JP2001171229A - 水性インク用記録シート - Google Patents

水性インク用記録シート

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JP2001171229A
JP2001171229A JP37673899A JP37673899A JP2001171229A JP 2001171229 A JP2001171229 A JP 2001171229A JP 37673899 A JP37673899 A JP 37673899A JP 37673899 A JP37673899 A JP 37673899A JP 2001171229 A JP2001171229 A JP 2001171229A
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JP
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ink
meth
recording sheet
water
acrylate
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JP37673899A
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English (en)
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Tetsuya Shimizu
哲也 清水
Hiroyuki Fujita
博之 藤田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Kasei Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの吸収乾燥性及び画像品質に優れ、且つ
記録シート自体も記録部分も共に良好な耐水性を示す水
性インク用記録シートを提供する。 【解決手段】(A)第4級アンモニウム塩構造等を有す
る(メタ)アクリル系単量体を樹脂固形分に対し5〜1
5質量%、N−ビニルピロリドンを20〜40質量%含
む非水溶性のカチオン系合成樹脂、及び(B)エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂を、(A)/(B)成分の比
率が100/0.1〜100/1質量比で含有するイン
ク吸収層を設けた水性インク用記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性インク用の記録シー
トに関するもので、中でも特に紙、プラスチックフィル
ム、合成紙、金属シートなどを基材とした高画質のカラ
ー画像の得られるインクジェット印刷記録用シートに係
わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの普及
に伴い、低騒音で画像品位に優れたプリンターが求めら
れている。これらの要求を満たすプリンターの一つとし
てインクジェットプリンターが実用化されている。イン
クジェット印刷記録、特に多色カラー印刷記録において
は、通常、インク吸収性の良い特別なインク吸収層を設
けた記録シートが用いられている。
【0003】インクジェット印刷記録に用いられるイン
クの染料としては、安全性、耐光性、記録特性等の面か
ら水溶性染料、とりわけアニオン系の染料が主に使用さ
れている。そこで、記録シートのインク吸収層の形成に
インクとの親和性及びインク吸収性を高めるために、水
溶性のカチオン系合成樹脂を水溶性のポリビニルアルコ
ールやポリビニルピロリドンなどと組合わせた樹脂組成
物を塗布する方法(特許第2133897号)が提案さ
れたが、この方法はインクの乾燥性及び画像品質に優れ
るものの記録シート自体や記録部分の耐水性において、
必ずしも満足しうるものではなかった。
【0004】また、記録シートのインク吸収層に塩基性
ラテックスポリマーを含有させる方法(特開昭57−3
6692)も提案されているが、この方法も乳化重合時
に使用する界面活性剤の影響で耐水性を十分満足するも
のではなく、加えてラテックスの保存安定性が良くない
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明はこれら従来
技術の問題点を解決するもので、インクの吸収乾燥性及
び画像品質に優れるだけでなく、記録シート自体も記録
部分もともに良好な耐水性を示す記録シートを提供する
ことを目的としたものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】即ち、本発明は(A)
第4級アンモニウム塩構造等を有する(メタ)アクリル
系単量体を樹脂固形分に対し5〜15質量%、N−ビニ
ルピロリドンを20〜40質量%含む非水溶性のカチオ
ン系合成樹脂、及び(B)エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂を、(A)/(B)成分の比率が100/0.1
〜100/1質量比で含有するインク吸収層を設けた水
性インク用記録シートに関する。
【0007】本発明において、(A)成分のカチオン系
合成樹脂は、(a)第4級アンモニウム塩等の官能基を
有する(メタ)アクリル系単量体と、(b)N−ビニル
ピロリドン、(c)その他の共重合可能な少なくとも一
種のモノマーとから導かれる合成樹脂である。該樹脂の
構成成分である(a)成分の一般式は式(I)
【0008】
【化1】
【0009】〔式中、Rは水素原子又はメチル基、X
はO又はNH、R及びRは各々独立に炭素数1〜4
