JP2001170182A - 套管針型末梢静脈カテーテル - Google Patents

套管針型末梢静脈カテーテル

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JP2001170182A
JP2001170182A JP35771599A JP35771599A JP2001170182A JP 2001170182 A JP2001170182 A JP 2001170182A JP 35771599 A JP35771599 A JP 35771599A JP 35771599 A JP35771599 A JP 35771599A JP 2001170182 A JP2001170182 A JP 2001170182A
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catheter
insertion portion
catheter tube
tip
winged
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Norihiro Hiejima
徳寛 比恵島
Hiroyuki Inoue
博行 井上
Hiroshi Tsukiki
裕志 槻木
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Nipro Corp
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Nipro Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滅菌によりライジスタンスが大きくずれるこ
との無い、套管針型末梢静脈カテーテルを提供する。 【解決手段】 套管針型末梢静脈カテーテルは、穿刺部
材1と、カテーテルチューブ2、スリーブ3、翼付挿入
部4およびパイプ状部材5を含んでなる静脈カテーテル
であって、スリーブ3を前進させることによりカテーテ
ルチューブ2を前進させることができるようになってい
る。カテーテルは、翼付挿入部4の先端部にプロテクタ
ー7を装着することにより、先端部と穿刺部材1の間に
カテーテルチューブ2を挟持できるようになっており、
ポリウレタン系形状記憶樹脂製のカテーテルチューブ2
を固定した状態で滅菌したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者の栄養管理の
ために、末梢静脈から中心静脈、または腋下静脈に挿入
する套管針型末梢静脈カテーテル(所謂翼状針)に関す
るもので、特にカテーテルの内針と外針とのライジスタ
ンスに関する。
【0002】
【従来の技術】患者の中心動脈や腋下静脈に末梢静脈か
らプラスチック製のカテーテルを導入し、薬液を注入し
たり体液を抜き取ったりするのに、套管針型末梢静脈カ
テーテルが利用されている。この種の套管針型末梢静脈
カテーテルは比較的長いカテーテル(15〜70mm)
であり、カテーテルを例えば静脈内に挿入する場合、従
来、先ずカテーテルの外径より大きい内径を有する穿刺
針を静脈に穿刺し、次いで、カテーテルを穿刺針の内腔
を通して静脈の所望の位置まで案内した後、この穿刺針
を静脈から抜針してカテーテルだけを静脈内に残す方法
が行われているが、この方法では、穿刺針を静脈から抜
針する際に血液が皮膚面からもれたり、細菌が静脈内に
進入する等の虞があり、従って、無菌条件下でカテーテ
ルの挿入操作を行わなければならなかった。そこで、カ
テーテルに触れることなくスリーブの上からカテーテル
を案内することにより、無菌的に体内にカテーテルを挿
入することのできる套管針型末梢静脈カテーテルが提案
されている(特開平2−13471号公報、特開平2−11
1376号公報、特開平10−43308号公報な
ど)。
【0003】しかしながら、上記のようなスリーブの上
からカテーテルを案内するタイプのカテーテルは、それ
までの、末梢静脈へ数センチメートル挿入して低カロリ
ーの輸液を行う目的のカテーテルと異なり、末梢静脈か
ら中心静脈や腋下静脈に挿入して比較的カロリーの高い
輸液を行う目的の、挿入距離の長いカテーテルである。
それまでの低カロリー輸液用のカテーテルでは、挿入距
離が数cmと短いため、挿入時にカテーテルが折れる等
の問題が無く、従って、テフロン(商標名)などの硬い
材料で形成されていたが、スリーブの上からカテーテル
を案内するタイプのカテーテルでは、中心静脈や腋下静
脈に挿入する関係で、挿入距離が15〜70cmと長
