JP2001170646A - 電気式脱イオン水製造装置の通水方法 - Google Patents

電気式脱イオン水製造装置の通水方法

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JP2001170646A
JP2001170646A JP35416499A JP35416499A JP2001170646A JP 2001170646 A JP2001170646 A JP 2001170646A JP 35416499 A JP35416499 A JP 35416499A JP 35416499 A JP35416499 A JP 35416499A JP 2001170646 A JP2001170646 A JP 2001170646A
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deionized water
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Tomoji Asakawa
友二 浅川
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    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前段の逆浸透膜装置において、アルカリを添
加することなく、シリカや炭酸などの弱酸性成分を効率
的に除去すると共に、長期間に亘って、安定して高度な
脱イオン水を得ることができる電気式脱イオン水製造装
置の通水方法を提供すること。 【解決手段】 陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニ
オン交換膜を交互に配し、両膜の間に実質的にアニオン
交換体のみが充填された脱塩室と濃縮室を交互に形成し
た電気式脱イオン水製造装置の通水方法であって、脱塩
室の空塔速度が150以下となるように被処理水を通水
する電気式脱イオン水製造装置の通水方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカや炭酸など
の弱酸性成分の除去効率に優れる電気式脱イオン水製造
装置の通水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、脱イオン水を製造するには、イオ
ン交換樹脂が利用されている。このイオン交換樹脂は、
通常薬剤による再生を必要とする。このため、該イオン
交換樹脂を利用した脱イオンと電気透析作用を組合せ、
薬剤による再生が不要で、高度な脱イオン水を得る電気
式脱イオン水製造装置が知られている。
【0003】電気式脱イオン水製造装置は、例えば、基
本的にはカチオン交換膜とアニオン交換膜で形成される
隙間に、イオン交換樹脂としてアニオン交換樹脂とカチ
オン交換樹脂の混合イオン交換樹脂を充填して脱塩室と
し、当該イオン交換層に被処理水を通過させるととも
に、前記両イオン交換膜を介して処理水の流れに対して
直角方向に直流電流を作用させて、両イオン交換膜の外
側に流れている濃縮水中に被処理水中イオンを電気的に
排除しながら脱イオン水を製造するものである。
【0004】電気式脱イオン水製造装置では、当該装置
の脱塩室に被処理水を通水すると、被処理水中の不純物
イオンは脱塩室内のイオン交換樹脂に吸着されて高度に
脱塩された純水が製造される。一方、脱塩室内のイオン
交換樹脂には不純物イオンが吸着されるが、このイオン
交換樹脂は直流電流を通電することにより、連続的に再
生される。すなわち、直流電流を通電すると、脱塩室内
部では電気分解反応により水が解離してH+ イオンとO
- イオンが生成し、これが樹脂を再生する酸、アルカ
リの再生剤として作用する。このように電気式脱イオン
水製造装置では、被処理水中の不純物イオンが脱塩室内
のイオン交換樹脂に吸着除去されると共に、電気により
イオン交換樹脂の再生が連続的に行われるため、上記の
如く、薬剤による再生は不要である。
【0005】従来より、電気式脱イオン水製造装置の脱
塩室の電気抵抗はその脱塩室内に充填されている樹脂の
種類により異なり、更に同一樹脂であっても樹脂に吸着
しているイオンの種類が異なると電気抵抗が異なること
も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリカ
や炭酸を高濃度で含有する被処理水、例えば逆浸透膜装
置の透過水を電気式脱イオン水製造装置で通水処理する
場合、電気式脱イオン水製造装置の脱塩室内に充填され
るイオン交換体は、従来の仕上げ脱塩用カートリッジポ
リッシャと同じにするという理由から、Na+ 、K+
どのカチオン及びCl- 、SO4 2-などのアニオンが多
