JP2001174796A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001174796A
JP2001174796A JP36296999A JP36296999A JP2001174796A JP 2001174796 A JP2001174796 A JP 2001174796A JP 36296999 A JP36296999 A JP 36296999A JP 36296999 A JP36296999 A JP 36296999A JP 2001174796 A JP2001174796 A JP 2001174796A
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crystal layer
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substrate
color
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JP36296999A
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Shintaro Enomoto
信太郎 榎本
Aira Hotsuta
あいら 堀田
Masao Tanaka
雅男 田中
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加法混色を利用してフルカラー表示を行いなが
らも純粋な黒表示を行うことが可能なGH型の液晶ディ
スプレイを提供すること。 【解決手段】本発明の液晶表示装置1は、一方の主面に
それぞれ離間して配列された複数の画素電極6を有する
基板2と、前記基板2の前記複数の画素電極6が設けら
れた面と対向して配置され対向面に共通電極8を有する
対向基板3と、前記基板2と前記対向基板3との間で積
層構造を形成する第1及び第2の液晶層4a,4bとを
具備し、前記第1の液晶層4aは、前記複数の画素電極
6に対応して配列されそれぞれ吸収波長域の異なる複数
種の色領域10-1〜10-3を有し、前記複数種の色領域
10-1〜10-3のそれぞれは液晶化合物と二色性色素と
を含有し光吸収時に非黒色を呈する液晶材料を透明被膜
で包含してなる液晶マイクロカプセルを含み、前記第2
の液晶層4bは、液晶化合物と二色性色素とを含有し光
吸収時に黒色を呈する液晶材料からなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特にはゲスト−ホスト型の液晶材料を用いた液晶表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からディスプレイとしては広くCR
Tが用いられており、CRTがディスプレイ市場に占め
る割合は70%程度にまで及んでいる。これは、未だに
CRTは、他のディスプレイ対し、コスト及び画面サイ
ズに関して優位に立っているためである。
【0003】ところで、近年、ディスプレイには省スペ
ース化に寄与することが求められており、ディスプレイ
の携帯機器への搭載も益々進められている。周知の通
り、CRTでは全ての画素の表示を1つの電子銃で賄っ
ているため、奥行が十分に長いことが必要であり、しか
も消費電力が高く重量物であるため携帯には適していな
い。そのため、今後は、液晶ディスプレイ、プラズマデ
ィスプレイ、及びELディスプレイなどの薄型ディスプ
レイがディスプレイ市場に占める割合が増加し、いずれ
はCRTに取って代わるものと考えられている。
【0004】液晶ディスプレイは、現在実用化されてい
る薄型ディスプレイの中で最も広く普及しているもので
あり、薄型軽量であり且つ低電圧駆動が可能であるた
め、腕時計や電卓などの携帯機器のディスプレイとして
利用されている。また、TN型の表示方式の液晶ディス
プレイにアクティブスイッチ素子を組み込むことによ
り、CRT並みの表示特性を実現することができ、実
際、そのような液晶ディスプレイはテレビなどとして利
用され始めている。
【0005】しかしながら、TN型の液晶ディスプレイ
では偏光板を用いる必要があるため光の利用効率が低
く、十分な光量を得るためにはバックライトが必要であ
る。それゆえ、TN型の液晶ディスプレイでは、さらな
る低消費電力化を実現することは困難である。
【0006】そこで、偏光板を必要としない液晶ディス
プレイの表示方式であるゲスト−ホスト(GH)型の表
示方式が注目されている。このGH型の表示方式によれ
ば、偏光板が不要であるだけでなく、液晶材料として液
晶化合物と二色性色素との混合物が用いられるためカラ
ーフィルタなしでフルカラー表示を行うことが可能であ
る。したがって、GH型の表示方式によると、高い光の
利用効率を実現することができ、バックライトの消費電
力を低減することができるにとどまらず、反射型として
バックライトを不要とすることも可能である。
【0007】このように、GH型の表示方式によると高
い光の利用効率を実現することができるが、GH型の液
晶ディスプレイが様々な機器で広く利用されるには未だ
に解決すべき問題が残されている。
【0008】例えば、GH型の液晶ディスプレイで減法
混色を利用してフルカラー表示を行う場合、通常、シア
ン、マゼンタ、イエローの二色性色素をそれぞれ含有す
る3層の液晶層を積層した構造が採用される。しかしな
がら、このような構造を採用した場合、各液晶層間に中
間電極を形成し、さらにこれら中間電極とアクティブス
イッチ素子とを接続するための配線が必要であるため、
低コスト化が困難である。
【0009】一方、GH型の液晶ディスプレイで加法混
色を利用してフルカラー表示を行う場合、通常は、図7
に示すようにそれぞれシアン、マゼンタ、イエローのG
H型の液晶材料を含む3層の色領域10-1〜10-3を各
画素電極6に対応して並置した構造が採用される。この
ような並置構造を採用した場合、中間電極やそれとアク
ティブスイッチ素子とを接続するための配線が不要であ
るため、上述した積層構造を採用した場合に比べてコス
トに関して有利である。しかしながら、このようなGH
型の液晶ディスプレイで加法混色を利用してフルカラー
