs、大型化は困難であるが電位移動度の高いポリ
シリコン(PSi)−TFTで約3μsである。
【0018】従って、動画ボケの無いフルスペックの動
画像を実現するために必要な液晶の応答速度は、αSi
−TFTを用いた場合には2.5ms以下であり、PS
i−TFTを用いた場合でも9.7msである。このう
ち、PSi−TFTはプロセス温度が1000℃以上と
高いため、通常のガラス基板を使用することができず、
石英ガラス基板を用いなければならない。このため、大
型化が困難であり、フルスペックのハイビジョン放送を
実現する表示装置としては実用性が乏しい。
【0019】図13は、図12とは異なるフィールドで
液晶を基の状態に戻して透過光を遮光する場合を示して
おり、図13(a)では横軸に時間、縦軸にバックライ
トの発光量を示し、図13(b)では横軸に時間、縦軸
にLCDの透過光量を示す。tはTFTの走査線である
ゲートを開くために必要な時間(ケ゛ートON時間)であり、
nは走査線(ケ゛ートライン)の本数である。図13中の曲線
は液晶の時間応答特性を示し、τdは液晶の立ち下がり
応答速度である。このτdも、図12に示した立ち上が
り応答速度τrと同様に、高速性が必要である。従来か
ら良く知られているTN液晶は、上述したように立ち上
がり応答が15ms程度であり、バックライトシステム
をインパルス型にしても、αSi−TFTを用いて2.
5ms以下の応答速度で動画ボケの無いフルスペックの
動画像を実現することは困難である。また、立ち下がり
応答速度はこれよりもさらに遅く、数10msである。
【0020】このようなことから、TN液晶の応答速度
の問題を解決する研究が盛んに行われ、例えばベンドセ
ルまたはパイセルにより高速応答化する研究(宮下等に
よる平成10年液晶学会:LCDフォーラム主催「LCDがCRTモニター市
場に食い込むには−動画表示の観点から−」、7項「OCB
液晶の高速応答特性を利用したフィールト゛シーケンシャルフルカラー液晶
テ゛ィスフ゜レイ」)が良く知られている。ベンド配向セルで
は、従来15ms程度であるTN配向セルの応答速度が
2ms程度まで短くなることが報告されている。この高
速応答化は、液晶の応答によりセル内に生じる液晶の流
れ(フロー)をコントロールすることで達成されている。
このフローは、TN配向のように捩れた配向状態では非
常に大きく、応答速度を遅くする大きな原因となってい
る。従って、スイッチングの過程で捩れが生じないモー
ドであれば、ベンドセルと同様に応答速度を速くするこ
とができる可能性がある。
【0021】このように高速応答性に対して有効なベン
ドセルであるが、高品位のTV画像用として致命的な弱
点がある。宮下等による平成10年液晶学会:LCDフォーラム主
催「LCDがCRTモニター市場に食い込むには−動画表示の観点
から−」、7項「OCB液晶の高速応答特性を利用したフィール
ト゛シーケンシャルフルカラー液晶テ゛ィスフ゜レイ」にあるように、ベンドセ
ルは実用的なコントラストを得るために光学位相差板に
より光学補償を行う位相差板方式である。この位相差板
方式は、液晶セルと偏光板の組み合わせだけでは暗状態
が得られない場合に、液晶セルの残有位相差と同等の位
相差を有する位相差板によって位相差を解消して暗状態
を得るものである。この方式では、原理的に完全な暗状
態を得ることができ、高コントラスト表示が可能である
が、実際に200:1を超える高コントラストを達成す
ることは極めて困難である。
【0022】この主な原因は、液晶セルと位相差板の位
相差の波長依存性、所謂波長分散を整合させながら位相
差板を均一製造するのが困難であることである。一般
に、工業製品としての位相差板の位相差は、人の最大視
感度波長である550nmでの値として定義されるが、
実際には波長分散が必ず生じる。この液晶セルと位相差
板の位相差の波長分散が完全に一致すれば、全可視光の
波長領域で位相差が解消され、良好な暗状態と高コント
ラスト表示を得ることができる。しかし、波長分散が生
じる原因が液晶材料や位相差板材料の複屈折の波長分散
であるため、これらの材料系が大きく異なる限り、この
問題を解決することは現実には非常に困難である。ま
た、広い面積に渡って完全に均一な位相差を有する位相
差板を製造することもそれほど容易ではなく、現状では
中心地(ローカル)で±5nm、10”程度の面積で場所
(ク゛ローハ゛ル)によって±5nmの位相差変化が避けられ
ない。従って、位相差板方式は高品位のTV画像には向
かないと言わざるを得ない。
