JP2001168381A - AlGaInP発光ダイオード - Google Patents
AlGaInP発光ダイオードInfo
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Abstract
Dの駆動電流を発光部へ広く拡散させる透明導電膜をL
EDの半導体層上に形成することができ、かつLEDの
発光部からの発光を外部へ効率よく取り出すことができ
るAlGaInPLEDを提供する。 【解決手段】LEDの駆動電流を、台座電極から透明導
電膜を通ってオーミック電極へ流し、さらにコンタクト
層を通って半導体層の中の発光部に流す。半導体層に流
入したLEDの駆動電流は、電流を拡散する効果を有す
る層、例えば上部クラッド層等により、オーミック電極
およびコンタクト層の周辺で広がって発光層に流れる。
Description
に駆動電流を広げるために改良された電極構造を具備す
る高輝度のリン化アルミニウム・ガリウム・インジウム
(AlGaInP)発光ダイオードに関する。
ウム混晶((AlXGa1-X)YIn1-YP:0≦X≦1、
0<Y<1)にあって、特にインジウム組成比(=1−
Y)を0.5とする(AlXGa1-X)0.5In0.5P(0
≦X≦1)は、砒化ガリウム(GaAs)単結晶と良好
な格子整合性を果たせる利点がある。このため、(Al
XGa1-X)0.5In0.5P(0≦X≦1)は、例えば赤橙
色の光を出射する発光ダイオード(LED)或いはレー
ザーダイオード(LD)の発光部等を構成するのに利用
されている。このLEDないしLDの発光部は、キャリ
アの「閉じ込め」効果を利用して高輝度の発光を獲得す
るために、(AlXGa1-X)0.5In0.5P(0≦X≦
1)からなる発光層と、該発光層より禁止帯幅(バンド
ギャップエネルギー)が大きく該発光層を挟持するそれ
ぞれp形とn形の上下クラッド層とから構成されるpn
接合型のダブルヘテロ(DH)構造からなるのが通例で
ある。
を有するLEDでは、発光を外部へ取り出す主な方向に
あたるDH構造発光部の上方に、導電透光酸化層(透明
導電膜)を形成する技術が知られている。導電透光酸化
層は、発光層からの発光を充分に透過できる必要があ
り、またLEDの駆動電流を発光部へ広く拡散させる電
流拡散の役目を担うため、禁止帯幅が大きく透明で且つ
低抵抗の導電性を有する金属酸化物等の材料から構成す
る必要がある。例えば、特開平11−17220には、
DH構造の発光部を含む半導体層の上に砒化ガリウム
(GaAs)からなるコンタクト層を設け、該コンタク
ト層上に酸化インジウム・錫(ITO)からなる導電透
光酸化層を設けたAlGaInPLEDが記載されてい
る。このAlGaInPLEDでは、GaAsからなる
コンタクト層は、LEDの半導体層の表面の台座電極の
射影領域(すなわち半導体層の表面の平面的に見て台座
電極と重なる領域)以外の領域、つまり半導体層の表面
の発光を外部へ取出せる領域(開放発光領域)に一様に
万遍なく敷設される構成となっている。さらに、このL
EDでは、コンタクト層上に重ねて導電透光酸化層が形
成されている。そしてこのAlGaInPLEDでは、
LEDの駆動電流は台座電極から導電透光酸化層を通っ
てコンタクト層さらに半導体層に流れ、LEDの発光部
を発光させるようになっており、発光部の発光は、コン
タクト層と導電透光酸化層を介してLEDの外部に取り
出されるようになっている。
術に開示されるAlGaInPLEDでは、コンタクト
層をなすGaAsの禁止帯幅がAlGaInPからなる
発光層から放射される発光のエネルギーより小さく、ま
たGaAsからなるコンタクト層が開放発光領域の全域
に敷設されているために、発光のかなりの部分がコンタ
クト層に吸収されてしまい、AlGaInPLEDの高
輝度化を果たせないという問題があった。
成しないでコンタクト層上に直接オーミック接触を得ら
れる金属電極を形成したときのAlGaInPLEDの
順方向電圧(Vf:但し順方向電流が20mAのときの
値)は、一般に約2V程度である。しかし、GaAsか
らなるコンタクト層上にITOからなる透明導電膜を直
接形成した上記のAlGaInPLEDのVf(順方向
