JP3634249B2 - 液晶表示装置およびその表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界によって、誘電異方性を有する液晶の分子配向を変化させて光学変化を生じさせる液晶表示装置のうち、全ての分子配向の変化を、方向および強度の異なる電界により制御し、高速の電界応答を可能とする液晶表示装置およびその表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、図12、図13に示すように、一対の基板101、102を、電極103、104が形成された面が内側になるように貼り合わせて作製する。図14はその断面構造を示したもので、一対の基板101、102間であって電極103、104上には、必要に応じて絶縁膜107、108、さらに配向膜109、110が積層され、配向膜には必要に応じてラビング等の配向処理が施される。所望の径のスペーサー111を基板上に配置することにより、均等な間隙を確保して両基板を貼り合わせ、シール剤112によって固定する。最後に、シール剤の一部に開けられた孔より液晶113を注入し、注入孔を封止して完成する。配向膜に施される配向処理により、液晶は一様配向を呈する。
【0003】
各々の電極は外部に引き出し部を有しており、任意の信号波形電界を液晶に印加できるようになっている。印加される電界に応じて液晶は配向を変化させ、液晶0を通過する光を偏光、変調させる。必要に応じて光の偏光、変調を可視化する偏光子を設置することにより、表示装置としての機能を得ることができる。液晶層に光を通過させるため少なくとも一方の電極はITO(インジウム錫酸化物)等から成る透明電極である必要がある。
【0004】
また、液晶表示装置はその電極構造により、大きく2種類に分けられる。ストライプ形状に形成した電極を交差させる単純マトリクス方式と、一方基板に交差する信号電極105とトランジスタなどのスイッチング素子106を形成するアクティブマトリクス方式(図13参照)である。液晶材料としては、どちらの方式であっても、現在のところ、そのほとんどにネマティック液晶が使用されている。
【0005】
単純マトリクス方式は構造が簡単で作製が容易である反面、画素ごとにスイッチング素子を持たないため、すべての画素が液晶の静電容量で結合され、画素数の増加に伴い画素ごとのスイッチングのしきい値が明確でなくなり、表示画像が不鮮明になる、いわゆるクロストークの問題を本質的に抱えている。また、透明電極であるITO等は導電体であっても金属等に比較して抵抗値が100倍から1000倍程度高く、表示装置の大型化、大表示容量化に伴い透明電極の電極抵抗による信号波形の歪みが重大な問題となる。
【0006】
特開平9−127494号公報のように透明電極と金属配線を並列に設置することで電極抵抗を低減する試みも成されているが、開ロ率が狭くなることによる輝度の低下や、単純マトリクス本来の特徴である製造の容易さが失われる結果となっている。
【0007】
一方、アクティブマトリクス方式は画素ごとにスイッチング素子を作り込むため、単純マトリクス方式に比べると作製は容易ではないが、各画素を独立に駆動することができるので、クロストークの問題が無く、格段に鮮明な画像を表示することができる。また、光の透過に寄与しない信号線をTi、Alといった金属で作製することができ、対向の透明電極もパターンの必要のないベタ形状であるため、電極抵抗による信号波形の歪みの問題が極めて少ない。このため、表示装置の大型化、大表示容量化についても比較的容易に対応することができる。
【0008】
そこで、単純マトリクス方式の構造の簡単さおよび強誘電性液晶の特性を利用して、クロストークの問題を解決しようとする試みが成されている(N.Itoh等によるProceedings of The Fifth International Display Workshops (IDW’98)、(1998)p.205 「17”Video−Rate Full Color FLCD」)。強誘電性液晶はメモリー性とμs桁の高速応答性を有するため(N.Clark 等によるApply. Phys. Lett.,36(1980)、p.899 「Submicrosecond bistable electro−optic switching in liquid crystals」)、走査線ごとに高速で表示情報を順に書き込んでいき、書き込まれた表示情報を書き換え信号が入力されるまで電圧を印加しないで保持することができ、線順次駆動方式を適用することが可能である。これによりクロストークが発生することなく、単純マトリクス方式でもアクティブマトリクス方式と変わらない鮮明な画像を表示することができる。
【0009】
しかし、単純マトリクス方式であれば、強誘電性液晶を利用しても電極抵抗の問題は解決されない。電極抵抗の問題は信号波形の歪みだけでなく、信号波形の高速化に対しても重大な問題となる。特に高速応答性を利用する強誘電性液晶では前述の透明電極と金属配線を並列に設置する技術が不可欠であり、開口率が狭くなることによる輝度の低下や、単純マトリクス本来の特徴である製造の容易さが失われる結果となっている。また、電極抵抗の問題は消費電力の増加、パネルの発熱と言った問題も発生させてしまう。
【0010】
このような点から、一部の低機能の表示装置を除いて、高解像度の動画表示対応の液晶表示装置としてはアクティブマトリクス方式が優れているとされている。この中でも、3端子素子である薄膜トランジスター(TFT)方式が他の2端子素子である金属・絶縁膜・金属積層(MIM)方式等に比べ優れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置が現在の表示装置の主流であるCRTと競合し、将来、平面表示装置として、CRTに置き換わるには画質の点で幾つかの問題が残されている。最も重要な間題は、液晶の信号波形電界に対する応答速度が遅いことである。そこで、以下、液晶の応答速度と画質の関係について説明する。
【0012】
現在のTFT−ネマティック液晶表示装置(以下、LCDと略す)では動画表示でボケ妨害が知覚され、問題となっている。その原因が(栗田による平成10年液晶学会:LCDフォーラム主催「LCDがCRTモニター市場に食い込むには−動画表示の観点から−」、1項「ホールド型ディスプレイの表示方式と動画表示における画質」)に詳しく説明されている。
【0013】
CRTとLCDではその表示光の時間応答が異なっており、図15および図16に示すように、CRTの表示光はインパルス型(図15)であり、LCDの表示光はホールド型(図16)である。これは液晶が自発光ではなく、バックライトの光を透過、遮光させるシャッターとしてのみ機能していることと、現在、広く知られ使用されているTN液晶の応答速度は15ms程度であるため、16.7msの1フィールド内いっぱいを使って応答していることによるものである。以下、説明のため、応答時間も応答速度と同一の意味として表現する。
【0014】
このようなホールド型表示では、眼球運動のうち、動画像を知覚する上で最も重要な随従運動(左右両眼がほぼ同様に動物体に滑らかに追従する動き)と、視覚の時間積分効果がほぼ完全であれば、観察者に知覚されるのは幾つかの画素の平均の明るさとなり、異なる画素で表現されるはずの画像内容は完全に消失してしまう。随従運動は、動き速度の増大と共にその眼球運動に占める割合が低下するが、4〜5(度/秒)以内の動きであれば随従運動のみで追従できるとされている。また、短時間での随従の最高速度は30(度/秒)とされる。時間積分効果については、ある程度以下の輝度であれば、数10ms以内の短時間内の光刺激はほぼ完全に積分されると考えられる。
【0015】
実際に表示される多くの動画像が、これらの角速度および輝度を満たすため、ホールド型表示ではいわゆるアイトラッキングによって動画ボケが生じてしまう。LCDで動画ボケを根本的に無くすためには、CRTと同じインパルス型表示にする必要がある。これには、バックライトを現在のように常時点灯させるのではなく、シャッターを用いて見かけ上のインパルス発光にする方法や、高速にフラッシングさせる方法があるが、いずれの場合も液晶の応答速度を現在よりも大幅に高速化する必要がある。
【0016】
この点について、図17を用いて説明を行う。図17は横軸に時間、縦軸にバックライトの発光量とLCDの透過光量を示したものである。図17中で、tはTFTの走査信号線であるゲートを開くために必要な時間(ゲートON時間)であり、nは走査信号線(ゲートライン)の本数である。このため、走査線数n本の表示装置であれば、全てのTFTをONするためにt×nの時間を必要とする。図17中の曲線は液晶の時間応答特性であり、τrは液晶の立ち上がり応答速度である。
【0017】
最終n本目のゲートラインをONしてから、n本ライン目の液晶が応答した後に、バックライトを点灯あるいは発光させることによりCRTと同様なインパルス型表示を行うことができる。インパルス型表示として有効なバックライトの発光期間比率(コンパクション比)は、同上文献によると、1フィールド16.7msのうちの25%とされており、これによりTは約4msとしなければならない。そこで、走査線数1025本のハイビジョン放送を再現しようとすればnは約1000である。液晶の応答速度は、τr=16.7ms−t×n−Tである。このため、τr≦16.7ms−4ms−t×nとする必要がある。
【0018】
現在、TFTのゲートON時間tは、20インチの大型表示装置が実現しているアモルファスシリコン(αSi)−TFTで約10μs、大型化は困難であるが電子移動度の高いポリシリコン(PSi)−TFTで約3μsである。よって、動画ボケの無いフルスペックの動画像を実現するために必要な液晶の応答速度は、αSi−TFTを用いた場合に2.7ms以下、PSi−TFTを用いた場合、9.7ms以下でなければならないことがわかる。
【0019】
PSi−TFTはプロセス温度が1000℃以上と高いため、通常のガラス基板を使用することができず、石英ガラスを使用しなければならない。このため、大型化が困難であり、フルスペックのハイビジョン放送を実現する表示装置は実現性が乏しい。
【0020】
図18は、同様に、異なるフィールドで液晶を元の状態に戻して透過光を遮光する場合を示しており、τdは液晶の立ち下がり応答速度であり、これも立ち上がり応答速度τrと同様な高速性が必要である。従来から良く知られているTN液晶の応答速度は、立ち上がり応答で前述したように15ms程度であり、バックライトシステムをインパルス型に変更しても、αSi−TFTを用いて2.5ms以下の応答速度で、動画ボケの無いフルスペックの動画像を実現することは無理である。立ち下がり応答はこれより更に遅く数10ms〜100msである。
【0021】
ここで、現在の液晶の応答速度が遅い理由について、説明を加える。図19はネマティック液晶の電界応答を示している。図19(a)の状態から図19(b)の状態に移行するのにかかる時間が立ち上がり時間τrであり、図19(b)の状態から図19(a)の状態に移行するのにかかる時間が立ち下がり時間τdである。円柱は液晶分子114を表現している。ネマティック液晶は分子長軸方向と分子短軸方向との誘電率の差である誘電異方性△εによってスイッチングし、印加される電界E115との間に発生する(1/2)△εEの誘電エネルギーによりトルクを生じて配向を変化させる。△εが正の場合、分子長軸が電界と一致するように配向を変化させ、△εが負の場合、分子長軸が電界と直交するように配向を変化させる。
【0022】