のアルキル基、Rは水素原子又は置換されていてもよ
い炭素数1〜4のアルキル基、nは2〜5の整数、Y
は塩を形成する陰イオンを表す〕で示されるものであ
る。式中のRは工業的入手の容易さからすると、水素
原子またはメチル基であるのが好ましい。また、Y
具体的にはハロゲンイオン(Cl、Br、I
ど)、CHOSO 、CSO 、HSO
、HPO 、CHCOO、HCOO、NO
などが例示される。
【0010】モノマー(a)の具体例としては、ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類またはジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類の無機
酸塩、有機酸塩および4級化剤による第4級アンモニウ
ム塩があげられる。ここで無機酸塩としては、塩酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などがあげられ、有機酸塩と
しては酢酸塩、蟻酸塩などがあげられる。また4級化剤
としては、塩化メチル、ジエチル硫酸、エピハロヒドリ
ン、ベンジルクロライドなどが挙げられる。
【0011】ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ
レート類としては、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルア
ミノブチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリ
レート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチ
ルアミノブチルアクリレート、ジ−n−プロピルアミノ
エチルアクリレート、ジ−n−プロピルアミノプロピル
アクリレート、ジ−n−プロピルアミノブチルアクリレ
ート、ジ−n−ブチルアミノエチルアクリレート、ジ−
n−ブチルアミノプロピルアクリレートジ−n−ブチル
アミノブチルアクリレート1,1−ジメチル−3−ジメ
チルアミノプロピルアクリレート、2−メチル−3−ジ
メチルアミノプロピルアクリレートなど、およびこれら
に対応するメタクリレート類を例示することができる。
【0012】またジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリルアミド類としては、ジメチルアミノエチルアクリ
ルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジ
メチルアミノブチルアクリルアミド、ジエチルアミノエ
チルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリル
アミド、ジエチルアミノブチルアクリルアミド、ジ−n
−プロピルアミノエチルアクリルアミド、ジ−n−プロ
ピルアミノプロピルアクリルアミド、ジ−n−プロピル
アミノブチルアクリルアミド、ジ−n−ブチルアミノエ
チルアクリルアミド、ジ−n−ブチルアミノプロピルア
クリルアミド、ジ−n−ブチルアミノブチルアクリルア
ミド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプ
ロピル)アクリルアミド、N−(2−メチル−3−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミドなど、およびこれ
らに対応するメタクリルアミド誘導体を例示することが
できる。
【0013】以上にあげたジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート類またはジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド類の無機酸塩、有機酸塩およ
び4級アンモニウム塩は、それぞれ単独で用いることも
できるし、また、2種以上を組合わせて用いることもで
きる。なお、本発明のカチオン系合成樹脂は、(a)成
分の前駆体であるジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート類、及び/又はジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミド類を(b)N−ビニルピロリド
ン、(c)その他の共重合可能な少なくとも一種のビニ
ルモノマーと共重合させた後、無機酸及び/又は有機酸
及び/又は4級化剤を用いて処理を行い、得られるもの
を包含する。
【0014】本発明で使用するN−ビニルピロリドン
(b)成分は、市販のものが利用可能である。
【0015】また、本発明で使用するその他の共重合可
能なモノマー(c)成分としては、スチレン、ビニルト
ルエンの如きスチレン系化合物類、エチレン、プロピレ
ンの如きオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンの
如きハロゲン化オレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルの如きビニルエステル類、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸エトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸とア
ルキル又はアラルキル又は官能基置換アルキルエステル
類、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミ
ド類、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