表示を行う場合、高い表示コントラストを実現すること
及び純粋な黒表示を行うことが困難である。
【0010】例えば、特開平8−160470号公報
は、加法混色を利用した液晶ディスプレイとして、液晶
層が高分子媒質に液晶材料を液滴状に分散させることに
より形成された所謂PDLCと呼ばれるタイプの液晶デ
ィスプレイを開示している。この液晶ディスプレイで
は、赤、緑、青の3種の液晶層を各画素電極に対応して
並置するのに加え、さらにそれら3種の液晶層上に黒色
の液晶層を積層した構造が採用されている。そのため、
この液晶ディスプレイによれば、確かに黒色の液晶層を
設けない場合に比べればより高い表示コントラストを実
現することができる。しかしながら、この液晶ディスプ
レイで表示される黒色は白っぽく、同様に他の色も十分
な濃度では表示されない。
【0011】すなわち、加法混色を利用してフルカラー
表示を行うGH型の液晶ディスプレイでは、未だ、十分
に高い表示コントラストを実現すること及び純粋な黒表
示を行うことは実現されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、加法混色を利用してフル
カラー表示を行いながらも純粋な黒表示を行うことが可
能なGH型の液晶ディスプレイを提供することを目的と
する。
【0013】また、本発明は、加法混色を利用してフル
カラー表示を行いながらも十分な表示コントラストを実
現することが可能なGH型の液晶ディスプレイを提供す
ることを目的とする。
【0014】さらに、本発明は、低コストで製造するこ
とが可能な加法混色を利用してフルカラー表示を行うG
H型の液晶ディスプレイを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、一方の主面にそれぞれ離間して配列され
た複数の画素電極を有する基板と、前記基板の前記複数
の画素電極が設けられた面と対向して配置され対向面に
共通電極を有する対向基板と、前記基板と前記対向基板
との間で積層構造を形成する第1及び第2の液晶層とを
具備し、前記第1の液晶層は、前記複数の画素電極に対
応して配列されそれぞれ吸収波長域の異なる複数種の色
領域を有し、前記複数種の色領域のそれぞれは液晶化合
物と二色性色素とを含有し光吸収時に非黒色を呈する液
晶材料を透明被膜で包含してなる液晶マイクロカプセル
を含み、前記第2の液晶層は、液晶化合物と二色性色素
とを含有し光吸収時に黒色を呈する液晶材料からなるこ
とを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0016】本発明の液晶表示装置においては、複数種
の色領域を並置してなる第1の液晶層と吸光時に黒色を
呈する液晶材料からなる第2の液晶層との積層構造が採
用される。このような液晶表示装置によると、黒色表示
は、第2の液晶層を、好ましくは第1及び第2の液晶層
の双方を光吸収状態とすることにより行うことができ
る。また、黒色及び白色以外の色表示は、第1の液晶層
を光吸収状態とし且つ第2の液晶層の所定の色領域を光
透過状態とすることにより行うことができる。さらに、
白色表示は、第1及び第2の液晶層の双方を光透過状態
とすることにより行うことができる。
【0017】本発明の液晶表示装置において、第1の液
晶層は液晶マイクロカプセルで構成される。液晶マイク
ロカプセルを用いた場合、PDLCに比べて液晶層に対
する液晶材料の体積比を大幅に増加させることができ、
不所望な光散乱が抑制される。また、液晶マイクロカプ
セルを用いた場合、印刷等により、それぞれ吸収波長域
の異なる複数種の色領域を容易に形成することができ
る。
【0018】一方、第2の液晶層は、液晶化合物と二色
性色素とを含有する液晶材料からなる。すなわち、第2
の液晶層は、液晶マイクロカプセルの透明被膜やPDL
Cの高分子媒質に相当する材料を含有しない。そのた
め、これら材料と液晶材料との間で生ずる光散乱が、第
2の液晶層で生ずることはない。
【0019】このように、本発明の液晶表示装置におい
ては、複数種の色領域を並置してなるGH型の第1の液
晶層と二色性色素を含有する液晶材料からなり光吸収時
に黒色を呈するGH型の第2の液晶層との積層構造が採
用され且つ第1及び第2の液晶層の双方において光散乱
が低減されているため、純粋な黒表示と十分な表示コン
トラストとを実現することが可能である。
【0020】また、本発明の液晶表示装置において、第
1の液晶層に用いる液晶材料の閾値電圧が第2の液晶層
に用いる液晶材料の飽和電圧よりも大きくなるようにそ
れぞれの液晶材料を選べば、第1及び第2の液晶層間に
電極を設けることなく印加電圧を制御するだけで、上述
した表示を行うことができる。しかも、第1の液晶層は
液晶マイクロカプセルで構成されているため、第1の液
晶層と第2の液晶層との間に中間基板等を設けなくとも
それらの液晶材料が混合されるおそれがない。すなわ
ち、本発明によると、液晶表示装置を極めて単純化され
た構造を有することができ、したがって低コスト化が可
能である。
【0021】本発明において、第1の液晶層を構成する
液晶マイクロカプセルはハニカム構造を形成することが
好ましい。この場合、第1の液晶層において、各液晶マ
イクロカプセル間で液晶分子の配向方向が異なるランダ
ムマルチドメイン構造を実現することができる。したが
って、広視野角化と高光利用効率化とを実現することが
できる。
【0022】また、この場合、第2の液晶層を構成する
液晶材料が液晶マイクロカプセルの透明被膜と接するよ
うに設けられていれば、第1の液晶層に加え、第2の液
晶層においてもランダムマルチドメイン構造を実現する
ことができる。したがって、さらなる広視野角化と高光
利用効率化とを実現することができる。
【0023】第1の液晶層において、それぞれの色領域
は、透明被膜の外壁が親水性の第1の液晶マイクロカプ
セルと透明被膜の外壁が疎水性の第2の液晶マイクロカ
プセルとの混合物を用いて形成することが好ましい。こ
の場合、第1及び第2の液晶層の双方において、上述し
たランダムマルチドメイン構造をより効果的に実現する
ことが可能となる。
【0024】本発明の液晶表示装置において、上記複数
種の色領域は上記複数の画素電極に対応してそれぞれ離
