JP2001173708A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JP2001173708A
JP2001173708A JP35806199A JP35806199A JP2001173708A JP 2001173708 A JP2001173708 A JP 2001173708A JP 35806199 A JP35806199 A JP 35806199A JP 35806199 A JP35806199 A JP 35806199A JP 2001173708 A JP2001173708 A JP 2001173708A
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piston
damper cylinder
valve
oil
shock absorber
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JP35806199A
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Nobuo Mori
信男 森
Noriaki Maneyama
典明 間根山
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Original Assignee
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の電磁減衰弁により伸側と圧側の減衰力
を調整可能とする油圧緩衝器において、組立性と密封性
を向上すること。 【解決手段】 伸側と圧側の両行程の流路を1方向と
し、単一の電磁減衰弁によりそれら両行程の減衰力を調
整可能とする油圧緩衝器10において、アウタチューブ
11内で、ダンパシリンダ13の底部を閉塞するボトム
ピース26を設け、このボトムピース26が、アウタチ
ューブ11の縮径部11Aと、ダンパシリンダ13との
間に挟持されるボトムケース27を備え、ボトムケース
27に電磁減衰弁28を組込んでなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は減衰力調整式油圧緩
衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、伸側と圧側の両行程の流路を一方
向とし、単一の電磁減衰弁によりそれら両行程の減衰力
を調整可能とする油圧緩衝器として、特許2862134 号公
報に記載のものがある。この従来技術は、アウタチュー
ブ内にダンパシリンダを配置し、アウタチューブとダン
パシリンダの間に、循環通路とリザーバを区画するため
のバイパスチューブを挿入し、アウタチューブを貫通す
る電磁減衰弁をバイパスチューブに嵌合させ、循環通路
からリザーバへの流路面積を電磁減衰弁によって増減す
ることにより減衰力を調整可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では電磁減衰弁をアウタチューブに貫通し、更にバイパ
スチューブに嵌合するものであるから、電磁減衰弁の組
込性が悪く、アウタチューブやバイパスチューブが形成
するリザーバや循環通路の密封性の確保に困難がある。
【0004】本発明の課題は、単一の電磁減衰弁により
伸側と圧側の減衰力を調整可能とする油圧緩衝器におい
て、組立性と密封性を向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、アウタチューブ内にダンパシリンダを配置し、ダン
パシリンダにピストンを摺動自在に挿入してピストンの
両側に油室を画成し、ピストンに連結したピストンロッ
ドをダンパシリンダの一端側のロッドガイドに摺動自在
に支持し、ピストンにピストン側の油室からピストンロ
ッド側の油室への作動油の流れのみを許容する第1バル
ブを設け、アウタチューブとダンパシリンダの間に、ピ
ストンロッド側の油室からの作動油を流す循環通路と、
ピストンロッドの出入に伴うダンパシリンダ内の油量変
化を補償するリザーバを設け、アウタチューブ内で、ダ