誘電エネルギー(1/2)△εEは電界E115の方向に依存しないスカラー量であるため、電界Eが交流であってもネマティック液晶は一方向にのみ変化するだけである。電界を除去した後は、液晶の粘性緩和により初期配向状態に復帰するため、一般に電界印加による立ち上がり(τr)よりも、電界除去後の立ち下がり(τd)は更に遅い。
【0023】
図20は強誘電性液晶の電界応答を示している。図20(a)の状態から図20(b)の状態に移行するのにかかる時間が立ち上がり時間τrであり、図20(b)の状態から図20(a)の状態に移行するのにかかる時間が立ち下がり時間τdである。強誘電性液晶は自発分極Ps116と電界E115との内積エネルギーであるPs・Eによってスイッチングし、自発分極Psの方向が電界方向と一致することにより、基板面内に平行な状態でスイッチングするいわゆるインプレインスイッチングをする。自発分極PSと電界Eとの内積エネルギーであるPs・Eは電界Eの方向に依存するベクトル量であるため、電界Eの方向によって光学的な立ち上がり(τr)と立ち下がり(τd)を同様に高速で切り替えることができる。
【0024】
このように応答速度の点では非常に有利な強誘電性液晶であるが、ネマティッック液晶には無い多数の特有の問題がある。強誘電性液晶はスメクチック液晶であり、ネマティック液晶に比較すると結晶に近く分子配列に層構造が存在する。このため、広い面積に渡って均一に配向させることが難しい。また、層構造が機械的衝撃で乱れやすく、配向が不均一になるため、信頼性の面で問題がある。表示装置内に壁状構造物を形成して基板を強固に固定することで、耐衝撃性を解決することはできるが(N.Itoh等によるProceedings of The Fifth International Display Workshops(1998)p.205 「17” Video−Rate Full Color FLCD」)、壁を形成することで更に配向性が難しくなる。
【0025】
また、強誘電性液晶は、自発分極を有しているために、表示信号を入力してスイッチングさせていないと、自発分極が一方向に向いたままとなり、長時間この状態が続くと強誘電性液晶と配向膜の界面で電荷が溜まってしまい、いわゆる焼き付き現象が起こるという問題もある。
【0026】
さらに、強誘電性液晶はその特性を充分引き出すために2μm〜1.5μmという薄いセル厚構造にする必要がある。このためセル容量が通常のネマティック液晶(4μm程度のセル厚)よりも大きくなり、必要時間内でのTFTによる画素への電荷充電量が少なくなり、スイッチングが不十分になる恐れがある。この問題を解決するためには、TFTの充電能力を向上させなければならないが、TFTの大幅な構造変更は、製造の困難性を高め、コスト上好ましくない。
【0027】
そこで、従来から使用されているネマティック液晶での、応答速度を向上させようとする研究も盛んに行われている。実際には、現在主流で用いられており良く知られているTN配向とは別の配向状態を用いて、応答速度を向上させようという研究が行われている。
【0028】
例えば、ベンドセルあるいはパイセルと言われる配向状態を用いてネマティック液晶を高速応答化する研究(T.Miyashita 等によるConference Proceedings of The 13th International Display Research Conference(Euro Display’93 )、(1993)p.149 )が知られている。ベンド配向セルでは、従来、15ms程度であるTN配向セルの立ち上がり応答速度が、2ms程度まで短くなることが報告されている。この高速応答は、液晶の応答によってセル内に生じる液晶の流れ(フロー)をコントロールすることで達成されている(宮下等による平成10年液晶学会:LCDフォーラム主催「LCDがCRTモニター市場に食い込むには−動画表示の観点から−」、7項「OCB液晶の高速応答特性を利用したフィールドシーケンシャルフルカラー液晶ディスプレイ」)。
【0029】
このフローは、TN配向のように捻じれた配向状態では非常に大きく、応答速度が遅い大きな原因になっている。捻じれていない垂直配向と水平配向の間のスイッチングにするだけでも、ベンドセルと同様に立ち上がり応答速度を速くできる可能性がある。ただし、これらのフローを低減する方式でも、誘電異方性を利用している点は従来のネマティック液晶と同様であり、電界印加による立ち上がり応答速度は高速で優れているが、電界を除去した立ち下がりが遅い点は従来と同様であった。
【0030】
そこで、さらに、ネマティック液晶の立ち下がり応答の遅い問題を、デバイス構造で解決する方法も、D.J.Channin 、等によるApplied Physics Letters 、Vol.28、(1976)p.300 「Rapid Turn−off in triode optical gate liquid crystal devices」や、塩津等による昭和62年度電子情報通信学会信越支部大会「くし型電極を用いた液晶ライトバルブの基礎的研究」にあるように、幾つか報告されている。
【0031】
例えば、複数ゲート構造の提案である。従来の単純な平行対向電極ではなく、複数の電極を立体配置して、方向の異なる電界をネマティック液晶に印加することにより、電界方向に応じて配向方向を切り替える。配向変化をすべて電界で制御するため、従来の粘性緩和による立ち下がりとは異なり、光学的立ち上がり、立ち下がりともに、従来の立ち上がりと同様に高速応答が可能となるものである。
【0032】
電極を立体配置する技術としては特開平6−222397号公報や特開平9−258245号公報があるが、これらはいずれも、ネマティック液晶を基板に平行にスイッチングさせるいわゆるインプレイスイッチング(以下、IPSと略す)させるだけのものである。IPSは液晶表示装置の視野角を広げるのに有効な方法であるが、印加する電界の方向を切り替えることはできず、電界の印加、除去によるスイッチングであるため、応答速度の点では従来と変わらない。
【0033】
図21はD.J.Channin 、等によるApplied Physics Letters 、Vol.28、(1976)p.300 の方法を、図22は塩津等による昭和62年度電子情報通信学会信越支部大会「くし型電極を用いた液晶ライトバルブの基礎的研究」の方法を簡略的に説明したものである。以下の説明では、基板、配向膜等は図面より省く。
【0034】
図21では、一方の基板に抵抗性薄膜120を挟んで電極118と電極119が配置され、他方に対抗電極117が配置されている。抵抗性薄膜120は論文によると10〜10Ω/□のシート抵抗で、100Å程度のアモルファスSiや炭素膜を蒸着して用いている。図21(a)のように電極118、電極119をグランドレベルにすると抵抗性薄膜部分も同じグランドになり、対向電極117に信号電圧Vcを印加すれば画素全体で基板に垂直な矢印方向に電界115が生じ、液晶分子は基板に垂直配向となる。ここでの液晶の誘電異方性は正である。
【0035】
図21(b)のように電極118に信号電圧Vdを印加し、電極119と対向電極117をグランドレベルにすると、電極118、電極119の間で基板に対して水平方向に電界121が発生し、電極118、電極119の間の液晶分子は基板に水平配向する。光学的立ち上がりτr、立ち下がりτdともに電界により分子配向を制御できるので、従来のような粘性緩和による立ち下がりの遅い点を解決することができる。
【0036】
図22では一方の基板に抵抗性薄膜120を挟んで電極122と電極123が配置され、他方にも同様に抵抗性薄膜120を挟んで電極124と電極125が配置されている。図22(a)のように電極122、123に同極性の電気信号を印加し、これらと逆極性の信号を電極124、125に印加すると、抵抗性薄膜部分もそれぞれ、電極122、電極123および電極124、電極125と同じ電圧レベルになり、画素全体で基板に垂直な矢印方向に電界115が生じ、液晶分子は基板に垂直配向となる。液晶の誘電異方性は正である。
【0037】
図22(b)のように電極122、電極125にそれぞれ逆極性の電気信号を印加し、電極123、電極124をグランドレベルにすると、電極122、電極125の間で斜め方向電界126が発生し、液晶分子は基板に対して傾いて配向する。光学的立ち上がりτr、立ち下がりτdともに電界により分子配向を制御できるので、従来のような粘性緩和による立ち下がりの遅い点を解決することができる。
【0038】
このように、立ち下がり応答速度の問題を解決することができる、複数ゲート構造ではあるが、実用上の大きな問題がある。一つは、図21、図22から明らかなように、スイッチング素子が1画素につき、複数必要であることである。図21では電極117と電極118をスイッチングさせなければならず、スイッチング素子が2つ必要である。図22では、電極122、電極125は一定の電気信号を連続して印加すればよいが、電極123、電極124は信号の印加、停止を繰り返さなければならず、スイッチング素子が2つ必要である。
【0039】
すなわち、両基板にスイッチング素子を作製しなければならず、単純に従来のアクティブマトリクス表示装置の2倍の製造コストが生じてしまう。また、スイッチング素子の歩留まりを考慮すると素子の数が増えるだけ不良数が増加することは明らかであり、コストの点で非常に大きなデメリットが発生してしまう。
【0040】
また、現在、液晶表示装置はカラー表示のためにカラーフィルターを用いているが、TFTの半導体プロセスの高温度、ガス、酸等に対して、カラーフィルター色素の信頼性が弱いため、TFTを直接ガラス基板上に作り込み、カラーフィルターは対向基板側に設置する方式が取られている。両基板にスイッチング素子を作製することは、従来困難なため行われていないカラーフィルター上へのTFT作製を行わなければならず、現実的でない。
【0041】
二つめの問題は抵抗性薄膜である。前述したように抵抗性薄膜は100Å程度の非常に薄いSiや炭素である。大面積でこのような薄膜を均一に作製することは技術的に極めて困難である。広い面積で蒸着により均一な膜を作製しようとすれば、500Å以上、望ましくは1000Å程度の膜厚が必要である。抵抗性薄膜は例えば、図21では(a)で電極118、電極119の間の画素部分にも電界を発生させるように、電極118、電極119を電気的に接続し、一方では(b)で電極118、電極119に印加される逆極性信号により、電極118、電界119の間に電流が流れないように、高抵抗の導電体にする必要がある。実際には高抵抗にすることで、図21(a)の場合に電極118、電極119の間の画素部分に印加される波形が歪んでしまい、十分な強さの電界が印加されないという問題が生じてしまう。また、薄膜のため透明に近いと言っても、本来、非光透過性のSiや炭素を画素部分に積層することも輝度の点から問題である。
【0042】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、動画ボケのない高速応答化を可能にし、また、表示の均一な液晶表示装置およびその表示方法を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、高速応答性による画質改善を実現しつつ、製造コストを増加させることの無い液晶表示装置を提供する目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部から液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、上記一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、第2の基板上に対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に複数のサブ電極を備えたことを特徴としている。