間され、これら色領域が形成する間隙は第2の液晶層を
構成する液晶材料で満たされることが好ましい。この場
合、色領域が形成する間隙を満たす液晶材料をブラック
マトリクスとして利用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながらより詳細に説明する。なお、各図において同様
の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。
【0026】図1は、本発明の第1の実施形態に係る液
晶表示装置を概略的に示す断面図である。図1に示す液
晶表示装置1は、アレイ基板2と、アレイ基板2と対向
して配置された対向基板3と、アレイ基板2と対向基板
3との間に挟持された液晶層4とで主に構成されてい
る。
【0027】アレイ基板2は、ガラス等からなる基板5
を有している。基板5の一方の主面上には、マトリクス
状に走査線、信号線、及びスイッチング素子である薄膜
トランジスタ(いずれも図示せず)が形成されている。
また、基板5の一方の主面上には、Al等の金属やIT
O等の導電材料からなる複数の画素電極6が配列されて
おり、これら画素電極は各スイッチング素子にそれぞれ
接続されている。
【0028】対向基板3は、ガラスや高分子フィルム等
からなる透明基板7を有している。透明基板7の一方の
主面上には、ITOなどの透明導電材料からなる共通電
極8が形成されている。
【0029】液晶層4は、第1の液晶層4aと第2の液
晶層4bとの積層構造を有している。これら液晶層4
a,4bの上下関係に特に制限はないが、通常は図1に
示すように第1の液晶層4aがアレイ基板2上に形成さ
れ、第2の液晶層4aは第1の液晶層4aと対向基板3
との間に挟持される。
【0030】第1の液晶層4aは、液晶化合物と非黒色
の二色性色素とを透明薄膜で包含してなる液晶マイクロ
カプセルで構成されている。また、第1の液晶層4a
は、それぞれ吸収波長域の異なる複数の色領域、例えば
青、緑、赤の3種の色領域10-1〜10-3を、各画素電
極6に対応して並置した構造を有している。なお、色領
域10-1〜10-3のそれぞれと画素電極6のサイズとは
必ずしも等しい必要はない。
【0031】このように第1の液晶層4aを液晶マイク
ロカプセルで構成した場合、PDLCに比べて液晶層に
対する液晶材料の体積比を大幅に増加させることができ
るのとともに、液晶材料と高分子媒質(透明被膜)との
界面を低減することができる。したがって、PDLCで
は光散乱が大きいため高いコントラスト比を実現するこ
とは困難であるが、図1に示す液晶表示装置1の第1の
液晶層4aでは光散乱が十分に抑制されており、高いコ
ントラスト比を実現することができる。また、液晶マイ
クロカプセルを用いた場合、各色領域10-1〜10-3を
印刷のような極めて簡単な方法で所定のパターンに形成
することができる。
【0032】上記液晶材料に含まれる液晶化合物は、1
種であってもよく複数種であってもよい。同様に、上記
液晶材料に含まれる二色性色素は、1種であってもよく
複数種であってもよい。さらに、上記液晶材料は、GH
型の表示方式において一般に用いられる他の添加剤も含
有することができる。
【0033】上記液晶材料は、フッ素系液晶、シアノ系
液晶、及びエステル系等のいずれであってもよい。本実
施形態においては、上記液晶化合物として、例えば、下
記化学式(1)〜(10)に示す化合物を用いることが
できる。
【0034】
【化1】
【0035】上記化学式(1)〜(10)において、置
換基R及びXは、それぞれアルキル基、アルコキシ基、
アルキルフェニル基、アルコキシアルキルフェニル基、
アルコキシフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、ア
ルコキシアルキルシクロヘキシル基、アルキルシクロヘ
キシルフェニル基、シアノフェニル基、シアノ基、ハロ
ゲン原子、フルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ア
ルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキルフェニ
ルアルキル基、アルコキシアルキルシクロヘキシルアル
キル基、アルキルシクロヘキシルアルキル基、アルコキ
シアルコキシシクロヘキシルアルキル基、アルコキシフ
ェニルアルキル基、及びアルキルシクロヘキシルフェニ
ルアルキル基を示し、置換基Yは水素原子及びハロゲン
原子を示す。
【0036】また、上記置換基R及びXは、アルキル鎖
及びアルコキシ鎖が光学活性を有するものであってもよ
く、フェニル基またはフェノキシ基はフッ素原子や塩素
原子等のハロゲン原子で置換されたものでもよい。ま
た、上記置換基R及びXは、フェニル基が、水素原子を
1個または2個のフッ素原子や塩素原子等のハロゲン原
子で置換されたものであってもよい。
【0037】なお、上記化学式(1)〜(10)に示す
液晶化合物はいずれも誘電異方性が正であるが、組成物
の誘電異方性が正となるように誘電異方性が負の公知の
液晶化合物と誘電異方性が正である液晶化合物とを混合
して用いることもできる。また、誘電異方性が負の液晶
化合物或いは組成物も、適当な素子構成及び駆動方式を
用いればそのまま使用することができる。
【0038】第1の液晶層4aにおいて用いられる二色
性色素としては、下記化学式(11)〜(19)に示す
イエロー色素、下記化学式(20)〜(27)に示すマ
ゼンタ色素、及び下記化学式(28)〜(31)に示す
シアン色素等を挙げることができる。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】第1の液晶層4aを構成する液晶マイクロ
カプセルの透明被膜としては、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂等の縮合
系ポリマーや、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、
メチルメタクリレート−ビニルアクリレート共重合体等
の三次元架橋ビニルポリマー等の熱硬化性樹脂を用いる
ことができる。
【0045】また、この透明被膜として、ポリエチレン