ンパシリンダの他端側の底部を閉塞するボトムピースを
設け、このボトムピースは、電磁減衰弁を備えるととも
に、リザーバをピストン側の油室につなぐ第1連通路
と、循環通路を電磁減衰弁を介してリザーバにつなぐ第
2連通路が形成されるとともに、第1連通路はリザーバ
からピストン側の油室への作動油の流れのみを許容する
第2バルブを介してピストン側の油室とつながり、電磁
減衰弁により減衰力を調整可能にしてなる減衰力調整式
油圧緩衝器において、ボトムピースが、アウタチューブ
内に設けた固定部と、ダンパシリンダとの間に挟持され
るボトムケースを備え、該ボトムケースに電磁減衰弁を
組込んでなるようにしたものである。
【0006】請求項2に記載の本発明は、アウタチュー
ブ内にダンパシリンダを配置し、ダンパシリンダにピス
トンを摺動自在に挿入してピストンの両側に油室を画成
し、ピストンに連結したピストンロッドをダンパシリン
ダの一端側のロッドガイドに摺動自在に支持し、ピスト
ンにピストン側の油室からピストンロッド側の油室への
作動油の流れのみを許容する第1バルブを設け、アウタ
チューブとダンパシリンダの間に、ピストンロッド側の
油室からの作動油を流す循環通路と、ピストンロッドの
出入に伴うダンパシリンダ内の油量変化を補償するリザ
ーバを設け、アウタチューブ内で、ダンパシリンダの他
端側の底部を閉塞するボトムピースを設け、このボトム
ピースは、電磁減衰弁を備えるとともに、リザーバをピ
ストン側の油室につなぐ第1連通路と、循環通路を電磁
減衰弁を介してリザーバにつなぐ第2連通路が形成され
るとともに、第1連通路はリザーバからピストン側の油
室への作動油の流れのみを許容する第2バルブを介して
ピストン側の油室とつながり、電磁減衰弁により減衰力
を調整可能にしてなる減衰力調整式油圧緩衝器におい
て、ボトムピースが、アウタチューブの縮径部と、ダン
パシリンダとの間に挟持されるボトムケースを備え、該
ボトムケースに電磁減衰弁を組込んでなるようにしたも
のである。
【0007】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の本発明において更に、前記電磁減衰弁の前記
第2連通路が接続される吸入口にフィルタを設けたもの
である。
【0008】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれかに記載の本発明において更に、前記ボトムケ
ースが前記第2バルブのためのバルブシートを別体化さ
れて備えるようにしたものである。
【0009】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4
のいずれかに記載の本発明において更に、前記アウタチ
ューブとダンパシリンダの間に、循環通路とリザーバを
区画するためのバイパスチューブを挿入し、ダンパシリ
ンダとバイパスチューブのそれぞれをロッドガイドとボ
トムケースに圧入固定したものである。
【0010】請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5
のいずれかに記載の本発明において更に、前記ロッドガ
イドに、ピストンロッド側の油室を前記循環通路につな
ぐ連通路を設けたものである。
【0011】
【作用】請求項1、2の発明によれば下記〜の作用
がある。 電磁減衰弁をボトムケースに組込んでボトムピースと
してカートリッジ化し、ボトムケースをアウタチューブ
の固定部又は縮径部に担持させ、該ボトムケースをダン
パシリンダにより押圧保持することにより、電磁減衰弁
を簡易に組込みできる。
【0012】電磁減衰弁を組込んであるボトムケース
が上述の如くにアウタチューブの固定部又は縮径部と
ダンパシリンダの間で挟持されるとき、電磁減衰弁にそ
の挟持力が作用することなく、電磁減衰弁に高い剛性を
必要としない。
【0013】電磁減衰弁を組込んであるボトムケース
を上述の如くにアウタチューブの固定部又は縮径部に
担持するとき、アウタチューブのボトムケース挿入部を
容易にシールでき、アウタチューブ内のリザーバや循環
通路の密封性を向上できる。また、電磁減衰弁をアウタ
チューブ内のリザーバや循環通路の油外に配置するもの
