JP2001173552A - 電磁プランジャポンプ - Google Patents

電磁プランジャポンプ

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JP2001173552A
JP2001173552A JP36326199A JP36326199A JP2001173552A JP 2001173552 A JP2001173552 A JP 2001173552A JP 36326199 A JP36326199 A JP 36326199A JP 36326199 A JP36326199 A JP 36326199A JP 2001173552 A JP2001173552 A JP 2001173552A
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electromagnetic plunger
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Toru Kobayashi
亨 小林
Yasutsune Chiba
泰常 千葉
Ryo Kobayashi
陵 小林
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Taisan Industrial Co Ltd
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Taisan Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な耐蝕性を有する排液部からなる、特に
殺菌消毒液ならびに漂白剤を給送する化学薬液用電磁プ
ランジャポンプを提供する。 【解決手段】 接液する電磁プランジャ(15)はクローム
30%、モリブデン2%をそれぞれ標準とし、かつ硅素
0.5%未満を含有するフェライト系電磁ステンレス鋼
をもってなり、同じく接液する前記戻しばね(18)を含む
一切のばねはチタン合金からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に殺菌消毒用
および漂白剤の溶液等の薬液給送注入用のいわゆる電磁
駆動式ケミカルプランジャポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】上記の薬液給送注入用のケミカルポンプ
としては、特公昭61-4998 号公報に開示された技術があ
る。この技術は、耐薬品用として例えば商品名テフロン
などの弗素樹脂をもって構成された円板状のダイヤフラ
ムに、区画されたその一面に流体をもって伸縮振幅する
ように供給して他面の区画されたポンプ室を作動させて
薬液を給送するものである。次に、実公昭57-32308号公
報に開示された技術は、耐薬品耐熱性のクランクによっ
て往復作動する容積形のダイヤフラムポンプが説明され
ている。
【0003】さらに、特公昭57─32754 号公報に開示さ
れた従来技術は、偏心カム式の可変容量形ダイヤフラム
ポンプであるが、ケミカル用であることを表していない
し、その説明もない。以上は何れもダイヤフラムポンプ
であるが、電磁駆動式ではない。電磁駆動式のダイヤフ
ラムポンプとしては、特公昭51-24121号公報に開示され
た容積形の定量ポンプの従来技術があるが、これまた薬
液用のポンプとしての耐蝕性についての説明はない。
【0004】この種のダイヤフラムポンプのダイヤフラ
ムは薬液用の耐蝕性の材質をもっていて、ポンプの使用
頻度と時間とにもよるが、疲労によって破損するおそれ
があるので、大凡一年以内で交換する必要があり、機械
的耐久性が悪く、寿命が短い。また、本願特許出願人
が、先に特願平10−295732号をもって提案した
電磁プランジャポンプ(ケミカル用)の先行技術にも、
その構成部材たる電磁プランジャの材質の耐蝕性に関し
て、後述するような疑義を生じたので、その問題点を解
決しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のこの種のケミカルポンプ、特に上水道水の殺菌消毒用
として、或いは下水処理後の雑用水等の同じく殺菌消毒
用として、これらの水に定量添加する、例えば次亜塩素
酸ナトリウム等の溶液給送注入用ポンプとしては、前述
したような接液部をこれらの薬品に対して耐蝕性のある
材料すなわち前述したような弗素系合成樹脂で構成され
たダイヤフラムポンプが利用されていた。
【0006】しかしながら、このようなダイヤフラムは
破損しやすく、万一その場合は、毒液の洩れによる人命
や機材の腐蝕破壊等の大事に至るので、その防止のため
に常に保守点検整備を怠らず、大凡1年以内にこれらの
取替えを必要として、その手間は煩雑で危険を伴いかつ
不経済であった。また、本願出願人らは、従来から一部
の薬液や水用の電磁プランジャポンプに磁性体の電磁プ
ランジャ用材料として18%クロム含有のフェライト系
電磁ステンレス鋼および非磁性体のプランジャケースや
吐出プランジャ用材として18%クロム、8%ニッケル
含有のオーステナイト系ステンレス鋼材を利用して久し
くその実績がある。
【0007】しかしながら、これらの材料は塩素系の上
記次亜塩素酸ナトリウムの5%〜10%溶液に対して全
く耐蝕性が悪く、利用不可能であったので、電磁プラン
ジャポンプは利用不能であった。この電磁プランジャと
プランジャケースの部分を接液部から隔離するために作