類;塩素化ポリエチレン類;エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸共重合体
等のエチレン共重合体;ポリブタジエン類;ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリプロピ
レン類;ポリイソブチレン類;ポリ塩化ビニル類;ポリ
塩化ビニリデン類;ポリ酢酸ビニル類;ポリビニルアル
コール類;ポリビニルアセタール類;ポリビニルブチラ
ール類;四フッ化エチレン樹脂類;三フッ化塩化エチレ
ン樹脂類;フッ化エチレン・プロピレン樹脂類;フッ化
ビニリデン樹脂類;フッ化ビニル樹脂類;四フッ化エチ
レン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フ
ッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合
体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体等の四フッ化
エチレン共重合体;含フッ素ポリベンゾオキサゾール等
のフッ素樹脂類;アクリル樹脂類;ポリメタクリル酸メ
チル等のメタクリル樹脂類;ポリアクリロニトリル類;
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等の
アクリロニトリル共重合体;ポリスチレン類;ハロゲン
化ポリスチレン類;スチレン・メタクリル酸共重合体、
スチレン・アクリロニトリル共重合体等のスチレン共重
合体;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリ
ル酸ナトリウム等のイオン性ポリマー;アセタール樹脂
類;ナイロン66等のポリアミド類;ゼラチン;アラビ
アゴム;ポリカーボネート類;ポリエステルカーボネー
ト類;セルロース系樹脂類;フェノール系樹脂類;ユリ
ア樹脂類;エポキシ樹脂類;不飽和ポリエステル樹脂
類;アルキド樹脂類;メラミン樹脂類;ポリウレタン
類;ジアリールフタレート樹脂類;ポリフェニレンオキ
サイド類;ポリフェニレンスルフィド類;ポリスルフォ
ン類;ポリフェニルスルフォン類;シリコーン樹脂類;
ポリイミド類;ビスマレイミドトリアジン樹脂類;ポリ
イミドアミド類;ポリエーテルスルフォン類;ポリメチ
ルペンテン類;ポリエーテルエーテルケトン類;ポリエ
ーテルイミド類;ポリビニルカルバゾール類;ノルボル
ネン系非晶質ポリオレフィン類;ポリフマル酸エステル
類等の熱可塑性樹脂も用いることができる。
【0046】透明被膜は、上記熱硬化性樹脂及び熱可塑
性樹脂から選ばれる2種以上の樹脂を用いて多層膜とし
て形成されてもよい。この場合、マイクロカプセルの熱
安定性を向上させる観点から、被膜の最外殻には熱硬化
性樹脂を用いることが好ましい。
【0047】以上のように構成される液晶マイクロカプ
セルは、界面重合法、in situ重合法、液中硬化
被覆法、水溶液系からの相分離法、有機溶液系からの相
分離法、融解分散冷却法、気中懸濁法、及びスプレード
ライング法等を用いることができる。
【0048】第2の液晶層4bは、液晶化合物と二色性
色素とを含有する液晶材料で構成されている。第2の液
晶層4bを構成する液晶材料は、第1の液晶層4aに関
して説明したのと同様の液晶化合物或いはそれらの混合
物を含有することができる。また、第2の液晶層4bは
吸光時に黒色を呈するように設計されている。したがっ
て、第2の液晶層4bに含有される二色性色素として
は、通常、黒色の二色性色素が用いられる。また、その
代わりに、第1の液晶層4aで説明した非黒色の二色性
色素を、吸光時に黒色を呈するように第2の液晶層4b
に複数種含有させてもよい。
【0049】このように、PDLCや液晶マイクロカプ
セルを採用した場合とは異なり、第2の液晶層4bは液
晶材料のみからなる。したがって、第2の液晶層4bに
おいて不所望な光散乱が生ずることはなく、極めて高い
コントラスト比を実現することができる。
【0050】本実施形態に係る液晶表示装置1は、例え
ば以下の方法で製造することができる。液晶表示装置1
の製造方法について、図2及び図3を参照しながら説明
する。
【0051】図2及び図3は、図1に示す液晶表示装置
1の製造方法を概略的に示す図であり、(a)〜(f)
はそれぞれ断面図である。液晶表示装置1を製造するに
当たり、まず、図2(a)に示すアレイ基板2を準備す
る。次に、光吸収時に赤色を呈する液晶マイクロカプセ
ルを水等に分散させた液晶マイクロカプセル塗布液を調
製する。さらに、この液晶マイクロカプセル塗布液を印
刷法等を用いて画素電極6の一部の上に塗布し、これを
乾燥させることにより図2(b)に示す赤色の色領域1
0-1を形成する。
【0052】同様の処理を行って、図2(c)及び図3
(d)に示すように緑色の色領域10-2及び青色の色領
域10-3を順次形成することにより、第1の液晶層4a
を得る。その後、図3(e)に示すように、第1の液晶
層4a上に、光吸収時に黒色を呈するGH型の液晶材料
を塗布して第2の液晶層4bを形成する。さらに、図3
(f)に示すように第2の液晶層4bの上から対向基板
3を貼り合せることにより、図1に示す液晶表示装置1
を得る。
【0053】このように、図1に示す液晶表示装置1
は、極めて簡略化された構造を有し且つ印刷法等の単純
な方法で液晶層4a及び4bを形成することができる。
したがって、本実施形態によると低コスト化が可能であ
る。
【0054】上述した方法では、第1の液晶層上に第2
の液晶層4bを形成し、その後に対向基板3をラミネー
トしたが、第1の液晶層4aを形成したアレイ基板2と
対向基板3とで液晶セルを形成し、この液晶セルに所定
の液晶材料を注入することにより第2の液晶層4bを形
成してもよい。また、液晶セルのギャップは、エッジ部
にスペーサ粒子またはシートを設けること、或いは液晶
層4a中にスペーサ粒子を含有させること等により一定
に保つことができる。
【0055】上述した第1の実施形態に係る液晶表示装
置1は、以下の方法で駆動することができる。図4を参
照しながら説明する。
【0056】図4は、本発明の第1の実施形態に係る液
晶表示装置1の光学的特性の一例を概略的に示すグラフ
