JP2001172659A - 緩衝器用油圧作動油組成物 - Google Patents
緩衝器用油圧作動油組成物Info
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Abstract
フロン樹脂含浸ブッシュやピストンバンドの潤滑におい
て優れた摩擦低減効果や摩耗防止効果を発揮し、これら
効果の維持性に優れている緩衝器用油圧作動油組成物を
提供する。 【解決手段】 緩衝器用油圧作動油組成物は、潤滑油基
油に、[1]炭素数3〜8のアルキル基及び/又はアル
ケニル基を有する酸性亜リン酸エステル、[2]炭素数
12〜24のアルキル基及び/若しくはアルケニル基を
有する脂肪族アミン又はそのアルキレンオキシド付加
物、[3]炭素数10〜24のアルキル基及び/又はア
ルケニル基を有する酸性亜リン酸エステル、をそれぞれ
含有してなり、かつ上記[1]成分と[2]成分とが上
記[3]成分の不存在下で接触している。
Description
組成物に関し、詳しくは特に自動車の懸架装置(ショッ
クアブソーバー、アクティブサスペンション、ステーダ
ンパー、エンジンダンパー等)に適する緩衝器用油圧作
動油組成物に関する。
ブソーバー、アクティブサスペンション、ステーダンパ
ー、エンジンダンパー等)に使用される緩衝器用油圧作
動油としては、摩擦低減と摩耗防止を目的としてリン酸
エステル及び/又は亜リン酸エステルを添加したものが
知られていた。またさらに摩擦低減効果を高めるために
脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族ア
ミン、脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等の油
性剤を併用したものが使用されてきた(特開平6−12
8581号公報、特開平7−224293号公報、特開
平7−258673号公報等)。緩衝器の摩擦、摩耗は
主としてピストンロッド/シール、ピストンロッド/ブ
ッシュ、ピストンバンド/シリンダーで起こる。従って
自動車の振動を緩和して乗り心地や操舵性を確保するた
め、緩衝器に使用される油圧作動油には優れた摩擦低減
効果と摩耗防止効果及びこれら特性の維持性が要求され
る。近年、摩擦低減を材料面から図る目的でテフロン樹
脂を含浸させたブッシュやテフロン樹脂にカーボンファ
イバーやグラファイトを埋め込んだモールドピストン
(ピストンバンド)が使用されるようになり、これらの
摩耗防止が重要な課題となってきた。また摩擦面にかか
る荷重が高いガス封入型や減衰力可変型の緩衝器の使用
が増加してきたため、緩衝器用油圧作動油の使用条件は
過酷になってきた。そのため、本出願人は、亜リン酸エ
ステル及び特定構造を有する脂肪族アミン及び/又はそ
のアルキレンオキシド付加物を併用することにより、貯
蔵安定性が良好で、優れた性能を有する緩衝器用油圧作
動油組成物が得られることを見いだし、先に特許出願し
た(特願平4−301578,特願平6−37528,
特願平6−77840)。
動油組成物では、上述のような緩衝器用油圧作動油の使
用環境の変化に伴い、従来のリン酸エステル及び/又は
亜リン酸エステルに脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸
エステルの油性剤を併用したものは摩擦面の摩耗が大き
く、摩擦低減効果も小さいという問題が生じることがあ
る。また、リン酸エステル及び/又は亜リン酸エステル
と脂肪族アミンの組み合わせは初期の摩耗防止効果や摩
擦低減効果はあるものの、その効果の維持性に問題があ
ることがある。リン酸エステル及び/又は亜リン酸エス
テルに脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物を併用
したものは摩擦低減効果や摩耗防止効果は比較的良好な
ものの、リン酸エステル及び/又は亜リン酸エステルと
脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物との反応生成
物が低温時に析出する問題が生じることがある。この問
題はリン酸エステル及び/又は亜リン酸エステルと脂肪
族アミンとの組み合わせにおいても認められることがあ
る。これらの析出物は緩衝器に油圧作動油を充填するラ
インのフィルターを閉塞させる危険性がある。しかしな
がら、テフロン樹脂含浸ブッシュやピストンバンドの摩
擦、摩耗を低減させるためには、これら亜リン酸エステ
ルと、脂肪族アミン及び/又は脂肪族アミンのアルキレ
ンオキシド付加物の組み合わせが非常に有効である。そ
こで、本発明は、特に低温時における貯蔵安定性が良好
であり、テフロン樹脂含浸ブッシュやピストンバンドの
潤滑において優れた摩擦低減効果や摩耗防止効果を発揮
し、これら効果の維持性に優れている緩衝器用油圧作動
油組成物を提供することを目的とする。
定構造を有する酸性亜リン酸エステルと、[2]特定構
造を有する脂肪族アミン又はそのアルキレンオキシド付
加物と、[3]特定構造を有する酸性亜リン酸エステル
とを含有させると共に、[1]成分と[2]成分との調
合の仕方に特徴をもたせることにより、低温時における
貯蔵安定性が良好で、優れた性能を有する緩衝器用油圧
作動油組成物を見いだし、本発明を完成するに至ったも
のである。すなわち、本発明の緩衝器用油圧作動油組成
物は、潤滑油基油に対し、[1]炭素数3〜8のアルキ
ル基及び/又はアルケニル基を有する酸性亜リン酸エス
テル、[2]炭素数12〜24のアルキル基及び/若し