動隔膜を設けるようにすれば、一応隔絶することは可能
であるが、この場合にはダイヤフラムを用いることと同
様で、その寿命が短く、ポンプ機構そのものも大形化さ
れ、据え付けスペースを大きくとり、何ら利点もない。
つぎに、前記した特願平10−295732号明細書に
記載の電磁プランジャの材質の化学成分クロム20%含
有のフェライト系電磁ステンレス鋼も、例えば10%次
亜鉛素酸ナトリウム溶液に大気圧下で浸漬した場合と連
続ポンプ作用中は、腐蝕もポンプの吐出性能もほとんど
目立つことなく、耐蝕性も良好の様であったが、ポンプ
を比較的短時間で休止した場合には、空気、すなわち空
気中の酸素が遮断されるために、耐蝕性を保持する電磁
プランジャの材質、すなわち前記したフェライト系電磁
ステンレス鋼の表面の酸化被膜が酸素の結合と脱離がた
えず行なわれていて、前記酸化皮膜を形成したものが、
空気中の酸素が得られないために、該酸化皮膜の呼吸作
用を杜絶させ、破壊に導く塩素イオンが次亜鉛素酸ナト
リウム自体から発生して、金属腐蝕を生じるのである。
この塩素イオンを含む水溶液内では、チタン、タンタル
以外の金属では、この塩素イオンの腐蝕作用を封じるこ
とはできない。そして強磁性体であるべき電磁プランジ
ャはその材質が比較的透磁率の高く、しかも前記耐蝕性
を要するために主化学成文の鉄に、最も多くのクロムを
添加可能としたフェライト系電磁不銹鋼を用いる必要が
あるのである。しかしながら、上述の通り20%のクロ
ムを含有した前記不銹鋼では、その使用に懸念を生じた
ものである。この素材を使用した電磁プランジャは、電
磁プランジャポンプの休止時に一見して判る程度の嵌合
面に黒褐色に変色しかつ孔蝕を発生していることがポン
プを分解して検査の結果判明したのである。さらに、こ
の腐蝕に関しては、実施の形態の欄で試験データ等によ
って詳述する。何れにしても、上記この成文の材料は使
用しては耐蝕性については不充分であると認めたもので
ある。
【0008】また、接液部の逆止弁機構の弁体を弁座に
押圧閉塞させるために付勢する弁ばねおよび前記戻しば
ね等接液するばねはステンレス鋼製であるが、これらも
耐蝕性がなく、たちまち腐蝕切損してしまうので、利用
できない。しかしながら、ポンプ内を貫流する電磁プラ
ンジャポンプによって前述した腐蝕力の強い溶液の給送
注入に利用が可能となれば、小形軽量化を計れると共
に、吐出流量の微細な可変調整も電気的にも機械的にも
きわめて容易となり、便利で経済性も増大する。
【0009】そこで本願発明者らは透磁率が高く、電磁
コイルへの通電により発生する起磁力に対して磁束密度
が高く、切電によって磁力の残留磁気が消滅しやすくか
つ充分な機械的強度を有するフェライト系電磁ステンレ
ス鋼および充分な機械的強度を有するばね用金属材料で
前述した腐蝕力の強い溶液に耐え得る材料をそれぞれの
耐蝕特性を試みた資料を検索し、選択したものを先ずそ
の素材の試料の前記耐蝕性を試験検査し、その合格と見
なされる素材をもって構成した前記耐蝕性のある部品を
さらに組み立て、屋内において四季を通じて前記腐蝕性
の溶液すなわちこの場合には、次亜塩素酸ナトリウム1
0%溶液の循環経路における給送をほぼ連続施行した。
なおかつ、ポンプに所定の休止時間を与え、放置し、し
かる後に分解および検査を行い、再び組立、前記液の給
送を継続してポンプの吐出性能を検査測定したものであ
る。
【0010】この間の雰囲気温度は、温度調整をしない
自然の屋内温度で平均23℃程度であった。上記連続耐
久試験において、前述した特許請求の範囲の請求項1の
ポンプ構成部品は充分耐蝕性があり、機械的強度も疲労
等の劣化による破損も見出せなかった。
【0011】また、同じく請求項2に示した接液摺合部
の合成樹脂をもって構成された部品も同様に耐蝕性、機
械的強度の劣化等に問題が生じないで、ポンプ作用に支
障がなかったことが証明できたもので、この課題を解決
する目的が得られたのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、電磁コイルへ断続パルス電流を付勢して得られる
磁気吸引力と復帰するばねの反発力とによって、前記電
磁コイルにより囲繞された非磁性体のプランジャケース
内を摺動往復する強磁性体の電磁プランジャおよび吸入
ならびに吐出用の逆止弁とを備え、耐蝕部材をもって各
接液部を構成した、特に殺菌消毒液ならびに漂白剤溶液
等を給送する化学薬液用電磁ポンプであって、前記接液
する電磁プランジャは化学成分クロム30%、モリブデ
ン2%をそれぞれ標準とし、かつ珪素0.5%未満を含
有するフェライト系電磁ステンレス鋼をもって成り、同
じく接液する前記戻しばねを含む一切のばねはチタン合
金をもってなる電磁プランジャポンプとしたものであ
る。
【0013】しかして、前記非磁性体のプランジャケー
スは、少なくともその前記接液摺合部を、ポリ四弗化エ
チレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂およびこ
れを含む重合体の合成樹脂類の弗素樹脂およびポリフェ
ニレンサルファイド樹脂もしくはポリプロピレン樹脂ま
たはセラミックの何れかの材料をもってなるものであ
る。
【0014】さらに、前記電磁コイルに付勢する断続パ
ルス電流は、印加電圧、周期およびもしくは周期中の導
通期間すなわちデューテイ比または位相の何れかの一つ
もしくは複数の加減によって前記電流を変え、ポンプの
吐出量を可変調整可能とした。 そして、さらに前記電
磁コイルの軸心縦貫孔の端部において、前記プランジャ