である。なお、図中、横軸は画素電極6と共通電極8と
の間に印加する電圧を示し、縦軸は透過光の強度を示し
ている。また、曲線11及び12は、第1の液晶層4a
に用いる液晶材料の閾値電圧が第2の液晶層4bに用い
る液晶材料の飽和電圧よりも大きい場合に第1の液晶層
4a及び第2の液晶層4bに関して得られるデータをそ
れぞれ示している。曲線11は第1の液晶層4aに関す
るデータを示し、曲線12は第2の液晶層4bに関する
データを示している。
【0057】図4に示すように、印加電圧がゼロ或いは
比較的低い場合、例えば、画素電極6と共通電極8との
間に、第1の液晶層4aに用いる液晶材料の閾値電圧及
び第2の液晶層4bに用いる液晶材料の閾値電圧よりも
低い電圧を印加した場合、第1の液晶層4a及び第2の
液晶層4bは共に光吸収状態にある。したがって、この
場合、第1の液晶層4bのみで黒表示を行う場合に比べ
て、より純粋な黒色が表示される。
【0058】画素電極6と共通電極8との間に、第2の
液晶層4bに用いる液晶材料の飽和電圧よりも高く且つ
第1の液晶層4aに用いる液晶材料の閾値電圧よりも低
い電圧を印加すると、第1の液晶層4aは光吸収状態の
ままであるが、第2の液晶層4bは光透過状態となる。
その結果、青、赤、緑色、並びにそれらの加法混色によ
り実現される色を表示させることができる。
【0059】印加電圧をさらに高め、例えば、画素電極
6と共通電極8との間に、第1の液晶層4aに用いる液
晶材料の閾値電圧及び第2の液晶層4bに用いる液晶材
料の飽和電圧よりも高い電圧を印加すると、第1の液晶
層4a及び第2の液晶層4bは共に光透過状態となる。
したがって、この場合、表示色は白色となる。
【0060】このように、本実施形態に係る液晶表示装
置1によると、黒色の表示は第1の液晶層4a及び第2
の液晶層4bの双方を光吸収状態として行うことがで
き、しかも、本実施形態に係る液晶表示装置1では第1
の液晶層4a及び第2の液晶層4bの双方において不所
望な光散乱が抑制されている。したがって、純粋な黒色
を表示可能であり、極めて高いコントラスト比を実現す
ることができる。
【0061】また、本実施形態に係る液晶表示装置1
は、第1及び第2の液晶層4a,4b間に電極を設ける
ことなく印加電圧を制御するだけで、上述した表示を行
うことができる。しかも、第1の液晶層4aは液晶マイ
クロカプセルで構成されているため、第1の液晶層4a
と第2の液晶層4bとの間に中間基板等を設けなくとも
それらの液晶材料が混合されるおそれがない。さらに、
第1の液晶層4a上に形成される第2の液晶層4bは緩
衝層として機能するため、第1の液晶層4aを構成する
液晶マイクロカプセルが外部から加えられる力で破壊さ
れるのが防止される。すなわち、本実施形態によると、
十分な機械的強度を実現することとともに、液晶表示装
置1を極めて単純化された構造を有すること、すなわち
低コスト化が可能である。
【0062】このように、本実施形態においては、第1
の液晶層4a及び第2の液晶層4bの双方の制御を一対
の電極6,8のみで行っている。したがって、本実施形
態において、第1の液晶層4aに用いる液晶材料及び第
2の液晶層4bに用いる液晶材料の電気光学的特性は重
要である。すなわち、本実施形態において、これら液晶
材料は、通常は第1の液晶層4aに用いる液晶材料の閾
値電圧Vtが第2の液晶層4bに用いる液晶材料の飽和
電圧Vsよりも大きいように選ばれる。
【0063】また、本実施形態に係る液晶表示装置1で
は、第1及び第2の液晶層4a,4b間に電極や中間基
板等を設けられていない、すなわち、第2の液晶層4b
を構成する液晶材料が液晶マイクロカプセルの透明被膜
と接する構造が採用されているため、低コスト化を実現
することができるだけでなく、表示特性に関しても有利
である。以下に図5を参照しながらその理由を説明す
る。
【0064】図5(a)は、図1に示す液晶表示装置1
の第2の液晶層4bをPDLCとした場合の斜視図であ
り、図5(b)は、図1に示す液晶表示装置1の第1及
び第2の液晶層4a,4bを概略的に示す斜視図であ
る。
【0065】図5(a)に示すように、第1の液晶層4
aをPDLCとした場合、液晶材料は高分子媒質15に
液滴状に分散させられ、液晶材料を構成する液晶分子1
6aの配向方向はある程度ランダムである。しかしなが
ら、第2の液晶層4bを構成する液晶分子16bは基板
2に平行な一方向に配向している。公知のように、二色
性色素の光吸収能は、二色性色素分子の配向方向と光の
入射方向とに応じて変化する。そのため、図5(a)に
示すように第2の液晶層4bを構成する液晶分子16b
が一方向に配向した場合、広い視野角を実現すること並
びに光をより有効に表示に利用することができない。
【0066】一方、液晶マイクロカプセル17を水のよ
うな液体に分散させてなる塗布液を用いて液晶層4aを
形成すると、液体が蒸発するのに伴って、基板2の面内
方向に隣接するカプセル17間で透明被膜18が密着す
る。その結果、液晶マイクロカプセル17は偏平化され
るのとともに、基板2に垂直な方向から見て正六角形状
の形状となる。すなわち、図5(a)ハニカム構造の液
晶層4aが形成される。
【0067】このようなハニカム構造の液晶層4aで
は、電圧非印加時において、液晶マイクロカプセル17
中の液晶分子16aの配向方向は基板面に平行である
が、基板面に平行な面内では個々の液晶マイクロカプセ
ル17毎にランダムである。すなわち、上記ハニカム構
造の液晶層4aにおいて、液晶材料は、液晶マイクロカ
プセル17毎に液晶分子16aの配向方向が異なるラン
ダムマルチドメイン配向を呈している。したがって、ど
のような方向から入射する光も着色させることができ、
広い視野角を実現すること並びに光をより有効に表示に
利用することが可能となる。
【0068】本発明者らは、上述したハニカム構造の液
晶層上に他の液晶層をそれに含まれる液晶材料が上述し
たハニカム構造と接触するように設けた場合、下層のハ
ニカム構造の液晶層においてランダムマルチドメイン配
向が実現されるのは勿論のこと、上層の液晶層において
もランダムマルチドメイン配向が実現されるという極め
て特異な現象を見出した。すなわち、第2の液晶層4b