【0044】
上記の構成により、上記一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、第2の基板上に対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に複数のサブ電極が備えられている。
【0045】
なお、上記一対の基板のうちの第1の基板上に、画像信号が印加されるスイッチング電極を備え、第1の基板に対向する第2の基板上に、画像信号が印加されない対向電極、該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に形成された画像信号が印加されない複数のサブ電極を備えた構成とすることができる。
【0046】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0047】
その結果、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御でき、粘性緩和による立ち下がり応答がないため、高速応答をすることが可能である。
【0048】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。
【0049】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0050】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0051】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、電界印加により配向状態となることを特徴としている。
【0053】
上記の構成により、電界無印加で無配向状態であり、電界印加により配向状態となる。
【0054】
したがって、通常のネマティック液晶表示装置の構成に欠かせない、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0055】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、前記対向電極およびサブ電極に、各々異なる一定の電気信号が入力され、前記スイッチング素子には画像信号に応じて変化する電気信号が入力されることを特徴としている。
【0056】
上記の構成により、前記対向電極およびサブ電極に、各々異なる一定の電気信号が入力され、前記スイッチング素子には画像信号に応じて変化する電気信号が入力される。
【0057】
なお、前記対向電極およびサブ電極に、電圧値の異なる各々一定の電気信号が入力され、前記スイッチング電極には画像信号に応じて変化する電気信号が入力される構成とすることができる。
【0058】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0059】
その結果、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御でき、粘性緩和による立ち下がり応答がないため、高速応答をすることが可能である。
【0060】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。
【0061】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0062】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0063】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0064】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、前記対向電極を接地し、サブ電極およびスイッチング電極に同位相の電圧を印加することにより暗状態表示を得て、サブ電極およびスイッチング電極に逆位相の電圧を印加することにより明状態表示を得ることを特徴としている。
【0065】
上記の構成により、対向電極を接地し、サブ電極およびスイッチング電極に同位相の電圧を印加することにより暗状態表示を得て、サブ電極およびスイッチング電極に逆位相の電圧を印加することにより明状態表示を得る。
【0066】
なお、対向電極を所定の固定の電位とし、サブ電極およびスイッチング電極に同極性、好ましくは同電圧値の電圧を印加することにより暗状態表示を得て、サブ電極およびスイッチング電極に逆位相の電圧を印加することにより明状態表示を得る構成とすることができる。
【0067】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0068】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。また、それゆえ、非常にコントラストの良好な白黒表示を得ることができ、さらに、カラーフィルターなどと組み合わせることにより、良好なフルカラー表示も可能である。
【0069】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0070】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0071】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0072】
また、本発明の液晶表示装置は、少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部から液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、上記一対の基板のうち、第1の基板上にスイッチング素子と、抵抗膜と、該膜上に前記スイッチング素子に接続されたスイッチング電極および前記スイッチング素子に接続されない電極とを備え、第2の基板上にスイッチング素子に接続されない対向電極を備えたことを特徴としている。
【0073】
上記の構成により、上記一対の基板のうち、第1の基板上にスイッチング素子と、抵抗膜と、該膜上に前記スイッチング素子に接続されたスイッチング電極および前記スイッチング素子に接続されない電極とを備え、第2の基板上にスイッチング素子に接続されない対向電極を備える。
【0074】
なお、上記一対の基板のうちの第1の基板上に抵抗膜を備え、抵抗膜上に、画像信号が印加されるスイッチング電極および画像信号が印加されない非スイッチング電極としてのサブ電極を備え、第1の基板に対向する第2の基板上に、画像信号が印加されない対向電極を備えた構成とすることができる。
【0075】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、第1の基板上であってスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0076】
その結果、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御でき、粘性緩和による立ち下がり応答がないため、高速応答をすることが可能である。
【0077】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。
【0078】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0079】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0080】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0081】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となることを特徴としている。
【0082】
上記の構成により、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる。
【0083】
なお、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態および垂直配向状態となる構成とすることができる。さらに、電界無印加で無配向状態となる構成とすることができ、これにより、焼き付きを効果的に防止することができる。
【0084】
したがって、通常のネマティック液晶表示装置の構成に欠かせない、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0085】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させることを特徴としている。
【0086】
上記の構成により、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させる。
【0087】
なお、第1の基板上の画像信号が印加されるスイッチング電極と画像信号が印加されないサブ電極とにそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、スイッチング電極とサブ電極との間に、基板面にほぼ水平方向の電界を発生させる一方、スイッチング電極とサブ電極とにそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、スイッチング電極・サブ電極・抵抗膜と対向電極との間に、基板面に垂直方向の電界を発生させる構成とすることができる。
【0088】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、第1の基板上であってスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0089】
その結果、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御でき、粘性緩和による立ち下がり応答がないため、高速応答をすることが可能である。
【0090】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。
【0091】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0092】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0093】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0094】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、一対の偏光板を備えることにより、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ明表示を行い、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させて暗表示を行うことを特徴としている。
【0095】
上記の構成により、一対の偏光板を備えることにより、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ明表示を行い、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させて暗表示を行う。