【0023】上述したように、スイッチングの過程で捩
れが生じないモードであれば、高速応答の可能性があ
る。そこで、位相差板が不要で、偏光板との組み合わせ
だけで良好な暗状態と高コントラストが得られ、しかも
捩れを生じないモードとして、VAモードが挙げられ
る。VAモードは、誘電異方性Δεが負の液晶を垂直配
向させ、基板間に電界を印加することにより液晶を水平
配向に変化させるものである。このVAモードでは、初
期状態で液晶が垂直配向しているために全く複屈折を生
じず、直交偏光板のみの場合と遜色無い良好な暗状態を
容易に得ることができ、高コントラスト表示を達成する
ことができる。例えば、H.D.Liu,等によるEuro Display
99 Late news papers,(1999)p.31「A Wide Viewing An
gle Back Side Exposure MVA TFT LCD with Novel Stru
cture and Simply Process」では700:1以上という
非常に高いコントラストが得られている。
【0024】このようにコントラスト面では非常に有利
なVAモードであるが、最大の問題としてディスクリネ
ーションがある。これは、C.K.Wei,等によるSID 98 DIG
EST,(1998)p.1081「A Wide Viewing Angle Polymer Sta
bilized Homeotropic Aligned LCD」のFig.3にあるよう
に、平行な対向基板間に液晶を垂直配向させただけでは
電界を印加すると液晶が様々な方位角方向に傾いていく
ため、配向の不連続な部分(テ゛ィスクリネーション)がランダム
に生じて均一表示が得られないという現象である。この
ディスクリネーションについては多くの研究が行われて
おり、C.K.Wei,等によるSID 98 DIGEST,(1998)p.1081
「A Wide Viewing Angle Polymer Stabilized Homeotro
pic Aligned LCD」やH.D.Liu,等によるEuro Display 99
Late newspapers,(1999)p.31「A Wide Viewing Angle
Back Side Exposure MVA TFT LCDwith Novel Structure
and Simply Process」のように、基板に突起体を形成
して液晶の傾く方向を制御し、ディスクリネーションを
均一にすることにより表示も均一にする方法が確立され
ている。さらに、突起体だけではなく、特開平7−19
9190号のように、画素電極に窓部(電極が無い部
分)を設けると共に、電極の周囲に配向制御用電極を別
に設けてディスクリネーションを制御する方法もある。
【0025】しかし、VAモードでは、応答速度につい
てはC.K.Wei,等によるSID 98 DIGEST,(1998)p.1081「A
Wide Viewing Angle Polymer Stabilized Homeotropic
Aligned LCD」やH.D.Liu,等によるEuro Display 99 Lat
e news papers,(1999)p.31「A Wide Viewing Angle Bac
k Side Exposure MVA TFT LCD with Novel Structurean
d Simply Process」にあるように、上述したベンドセル
よりもかなり遅く、従来のTN液晶レベルであった。
【0026】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、高コントラスト化お
よび高速応答化を達成し、動画ボケの無い高品位の画像
を再現することができる液晶表示装置を提供することを
目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、負の誘電異方性を有する液晶層を挟んで対向配置さ
れている一対の基板の各々に、該液晶層に電界を印加す
るための電極が設けられた液晶表示装置において、少な
くとも片方の基板の液晶層側表面には、画素領域の一辺
に突起体または凹段差部が設けられ、両基板の液晶層側
表面に垂直配向処理が施されており、電界無印加時には
液晶層内の液晶分子が該一対の基板に対して略垂直配向
し、電界印加時には該液晶分子が該突起体または凹状段
差部が設けられた該画素領域の辺から、それと対向する
辺に向かって一様方向に傾いて水平配向に変化し、その
ことにより上記目的が達成される。