ケースとの間に介設嵌装された環状磁極の端面とこれに
臨む電磁プランジャの端部との間の磁気空隙側に該電磁
プランジャの行程長を規制するためのストッパーを設け
て、吐出量の調整後の均一安定化をはかった電磁プラン
ジャポンプである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により詳細に説明する。図1は本発明の電磁プランジャ
ポンプの一部断面を示す縦断説明図である。このような
インライン容積形の電磁プランジャポンプの構造に関し
ては、ことさらに説明するまでもないが、前述したよう
な特殊材料の部材による構成であるので、主としてこれ
について述べる。
【0016】電磁ポンプ1は、電磁コイル22の軸心縦
貫孔にその上下両端部にそれぞれ嵌装されかつプランジ
ャケース16に外嵌する環状磁極21と環状磁路19と
が同じくプランジャケース16に外嵌するスペーサ20
によって隔てられ、吸入口11を有する吸入接手12と
吐出口13を有する吐出接手14にそれぞれOリング5
1、52をもって気密水密を保持して接続されかつ外枠
25と継鉄24とによって電磁コイル22のボビン23
の上下両端面に係着固定されている。
【0017】前記プランジャケース16はシリンダであ
り、その内部に復帰用の戻しばね18と支え保持用の補
持ばね17とにより互いに相反する向きからの等しい反
発荷重により、ばね座を兼ねたストッパー36と補持ば
ね座62との間に釣合い挟支されていて、吸入弁30、
吸入弁座、吸入弁ばねを含む吸入弁機構を内蔵した電磁
プランジャ15が摺動往復自在に嵌装されている。
【0018】前記プランジャケース16の上端部すなわ
ち吐出接手14への接続する部分には、吐出弁ばね35
に押圧されて吐出弁座33を塞ぐように係設された吐出
弁体34を含む吐出弁機構が備えられてパッキング61
を介して嵌合している。このような電磁プランジャポン
プの電磁コイル22に、図示しない駆動制御回路から断
続パルス電流を付勢すると、導通時に発生する磁力によ
って、電磁プランジャ15は環状磁極21の方へ吸引さ
れる。このとき働く磁力は、電磁プランジャ15の上端
面と環状磁極21の下端面との間の空隙を埋めてパーミ
アンスを増大させようとして働く、いわゆる空隙磁気吸
引力と電磁コイル22の磁気中性点に向かって働く電磁
プランジャ15の磁気中心間の、いわゆるソレノイド磁
気吸引力との和である。これらの磁気吸引力によって前
記導通時には、電磁プランジャ15は戻しばね18の反
発力に勝る力で、さらにその撓みを増加させながら上方
へ移動する。電磁コイル22へ付勢する断続パルスの非
導通時には、前記磁気吸引力が消滅減衰して復帰用の戻
しばね18の反発力によってもとの釣合い位置に戻ろう
とする。
【0019】この電磁プランジャ15の往復運動と前記
吸入弁ならびに吐出弁機構の協働作用によって、前記化
学薬液などの溶液はその貯槽から配管を介して矢印aの
ように吸入口11からポンプ内を貫流して矢印bに示す
ように吐出口13を経て配管により供給吐出される。ポ
ンプの吐出流量を加減調整するには、電磁コイル22へ
の付勢電流の電流値を変換すれば、電磁コイルの捲数と
該電流値の乗積すなわちアンペアターンが変わり、起電
力の増減となってポンプの出力の調整ができる。
【0020】前記電流値は、電磁コイル22に印加する
電圧の加減によっても可変可能であり、或いは断続パル
ス電流の周期およびもしくは周期中の導通期間を所定の
帯域内で変換させてもポンプの出力は可変調整できる。
また、この電流のパルス波形の位相を変化させても同様
にポンプ吐出流量は可変調整可能である。これらの電磁
ポンプの吐出量加減調整方法は、特公昭63-58264号、特
公昭56-38796号、実公昭41-18863号、実公昭63─39430
号、実公昭59-41377号各公報などをわざわざ枚挙するほ
どのことはないが、一部を参照として挙げておく。
【0021】この電磁プランジャポンプを前掲の殺菌消
毒ならびに漂白剤の溶液、例えば次亜塩素酸ナトリウム
溶液の給送注入の用途に供するために、特に接液部の前
記電磁プランジャ、ばね類などに用いる耐蝕かつ機械的
強度を有する特殊ステンレス鋼、摺合部を含む接液部を
構成する合成樹脂類の耐蝕材料の耐蝕耐久試験の実験を
重ねた結果、前述したように、それらの耐蝕性、耐久性
を有することを確認したのである。先に述べたように、
特願平10−295732号の先行技術における電磁プ
ランジャの素材は化学成文クロム20%、モリブデン2
%、硅素2%をそれぞれ標準として含有する電磁ステン
レス鋼であったが、5〜10%の次亜塩素酸ナトリウム
を含有する水溶液を給送する電磁ポンプに該電磁プラン
ジャを利用した場合に、ポンプの休止期間中に、前記次
亜塩素酸ナトリウムが空気中の酸素を遮断されたため
に、前述したように前記電磁ステンレス鋼により作られ
た電磁プランジャの表面に酸化皮膜をもって覆われてい
て、たえず前記空気中の酸素を呼吸して耐蝕性のある前
記酸化皮膜を維持していたものがバランスをくずし、か
つ前記水溶液中の塩素イオンの発生によって、たちまち
酸化皮膜が破壊消滅して、金属を腐蝕し、いわゆる錆を
発生するのである。前記塩素イオンを含む前記水溶液や
海水に対して、チタン、タンタルは耐久性が大であるこ
とが知られているので、この電磁ポンプにおける前記戻
しばね、保持ばね、逆止弁のばね等接液する部分のばね
は、チタン合金を利用しているのである。しかしなが
ら、電磁プランジャの場合は、透磁率が比較的大きい強