く、挿入時に血管の分岐部で屈曲したり、腕の曲げ伸ば
しにより屈曲したりすることがある。従って、テフロン
などの硬い材料で形成した場合、血管内で折れが発生し
て血管内壁を傷つけてしまう虞があるため、ポリウレタ
ンなどの柔らかく折れにくい熱可塑性ゴム弾性材料が用
いられるようになっている。
【0004】ポリウレタンなどの熱可塑性ゴム弾性材料
は、熱可塑温度がテフロンに比べて低いため、これによ
り形成されたチューブは、EOG滅菌のような低い滅菌
温度(50〜60℃)に曝された時であっても、押し出
し成形時の歪が原因で大きく収縮することがあり、ま
た、放射線滅菌時の発熱により大きく収縮することがあ
る。従って、スリーブの上からカテーテルを案内するタ
イプのカテーテルでは、EOG滅菌や放射線滅菌により
製品の内針とカテーテル(外針)のライジスタンス(内
針の刃面から外針の先端までの距離)が大きくずれ、そ
の結果、刺通抵抗が大きくなり、患者に大きな苦痛を与
えてしまうことになるため、予めチューブ自身のアニ−
ル処理を行い、押し出し成形時の歪を除去して使用しな
ければならなかった。また、体温付近にガラス転移点を
有するようにした形状記憶樹脂等では、表1に示すよう
に、アニ−ルにより形状記憶樹脂としての軟化特性が損
なわれてしまう問題も発生していた。
【0005】
【表1】アニ−ル前後の形状記憶樹脂チューブの3点曲
げによる応力変化 (注)ポリオール系ポリウレタンMM4510(三菱重
工業株式会社製)で22Gのチューブを各10本作成
し、支持幅10mmで、20℃及び40℃における歪み
2mm時の曲げ応力(N)を測定した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、滅菌によりライジスタンスが大
きくずれることの無い、套管針型末梢静脈カテーテルを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、できるだけ自由端
すなわち先端に近い部分で外針を固定した状態で滅菌す
ることにより、この固定部分と基端との間の熱収縮を無
くし、外針の収縮を固定部分と先端の間の収縮だけに限
定できることに想到し、本発明を完成した。すなわち本
発明は、 基端にハブを備えたポリウレタン系形状記憶
樹脂製のカテーテルチューブと、該カテーテルチューブ
をスライド可能に収納して支持する翼付挿入部と、該翼
付挿入部の基端に固定され、前記カテーテルチューブが
スライド自在に挿着されたパイプ状部材と、このパイプ
状部材とカテーテルチューブにスライド自在に被せら
れ、カテーテルチューブと同軸上でその基端が前記ハブ
に固定されたスリーブと、先端に穿刺針を備え、カテー
テルチューブにスライド可能かつ穿刺針の先端がカテー
テルチューブの先端を越えて位置するように挿通された
穿刺部材を含んでなり、前記スリーブを前進させること
により前記カテーテルチューブを前進させるようにした
静脈カテーテルにおいて、前記翼付挿入部の先端部にプ
ロテクターを装着することにより、翼付挿入部の先端部
と穿刺針の間にカテーテルチューブを挟持させ、カテー
テルチューブを固定した状態で静脈カテーテルを滅菌し
たことを特徴とする套管針型末梢静脈カテーテルに関す
る。
【0008】ここで、套管針型末梢静脈カテーテルは、
翼付挿入部の少なくとも先端部が容易に変形可能な軟質
のプラスチックで形成されるとともに、プロテクター嵌
合部に突起が設けられており、該突起がプロテクターに
より圧迫されて翼付挿入部の内腔が狭くなり、翼付挿入
部の先端部と穿刺針の間にカテーテルチューブが挟持さ
れるものであっても、翼付挿入部の少なくとも先端部が
容易に変形可能な軟質のプラスチックで形成されるとと
もに、プロテクターの内腔に環状突起が設けられてお
り、この環状突起により圧迫されて翼付挿入部の内腔が
狭くなり、翼付挿入部の先端部と穿刺針の間にカテーテ
ルチューブが挟持されるものであってもよい。また、翼
付挿入部の先端部にスリットが形成されており、このス
リットが閉じて翼付挿入部の内腔が狭くなり、翼付挿入
部の先端部と穿刺針の間にカテーテルチューブが挟持さ
れるものであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施例を示す平面
図であり、図2は図1のX−X線断面図、図3は図2の
要部の拡大図、図4は図3において翼付挿入部の先端部
からプロテクターを外した状態を示す図である。また、
図5は他の実施例の要部を示す断面図であり、図6はさ
らに他の実施例の要部を示す平面図、図7は図6におい
てプロテクターを外した状態を示す図である。図1に示