となり、電気配線をアウタチューブの外方へ引き出し易
い。
【0014】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 電磁減衰弁は、循環通路とつながる第2連通路から流
入する油をフィルタを介して吸入するから、弁機構にゴ
ミ等が噛み込むことを回避でき、電磁減衰弁の作動不良
を防止できる。
【0015】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 ボトムケースが、第2バルブのためのバルブシートを
鍛造等で一体化したときには、シート面を追加工するも
のとなる。これに対し、バルブシートを燒結金属等で成
形して別体化するときには、ボトムケースにバルブシー
トを追加工する必要がなくなって加工性が向上し、シー
ト面精度も良く、またバルブのシート面への貼り付きも
生じにくくなる。
【0016】請求項5の発明によれば下記の作用があ
る。 アウタチューブとダンパシリンダとバイパスチューブ
からなる三重管構造において、ダンパシリンダとバイパ
スチューブのそれぞれをロッドガイドとボトムケースに
圧入固定することにより、アウタチューブ内へのダンパ
シリンダとバイパスチューブの組立性を向上できる。ま
た、シール材を用いることなく、ダンパシリンダとバイ
パスチューブのそれぞれとロッドガイドとボトムケース
との間の密封性を確保できる。
【0017】請求項6の発明によれば下記の作用があ
る。 ダンパシリンダに連通路を設けるとダンパシリンダに
穴あけ加工を必要とするし、穴あけ加工後にはバリ取り
作業が必要となって加工工数が多くかかるが、ロッドガ
イドは焼結材からなるために穴あけ加工することなく連
通路を形成でき、バリ取り等の追加工も必要ない。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は油圧緩衝器を示す模式図、
図2は図1の要部断面図、図3は図1の要部拡大図、図
4は図2の要部拡大図、図5はボトムピースにオリフィ
スを備えない場合の油の流れと、減衰性能を示す模式
図、図6はボトムピースにオリフィスを備えた場合の油
の流れと、減衰性能を示す模式図、図7は油圧緩衝器の
変形例を示す断面図、図8は油圧緩衝器の変形例を示す
断面図である。
【0019】油圧緩衝器10は、図1に示す如く、アウ
タチューブ11の内部に、バイパスチューブ12とダン
パシリンダ13を同軸的に配置した3重管構造からな
る。油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ13にピストン
14を摺動自在に挿入してピストン14の両側に油室1
5A、15Bを画成し、ピストン14に連結したピスト
ンロッド16をダンパシリンダ13の上端側のロッドガ
イド17に摺動自在に支持してある。18はオイルシー
ル、19はエンドプレート、20はキャップである。
【0020】ピストン14には油室15Aと油室15B
を連通する流路21が設けられ、ピストン14の側の油
室15Bからピストンロッド16の側の油室15Aへの
作動油の流れのみを許容し、その逆方向の流れを阻止す
る、換言すれば縮時にのみ開く第1バルブ22(チェッ
ク弁)をピストン14における流路21の出口側に設け
てある。
【0021】ダンパシリンダ13とバイパスチューブ1
2の間には循環通路23を形成してある。循環通路23
は、ダンパシリンダ13の上端部の周方向複数位置(例
えば4位置)に切欠き形成した連通路24を介してピス
トンロッド16の側の油室15Aにつながる。また、ア
ウタチューブ11とバイパスチューブ12の間にはリザ
ーバ25を形成してある。リザーバ25は、ピストンロ
ッド16の出入に伴うダンパシリンダ13内の油量変化
を補償する。リザーバ25の上部空間は加圧ガス室とさ
れている。
【0022】油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11内
でバイパスチューブ12とダンパシリンダ13の他端側
の底部を閉塞するボトムピース26を有する。ボトムピ
ース26は、有底筒状のダンパチューブ11のテーパ状