くはアルケニル基を有する脂肪族アミン又はそのアルキ
レンオキシド付加物、[3]炭素数10〜24のアルキ
ル基及び/又はアルケニル基を有する酸性亜リン酸エス
テル、をそれぞれ含有してなり、かつ上記[1]成分と
[2]成分とが上記[3]成分の不存在下で接触してい
るものである。
は、特に限定されるものではなく、通常潤滑油基油とし
て使用されているものであれば鉱油系、合成系を問わず
使用できる。鉱油系潤滑油基油としては、例えば、原油
を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶
剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱
ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を
適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等
の油が使用できる。また、合成系潤滑油基油としては、
例えば、α−オレフィンオリゴマー(ポリブテン、ポリ
イソブチレン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオ
リゴマー、エチレン−プロピレン共重合体等)又はその
水素化物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジ
エステル、(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジト
リデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパン
カプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネー
ト、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエー
ト、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオ
キシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シ
リコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が使用で
きる。これらの基油は単独でも2種以上組み合わせて使
用してもよい。本発明において使用する潤滑油基油の粘
度は特に限定されず任意であるが、一般の緩衝器に要求
される減衰力に適合させる必要性から、40℃における
動粘度の下限値は、好ましくは8mm2/s、より好ま
しくは10mm2/sであり、一方、40℃における動
粘度の上限値は、好ましくは60mm2/s、より好ま
しくは40mm2/sのものを用いるのが望ましい。本
発明において使用する潤滑油基油の粘度指数も特に限定
されず任意であるが、緩衝器に要求される基本的性能で
ある減衰作用が油圧作動油の粘度に依存し、温度による
減衰力の変化をできるだけ小さくするという点から、粘
度指数は、好ましくは80以上、より好ましくは95以
上のものを用いるのが望ましい。
る[1]成分は、炭素数3〜8のアルキル基及び/又は
アルケニル基を有する酸性亜リン酸ジエステル、酸性亜
リン酸モノエステルである。[1]成分としては、具体
的には、下記の一般式(1)で表される酸性亜リン酸ジ
エステルや一般式(2)で表される酸性亜リン酸モノエ
ステル及びこれらの混合物等が例示できる。
ン酸ジエステルはその互変異性体である下記の一般式
(3)の形で、また、上記(2)式で表される酸性亜リ
ン酸モノエステルはその互変異性体である下記の一般式
(4)の形で表されることもあるが、これらはそれぞ
れ、同じ化合物を示すものである。
1、R2及びR3は、それぞれ個別に、直鎖状又は分枝状
の、炭素数3〜8、好ましくは炭素数4〜8のアルキル
基又はアルケニル基を示している。R1、R2及びR3と
しては、それぞれ個別に具体的には例えば、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状
でも分枝状でも良い);ブテニル基、ペンテニル基、ヘ
キセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等のアルケニ
ル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良
い);が例示できる。[1]成分のうち好ましいものと
しては、具体的には例えば、ジ−n−ブチルハイドロジ
ェンホスファイト、ジ−n−ヘキシルハイドロジェンホ
スファイト、ジ−n−オクチルハイドロジェンホスファ
イト(ジカプリルハイドロジェンホスファイト)、ジ−
(2−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスファイト等
のジエステルや、n−ブチルハイドロジェンホスファイ
ト、n−ヘキシルハイドロジェンホスファイト、n−オ
クチルハイドロジェンホスファイト(カプリルハイドロ
ジェンホスファイト)、2−エチルヘキシルハイドロジ
ェンホスファイト等のモノエステル等が例示でき、ま
た、これらの混合物も使用可能である。本発明の緩衝器
用油圧作動油組成物において、[1]成分の含有量は特
に限定されず任意であるが、摩擦低減効果や摩耗防止効
果の向上効果の点で、その含有量の下限値は、組成物全
量基準で好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.