磁性体であり、しかも残溜磁気を嫌うためにフェライト
系電磁ステンレス鋼であることを必要としており、かつ
耐蝕性が大でなければならない。そこで、本発明におい
て、種々電磁ステンレス鋼の化学成分について研究検討
した結果、その成分をクロム30±2%、モリブデン2
±0.3%、硅素0.5%以下に規制した電磁ステンレ
ス鋼を得ることによって、その目的を達成したものであ
る。この実験の例においては、該化学成分は、クロム3
0、08%、モリブデン1.96%、硅素0.16%の
電磁ステンレス鋼素材により製造された電磁プランジャ
を用いて、前記溶液に対する耐蝕性を向上させたこと
を、試験をして後述するデータによって証明し、実用を
可能としたものである。 1.本発明の電磁プランジャポンプの前記試験時におけ
る構成部品の材質 (1)A,電磁プランジャ15:本発明の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム30% 含有 B,電磁プランジャ :前記従来技術の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム20%含有(特願平10−2957
32号明細書に記載のもの) C,電磁プランジャ :前記従来技術の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム18%含有 A,B,C共通のもの (2)弁座31、33、プランジャケース16、吸入お
よび吐出接手12、14:ポリプロピレン (3)ばね類17、18、32、35:チタン合金線材 (4)吸入弁30、吐出弁34 :四弗化樹脂 2.この試験における次亜塩素酸ナトリウム10%溶液
使用時の溶液の変色状態を目視により調べると、表1に
示す通りである。ポンプの休止時に吸入、吐出側を密閉
し、空気を遮断すると、ポンプ内部の溶液は少量である
から48時間程度で酸化皮膜を破壊する前記塩素イオン
の発生も飽和終焉状態となり、したがって金属の腐蝕の
進行も止まるものであると考えられる。
【表1】 注)×:茶褐色に変色 Δ:淡褐色に変色 ○:ほとんど透明、変色の判別できない。 なお、このポンプによる前記溶液の給送および作動休止
を繰り返せば、電磁プランジャ15の休止期間における
腐蝕は進行するわけであるが、水道水の殺菌、浄化槽の
消毒殺菌用等にこのポンプを用いる場合には、ほとんど
長期間にわたって休止することなく断続運転されるの
で、腐蝕の進行は、この場合には長期間にもきわめて少
ないわけである。前記電磁ステンレス鋼をもってなる電
磁プランジャを10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に空
気を遮断して浸漬100時間ごとに新しい溶液を注入し
たときに1000時間経過時に前記Cの場合に、電磁プ
ランジャ15の外側から内部に孔蝕による小孔が貫通
し、同じくBの場合にも2000時間で孔蝕が進行して
いたが、Aは何れの場合にも目視では変化が認められな
い。なお、前記孔蝕部分は何れも黒褐色の錆が発生して
いた。そして、電磁プランジャ15の外側に微小の腐蝕
による外径寸法の縮小があっても、このポンプは電磁プ
ランジャ15を電磁プランジャ15を2つのばね17、
18間に圧支したフリーピストンポンプであるから、そ
の行程長を伸長して吐出流量を補償する。そのために
は、戻しばね18を全圧縮しない程度に後記するストッ
パ36の長さを短縮、すなわちfの寸法を伸長すればよ
い。3.前記溶液により前記2同様にポンプの休止後、
その吸入吐出側を密閉して空気を遮断し、48時間後に
電磁プランジャ15の腐蝕減量を精密電子天秤により測
定した結果を表2に示す。このとき電磁プランジャ15
の外径寸法およびその公差は5.97+0.00−0.010 mm であり、実際にはその表面に潤滑のため弗素樹脂をコー
テイングまたは硬質クロムによる表面硬化処理を行なう
ことがあるが、このときの試験では、この処理を行なわ
ないで、裸のままで接液させた。その表面に複数の孔蝕
等が発生し、外径測定して変化を確認するのに、この測
定値のみでは意味がないので、腐蝕の度合いは減量をも
って表したものである。
【表2】 このように、AはB,Cに比較して腐蝕量が半減以下で
ある。次に、この電磁プランジャポンプに前記A,B,
Cの電磁ステンレス鋼製の電磁プランジャをそれぞれ組
み込んだ電磁プランジャポンプの吐出性能、すなわち流
量特性を表3に示す。このときの流量調整装置による電
磁コイル22に付勢する電流は、DC24V、周波数
5.5Hz 、周期181.8m Sec、デューテイ比、す
なわち周期中の導通期間は7.0m Secとし、吐出圧力
KPa に対する吐出流量ml/minを示したものであ
る。
【表3】 電磁ステンレス鋼A,B,Cは、クロムの化学成分の多
い程鉄の成分が少なくなるので、磁気吸引力が減少する
故、これを補うには、電磁コイルへの電流の周波数、デ
ューテイ比、電流値をそれぞれまたは何れかを高めるよ
うに調整すればよく、この支障は全くない。
【0022】すなわち前記電磁プランジャ15はクロー
ム30%、モリブデン2%をそれぞれ標準とし、硅素
0.5%未満を含有するフェライト系電磁ステンレス鋼
を、戻しばね18、補持ばね17、吸入弁ばね32、吐
出弁ばね35はそれぞれチタン合金(例えばβ形チタ
ン、バナジウム22%、アルミニウム4%を標準として
含む材料によって構成される。)そして摺合接液部のプ