縮径部11Aと、ダンパシリンダ13の他端部との間に
挟持される鍛造製等のボトムケース27を備え、ボトム
ケース27の空間部39に電磁減衰弁28を組込んで構
成されている。
【0023】このとき、ボトムケース27は有天筒状を
なし、ボトムケース27の下端内径部には電磁減衰弁2
8の雄ねじ部28Aが螺着されるとともに、ボトムケー
ス27の下端面には電磁減衰弁28のフランジ28Bが
衝合される位置決め状態で、電磁減衰弁28が締結され
ている。そして、ボトムケース27の上端側のテーパ部
に設けた小径段部27Aにはダンパシリンダ13が液密
に圧入され、大径段部27Bにはバイパスチューブ12
が液密に圧入され、結果として、ボトムケース27と電
磁減衰弁28からなるボトムピース26にバイパスチュ
ーブ12、ダンパシリンダ13を組付けたサブ組立体が
構成される。ボトムピース26はバイパスチューブ1
2、ダンパシリンダ13を組付けた上述のサブ組立体に
おいては、バイパスチューブ12、ダンパシリンダ13
の上端部にロッドガイド17を圧入できる。即ち、ロッ
ドガイド17の小径段部17Aにはダンパシリンダ13
を液密に圧入し、大径段部17Bにはバイパスチューブ
12を液密に圧入できる。このサブ組立体においては、
ダンパシリンダ13の両端部がロッドガイド17の小径
段部17Aとボトムケース27の小径段部27Aとの間
に軸方向で隙間なく挟持されるとき、バイパスチューブ
12の例えば上端部はロッドガイド17の大径段部17
Bに対し軸方向でギャップg(図3)を形成する。
【0024】油圧緩衝器10にあっては、アウタチュー
ブ11の上端開口から上述のサブ組立体を挿入し、ボト
ムケース27の外周溝部に装着してあるOリング29を
アウタチューブ11の内周に液密に封着し、ボトムケー
ス27のテーパ状拡径部27Cを前述のアウタチューブ
11のテーパ状縮径部11Aに衝合する。そして、サブ
組立体を構成しているロッドガイド17の上面側にオイ
ルシール18、エンドプレート19を装填し、アウタチ
ューブ11の上端内径部にキャップ20を螺着すること
により、キャップ20とアウタチューブ11の縮径部1
1Aとの間に上述のサブ組立体を挟持固定化する。この
とき、キャップ20が付与する軸力は、上述のバイパス
チューブ12のギャップgの存在により、ロッドガイド
17から、ダンパシリンダ13、ボトムケース27を介
して確実に縮径部11Aに担持される。尚、電磁減衰弁
28のリード線30はアウタチューブ11の底部に設け
た通線口11Bから延出される。
【0025】ボトムピース26は、図2に示す如く、リ
ザーバ25をピストン14の側の油室15Bにつなぐ第
1連通路31と、循環通路23を電磁減衰弁28を介し
てリザーバ25につなぐ第2連通路32をボトムケース
27に形成するとともに、ボトムケース27に上述の如
くに電磁減衰弁28を組込む。第1連通路31はリザー
バ25からピストン14の側の油室15Bへの作動油の
流れのみを許容し、その逆方向の流れを阻止する、換言
すれば伸び時にのみ開く第2バルブ33(チェック弁)
を介して、リザーバ25をピストン14の側の油室15
Bにつなぐ。第2連通路32は、循環通路23を、ボト
ムケース27の空間部39が電磁減衰弁28の弁ケース
40が仕切る上部空間39A、電磁減衰弁28の吸入
口、弁機構部、吐出口41、ボトムケース27の下部空
間39B、連通口39Cを介してリザーバ25につな
ぐ。
【0026】ボトムピース26は、ボトムケース27の
上端面に設けた雄ねじ部34にカラー35を介してナッ
ト36を螺着し、ナット36にバックアップされるばね
37により第2バルブ33をボトムケース27の上端面
における第1連通路31のまわりに設けたシート面38
に圧接している。
【0027】ボトムピース26は、電磁減衰弁28の第
2連通路32が接続される吸入口にフィルタ42を備え
る。フィルタ42は、樹脂フレームにメッシュを貼った
テーパ籠状をなし、弾性パッキン43を開して弁ケース
40に係着され、ボトムケース27の上部空間39Aの
内部でボトムケース27と弁ケース40の間に隙間なく
装填され、第2連通路32から電磁減衰弁28への油の
流れが必ずフィルタ42を通るようにしている。