【0096】
なお、対向電極を所定の固定の電位とし、第1の基板上の画像信号が印加される電極(スイッチング電極)と画像信号が印加されない電極(サブ電極)とに逆極性の信号波形をそれぞれ印加することにより、スイッチング電極とサブ電極との間に、基板面にほぼ水平方向の電界を発生させて明表示を行い、スイッチング電極とサブ電極とに同極性、好ましくは同電圧値の信号波形をそれぞれ印加することにより、スイッチング電極・サブ電極・抵抗膜と対向電極との間に、基板面に垂直方向の電界を発生させて暗表示を行う構成とすることができる。
【0097】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介してスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)に印加されると、スイッチング電極が所定の電位になるが、このときのスイッチング電極の電位が、第1の基板上であってスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0098】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。また、それゆえ、非常にコントラストの良好な白黒表示を得ることができ、さらに、カラーフィルターなどと組み合わせることにより、良好なフルカラー表示も可能である。
【0099】
また、上記本発明においては、スイッチングを担う素子は1つだけで十分である。そのため、その分、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0100】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0101】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0102】
また、本発明の液晶表示装置は、少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される問隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部から液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、上記一対の基板のうち、第1の基板上に、第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ接続される第1の電極および第2の電極と、スイッチング素子に接続されない第3の電極と、絶縁体とを具備し、第1の電極と第3の電極とが絶縁膜を挟んで第2の電極と対向配置され、第2の基板上に、スイッチング素子に接続されない対向電極を備えたことを特徴としている。
【0103】
上記の構成により、上記一対の基板のうち、第1の基板上に、第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ接続される第1の電極および第2の電極と、スイッチング素子に接続されない第3の電極と、絶縁体とを具備し、第1の電極と第3の電極とが絶縁膜を挟んで第2の電極と対向配置され、第2の基板上に、スイッチング素子に接続されない対向電極を備える。
【0104】
なお、上記一対の基板のうちの第1の基板上に、画像信号が印加される第2スイッチング電極膜を備え、第2スイッチング電極膜上に絶縁膜を備え、絶縁膜上に、画像信号が印加される第1スイッチング電極および画像信号が印加されない非スイッチング電極としてのサブ電極(第3電極)を備え、第1の基板に対向する第2の基板上に、画像信号が印加されない対向電極を備えた構成とすることができる。
【0105】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介して第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ接続された電極(第1および第2のスイッチング電極)に印加されると、第1および第2のスイッチング電極がそれぞれ所定の電位になるが、このときの第1および第2のスイッチング電極の電位が、第1の基板上であってスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極、第3の電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0106】
その結果、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御でき、粘性緩和による立ち下がり応答がないため、高速応答をすることが可能である。
【0107】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。
【0108】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0109】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0110】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となることを特徴としている。
【0111】
上記の構成により、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる。
【0112】
なお、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態および垂直配向状態となる構成とすることができる。さらに、電界無印加で無配向状態となる構成とすることができ、これにより、焼き付きを効果的に防止することができる。
【0113】
したがって、通常のネマティック液晶表示装置の構成に欠かせない、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0114】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、前記一対の基板間に配向膜をも備え、該配向膜により電界無印加で垂直配向状態として液晶が挟持され、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となることを特徴としている。
【0115】
上記の構成により、前記一対の基板間に配向膜をも備え、該配向膜により電界無印加で垂直配向状態として液晶が挟持され、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる。
【0116】
したがって、配向膜形成処理と電界印加とを組み合わせることにより、より容易に液晶の配向状態変化を行わせることができる。それゆえ、上記構成による効果に加えて、より容易に、高い自由度で、液晶において所望の配向状態変化、ひいては所望の表示状態変化を行わせることができる。
【0117】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、第1の電極と第3の電極とに逆極性の信号波形を印加することにより、第1の電極と第3の電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1ないし第3の電極に同極性の信号波形を印加することにより、第1ないし第3の電極と第2の基板上の対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させることを特徴としている。
【0118】
上記の構成により、第1の電極と第3の電極とに逆極性の信号波形を印加することにより、第1の電極と第3の電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1ないし第3の電極に同極性の信号波形を印加することにより、第1ないし第3の電極と第2の基板上の対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させる。
【0119】
なお、対向電極および第2の電極を所定の固定の電位とし、第1の基板上の画像信号が印加される第1の電極(スイッチング電極)と画像信号が印加されない第3の電極(サブ電極)とに逆極性の信号波形をそれぞれ印加することにより、スイッチング電極とサブ電極との間に、基板面にほぼ水平方向の電界を発生させて明表示を行うとともに、スイッチング電極、サブ電極および第2の電極に同極性、好ましくは同電圧値の信号波形をそれぞれ印加することにより、スイッチング電極・サブ電極・第2の電極と対向電極との間に、基板面に垂直方向の電界を発生させ、暗表示を行う構成とすることができる。
【0120】
したがって、画像信号がスイッチング素子を介して第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ接続された電極(第1および第2のスイッチング電極)に印加されると、第1および第2のスイッチング電極がそれぞれ所定の電位になるが、このときの第1および第2のスイッチング電極の電位が、第1の基板上であってスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極、第3の電極)の電位と同相か逆相かで、液晶に印加される電界の方向が基板に平行な方向と垂直な方向との間で変化し、それにより、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。そのため、スイッチング電極の電位の相を変えることで液晶の配向状態を変化させることができる。
【0121】
それゆえ、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができる。また、それゆえ、非常にコントラストの良好な白黒表示を得ることができ、さらに、カラーフィルターなどと組み合わせることにより、良好なフルカラー表示も可能である。
【0122】
また、上記本発明においては、上記のような極端に薄く均一な作製が困難な抵抗性薄膜を作製する必要がない。そのため、表示の不均一性を防ぐことができる。
【0123】
また、本発明においては、ネマティック液晶を用いることができる。すなわち、高速応答ではあるが配向の不均一性や耐衝撃性の低さや焼き付きといった特有の間題を有する強誘電性液晶を用いなくとも、従来から広く利用されて比較的扱いやすくこのような問題の少ないネマティック液晶を用いても、上記のような高速応答化を達成できる。そのため、このような配向の均一性や耐衝撃性や焼き付きの間題がない。このように、ネマティック液晶により光学的立ち上がり、立ち下がりのどちらも高速に電界応答する液晶表示装置を提供することができる。
【0124】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下の説明では、基板、配向膜等は図面より省く。
【0125】
本発明の実施の形態を以下に、図面を用いて詳述する。図1に、本実施の形態に係る液晶表示装置構造の断面模式図を示す。TFT等のスイッチング素子に接触して配置されるスイッチング電極22に対向して、対向電極21がある点は従来の液晶表示装置と同じである。対向電極21の、スイッチング電極22に対向する面には絶縁膜24が形成され、更に絶縁膜24上にサブ電極23が設けられている。説明のためにネマティック液晶の誘電異方性は正とする。画素を形成するスイッチング電極22、対向電極21のうち一方は必ず透明電極であり、サブ電極23は透明電極であっても金属等の不透明電極であってもよい。11は液晶分子である。図1(a)の状態から図1(b)の状態に移行するのにかかる時間が立ち上がり時間τrであり、図1(b)の状態から図1(a)の状態に移行するのにかかる時間が立ち下がり時間τdである。