電圧=20mA)は、5Vを越える場合もある。すなわ
ち、透明導電膜をコンタクト層の表面に直接接合させる
従来のAlGaInPLEDでは、Vfが低いAlGa
InPLEDを作製することができないという問題があ
った。
EDの問題点を解決し、高輝度のAlGaInPLED
を提供することを目的とする。すなわち本発明は、
(イ)順方向電圧(Vf)を高くすることなく、LED
の駆動電流を発光部へ広く拡散させる透明導電膜をLE
Dの半導体層上に形成することができ、かつ(ロ)LE
Dの発光部からの発光を外部へ効率よく取り出すことが
できるAlGaInPLEDの電極の構造を明らかに
し、もって高輝度のAlGaInPLEDを提供するも
のである。
電極が形成された第1導電型の砒化ガリウム(GaA
s)単結晶からなる基板と、該基板上に積層されたリン
化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaIn
P)からなる発光部を含む半導体層と、該半導体層の表
面の一部に設けられた第2導電型のコンタクト層と、該
コンタクト層上に形成された金属被膜からなるオーミッ
ク電極と、前記半導体層、コンタクト層およびオーミッ
ク電極を覆って形成された透明導電膜と、該透明導電膜
の表面の一部に形成された台座電極とを少なくとも具備
するAlGaInP発光ダイオードである。
状と、前記オーミック電極の平面形状とが実質的に同一
であることを特徴とする。
ルミニウム・ガリウム(AlZGa1-ZAs:0≦Z≦
1)とすることができる。また本発明では、前記コンタ
クト層は、AlGaInPとすることができる。
オーミック電極が、前記半導体層の表面の前記台座電極
の射影領域には設けられていないことが望ましい。
InPLEDの平面構造を示す模式図である。また図2
は、図1に示すAlGaInPLEDの破線X−Yに沿
った断面構造を示す模式図である。図1、2を用いて本
発明を説明する。
は、裏面に第1の電極112が形成された第1導電型の
砒化ガリウム(GaAs)単結晶からなる基板101
と、該基板101上に積層されたリン化アルミニウム・
ガリウム・インジウム(AlGaInP)からなる発光
部10Bを含む半導体層10Aと、該半導体層10Aの
表面の一部に設けられた第2導電型のコンタクト層10
7と、該コンタクト層107上に形成された金属被膜か
らなるオーミック電極108と、前記半導体層10A、
コンタクト層107およびオーミック電極108を覆っ
て形成された透明導電膜110と、該透明導電膜の表面
の一部に形成された台座電極111とを具備するAlG
aInP発光ダイオードである。すなわち、図1、2に
示すAlGaInPLED10は、請求項1に記載の構
成を有するAlGaInP発光ダイオードである。
の手順により作製することができる。 (1)第1導電型(n形或いはp形)のGaAs単結晶
基板101上に、GaAsからなる緩衝層102、Ga
AlAsからなるブラッグ反射層(DBR層)103お
よびそれぞれAlGaInPからなる下部クラッド層1
04、発光層105、上部クラッド層106を積層す
る。さらに上部クラッド層106の上には第2導電型
(p形或いはn形)のGaAsからコンタクト層107
を形成する。これらの層102〜107は、有機金属化
学気相堆積法(MOCVD法)により積層する。なお、
上記のLED10の発光部10Bは、それぞれAlGa
InPからなる下部クラッド層104、発光層105お
よび上部クラッド層106からなる。また本明細書で
は、上記の基板101上に積層された層のうち、コンタ
クト層107を除いた層、すなわち層102〜106を
あわせて半導体層10Aと呼ぶ。また、上記の上部クラ
ッド層106は、LEDの駆動電流を横方向に拡散させ
て広げる効果を有する。 (2)次に、第2導電型のコンタクト層107の表面上
に、GaAsとオーミック接触を形成する金属からなる
金属被膜を真空蒸着法等により被着させる。 (3)次に、周知のフォトリソグラフィー(写真食刻)
技術およびエッチング技術を施して、コンタクト層10
7の表面の一部の所望の位置に金属被膜を残存させる。
この金属被膜が合金化のための熱処理によりオーミック
電極108となる。 (4)続けて、上記金属被膜を残存させた位置のコンタ