【0028】電磁減衰弁28は、比例的に減衰力を調整
可能とするものであり、励磁電流に応じて減衰弁の開度
を調整可能とするものである。従って、電磁減衰弁28
は、油圧緩衝器10の伸縮両行程で、車両の運転条件に
応じてソレノイドの励磁電流を制御し、ダンパシリンダ
13の油室15Aから循環通路23、第2連通路32を
介して電磁減衰弁28を通り、リザーバ25に至る作動
油経路で、電磁減衰弁28の弁機構を構成する例えばス
プール弁の開弁面積を制御することにより、油圧緩衝器
10の減衰力を調整する。
【0029】然るに、油圧緩衝器10にあっては、ダン
パシリンダ13の横断面積からピストンロッド16の断
面積を差し引いた伸側受圧面積Aと、ピストンロッド1
6の断面積に等しい圧側受圧面積Bを同一としている。
更に、油圧緩衝器10にあっては、ボトムピース26の
ボトムケース27に、リザーバ25と、ピストン14の
側の油室15Bとをつなぐオリフィス51を設けてあ
る。オリフィス51は、第1連通路31の第2バルブ3
3と並列をなすように設けられ、具体的には、(a)第2
バルブ33のディスクに切欠き51を設け、及び/又は
(b)第2バルブ33のためのシート面38に切欠き51
Bを設ける等により構成される(図4)。
【0030】以下、油圧緩衝器10の減衰動作について
説明する。ここで、油圧緩衝器10が(A)オリフィス5
1を備えない場合と、(B)オリフィス51を備える場合
を対比して説明するものとする。 (A)オリフィス51を備えない油圧緩衝器10(図5) 図5(A)はオリフィス51を備えない場合の油圧緩衝
器10の回路図であり、伸側行程も圧側行程も同一方向
の流れとなる。
【0031】(A-1)伸側行程 ピストン14に設けてある第1バルブ22が閉じてお
り、ダンパシリンダ13の伸側受圧面積(A)の油が、
ピストンロッド16の側の油室15Aから循環通路23
を経て第2連通路32から電磁減衰弁28を通り、リザ
ーバ25へと流れ、電磁減衰弁28は伸側受圧面積
(A)分の流量Qaに相当する減衰力Faを発生させ
る。尚、油室15Bにはリザーバ25から第1連通路3
1、第2バルブ33を通り、ピストンロッド16の退出
容積分の油が補償される。
【0032】(A-2)圧側行程 ボトムピース26のボトムケース27に設けてある第2
バルブ33が閉じており、ダンパシリンダ13の圧側受
圧面積(B=A)の油が、ピストン14の側の油室15
Bから第1バルブ22を経てピストンロッド16の側の
油室15Aを通り、更に循環通路23を経て第2連通路
32から電磁減衰弁28を通り、リザーバ25へと流
れ、電磁減衰弁28は圧側受圧面積(B)分の流量Qb
に相当する減衰力Fbを発生させる。
【0033】上述(A-1)、(A-2)において、ダンパシリン
ダ13の伸側受圧面積(A)と圧側受圧面積(B)とは
同一とされているから、Qa=Qbであり、結果とし
て、伸側と圧側で電磁減衰弁28が発生する減衰力F
a、Fbは同等になる。従って、オリフィス51を備え
ない油圧緩衝器10では、図5(B)に示す如く、伸側
と圧側で油圧緩衝器10の減衰力可変巾Famax、Fbm
axを互いに同一とする。そして、電磁減衰弁28のソレ
ノイドの通電励磁により制御せしめられる伸側と圧側の
減衰力比Fa/Fbは常に1(制御電流当たりの変化量
ΔFa=ΔFb)となる。
【0034】(B)オリフィス51を備える油圧緩衝器1
0(図6) 図6(A)はオリフィス51を備える油圧緩衝器10の
伸側行程での流れを示す回路図、図6(B)はオリフィ
ス51を備える油圧緩衝器10の圧側行程での流れを示
す回路図である。
【0035】(B-1)伸側行程 ピストン14に設けてある第1バルブ22が閉じてお
り、ダンパシリンダ13の伸側受圧面積(A)分の油
(流量Qa)が、ピストンロッド16の側の油室15A
から循環通路23を経て第2連通路32から電磁減衰弁
28を通り、リザーバ25へと流れ、電磁減衰弁28は
伸側受圧面積(A)分の流量Qaに相当する減衰力Fa
を発生させる。尚、油室15Bにはリザーバ25から第
1連通路31、第2バルブ33を通り、ピストンロッド
16の退出容積分の油が補償される。