【0126】
図1に示すように、対向電極21をグランドレベルに、サブ電極23に一定の交流信号を印加する。この状態で、図1(b)のように、スイッチング電極22に、サブ電極23に印加される信号と逆極性の信号を印加すると、スイッチング電極22とサブ電極23の間の電位差が、対向電極21のグランドレベルとの電位差よりも大きくなるため、矢印で示す斜め方向の電界13が生じる。液晶分子は電界方向に配向を変化して立ち上がり応答する。
【0127】
図1(a)のように、スイッチング電極22の信号の極性を反転させて、サブ電極23に印加される信号と同じ極性の信号を印加すると、スイッチング電極22とサブ電極23の間の斜め電界13は消滅して、対向電極21のグランドレベルとの間に基板に垂直方向の電界12が生じる。液晶分子11は電界方向に配向を変化して垂直配向に立ち下がり応答する。
【0128】
ここで、従来より提案されている、本実施の形態の構成と紛らわしい構成について、本実施の形態と対比して説明する。本実施の形態においては、従来の図21、図22で示す方法と同様に、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御し、粘性緩和による立ち下がりが無いため、高速応答を達成することができる。また、図21、図22では製造コスト上、一画素に対するスイッチング素子の数が問題であったが、本実施の形態の場合は一つだけで良く、その問題を解決できることとなる。
【0129】
また、本実施の形態の場合には、図21(a)、図22(a)のように高抵抗の抵抗性薄膜120により画素の大部分に電界を印加する図21、図22の構成と異なり、直接スイッチング電極22と対向電極21により電界を印加するため、信号の波形歪みも無い。絶縁膜は、Ta等を1000Å〜2000Å蒸着して使用することができ、図21、図22の抵抗性薄膜に比較して均一な膜を容易に作製することができる。
【0130】
実際の液晶表示装置では、画素ピッチは100μm程度、セル厚は5μm程度である。よって、スイッチング電極22とサブ電極23の間に充分な斜め電界を生じるように、図2に示すごとく、サブ電極23を複数本設置して、セル厚dに対してサブ電極間の距離Wを調節することが可能である。
【0131】
また、特開昭62−239127号公報、特開昭62−239128号公報等には、画素を形成する透明電極と幅の狭い金属電極を備えた構造が示されているが、これらは、金属電極と透明電極とが直接接触しており、抵抗値の違いを利用して画素内に電界勾配を作り出すものであって、対向電極とサブ電極の間に絶縁膜を備えた本実施の形態の電極構造とは異なる構成である。
【0132】
また、本実施の形態では配向処理が不要である。通常、ネマティック液晶を用いた表示装置では、基板表面に配向処理を施すことが必須である。従来は、図19に示すように、電界を印加した状態と電界無印加の状態により表示を行うため、電界無印加の状態の配向を均一にする手段として、配向膜を形成したり、配向膜にラビングを施したりして、基板に配向規制力を持たせなければならない。
【0133】
電界印加状態では基板に配向規制力が無くても、電界により液晶が均一に配向するため、本実施の形態の如く表示期間中に電界無印加状態が発生しない表示装置では、配向処理が不要である。表示装置の電源を切っている時は、図3のように液晶は無配向状態であるが、非使用時なのでまったく問題ではない。電源を投入して図1のように常に電界を印加しつづけて表示を行うので、使用中に図3のような無配向状態に戻ってしまうことはない。
【0134】
さらに、特開平8−5990号公報には、同じように、電界により液晶を配向させる方法が記載されているが、本実施の形態とは異なる構造であって、対向する両電極とも平行な電極対すなわち櫛歯形状である。また、それぞれの基板の櫛歯電極間に電界を印加して、各基板で別々に基板に平行な電界を印加して配向制御を行う。しかも、この電界による配向制御は非駆動時、すなわち非表示時の配向制御であり、いわば表示のための準備としての技術である。本実施の形態願のように、配向と駆動を同時に電界により行うものではない。
【0135】
さらに、本発明を以下の実施例に基づき、更に、詳しく説明する。
【0136】
〔実施例1〕
本発明の実施例として、以下に示す液晶表示装置を作製した。ガラス基板上にTFT素子を作製し、これと透明電極ITO1000Åを接触させて形成し、スイッチング電極を形成した。別のガラス基板に透明電極ITO1000Åを形成し、この上に絶縁膜としてTaを2000Å成膜した。サブ電極としてTa線1000Åを複数本形成した。サブ電極の線幅は5μm、サブ電極間は20μmとした。上記2種類の基板を洗浄した後、配向膜を形成することなく、貼り合わせて図2の構造のセルとした。セル厚は3μmとした。
【0137】
液晶はメルク社製のネマティック液晶E8を注入した。誘電異方性は正である。この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、配向処理を施しておらず、均一配向になっていないため、むらが目立つものであった。
【0138】
次に、図1のように対向電極はグランドレベルに接地させ、サブ電極には120Hz、±5Vの矩形波電界信号を印加し続けた。図1(a)のようにスイッチング電極にサブ電極と同位相の120Hz、±5V矩形波を印加したところ、透過光が消失して均一な暗状態に変化した。この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、セルと偏光板の設置角度に拘わらず消光状態であり液晶が垂直配向していることが確認された。続いて、図1(b)のようにスイッチング電極にサブ電極と逆位相の120Hz、±5V矩形波を印加したところ、透過光が生じ、明状態となった。
【0139】
上記のように、垂直配向による暗状態と透過光の生じる明状態の2状態の間を切り替えるために、スイッチング電極に印加する電界の極性を切り替えながら、立ち上がり応答(暗状態から明状態への変化)と立ち下がり応答(明状態から暗状態への変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答、立ち下がり応答とも2msであり、従来のように一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することが可能であった。
【0140】
本実施例で作製したセルは基板作製後、配向処理は必要なく、洗浄するだけで貼り合わせることができるため、非常に簡単に作製することができ、製造コストも従来より大幅に安くなる。
【0141】
〔実施例2〕
両基板に垂直配向処理を行った以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、常に暗視野となり、垂直配向していることが確認された。
【0142】
さらに、図1のように対向電極をグランドレベルにし、サブ電極には120Hz、±5Vの矩形波電界信号を印加し続けた。図1(b)のようにスイッチング電極にサブ電極と逆位相の120Hz、±5V矩形波を印加したところ、透過光が生じ、明状態となった。続いて、図1(a)のようにスイッチング電極にサブ電極と同位相の120Hz、±5V矩形波を印加したところ、クロスニコル偏光板の間でセルを回転させても、常に暗視野となり、垂直配向に戻ったことが確認された。
【0143】
上述のように垂直配向による暗状態と透過光の生じる明状態の2状態の間を切り替えるために、スイッチング電極に印加する電界の極性を切り替えながら、立ち上がり応答(暗状態から明状態への変化)と立ち下がり応答(明状態から暗状態への変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答は2.5ms、立ち下がり応答は1.5msであり、立ち下がり応答は実施例1よりも高速であるが、立ち上がり応答が僅かながら遅くなった。
【0144】
基板の配向規制力に逆らって、垂直配向から図1(b)の配向に変化する立ち上がり応答は、初期配向が垂直配向であるがゆえ、配向処理の無い場合に比較して僅かながら遅くなる。しかしながら、この状態は従来の液晶表示装置と同じであり、立ち上がり応答速度が従来に比較して遅くなったわけではない。
【0145】
逆に、垂直配向に戻る場合には、従来と同じように粘性緩和による自然な変化に、電界によるスイッチングエネルギーが加わるので、配向処理の無い場合に比較して更に速くなる。
【0146】
実施例1のように立ち上がり応答も立ち下がり応答も全く同じ速度ではなく、速度に違いは生じるが、従来のように一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することができる。
【0147】
〔実施例3〕
実施例1の構造を1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善することが判った。
【0148】
〔実施例4〕
実施例2の構造を1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善することが判った。
【0149】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図4ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0150】
本発明の実施の形態を以下に、図面を用いて詳述する。図4に、本実施の形態にかかる液晶表示装置の断面模式図を示す。第1の基板には、TFT等のスイッチング素子に接続された電極(スイッチング電極)44と、スイッチング素子に接続されない電極(サブ電極)43とがあり、これらは高抵抗体(抵抗膜)42に接触して設置されている。スイッチング電極43およびサブ電極43は、横方向の電界を発生させる電極である。第2の基板上には、対向電極41が配設され、該電極はスイッチング素子に接続されていない。
【0151】
画素を形成する対向電極41および高抵抗体42のうち少なくとも一方は透明電極であり、電極43、電極44は透明電極であっても金属等の不透明電極であってもよい。高抵抗体は、D.J.Channin 、等によるApplied Physics Letters 、Vol.28、(1976)p.300 「Rapid Turn−off in triode optical gate liquid crystal devices」と同様に、10〜10Ω/□のシート抵抗であり、100Å程度のシリコンやカーボンやITOの薄膜を使用することができる。図4(a)の状態から図4(b)の状態に移行するのにかかる時間が立ち上がり時間τrであり、図4(b)の状態から図4(a)の状態に移行するのにかかる時間が立ち下がり時間τdである。
【0152】
以下の説明のためにネマティック液晶の誘電異方性は正とすると、本実施の形態における電極への電圧印加は、図4のように対向電極41をグランドレベルにし、スイッチング素子に接続されない電極43に交流信号を連続して印加することにより行う。図4(a)のように、スイッチング素子(TFT等)に接続された電極44に、電極43に印加される信号と逆極性の信号を印加すると、電極43と電極44の間に、矢印で示す基板水平方向の電界14が生じるため、液晶分子11は電界方向に配向を変化して水平配向する。