を構成する液晶材料が液晶マイクロカプセル17の透明
被膜18と接する構造を採用することにより、光を極め
て有効に表示に利用することが可能となる。
【0069】上層の液晶層4bがランダムマルチドメイ
ン配向を呈する理由は必ずしも明らかとされている訳で
はないが、1つには以下のメカニズムが考えられる。
【0070】上述したように、液晶マイクロカプセル1
7がハニカム構造を形成する際、液晶マイクロカプセル
17は偏平化される。すなわち、液晶マイクロカプセル
17の透明被膜18は基板面に平行な方向に引き伸ばさ
れる。しかしながら、透明被膜18は基板面に平行な全
ての方向から均一な力で引き伸ばされる訳ではなく、透
明被膜18の変形に伴い、その内壁及び外壁において、
透明被膜18を構成する分子或いはその官能基が所定の
方向に再配向する。その結果、カプセル17内の液晶分
子16aだけでなく、カプセル17外の液晶分子16b
も配向状態に影響を透明被膜18から受けることとな
る。また、透明被膜18の内壁及び外壁における再配向
がこのようなメカニズムにより生じるとすると、当然の
如く、その配向方向は各液晶マイクロカプセル17毎に
異なる。したがって、下層及び上層の双方の液晶層4
a,4bにおいてランダムマルチドメイン配向が実現さ
れるのである。
【0071】第1の液晶層は、透明被膜18の外壁が疎
水性の液晶マイクロカプセル17と透明被膜18の外壁
が親水性の液晶マイクロカプセル17とが均一に混合さ
れた混合物で構成することが好ましい。このような混合
物で第1の液晶層4aを構成した場合、理由は定かでは
ないが、第2の液晶層4bのランダムマルチドメイン配
向をより確実なものとすることができる。
【0072】親水性の透明被膜18は、例えば、水酸
基、炭素数が3以下のアルコールのカルボン酸エステル
基、カルボキシル基、シアノ基、炭素数が3以下のアル
キル基を有するアシル基、炭素数が3以下のアルコール
の炭酸エステル基、炭素数が3以下のアミンのカルボン
酸アミド基、1級アミノ基、炭素数が3以下の置換基を
有する2級アミノ基、及び炭素数が3以下のアルコキシ
基等の親水性置換基を有するポリマーで構成することが
できる。この親水性ポリマーは、純水との静的接触角が
45°未満であることが望ましい。
【0073】一方、疎水性の透明被膜18は、炭化水素
或いは水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換
された炭化水素のポリマーか、若しくは、炭素数が4以
上のアルコールの炭酸エステル基、炭素数が4以上のア
ルキル基を有するアシル基、炭素数が4以上のアルコー
ルの炭酸エステル基、炭素数が4以上のアミンのカルボ
ン酸アミド基、炭素数が4以上のアルコキシ基、及びア
ルキル置換シロキサンなどの疎水性置換基を有するポリ
マーで構成することができる。この疎水性ポリマーは、
純水との静的接触角が45°以上であることが望まし
い。
【0074】第1の実施形態において、上記色領域10
-1〜10-3は相互に隣接していてもよいが、図1に示す
ように画素電極6に対応してそれぞれ離間されているこ
とが好ましい。この場合、これら色領域10-1〜10-3
が形成する間隙は第2の液晶層4bを構成する液晶材料
で満たされる。したがって、これら色領域10-1〜10
-3間を満たす液晶材料を、非画素領域からの光漏れを防
止するブラックマトリクスとして用いることができる。
【0075】次に、本発明の第2の実施形態について図
6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2の実
施形態に係る液晶表示装置1を概略的に示す断面図であ
る。第2の実施形態に係る図6に示す液晶表示装置1
は、第1の実施形態に係る図1に示す液晶表示装置1と
は、第1の液晶層4aと第2の液晶層4bとの間に中間
基板20が設けられている点でのみ異なっている。した
がって、本実施形態では、主に中間基板20についての
説明を行う。
【0076】中間基板20は、上述したアレイ基板2と
同様に、ガラス等からなる透明基板21を有している。
透明基板21の対向基板3側の面には、マトリクス状に
走査線、信号線、及びスイッチング素子である薄膜トラ
ンジスタ(いずれも図示せず)が形成されている。ま
た、基板21の対向基板3側の面には、ITO等の透明
導電材料からなる複数の中間電極22がアレイ基板2の
画素電極6に対応して配列されており、これら中間電極
22は各スイッチング素子にそれぞれ接続されている。
また、中間基板21のアレイ基板2側の面には、ITO
等の透明導電材料からなる中間電極23が形成されてい
る。
【0077】このように、第2の実施形態に係る液晶表
示装置1においては中間基板21が用いられるため、第
1の液晶層4aと第2の液晶層4bとをそれぞれ独立し
たスイッチ素子で駆動することができる。したがって、
第1の実施形態に比べて、第1及び第2の液晶層4a,
4bに用いる液晶材料に関する電気光学的な制限が緩和
され、液晶材料の選択の自由度が大きくなる。
【0078】なお、第2の実施形態においては、基板5
及び基板21のそれぞれにTFTのようなスイッチング
素子を形成した構造を採用したが、他の構造を採用する
ことも可能である。例えば、基板5にTFTを形成せず
に、基板21の両面にTFTを形成した構造を採用する
ことができる。また、単純マトリクス駆動方式を用いて
液晶層4a及び4bのそれぞれを独立に駆動してもよ
い。
【0079】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)図1に示す液晶表示装置1を以下に示す方
法により作製した。
【0080】まず、三菱化学社製の二色性色素G−17
6、D−80、AQ−B1を適宜混合して赤、青、緑色
の混合色素を調製した。これら混合色素のそれぞれを正
の誘電異方性を有するネマチック液晶であるチッソ社製
LIXON5052に1重量%の濃度で溶解して赤、
青、緑色の液晶材料を調製した。
【0081】次に、80重量%の赤色の液晶材料と、7
重量%の親水性のメチルメタクリレートモノマーと、7
重量%の疎水性のイソブチルメタクリレートと、1重量
%の架橋剤であるエチレングリコールジメタクリレート