く含まれる被処理水を処理する場合と同様、依然として
アニオン交換体とカチオン交換体を混合した混合イオン
交換体が使用されていた。この場合、シリカや炭酸を高
濃度で含有する被処理水を電気式脱イオン水製造装置に
通水すると該装置の脱塩室の電気抵抗が高くなり、且つ
イオン交換膜に局所的電流の流れが起き、効率的な脱塩
は行われなかった。特に、弱酸性物質の除去性能は悪
く、例えば、電気式脱イオン水製造装置に供給される被
処理水のシリカ濃度が高い場合、イオン交換体に吸着さ
れるシリカが脱着されるシリカよりも多くなるためにシ
リカがイオン交換樹脂に徐々に蓄積していくこととな
る。脱塩室内のイオン交換樹脂にシリカが多量に吸着す
ると、その脱塩室の電気抵抗が極めて高くなり、結果的
に電流値が低下するため、更にシリカが除去され難くな
るという悪循環が発生する。このような現象により、電
流値が低下すると当該電気式脱イオン水製造装置の脱塩
率が低下し、処理水の水質が悪化してしまうという問題
があった。
【0007】また、従来より、シリカや炭酸などの弱酸
性成分を多く含む原水の脱塩方法として、電気式脱イオ
ン水製造装置の前段に逆浸透膜装置、通常は2段の逆浸
透膜装置を設け、更に被処理水に苛性ソーダなどのアル
カリを添加していた。このアルカリの添加は被処理水中
の炭酸をイオン化し、後段の電気式脱イオン水製造装置
で除去するために行われ、また、2段の逆浸透膜装置と
することでアルカリの除去効率を高めていた。しかし、
この方法においては、アルカリである薬剤の供給手段の
設置や薬剤の管理等が必要であり、製造コストを押し上
げると共に、管理等が面倒であった。
【0008】従って、本発明の目的は、前段の逆浸透膜
装置において、アルカリを添加することなく、シリカや
炭酸などの弱酸性成分を効率的に除去すると共に、長期
間に亘って、安定して高度な脱イオン水を得ることがで
きる電気式脱イオン水製造装置の通水方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、電気式脱イオン水製
造装置の脱塩室に実質的にアニオン交換体のみを充填
し、被処理水を通水する場合、特にシリカや炭酸などの
弱酸性成分を多く含む被処理水を空塔速度が150以下
となるように脱塩室に通水すれば、シリカや炭酸などの
弱酸性成分の除去率が格段に優れると共に、長期間に亘
って、安定して高度な脱イオン水を得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明(1)は、陽極と陰極の
間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両
膜の間に実質的にアニオン交換体のみが充填された脱塩
室と濃縮室を交互に形成した電気式脱イオン水製造装置
の通水方法であって、脱塩室の空塔速度が150以下と
なるように被処理水を通水することを特徴とする電気式
脱イオン水製造装置の通水方法を提供するものである。
かかる構成を採ることにより、例えば、逆浸透膜装置の
透過水など、シリカや炭酸などの弱酸性成分を多く含む
被処理水中の当該弱酸性成分を極めて効率的に除去でき
る。また、炭酸成分はイオン化しなくとも該電気式脱イ
オン水製造装置において除去できるため、従来、炭酸成
分のイオン化を目的として添加されていたアルカリの使
用は省略できる。
【0011】また、本発明(2)は、陽極と陰極の間に
カチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両膜の
間にイオン交換体が充填された脱塩室と濃縮室を交互に
形成し、前記脱塩室はアニオン交換体のみが充填された
単床である電気式脱イオン水製造装置か、又はアニオン
交換体のみが充填された層を全イオン交換体充填層の2
/3以上とする複床である電気式脱イオン水製造装置の
通水方法であって、脱塩室の前記アニオン交換体のみが
充填された層の空塔速度が150以下となるように被処
理水を通水することを特徴とする電気式脱イオン水製造
装置の通水方法を提供するものである。かかる構成を採
ることにより、単床又は複床の電気式脱イオン水製造装
置においても、前記発明(1)と同様の効果を奏する。
【0012】また、本発明(3)は、前記被処理水のp
Hが、4.0〜6.5の弱酸性であることを特徴とする
前記(1)又は(2)記載の電気式脱イオン水製造装置
の通水方法を提供するものである。かかる構成を採るこ
とにより、被処理水が被処理水中のシリカと炭酸の合計
量が当量換算で全カチオン量より多い場合、本発明の効
果が特に顕著に発現できる。
【0013】また、本発明(4)は、前記被処理水が、
逆浸透膜装置の透過水であることを特徴とする前記
(1)〜(3)記載の電気式脱イオン水製造装置の通水
