JP2001170401A - 蒸留装置 - Google Patents

蒸留装置

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JP2001170401A
JP2001170401A JP35456299A JP35456299A JP2001170401A JP 2001170401 A JP2001170401 A JP 2001170401A JP 35456299 A JP35456299 A JP 35456299A JP 35456299 A JP35456299 A JP 35456299A JP 2001170401 A JP2001170401 A JP 2001170401A
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静男 緑
Katsunori Tamura
勝典 田村
Yoichi Harada
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸留プロセスを簡素化することができ、原液を
連続的に蒸留することができるようにする。 【解決手段】仕込み釜部34と、加熱部と、塔頂に留出
液排出部及び還流液受入部が、塔底に缶出液排出部及び
蒸気受入部が、塔サイドにフィードノズル41及び給排
ノズル42が形成され、塔本体内が中仕切りによって仕
切られた結合型蒸留部と、フィードノズル41に接続さ
れるラインL11と給排ノズル42に接続されるライン
L13との間を選択的に連通させる連通手段とを有す
る。原液Mを仕込み釜部34に供給することにより、バ
ッチ式蒸留装置として、原液Mをフィードノズル41を
介して結合型蒸留部に供給することにより、連続式蒸留
装置として、原液Mをフィードノズル41及び給排ノズ
ル42を介して結合型蒸留部に供給することにより、多
目的連続式蒸留装置として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸留装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の成分を含有する原液を蒸留
して各成分を分離させ、所定の成分を製品として回収す
るために各種の蒸留装置が提供されている。
【0003】例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液
において、成分Aが成分Bより、該成分Bが成分Cより
沸点が低い場合、次のような蒸留装置によって原液が蒸
留され、各成分A〜Cが分離させられる。
【0004】図2は従来の第1の蒸留装置の概念図であ
る。
【0005】図において、101は蒸留塔であり、該蒸
留塔101は、仕込み釜部102、該仕込み釜部102
から立ち上げて形成され、図示されない充填(てん)物
エレメントによって形成された濃縮部103、及び前記
仕込み釜部102から突出させて形成されたリボイラ1
04を備える。
【0006】そして、例えば、三つの成分A〜Cを含有
する原液Mを蒸留する場合、前記蒸留塔101に原液M
を供給し、リボイラ104によって仕込み釜部102内
の液体を加熱すると、蒸気が濃縮部103内を上方に移
動することによって分留が行われ、蒸気出口105を介
して成分Aに富んだ蒸気が排出されて凝縮器106に送
られ、該凝縮器106において凝縮させられて成分Aに
富んだ液体になり、該成分Aに富んだ液体は留出液(第
1留分)として排出される。
【0007】次に、リボイラ104によって前記液体を
更に加熱すると、蒸気出口105を介して成分A、Bに
富んだ蒸気が排出されて凝縮器106に送られ、該凝縮
器106において凝縮させられて成分A、Bに富んだ液
体になり、該成分A、Bに富んだ液体は留出液(第2留
分)として排出される。
【0008】続いて、リボイラ104によって前記液体
を更に加熱すると、蒸気出口105を介して成分Bに富
んだ蒸気が排出されて凝縮器106に送られ、該凝縮器
106において凝縮させられて成分Bに富んだ液体にな
り、該成分Bに富んだ液体は留出液(第3留分)として
排出される。
【0009】さらに、リボイラ104によって前記液体
を更に加熱すると、蒸気出口105を介して成分B、C
に富んだ蒸気が排出されて凝縮器106に送られ、該凝
縮器106において凝縮させられて成分B、Cに富んだ
液体になり、該成分B、Cに富んだ液体は留出液(第4
留分)として排出される。このとき、仕込み釜部102
内には成分Cに富んだ液体が残り、成分Cに富んだ液体
は残渣(さ)として排出される。
【0010】前記第1の蒸留装置(バッチ式蒸留装置)
においては、1個の蒸留塔101で原液Mを蒸留するこ
とができるので、第1の蒸留装置を小型化することがで
きるとともに、コストを低くすることができる。また、
原液Mに多数の成分が含まれる場合でも、蒸留プロセス
が複雑にならず、しかも、原液M、成分A〜C等の種類
によって蒸留プロセスが拘束されない。
【0011】図3は従来の第2の蒸留装置の概念図であ
る。
【0012】図において、201は第1の蒸留塔、20
2は第2の蒸留塔、203、205は蒸発器、204、
206は凝縮器である。前記第1の蒸留塔201は、塔
頂から塔底に向けて第1セクション211〜第5セクシ
ョン215から成り、そのうち、第2セクション212
及び第4セクション214は図示されない充填物エレメ
ントによって形成され、それぞれ濃縮部及び回収部を構
成する。また、前記第2の蒸留塔202は、塔頂から塔
底に向けて第1セクション216〜第5セクション22
0から成り、そのうち、第2セクション217及び第4
セクション219は前記充填物エレメントによって形成
され、それぞれ濃縮部及び回収部を構成する。
【0013】そして、例えば、三つの成分A〜Cを含有
する原液Mが第1の蒸留塔201の第3セクション21
3に供給されると、成分Aに富んだ蒸気が第1の蒸留塔
201の塔頂から排出されて凝縮器204に送られ、該
凝縮器204において凝縮されて成分Aに富んだ液体に
なり、該成分Aに富んだ液体は留出液として排出され
る。また、該留出液の一部が還流液として第1の蒸留塔
201内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外
部に排出される。
【0014】一方、成分B、Cに富んだ液体は第1の蒸
留塔201の塔底から缶出液として排出される。そし
て、該缶出液の一部は、蒸発器203に送られ、該蒸発
器203において加熱されて成分B、Cに富んだ蒸気に
なり、該成分B、Cに富んだ蒸気は第1の蒸留塔201
に循環させられ、前記缶出液の残りは第2の蒸留塔20
2の第3セクション218に供給される。
【0015】前記缶出液が第3セクション218に供給
されると、成分Bに富んだ蒸気が第2の蒸留塔202の
塔頂から排出されて凝縮器206に送られ、該凝縮器2
06において凝縮されて成分Bに富んだ液体になり、該
成分Bに富んだ液体は留出液として排出される。そし
て、該留出液の一部が還流液として第2の蒸留塔202
内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外部に排
出される。
【0016】一方、成分Cに富んだ液体は第2の蒸留塔
202の塔底から缶出液として排出される。そして、該
缶出液の一部は、蒸発器205に送られ、該蒸発器20
5において加熱されて成分Cに富んだ蒸気になり、該成
分Cに富んだ蒸気は第2の蒸留塔202に循環させら
れ、前記缶出液の残りは外部に排出される。
【0017】前記第2の蒸留装置(連続式蒸留装置)に