ランジャケース16は、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂およびこれを含む重合体の
合成樹脂類などの弗素樹脂およびポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂もしくはポリプロピレン樹脂またはセラミッ
クの何れかの材料でこの条件を満足することが分かっ
た。
【0023】吸入弁体30と吐出弁体34は耐熱耐磨耗
性が特によいポリテトラフルオロエチレン樹脂を選ん
だ。Oリング51、52、53とパッキング61は弗素
ゴム、その他の接液部の構成材料はプランジャケース1
6の材料のうちセラミックを除く他のものであればよい
が、吸入接手12および吐出接手14の構成材料は上記
のほか硬質塩化ビニール樹脂もしくはポリエーテルイミ
ド樹脂で構成してもよい。
【0024】前記耐蝕、耐久試験に用いたのは10%次
亜塩素酸ナトリウム溶液である。上水道水に殺菌消毒の
ために添加する次亜塩素酸ナトリウムは約0.3ppm
の濃度である。したがって、上水1ton に対して約3ml
の前記10%溶液を注入する割合となる。
【0025】この次亜塩素酸ナトリウム溶液は、生鮮野
菜消毒用には、200ppm、その他浄化槽の浄化後の
排水や雑用水の殺菌にも用いられるが、その吐出定量性
が要求される。この電磁プランジャポンプは、電磁プラ
ンジャ15が戻しばね18と補持ばね17とにより挟支
され、電磁コイル22により発生する磁力によって往復
作動する、いわゆるフリーピストンポンプであるから、
液体の圧力、温度およびポンプ内と吸入吐出配管の形状
寸法、内面粗さ等のレイノルズ数の変化および流路の液
体内に含まれる空気その他の気体の存在など流動抵抗の
変動により、電磁プランジャの行程長が変化し、したが
って吐出流量の変動を招来する。
【0026】このことは、前述したような電磁コイル2
2への付勢電流の周期、デューテイ比、位相もしくは印
加電圧を加減して吐出流量を調整しても、吐出流量の変
動は避けられないことを意味する。先にも述べたよう
に、電磁コイル22に電流を付勢したとき、電磁プラン
ジャ15はその上端部と環状磁極21の下端面との磁気
空隙Gを埋めて、さらに上方に磁気飽和するまで慣性も
伴って移動し、戻しばね18の圧縮されることによる反
発力および流体の圧力とによって制動され、電磁コイル
22への切電による磁気の減衰消滅により、戻しばね1
8の反発力によって電磁プランジャ15は静止していた
位置の方へ復帰しようとして行程の往復運動をするので
あるが、この行程長は前述した理由により変動すること
がある。
【0027】そこで本発明においては、前記空隙Gを超
えることfとし、G+f=Sにとどめるように、行程長
の前記要因による変動を抑制し、規制するための環状の
ストッパー36を備えたものである。このストッパー3
6は戻しばね18のばね座を兼ねて吐出弁座33に当接
し、縦方向に固定されている。このストッパー36によ
り、電磁プランジャ15は行程長が一定となり、電磁コ
イル22への付勢電流を調整して、吐出流量の設定後は
安定化を計ることを可能としたものである。
【0028】次に前記ストッパー36を設けた場合の効
果について説明する。この電磁プランジャポンプ1を用
い、ストッパー36を備えた場合と備えない場合の吐出
流量を比較した試験結果を表1に示す。ポンプを運転中
に、その吸入側に10ccの空気を注入すること5回でそ
れぞれ3分後の吐出流量を測定したものである。
【0029】水溶液は前記の通り10%次亜塩素酸ナト
リウム溶液で、電磁コイル22への付勢電流は電圧24
V、周波数5.5Hz (周期181.8m Sec)、周期中
の導通期間7.0m Sec、温度20℃、吸入揚程−13
0mm、吐出揚程130mm、吸入および吐出配管内径
7mm、肉厚1.5mmのシリコンチューブで、吐出流
量1.0リットル毎時に設定した後、その変動を調べた
試験の結果を表4に示す。
【表4】 表4のデータに示す通り、前記ストッパー36を備える
場合と備えない場合とでは、ネハバは前者が0.1 、後者
が0.7 であり、平均値Xm ,標準偏差σn-1 も大きな相
違があり、ストッパー36を備えることで、電磁プラン
ジャ16の往復行程の上死点の位置が強制的に定まり、
行程長が一定となるので、吐出量が安定し、所定量を確
保できるのである。
【0030】図1に示す本発明の電磁プランジャポンプ
は前記化学薬用として、吐出圧力がほぼ100KPa 以
内であり、この溶液をさらに大なる圧力で注入すること
が必要な場合、例えば500KPa の圧力を必要とする
場合には、本発明の他の実施の形態である、図2に示す
電磁プランジャポンプ2を使用するものである。
【0031】図2はこの電磁プランジャポンプの一部断
面を表した縦断説明図である。これは、プランジャケー
ス116内を摺動往復する電磁プランジャ115と本体
110に立設されたシリンダ142内を摺動往復する吐
出プランジャ140とはタペット部141を介してタン
デムに連接し、戻しばね118と補持ばね117とによ
って、パッキング161と戻しばね座を兼ねたストッパ
ー136との間に挟支されている。本体110には、吸
入口111を有する吸入接手112が吸入接手止金14
6を図示していない取付けねじによって螺締することに
より嵌合固定されている。
【0032】さらに、本体110は、吸入口111と連
通し、吸入弁体130を吸入弁ばね132により押圧閉
塞される吸入弁座131とをもって構成された吸入弁機