方法を提供するものである。かかる構成を採ることによ
り、前記発明と同様の効果を奏する他、前段の逆浸透膜
装置でカチオン成分を除去し、後段の電気式脱イオン水
製造装置でアニオンを除去できるため、それぞれの装置
の特徴を生かした通水が可能となり、装置の簡素化が図
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用される電気式
脱イオン水製造装置(以下、「EDI」とも言う)は、
陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交
互に配し、両膜の間に実質的にアニオン交換体のみが充
填された脱塩室と濃縮室を交互に形成したものであり、
このEDI装置の脱塩室に空塔速度150以上で被処理
水を通過させるとともに、前記両イオン交換膜を介して
被処理水の流れに対して直角方向に直流電流を作用させ
て、両イオン交換膜の外側に流れている濃縮水中に被処
理水中の主に、シリカや炭酸などの弱酸性成分を電気的
に排除しながら処理水(以下、脱イオン水ともいう)を
得るものである。
【0015】ここで、実質的にアニオン交換体のみと
は、カチオン交換体を少量含んでいてもよい意味であ
り、具体的には、アニオン交換体とカチオン交換体の合
計量に対し、アニオン交換体の配合体積比率が80%以
上、好ましくは90%以上、特に好ましくはアニオン交
換体100%のものである。アニオン交換体の配合体積
比率が80%未満ではシリカや炭酸の除去が充分に行え
ない。
【0016】実質的にアニオン交換体のみが充填された
脱塩室は、単床、混床又は複床のいずれであってもよ
い。単床の場合、アニオン交換体のみが充填されるのが
好ましい。混床の場合、実質的にアニオン交換体のみが
充填され、上記の如く、アニオン交換体とカチオン交換
体の合計量に対し、アニオン交換体の配合体積比率が8
0%以上、好ましくは90%以上、特にアニオン交換体
100%である。また、複床の場合、上流側にアニオン
交換体のみが充填された層とし、下流側にカチオン交換
体のみが充填された層又はアニオン交換体とカチオン交
換体の混合イオン交換体が充填された層とするのが好ま
しい。この複床の場合、アニオン交換体のみが充填され
た層は全イオン交換体充填層の2/3以上、好ましくは
5/6以上の割合で占めるのがよい。アニオン交換体の
みが充填された層が全イオン交換体充填層の2/3未満
では、アニオン交換体以外のイオン交換体層に流れる電
流がシリカや炭酸などの弱酸性成分の除去に利用でき
ず、電気式脱イオン水製造装置におけるアニオン成分の
除去効率が悪くなる点で好ましくない。ここで「アニオ
ン交換体のみ」とはアニオン交換体以外の成分をコンタ
ミ程度に含有することは許容する意味である。
【0017】電気式脱イオン水製造装置の具体例として
は、スパイラル型、同心円型及び平板積層型のものが挙
げられる。スパイラル型電気式脱イオン水製造装置は、
例えば、中心電極周りに陽イオン交換膜と陰イオン交換
膜を螺旋断面が形成されるように巻回し、脱塩室と濃縮
室をその螺旋巻に沿って包囲し、この巻回された膜の外
側に電極を配置した構成のものが例示される(例えば、
特開平6−7645号公報)。同心円型電気式脱イオン
水製造装置は、例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換
膜を支持させた径の異なる複数の筒状の枠体を同心円状
に配置し、外側の枠体の外周囲と内側の枠体の内周囲に
それぞれ電極を配置し、前記枠体間に形成される空間を
交互に脱塩室と濃縮室とに区画すると共に、最も外側に
位置する区画及び最も内側に位置する区画を濃縮室と
し、脱塩室にはイオン交換体を充填した構成のものが例
示される(例えば、特開平9−285790号公報)。
平板積層型電気式脱イオン水製造装置は、最も汎用され
る型であり、例えば、平板状の脱塩室、濃縮室、陽イオ
ン交換膜及び陰イオン交換膜を並列に並べて複数配置
し、その両端に陽極室と陰極室を配置した構成のものが
例示される。
【0018】平板積層型電気式脱イオン水製造装置を図
1を参照して説明する。図1は当該電気式脱イオン水製
造装置の模式断面図を示すものであり、カチオン交換膜
21及びアニオン交換膜22を離間して交互に配置し、
カチオン交換膜21とアニオン交換膜22で形成される
空間内に一つおきにアニオン交換体23を充填し、脱塩
室24とする。なお、当該脱塩室24のそれぞれの隣に
位置するアニオン交換膜22とカチオン交換膜21で形
成されるアニオン交換体を充填していない部分は後述す
るように濃縮水を流すべき濃縮室25とする。
【0019】また、カチオン交換膜21とアニオン交換
膜22とその内部に充填するアニオン交換体23とで脱
イオンモジュール26を形成する。該脱イオンモジュー