おいては、回収部を備えているので、消費エネルギーを
少なくすることができ、製品の回収率を高くすることが
できるだけでなく、各成分A〜Cの分離性能及び製品の
純度を高くすることができる。そして、原液Mを、連続
的に第3セクション213に供給して蒸留することがで
きるので、第2の蒸留装置の稼働率及び処理能力を高く
することができる。
【0018】図4は従来の第3の蒸留装置の概念図であ
る。なお、従来の第2の蒸留装置と同じ構造を有するも
のについては、同じ符号を付与することによってその説
明を省略する。
【0019】図において、301〜303は原液タン
ク、L1〜L6はラインである。
【0020】第1の蒸留プロセスでは、第1の工程にお
いて、例えば、五つの成分A〜Eを含有する原液M1を
原液タンク301から第3セクション213に供給する
と、成分Aに富んだ液体がラインL1に、成分B〜Eに
富んだ液体がラインL2に、成分Bに富んだ液体がライ
ンL3に、成分C〜Eに富んだ液体がラインL4に排出
される。このとき、成分C〜Eに富んだ液体を中間原液
M2として原液タンク303に回収する。
【0021】続いて、第2の工程において、前記中間原
液M2を原液タンク303から第3セクション213に
供給すると、成分Cに富んだ液体がラインL1に、成分
D、Eに富んだ液体がラインL2に、成分Dに富んだ液
体がラインL3に、成分Eに富んだ液体がラインL4に
排出される。
【0022】第2の蒸留プロセスでは、第1の工程にお
いて、例えば、五つの成分A〜Eを含有する原液M1を
原液タンク301から第3セクション213に供給する
と、成分A〜Cに富んだ液体がラインL1に、成分D、
Eに富んだ液体がラインL2に、成分Dに富んだ液体が
ラインL3に、成分Eに富んだ液体がラインL4に排出
される。このとき、成分A〜Cに富んだ液体を中間原液
M3として原液タンク302に回収する。
【0023】続いて、第2の工程において、前記中間原
液M3を原液タンク302から第3セクション213に
供給すると、成分Aに富んだ液体がラインL1に、成分
B、Cに富んだ液体がラインL2に、成分Bに富んだ液
体がラインL3に、成分Cに富んだ液体がラインL4に
排出される。
【0024】前記第3の蒸留装置(多目的連続式蒸留装
置)においては、回収部を備えているので、消費エネル
ギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くする
ことができるだけでなく、各成分A〜Eの分離性能及び
製品の純度を高くすることができる。
【0025】そして、原液M1を、連続的に第3セクシ
ョン213に供給して蒸留することができるので、第3
の蒸留装置の稼働率及び処理能力を高くすることができ
る。
【0026】また、原液M1に多数の成分が含まれる場
合でも、蒸留プロセスが複雑にならず、しかも、原液M
1、成分A〜E等の種類によって蒸留プロセスが拘束さ
れない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の第1〜第3の蒸留装置においては、第1の蒸留装置
の場合、回収部を備えていないので、消費エネルギーが
多くなり、製品の回収率が低くなるだけでなく、各成分
A〜Cの分離性能及び製品の純度が低くなってしまう。
しかも、原液Mを、連続的に濃縮部103に供給して蒸
留することができず、仕込み釜部102に供給された分
だけを蒸留するようになっているので、第1の蒸留装置
の稼働率及び処理能力が低くなってしまう。
【0028】また、第2の蒸留装置の場合、第1、第2
の蒸留塔201、202が必要になるので、第2の蒸留
装置が大型化してしまう。そして、蒸発器203、20
5及び凝縮器204、206、図示されないポンプ、計
装品等がそれぞれ2系列分必要になるので、蒸留装置の
占有面積が大きくなるだけでなく、コストが高くなって
しまう。
【0029】また、原液Mに多数の成分が含まれる場
合、蒸留プロセスが複雑になり、しかも、原液M、成分
等の種類によって蒸留プロセスが拘束され、蒸留するこ
とが不可能な場合がある。さらに、第2の蒸留装置の構
造が複雑であるので、第2の蒸留装置のコストが高くな
ってしまう。
【0030】また、第3の蒸留装置の場合、第2の蒸留
装置と同様に、第1、第2の蒸留塔201、202が必
要になるので、第3の蒸留装置が大型化してしまう。そ
して、蒸発器203、205及び凝縮器204、20
6、図示されないポンプ、計装品等がそれぞれ2系列分
必要になるだけでなく、原液タンク301〜303が必
要になるので、第3の蒸留装置の占有面積が大きくなる
だけでなく、コストが高くなってしまう。
【0031】本発明は、前記従来の第1〜第3の蒸留装
置の問題点を解決して、原液に多数の成分が含まれる場
合に、蒸留プロセスを簡素化し、かつ、原液、成分等の
種類によって蒸留プロセスが拘束されないようにするこ
とができ、原液に多数の成分が含まれない場合に、原液
を連続的に蒸留することができ、稼働率及び処理能力を
高くすることができ、消費エネルギーを少なくすること
ができ、製品の回収率を高くすることができ、かつ、各
成分の分離性能及び製品の純度を高くすることができる
とともに、小型化することができ、コストを低くするこ
とができる蒸留装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の蒸
留装置においては、液体を蓄える仕込み釜部と、前記液
体を加熱して蒸気を発生させる加熱部と、塔頂に留出液
排出部及び還流液受入部が、塔底に缶出液排出部及び蒸
気受入部が、塔サイドにフィードノズル及び給排ノズル
が形成され、塔本体内が中仕切りによって仕切られて前
記フィードノズル側に第1室が、給排ノズル側に第2室
が形成された結合型蒸留部と、前記フィードノズルに接
続されるラインと給排ノズルに接続されるラインとの間
を選択的に連通させる連通手段とを有する。
【0033】本発明の他の蒸留装置においては、さら
に、原液は前記仕込み釜部に供給される。
【0034】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、原液は前記フィードノズルを介して結合型蒸留部
に供給される。
【0035】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、原液は前記フィードノズル及び給排ノズルを介し
て結合型蒸留部に供給される。
【0036】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、原液は、第1段階で前記仕込み釜部に供給され、
第2段階で前記フィードノズルを介して結合型蒸留部に
供給される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0038】図1は本発明の実施の形態における蒸留装
置の概念図、図5は本発明の実施の形態における結合型
蒸留塔の概念図である。この場合、原液Mとして、沸点
の低い順に成分A〜C又は成分A〜Eを含有する混合物
が使用される。
【0039】図において、10は結合型蒸留部としての
結合型蒸留塔、31は仕込み釜・リボイラユニット、3
2はガスクーラ、33は真空発生装置である。
【0040】前記結合型蒸留塔10は、第1セクション
11、第2セクション12、第3セクション13、第4
セクション14、第5セクション15、第6セクション
16、第7セクション17、第8セクション18及び第
9セクション19から成る。
【0041】そして、前記結合型蒸留塔10の塔本体
は、前記第4セクション14、第5セクション15及び