3質量%であり、一方、低温時における貯蔵安定性の点
からその含有量の上限値は、好ましくは5.0質量%、
より好ましくは2.0質量%であるのが望ましい。
〜24のアルキル基及び/若しくはアルケニル基を有す
る脂肪族アミン又はそのアルキレンオキシド付加物であ
る。脂肪族アミンとしては、下記の一般式(5)で表さ
れる脂肪族第1級アミンや下記の一般式(6)で表され
る脂肪族第2級アミン及びこれらの混合物等が例示でき
る。R4−NH2 (5)
れぞれ個別に、直鎖状又は分枝状の、炭素数12〜2
4、好ましくは炭素数16〜18のアルキル基又はアル
ケニル基を示している。R4、R5及びR6は、具体的に
はそれぞれ個別に、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、
ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコ
シル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも
分枝状でも良い);ドデセニル基、トリデセニル基、テ
トラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル
基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニ
ル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル
基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル
基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良い)
が例示できる。[2]成分の脂肪族アミンのうち好まし
いものとしては、具体的には例えば、n−ドデシルアミ
ン(ラウリルアミン)、n−テトラデシルアミン(ミリ
スチルアミン)、n−ヘキサデシルアミン(パルミチル
アミン)、n−オクタデシルアミン(ステアリルアミ
ン)、9−n−オクタデセニルアミン(オレイルアミ
ン)等の脂肪族第1級アミンやジ(n−ドデシル)アミ
ン等の脂肪族第2級アミン等が例示でき、また、これら
の混合物も使用可能である。また[2]成分の脂肪族ア
ミンのアルキレンオキシド付加物としては、具体的に
は、下記の一般式(7)で表される脂肪族第1級アミン
アルキレンオキシド付加物や下記の一般式(8)で表さ
れる脂肪族第2級アミンアルキレンオキシド付加物及び
これらの混合物等が例示できる。
それぞれ個別に、直鎖状又は分枝状の、炭素数12〜2
4、好ましくは炭素数16〜18のアルキル基又はアル
ケニル基を示している。R7、R10及びR11は、それぞ
れ個別に具体的には例えば、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、
イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル
基、テトラコシル基等のアルキル基(これらアルキル基
は直鎖状でも分枝状でも良い);ドデセニル基、トリデ
セニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキ
サデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、
ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ド
コセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のア
ルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状で
も良い)が例示できる。また、上記(7)式及び(8)
式中、R8、R9及びR12は、それぞれ個別に、直鎖状又
は分枝状の、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜3、
より好ましくは炭素数2のアルキレン基を示している。
R8、R9及びR12は、それぞれ個別に具体的には例え
ば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレ
ン基、ヘキシレン基等のアルキレン基(これらアルキレ
ン基は直鎖状でも分枝状でも良い)が例示できる。ま
た、上記(7)式中、a及びbは、それぞれ個別に0〜
10、好ましくは0〜5であり、かつ、a+b=1〜1
0、好ましくは1〜5である数を示し、(8)式中、c
は、1〜10、好ましくは1〜5である数を示してい
る。[2]成分の脂肪族アミンのアルキレンオキシド付
加物のうち好ましいものとしては、具体的には例えば、
n−ドデシルアミン(ラウリルアミン)、n−テトラデ
シルアミン(ミリスチルアミン)、n−ヘキサデシルア
ミン(パルミチルアミン)、n−オクタデシルアミン
(ステアリルアミン)、9−n−オクタデセニルアミン
(オレイルアミン)、イソステアリルアミン等の脂肪族
第1級アミンのエチレンオキシド付加物、プロピレンオ
キシド付加物、ブチレンオキシド付加物や、ジ(n−ド
デシル)アミン等の脂肪族第2級アミンのエチレンオキ
シド付加物、プロピレンオキシド付加物、ブチレンオキ
シド付加物が例示でき、また、これらの混合物も使用可
能である。また本発明の[2]成分として、上記に例示
したような脂肪族アミンと脂肪族アミンアルキレンオキ
シド付加物との混合物も使用できるのは言うまでもな
い。本発明の緩衝器用油圧作動油組成物において、
[2]成分の含有量は特に限定されず任意であるが、そ
の含有量の下限値は、組成物全量基準で好ましくは0.