構と一体に連通する吐出弁座133、吐出弁体134、
吐出弁ばね135および弁蓋147とからなる吐出弁機
構が設けられ、弁蓋押え金144を取付けねじで螺締結
して固定している。そして本体110には、さらにプラ
ンジャケース116を経て吐出接手114の吐出口11
3に連通する導孔150が設けられている。吐出接手1
14は止め輪151を介して、電磁コイル122のボビ
ン123の上面に接する磁気座金145を挟み、ボビン
123の下面と接する下板143に取付けねじ148で
螺締される外凾継鉄124により取り付け固着され、さ
らにこの下板143は取付けねじ149を螺締すること
で本体110に固定されている。
【0033】電磁プランジャ115の下端面とこれに対
向して臨む環状磁極121の上端面間の磁気空隙Gとこ
れを超え、さらに電磁プランジャ115が環状磁極12
1の内孔の方への突入を制限するf+G=Sの位置にス
トッパー136の端部が臨むように設けてある。15
4、155、156、157、158、159、160
は何れも外部への気密、水密を保つOリングであり、パ
ッキング161と共に弗素ゴムからなる。
【0034】接液摺合部のプランジャケース116の構
成材料は図1のプランジャケース16の場合と同じであ
る。吐出プランジャ140は例えばセラミックを用いた
場合には、接液摺合部のシリンダ142には、前記プラ
ンジャケース116に用いる素材のうちからセラミック
を除いた他の素材をもってすればよい。その他の電磁プ
ランジャ115、戻しばね118、補持ばね117、吸
入弁機構、吐出弁機構、吸入接手112、吐出接手11
4はいずれも図1の前記符号の数字から100の位を除
いて表した構成部材と同様である。本体110は吸入お
よび吐出接手112、114と同材質で構成すればよ
い。
【0035】前記図1に示す電磁プランジャポンプ1は
吐出圧力大凡100KPa 以下で形式により相違がある
が、吐出流量は吐出圧力が低いものでは、毎分3リット
ル程度まで電磁コイル22への付勢電流によって可変調
整される。前記図2に示す電磁プランジャポンプ2の場
合は、大凡500KPa の吐出圧力で200 ml毎分位の吐
出量能力があるものが多いが、形式により大小があり、
また電磁コイル122への付勢電流の変換によってその
吐出流量も加減調整可能である。
【0036】前記電磁プランジャポンプ2が電磁プラン
ジャポンプ1に比して吐出圧力を高めることができるの
は、電磁プランジャ115と吐出プランジャ140との
直径の寸法比が大きく、電磁プランジャ115に働く磁
気吸引力で吐出プランジャ140に高い比率の吐出圧力
を加えることができるからである。このようにして、図
2に示す電磁プランジャポンプ2は、電磁コイル122
へ断続パルス電流を付勢して発生する断続した磁気吸引
力と戻しばね118の反発力による電磁プランジャ11
5およびこれと連動する吐出プランジャ140の往復運
動と吸入弁機構ならびに吐出弁機構との協働作用によ
り、吸入口111から矢印a′のように流入した流体は
ポンプ内を通って吐出口113から矢印b′のように吐
出し、図示しない吐出側配管から流出するのである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁プラ
ンジャポンプは前記特許請求の範囲に記載された構成を
有し、前記実施の形態で述べた理由により次のような効
果を奏する。本発明の電磁プランジャポンプは、従来の
耐蝕性のあるフェライト系の電磁ステンレス鋼材を用い
た電磁プランジャやステンレスばね鋼材をもってなる各
ばねなどの電磁プランジャポンプが特に殺菌消毒液なら
びに漂白剤の溶液を給送する化学薬液用としては、その
接液部が腐蝕し破損してしまうので、実用化されなかっ
たものを、前記電磁プランジャおよびばねを前記特許請
求の範囲の請求項1のに記載の材料を試験検討してその
耐蝕性が充分であることを確認して採用するとともに、
接液摺合部および接液部も請求項2に記載の材料と同様
に試験検討して、その耐蝕性充分であり、これらの素材
をもってなる部材を組み立ててなる本発明の電磁プラン
ジャポンプの耐蝕および機械的耐久性を試験してこれを
確認し、立証し得て製品化に踏切るものである。
【0038】この電磁プランジャポンプが例えば次亜塩
素酸ナトリウム溶液などの殺菌消毒液や漂白剤溶液など
を給送する化学薬液用ポンプとして出現することによっ
て、その耐久性が通常の燃焼器への燃料供給または洗浄
水や加湿用水噴霧等に用いられている電磁プランジャポ
ンプなどの耐久性が耐用実働延時間1万時間を超え得る
ことと同様もしくはこれに近似するほであるとすれば、
画期的である。
【0039】さらに、従来のこの種類の化学薬液用のポ
ンプに比較して小形軽量であり、吐出量および吐出圧力
の微調整も電磁コイルへの付勢電流を調整することで容
易であり、経済的効果もまた甚だ大きい。さらに、電磁
プランジャの往復行程長を規制するストッパーを設ける
ことで、一旦電磁コイルへの付勢電流を可変調整制御し
て得られる設定流量を、気泡発生などの他動的要因によ
って乱されることなく、均一安定化を計ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁プランジャポンプの一つの実施の
形態を一部断面して示す縦断説明図である。
【図2】本発明の電磁プランジャポンプの他の実施の形
態を一部断面して示す縦断説明図である。
【符号の説明】