第6セクション16において、平板状の中仕切り22に
よって第1室14A〜16Aと第2室14B〜16Bと
に区分され、第1室14A〜16Aと第2室14B〜1
6Bとは互いに隣接させられる。本実施の形態におい
て、前記中仕切り22は塔本体の中央に配設されるが、
偏心させて配設することもできる。また、前記第1室1
4A〜16Aによって第1の蒸留部25が、前記第1セ
クション11、第2セクション12、第3セクション1
3及び第2室14B、15Bによって第2の蒸留部26
が、前記第2室15B、16B、第7セクション17、
第8セクション18及び第9セクション19によって第
3の蒸留部27がそれぞれ形成される。
【0042】なお、前記中仕切り22を断熱材によって
形成したり、中仕切り22の内部を真空にしたりして、
中仕切り22を断熱構造にすることもできる。この場
合、第1室14Aと第2室14Bとの間、第1室15A
と第2室15Bとの間、及び第1室16Aと第2室16
Bとの間の熱伝達をそれぞれ少なくすることができるの
で、蒸留の効率を高くすることができる。
【0043】前記結合型蒸留塔10の塔サイドに、前記
第1室15Aに臨ませて原液受入部としてのフィードノ
ズル41が、第2室15Bに臨ませて給排ノズル42が
それぞれ形成される。本実施の形態において、フィード
ノズル41は第1室15Aに、給排ノズル42は第2室
15Bに臨ませて形成されるが、フィードノズル41を
第1室14A〜16A側の任意の箇所に、給排ノズル4
2を第2室14B〜16B側の任意の箇所に形成するこ
ともできる。
【0044】また、結合型蒸留塔10の塔頂において、
第1セクション11内に凝縮器81が配設されるととも
に、前記第1セクション11に臨ませて留出液排出部と
しての留出液出口43、及び還流液受入部としての還流
液入口44がそれぞれ形成される。本実施の形態におい
ては、前記第1セクション11内に凝縮器81が配設さ
れるようになっているが、塔本体外に凝縮器を配設する
こともできる。その場合、留出液出口43に代えて蒸気
出口が形成され、塔頂から蒸気が排出され、凝縮器によ
って凝縮させられて留出液になる。
【0045】そして、結合型蒸留塔10の塔底におい
て、前記第9セクション19に臨ませて、かつ、仕込み
釜・リボイラユニット31に接続させて、缶出液排出部
としての缶出液出口45、及び蒸気受入部としての蒸気
入口46がそれぞれ形成される。
【0046】また、前記第1の蒸留部25内には、前記
フィードノズル41より上方に、第1室14Aによって
領域AR1が、フィードノズル41より下方に、第1室
16Aによって領域AR2がそれぞれ形成される。そし
て、前記第2の蒸留部26内には、第1の蒸留部25の
上端より上方に、第2セクション12によって領域AR
3が、前記第1の蒸留部25の上端より下方に、前記領
域AR1と隣接させて、第2室14Bによって領域AR
4がそれぞれ形成される。さらに、前記第3の蒸留部2
7内には、前記第1の蒸留部25の下端より上方に、前
記領域AR2と隣接させて、第2室16Bによって領域
AR5が、前記第1の蒸留部25の下端より下方に、第
8セクション18によって領域AR6がそれぞれ形成さ
れる。このようにして、第1の蒸留部25の上端が第2
の蒸留部26の高さ方向におけるほぼ中央に、第1の蒸
留部25の下端が第3の蒸留部27の高さ方向における
ほぼ中央にそれぞれ接続される。本実施の形態において
は、第1の蒸留部25に二つの領域AR1、AR2が、
第2の蒸留部26に二つの領域AR3、AR4が、第3
の蒸留部27に二つの領域AR5、AR6が形成される
ようになっているが、第1〜第3の蒸留部25〜27
に、それぞれ任意の数の領域を形成することもできる。
【0047】そして、第1セクション11に、コレクタ
51及びチューブラ型のディストリビュータ52が配設
され、前記コレクタ51によって集められた液体は留出
液として留出液出口43を介して排出される。また、還
流液入口44を介してディストリビュータ52に供給さ
れた還流液は、ディストリビュータ52によって第2セ
クション12に分配される。さらに、前記第3セクショ
ン13に、コレクタ53及びチューブラ型のディストリ
ビュータ54、55が配設され、前記コレクタ53によ
って集められた液体は、ディストリビュータ54、55
によって、所定の分配比率で第1室14Aと第2室14
Bとに分配される。
【0048】また、前記第1室15Aにおけるフィード
ノズル41の直上にはコレクタ61が、直下にはチュー
ブラ型のディストリビュータ63が配設され、前記コレ
クタ61によって集められた液体は、前記フィードノズ
ル41を介して供給された原液Mと共に、ディストリビ
ュータ63によって第1室16Aに供給される。
【0049】一方、前記第2室15Bにおける給排ノズ
ル42の直上にはコレクタ62が、直下にはチューブラ
型のディストリビュータ64が配設され、前記コレクタ
62によって集められた液体は、サイドカット液として
前記給排ノズル42を介して排出されるとともに、ディ
ストリビュータ64によって第2室16Bに供給され
る。
【0050】また、前記原液Mを第2室15Bに給排ノ
ズル42を介して供給する場合、前記コレクタ62によ
って集められた液体は、前記給排ノズル42を介して供
給された原液Mと共に、ディストリビュータ64によっ
て第2室16Bに供給される。
【0051】さらに、第7セクション17に、コレクタ
65及びチューブラ型のディストリビュータ66が配設
され、第6セクション16から下方に移動してきた液体
は、前記コレクタ65によって集められた後、ディスト
リビュータ66によって前記第8セクション18に供給
される。
【0052】なお、前記第1セクション11に臨ませ
て、冷却水を凝縮器81に供給するための冷却水入口4
7、冷却水を凝縮器81から排出するための冷却水出口
48、及び前記第1セクション11内のガスを排出する
ためのガス出口49が形成される。
【0053】また、前記仕込み釜・リボイラユニット3
1は、液体を蓄える仕込み釜部34、及び該仕込み釜部
34から上方に突出させて形成され、前記液体を加熱し
て蒸気を発生させる加熱部としてのリボイラ35を備
え、前記仕込み釜部34の上端に、缶出液出口45を介
して排出された缶出液を受ける缶出液入口36、及び仕
込み釜部34内において発生させられた蒸気を排出する
蒸気出口37が、仕込み釜部34の下端に、仕込み釜部
34内の循環液を排出する循環液出口38が、前記リボ
イラ35の上端に循環液を受ける循環液入口39が形成
される。そして、前記リボイラ35には、図示されない
加熱源において循環液を加熱するために発生させられた
加熱媒体としての熱源蒸気Sを受ける蒸気入口71、及
びドレーンを排出するドレーン出口72が形成される。
【0054】本実施の形態においては、結合型蒸留塔1
0と仕込み釜・リボイラユニット31とは別体に形成さ
れているが、結合型蒸留塔10と仕込み釜・リボイラユ
ニット31とを一体に形成することもできる。また、仕
込み釜・リボイラユニット31において、仕込み釜部3
4とリボイラ35とが一体に形成されているが、仕込み
釜部34とリボイラ35とを別体に形成することもでき
る。その場合、結合型蒸留塔10と仕込み釜部34とを
一体に形成することもできる。
【0055】そして、L11は図示されない原液タンク
とフィードノズル41とを接続するラインであり、該ラ
インL11に、原液Mの流量を検出する流量センサf
1、流量制御弁V1及び切換弁K1が配設され、前記流
量制御弁V1は、流量センサf1のセンサ出力に基づい