01質量%、より好ましくは0.02質量%であり、一
方、その含有量の上限値は、好ましくは5.0質量%、
より好ましくは2.0質量%であるのが望ましい。
[2]成分の含有量が上記下限値未満の場合は、摩擦低
減効果や摩耗防止効果の向上効果に乏しい虞があり、一
方、[2]成分の含有量が上記上限値を超える場合は、
摩耗防止効果の向上効果に乏しい虞がある。
る[3]成分は、炭素数10〜24のアルキル基及び/
若しくはアルケニル基を有する酸性亜リン酸エステルで
ある。[3]成分としては、具体的には、下記の一般式
(9)で表される酸性亜リン酸ジエステルや一般式(1
0)で表される酸性亜リン酸モノエステル及びこれらの
混合物等が例示できる。
や上記(10)式で表される酸性亜リン酸モノエステル
は、前述したようにその互変異性体の形で表されること
もあるが、これらはそれぞれ、同じ化合物を示すもので
ある。上記(9)式及び(10)式中、R13、R14及び
R15は、それぞれ個別に、直鎖状又は分枝状の、炭素数
10〜24、好ましくは炭素数12〜20のアルキル基
又はアルケニル基を示している。R13、R14及びR15と
しては、具体的にはそれぞれ個別に、デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オ
クタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシ
ル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等の
アルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも
良い);デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、
トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル
基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセ
ニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニ
ル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル
基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも
分枝状でも良い)が例示できる。[3]成分のうち特に
好ましいものとしては、具体的には、ジ−n−デシルハ
イドロジェンホスファイト、ジ−n−ドデシルハイドロ
ジェンホスファイト(ジラウリルハイドロジェンホスフ
ァイト)、ジ−n−テトラデシルハイドロジェンホスフ
ァイト(ジミリスチルハイドロジェンホスファイト)、
ジ−n−ヘキサデシルハイドロジェンホスファイト(ジ
パルミチルハイドロジェンホスファイト)、ジ−n−オ
クタデシルハイドロジェンホスファイト(ジステアリル
ハイドロジェンホスファイト)、ジ−9−オクタデセニ
ルハイドロジェンホスファイト(ジオレイルハイドロジ
ェンホスファイト)、ジ−n−イコセニルハイドロジェ
ンホスファイト、ジイソステアリルハイドロジェンホス
ファイト等のジエステルや、n−ドデシルハイドロジェ
ンホスファイト(ラウリルハイドロジェンホスファイ
ト)、n−テトラデシルハイドロジェンホスファイト
(ミリスチルハイドロジェンホスファイト)、n−ヘキ
サデシルハイドロジェンホスファイト(パルミチルハイ
ドロジェンホスファイト)、n−オクタデシルハイドロ
ジェンホスファイト(ステアリルハイドロジェンホスフ
ァイト)、9−オクタデセニルハイドロジェンホスファ
イト(オレイルハイドロジェンホスファイト)、n−イ
コセニルハイドロジェンホスファイト、イソステアリル
ハイドロジェンホスファイト等のモノエステルが例示で
き、また、これらの混合物も使用可能である。本発明の
緩衝器用油圧作動油組成物において、[3]成分の含有
量は特に限定されず任意であるが、組成物全量基準で、
その含有量の下限値は、好ましくは0.01質量%、よ
り好ましくは0.02質量%であり、一方、その含有量
の上限値は、好ましくは2.0質量%、より好ましくは
1.0質量%であるのが望ましい。[3]成分の含有量
が上記下限値未満の場合は、[3]成分併用による摩擦
低減効果や摩耗防止効果の向上効果に乏しい虞があり、
一方、[3]成分の含有量が上記上限値を超える場合
は、低温時における貯蔵安定性に劣る虞がある。
[1]成分、[2]成分及び[3]成分をそれぞれ含有
されてなり、かつ、[1]成分と[2]成分とが[3]
成分の不存在下で接触しているものである。[1]成分
と[2]成分の接触温度は好ましくは10℃以上、さら
に好ましくは40℃以上で、好ましくは150℃以下、
さらに好ましくは100℃以下である。接触温度が10
℃に満たない場合には接触が十分になされず、150℃
を越える場合には成分[1]及び[2]の分解等の不都
合が生じるため好ましくない。また接触時間は特に制限
はないが、通常30分以上、好ましくは60分以上で、