クト層107を除く、それ以外の部分のコンタクト層1
07をエッチングで除去する。これにより、半導体層1
0Aの表面の一部の所望の位置に、金属被膜が表面に載
ったコンタクト層107が形成される。 (5)次に、導電性の金属酸化物からなる透明導電膜1
10を、前記半導体層10Aの表面およびコンタクト層
107、金属被膜(すなわちオーミック電極108)を
覆って形成する。 (6)次に、透明導電膜110の表面の一部の所望の位
置に台座電極111を形成する。 (7)また、GaAs単結晶基板101の裏面には、第
1の電極112を形成する。ここで、第1の電極112
およびオーミック電極108は、合金化のための熱処理
によりそれぞれオーミック接触を形成する。以上のよう
にして、本発明のAlGaInPLED10を作製でき
る。
層10Aの表面上の所定の位置に残置させたコンタクト
層107の表面に、コンタクト層107とオーミック接
触を形成する金属被膜を堆積させて作製する。オーミッ
ク電極108を構成するのに都合の良い金属には、コン
タクト層がn形のAlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)或い
はn形の(AlXGa1-X)CIn1-CP(0≦X≦1、0
≦C≦1)の場合、金(Au)や金・ゲルマニウム(A
u・Zn)、金・錫(Au・Sn)、金・インジウム
(Au・In)合金が挙げられる。また、コンタクト層
がp形のAlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)やGa0.51I
n0. 49Pまたは(AlXGa1-X)0.5In0.5Pの場合、
金・亜鉛(Au・Zn)や金・ベリリウム(Au・B
e)合金などがオーミック電極108の金属材料として
利用できる。また、オーミック電極108をなす金属被
膜は、一般的な真空蒸着法、高周波スパッタリング法、
化学的気相堆積(CVD)法等の手段により形成でき
る。
の膜厚は、概ね10nm以上500nm以下とするのが
好都合である。金属被膜が極端に薄膜であると、金属被
膜が充分な連続膜とはならず、良好なオーミック接触の
特性を発揮するオーミック電極108が形成出来なくな
る。また、金属被膜の膜厚を極端に大とすると、オーミ
ック電極108とコンタクト層107とを覆って形成さ
れる透明導電膜110と半導体層10Aとの密着性が、
金属被膜の端部で悪くなる。従って、金属被膜すなわち
オーミック電極108の最適な層厚は、およそ10〜5
00nmである。
に形成するコンタクト層107の平面形状と、該コンタ
クト層107上に形成するオーミック電極108の平面
形状とを、実質的に同一とするのが好ましい。例えば、
半導体層10Aの表面上に残置させるコンタクト層10
7の平面形状が正方形であれば、その上に設置するオー
ミック電極108も正方形とする。円形のコンタクト層
107上には、実質的に同一の円形のオーミック電極1
08を冠する。すなわち本発明では、オーミック電極1
08は、半導体層10Aの表面上の一部に残置されたコ
ンタクト層107の表面の全面に敷設するようにするの
が好ましい。このようにすると、半導体層10Aの表面
上にコンタクト層およびオーミック電極をエッチングに
より残置させて形成する際、同一のマスキング材を使う
ことができるため、LEDの作製が容易となる利点があ
る。
ルミニウム・ガリウム(AlZGa1-ZAs:0≦Z≦
1)から構成することができる。AlZGa1-ZAs(0
≦Z≦1)は、LEDの発光部をなす(AlXGa1-X)
0.5In0.5Pと良好な格子整合の関係にあるため、格子
不整合性に起因する結晶欠陥等の少ない結晶性に優れる
コンタクト層107が構成できる。ここでコンタクト層
107を構成するAlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)層の
伝導形は、コンタクト層107の直下の例えば上部クラ
ッド層等の伝導形に一致させれば良い。例えば、n形の
上部クラッド層の上にはn形のAlZGa1-ZAs(0≦
Z≦1)からなるコンタクト層を堆積する。また、本発
明においては、半導体層10Aの表面のコンタクト層1