て原液Mの流量を制御する。L12は留出液出口43と
図示されない留出液供給先とを接続するラインであり、
該ラインL12に、第1のポンプとしての還流ポンプP
1、留出液の流量を検出する流量センサf2及び流量制
御弁V2が配設され、該流量制御弁V2は、流量センサ
f2、及びコレクタ51に配設されたレベルセンサh1
のセンサ出力に基づいて留出液の流量を制御する。
【0056】また、L13は給排ノズル42と図示され
ないサイドカット液供給先とを接続するラインであり、
該ラインL13に、切換弁K2、第2のポンプとしての
サイドカット液ポンプP2、サイドカット液の流量を検
出する流量センサf3及び流量制御弁V3が配設され、
該流量制御弁V3は、流量センサf3、及びコレクタ6
2に配設されたレベルセンサh2のセンサ出力に基づい
てサイドカット液の流量を制御する。L14は、ライン
L12における還流ポンプP1と流量センサf2との間
で分岐し、還流液入口44に接続されるラインであり、
該ラインL14に、還流液の流量を検出する流量センサ
f4及び流量制御弁V4が配設され、該流量制御弁V4
は、流量センサf4のセンサ出力に基づいて還流液の流
量を制御する。
【0057】また、L15は缶出液出口45と缶出液入
口36とを接続するライン、L16は蒸気出口37と蒸
気入口46とを接続するライン、L17は循環液出口3
8と循環液入口39とを接続するラインであり、該ライ
ンL17に、第3のポンプとしての循環ポンプP3及び
流量センサf5が配設される。L18は、ラインL17
における循環ポンプP3と流量センサf5との間で分岐
し、図示されない缶出液供給先に接続されるラインであ
り、該ラインL18に、缶出液の流量を検出する流量セ
ンサf6及び流量制御弁V6が配設され、該流量制御弁
V6は、流量センサf6のセンサ出力に基づいて缶出液
の流量を制御する。
【0058】また、L21は、ラインL11における流
量制御弁V1と切換弁K1との間で分岐し、ラインL1
3における給排ノズル42と切換弁K2との間に接続さ
れるラインであり、該ラインL21に切換弁K3が配設
される。前記ラインL21及び切換弁K3によって、ラ
インL11、L13間を選択的に連通させる連通手段が
構成される。L22はガス出口49と図示されないガス
排気部とを接続し、ガスを排出するためのラインであ
り、該ラインL22に、ガスクーラ32及び真空発生装
置33が配設される。L23は該真空発生装置33をバ
イパスするラインであり、該ラインL23に開閉弁V7
が配設され、該開閉弁V7は、第1セクション11内の
圧力を検出するために配設された圧力センサg1のセン
サ出力に基づいて開閉される。
【0059】また、L24は、ラインL11における流
量制御弁V1と切換弁K1との間で、しかも、前記ライ
ンL21が分岐する分岐点より上流側で分岐し、仕込み
釜部34に接続されるラインであり、該ラインL24に
開閉弁V8が配設され、該開閉弁V8は、タイマτによ
って計時された時間に基づいて開閉される。L25は前
記加熱源と蒸気入口71とを接続するラインであり、該
ラインL25に流量センサf9及び流量制御弁V9が配
設され、該流量制御弁V9は、流量センサf9のセンサ
出力に基づいて熱源蒸気Sの流量を制御する。
【0060】そして、t1は第1セクション11内の温
度を検出する温度センサ、t2はコレクタ53内の液体
の温度を検出する温度センサ、t3はコレクタ61内の
液体の温度を検出する温度センサ、t4はコレクタ62
内の液体の温度を検出する温度センサ、t5はコレクタ
65内の液体の温度を検出する温度センサ、t6は第9
セクション19内の温度を検出する温度センサ、t7は
仕込み釜部34から排出される循環液の温度を検出する
温度センサ、h3は仕込み釜部34内の液体のレベルセ
ンサである。
【0061】なお、蒸留装置の全体の制御を行うため
に、図示されない制御装置が配設される。
【0062】前記構成の蒸留装置において、操作者は運
転モードを手動又は自動で切り替えることができる。運
転モードを手動で切り替える場合、操作者は切換弁K1
〜K3の切換え、開閉弁V8の開閉、並びに還流ポンプ
P1、サイドカット液ポンプP2及び循環ポンプP3の
駆動を手動で行う。また、運転モードを自動で切り替え
る場合、操作者が図示されない操作部を操作すると、制
御装置のモード切換処理手段は、切換弁K1〜K3の切
換え、開閉弁V8の開閉、並びに還流ポンプP1、サイ
ドカット液ポンプP2及び循環ポンプP3の駆動を自動
で行う。
【0063】次に、第1の運転モードについて説明す
る。
【0064】図6は本発明の実施の形態における第1の
運転モードにおける蒸留プロセスを示す図である。
【0065】第1の運転モードにおいて、前記蒸留装置
はバッチ式蒸留装置として使用される。そのために、切
換弁K1〜K3がいずれも閉鎖され、フィードノズル4
1及び給排ノズル42はいずれも使用されない。そし
て、原液Mの蒸気が蒸気入口46を介して結合型蒸留塔
10に供給され、留出液が留出液出口43を介して排出
され、還流液が還流液入口44を介して結合型蒸留塔1
0に還流される。
【0066】例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液
Mを蒸留する場合、原液MをラインL11、L24を介
して仕込み釜部34に供給し、仕込み釜部34内の液体
を循環液として循環液出口38及びラインL17を介し
て循環させ、リボイラ35において熱源蒸気Sによって
加熱する。このとき発生する蒸気を、蒸気出口37及び
ラインL16を介して結合型蒸留塔10に供給すると、
前記蒸気が結合型蒸留塔10内を上方に移動することに
よって分留が行われ、凝縮器81において冷却水によっ
て凝縮させられて成分Aに富んだ液体になり、該成分A
に富んだ液体は留出液として留出液出口43を介してラ
インL12に排出される。
【0067】次に、リボイラ35において前記液体を更
に加熱すると、蒸気は凝縮器81において凝縮させられ
て成分Bに富んだ液体になり、該成分Bに富んだ液体は
留出液として留出液出口43を介してラインL12に排
出される。このとき、仕込み釜部34内に、成分Cに富
んだ液体及び残渣が残り、成分Cに富んだ液体及び残渣
は缶出液として循環液出口38を介してラインL17、
L18に排出される。
【0068】また、例えば、五つの成分A〜Eを含有す
る原液Mを蒸留する場合、第1の蒸留プロセスにおいて
は、原液MをラインL11、L24を介して仕込み釜部
34に供給し、仕込み釜部34内の液体を循環液として
循環液出口38及びラインL17を介して循環させ、リ
ボイラ35において加熱する。このとき発生する蒸気
を、蒸気出口37、ラインL16及び蒸気入口46を介
して結合型蒸留塔10に供給すると、前記蒸気は凝縮器
81において凝縮させられて成分Aに富んだ液体にな
り、該成分Aに富んだ液体は留出液として留出液出口4
3を介してラインL12に排出される。
【0069】次に、リボイラ35において前記液体を更
に加熱すると、順次、成分Bに富んだ液体、成分Cに富
んだ液体、及び成分Dに富んだ液体が留出液として留出
液出口43を介してラインL12に排出される。このと
き、仕込み釜部34内に、成分Eに富んだ液体及び残渣
が残り、成分Eに富んだ液体及び残渣は缶出液として循
環液出口38を介してラインL17、L18に排出され
る。
【0070】そして、例えば、五つの成分A〜Eを含有
する原液Mを蒸留する場合、第2の蒸留プロセスにおい
ては、原液MをラインL11、L24を介して仕込み釜
部34に供給し、仕込み釜部34内の液体を循環液とし