【0153】
図4(b)のようにスイッチング素子に接続された電極44の信号の極性を反転させて、電極43に印加される信号と同じ極性の信号を印加すると、電極43と電極44の間の水平方向電界14は消滅して、対向電極41のグランドレベルとの間に基板に垂直方向の電界が生じる。電極43と電極44の間隙である画素部分には、高抵抗体42により、電極部とほぼ同じ電界が発生する。液晶分子は電界方向に配向を変化して垂直配向に変化する。
【0154】
本実施の形態においては、従来の図21、図22で示す方法と同様に、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御し、粘性緩和による立ち下がりが無いため、高速応答を達成することができる。また、図21、図22では製造コスト上、一画素に対するスイッチング素子の数が問題であったが、本願の場合一つだけで良く、その問題を解決できることとなる。
【0155】
実際の液晶表示装置では、画素ピッチは100μm程度、セル厚は3〜5μm程度である。本実施の形態による液晶表示装置でも同様に設定する。そこで、電極43と電極44の間に充分な水平方向電界を生じさせるため、図5に示すように、櫛歯電極構造とすることが望ましい。ここで、45は、電極44に接続されたスイッチング素子であるTFTである。
【0156】
また、本実施の形態では配向処理が不要である。通常、ネマティック液晶を用いた表示装置では、基板表面に配向処理を施すことが必須である。従来は、図19のように、電界を印加した状態と電界無印加の状態により表示を行うため、電界無印加の状態の配向を均一にする手段として、配向膜を形成したり、配向膜にラビングを施したりして、基板に配向規制力を持たせなければならない。
【0157】
電界印加状態では基板に配向規制力が無くても、電界により液晶が均一に配向するため、本実施の形態の如く表示期間中に電界無印加状態が発生しない表示装置では、配向処理が不要である。表示装置の電源を切っている時は、図6のように液晶は無配向状態であるが、非使用時なのでまったく問題ではない。電源を投入して図12のように常に電界を印加しつづけて表示を行うので、使用中に図13のような無配向状態に戻ってしまうことはない。
【0158】
さらに、特開平8−5990号公報には、同じように、電界により液晶を配向させる方法が記載されているが、本願とは異なる構造であって、対向する両電極とも平行な電極対すなわち櫛歯形状である。この櫛歯電極では、間隙部分で電界が減水してしまい、基板垂直方向の電界が均一に発生しない。また、それぞれの基板の櫛歯電極間に電界を印加して、各基板で別々に基板に平行な電界を印加して配向制御を行う。しかも、この電界による配向制御は非駆動時、すなわち非表示時の配向制御であり、いわば表示のための準備としての技術である。また、本実施の形態のように、配向と駆動を同時に電界により行うものではない。さらに、本発明を以下の実施例に基づき、更に、詳しく説明する。
【0159】
〔実施例5〕
本発明の実施例として、以下に示す液晶表示装置を作製した。ガラス基板上にTFT素子を作製し、同じ基板面上に100Åのアモルファスシリコン薄膜を形成した。アモルファスシリコンは非透光性であるが、100Åの薄膜では90%以上の透過率があり透明である。
【0160】
TFTとアモルファスシリコン薄膜の両方を覆うようにMo2000Åを成膜し、レジストとフォトマスクを用いて1対の櫛歯形状にエッチングによりパターニングし、図5に示すように、櫛歯の一方がTFTに接触し、他方がTFTに接触しない電極構造を作製した。電極幅は5μm、電極間は20μmとした。上記基板と透明電極ITO2000Åを形成した対向基板を洗浄した後、配向膜を形成することなく、貼り合わせて図4の構造のセルとした。セル厚は3μmとした。液晶はメルク社製のネマティック液晶E8を注入した。誘電異方性は正である。
【0161】
この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、配向処理を施しておらず、均一配向になっていないため、むらが目立つものであった。図4(a)のように対向電極41をグランドレベルにし、TFTに接続していない電極43に120Hz、±5Vの矩形波信号を印加しながら、TFTに接続している電極44に、TFTに接続していない電極43とは逆極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、むらがなくなり、均一な配向にすることができた。クロスニコル偏光板の間でセルを回転させると、45°毎に暗視野と明示度が入れ替わり、水平配向していることが確認された。
【0162】
続いて、図4(b)のようにTFTに接続している電極44に、TFTに接続していない電極43と同極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、クロスニコル偏光板の間でセルを回転させても、常に暗視野となり、垂直配向に変化することが確認された。
【0163】
上記のように、TFTに接続している電極44に印加する信号の極性を切り替えながら、立ち上がり応答(水平配向から垂直配向への変化)と立ち下がり応答(垂直配向から水平配向への変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答、立ち下がり応答とも2msであり、従来のように一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することができる。
【0164】
本実施例で作製したセルは基板作製後、配向処理は必要なく、洗浄するだけで貼り合わせることができるため、非常に簡単に作製することができ、製造コストも従来より大幅に安くなる。
【0165】
〔実施例6〕
両基板に垂直配向処理を行った以外は実施例5と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、常に暗視野となり垂直配向していることが確認された。
【0166】
図4(a)のように、対向電極をグランドレベルにし、TFTに接続していない電極43に120Hz、±5Vの矩形波信号を印加しながら、TFTに接続している電極44にTFTに接続していない電極43と逆極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、透過光が生じ、配向が変化した。クロスニコル偏光板の間でセルを回転させると、45°毎に暗視野と明示度が入れ替わり、水平配向していることが確認された。
【0167】
続いて、図4(b)のように、TFTに接続している電極44に、TFTに接続していない電極43と同極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、クロスニコル偏光板の間でセルを回転させても、常に暗視野となり、垂直配向に戻ったことが確認された。
【0168】
上記のように、TFTに接続している電極44に印加する信号の極性を切り替えながら、初期配向である垂直配向と水平配向の2状態の間を切り替えながら、立ち上がり応答(垂直配向から水平配向への変化)と立ち下がり応答(水平配向から垂直配向への変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答は2.5ms、立ち下がり応答は1.5msであり、立ち下がり応答は実施例5よりも高速であるが、立ち上がり応答が僅かながら遅くなった。
【0169】
初期配向が垂直配向のため、基板の配向規制力に逆らって垂直配向から水平配向に変化する立ち上がり応答は基板の配向規制力のために、配向処理の無い場合に比較して僅かながら遅くなる。しかしながら、この状態は従来の液晶表示装置と同程度であり、立ち上がり応答速度が従来に比較して遅くなったわけではない。
【0170】
逆に、水平配向から垂直配向の場合には、従来と同じように粘性緩和による自然な変化に、電界によるスイッチングエネルギーが加わるので、配向処理の無い場合に比較して更に速くなる。
【0171】
実施例5のように立ち上がり応答も立ち下がり応答も全く同じ速度ではなく、速度に違いは生じるが、従来のように、一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することができる。
【0172】
〔実施例7〕
実施例5の構造を図7のように1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。45はTFT、46はゲートライン、47はソースライン、48はゲートとソースラインとの間の絶縁体である。前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善した。
【0173】
〔実施例8〕
実施例6の構造を図7のように1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。45はTFT、46はゲートライン、47はソースライン、48はゲート、ソースライン間の絶縁体である。前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善した。
【0174】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図8ないし図11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0175】
本発明の実施の形態を以下に、図面を用いて詳述する。図8に、本実施の形態にかかる液晶表示装置の構造断面図を示す。第1の基板には、TFT等のスイッチング素子に接続された電極(第1スイッチング電極、第1の電極)64とスイッチング素子に接続されない電極(サブ電極、第3の電極)63があり、これらは、絶縁膜(絶縁体)65を介して、別のスイッチング素子に接続された電極(第2スイッチング電極、第2の電極)62に積層されている。対向電極61はスイッチング素子に接続されていない。画素を形成する電極62、対向電極61のうち少なくとも一方は透明電極であり、その他の電極63、電極64は透明電極であっても金属等の不透明電極であってもよい。図8(a)の状態から図8(b)の状態に移行するのにかかる時間が立ち上がり時間τrであり、図8(b)の状態から図8(a)の状態に移行するのにかかる時間が立ち下がり時間τdである。
【0176】
以下、説明のために、ネマティック液晶の誘電異方性は正とすると、本実施の形態における電極への電圧印加は、図8に示すように、対向電極61はグランドレベルに、電極63には連続した交流信号を印加することにより行う。図8(a)のように、電極64に電極63と逆極性の信号を印加する(この時、電極62はグランドレベルに保つ)と、電極63と電極64の間に基板面にほぼ水平な電界が発生し、液晶分子11が水平配向する。
【0177】
図8(b)のように、電極64に印加する信号の極性を反転させ、電極62にも同じ信号を印加すると、電極63、電極64の水平方向電界は消滅して、対向電極61のグランドレベルとの間に基板に垂直方向の電界が生じ、液晶が垂直配向する。即ち、電極62と電極64に印加する信号をそれぞれのスイッチング素子により制御することで、図8(a)、図8(b)の間の配向変化を繰り返すことが可能となる。
【0178】
本実施の形態においては、従来の図21、図22の方法と同様に、立ち上がり応答、立ち下がり応答ともに電界で制御し、粘性緩和による立ち下がりが無いため、高速応答を達成することができる。また、図21、図22のように、両基板上にスイッチング素子を形成する必要はなく、一方の基板にスイッチング素子を作製するだけで良い。