【0028】本発明の液晶表示装置は、負の誘電異方性
を有する液晶層を挟んで対向配置されている一対の基板
の各々に、該液晶層に電界を印加するための電極が設け
られた液晶表示装置において、少なくとも片方の基板の
液晶層側表面には、画素領域の対向する二辺の一部に、
互いに対向しないように突起体または凹状段差部が設け
られ、両基板の液晶層側表面に垂直配向処理が施されて
おり、電界無印加時には液晶層内の液晶分子が該一対の
基板に対して略垂直配向し、電界印加時には該液晶分子
が該突起体または凹段差部が設けられた該画素領域の辺
部分から、それと対向する辺部分に向かって一様方向に
傾いて水平配向に変化し、そのことにより上記目的が達
成される。
【0029】本発明の液晶表示装置は、負の誘電異方性
を有する液晶層を挟んで対向配置されている一対の基板
の各々に、該液晶層に電界を印加するための電極が設け
られた液晶表示装置において、少なくとも一方の基板に
設けられた電極の画素領域内に電極の無い窓部が設けら
れ、少なくとも片方の基板の液晶層側表面には、該窓部
で区切られた小画素領域の一辺に突起体または凹段差部
が設けられ、両基板の液晶層側表面に垂直配向処理が施
されており、電界無印加時には液晶層内の液晶分子が該
一対の基板に対して略垂直配向し、電界印加時には該液
晶分子が該突起体または凹状段差部が設けられた該小画
素領域の辺から、それと対向する辺に向かって一様方向
に傾いて水平配向に変化し、そのことにより上記目的が
達成される。
【0030】以下、本発明の作用について説明する。
【0031】本発明にあっては、負の誘電異方性を有す
る液晶を垂直配向させ、電界印加により水平配向に変化
させるVAモードにおいて、少なくとも片方の基板の液
晶層側表面に、画素領域の一辺に突起体または凹段差部
を設ける。電界印加時には、その辺からそれと対向する
辺に向かって液晶分子が一様方向に傾いて水平配向に変
化するので、ディスクリネーションを発生させることな
く、高コントラストおよび高速応答が可能となる。この
突起体や凹段差部は、両方の基板に設けてもよい。
【0032】また、他の本発明にあっては、VAモード
において、少なくとも片方の基板の液晶層側表面に、画
素領域の対向する二辺の一部に、互いに対向しないよう
に突起体または凹状段差部を設ける。電界印加時には、
その辺部分からそれと対向する辺部分に向かって液晶分
子が一様方向に傾いて水平配向に変化するので、ディス
クリネーションを発生させることなく、高コントラスト
および高速応答が可能となる。この突起体や凹段差部
は、両方の基板に設けてもよい。
【0033】さらに、他の本発明にあっては、VAモー
ドにおいて、少なくとも片方の基板の液晶層側表面に、
窓部で区切られた小画素領域の一辺に突起体または凹段
差部を設ける。電界印加時には、その辺からそれと対向
する辺に向かって液晶分子が一様方向に傾いて水平配向
に変化するので、ディスクリネーションを発生させるこ
となく、高コントラストおよび高速応答が可能となる。
この突起体や凹段差部は、両方の基板に設けてもよく、
窓部を一方の基板に、突起体や凹段差部を他方の基板に
設けてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0035】VAモードにおいて応答速度が遅い原因は
ディスクリネーションである。K.Ohmuro,等によるSID 9
7 DIGEST,(1997)p.845「Development of Super High Im
ageQuality Vertical Alignment Mode LCD」ではディス
クリネーションの形状を変えた実験(Table1)を行っ
て、C.K.Wei,等によるSID 98 DIGEST,(1998)p.1081「A
Wide Viewing Angle Polymer Stabilized Homeotropic
Aligned LCD」やH.D.Liu,等によるEuro Display 99 Lat
e news papers,(1999)p.31「A Wide Viewing Angle Bac
k Side Exposure MVA TFT LCD with Novel Structure a
nd Simply Process」のような2次元形状に制御された
ディスクリネーションのセルよりも1次元形状に制御さ
れたディスクリネーションのセルの方が応答速度が非常
に速くなることを報告している。K.Ohmuro,等によるSID
97 DIGEST,(1997)p.845「Development of Super High