て循環液出口38及びラインL17を介して循環させ、
リボイラ35において加熱する。このとき発生する蒸気
を、蒸気出口37、ラインL16及び蒸気入口46を介
して結合型蒸留塔10に供給すると、前記蒸気が結合型
蒸留塔10内を上方に移動することによって分留が行わ
れ、凝縮器81において凝縮させられて成分A、Bに富
んだ液体になり、該成分A、Bに富んだ液体は第1の中
間原液として留出液出口43を介してラインL12に排
出される。
【0071】次に、リボイラ35において前記液体を更
に加熱すると、蒸気は凝縮器81において凝縮させられ
て成分C、Dに富んだ液体になり、該成分C、Dに富ん
だ液体は第2の中間原液として留出液出口43を介して
ラインL12に排出される。このとき、仕込み釜部34
内に、成分Eに富んだ液体及び残渣が残り、成分Eに富
んだ液体及び残渣は缶出液として循環液出口38を介し
てラインL17、L18に排出される。
【0072】続いて、前記第1の中間原液をラインL1
1、L24を介して仕込み釜部34に供給し、仕込み釜
部34内の液体を循環液として循環液出口38及びライ
ンL17を介して循環させ、リボイラ35において加熱
する。このとき発生する蒸気を、蒸気出口37、ライン
L16及び蒸気入口46を介して結合型蒸留塔10に供
給すると、前記蒸気は凝縮器81において凝縮させられ
て成分Aに富んだ液体になり、該成分Aに富んだ液体は
留出液として留出液出口43を介してラインL12に排
出される。
【0073】次に、リボイラ35において前記液体を更
に加熱すると、蒸気は凝縮器81において凝縮させられ
て成分Bに富んだ液体になり、該成分Bに富んだ液体は
留出液として留出液出口43を介してラインL12に排
出される。
【0074】また、第2の中間原液をラインL11、L
24を介して仕込み釜部34に供給し、仕込み釜部34
内の液体を循環液として循環液出口38及びラインL1
7を介して循環させ、リボイラ35において加熱する。
このとき発生する蒸気を、蒸気出口37、ラインL16
及び蒸気入口46を介して結合型蒸留塔10に供給する
と、前記蒸気は凝縮器81において凝縮させられて成分
Cに富んだ液体になり、該成分Cに富んだ液体は留出液
として留出液出口43を介してラインL12に排出され
る。
【0075】次に、リボイラ35において前記液体を更
に加熱すると、蒸気は凝縮器81において凝縮させられ
て成分Dに富んだ液体になり、該成分Dに富んだ液体は
留出液として留出液出口43を介してラインL12に排
出される。
【0076】このように、第1の運転モードにおいて
は、結合型蒸留塔10の第1〜第3の蒸留部25(図
5)〜27を一つの蒸留部として使用し、従来の蒸留塔
101(図2)と同様に機能させ、原液Mを蒸留するこ
とができるので、原液Mに多数の成分が含まれる場合で
も、蒸留プロセスを簡素化することができ、しかも、原
液M、成分A〜E等の種類によって蒸留プロセスが拘束
されない。
【0077】次に、第2の運転モードについて説明す
る。
【0078】図7は本発明の実施の形態における第2の
運転モードにおける蒸留プロセスを示す図である。
【0079】第2の運転モードにおいて、前記蒸留装置
は連続式蒸留装置として使用される。そのために、切換
弁K1、K2が開放され、切換弁K3が閉鎖され、フィ
ードノズル41及び給排ノズル42がいずれも使用され
る。そして、原液Mがフィードノズル41を介して結合
型蒸留塔10に供給され、留出液が留出液出口43を介
して排出され、留出液の一部が還流液として還流液入口
44を介して結合型蒸留塔10に還流され、サイドカッ
ト液が給排ノズル42を介して排出され、缶出液が缶出
液出口45を介して排出され、缶出液の蒸気が蒸気入口
46を介して結合型蒸留塔10に供給される。
【0080】また、前記領域AR1(図5)、AR3、
AR5によって濃縮部が、領域AR2、AR4、AR6
によって回収部が形成される。
【0081】そして、例えば、三つの成分A〜Cを含有
する原液Mを蒸留する場合、前記領域AR2において
は、ラインL11及びフィードノズル41を介して供給
された原液Mが下方に移動し、上方において成分A、B
に富んだ蒸気を、下方になるに従って成分B、Cに富ん
だ液体を発生させ、第1の蒸留部25の下端から第3の
蒸留部27に成分B、Cに富んだ液体が供給される。
【0082】さらに、該成分B、Cに富んだ液体は、第
3の蒸留部27内において加熱されて成分B、Cに富ん
だ蒸気になり、該成分B、Cに富んだ蒸気は、前記領域
AR2内を上方に移動させられる間に、原液Mと接触し
て成分A、Bに富んだ蒸気を発生させる。
【0083】続いて、該成分A、Bに富んだ蒸気は、領
域AR1内を上方に移動し、前記第1の蒸留部25の上
端から第2の蒸留部26に供給される。さらに、前記成
分A、Bに富んだ蒸気は、第2の蒸留部26内において
冷却されて凝縮され、成分A、Bに富んだ液体になる。
【0084】そして、該成分A、Bに富んだ液体の一部
は、領域AR1に還流され、該領域AR1内を上方に移
動させられる成分A、Bに富んだ蒸気と接触させられ
る。
【0085】このようにして、第1の蒸留部25の上端
から第2の蒸留部26に成分A、Bに富んだ蒸気を供給
することができる。
【0086】前記領域AR6においては、成分B、Cに
富んだ液体が下方に移動し、上方において成分Bに富ん
だ蒸気を、下方になるに従って成分Cに富んだ液体をそ
れぞれ発生させる。したがって、成分Cに富んだ液体は
缶出液として缶出液出口45を介してラインL15に排
出される。
【0087】前記缶出液は、ラインL15及び缶出液入
口36を介して仕込み釜部34に送られ、さらに、循環
液出口38及びラインL17、L18を介して図示され
ない缶出液供給先に供給される。また、前記缶出液の一
部は、循環液出口38及びラインL17を介して循環さ
せられ、リボイラ35において熱源蒸気Sによって加熱
されて成分Cに富んだ蒸気になり、該成分Cに富んだ蒸
気は仕込み釜部34に供給される。そして、成分Cに富
んだ蒸気は、蒸気出口37、ラインL16及び蒸気入口
46を介して第9セクション19に供給され、該第9セ
クション19内及び前記領域AR6内を上方に移動させ
られる間に、成分B、Cに富んだ液体と接触し、該成分
B、Cに富んだ液体から成分Bに富んだ蒸気を発生させ
る。
【0088】続いて、該成分Bに富んだ蒸気の一部は、
領域AR5内を上方に移動し、第3の蒸留部27の上端
において第2の蒸留部26からの成分Bに富んだ液体と
接触し、成分Bに富んだ液体になる。このようにして、
前記第3の蒸留部27の上端において得られた成分Bに
富んだ液体は、サイドカット液として給排ノズル42を
介してラインL13に排出される。なお、この場合、給
排ノズル42はサイドカットノズルとして機能する。
【0089】一方、前記領域AR4においては、成分
A、Bに富んだ液体が下方に移動し、上方において成分
Aに富んだ蒸気を、下方になるに従って成分Bに富んだ
液体をそれぞれ発生させる。このようにして、前記第2
の蒸留部26の下端において得られた成分Bに富んだ液
体は、サイドカット液として給排ノズル42を介してラ
インL13に排出される。
【0090】そして、前記成分Aに富んだ蒸気は、領域
AR3内を上方に移動し、第1セクション11に供給さ
れ、該第1セクション11内の凝縮器81において冷却
水によって凝縮させられて成分Aに富んだ液体になり、
該成分Aに富んだ液体は留出液として留出液出口43を
介してラインL12に排出される。
【0091】このようにして、成分A、Bに富んだ蒸気
は、前記第2の蒸留部26によって成分Aに富んだ蒸気