と、2重量%の開始剤であるベンゾイルパーオキサイド
とを含有する混合液を調製した。多孔質ガラスを用いた
伊勢化学工業社製の膜乳化装置により、上記混合液を3
重量%のポリビニルアルコール純水溶液中で乳化させた
後、この純水溶液を85℃の温度条件下500rpmで
1時間攪拌して重合反応を生じさせた。その後、上記純
水溶液を孔径が1μmのフィルタで濾過し、純水で3回
洗浄することにより、赤色の液晶材料を透明被膜で包含
してなるマイクロカプセル17を得た。
【0082】続いて、この赤色の液晶マイクロカプセル
17を50重量%のエチレングリコール水溶液中に65
重量%の濃度で分散させて、赤色の液晶マイクロカプセ
ル塗布液を調製した。さらに、この赤色の液晶マイクロ
カプセル塗布液を、予め準備しておいた図2(a)に示
すアレイ基板2の画素電極6上に所定のパターンでスク
リーン印刷した。なお、アレイ基板2は、ガラス基板5
上に画素電極6として、拡散反射型アルミニウム電極を
有している。以上のようにして、赤色の色領域10-1を
形成した。
【0083】同様の方法により、緑色の液晶マイクロカ
プセル塗布液及び青色の液晶マイクロカプセル塗布液を
調製し、図2(c)及び図3(d)に示すように緑色の
色領域10-2及び青色の色領域10-3を順次形成するこ
とにより、第1の液晶層4aを得た。なお、第1の液晶
層4aは、各色領域10-1〜10-3が互いに離間するよ
うに形成した。その後、図3(e)に示すように、第1
の液晶層4a上に、三井東圧社製の黒色二色性色素S−
435を溶解させた正の誘電異方性を有するネマチック
液晶であるメルク社製MJ−98522をスリットコー
タを用いてオーバーコートすることにより、第2の液晶
層4bを得た。
【0084】次に、アレイ基板2の第2の液晶層4bを
形成した面のエッジ部に、スペーサ粒子を分散させたシ
ール剤をディスペンサを用いて塗布した。乾燥後、図3
(f)に示すように、アレイ基板2のシール剤を塗布し
た面に、対向基板3である透明電極付きPET基板を真
空ラミネータを用いて重ね合せることにより、図1に示
す液晶表示装置1を得た。
【0085】以上のようにして作製した液晶表示装置1
について顕微鏡で観察したところ、液晶マイクロカプセ
ル17は全く破壊されておらず、各色領域10-1〜10
-3間の非画素領域は黒色の液晶材料で満たされているこ
とが確認された。また、第1の液晶層4aはハニカム構
造を有しており、第1及び第2の液晶層4a,4bの双
方に関し、電圧非印加時における液晶分子の配向方向は
基板面に平行であること並びにランダムマルチドメイン
構造が形成されていることが確認された。なお、第1及
び第2の液晶層4a,4bの厚さはともに10μmであ
り、各色領域10-1〜10-3は幅が250μmのストラ
イプ構造を形成し、隣り合うストライプ間の距離は30
μmであった。
【0086】次に、上記液晶表示装置1の表示特性につ
いて調べた。その結果、この液晶表示装置1は、周波数
が50Hzの交流電圧を各色領域10-1〜10-3に印加
した場合、印加電圧を1.5Vにまで高めることにより
表示色を黒色から赤、緑、青色の各原色へと変化させる
ことができ、印加電圧をさらに5Vにまで高めることに
より表示色を白色へと変化させることができた。また、
上記液晶表示装置1についてのコントラスト比は15で
あった。さらに、この液晶表示装置1によると、極めて
純粋な黒色を表示させることができ、他の色も十分な濃
度で表示可能であることが目視により確認された。
【0087】(比較例)第2の液晶層4bを形成しなか
ったこと以外は実施例1と同様の方法により液晶表示装
置を作製した。得られた液晶表示装置について顕微鏡で
観察したところ、一部の液晶マイクロカプセルが破壊さ
れて液晶材料の漏れが生じていることが確認された。ま
た、電圧非印加時における液晶分子の配向方向は基板面
に平行であることが確認された。なお、液晶層の厚さは
10μmであり、各色領域は幅が250μmのストライ
プ構造を形成し、隣り合うストライプ間の距離は30μ
mであった。
【0088】次に、上記液晶表示装置の表示特性につい
て調べた。その結果、この液晶表示装置は、周波数が5
0Hzの交流電圧を3種の色領域に同時に印加した場
合、印加電圧を5Vにまで高めることにより表示色は黒
色から白色(加法混色により得られた)へと変化した。
しかしながら、この液晶表示装置についてのコントラス
ト比は3と低く、純粋な黒色を表示することができない
ことが目視により確認された。
【0089】(実施例2)図6に示す液晶表示装置1を
以下に示す方法により作製した。すなわち、まず、実施
例1に示したのと同様の方法により第1の液晶層4aを
形成した。次に、アレイ基板2の第1の液晶層4aを形
成した面のエッジ部に、スペーサ粒子を分散させたシー
ル剤をディスペンサを用いて塗布した。さらに、アレイ
基板2のシール剤を塗布した面に、中間電極22,23
を画素電極6に対して位置合わせしつつ中間基板20を
重ね合せた。なお、中間基板20は、PES(ポリエチ
レンスルホネート)からなる基板21の両面に中間電極
22,23として、ITOからなる透明電極を有してい
る。
【0090】次に、実施例1に示したのと同様の方法に
より、中間基板20上に第2の液晶層4bを形成した。
その後、中間基板20の第2の液晶層4bを形成した面
のエッジ部に、スペーサ粒子を分散させたシール剤をデ
ィスペンサを用いて塗布した。さらに、中間基板20の
シール剤を塗布した面に対向基板3である透明電極付き
PET基板を真空ラミネータを用いて重ね合せることに
より、図6に示す液晶表示装置1を得た。なお、第1及
び第2の液晶層4a,4bの厚さはともに10μmであ
った。
【0091】次に、上記液晶表示装置1の表示特性につ
いて調べた。その結果、この液晶表示装置1は、周波数
が50Hzの交流電圧を対向電極8と中間電極22との
間に印加した場合、印加電圧を2.5Vにまで高めるこ
とにより表示色を黒色から赤、緑、青色の各原色或いは
白色へと変化させること、すなわち第2の液晶層4bを
光透過状態とすることができ、第2の液晶層4bを光透
過状態として周波数が50Hzの交流電圧を画素電極6
と中間電極23との間に印加した場合、印加電圧を2.