ル26の複数個をその間に図では省略するスペーサーを
挟んで、並設した状態が図1に示されたものであり、並
設した脱イオンモジュール26の一端側に陰極27を配
設するとともに、他端側に陽極28を配設する。なお、
前述したスペーサーを挟んだ位置が濃縮室25であり、
また、両端の濃縮室25の両外側に必要に応じカチオン
交換膜、アニオン交換膜又はイオン交換性のない単なる
隔膜等の仕切り膜29を配設し、当該仕切り膜29で仕
切られた両電極27及び28が接触する部分をそれぞれ
陰極室30及び陽極室31とする。
【0020】電気式脱イオン水製造装置2で使用される
アニオン交換体23、又は微量含まれていてもよいカチ
オン交換体としては、イオン交換樹脂、イオン交換繊維
及びグラフト重合した交換体等のイオン交換基を有する
ものであれば特に制限されず、これらのいずれを採るか
は差圧、要求水質、取扱性等により適宜決定される。ま
た、アニオン交換体が充填されたセルの厚さ、高さ及び
幅の寸法としては、特に制限されず、差圧、電圧及びコ
スト等の要因により適宜決定される。また、カチオン交
換膜21やアニオン交換膜22は均質膜が好ましいが、
例えば、イオン交換体を粉砕し、バインダーで固めた不
均質膜であってもよい。
【0021】本発明において、被処理水としては、特に
制限されないが、例えば、シリカや炭酸などの弱酸性成
分を多く含む水が挙げられる。具体的には、被処理水中
のシリカと炭酸の合計量が当量換算で全カチオン量より
多いもの、あるいは、被処理水中の炭酸の量が当量換算
で全カチオン量より多いものである。これらの被処理水
は、通常、1段又は2段逆浸透膜装置の透過水であり、
pHが4.0〜6.5の弱酸性水である。逆浸透膜装置
の透過水を電気式脱イオン水製造装置の被処理水とする
ことで、原水中のカチオン成分は前段の逆浸透膜装置で
除去し、アニオン成分は後段の電気式脱イオン水製造装
置で除去できるため、各々の装置の特徴を生かした通水
が可能となり、装置の簡素化が図れる。また、全カチオ
ンのカチオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カ
ルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン
等が挙げられる。
【0022】EDI装置の前段に設置される逆浸透膜装
置は、通常、原水中に存在する全イオンの粗取りをする
ため及びマグネシウムやカルシウムの硬度成分が後段の
EDI装置の濃縮室側のイオン交換膜に析出することを
防止するために設置されるが、本発明においては、原水
中に存在する硬度成分以外のカチオン成分も積極的に除
去することが好ましい。従って、逆浸透膜装置として
は、特に制限されないが、カチオン荷電された膜を備え
る逆浸透膜装置を使用することが、カチオン成分除去率
が高まる点で好ましい。また、逆浸透膜としては、ポリ
アミド系、酢酸セルロース系等が挙げられる。
【0023】本発明のEDIの通水方法は、脱塩室の空
塔速度が150以下(空塔接触時間24秒以上)、好ま
しくは120以下(空塔接触時間30秒以上)となるよ
うに被処理水を通水するものである。また、複床を有す
る脱塩室の場合、アニオン交換体のみが充填された層の
空塔速度が150以下、好ましくは120以下とするの
がよい。脱塩室の空塔速度を上記範囲とすることによ
り、被処理水中のシリカや炭酸などの弱酸性成分の除去
率が格段に高まる。
【0024】次に、例えば、逆浸透膜装置の透過水を電
気式脱イオン水製造装置2に通水して脱イオン水を製造
するには、以下のように操作される。すなわち、陰極2
7と陽極28間に直流電流を通じ、また、被処理水流入
口Aから透過水を流入するとともに、電極水流入口C及
びDからそれぞれ電極水を流入する。被処理水流入口A
から流入した透過水は脱塩室の空塔速度が150以下
(空塔接触時間24秒以上)で実線で示した矢印の如く
各脱塩室24を流下し、アニオン交換体23の充填層を
通過する際に逆浸透膜装置で除去し難いシリカや炭酸な
どの弱酸性成分及びその他のアニオン成分及びカチオン
成分が除かれ、処理水が脱イオン水流出口aから得られ
る。また、濃縮水流入口Bから流入した濃縮水は点線の
矢印で示したように各濃縮室25を流下し、両イオン交
換膜を介して移動してくる不純物イオンを受け取り、不
純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出口bから
流出され、さらに電極水流入口C及びDから流入した電
極水は電極水流出口c及びdから流出される。上記の操
作によって、透過水の不純物イオンは電気的に除去さ
れ、純水(処理水)を得ることができる。
【0025】電気式脱イオン水製造装置2において、脱
塩室24に通水される透過水及び濃縮室25を流通する