【0036】(B-2)圧側行程 ボトムピース26のボトムケース27に設けてある第2
バルブ33は閉じているものの、オリフィス51が開い
ており、ダンパシリンダ13の圧側受圧面積(B=A)
分の油(流量Qb)からオリフィス51を通ってリザー
バ25へ逃げる油(流量Q2)を減じた油(流量Q1=Q
b−Q2)が、ピストン14の側の油室15Bから第1バ
ルブ22を経てピストンロッド16の側の油室15Aを
通り、更に循環通路23を経て第2連通路32から電磁
減衰弁28を通り、リザーバ25へと流れ、電磁減衰弁
28はその油の流量Q1に相当する減衰力Fbを発生さ
せる。
【0037】上述(B-1)、(B-2)において、Qa=Qb、
Qa>Q1であるから、Fa>Fbとなり、圧側減衰力
Fbを伸側減衰力Faに比して下げることができる。従
って、オリフィス51を備える油圧緩衝器10では、図
6(C)に示す如く、伸側と圧側で油圧緩衝器10の減
衰力可変巾Famax、Fbmaxを互いに、Famax>Fbm
axに異ならせることができる。そして、電磁減衰弁28
のソレノイドの通電励磁により制御せしめられる伸側と
圧側の減衰力比Fa/Fbを容易に設定替えできる(制
御電流当たりの変化量ΔFa>ΔFb)。
【0038】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 電磁減衰弁28をボトムケース27に組込んでボトム
ピース26としてカートリッジ化し、ボトムケース27
をアウタチューブ11の縮径部11Aに担持させ、該ボ
トムケース27をダンパシリンダ13により押圧保持す
ることにより、電磁減衰弁28を簡易に組込みできる。
【0039】電磁減衰弁28を組込んであるボトムケ
ース27が上述の如くにアウタチューブ11の縮径部
11Aとダンパシリンダ13の間で挟持されるとき、電
磁減衰弁28にその挟持力が作用することなく、電磁減
衰弁28に高い剛性を必要としない。
【0040】電磁減衰弁28を組込んであるボトムケ
ース27を上述の如くにアウタチューブ11の縮径部
11Aに担持するとき、アウタチューブ11のボトムケ
ース挿入部をOリング29等により容易にシールでき、
アウタチューブ11内のリザーバ25や循環通路23の
密封性を向上できる。また、電磁減衰弁28をアウタチ
ューブ11内のリザーバ25や循環通路23の油外に配
置するものとなり、電気配線(リード線30)をアウタ
チューブ11の外方へ引き出し易い。
【0041】電磁減衰弁28は、循環通路23とつな
がる第2連通路32から流入する油をフィルタ42を介
して吸入するから、弁機構にゴミ等が噛み込むことを回
避でき、電磁減衰弁28の作動不良を防止できる。
【0042】アウタチューブ11とダンパシリンダ1
3とバイパスチューブからなる三重管構造において、ダ
ンパシリンダ13とバイパスチューブのそれぞれをロッ
ドガイドとボトムケース27に圧入固定することによ
り、アウタチューブ11内へのダンパシリンダ13とバ
イパスチューブの組立性を向上できる。また、シール材
を用いることなく、ダンパシリンダ13とバイパスチュ
ーブのそれぞれとロッドガイド17とボトムケース27
との間の密封性を確保できる。
【0043】図7の油圧緩衝器10が図1〜図6の油圧
緩衝器10と異なる点は、ボトムピース26を構成する
ボトムケース27が、第2バルブ33のためのバルブシ
ート71を焼結金属等により別体化したことにある。バ
ルブシート71は、ボルト722よりカラー73を介し
てボトムケース27の上端面に固定され、ボルト72に
バックアップされるばね74により第2バルブ33をそ
のシート面71Aに圧接される。バルブシート71は、
第1連通路31の出口部分を構成する流路31Aを備え
る。
【0044】ボトムケース27が、第2バルブ33のた
めのバルブシートを図2に示す如くに鍛造等で一体化し
たときには、シート面38を追加工するものとなる。こ
れに対し、図7における如くに、バルブシート71を焼
結金属等で成形して別体化するときには、ボトムケース
27にシート面を追加工する必要がなくなって加工性を
向上し、シート面71Aの精度も良く、またバルブ33
のシート面71Aへの貼り付きも生じにくくなる。