ビニルスルホン酸またはその塩、アクリロニトリルなど
のモノマーを例示することができる。
【0016】また、二個以上の重合性不飽和結合を有す
るビニルモノマーを使用することも可能である。多官能
ビニルモノマーの具体例としては、ブタジエン、イソプ
レンの如き脂肪族ジエン類、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
の如きポリ(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルマレエート、アリル(メタ)アクリレー
ト、トリアリルイソシアネート、トリアリルシアネー
ト、メチレンビスアクリルアミドなどをあげることがで
きる。
【0017】次に、本発明におけるカチオン系合成樹脂
の製法について説明する。カチオン系合成樹脂の構成成
分である(a)、(b)、(c)成分を従来公知の重合
法を用いて共重合させ、本発明のカチオン系合成樹脂を
得る。例えば、(a)、(b)、(c)成分を親水性な
いし水混和性溶媒中で公知の溶液重合法により、重合開
始剤を加え、窒素雰囲気下で攪拌加熱して共重合させて
本発明のカチオン系合成樹脂とすることができる。ま
た、合成後必要に応じて水またはその他の溶剤を加える
こともできる。
【0018】上記重合時に用いられる親水性ないし水混
和性溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、ジアセトンアルコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチ
ルカルビトール等のアルコール類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、セロソルブアセテート等のエステ
ル類が挙げられる。
【0019】重合開始剤としては、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、tert−
ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスイソジメチルバレロニトリ
ル、トリアゾベンゼン、フェニルアゾトリフェニルメタ
ン、1,1−アゾビスクメン等のアゾ化合物が単独で或
は併用して用いられる。重合開始剤の使用量は特に制限
されないが、モノマーの残存量及び開始剤残量をできる
だけ少なくするのが好ましいことから、モノマー全量に
対して、重合開始剤を0.05〜5質量%の範囲で使用
するのが望ましい。
【0020】重合温度は溶媒を用いる場合は、その溶媒
の沸点にもより異なるが10〜120℃、特に好ましく
は40〜90℃である。40℃より低い温度では、モノ
マーの重合率が低下する傾向にあり、好ましくない。ま
た、反応系にモノマーを導入する方法も特に制限される
ものでなく、例えば、その全量を最初に加えて重合を行
ってもよいし、分割滴下または連続滴下して重合を行っ
てもよい。
【0021】本発明において、カチオン系合成樹脂は、
(a)成分の割合を5〜15質量%、(b)成分の割合
を20〜40質量%に限定して、組合わせるビニルモノ
マー(c)成分を適切に選択することにより非水溶性と
なるようにする必要がある。カチオン系合成樹脂が水溶
性を示すと記録物の耐水性に劣り、本発明の効果を奏す
ることができない。
【0022】本発明において、カチオン系合成樹脂は、
(a)成分の割合を5〜15質量%の範囲内とする必要
がある。(a)成分が5質量%未満では画像の乾燥性及
び鮮明性に劣り、15質量%を上回る場合は耐水性が低
下する。また、(b)成分の割合を20〜40質量%と
する必要がある。(b)成分の割合が20質量%未満で
はインクの乾燥性に劣り、40質量%を上回る場合では
耐水性が低下する。
【0023】本発明における(B)成分のエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂は従来公知の如何なるものをも用
いることができ、さらに望ましくは前記カチオン系合成
樹脂との相溶性が良好なものが良い。例えば、かかるエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては日本合成化学
工業(株)製のソアレックスS E−830を挙げるこ
とができる。本発明において(A)/(B)成分の比率
は100/0.1〜100/1の範囲である。比率が1
00/1を上回ると塗膜に霞みを生じるため、透明なフ
ィルムが得られにくくなり、OHPフィルムなどの用途
に適さなくなる。また、比率が100/0.1を下回る
と(B)成分の配合の効果が実質的になくなり、本発明
の効果を奏することができない。
【0024】さらにカチオン系合成樹脂中にエポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオ
キザール、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、
オキサゾリン化合物、アルコキシシラン化合物などの従
来公知の架橋剤を配合してインク吸収層を硬化させるこ
とにより記録シートの耐水性を更に向上させることもで
きる。
【0025】上記以外にもインク吸収層の表面状態、性
能を改良するために、澱粉、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、カゼイン、スチレン/ブタ
ジエンラテックス、アクリルエマルション等の公知の水
系高分子や、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活
性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤等の界