濃縮水の流れ方向としては、図1で示すような互いに同
一方向(並流)のものに制限されず、互いに逆方向とな
る向流であってもよい。また、濃縮水は濃縮水貯槽を設
置又は不設置の循環使用としても又は一過性の流通使用
としてもよい。更に、濃縮水はこれを逆浸透膜装置の前
段部分に戻せば、水の回収率が向上すると共に、濃縮水
は酸性であるので逆浸透膜面上のスケール析出を防止で
きる。
【0026】この脱塩室24では、従来のカチオン交換
体とアニオン交換体が体積比で1:1前後で充填されて
いた混合イオン交換体(以下、「CA混合体」ともい
う。)に比して、単なるアニオン交換体を2倍した効果
以上の飛躍的なシリカや炭酸などの弱酸性成分の除去が
可能となる。これは、アニオン交換体の場合、CA混合
体に比して、同一の電流量を印加しても脱塩に寄与する
電流の割合が多いからと考えられる。CA混合体におい
ては、水の電気分解によりカチオン交換体とアニオン交
換体の接点でH+ 、OH- イオンが発生し、これがイオ
ン交換体の再生を行っている。しかし、このH+ 、OH
- イオンはその近傍で発生する別のH+ 、OH- イオン
と再結合して水に戻る場合が考えられ、無用な消費が行
われていた。すなわち、CA混合体では、炭酸イオンの
除去を行うためにカチオン交換体よりもアニオン交換体
の負荷が高くなり高度なアニオン成分の除去が実現でき
ていないばかりか、脱塩に利用されていないイオン交換
体が存在していた。一方、実質的にアニオン交換体のみ
とした場合、アニオン交換体とカチオン交換膜の接点で
発生したOH- イオンがほぼ100%アニオン交換体の
再生に用いられることとなり、従来のCA混合体に対
し、単純にアニオン交換体を2倍にした以上の効果が得
られる。また、実質的にアニオン交換体のみとしている
にもかかわらず、カチオン成分も除去される。これはカ
チオン交換体は充填されていないものの、カチオン交換
膜の近傍でカチオン成分の除去が行われるためである。
【0027】また、濃縮室に移動してくるイオン成分は
アニオン成分の割合が圧倒的に高いため、濃縮室内にお
いてはpHは酸性側にシフトする。これは、従来のCA
混合体が充填された電気式脱イオン水製造装置の濃縮室
内のpHが中性付近であることとは異なる。このように
濃縮液のpHが酸性の場合、水素イオンの電気抵抗が非
常に小さいため中性付近の液と比較して電気抵抗が低下
する、いわゆる酸導電率の効果により、電気式脱イオン
水製造装置は低抵抗となり装置全体の消費電力を低減で
きる。また、濃縮室内に移動するカチオン成分は少な
く、且つ濃縮室内のpHが酸性側にあるため、濃縮室側
のアニオン交換膜にはスケールの析出はほとんど起こら
ない。
【0028】上記実施の形態例の電気式脱イオン水製造
装置の通水方法によれば、原水を逆浸透膜装置及び脱塩
室には実質的にアニオン交換体のみが充填された電気式
脱イオン水製造装置をこの順序で通水させるため、逆浸
透膜装置の透過水中に多く含まれるシリカや炭酸などの
弱酸性成分を後段の電気式脱イオン水製造装置で効率的
に除去できる。また、弱酸性成分以外のカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウム
イオン、塩化物イオン、硫酸イオン等の強電解質等の不
純物イオンも除去でき、高品質の純水を得ることができ
る。従って、本発明で使用する電気式脱イオン水製造装
置は半導体製造分野、電力分野、医薬製薬分野等で好適
に使用でき、本発明の通水方法によれば、長期間に亘り
高品質の純水を低コストで安定して供給することが可能
となる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0030】実施例1〜2、比較例1〜3 図1に示した構造の電気式脱イオン水製造装置を用い
て、原水を下記の運転条件及び上記の操作方法により処
理した。なお、脱塩室の大きさ及びアニオン交換樹脂量
及び空塔接触時間を表1に示す。評価は処理水の炭酸濃
度を測定することにより行った。結果を表1に示す。
【0031】<電気式脱イオン水製造装置> ・脱塩室に充填されるイオン交換樹脂;強塩基性アニオ
ン交換樹脂(IRA402BL)100% ・脱塩室の通水流量;19.2リットル/ 時間 ・電流;0.2A <被処理水> ・純水に炭酸を溶解した水 ・炭酸濃度(無機炭酸濃度);3.6mg/L ・pH;4.93
【0032】
【表1】
【0033】比較例4 被処理水として実施例の原水と比べてカチオン成分の多
い以下の性状を示す水を使用した以外は、比較例3と同
様の方法で行った。結果は処理水中の炭酸濃度は150
0μg/L であった。 <被処理水> ・純水にNa2 CO3 を溶解した水 ・炭酸濃度(無機炭酸濃度);3.6mg/L ・pH;10.25