すように、本発明の套管針型末梢静脈カテーテルは、穿
刺部材1と、カテーテルチューブ2、スリーブ3、翼付
挿入部4およびパイプ状部材5を含んでなる静脈カテー
テルであって、スリーブ3を前進させることによりカテ
ーテルチューブ2を前進させることができるようになっ
ている。そして、図3、5、6に示すように、翼付挿入
部4の先端部にプロテクター7を装着することにより、
先端部と穿刺部材1の間にカテーテルチューブ2を挟持
できるようになっており、ポリウレタン系形状記憶樹脂
製のカテーテルチューブ2を固定した状態で滅菌したこ
とを特徴とする。
【0010】図1に示す套管針型末梢静脈カテーテル
は、本出願人が提案した特開平10−43308号公報
に開示されたカテーテル組立体と同様、基端にハブ21
を備えたポリウレタン系形状記憶樹脂製のカテーテルチ
ューブ2と、このカテーテルチューブ2をスライド可能に
収納して支持する翼付挿入部4と、この翼付挿入部4の
基端に固定され、カテーテルチューブ2がスライド自在
に挿着されたパイプ状部材5と、このパイプ状部材5と
カテーテルチューブ2にスライド自在に被せられ、カテ
ーテルチューブ2と同軸上でその基端がハブ21に固定
されたスリーブ3と、先端に穿刺針11を備え、カテーテ
ルチューブ2にスライド可能かつ穿刺針の先端がカテー
テルチューブ2の先端を越えて位置するように挿通され
た穿刺部材1、および穿刺部材収納部6からなってい
る。そして、スリーブ3にはその先端から基端にかけて
設けられた縦方向のスリットまたは脆弱部分(図示して
いない)が設けられ、スリーブ3の先端側はパイプ状部
材5の基端でスリーブ3に挿着されたカテーテルチュー
ブ2から分離されている。また、パイプ状部材5には、
その外周に、その外径が漸増して先端の外径がスリーブ
3の内径より大きくなるようにされたスリーブ剥離部材
51が設けられている。この構成では、スリーブ3を掴
んでカテーテルチューブ2と一緒に前進させた場合、ス
リーブ3は前進させた分カテーテルチューブ2から分離
される。
【0011】穿刺部材1は、図2に示すように、先端の
穿刺針11とワイヤー12、基端のワイヤーハブ13か
らなり、静脈カテーテルの使用後は、穿刺部材収納部6
に収容される。穿刺部材収納部6はその先端でハブ21
と接続し、基端でワイヤーハブ13と接続する外筒部材
61と、長手方向に折り畳まれた状態で外筒部材61内
に収容されたワイヤーシース62および、内筒部材63
を含んでなり、ワイヤーハブ13を外筒部材61から外
して後方に引っ張ると、ワイヤーシース62が伸展して
穿刺部材収納部6内に穿刺部材1が収容される。
【0012】本発明の套管針型末梢静脈カテーテルは、
上記のような構成の静脈カテーテルにおいて、翼付挿入
部4の先端部にプロテクター7を装着することにより、
翼付挿入部4の先端部と穿刺針11の間にカテーテルチ
ューブ2を挟持できるようにし、翼付挿入部4の先端部
と穿刺針11の間にカテーテルチューブを固定した状態
で静脈カテーテルを滅菌したことを特徴とする。図2に
示すものは、翼付挿入部4の少なくとも先端部が容易に
変形可能な軟質のプラスチックで形成されるとともに、
プロテクター嵌合部に図4に示すような突起41が設け
られており、この突起41がプロテクター7により圧迫
されて翼付挿入部4の内腔が狭くなり、図3に示すよう
に、翼付挿入部4の先端部と穿刺針11の間にカテーテ
ルチューブ2が挟持されるものである。また、図5に示
すものは、翼付挿入部4の少なくとも先端部が容易に変
形可能な軟質のプラスチックで形成されるとともに、プ
ロテクター7の内腔に環状突起71が設けられており、
この環状突起71により圧迫されて翼付挿入部4の内腔
が狭くなり、翼付挿入部4の先端部と穿刺針11の間に
カテーテルチューブ2が挟持されるものである。また、
図7に示すものは、翼付挿入部4の先端部にスリット4
2が形成されており、このスリット42が閉じて翼付挿
入部4の内腔が狭くなり、翼付挿入部4の先端部と穿刺
針11の間にカテーテルチューブ2が挟持されるもので
ある。
【0013】〔実施例1〜3〕翼付挿入部のプロテクタ
ー嵌合部に突起を設けた套管針型末梢静脈カテーテル
(実施例1)と、プロテクターに環状突起を設けた套管
針型末梢静脈カテーテル(実施例2)と、翼付挿入部の
プロテクター嵌合部にスリットを設けた套管針型末梢静
脈カテーテル(実施例3)をそれぞれ5個用意し、各々
についてEOG滅菌の前と後でライジスタンスを測定し
たところ、表2のような結果が得られた。尚、カテーテ
ルチューブのサイズは22Gであり、ポリオール系ポリ