5Vにまで高めることにより表示色を白色とすることが
できた。また、上記液晶表示装置1についてのコントラ
スト比は25であった。さらに、この液晶表示装置1に
よると、極めて純粋な黒色を表示させることができ、他
の色も十分な濃度で表示可能であることが目視により確
認された。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置によると、複数種の色領域を並置してなるGH型の
第1の液晶層と二色性色素を含有する液晶材料からなり
光吸収時に黒色を呈するGH型の第2の液晶層との積層
構造が採用され且つ第1及び第2の液晶層の双方におい
て光散乱が低減されているため、純粋な黒表示と十分な
表示コントラストとを実現することが可能である。ま
た、本発明の液晶表示装置は、液晶表示装置を極めて単
純化された構造を有することができ、したがって低コス
ト化が可能である。
【0093】すなわち、本発明によると、加法混色を利
用してフルカラー表示を行いながらも純粋な黒表示を行
うことが可能なGH型の液晶ディスプレイが提供され
る。また、本発明によると、加法混色を利用してフルカ
ラー表示を行いながらも十分な表示コントラストを実現
することが可能なGH型の液晶ディスプレイが提供され
る。さらに、本発明によると、低コストで製造すること
が可能な加法混色を利用してフルカラー表示を行うGH
型の液晶ディスプレイが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置を
概略的に示す断面図。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の第1の
実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を概略的に示す
断面図。
【図3】(d)〜(f)は、それぞれ、本発明の第1の
実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を概略的に示す
断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の
光学的特性の一例を概略的に示すグラフ。
【図5】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る液晶
表示装置の第2の液晶層をPDLCとした場合の斜視
図、(b)は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示
装置の第1及び第2の液晶層を概略的に示す斜視図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置を
概略的に示す断面図。
【図7】従来の液晶表示装置を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1…液晶表示装置 2…アレイ基板 3…対向基板 4,4a,4b…液晶層 5,7,21…基板 6,8,22,23…電極 10-1〜10-3…色領域 11,12…曲線 15…高分子媒質 16a,16b…液晶分子 17…液晶マイクロカプセル 18…透明被膜 20…中間基板
フロントページの続き (72)発明者 田中 雅男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 内藤 勝之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2H088 EA02 EA15 GA08 GA10 GA13 HA08 HA12 MA02 MA07 MA16 MA20 2H089 HA04 HA06 HA23 HA32 QA13 QA16 RA06 TA09 TA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の主面にそれぞれ離間して配列され
    た複数の画素電極を有する基板と、前記基板の前記複数
    の画素電極が設けられた面と対向して配置され対向面に
    共通電極を有する対向基板と、前記基板と前記対向基板
    との間で積層構造を形成する第1及び第2の液晶層とを
    具備し、 前記第1の液晶層は、前記複数の画素電極に対応して配
    列されそれぞれ吸収波長域の異なる複数種の色領域を有
    し、前記複数種の色領域のそれぞれは液晶化合物と二色
    性色素とを含有し光吸収時に非黒色を呈する液晶材料を
    透明被膜で包含してなる液晶マイクロカプセルを含み、 前記第2の液晶層は、液晶化合物と二色性色素とを含有
    し光吸収時に黒色を呈する液晶材料からなることを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記液晶マイクロカプセルに含まれる液
    晶材料の閾値電圧は、前記第2の液晶層を構成する液晶
    材料の飽和電圧に比べてより高いことを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の液晶層は、その液晶材料が前
    記液晶マイクロカプセルの透明被膜と接するように設け
    られたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記複数種の色領域は前記複数の画素電
    極に対応してそれぞれ離間され、前記複数種の色領域が
    形成する間隙が前記第2の液晶層を構成する液晶材料で
    満たされたことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示
    装置。
  5. 【請求項5】 前記複数種の色領域は、それぞれ、前記
    液晶マイクロカプセルとして、前記透明被膜の外壁が親
    水性の第1の液晶マイクロカプセルと前記透明被膜の外
    壁が疎水性の第2の液晶マイクロカプセルとの混合物を
    含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の液晶層において前記液晶マイ
    クロカプセルはハニカム構造を形成したことを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008053724A1 (fr) * 2006-11-02 2008-05-08 Sharp Kabushiki Kaisha Dispositif d'affichage à cristaux liquides et récepteur de télévision
KR20150142876A (ko) * 2014-06-12 2015-12-23 한국전자통신연구원 표시 장치

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