【0045】図8(図8(B)は図8(A)のB-B線に
沿う断面図)は、図1〜図6の油圧緩衝器10又は図7
の油圧緩衝器10の変形例であり、ピストンロッド16
の側の油室15Aを循環通路23につなぐ連通路24を
ダンパシリンダ13に設けず、ロッドガイド17の周方
向複数位置(例えば4位置)に設けたことにある。ダン
パシリンダ13に連通路24を設けるとダンパシリンダ
13に穴あけ加工を必要とするし、穴あけ加工後にはバ
リ取り作業が必要となって加工工数が多くなるが、ロッ
ドガイド17は焼結材からなるために穴あけ加工するこ
となく連通路24を形成でき、バリ取り等の追加工も必
要ない。
【0046】尚、ダンパシリンダ13又はロッドガイド
17に設ける上述の連通路24にあっては、ダンパシリ
ンダ13又はロッドガイド17に設けられる全部の連通
路24(例えば全4個の連通路24)の流路面積の合計
を、ダンパシリンダ13の伸側受圧面積(A)又は圧側
受圧面積(B)の約10%以上の面積となるように設定す
る。伸側受圧面積又は圧側受圧面積の10%以上の面積を
全流路面積とする連通路24は、ピストン14の移動速
度が1m/秒となったときでも、作動油を絞らずにスムー
スに流すことができる。
【0047】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ボ
トムケースを担持するアウタチューブの縮径部は、テー
パ状であることを必須としない。
【0048】また、ボトムピースを構成するボトムケー
スは、アウタチューブ内に設けた固定部に固定されてい
れば良く、例えばアウタチューブ内にストッパリングを
配置し、このストッパリングの上にボトムピースを配置
しても良く、又はアウタチューブにかしめ部を設け、こ
のかしめ部の内周にボトムピースを配置するようにして
も良い。本実施形態はアウタチューブに縮径部を設けこ
の縮径部にボトムケースを配置して固定したものであ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、単一の電
磁減衰弁により伸側と圧側の減衰力を調整可能とする油
圧緩衝器において、組立性と密封性を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す模式図である。
【図2】図2は図1の要部断面図である。
【図3】図3は図1の要部拡大図である。
【図4】図4は図2の要部拡大図である。
【図5】図5はボトムピースにオリフィスを備えない場
合の油の流れと、減衰性能を示す模式図である。
【図6】図6はボトムピースにオリフィスを備えた場合
の油の流れと、減衰性能を示す模式図である。
【図7】図7は油圧緩衝器の変形例を示す断面図であ
る。
【図8】図8は油圧緩衝器の変形例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 アウタチューブ 11A 縮径部 12 バイパスチューブ 13 ダンパシリンダ 14 ピストン 15A、15B 油室 16 ピストンロッド 17 ロッドガイド 22 第1バルブ 23 循環通路 24 連通路 25 リザーバ 26 ボトムピース 27 ボトムケース 28 電磁減衰弁 31 第1連通路 32 第2連通路 33 第2バルブ 42 フィルタ 71 バルブシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和彦 埼玉県行田市藤原町1丁目14番地1 株式 会社ショーワ埼玉本社工場内 Fターム(参考) 3J069 AA50 DD47 EE10 EE40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウタチューブ内にダンパシリンダを配
    置し、 ダンパシリンダにピストンを摺動自在に挿入してピスト
    ンの両側に油室を画成し、ピストンに連結したピストン
    ロッドをダンパシリンダの一端側のロッドガイドに摺動
    自在に支持し、ピストンにピストン側の油室からピスト
    ンロッド側の油室への作動油の流れのみを許容する第1
    バルブを設け、 アウタチューブとダンパシリンダの間に、ピストンロッ