【0179】
また、図21(a)、図22(a)のように高抵抗の抵抗性薄膜により画素の大部分に電界を印加する方法と異なり、電極62と対向電極61により、直接電界を印加するため、信号の波形歪みも少ない。さらに、絶縁膜は、Ta等を1000Å〜2000Å蒸着して使用することができ、図21、図22の抵抗性薄膜に比較して均一な膜を容易に作製することが可能となる。
【0180】
実際の液晶表示装置では、画素ピッチは100μm程度、セル厚は5μm程度である。このため、電極63と電極64の間に充分な水平方向電界が生じ難いので、図9に示すように、櫛歯電極構造とすることが望ましい。図9で、66は電極64に接続されたスイッチング素子であるTFTであり、67は電極62に接続されたスイッチング素子であるTFTである。
【0181】
また、本実施の形態では配向処理が不要である。通常、ネマティック液晶を用いた表示装置では、基板表面に配向処理を施すことが必須である。従来は、図19のように電界を印加した状態と電界無印加の状態により表示を行うため、電界無印加の状態の配向を均一にする手段として、配向膜を形成したり、配向膜にラビングを施したりして、基板に配向規制力を持たせなければならない。
【0182】
電界印加状態では基板に配向規制力が無くても、電界により液晶が均一に配向するため、本実施の形態の如く表示期間中に電界無印加状態が発生しない表示装置では、配向処理が不要である。表示装置の電源を切っている時は、図10のように液晶は無配向状態であるが、非使用時なのでまったく問題ではない。電源を投入して図8のように常に電界を印加し続けて表示を行うので、使用中に図10のような無配向状態に戻ってしまうことはない。
【0183】
さらに、特開平8−5990号公報には、電界により液晶を配向させる方法が記載されているが、本実施の形態とは異なる構造であって、対向する両電極とも平行な電極対すなわち櫛歯形状である。また、それぞれの基板の櫛歯電極間に電界を印加して、各基板で別々に基板に平行な電界を印加して配向制御を行う。しかも、この電界による配向制御は非駆動時、すなわち非表示時の配向制御であり、いわば表示のための準備としての技術である。本実施の形態のように、配向と駆動を同時に電界により行うものではない。
【0184】
なお、本実施の形態においても、配向膜を形成するようにすることもできる。すなわち、図14中、109、110で示すような配向膜を形成するようにすることもできる。これにより、配向膜形成処理と電界印加とを組み合わせることが可能になるので、より容易に液晶の配向状態変化を行わせることができる。それゆえ、上記構成による効果に加えて、より容易に、高い自由度で、液晶において所望の配向状態変化、ひいては所望の表示状態変化を行わせることができる。
【0185】
本発明を以下の実施例に基づき、更に、詳しく説明する。
【0186】
〔実施例9〕
本発明の実施例として、以下に示す液晶表示装置を作製した。ガラス基板上にTFT素子を作製し、これと透明電極ITO1000Åを接触させて形成し、電極62を形成した。この上に絶縁膜としてTaを2000Å成膜した。
【0187】
この上に、Mo2000Åを成膜し、レジストとフォトマスクを用いて1対の櫛歯形状にエッチングによりパターニングし、図9のように櫛歯の一方が他のTFT素子に接触し電極66となり、櫛歯の他方がTFTに接触しないで電極63となる構造を作製した。電極幅は5μm、電極間は20μmとした。
【0188】
上記基板と透明電極ITO2000Åを形成した対向基板を洗浄した後、配向膜を形成することなく、貼り合わせて図8の構造のセルとした。セル厚は3μmとした。液晶はメルク社製のネマティック液晶E8を注入した。誘電異方性は正である。
【0189】
この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、配向処理を施しておらず、均一配向になっていないため、むらが目立つものであったが、図8のように、電極62と対向電極61をグランドレベルにし、TFTに接触していない電極に120Hz、±5Vの矩形波信号を印加しながら、図8(a)のように、TFTに接触している電極に逆極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、むらがなくなり、均一な配向にすることができた。クロスニコル偏光板の間でセルを回転させると、45°毎に暗視野と明視野が入れ替わり、水平配向していることが確認された。
【0190】
続いて、図8(b)のように、TFTに接触している電極に印加する信号の極性を反転させるとともに、電極62に同じ信号を印加して、電極62、電極63、電極64にすべて同じ120Hz、±5Vの信号が印加されるようにしたところ、クロスニコル偏光板の問でセルを回転させても常に暗視野となり、垂直配向に変化することが確認された。
【0191】
上記のように、水平配向と垂直配向の2状態の間を切り替えながら、立ち上がり応答(水平配向から垂直配向への変化)と立ち下がり応答(垂直配向から水平配向への変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答、立ち下がり応答とも2msであり、従来のように一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することができる。
【0192】
本実施例で作製したセルは基板作製後、配向処理は必要なく、洗浄するだけで貼り合わせることができるため、非常に簡単に作製することができ、製造コストも従来より大幅に安くなる。
【0193】
〔実施例10〕
両基板に垂直配向処理を行った以外は実施例9と同様にして液晶表示装置を作製した。
【0194】
この液晶セルを2枚の偏光板をクロスニコルにして観察したところ、常に暗視野となり、垂直配向していることが確認された。図8のように、電極62と対向電極61をグランドレベルにし、TFTに接続していない電極に120Hz、±5Vの矩形波信号を印加しながら、図8(a)のように、TFTに接続している電極に逆極性の120Hz、±5Vの矩形波信号を印加したところ、透過光が生じ、配向が変化した。クロスニコル偏光板の間でセルを回転させると、45°毎に暗視野と明視野が入れ替わり、水平配向していることが確認された。
【0195】
続いて、図8(b)のように、TFTに接続している電極に印加する信号の極性を反転させるとともに、電極62に同じ信号を印加して、電極62、電極63、電極64にすべて同じ120Hz、±5Vの信号が印加されるようにしたところ、クロスニコル偏光板の間でセルを回転させても、常に暗視野となり、垂直配向に戻ったことが確認された。
【0196】
上記のように、水平配向と垂直配向の2状態の間を切り替えながら、立ち上がり応答(垂直配向から水平配向一の変化)と立ち下がり応答(水平配向から垂直配向一の変化)の応答速度を測定した。立ち上がり応答は2.5ms、立ち下がり応答は1.5msであり、立ち下がり応答は実施例9よりも高速であるが、立ち上がり応答が僅かながら遅くなった。
【0197】
初期配向が垂直配向のため、基板の配向規制力に逆らって垂直配向から水平配向に変化する立ち上がり応答は、基板の配向規制力のために、配向処理の無い場合に比較して僅かながら遅くなる。しかしながら、この状態は従来の液晶表示装置と同じであり、立ち上がり応答速度が従来に比較して遅くなったわけではない。
【0198】
逆に、水平配向から垂直配向の場合には、従来と同じように粘性緩和による自然な変化に、電界によるスイッチングエネルギーが加わるので、配向処理の無い場合に比較して更に速くなる。
【0199】
実施例9のように立ち上がり応答も立ち下がり応答も全く同じ速度ではなく、速度に違いは生じるが、従来のように一方応答のみが高速で、他方応答は遅いといった問題はなく、立ち上がり、立ち下がりともに高速で応答することができる。
【0200】
〔実施例11〕
実施例9の構造を図11のように1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。68はゲートライン、69、70はソースライン、71はゲート・ソースライン間の絶縁体である。
【0201】
前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善した。
【0202】
〔実施例12〕
実施例10の構造を図11のように1枚の基板上に多数作り込み、アクティブマトリクスパネルを作製した。68はゲートライン、69、70はソースライン、71はゲート・ソースライン間の絶縁体である。
【0203】
前述したフラッシングバックライトと組み合わせてインパルス型表示を行ったところ、従来の液晶TVでは特にスポーツシーンなどで目立っていた、ボールの尾引きなどがなくなり、動画の再現性能が改善した。
【0204】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液晶表示装置は、一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、第2の基板上に対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に複数のサブ電極を備えた構成である。
【0205】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0206】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、電界印加により配向状態となる構成である。
【0207】
これにより、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0208】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、前記対向電極およびサブ電極に、各々異なる一定の電気信号が入力され、前記スイッチング素子には画像信号に応じて変化する電気信号が入力される方法である。
【0209】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0210】
また、スイッチングを担う素子は1つだけで十分であるため、その分、製造コストの上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0211】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、前記対向電極を接地し、サブ電極およびスイッチング電極に同位相の電圧を印加することにより暗状態表示を得て、サブ電極およびスイッチング電極に逆位相の電圧を印加することにより明状態表示を得る方法である。
【0212】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0213】
また、スイッチングを担う素子は1つだけで十分であるため、その分、製造コストの上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0214】
また、本発明の液晶表示装置は、一対の基板のうち、第1の基板上にスイッチング素子と、抵抗膜と、該膜上に前記スイッチング素子に接続されたスイッチング電極および前記スイッチング素子に接続されない電極とを備え、第2の基板上にスイッチング素子に接続されない対向電極を備えた構成である。
【0215】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0216】