と成分Bに富んだ液体とに分離させられ、成分Aに富ん
だ蒸気は成分Aに富んだ液体になり、該成分Aに富んだ
液体は留出液として留出液出口43を介してラインL1
2に排出され、成分Bに富んだ液体はサイドカット液と
して給排ノズル42を介してラインL13に排出され
る。また、成分B、Cに富んだ液体は、前記第3の蒸留
部27によって成分Bに富んだ液体と成分Cに富んだ液
体とに分離させられ、成分Bに富んだ液体はサイドカッ
ト液として給排ノズル42を介してラインL13に排出
され、成分Cに富んだ液体は缶出液として缶出液出口4
5を介してラインL15に排出される。
【0092】そして、成分Aの蒸留の効率を高くするた
めに、前記留出液の一部は、還流液としてラインL14
及び還流液入口44を介して領域AR3に還流され、該
領域AR3内を上方に移動させられる成分A、Bに富ん
だ蒸気と接触させられる。
【0093】なお、前記各領域AR1〜AR6は、一つ
の節から成る充填物によって形成されるようになってい
るが、蒸留する各成分間の比揮発度によっては、蒸留に
必要な理論段数を確保するために、使用される充填物の
特性に対応させて複数の節から成る充填物によって形成
することもできる。また、各節間にディストリビュータ
を配設することもできる。さらに、フィードノズル41
及び給排ノズル42を必ずしも同じ高さに配設する必要
はない。
【0094】このように、第2の運転モードにおいて
は、複数の蒸留塔を使用することなく、原液Mを各成分
A〜Cに分離させることができる。
【0095】また、複数の蒸留塔において加熱及び冷却
をそれぞれ繰り返す必要がないので、凝縮器、蒸発器、
ポンプ等の計装品を多数配設する必要がなくなる。した
がって、蒸留装置を小型化することができ、占有面積を
小さくすることができるだけでなく、ユーティリティの
使用量及び消費エネルギーを少なくすることができ、蒸
留装置のコストを低くすることができる。なお、試算に
よれば、占有面積、ユーティリティの使用量及び消費エ
ネルギーは、いずれも約30〔%〕減小させることがで
きる。
【0096】また、回収部を備えているので、消費エネ
ルギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くす
ることができるだけでなく、各成分A〜Cの分離性能及
び製品の純度を高くすることができる。しかも、原液M
を、連続的に結合型蒸留塔10に供給して蒸留すること
ができるので、蒸留装置の稼働率及び処理能力を高くす
ることができる。
【0097】次に、第3の運転モードについて説明す
る。
【0098】図8は本発明の実施の形態における第3の
運転モードにおける蒸留プロセスを示す図である。
【0099】第3の運転モードにおいて、前記蒸留装置
は多目的連続式蒸留装置として使用される。そのため
に、切換弁K1、K3が開放され、切換弁K2が閉鎖さ
れ、フィードノズル41及び給排ノズル42がいずれも
使用される。そして、原液Mがフィードノズル41及び
給排ノズル42を介して結合型蒸留塔10に供給され、
留出液が留出液出口43を介して排出され、還流液が還
流液入口44を介して結合型蒸留塔10に還流され、缶
出液が缶出液出口45を介して排出され、缶出液の蒸気
が蒸気入口46を介して結合型蒸留塔10に供給され
る。なお、この場合、給排ノズル42はフィードノズル
として機能する。
【0100】また、前記領域AR1(図5)、AR3、
AR4によって濃縮部が、領域AR2、AR5、AR6
によって回収部が形成される。
【0101】第1の蒸留プロセスにおいては、例えば、
三つの成分A〜Cを含有する原液Mを蒸留する場合、原
液Mを、ラインL11及びフィードノズル41を介して
結合型蒸留塔10に供給するとともに、ラインL21及
び給排ノズル42を介して結合型蒸留塔10に供給する
と、蒸気が領域AR1、AR3、AR4内を上方に移動
することによって分留が行われ、成分Aに富んだ蒸気が
凝縮器81において冷却水によって凝縮させられて成分
Aに富んだ液体になり、該成分Aに富んだ液体は留出液
として留出液出口43を介してラインL12に排出さ
れ、成分B、Cに富んだ液体は缶出液として缶出液出口
45を介してラインL15に排出される。なお、留出液
の一部はラインL14を介して還流される。
【0102】そして、前記缶出液は、缶出液出口45、
ラインL15及び缶出液入口36を介して仕込み釜部3
4に送られ、さらに、中間原液として循環液出口38及
びラインL17、L18を介して図示されない原液タン
クに供給される。また、前記缶出液の一部は、循環液出
口38及びラインL17を介して循環させられ、リボイ
ラ35において熱源蒸気Sによって加熱されて成分B、
Cに富んだ蒸気になり、該成分B、Cに富んだ蒸気は仕
込み釜部34に供給される。そして、成分B、Cに富ん
だ蒸気は、蒸気出口37、ラインL16及び蒸気入口4
6を介して結合型蒸留塔10に供給される。
【0103】続いて、前記中間原液を、ラインL11及
びフィードノズル41を介して結合型蒸留塔10に供給
するとともに、ラインL21及び給排ノズル42を介し
て結合型蒸留塔10に供給すると、成分Bに富んだ液体
が留出液として留出液出口43を介してラインL12に
排出され、成分Cに富んだ液体が缶出液として缶出液出
口45を介してラインL15に排出される。
【0104】そして、前記缶出液は、缶出液出口45、
ラインL15及び缶出液入口36を介して仕込み釜部3
4に送られ、さらに、循環液出口38及びラインL1
7、L18を介して図示されない缶出液供給先に供給さ
れる。
【0105】また、第2の蒸留プロセスにおいては、例
えば、三つの成分A〜Cを含有する原液Mを蒸留する場
合、原液Mを、ラインL11及びフィードノズル41を
介して結合型蒸留塔10に供給するとともに、ラインL
21及び給排ノズル42を介して結合型蒸留塔10に供
給すると、成分A、Bに富んだ液体が留出液として留出
液出口43を介してラインL12に排出され、成分Cに
富んだ液体が缶出液として缶出液出口45を介してライ
ンL15に排出される。
【0106】そして、前記缶出液は、缶出液出口45、
ラインL15及び缶出液入口36を介して仕込み釜部3
4に送られ、さらに、中間原液として循環液出口38及
びラインL17、L18を介して図示されない原液タン
クに供給される。また、前記缶出液の一部は、循環液出
口38及びラインL17を介して循環させられ、リボイ
ラ35において加熱させられて成分Cに富んだ蒸気にな
り、該成分Cに富んだ蒸気は仕込み釜部34に供給され
る。そして、成分Cに富んだ蒸気は、蒸気出口37、ラ
インL16及び蒸気入口46を介して結合型蒸留塔10
に供給される。
【0107】続いて、前記中間原液を、ラインL11及
びフィードノズル41を介して結合型蒸留塔10に供給
するとともに、ラインL21及び給排ノズル42を介し
て結合型蒸留塔10に供給すると、成分Aに富んだ液体
が留出液として留出液出口43を介してラインL12に
排出され、成分Bに富んだ液体が缶出液として缶出液出
口45を介してラインL15に排出される。
【0108】そして、前記缶出液は、缶出液出口45、
ラインL15及び缶出液入口36を介して仕込み釜部3
4に送られ、さらに、循環液出口38及びラインL1
7、L18を介して図示されない缶出液供給先に供給さ
れる。
【0109】このように、第3の運転モードにおいて
は、複数の蒸留塔を使用することなく、原液Mを各成分
A〜Cに分離させることができる。
【0110】また、複数の蒸留塔において加熱及び冷却
をそれぞれ繰り返す必要がないので、凝縮器、蒸発器、