    ド側の油室からの作動油を流す循環通路と、ピストンロ
    ッドの出入に伴うダンパシリンダ内の油量変化を補償す
    るリザーバを設け、 アウタチューブ内で、ダンパシリンダの他端側の底部を
    閉塞するボトムピースを設け、このボトムピースは、電
    磁減衰弁を備えるとともに、リザーバをピストン側の油
    室につなぐ第1連通路と、循環通路を電磁減衰弁を介し
    てリザーバにつなぐ第2連通路が形成されるとともに、
    第1連通路はリザーバからピストン側の油室への作動油
    の流れのみを許容する第2バルブを介してピストン側の
    油室とつながり、 電磁減衰弁により減衰力を調整可能にしてなる減衰力調
    整式油圧緩衝器において、 ボトムピースが、アウタチューブ内に設けた固定部と、
    ダンパシリンダとの間に挟持されるボトムケースを備
    え、該ボトムケースに電磁減衰弁を組込んでなることを
    特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 アウタチューブ内にダンパシリンダを配
    置し、 ダンパシリンダにピストンを摺動自在に挿入してピスト
    ンの両側に油室を画成し、ピストンに連結したピストン
    ロッドをダンパシリンダの一端側のロッドガイドに摺動
    自在に支持し、ピストンにピストン側の油室からピスト
    ンロッド側の油室への作動油の流れのみを許容する第1
    バルブを設け、 アウタチューブとダンパシリンダの間に、ピストンロッ
    ド側の油室からの作動油を流す循環通路と、ピストンロ
    ッドの出入に伴うダンパシリンダ内の油量変化を補償す
    るリザーバを設け、 アウタチューブ内で、ダンパシリンダの他端側の底部を
    閉塞するボトムピースを設け、このボトムピースは、電
    磁減衰弁を備えるとともに、リザーバをピストン側の油
    室につなぐ第1連通路と、循環通路を電磁減衰弁を介し
    てリザーバにつなぐ第2連通路が形成されるとともに、
    第1連通路はリザーバからピストン側の油室への作動油
    の流れのみを許容する第2バルブを介してピストン側の
    油室とつながり、 電磁減衰弁により減衰力を調整可能にしてなる減衰力調
    整式油圧緩衝器において、 ボトムピースが、アウタチューブの縮径部と、ダンパシ
    リンダとの間に挟持されるボトムケースを備え、該ボト
    ムケースに電磁減衰弁を組込んでなることを特徴とする
    減衰力調整式油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記電磁減衰弁の前記第2連通路が接続
    される吸入口にフィルタを設けた請求項1又は2記載の
    減衰力調整式油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 前記ボトムケースが前記第2バルブのた
    めのバルブシートを別体化されて備える請求項1〜3の
    いずれかに記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 前記アウタチューブとダンパシリンダの
    間に、循環通路とリザーバを区画するためのバイパスチ
    ューブを挿入し、ダンパシリンダとバイパスチューブの
    それぞれをロッドガイドとボトムケースに圧入固定した
    請求項1〜4のいずれかに記載の減衰力調整式油圧緩衝
    器。
  6. 【請求項6】 前記ロッドガイドに、ピストンロッド側
    の油室を前記循環通路につなぐ連通路を設けた請求項1
    〜5のいずれかに記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011202786A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Showa Corp 油圧緩衝器の減衰力調整構造

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