Image Quality Vertical Alignment Mode LCD」によれ
ば、1次元ディスクリネーションによって立ち上がり応
答8ms、立ち下がり応答5msが得られている。
【0036】このようにディスクリネーションの形状に
よって応答速度が変化する詳しい原因は明確ではない
が、図14に示すように、ディスクリネーション部分で
はその両側から液晶分子が衝突するために、液晶の動き
が妨げられることが考えられる。従って、ディスクリネ
ーションが多いと応答速度が遅く、ディスクリネーショ
ンが少ない方が応答速度が速くなると考えられる。な
お、図14は従来のVAモード液晶表示装置の構造を示
す断面図であり、(a)は電界無印加状態を示し、
(b)は電界印加状態を示す。この図14において、1
4は突起体、15は液晶分子であり、対向基板、対向電
極および配向膜等は省略している。
【0037】さらなる高速応答化のためには、ディスク
リネーションの発生しないスイッチング状態を実現する
ことが必要である。このため、特開平11−44885
号には完全な垂直配向から数度プレチルトを付けて配向
させる方法が報告されている、具体的には、特開平2−
190825号のように基板に傾斜を設けたり、特許第
2907228号のように垂直配向膜をラビング処理す
る方法等がある。但し、これらの方法では、垂直配向に
より達成される良好な暗状態が損なわれる。
【0038】従って、本発明では、VAモードの持つ高
コントラストおよび高速応答性を活かすために、初期状
態において完全な垂直配向を保ちながら、ディスクリネ
ーションの発生しないスイッチング状態を実現する。
【0039】図1に本発明の一実施形態である液晶表示
装置の断面構造を示す。この図1において、(a)は電
界無印加状態を示し、(b)は電界印加状態を示す。な
お、対向基板、対向電極および配向膜等は省略してい
る。この液晶表示装置は、図14に示した従来構造に比
較して非常に単純な構造であるが、突起体14を電極3
の一辺にだけ形成することにより、液晶分子15の傾く
方向を制御してディスクリネーションの発生しない表示
を得ることができる。電極3はマトリクス形状であるた
め、電極の抜け部では電界が印加されず、この部分の液
晶分子15は常に垂直配向のままである。また、図14
に示した従来技術のように液晶分子15が逆方向に傾い
てディスクリネーション部分でお互いに動きを妨害する
ことも無く、1次元形状のディスクリネーションの場合
よりもさらに高速化が可能である。
【0040】突起体14は、感光性樹脂を用いて形成す
ることができる。
【0041】または、図2に示すように、突起体14の
代わりに電極3よりも表面が低い凹段差部16を電極3
の一辺だけに設けてもよい。この凹段差部16は、電極
をハーフカットすることによって形成することができ
る。
【0042】この突起体14や凹段差部16の排除体積
効果によって液晶分子がある方向に傾き、また、液晶の
連続性によって突起体14を設けた辺から対向する辺ま
で傾きが一様方向に続く。
【0043】これらの突起体14や凹段差部16は、対
向基板側に設けたり、両基板に設けることも可能であ
る。
【0044】さらに、高品位の画像を得るためには、視
野角特性も重要である。図14に示した従来の2次元形
状ディスクリネーションの場合には、1つの画素内で複
数の方位角方向に液晶分子が動作するようにして、36
0゜全ての視野角特性を十分に確保していた。しかし、
図1に示した本発明の構造では、平面図である図3
(a)および断面図である図3(b)に示すように、液
晶分子が1方向の方位角方向に動作するので、視野角特
性が悪くなるおそれがある。なお、図3(a)におい
て、点線は基板面を表す。
【0045】そこで、図4に示すように、1画素の1辺
の一部に突起体14または凹段差部を設け、それに対向
する辺の一部にも同様に、突起体14または凹段差部を
設ける。このとき、互いに逆方向に動作する液晶分子が
画素中央で衝突するのを防ぐために、突起体14または
凹段差部が対向しないように配置する。これにより、デ
ィスクリネーションを発生させないで180゜異なる2
方向に液晶分子15を動作させることができる。よっ
て、高速応答性を保ったまま、左右および上下のうちの
一方の視野角特性を向上させることができる。
【0046】この場合にも、突起体14や凹段差部16
を、対向基板側に設けたり、両基板に設けることも可能
である。
【0047】さらに、高速応答性を保ったまま、360