07が残置されている部分は、LEDの発光部10Bか
らの発光が金属被膜からなるオーミック電極108によ
って遮蔽され、発光が外部に取り出せない領域である。
従って、発光層105からの発光を透過する高い禁止帯
幅を有する高いアルミニウム組成比(=Z)のAlZG
a1-ZAsからコンタクト層107を構成する必要はな
い。むしろ、接触抵抗が低くなるアルミニウム組成比
(=Z)が比較的小さいAl ZGa1-ZAsから、コンタ
クト層107を構成するのが望ましい。コンタクト層1
07を構成するAlZGa1-ZAsは、バンド構造が間接
遷移型とならないよう、少なくともアルミニウム組成比
(=Z)が0.42よりも小とするのが適当である。特
にZを0とした、即ちGaAs(禁止帯幅=1.43e
V)からコンタクト層を構成するのが好適である。
形或いはp形のAlGaInP((AlXGa1-X)CI
n1-CP:0≦X≦1、0≦C≦1)から構成すること
ができる。(AlXGa1-X)CIn1-CPは、インジウム
組成比(=1−C)を制御することにより発光部を構成
する(AlXGa1-X)0.5In0.5Pと良好な格子整合が
得られるため、結晶性に優れるコンタクト層107を構
成できる。コンタクト層107の(AlXGa1-X)CI
n1-CPの伝導形は、コンタクト層107の直下の例え
ば上部クラッド層等の伝導形と一致させればよい。コン
タクト層107は、発光層105からの発光に対して透
明である必要が無いため、コンタクト層107の禁止帯
幅は発光層105の禁止帯幅よりも小さくてもよく、従
ってコンタクト層107をなす(AlXGa1-X)CIn
1-CPのアルミニウム組成比(=X)は、例えばX=0
も許容される。上記のようにコンタクト層107をAl
ZGa1-ZAs或いは(AlXGa1-X)CIn1-CPのいず
れで構成する場合でも、コンタクト層107のキャリア
濃度としては1×1017cm-3以上1×1019cm-3以
下程度とするのが好ましい。また、導電型の制御のため
にコンタクト層に添加する不純物としては、p型不純物
としてはZnやMgを、またn型不純物としてはSiや
Seを用いるのが好ましい。さらにコンタクト層の層厚
は、50〜500nmとするのが望ましい。
域に広がるように、コンタクト層107およびその上に
形成したオーミック電極108を、例えば半導体層10
Aの表面の開放発光領域に分配させて配置する。開放発
光領域とは、半導体層10Aの表面の平面的に見て台座
電極111と重ならない領域、つまり半導体層の表面の
台座電極111に遮蔽されずに発光を外部に取り出すこ
とが可能である領域を云う。コンタクト層107および
その上に形成したオーミック電極108を開放発光領域
の所望の領域に設けるには、例えば開放発光領域の所望
の領域にのみ金属被膜を冠するコンタクト層107を残
置させるようにフォトリソグラフィー技術によりパター
ニングを施し、湿式エッチング或いはプラズマ(pla
sma)エッチングにより加工を施せばよい。コンタク
ト層107およびオーミック電極108を開放発光領域
に分配して配置することにより、LEDの駆動電流がオ
ーミック電極108を通して開放発光領域の下の発光部
に広げられるため、外部への発光の取り出し効率を向上
させ、高輝度のAlGaInPLEDを得るに効果があ
る。
よびオーミック電極108が、半導体層10Aの表面の
台座電極111の射影領域には設けられていないことが
望ましい。ここで半導体層10Aの表面の台座電極11
1の射影領域とは、半導体層の表面の平面的に見て台座
電極と重なる領域をいう。本発明のLED10では、L
EDの駆動電流が台座電極111の直下にある発光部に
流れてそこで発光が起こっても、その発光は台座電極1
11に遮蔽されて外部に取り出せない。従って、LED
の駆動電流をLEDの外部に取り出せる発光に効率良く
変換するには、LEDの駆動電流は台座電極111の射
影領域以外の領域(すなわち開放発光領域)でのみ発光
部に流通するようにするのが望ましい。本発明では、コ
ンタクト層107が残置された領域を除く半導体層10
Aの表面においては、透明導電膜110と半導体層10
Aとが直接接触させる構造とする。この透明導電膜11
0と半導体層10Aとの接触は、オーミック接触を形成