3時間以下、好ましくは2時間以下であることが望まし
い。接触時間が30分に満たない場合には接触が充分に
為されず、また、接触を3時間を越えて行っても得られ
る油圧作動油組成物の性能はそれ以上向上しないので意
味がない。またここでいう接触は通常、撹拌によって行
うが、撹拌方法や、温度及び時間以外の撹拌条件は特に
限定されるものでなく、公知の潤滑油組成物製造の際に
行われる任意の撹拌方法、撹拌条件が適用可能である。
具体的に例えば、プロペラ撹拌機やハニカムミキサーな
どの撹拌機を用いる方法が好ましく用いられる。[3]
成分を含有させる条件については特に制限はなく、一般
的な潤滑油組成物に脂肪族アミンのアルキレンオキシド
付加物を含有させる任意の条件が適用可能である。
[3]成分の含有は通常、撹拌によって行うが、この際
の撹拌方法も任意であり、公知の潤滑油組成物製造の際
に行われる任意の撹拌方法が適用可能である。具体的に
例えば、プロペラ撹拌機やハミカムミキサーなどの撹拌
機を用いる方法が好ましく用いられる。本発明の緩衝器
用油圧作動油組成物を得る一つの方法としては、まず
[1]成分及び[2]成分を同時に又は別々に潤滑油基
油に添加し、次に上記条件、すなわち10〜150℃の
温度で接触させ、最後にこれに[3]成分を含有させる
方法を挙げることができる。また、本発明の緩衝器用油
圧作動油組成物を得る他の方法としては、まず[1]成
分及び[2]成分を上記条件、すなわち10〜150℃
の温度で接触させた後、このようにして得られた接触物
と[3]成分を混合し、得られた混合物を潤滑油基油に
添加する方法を挙げることができる。また、本発明の緩
衝器用油圧作動油組成物を得る他の方法としては、まず
[3]成分を潤滑油基油に添加し、次に[1]成分及び
[2]成分を上記条件、すなわち10〜150℃の温度
で接触させ、このようにして得られた接触物を潤滑油基
油に添加する方法を挙げることができる。また、これら
例示した方法において、[1]〜[3]成分は、それぞ
れ個別に、化合物そのままの形で用いてよく、また前述
したとおり、溶剤や潤滑油で希釈した形で用いてもよ
い。
油に対して[1][2][3]成分を含有させてなり、
かつ、[1]成分と[2]成分が[3]成分の不存在下
で接触してなることにより、優れた性能を有する緩衝器
用油圧作動油組成物を得ることができるが、その各種性
能をさらに高める目的で公知の潤滑油添加剤、具体的に
は例えば、摩耗防止剤、無灰清浄分散剤、金属系清浄
剤、酸化防止剤、錆止め剤、金属不活性化剤、粘度指数
向上剤、流動点降下剤、消泡剤等を、単独で、又は数種
類組み合わせた形で使用することができる。摩耗防止剤
としては、ジチオリン酸亜鉛、硫化油脂、サルファイ
ド、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩等を挙
げることができる。無灰清浄分散剤としては、コハク酸
イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、ベンジル
アミン等を挙げることができ、またホウ素含有無灰清浄
分散剤も使用できる。金属系清浄剤としては、アルカリ
土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネー
ト、アルカリ土類金属サリシレート、アルカリ土類金属
ホスフォネート等を挙げることができる。酸化防止剤と
しては、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−
ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2、6−ジ−
tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸
化防止剤のほか、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛系、フェノ
チアジン系等の酸化防止剤を挙げることができる。錆止
め剤としては、石油系及びジノニルナフタレン系スルフ
ォネート、エステル系錆止め剤等を挙げることができ
る。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール系化
合物、チアジアゾール系化合物等を挙げることができ
る。粘度指数向上剤、流動点降下剤としては、ポリメタ
クリレート、ポリイソブチレン、オレフィンコポリマー
等を挙げることができる。消泡剤としては、ジメチルシ
リコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等を
挙げることができる。これらの添加剤の含有量は特に限
定されず任意であるが、通常、組成物全量基準で、消泡
剤の含有量は0.0005〜0.1質量%、粘度指数向
上剤の含有量は1〜30質量%、金属不活性化剤の含有
量は0.005〜1質量%、その他の添加剤の含有量は
0.1〜15質量%である。
に自動車の懸架装置(ショックアブソーバー、アクティ
ブサスペンション、ステーダンパー、エンジンダンパー
等)に好適に使用されるものである。
りさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に
何ら限定されるものではない。
3)の緩衝器用油圧作動油組成物を調製した。この調製
は、いずれもまず[1]成分及び[2]成分を基油に添
加し、50℃で1時間、プロペラ撹拌機を用いて撹拌し
て接触を行い、その後、[3]成分を含有させて行っ
た。これら調製した各組成物に対して以下に示す実験室
貯蔵安定性試験及び実機耐久試験を実施し、低温時にお
ける貯蔵安定性、摩擦低減効果及び摩耗防止効果を評価
した。その結果を表1に併記した。また、比較のため、
表1に示すような同一の組成割合の比較例1〜3を次の
配合順序で調製した。 比較例1:[1]〜[3]成分を全て同時に添加する。 比較例2:[1]成分と[3]成分とを先に添加し、そ
の後に[3]成分を添加する。 比較例3:[2]成分と[3]成分とを先に添加し、そ
の後に[1]成分を添加する。 このように調製した組成物に対しても上記と同様の試験
を行い、その結果を表1に示した。
0mlを蓋付きスクリュー管に入れ、−5℃で1カ月貯
蔵した後、目視しより析出物の有無を調べた。 <実機耐久試験>市販のストラット型ショックアブソー
バーを用い、以下の試験条件で加振回数200万回の耐
久試験を行った。 試験油温:80℃ 試験油量:330ml 横荷重:200kgf 加振全振幅:50mm 加振速度:0.5m/s摩擦低減効果 上記の実機耐久試験において、加振回数0回時(耐久試
験初期)と加振回数200万回時(耐久試験終了時)に
おけるそれぞれのショックアブソーバーの摩擦面におけ
る摩擦係数を測定し、表1に示した。摩耗防止効果 上記の実機耐久試験において、耐久試験終了後にショッ
クアブソーバーを分解し、その摩擦面(シリンダー、ピ
ストンロド、ブッシュ、ピストンバンド、オイルシー
ル)の表面を目視で評価し、その結果を表1に示した。
なお摩耗防止効果の判定基準は0〜5(最良:5)の6
段階で表した。
本発明に係る緩衝器用油圧作動油組成物(実施例1〜
3)はいずれも低温貯蔵安定性が良好であり、耐久初期
における摩擦低減効果に優れているとともに、その経時
変化が少ないという優れた性能を有している。また耐久
終了後の摩擦面は摩耗が少なく、摩耗防止効果の面でも
本発明の緩衝器用油圧作動油組成物は優れていることが
わかる。これに対して、[1]成分と[2]成分との接
触が[3]成分の不存在下で行われていない比較例1〜
3の組成物は、いずれも低温貯蔵安定性に問題がある。
おける貯蔵安定性が良好であり、テフロン樹脂含浸ブッ
シュやピストンバンドの潤滑において優れた摩擦低減効
果や摩耗防止効果を発揮し、これら効果の維持性に優れ
ている緩衝器用油圧作動油組成物が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 潤滑油基油に対して、[1]炭素数3〜
8のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する酸性亜
リン酸エステル、[2]炭素数12〜24のアルキル基
及び/若しくはアルケニル基を有する脂肪族アミン又は
そのアルキレンオキシド付加物、[3]炭素数10〜2
4のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する酸性亜
リン酸エステル、をそれぞれ含有してなり、かつ上記
[1]成分と[2]成分とが上記[3]成分の不存在下
で接触していることを特徴とする緩衝器用油圧作動油組
成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35730099A JP4436507B2 (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 緩衝器用油圧作動油組成物 |
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JP4436507B2 JP4436507B2 (ja) | 2010-03-24 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006335963A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Nippon Oil Corp | 固体潤滑剤を含むフッ素系複合材料の潤滑方法及び当該材料用潤滑油組成物 |
-
1999
- 1999-12-16 JP JP35730099A patent/JP4436507B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2006335963A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Nippon Oil Corp | 固体潤滑剤を含むフッ素系複合材料の潤滑方法及び当該材料用潤滑油組成物 |
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