゜方向の視野角特性を向上させることもできる。例え
ば、図5に示すように、画素電極3内に窓部(導電体が
無い部分)17を設けて、窓部17によって1画素を4
ケ所以上の小画素領域に分割し、各小画素領域の1辺に
突起体14または凹段差部を設ける。このとき、各小画
素領域毎に、突起体14または凹段差部を全て異なる辺
に設置する。これにより、ディスクリネーションを発生
させないで90゜異なる4方向に液晶分子15を動作さ
せることができる。よって、高速応答性を保ったまま、
360゜方向の視野角特性を向上させることができる。
なお、図5の変形として図6に示すような構造としても
よい。なお、窓部17の形状は小画素領域を4分割する
ものに限られず、それ以上の分割も可能であり、視角を
広げるためには分割数が多い方が有利である。
【0048】これらの窓部17、突起体14や凹段差部
16は、対向基板側に設けたり、両基板に設けることも
可能である。また、突起部や凹段差部を一方の基板に設
けて窓部を他方の基板に設けることも可能である。
【0049】なお、これに似た構造が特開平7−199
190号に記載されているが、この構造では、図15に
示すように窓部17と共に配向制御用電極19が画素電
極3の周囲に設置されている。このため、視野角特性は
向上するが、図15に示すように各小画素領域毎にディ
スクリネーション18が発生するため、応答速度が従来
と同じ程度になってしまう。
【0050】以下に、本発明の実施形態について、さら
に具体的な例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0051】(実施形態1)本実施形態1では、図1に
示す液晶表示装置を作製した。ガラス基板1上に図10
と同様な信号配線(走査線と信号線)5、およびスイッ
チング素子としてのTFT素子6を形成し、これに接し
て厚み1000オングストロームのITO膜からなる画
素電極3を形成した。この画素電極3の大きさは300
μm×300μmとした。次に、感光性樹脂である日本
合成ゴム社製BPR107を用いて、画素電極3の一辺
に重ねるように突起体14を形成した。この突起体14
の幅は10μm、厚さは1μmとした。
【0052】別のガラス基板上に厚み1000オングス
トロームのITO膜からなる透明電極(対向電極)を形
成して、対向基板を作製した。
【0053】両基板の電極形成側表面に日本合成ゴム社
製の垂直配向膜JALS−204を成膜し、セル厚3μ
mに両基板を貼り合わせた。このセルにメルク社製のネ
マティック液晶MJ95955(誘電率異方性−3.
3)を注入して、本実施形態の液晶表示装置を完成し
た。
【0054】この液晶表示装置をクロスニコル偏光板に
挟んで観察したところ、非常に良好な暗状態であった。
また、10000cd/m2のバックライトを照射した
ところ、クロスニコル偏光板だけの場合の透過光が2.
1cd/m2であったのに対して、液晶セルを挟んだ状
態での透過光は2.3cd/m2で殆ど変化が無かっ
た。さらに、この液晶表示装置に120Hzの矩形波電
界を印加したところ、1.5V近傍で明るくなり始め、
電圧の増加と共に透過光が増加して5V印加時には19
00cd/m2に達し、コントラスト800以上の表示
が得られた。
【0055】この液晶表示装置を顕微鏡で観察すると、
従来のVAモードでは必ず現れていたディスクリネーシ
ョンが観察されなかった。さらに、フォトダイオードと
オシロスコープにより液晶の応答速度を測定したとこ
ろ、立ち上がり速度が1ms、立ち下がり速度が0.8
msと従来のVAモードに比較して非常に高速応答であ
ることが確認された。
【0056】なお、この液晶表示装置の視野角特性を測
定したところ、正面方向から20゜ずれると、どの方向
でもコントラストは50以下となってしまい、さらに、
正面方向から50゜ずれるとコントラストは5以下とな
ってしまい、十分な視野角特性は得られなかった。
【0057】(実施形態2)本実施形態2では、図7に
示す液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、感
光性樹脂である日本合成ゴム社製BPR107を用い
て、画素電極3の一辺に完全に重ねないで接触するよう
に突起体14を形成し、それ以外は実施形態1と同様に
して作製した。
【0058】この液晶表示装置をクロスニコル偏光板に
挟んで観察したところ、非常に良好な暗状態であった。
また、10000cd/m2のバックライトを照射した
ところ、クロスニコル偏光板だけの場合の透過光が2.