【0034】表1及び比較例4の結果から、被処理水が
アニオン成分(炭酸)を多く含むpHが約5.0の水
で、且つ空塔接触時間30秒(空塔速度120)、60
秒(空塔速度60)の条件で通水した場合、空塔接触時
間が15秒以下と短い比較例1〜3の条件に比して、炭
酸除去率が格段の相違で高いことが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明(1)によれば、例えば、逆浸透
膜装置の透過水など、シリカや炭酸などの弱酸性成分を
多く含む被処理水中の当該弱酸性成分を極めて効率的に
除去できる。また、炭酸成分はイオン化しなくとも該電
気式脱イオン水製造装置において除去できるため、従
来、炭酸成分のイオン化を目的として添加されていたア
ルカリの使用は省略できる。
【0036】また、本発明(2)によれば、単床又は複
床の電気式脱イオン水製造装置においても、前記発明
(1)と同様の効果を奏する。また、本発明(3)によ
れば、被処理水が被処理水中のシリカと炭酸の合計量が
当量換算で全カチオン量より多い場合、本発明の効果が
特に顕著に発揮される。また、本発明(4)によれば、
前段の逆浸透膜装置でカチオン成分を除去し、後段の電
気式脱イオン水製造装置でアニオンを除去できるため、
それぞれの装置の特徴を生かした通水が可能となり、装
置の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する電気式脱イオン水製造装置を
模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
2 電気式脱イオン水製造装置 24 脱塩室 25 濃縮室 21 カチオン交換膜 22 アニオン交換膜 26 脱イオンモジュール 23 アニオン交換体 27、28 電極 29 仕切り膜 30 陰極室 31 陽極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA17 KE02Q MA13 MA14 MB07 MC18 MC54 PB02 PB23 PB25 PB27 PC01 PC31 PC42 4D061 DA01 DB13 EA09 EA11 EB12 EB13 EB22 EB37 EB39 GA20 GC02 GC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニ
    オン交換膜を交互に配し、両膜の間に実質的にアニオン
    交換体のみが充填された脱塩室と濃縮室を交互に形成し
    た電気式脱イオン水製造装置の通水方法であって、脱塩
    室の空塔速度が150以下となるように被処理水を通水
    することを特徴とする電気式脱イオン水製造装置の通水
    方法。
  2. 【請求項2】 陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニ
    オン交換膜を交互に配し、両膜の間にイオン交換体が充
    填された脱塩室と濃縮室を交互に形成し、前記脱塩室は
    アニオン交換体のみが充填された単床である電気式脱イ
    オン水製造装置か、又はアニオン交換体のみが充填され
    た層を全イオン交換体充填層の2/3以上とする複床で
    ある電気式脱イオン水製造装置の通水方法であって、脱
    塩室の前記アニオン交換体のみが充填された層の空塔速
    度が150以下となるように被処理水を通水することを
    特徴とする電気式脱イオン水製造装置の通水方法。
  3. 【請求項3】 前記被処理水のpHが、4.0〜6.5
    の弱酸性であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    電気式脱イオン水製造装置の通水方法。
  4. 【請求項4】 前記被処理水が、逆浸透膜装置の透過水
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
    載の電気式脱イオン水製造装置の通水方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003326267A (ja) * 2002-05-09 2003-11-18 Kurita Water Ind Ltd 電気脱イオン装置の運転方法
JP2014087750A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 電気透析装置及び電気透析方法
KR101447863B1 (ko) * 2012-08-23 2014-10-07 삼성중공업 주식회사 연료전지 시스템

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