面活性剤類、シリコーン樹脂類、湿潤剤類、電解質ポリ
マー類、クレー、炭酸カルシウム等のフィラー類、シリ
カゾル、アルミナゾル等のコロイドゾル類などの従来公
知の添加剤を加えることは何等支障はない。
【0026】本発明においては、目的とする紙、金属、
プラスチックなどのシートの表面及び/又は内部に
(A)成分のカチオン系合成樹脂、及び(B)成分のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなるインク吸収層
を設ける必要がある。インク吸収層は、エアーナイフコ
ート、ブレードコート、バーコート、グラビアコート、
カーテンコート、ロールコート、スプレーコート法など
によって基材シート表面及び/又は内部に塗工され、適
当な手段によって溶媒を揮散させることによって形成さ
れる。基材シートとしてはプラスチックフィルム、合成
紙、サイズ度、透気度、平滑度などを調節した紙、バリ
ヤーコーティング層を樹脂塗工あるいは熱可塑性樹脂の
押出しコーティングなどにより設けた加工紙、樹脂含浸
紙、金属シートなどを使用することができる。これらの
基材シートにはインク吸収層の基材への接着性を上げる
ために場合により基材にアンカーコートを施してもよ
い。
【0027】本発明の水性インク用記録シートは、水性
インクを用いるインクジェット印刷記録用としてだけで
なく、水性インクで描画する版下作成に用いられる製図
フィルム用や、水性ボールペン、水性インクフェルトペ
ンなどを用いるX−Yプロッターフィルム用、OHPシ
ート用としても使用することができる。
【0028】本発明におけるインクジェット印刷記録方
法及び各種特性の評価方法について説明する。
【0029】インクジェット印刷記録方法 富士通(株)製パーソナルコンピューターFMV−51
33DPSの情報出力機として、エプソン(株)製イン
クジェットプリンターPM−750Cを用いて、推奨設
定モード、専用OHPシートの条件下で所定の色パター
ン(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色とこ
れらの合成色)及び文字パターン(フォントサイズ:2
〜8ポイント)を25±2℃、60%RHの条件下でイ
ンクジェット印刷記録し、インク乾燥性、画像品質(滲
み、濃度斑)及び記録物の耐水性の評価に供した。
【0030】インク乾燥性の評価方法 インク乾燥性はプリンターでの印刷記録直後と印刷記録
後15秒において記録部分を指で1回こすってインクに
よる記録物表面の汚れ度合いにより以下の基準により5
段階評価した。 5:非常に良好(記録直後において記録層が全く汚れな
い) 4:良好(記録直後において記録層の汚れが1mm以
内) 3:やや良好(記録後15秒において記録層の汚れが1
mm以内) 2:やや劣る(記録後15秒において記録層の汚れが5
mm以内) 1:不良(記録後15秒においても記録層の汚れが5m
m以上ある)
【0031】滲みの評価方法 以下の基準により肉眼観察にて5段階評価を行った。 5:非常に良好(全く滲みなし) 4:良好(ドット数個が境界に存在) 3:やや良好(境界においてドットにより波状形成) 2:やや劣る(滲み0.5mm以内) 1:不良(滲み0.5mm以上)
【0032】濃度斑の評価方法 以下の基準により肉眼観察にて5段階評価を行った。 5:非常に良好(全く斑がなく、ドットが均一で鮮明) 4:良好(斑なし) 3:やや良好(ドットの形跡あり、斑による模様あり) 2:やや劣る(ドットの形跡なし) 1:不良(ドットの形跡がなく潰れており、インク単色
の記録層でも斑あり)
【0033】印刷記録物の耐水性評価方法 グリーン(イエロー+シアン)のベタ印刷記録部分の表
面に水を1滴落とし、1分後に綿棒で軽くこすって以下
の規準により評価した。 5:非常に良好(記録層の溶解、インクの脱色なし) 4:良好(記録層の溶解はないが、水滴跡が残存) 3:やや良好(記録層の溶解はないが、インクの脱色あ
り) 2:やや劣る(破片状に記録層が剥がれる) 1:不良(記録層が簡単に溶解する)
【0034】塗工フィルムの耐水性評価方法 印刷記録していない塗工フィルム表面に水を1滴落と
し、1分後に綿棒で軽くこすって評価した。 ○:良好(水に溶解しない) △:やや良好(溶解はしないが、膨潤状態) ×:不良(水に溶解する)
【0035】記録シートの透明性 印刷記録していない塗工フィルム表面を目視で評価し
た。 ○:透明 △:霞みあり ×:不透明
【0036】印刷記録物のブロッキング 印刷記録1日後に印刷記録物の写真部分に紙をあて、軽
くこすって以下の基準により評価した。 ○:良好(紙の付着なし) △:やや良好(紙の付着僅かにあり) ×:不良(紙の付着あり)
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるも
のではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部
は、特に断らない限り質量基準である。
【0038】合成例1 還流冷却器、温度計、及び攪拌機を備えたフラスコ内に
イソプロパノール100部を仕込み、80℃に昇温した
後、反応系内を窒素で置換した。次にN,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミドの塩化メチル4級塩を1
0部、メチルメタクリレート43.6部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート5.5部、4−ヒドロキシブチ
ルアクリレート10.9部、N−ビニル−2−ピロリド
ン30部、ネオペンチルグリコールジアクリレート0.