1cd/m2であったのに対して、液晶セルを挟んだ状
態での透過光は2.3cd/m2で殆ど変化が無かっ
た。さらに、この液晶表示装置に120Hzの矩形波電
界を印加したところ、1.5V近傍で明るくなり始め、
電圧の増加と共に透過光が増加して5V印加時には19
00cd/m2に達し、コントラスト800以上の表示
が得られた。
【0059】この液晶表示装置を顕微鏡で観察すると、
従来のVAモードでは必ず現れていたディスクリネーシ
ョンが観察されなかった。さらに、フォトダイオードと
オシロスコープにより液晶の応答速度を測定したとこ
ろ、立ち上がり速度が1ms、立ち下がり速度が0.8
msと従来のVAモードに比較して非常に高速応答であ
ることが確認された。
【0060】なお、この液晶表示装置の視野角特性を測
定したところ、正面方向から20゜ずれると、どの方向
でもコントラストは50以下となってしまい、さらに、
正面方向から50゜ずれるとコントラストは5以下とな
ってしまい、十分な視野角特性は得られなかった。
【0061】(実施形態3)本実施形態3では、図2に
示す液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、I
TO膜からなる画素電極3の一辺をレーザー照射により
ハーフカットして凹段差部16を形成し、それ以外は実
施形態1および実施形態2と同様にして作製した。ハー
フカットの幅は10μmとした。
【0062】この液晶表示装置をクロスニコル偏光板に
挟んで観察したところ、非常に良好な暗状態であった。
また、10000cd/m2のバックライトを照射した
ところ、クロスニコル偏光板だけの場合の透過光が2.
1cd/m2であったのに対して、液晶セルを挟んだ状
態での透過光は2.3cd/m2で殆ど変化が無かっ
た。さらに、この液晶表示装置に120Hzの矩形波電
界を印加したところ、1.5V近傍で明るくなり始め、
電圧の増加と共に透過光が増加して5V印加時には19
00cd/m2に達し、コントラスト800以上の表示
が得られた。
【0063】この液晶表示装置を顕微鏡で観察すると、
従来のVAモードでは必ず現れていたディスクリネーシ
ョンが観察されなかった。さらに、フォトダイオードと
オシロスコープにより液晶の応答速度を測定したとこ
ろ、立ち上がり速度が1ms、立ち下がり速度が0.8
msと従来のVAモードに比較して非常に高速応答であ
ることが確認された。
【0064】なお、この液晶表示装置の視野角特性を測
定したところ、正面方向から20゜ずれると、どの方向
でもコントラストは50以下となってしまい、さらに、
正面方向から50゜ずれるとコントラストは5以下とな
ってしまい、十分な視野角特性は得られなかった。
【0065】(実施形態4)本実施形態4では、図4に
示す液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、画
素電極3の対向する2辺の一部に互いに対向しないよう
に感光性樹脂を重ねて突起体14を形成し、または画素
電極3の対向する2辺の一部を互いに対向しないように
ハーフカットして凹段差部を形成し、それ以外は実施形
態1〜実施形態3と同様にして作製した。
【0066】この液晶表示装置をクロスニコル偏光板に
挟んで観察したところ、非常に良好な暗状態であった。
また、10000cd/m2のバックライトを照射した
ところ、クロスニコル偏光板だけの場合の透過光が2.