1,2 電磁プランジャポンプ 12,112 吸入接手 14,114 吐出接手 15,115 電磁プランジャ 16,116 プランジャケース 17,117 補持ばね 18,118 戻しばね 19,119 環状磁路 21,121 環状磁極 22,122 電磁コイル 30,130 吸入弁体 31,131 吸入弁座 32,132 吸入弁ばね 33,133 吐出弁座 34,134 吐出弁体 35,135 吐出弁ばね 36,136 ストッパー 110 本体 140 吐出プランジャ 142 シリンダ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月27日(2000.1.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】この電磁プランジャポンプを前掲の殺菌消
毒ならびに漂白剤の溶液、例えば次亜塩素酸ナトリウム
溶液の給送注入の用途に供するために、特に接液部の前
記電磁プランジャ、ばね類などに用いる耐蝕かつ機械的
強度を有する特殊ステンレス鋼、摺合部を含む接液部を
構成する合成樹脂類の耐蝕材料の耐蝕耐久試験の実験を
重ねた結果、前述したように、それらの耐蝕性、耐久性
を有することを確認したのである。先に述べたように、
特願平10−295732号の先行技術における電磁プ
ランジャの素材は化学成文クロム20%、モリブデン2
%、硅素2%をそれぞれ標準として含有する電磁ステン
レス鋼であったが、5〜10%の次亜塩素酸ナトリウム
を含有する水溶液を給送する電磁ポンプに該電磁プラン
ジャを利用した場合に、ポンプの休止期間中に、前記次
亜塩素酸ナトリウムが空気中の酸素を遮断されたため
に、前述したように前記電磁ステンレス鋼により作られ
た電磁プランジャの表面に酸化皮膜をもって覆われてい
て、たえず前記空気中の酸素を呼吸して耐蝕性のある前
記酸化皮膜を維持していたものがバランスをくずし、か
つ前記水溶液中の塩素イオンの発生によって、たちまち
酸化皮膜が破壊消滅して、金属を腐蝕し、いわゆる錆を
発生するのである。前記塩素イオンを含む前記水溶液や
海水に対して、チタン、タンタルは耐久性が大であるこ
とが知られているので、この電磁ポンプにおける前記戻
しばね、保持ばね、逆止弁のばね等接液する部分のばね
は、チタン合金を利用しているのである。しかしなが
ら、電磁プランジャの場合は、透磁率が比較的大きい強
磁性体であり、しかも残溜磁気を嫌うためにフェライト
系電磁ステンレス鋼であることを必要としており、かつ
耐蝕性が大でなければならない。そこで、本発明におい
て、種々電磁ステンレス鋼の化学成分について研究検討
した結果、その成分をクロム30±2%、モリブデン2
±0.3%、硅素0.5%以下に規制した電磁ステンレ
ス鋼を得ることによって、その目的を達成したものであ
る。この実験の例においては、該化学成分は、クロム3
0、08%、モリブデン1.96%、硅素0.16%の
電磁ステンレス鋼素材により製造された電磁プランジャ
を用いて、前記溶液に対する耐蝕性を向上させたこと
を、試験をして後述するデータによって証明し、実用を
可能としたものである。 1.本発明の電磁プランジャポンプの前記試験時におけ
る構成部品の材質 (1)A,電磁プランジャ15:本発明の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム30% 含有 B,電磁プランジャ :前記従来技術の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム20%含有(特願平10−2957
32号明細書に記載のもの) C,電磁プランジャ :前記従来技術の電磁ステンレ
ス鋼化学成分クロム18%含有 A,B,C共通のもの (2)弁座31、33、プランジャケース16、吸入お
よび吐出接手12、14:ポリプロピレン (3)ばね類17、18、32、35:チタン合金線材 (4)吸入弁30、吐出弁34 :四弗化樹脂 2.この試験における次亜塩素酸ナトリウム10%溶液
使用時の溶液の変色状態を目視により調べると、表1に
示す通りである。ポンプの休止時に吸入、吐出側を密閉
し、空気を遮断すると、ポンプ内部の溶液は少量である
から48時間程度で酸化皮膜を破壊する前記塩素イオン
の発生も飽和終焉状態となり、したがって金属の腐蝕の
進行も止まるものであると考えられる。
【表1】 注)×:茶褐色に変色 Δ:淡褐色に変色 ○:ほとんど透明、変色の判別できない。 なお、このポンプによる前記溶液の給送および作動休止
を繰り返せば、電磁プランジャ15の休止期間における
腐蝕は進行するわけであるが、水道水の殺菌、浄化槽の
消毒殺菌用等にこのポンプを用いる場合には、ほとんど
長期間にわたって休止することなく断続運転されるの
で、腐蝕の進行は、この場合には長期間にもきわめて少
ないわけである。前記電磁ステンレス鋼をもってなる電
磁プランジャを10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に空
気を遮断して浸漬100時間ごとに新しい溶液を注入し
たときに1000時間経過時に前記Cの場合に、電磁プ
ランジャ15の外側から内部に孔蝕による小孔が貫通
し、同じくBの場合にも2000時間で孔蝕が進行して
いたが、Aは何れの場合にも目視では変化が認められな
い。なお、前記孔蝕部分は何れも黒褐色の錆が発生して
いた。そして、電磁プランジャ15の外側に微小の腐蝕
による外径寸法の縮小があっても、このポンプは電磁プ
ランジャ15を電磁プランジャ15を2つのばね17、
18間に圧支したフリーピストンポンプであるから、そ