せず接触抵抗が高いため、透明導電膜110と半導体層
10Aとが直接接触する部分では、LEDの駆動電流の
流通が阻害される。従って、コンタクト層107および
オーミック電極108が、すべて半導体層10A表面の
台座電極111の射影領域以外の領域に設けられてい
て、台座電極111の射影領域には設けられていなけれ
ば、LEDの駆動電流が台座電極111の直下にある発
光部に流れることを阻止でき、駆動電流を台座電極11
1の射影領域以外の領域のみで発光部に流通するように
できる。その結果、外部へ発光を効率よく取り出すこと
ができるLEDを作製することができる。
して透明である必要があるため、透明導電膜110は、
発光波長に対応するエネルギーより大きい禁止帯幅を有
する金属酸化物材料から構成するのが好ましい。特に本
発明のLEDではAlGaInPを発光部とするため、
透明導電膜110は禁止帯幅を3eV以上とする金属酸
化物材料から構成するのが望ましい。また、本発明の透
明導電膜110は発光を外部に透過すると共に、透明導
電膜110の表面に設ける台座電極111から供給され
るLED駆動電流をオーミック電極108に都合良く導
通させる作用を担うものである。従って、透明導電膜1
10は抵抗率の低い導電性の金属酸化物層から構成する
必要がある。本発明では、透明導電膜は、抵抗率を1×
10-3Ω・cm以下とする低抵抗率の導電性の金属酸化
物層から構成するのが好ましい。
動電流を台座電極からオーミック電極まで導通する透明
導電膜110は、酸化インジウム・錫(ITO)、酸化
インジウム(In2O3)、または酸化錫(SnO2)な
どから構成できる。例えば、抵抗率を5×10-4Ωcm
以下とする多結晶のITOからは、好適な透明導電膜1
10が形成できる。また、ガリウム(Ga)またはイン
ジウム(In)等のIII族元素を添加して抵抗率を2
〜3×10-4Ωcm以下に低減した酸化亜鉛(ZnO)
から透明導電膜110を構成することもできる。ITO
からなる透明導電膜110は、通常の高周波スパッタ
法、真空蒸着法等の物理的堆積法や化学的堆積(CV
D)法などにより作製できる。また、ターゲット材料の
表面にレーザ光を照射するレーザアブレーション法でも
形成できる。また、ITOの成分を含む懸濁液を塗布す
る手段によっても形成できる。また透明導電膜110の
抵抗率は、一般的なホール(Hall)効果測定法によ
り計測できる。また、Hall効果測定法に依れば、透
明導電膜のキャリア濃度や移動度も知ることができる。
透明導電膜110を構成する金属酸化物層の膜厚は、発
光波長に対し最大の透過率を与える層厚に設定するのが
好ましい。例えば、ITOから透明導電膜110を構成
した場合、発光波長を約620nmとする発光を透過す
るのに好都合な膜厚は、ITOの組成に依る屈折率の変
動を考慮すると600nm程度である。
LEDの駆動電流は、台座電極から透明導電膜を通って
オーミック電極へ流れ、さらにコンタクト層を通って半
導体層の中の発光部に流れる。ここで、半導体層に流入
したLEDの駆動電流は、電流を拡散する効果を有する
層、例えば上部クラッド層やその他電流を拡散する目的
で特に設けられる層により、オーミック電極およびコン
タクト層の周辺で広がって発光層に流れる。すなわちL
EDの駆動電流は、オーミック電極およびコンタクト層
を中心にその周辺で半導体層の発光部に広がって、LE
Dを発光させる。一方、本発明のAlGaInP発光ダ
イオードでは、透明導電膜と半導体層とが直接接合する
部分では、LEDの駆動電流の流通が阻害される。従っ
て本発明のAlGaInP発光ダイオードでは、LED
の駆動電流が開放発光領域の下の発光部の全域に広がる
ように、コンタクト層およびその上に形成したオーミッ
ク電極を半導体層の表面に分配させて配置することによ
り、LEDの駆動電流を開放発光領域の下の発光部の全
域に広げ、LEDの開放発光領域の全面を発光させるこ
とができる。
ック電極は、発光部の発光に対して透明ではないが、コ
ンタクト層およびオーミック電極を残置する部分を半導
体層の表面の一部分とすることにより、半導体層表面の
コンタクト層およびオーミック電極のない領域から、透
明導電膜を介して発光部の発光をLEDの外部に取り出