ポンプ等の計装品を多数配設する必要がなくなる。した
がって、蒸留装置を小型化することができ、占有面積を
小さくすることができるだけでなく、ユーティリティの
使用量及び消費エネルギーを少なくすることができ、蒸
留装置のコストを低くすることができる。
【0111】また、回収部を備えているので、消費エネ
ルギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くす
ることができるだけでなく、各成分A〜Cの分離性能及
び製品の純度を高くすることができる。しかも、原液M
を、連続的に結合型蒸留塔10に供給して蒸留すること
ができるので、蒸留装置の稼働率及び処理能力を高くす
ることができる。
【0112】次に、少量の原液Mを使用し、多数の種類
の製品を少量ずつ得る場合に極めて有効である第4の運
転モードについて説明する。
【0113】図9は本発明の実施の形態における第4の
運転モードにおける蒸留プロセスを示す図である。
【0114】第4の運転モードにおいて、前記蒸留装置
はバッチ式蒸留装置と連続式蒸留装置とを併せたセミバ
ッチ式蒸留装置として使用される。そのために、第1段
階で、開閉弁V8が開放され、切換弁K1〜K3が閉鎖
され、缶出液出口45及び蒸気入口46は使用され、フ
ィードノズル41及び給排ノズル42はいずれも使用さ
れない。また、流量制御弁V2が閉鎖され、かつ、還流
ポンプP1が作動させられる。次に、第2段階で、開閉
弁V8及び切換弁K3が閉鎖され、切換弁K1、K2が
開放され、フィードノズル41、給排ノズル42、缶出
液出口45及び蒸気入口46はいずれも使用される。ま
た、流量制御弁V2が開放され、かつ、還流ポンプP
1、サイドカット液ポンプP2及び循環ポンプP3が作
動させられる。
【0115】そして、例えば、三つの成分A〜Cを含有
する原液Mを蒸留する場合、第1段階で、蒸留装置はバ
ッチ式蒸留装置として使用され、原液MをラインL1
1、L24を介して仕込み釜部34に供給し、仕込み釜
部34内の液体を循環液として循環液出口38及びライ
ンL17を介して循環させ、リボイラ35において熱源
蒸気Sによって加熱する。このとき発生する蒸気を、蒸
気出口37、ラインL16及び蒸気入口46を介して結
合型蒸留塔10に供給すると、前記蒸気が結合型蒸留塔
10内を上方に移動することによって分留が行われ、凝
縮器81において冷却水によって凝縮させられて成分A
に富んだ液体になり、該成分Aに富んだ液体は留出液と
して留出液出口43を介してラインL12に排出され
る。
【0116】ところで、第1段階で、流量制御弁V2が
閉鎖され、かつ、還流ポンプP1が作動させられて、全
還流運転が行われる。したがって、留出液は留出液出口
43を介してラインL12に排出された後、還流液とし
てラインL14及び還流液入口44を介して結合型蒸留
塔10に還流されるので、結合型蒸留塔10内における
塔頂部分に成分Aに富んだ液体及び蒸気が、中央部分に
成分Bに富んだ液体及び蒸気が、塔底部分に成分Cに富
んだ液体及び蒸気が溜(た)まるとともに、仕込み釜部
34に成分Cに富んだ液体が蓄えられる。なお、前記原
液Mは全還流運転が可能なだけの最少量だけ供給され
る。
【0117】そして、その間、タイマτによる計時が行
われ、あらかじめ設定された時間が経過すると第2段階
に入る。該第2段階で、開閉弁V8が閉鎖され、切換弁
K1、K2が開放されると、蒸留装置は連続式蒸留装置
として使用され、原液MがラインL11及びフィードノ
ズル41を介して結合型蒸留塔10に供給され、成分A
に富んだ液体が留出液としてラインL12に排出され、
成分Bに富んだ液体がサイドカット液としてラインL1
3に排出され、成分Cに富んだ液体がラインL15に排
出される。
【0118】なお、第2段階において、流量制御弁V6
は閉鎖されているので、成分Cに富んだ液体は仕込み釜
部34内に蓄えられ、図示されない缶出液供給先には供
給されない。
【0119】このようにして、第1段階及び第2段階か
ら成る蒸留プロセスを繰り返すと、成分Aに富んだ液体
が留出液として留出液出口43を介してラインL12に
排出され、成分Bに富んだ液体がサイドカット液として
給排ノズル42を介してラインL13に排出され、それ
ぞれ図示されない留出液供給先に供給され、成分Cに富
んだ液体は仕込み釜部34内に蓄えられる。
【0120】そして、図示されない原液タンク内の原液
Mがなくなるか、仕込み釜部34内の成分Cに富んだ液
体のレベルが上限に達したことが検出されて原液Mの供
給が停止させられると、再び全還流運転が行われ、仕込
み釜部34内の成分Cに富んだ液体に残留する少量の有
効成分、すなわち、成分A、Bが留出され、その後、成
分Aが留出液出口43を介してラインL12に、成分B
が給排ノズル42を介してラインL13に排出される。
【0121】また、仕込み釜部34内の成分Cに富んだ
液体に、成分C以外の高沸点物が含有されている場合
は、続いて、仕込み釜部34内の成分Cに富んだ液体を
リボイラ35において加熱し、このとき発生する成分C
に富んだ蒸気を、蒸気出口37、ラインL16及び蒸気
入口46を介して結合型蒸留塔10に供給する。その結
果、成分Cに富んだ蒸気は、結合型蒸留塔10内を上方
に移動し、凝縮器81において凝縮させられて成分Cに
富んだ液体になり、該成分Cに富んだ液体は留出液とし
て留出液出口43を介してラインL12に排出され、留
出液供給先に供給される。この成分Cに富んだ液体の留
出は、仕込み釜部34内の成分Cに富んだ液体のレベル
が下限に達するか、留出液内の成分Cの純度が許容値よ
り低くなると停止させられる。そして、仕込み釜部34
内の成分C以外の高沸点物は、残渣として循環液出口3
8及びラインL17、L18を介して図示されない残渣
供給先に供給される。
【0122】また、成分Cに富んだ液体に、成分C以外
の高沸点物が含有されていない場合、仕込み釜部34内
の成分Cに富んだ液体は、循環液出口38及びラインL
17、L18を介して缶出液供給先に供給される。
【0123】このように、第4の運転モードにおいて
は、蒸留装置を、バッチ式蒸留装置として使用して全還
流運転を行った後、連続式蒸留装置として使用するよう
にしているので、各成分A〜Cの分離性能及び製品の純
度をバッチ式蒸留装置より高くすることができる。しか
も、蒸留装置は、連続式蒸留装置として使用される際に
回収部を備えることになるので、消費エネルギーを少な
くすることができ、製品の回収率を高くすることができ
る。
【0124】また、沸点が最も高い成分Cに富んだ液体
を留出液として得ることができるので、該留出液を製品
として取り出したとき、製品に色相、香り等が残った
り、金属、スラッジ等が混入したりするのを防止するこ
とができる。
【0125】しかも、時間当たりの処理量をバッチ式蒸
留装置より高くすることができ、処理能力を向上させる
ことができる。
【0126】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0127】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、蒸留装置においては、液体を蓄える仕込み釜部
と、前記液体を加熱して蒸気を発生させる加熱部と、塔
頂に留出液排出部及び還流液受入部が、塔底に缶出液排
出部及び蒸気受入部が、塔サイドにフィードノズル及び
給排ノズルが形成され、塔本体内が中仕切りによって仕
切られて前記フィードノズル側に第1室が、給排ノズル
側に第2室が形成された結合型蒸留部と、前記フィード
ノズルに接続されるラインと給排ノズルに接続されるラ