1cd/m2であったのに対して、液晶セルを挟んだ状
態での透過光は2.3cd/m2で殆ど変化が無かっ
た。さらに、この液晶表示装置に120Hzの矩形波電
界を印加したところ、1.5V近傍で明るくなり始め、
電圧の増加と共に透過光が増加して5V印加時には19
00cd/m2に達し、コントラスト800以上の表示
が得られた。
【0067】この液晶表示装置を顕微鏡で観察すると、
従来のVAモードでは必ず現れていたディスクリネーシ
ョンが観察されなかった。さらに、フォトダイオードと
オシロスコープにより液晶の応答速度を測定したとこ
ろ、立ち上がり速度が1ms、立ち下がり速度が0.8
msと従来のVAモードに比較して非常に高速応答であ
ることが確認された。
【0068】なお、この液晶表示装置の視野角特性を測
定したところ、正面方向から突起体14または凹段差部
の短辺方向以外では20゜ずれると、どの方向でもコン
トラストは50以下となってしまい、さらに、正面方向
から50゜ずれるとコントラストは5以下となってしま
い、十分な視野角特性は得られなかった。しかし、正面
方向から突起体14または凹段差部の短辺方向では50
゜ずれてもコントラストは500以上で、さらに、正面
方向から70゜ずれてもコントラストは200以上であ
り、十分に広い視野角に渡って高コントラストが得られ
た。
【0069】(実施形態5)本実施形態5では、図5に
示す液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、画
素電極3の中央部にエッチングにより窓部17を設け
て、各小画素領域の1辺に、相対的に全て異なる辺とな
るように感光性樹脂を重ねて突起体14を形成し、また
は各小画素領域の1辺を、相対的に全て異なる辺となる
ようにハーフカットして凹段差部を形成し、それ以外は
実施形態1〜実施形態4と同様にして作製した。
【0070】この液晶表示装置をクロスニコル偏光板に
挟んで観察したところ、非常に良好な暗状態であった。
また、10000cd/m2のバックライトを照射した
ところ、クロスニコル偏光板だけの場合の透過光が2.
1cd/m2であったのに対して、液晶セルを挟んだ状
態での透過光は2.3cd/m2で殆ど変化が無かっ
た。さらに、この液晶表示装置に120Hzの矩形波電
界を印加したところ、1.5V近傍で明るくなり始め、
電圧の増加と共に透過光が増加して5V印加時には19
00cd/m2に達し、コントラスト800以上の表示
が得られた。
【0071】この液晶表示装置を顕微鏡で観察すると、
従来のVAモードでは必ず現れていたディスクリネーシ
ョンが観察されなかった。さらに、フォトダイオードと
オシロスコープにより液晶の応答速度を測定したとこ
ろ、立ち上がり速度が1ms、立ち下がり速度が0.8
msと従来のVAモードに比較して非常に高速応答であ
ることが確認された。
【0072】なお、この液晶表示装置の視野角特性を測
定したところ、正面方向からどの方向についても、50
゜ずれてもコントラストは500以上で、さらに、正面
方向から70゜ずれてもコントラストは200以上であ
り、十分に広い視野角に渡って高コントラストが得られ
た。
【0073】(実施形態6)本実施形態では、図9に示
したような単純マトリクス方式の液晶表示装置に本発明
を適用し、実施形態1〜実施形態5と同様に、一方の基
板に突起体、凹状段差部、窓部等を設けた。
【0074】これらの液晶表示装置では、クロストーク
のためにコントラストは150まで減少したが、従来の
単純マトリクス方式の液晶表示装置に比較すると、非常
に優れた画質が得られた。液晶の応答速度および視野角
特性については、実施形態1〜実施形態5と同様に優れ
ていた。
【0075】(実施形態7)本実施形態では、図9に示
したような単純マトリクス方式の液晶表示装置に本発明
を適用し、両方の基板に実施形態1〜実施形態5と同様
な突起体、凹状段差部、窓部等を設けた。
【0076】これらの液晶表示装置では、実施形態6と
同様に、クロストークのためにコントラストは150ま
で減少したが、従来の単純マトリクス方式の液晶表示装
置に比較すると、非常に優れた画質が得られた。液晶の
応答速度および視野角特性についても、実施形態1〜実
施形態6と同様に優れていた。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
垂直配向させた負の誘電異方性を有する液晶を電界印加
により水平配向させて光学変化を生じさせるVAモード
において、液晶配向の傾く方向を非対称にしてディスク
リネーションが発生するのを防ぐことができる。よっ
て、従来に比べて大幅に高コントラスト化および高速応
答化を達成することができ、動画表示においても表示ボ
ケの無い高品位の画像を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の液晶表示装置の構造を示す断面図
であり、(a)は電界無印加状態を示し、(b)は電界
印加状態を示す。
【図2】実施形態3の液晶表示装置の構造を示す断面図
であり、(a)は電界無印加状態を示し、(b)は電界
印加状態を示す。
【図3】本発明の一実施形態である液晶表示装置におけ
る電界印加時の視野角特性について説明するための図で
あり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図4】(a)は実施形態4の液晶表示装置の構造を示
す平面図であり、(b)は電界印加状態を示す断面図で