すことができる。本発明では、上部クラッド層にLED
の駆動電流の電流拡散の作用を持たせても良い。また上
部クラッド層とコンタクト層の間に、LEDの駆動電流
の電流拡散の作用を有する電流拡散層を設けてもよい。
細に説明する。図3は本実施例1に係わるAlGaIn
PLED30の平面構造を示す模式図である。また図4
は、図3に示すAlGaInPLED30の破線A−
A’に沿った断面構造を示す模式図である。
n)ドープでp形の(001)面を有するGaAs単結
晶基板301上に、順次Znドープのp形GaAsから
なる緩衝層302、Znドープのp形(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pからなる下部クラッド層303、
アンドープのn形(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pから
なる発光層304、Siドープのn形(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pからなる上部クラッド層305及
びSiドープのn形GaAsからなるコンタクト層30
6を積層し、エピタキシャルウェハを形成した。このL
ED30の発光部は、それぞれAlGaInPからなる
下部クラッド層303、発光層304および上部クラッ
ド層305からなる。また上記の基板301上に積層さ
れた層のうち、コンタクト層306を除いた層、すなわ
ち層302〜305をあわせて半導体層と呼ぶ。上記の
各層302〜306は、トリメチルアルミニウム((C
H3)3Al)、トリメチルガリウム((CH3)3Ga)
およびトリメチルインジウム((CH3)3In)をII
I族構成元素の原料とし、アルシン(AsH3)および
ホスフィン(PH3)をV族構成元素の原料として、減
圧MOCVD法により730℃で成長した。亜鉛(Z
n)のドーピング原料には、ジエチル亜鉛((C2H5)
2Zn)を利用した。又、珪素(Si)のドーピング原
料には、ジシラン(Si2H6)を利用した。
×1018cm-3とし、層厚は約0.5μmとした。下部
クラッド層303のキャリア濃度は約3×1017cm-3
とし、層厚は約1μmとした。引き続き730℃で成膜
した発光層の304のキャリア濃度は約5×1016cm
-3とし、層厚は約0.3μmとした。また、n形上部ク
ラッド層305のキャリア濃度は約1×1018cm-3と
し、層厚は約3μmとした。n形コンタクト層306の
層厚は約100nmとし、キャリア濃度は約2×1018
cm-3とした。
したエピタキシャルウェハの両面に電極を形成した。す
なわち、まず上記のエピタキシャルウェハのn形コンタ
クト層306の全面に一旦、一般的な真空蒸着法により
金(Au)・ゲルマニウム(Ge)合金(Au93重量
%・Ge7重量%)からなる金属被膜を被着した。この
金属被膜の厚さは約100nmとした。次に、有機フォ
トレジスト材をマスキング材として用いる一般的なフォ
トリソグラフィー技術およびエッチング技術により、コ
ンタクト層306の表面の所望の位置に限り金属被膜を
残置させ、それ以外の金属被膜をエッチングで除去し
た。この金属被膜が合金化のための熱処理によりオーミ
ック電極307となる。本実施例1では、コンタクト層
上の金属被膜(すなわちオーミック電極307)を残置
させた位置は、図3に示すように、台座電極310の周
囲にLED30の4辺それぞれに沿って、互いに間隔L
を50μmとし等間隔に離して、計12箇所とした。ま
た残置させた金属被膜の形状は、一辺を20μmとする
正方形とした。
て、フッ酸(HF)/過酸化水素(H 2O2)/純水(H
20)混合エッチング溶液により、金属被膜を残置させ
た領域以外にあるGaAsコンタクト層をエッチングで
除去した。そして金属被膜を残置させてある位置に限り
コンタクト層306を残置させた。この結果、金属被膜
及びコンタクト層306の平面形状は実質的に同一の正
方形となった。
タクト層306及びコンタクト層306が残置する以外
の領域に於いて露出している上部クラッド層305の表
面を覆って、酸化インジウム・錫(ITO)からなる透
明導電膜308を形成した。ITOからなる透明導電膜