の行程長を伸長して吐出流量を補償する。そのために
は、戻しばね18を全圧縮しない程度に後記するストッ
パ36の長さを短縮、すなわちfの寸法を伸長すればよ
い。3.前記溶液により前記2同様にポンプの休止後、
その吸入吐出側を密閉して空気を遮断し、48時間後に
電磁プランジャ15の腐蝕減量を精密電子天秤により測
定した結果を表2に示す。このとき電磁プランジャ15
の外径寸法およびその公差は5.97+0.00−0.010 mm
であり、実際にはその表面に潤滑のため弗素樹脂をコー
テイングまたは硬質クロムによる表面硬化処理を行なう
ことがあるが、このときの試験では、この処理を行なわ
ないで、裸のままで接液させた。その表面に複数の孔蝕
等が発生し、外径測定して変化を確認するのに、この測
定値のみでは意味がないので、腐蝕の度合いは減量をも
って表したものである。
【表2】 このように、AはB,Cに比較して腐蝕量が半減以下で
ある。次に、この電磁プランジャポンプに前記A,B,
Cの電磁ステンレス鋼製の電磁プランジャをそれぞれ組
み込んだ電磁プランジャポンプの吐出性能、すなわち流
量特性を表3に示す。このときの流量調整装置による電
磁コイル22に付勢する電流は、DC24V、周波数
5.5Hz 、周期181.8m Sec、デューテイ比、す
なわち周期中の導通期間は7.0m Secとし、吐出圧力
KPa に対する吐出流量ml/minを示したものであ
る。
【表3】 電磁ステンレス鋼A,B,Cは、クロムの化学成分の多
い程鉄の成分が少なくなるので、磁気吸引力が減少する
故、これを補うには、電磁コイルへの電流の周波数、デ
ューテイ比、電流値をそれぞれまたは何れかを高めるよ
うに調整すればよく、この支障は全くない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 陵 東京都大田区池上5−23−13 太産工業株 式会社内 Fターム(参考) 3H069 AA09 BB02 CC04 DD48 EE05 EE47 3H075 AA09 BB03 CC20 DA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルへ断続パルス電流を付勢して
    得られる磁気吸引力と復帰するばねの反発力とによっ
    て、前記電磁コイルにより囲繞された非磁性体のプラン
    ジャケース内を摺動往復する強磁性体の電磁プランジャ
    および吸入ならびに吐出用の逆止弁とを備え、耐蝕部材
    をもって各接液部を構成した、特に殺菌消毒液ならびに
    漂白剤溶液等を給送する化学薬液用電磁ポンプであっ
    て、前記接液する電磁プランジャは化学成分クロム30
    %、モリブデン2%をそれぞれ標準とし、かつ珪素0.
    5%未満を含有するフェライト系電磁ステンレス鋼をも
    って成り、同じく接液する前記戻しばねを含む一切のば
    ねはチタン合金をもってなることを特徴とする電磁プラ
    ンジャポンプ。
  2. 【請求項2】 前記非磁性体のプランジャケースは、少
    なくともその接液摺合部を、ポリ四弗化エチレン樹脂、
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂およびこれを含む重合
    体の合成樹脂類の弗素樹脂およびポリフェニレンサルフ
    ァイド樹脂もしくはポリプロピレン樹脂またはセラミッ
    クの何れかの材料をもってなることを特徴とする請求項
    1に記載の電磁プランジャポンプ。
  3. 【請求項3】 前記電磁コイルを付勢する断続パルス電
    流は、その印加電圧、周期およびまたは周期中の導通期
    間すなわちデューテイ比または位相のいずれかの一つ若
    しくは前記複数の加減によって前記電流を変え、ポンプ
    の吐出量を可変調整可能としたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の電磁プランジャポンプ。
  4. 【請求項4】 前記電磁コイルの軸心縦貫孔の端部で、
    前記プランジャケースとの間に介設嵌装された環状磁極
    の端面と、これに臨む電磁プランジャの端部との間の磁
    気空隙側に、前記電磁プランジャの行程長を規制するた
    めのストッパーを設けて吐出量の調整後の均一安定化を
    はかったことを特徴とする請求項1から請求項3までの
    うちのいずれか一つに記載の電磁プランジャポンプ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214725A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Nippon Control Kogyo Co Ltd ステンレス鋼の表面処理方法及びその方法を用いた電磁ポンプなどの流体機器
WO2009079873A1 (fr) * 2007-12-10 2009-07-02 Qiubao Pan Canule d'aiguille en alliage spécial et aiguille destinée à des animaux utilisant une telle canule
CN105041599A (zh) * 2015-07-01 2015-11-11 施伟 化学液体连续供料泵

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