ある。
【図5】実施形態5の液晶表示装置の構造を示す平面図
である。
【図6】本発明の一実施形態である液晶表示装置の他の
構造を示す平面図である。
【図7】実施形態2の液晶表示装置の構造を示す断面図
であり、(a)は電界無印加状態を示し、(b)は電界
印加状態を示す。
【図8】液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図9】単純マトリクス方式の液晶表示装置の構成を示
す斜視図である。
【図10】アクティブマトリクス方式の液晶表示装置の
構成を示す斜視図である。
【図11】(a)はCRTのインパルス型表示光を示す
図であり、(b)はLCDのホールド型表示光を示す図
である。
【図12】液晶表示装置においてインパルス型表示を行
う場合について、(a)はLCDの透過光量を示し、
(b)は立ち上がり時のバックライトの発光量を示す。
【図13】液晶表示装置においてインパルス型表示を行
う場合について、(a)はLCDの透過光量を示し、
(b)は立ち下がり時のバックライトの発光量を示す。
【図14】従来のVAモード液晶表示装置の構造を示す
断面図であり、(a)は電界無印加状態を示し、(b)
は電界印加状態を示す。
【図15】従来の液晶表示装置の構造を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1、2 基板 3、4 電極 5、6 信号配線 7、8 絶縁膜 9、10 配向膜 11 スペーサー 12 シール剤 13 液晶 14 突起体 15 液晶分子 16 電極ハーフカット部(凹段差部) 17 窓部 18 ディスクリネーション 19 配向制御用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加邉 正章 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 古川 智朗 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 GA02 HA02 HA03 HA08 JA10 KA27 MA02 MA07 MA10 MA18 2H090 HD14 LA01 LA04 MA01 MA02 2H092 GA13 GA15 GA16 GA17 HA04 HA06 HA12 JA24 KA04 KA05 KB04 NA01 NA04 NA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負の誘電異方性を有する液晶層を挟んで
    対向配置されている一対の基板の各々に、該液晶層に電
    界を印加するための電極が設けられた液晶表示装置にお
    いて、 少なくとも片方の基板の液晶層側表面には、画素領域の
    一辺に突起体または凹段差部が設けられ、両基板の液晶
    層側表面に垂直配向処理が施されており、 電界無印加時には液晶層内の液晶分子が該一対の基板に
    対して略垂直配向し、電界印加時には該液晶分子が該突
    起体または凹状段差部が設けられた該画素領域の辺か
    ら、それと対向する辺に向かって一様方向に傾いて水平
    配向に変化する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 負の誘電異方性を有する液晶層を挟んで
    対向配置されている一対の基板の各々に、該液晶層に電
    界を印加するための電極が設けられた液晶表示装置にお
    いて、 少なくとも片方の基板の液晶層側表面には、画素領域の
    対向する二辺の一部に、互いに対向しないように突起体
    または凹状段差部が設けられ、両基板の液晶層側表面に
    垂直配向処理が施されており、 電界無印加時には液晶層内の液晶分子が該一対の基板に
    対して略垂直配向し、電界印加時には該液晶分子が該突
    起体または凹段差部が設けられた該画素領域の辺部分か
    ら、それと対向する辺部分に向かって一様方向に傾いて
    水平配向に変化する液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 負の誘電異方性を有する液晶層を挟んで
    対向配置されている一対の基板の各々に、該液晶層に電
    界を印加するための電極が設けられた液晶表示装置にお
    いて、 少なくとも一方の基板に設けられた電極の画素領域内に
    電極の無い窓部が設けられ、少なくとも片方の基板の液
    晶層側表面には、該窓部で区切られた小画素領域の一辺
    に突起体または凹段差部が設けられ、両基板の液晶層側
    表面に垂直配向処理が施されており、 電界無印加時には液晶層内の液晶分子が該一対の基板に
    対して略垂直配向し、電界印加時には該液晶分子が該突
    起体または凹状段差部が設けられた該小画素領域の辺か
    ら、それと対向する辺に向かって一様方向に傾いて水平
    配向に変化する液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010097045A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Stanley Electric Co Ltd 単純マトリクス垂直配向型液晶表示装置
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