308は、室温での比抵抗を約3×10-4Ω・cmとす
るn形の層であり、その層厚は約600nmとした。マ
グネトロンスパッタリング法により成膜したITOは、
一般的なX線回折分析法に依れば、<0001>方向
(C軸)方向に優先的に配向した多結晶層であった。
なフォトレジスト材料を塗布した後、台座電極310を
設けるべき領域を公知のフォトリソグラフィー技術を利
用してパターニングした。然る後、パターニングを施し
たレジスト材料を残置させたままで、レジスト材料の表
面の全面にチタン(Ti)を、続けて金(Au)を真空
蒸着した。その後、レジスト材料を剥離するに併せて、
台座電極310の形成予定領域外に在るTi・Au被膜
を周知のリフト−オフ(lift−off)手段を利用
して除去した。これより、直径を約110μmとする円
形の台座電極310を透明導電膜308上に形成した。
その後、コンタクト層306上に残置した金属被膜を熱
処理によりオーミック電極307とした。
面には、金・亜鉛(Au97重量%・Zn3重量%)合
金からなる被膜を被着させ、p形の第1の電極311を
形成した。このAu・Zn合金被膜は一般的な真空蒸着
法により形成し、その層厚は約1.5μmとした。上記
のようにしてエピタキシャルウェハの両面に電極を形成
した後、一般的なダイシング(dicing)手段及び
スクライブ手段を併用して、エピタキシャルウェハを一
辺を約250μmとする個別素子(チップ)に分割し
て、AlGaInPLED30を作製した。
LED30の台座電極310及びp形電極311間に、
順方向に20ミリアンペア(mA)の電流を通流したと
ころ、赤橙色の発光が得られた。このLEDのチップ状
態での発光強度は、約32ミリカンデラ(mcd)であ
り、分光器により測定された発光の中心波長は約620
nmであった。また、発光スペクトルの半値幅(FWH
M)は約20nmであり、単色性に優れる発光が得られ
た。また、順方向電流を20mA流すときの順方向電圧
は約2.2ボルト(V)であった。このLEDからの発
光は、上部クラッド層305の表面の開放発光領域の全
面から透明導電膜308を介してほぼ均一に観察され
た。
InPLED40の平面模式図を図5に示す。また、図
5に示すAlGaInPLED40の破線B−B’に沿
った断面模式図を図6に示す。
i)ドープでn形の(001)面を有するGaAs単結
晶基板401上に、順次Siドープでn形のGaAsか
らなる緩衝層402、何れもSiをドーピングしたn形
のAl0.40Ga0.60As層及びAl0.95Ga0.05As層
を交互に12周期積層させてなるブラッグ反射層40
3、Siドープでn形の(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5
Pからなる下部クラッド層404、アンドープのn形の
(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5P混晶からなる発光層4
05、マグネシウム(Mg)をドーピングしたp形の
(Al0.7Ga0.3)0. 5In0.5Pからなる上部クラッド
層406及び亜鉛(Zn)ドープのp形Ga0. 5In0.5
Pからなるコンタクト層407を積層し、エピタキシャ
ルウェハを作製した。このLED40の発光部は、それ
ぞれAlGaInPからなる下部クラッド層404、発
光層405および上部クラッド層406からなる。また
上記の基板401上に積層された層のうち、コンタクト
層407を除いた層、すなわち層402〜406をあわ
せて半導体層と呼ぶ。該エピタキシャルウェハの各層4
02〜407は、トリメチルアルミニウム((CH3)3
Al)、トリメチルガリウム((CH3)3Ga)または
トリメチルインジウム((CH3)3In)をIII族構
成元素の原料とし、アルシン(AsH3)またはホスフ
ィン(PH3)をV族構成元素の原料として、減圧MO
CVD法により730℃で成膜した。また、珪素(S
i)のドーピング原料には、ジシラン(Si2H6)を利
用した。マグネシウム(Mg)のドーピング原料にはビ
スシクロペンタジエニルマグネシウム(bis−(C5
H5)2Mg)を利用した。亜鉛(Zn)のドーピング原