インとの間を選択的に連通させる連通手段とを有する。
【0128】この場合、原液を前記仕込み釜部に供給す
ることによって、蒸留装置をバッチ式蒸留装置として使
用し、原液を前記フィードノズルを介して結合型蒸留部
に供給することによって、蒸留装置を連続式蒸留装置と
して使用し、原液を前記フィードノズル及び給排ノズル
を介して結合型蒸留部に供給することによって、蒸留装
置を多目的連続式蒸留装置として使用し、原液を、第1
段階で前記仕込み釜部に供給し、第2段階で前記フィー
ドノズルを介して結合型蒸留部に供給することによっ
て、蒸留装置をセミバッチ式蒸留装置として使用するこ
とができる。
【0129】したがって、蒸留装置をバッチ式蒸留装置
として使用する場合、原液に多数の成分が含まれる場合
でも、蒸留プロセスを簡素化することができ、しかも、
原液、成分等の種類によって蒸留プロセスが拘束されな
い。
【0130】また、蒸留装置を連続式蒸留装置として使
用する場合、複数の蒸留塔を使用することなく、原液を
各成分に分離させることができる。
【0131】そして、複数の蒸留塔において加熱及び冷
却をそれぞれ繰り返す必要がないので、凝縮器、蒸発
器、ポンプ等の計装品を多数配設する必要がなくなる。
したがって、蒸留装置を小型化することができ、占有面
積を小さくすることができるだけでなく、ユーティリテ
ィの使用量及び消費エネルギーを少なくすることがで
き、蒸留装置のコストを低くすることができる。なお、
試算によれば、占有面積、ユーティリティの使用量及び
消費エネルギーは、いずれも約30〔%〕減小させるこ
とができる。
【0132】また、回収部を備えているので、消費エネ
ルギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くす
ることができるだけでなく、各成分の分離性能及び製品
の純度を高くすることができる。しかも、原液を、連続
的に結合型蒸留部に供給して蒸留することができるの
で、蒸留装置の稼働率及び処理能力を高くすることがで
きる。
【0133】また、蒸留装置を多目的連続式蒸留装置と
して使用する場合、複数の蒸留塔を使用することなく、
原液を各成分に分離させることができる。
【0134】そして、複数の蒸留塔において加熱及び冷
却をそれぞれ繰り返す必要がないので、凝縮器、蒸発
器、ポンプ等の計装品を多数配設する必要がなくなる。
したがって、蒸留装置を小型化することができ、占有面
積を小さくすることができるだけでなく、ユーティリテ
ィの使用量及び消費エネルギーを少なくすることがで
き、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0135】また、回収部を備えているので、消費エネ
ルギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くす
ることができるだけでなく、各成分の分離性能及び製品
の純度を高くすることができる。しかも、原液を、連続
的に結合型蒸留部に供給して蒸留することができるの
で、蒸留装置の稼働率及び処理能力を高くすることがで
きる。
【0136】また、蒸留装置をセミバッチ式蒸留装置と
して使用する場合、各成分の分離性能及び製品の純度を
バッチ式蒸留装置より高くすることができる。しかも、
蒸留装置は回収部を備えることになるので、消費エネル
ギーを少なくすることができ、製品の回収率を高くする
ことができる。
【0137】また、沸点が最も高い成分に富んだ液体を
留出液として得ることができるので、該留出液を製品と
して取り出したとき、製品に色相、香り等が残ったり、
金属、スラッジ等が混入したりするのを防止することが
できる。
【0138】しかも、時間当たりの処理量をバッチ式蒸
留装置より高くすることができ、処理能力を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における蒸留装置の概念図
である。
【図2】従来の第1の蒸留装置の概念図である。
【図3】従来の第2の蒸留装置の概念図である。
【図4】従来の第3の蒸留装置の概念図である。
【図5】本発明の実施の形態における結合型蒸留塔の概
念図である。
【図6】本発明の実施の形態における第1の運転モード
における蒸留プロセスを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における第2の運転モード
における蒸留プロセスを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における第3の運転モード
における蒸留プロセスを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における第4の運転モード
における蒸留プロセスを示す図である。
【符号の説明】
10 結合型蒸留塔 22 中仕切り 34 仕込み釜部 35 リボイラ 41 フィードノズル 42 給排ノズル 43 留出液出口 44 還流液入口 45 缶出液出口 46 蒸気入口 14A〜16A 第1室 14B〜16B 第2室 K3 切換弁 L11、L13、L21 ライン M 原液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月17日(1999.12.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 勝典 東京都田無市谷戸町二丁目1番1号 住友 重機械工業株式会社田無製造所内 (72)発明者 原田 陽一 東京都田無市谷戸町二丁目1番1号 住友 重機械工業株式会社田無製造所内 Fターム(参考) 4D076 AA13 AA22 AA23 AA24 BB04 CA11 CA12 CB12 CC24 DA02 DA22 DA25 EA02X EA12X EA17X FA31 FA34 FA35 JA03 JA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)液体を蓄える仕込み釜部と、
    (b)前記液体を加熱して蒸気を発生させる加熱部と、
    (c)塔頂に留出液排出部及び還流液受入部が、塔底に
    缶出液排出部及び蒸気受入部が、塔サイドにフィードノ
    ズル及び給排ノズルが形成され、塔本体内が中仕切りに
    よって仕切られて前記フィードノズル側に第1室が、給
    排ノズル側に第2室が形成された結合型蒸留部と、
    (d)前記フィードノズルに接続されるラインと給排ノ
    ズルに接続されるラインとの間を選択的に連通させる連
    通手段とを有することを特徴とする蒸留装置。
  2. 【請求項2】 原液は前記仕込み釜部に供給される請求
    項1に記載の蒸留装置。
  3. 【請求項3】 原液は前記フィードノズルを介して結合
    型蒸留部に供給される請求項1に記載の蒸留装置。
  4. 【請求項4】 原液は前記フィードノズル及び給排ノズ
    ルを介して結合型蒸留部に供給される請求項1に記載の
    蒸留装置。
  5. 【請求項5】 原液は、第1段階で前記仕込み釜部に供
    給され、第2段階で前記フィードノズルを介して結合型
    蒸留部に供給される請求項1に記載の蒸留装置。
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KR101401319B1 (ko) 2013-02-05 2014-05-29 한국기술교육대학교 산학협력단 교육용 다단 증류탑

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