また、スイッチングを担う素子は1つだけで十分であるため、その分、製造コストの上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0217】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる構成である。
【0218】
これにより、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0219】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させる方法である。
【0220】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0221】
また、スイッチングを担う素子は1つだけで十分であるため、その分、製造コストの上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0222】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、上記構成の液晶表示装置に対し、一対の偏光板を備えることにより、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ逆極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極と接続されない電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ明表示を行い、第1の基板上のスイッチング素子に接続された電極と接続されない電極にそれぞれ同極性の信号波形を印加することにより、前記スイッチング素子に接続された電極、前記スイッチング素子に接続されない電極および抵抗膜と、接地された対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させて暗表示を行う方法である。
【0223】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0224】
また、スイッチングを担う素子は1つだけで十分であるため、その分、製造コストの上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0225】
また、本発明の液晶表示装置は、一対の基板のうち、第1の基板上に、第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ接続される第1の電極および第2の電極と、スイッチング素子に接続されない第3の電極と、絶縁体とを具備し、第1の電極と第3の電極とが絶縁体を挟んで第2の電極と対向配置され、第2の基板上に、スイッチング素子に接続されない対向電極を備えた構成である。
【0226】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【0227】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる構成である。
【0228】
これにより、基板表面に配向処理を施す工程を用いることなく、液晶の配向状態を制御することが可能となる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができるとともに、非常に安価な液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0229】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の構成に加えて、少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、前記一対の基板間に配向膜をも備え、該配向膜により電界無印加で垂直配向状態として液晶が挟持され、前記基板面にほぼ水平方向の電界印加と、前記基板面に垂直方向の電界印加により、各々水平配向状態、垂直配向状態およびその中間の配向状態となる構成である。
【0230】
これにより、配向膜形成処理と電界印加とを組み合わせることにより、より容易に液晶の配向状態変化を行わせることができる。それゆえ、上記構成による効果に加えて、より容易に、高い自由度で、液晶において所望の配向状態変化、ひいては所望の表示状態変化を行わせることができるという効果を奏する。
【0231】
また、本発明の液晶表示装置の表示方法は、第1の電極と第3の電極とに逆極性の信号波形を印加することにより、第1の電極と第3の電極との間に基板面にほぼ水平方向の電界を発生させ、第1ないし第3の電極に同極性の信号波形を印加することにより、第1ないし第3の電極と第2の基板上の対向電極との間に基板面に垂直方向の電界を発生させる方法である。
【0232】
これにより、スイッチング電極の電位が、スイッチング素子に接続されない電極の電位と同相か逆相かで電界の方向が変化し、液晶の配向状態が水平配向と垂直配向との間で変化する。それゆえ、均一な表示で、動画ボケのない高速応答化を可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図2】セル厚dとサブ電極間の距離Wの関係を示す説明図である。
【図3】電圧無印加状態の液晶の配向状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る電極の構成を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明に係る電極の構成を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明に係る電極の構成を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明に係る液晶表示装置の断面構造を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明に係る電極の構成を模式的に示す説明図である。
【図12】従来の液晶表示装置の基本的構成を示す説明図である。
【図13】従来の液晶表示装置の基本的構成を示す説明図である。
【図14】従来の液晶表示装置の基本的構成を示す説明図である。
【図15】動画ボケの生じる原因とインパルス型表示を行う方法を示す説明図である。
【図16】動画ボケの生じる原因とホールド型表示を行う方法を示す説明図である。
【図17】動画ボケの生じる原因と液晶でインパルス型表示を行う方法を示す説明図である。
【図18】動画ボケの生じる原因と液晶でインパルス型表示を行う方法を示す説明図である。
【図19】従来の1方向電界によるネマティック液晶の立ち上がり応答、立ち下がり応答の様子を示す説明図である。
【図20】従来の2方向電界による立ち上がり、立ち下がりの両方を制御できる強誘電性液晶の応答の様子を示す説明図である。
【図21】従来の多方向電界によりネマティック液晶を制御する液晶表示装置の構成を示す説明図である。
【図22】従来の多方向電界によりネマティック液晶を制御する液晶表示装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
11 液晶分子
12、13、14 電界
21 対向電極
22 スイッチング電極
23 サブ電極
24 絶縁膜
41 対向電極
42 高抵抗体(抵抗膜)
43 サブ電極
44 スイッチング電極
45 TFT(スイッチング素子)
46 ゲートライン
47 ソースライン
48 絶縁体
61 対向電極
62 電極(第2スイッチング電極、第2の電極)
63 電極(サブ電極、第3の電極)
64 電極(第1スイッチング電極、第1の電極)
65 絶縁膜(絶縁体)
66、67 TFT(スイッチング素子)
68 ゲートライン
69 ソースライン
70 ソースライン
71 絶縁体

Claims (6)

  1. 少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、ネマティック液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部からネマティック液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、
    上記一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、
    第2の基板上にスイッチング素子に接続されない対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上にスイッチング素子に接続されない複数のサブ電極を備えており、
    上記一対の基板の表面には、配向処理が施されていないことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、ネマティック液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部からネマティック液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、
    上記一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、
    第2の基板上に画像信号が印加されない対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に画像信号が印加されない複数のサブ電極を備えており、
    上記一対の基板の表面には、配向処理が施されていないことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 少なくとも一枚の光透過性基板を含む一対の基板を対向させて形成される間隙に、液晶を挟持して構成される液晶表示装置であって、基板には外部から液晶に対して信号波形電界を印加するための電極が形成され、印加される信号波形に応じて液晶が配向状態を変化させ、入射した光を変調するとともに、光の変調を可視化する機構を備えてなる液晶表示装置において、
    上記一対の基板のうち、第1の基板上に、スイッチング素子および該スイッチング素子に接続されるスイッチング電極とを備え、
    第2の基板上に対向電極および該対向電極上に形成された絶縁膜、該絶縁膜上に複数のサブ電極を備えており、
    前記一対の基板間隙に挟持される液晶が、電界無印加で無配向状態であり、電界印加により配向状態となることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 一画素に対するスイッチング素子の数が、一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記対向電極およびサブ電極に、各々異なる一定の電気信号が入力され、前記スイッチング素子には画像信号に応じて変化する電気信号が入力されることを特徴とする液晶表示装置の表示方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記対向電極を接地し、サブ電極およびスイッチング電極に同位相の電圧を印加することにより暗状態表示を得て、サブ電極およびスイッチング電極に逆位相の電圧を印加することにより明状態表示を得ることを特徴とする液晶表示装置の表示方法。
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