ウレタンMM4510(三菱重工業株式会社製)で形成
した。
【0014】〔比較例1〕カテーテルチューブ(22
G、ポリオール系ポリウレタンMM4510製)を固定
する手段を有しない従来の套管針型末梢静脈カテーテル
を5個用意し、実施例と同様の測定を行ったところ、表
2のような結果が得られた。
【0015】表2から分かるように、従来の套管針型末
梢静脈カテーテルでは、滅菌の前後でライジスタンスが
大きく変わっているのに対して、本発明の套管針型末梢
静脈カテーテルでは、殆どライジスタンスが変わってい
ない。ライジスタンスは0.5mm以内がよいとされて
いるが、比較例ではこの範囲を超えており、使用時に患
者に大きな苦痛を与えてしまう虞がある。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明を採用することにより、滅菌によるライジス
タンスの拡大を防止することができるので、患者に優し
い套管針型末梢静脈カテーテルを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】 図1のX−X線断面図である。
【図3】 図2の要部の拡大図である。
【図4】 図3において翼付挿入部の先端部からプロテ
クターを外した状態を示す図である。
【図5】 本発明の他の実施例の要部を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明のさらに他の実施例の要部を示す平面
図である。
【図7】 図6においてプロテクターを外した状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 穿刺部材 11 穿刺針 12 ワイヤー 13 ワイヤーハブ 2 カテーテルチューブ 21 ハブ 3 スリーブ 4 翼付挿入部 41 突起 42 スリット 5 パイプ状部材 51 スリーブ剥離部材 6 穿刺部材収納部 61 外筒部材 62 ワイヤーシース 63 内筒部材 7 プロテクター 71 環状突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端にハブを備えたポリウレタン系形状
    記憶樹脂製のカテーテルチューブと、該カテーテルチュ
    ーブをスライド可能に収納して支持する翼付挿入部と、
    該翼付挿入部の基端に固定され、前記カテーテルチュー
    ブがスライド自在に挿着されたパイプ状部材と、該パイ
    プ状部材とカテーテルチューブにスライド自在に被せら
    れ、カテーテルチューブと同軸上でその基端が前記ハブ
    に固定されたスリーブと、先端に穿刺針を備え、カテー
    テルチューブにスライド可能かつ穿刺針の先端がカテー
    テルチューブの先端を越えて位置するように挿通された
    穿刺部材を含んでなり、前記スリーブを前進させること
    により前記カテーテルチューブを前進させるようにした
    静脈カテーテルにおいて、前記翼付挿入部の先端部にプ
    ロテクターを装着することにより、翼付挿入部の先端部
    と穿刺針の間にカテーテルチューブを挟持させ、カテー
    テルチューブを固定した状態で前記静脈カテーテルを滅
    菌したことを特徴とする套管針型末梢静脈カテーテル。
  2. 【請求項2】 翼付挿入部の少なくとも先端部が容易に
    変形可能な軟質のプラスチックで形成されるとともに、
    プロテクター嵌合部に突起が設けられており、該突起が
    プロテクターにより圧迫されて翼付挿入部の内腔が狭く
    なり、翼付挿入部の先端部と穿刺針の間にカテーテルチ
    ューブが挟持される請求項1記載の套管針型末梢静脈カ
    テーテル。
  3. 【請求項3】 翼付挿入部の少なくとも先端部が容易に
    変形可能な軟質のプラスチックで形成されるとともに、
    プロテクターの内腔に環状突起が設けられており、該環
    状突起により圧迫されて翼付挿入部の内腔が狭くなり、
    翼付挿入部の先端部と穿刺針の間にカテーテルチューブ
    が挟持される請求項1記載の套管針型末梢静脈カテーテ
    ル。
  4. 【請求項4】 翼付挿入部の先端部にスリットが形成さ
    れており、該スリットが閉じて翼付挿入部の内腔が狭く
    なり、翼付挿入部の先端部と穿刺針の間にカテーテルチ
    ューブが挟持される請求項1記載の套管針型末梢静脈カ
    テーテル。
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