3部、イソプロパノール40部及び2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル0.1部を2時間かけて一定速度で
反応系に供給して反応させ、そのあと1時間保温した
後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを更に0.
2部追加添加して反応を進めた。2時間保温後、水65
部で希釈を行い重合を終了した。得られたカチオン系合
成樹脂溶液は無色透明の均一な溶液であった。
【0039】合成例2 合成例1において、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドの塩化メチル4級塩を5部、メチルメタク
リレート43.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート5.5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1
0.9部、N−ビニル−2−ピロリドン35部、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート0.3部用いた以外は
同様にして重合を行い、合成例2を得た。
【0040】合成例3 合成例1において、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドの塩化メチル4級塩を15部、メチルメタ
クリレート43.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート5.5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1
0.9部、N−ビニル−2−ピロリドン25部、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート0.3部用いた以外は
同様にして重合を行い、合成例3を得た。
【0041】比較合成例1 共重合成分として、メチルメタクリレート43.6部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.5部、4−ヒ
ドロキシブチルアクリレート10.9部、N−ビニル−
2−ピロリドン30部、ネオペンチルグリコールジアク
リレート0.3部用いた以外は合成例1と同様にして重
合を行い、比較合成例1を得た。
【0042】比較合成例2 共重合成分として、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドの塩化メチル4級塩を30部、メチルメタ
クリレート56部、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト14部用いた以外は同様にして重合を行い、比較合成
例2を得た。
【0043】比較合成例3 共重合成分として、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミドの塩化メチル4級塩を10部、メチルメタ
クリレート30.1部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト2.4部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5
部、N−ビニル−2−ピロリドンを50部用いた以外は
合成例1と同様にして重合を行い、比較合成例3を得
た。
【0044】次に上述の樹脂を用いた実施例及び比較例
について説明する。
【0045】実施例1〜5、比較例1〜5 合成例及び比較合成例のカチオン系合成樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂(日本合成化学工業(株)製
ソアレックスSE−830)を表1記載のように配合
し、更にイオン交換水で固形分20%になるように希釈
して塗工用組成物を作製した。ポリエステルフィルム
(デュポン社製メリネックス705、厚さ100ミクロ
ン)を使用し、バーコーターまたはアプリケーターを用
いて膜厚が10ミクロンになるように塗工し、130℃
で3分間乾燥させて記録シートを得た。上記の方法でイ
ンクジェット印刷記録を行い、インク乾燥性、画像品質
及び記録物の耐水性の評価を行った。また、記録シート
自体の耐水性の評価を併せて行った。その結果を表2に
まとめた。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】本発明による実施例1〜5のものは、イン
クの乾燥性が良く、画像鮮明性(滲み、濃度斑)と記録
部分の耐水性が両立する。また記録シートの耐水性、透
明性、及び記録部のブロッキングにおいても優れた性能
を示す。一方、比較例1〜5については、画像鮮明性と
記録部分の耐水性との両立ができず、または塗膜性能
(塗膜の透明性、塗膜の耐水性、記録部分のブロッキン
グ)に不具合を生じるため、満足する性能を得ることが
できなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の記録シートはインク乾燥性が良
好で、画像鮮明性(滲み、濃度斑)と記録部分の耐水性
を両立させることができ、非常に優れたものである。ま
た、記録シートの耐水性、透明性にも優れ、カラー及び
モノクロインクジェットプリンター用記録シートやオー
バーヘッドプロジェクター用シート等に適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)第4級アンモニウム塩構造等を有す
    る(メタ)アクリル系単量体を樹脂固形分に対し5〜1
    5質量%、N−ビニルピロリドンを20〜40質量%含
    む非水溶性のカチオン系合成樹脂、及び(B)エチレン
    −酢酸ビニル共重合体樹脂を、(A)/(B)成分の比
    率が100/0.1〜100/1質量比で含有するイン
    ク吸収層を設けた水性インク用記録シート。
  2. 【請求項2】記録シートが、インクジェット印刷記録用
    シートであることを特徴とする請求項1に記載の水性イ
    ンク用記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013180157A1 (ja) 2012-05-30 2013-12-05 花王株式会社 乳化化粧料組成物

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