料には、ジエチル亜鉛((C2H5)2Zn)を利用し
た。
×1018cm-3とし、層厚は約1μmとした。ブラッグ
反射層403を構成するAl0.40Ga0.60As層及びA
l0.95Ga0.05As層の層厚は双方共に約40nmと
し、キャリア濃度は約1×1018cm-3とした。下部ク
ラッド層404のキャリア濃度は約2×1018cm-3と
し、層厚は約3μmとした。引き続き730℃で成膜し
た発光層の405のキャリア濃度は約8×1016cm-3
とし、層厚は約15nmとした。また、Mgドープp形
上部クラッド層406のキャリア濃度は約1×1018c
m-3とし、層厚は約3μmとした。Znドープp形コン
タクト層407の層厚は約100nmとし、キャリア濃
度は約2×1018cm-3とした。
したエピタキシャルウェハの両面に電極を形成した。す
なわち、まず上記のエピタキシャルウェハのp形コンタ
クト層407の全面に一旦、一般的な真空蒸着法により
金(Au)・亜鉛(Zn)合金(Au97重量%・Zn
3重量%)からなる金属被膜を被着した。金属被膜の厚
さは約100nmとした。次に、有機フォトレジスト材
をマスキング材として用いる一般的なフォトリソグラフ
ィー技術およびエッチング技術により、コンタクト層4
07の表面の所望の位置に限り金属被膜を残置させ、そ
れ以外の金属被膜をエッチングで除去した。この金属被
膜が合金化のための熱処理によりオーミック電極408
となる。本実施例2では、コンタクト層上の金属被膜
(すなわちオーミック電極408)を残置させた位置
は、図5に示すように、台座電極410の周囲に同心円
状に等間隔に離して計8箇所とした。また残置させた金
属被膜の形状は、直径を20μmとする円形とした。
て、塩酸(HCl)エッチング液により、金属被膜を残
置させた領域以外にあるGa0.5In0.5Pコンタクト層
をエッチングして除去した。そして金属被膜を残置させ
てある位置に限りコンタクト層407を残置させた。こ
の結果、金属被膜及びコンタクト層407の平面形状は
実質的に同一の円形となった。
タクト層407及びコンタクト層407が残置する以外
の領域に於いて露出している上部クラッド層406の表
面を覆って、酸化インジウム・錫(ITO)からなる透
明導電膜409を形成した。ITOからなる透明導電膜
409は、室温での比抵抗を約4×10-4Ω・cmとす
るn形の層であり、その層厚は約600nmとした。マ
グネトロンスパッタリング法により成膜したITOは、
一般的なX線回折分析法に依れば、<0001>方向
(C軸)方向に優先的に配向した多結晶層であった。
なフォトレジスト材料を塗布した後、台座電極410を
設けるべき領域を公知のフォトリソグラフィー技術を利
用してパターニングした。然る後、パターニングを施し
たレジスト材料を残置させたままで、レジスト材料の表
面の全面にチタン(Ti)を、続けて金(Au)を真空
蒸着した。その後、レジスト材料を剥離するに併せて、
台座電極410の形成予定領域外に在るTi・Au被膜
を周知のリフト−オフ(lift−off)手段を利用
して除去した。これより、直径を約110μmとする円
形の台座電極410を透明導電膜409上に形成した。
その後、コンタクト層407上に残置した金属被膜を熱
処理によりオーミック電極408とした。
面には、金・ゲルマニウム(Au95重量%・Ge5重
量%)合金からなる被膜を被着させ、n形の第1の電極
411となした。このAu・Ge合金被膜は一般的な真
空蒸着法により形成し、その層厚は約1.2μmとし
た。上記のようにしてエピタキシャルウェハの両面に電
極を形成した後、一般的なダイシング(dicing)
手段及びスクライブ手段を併用して、エピタキシャルウ
ェハを一辺を約250μmとする個別素子(チップ)に
分割して、AlGaInPLED40を作製した。
LED40の台座電極410及びn形電極411間に、
順方向に20ミリアンペア(mA)の電流を通流したと
ころ、赤橙色の発光が得られた。このLEDのチップ状
態での発光強度は、約76ミリカンデラ(mcd)であ
り、分光器により測定された発光の中心波長は約620
nmであった。また、発光スペクトルの半値幅(FWH
M)は約20nmであり、単色性に優れる発光が得られ
た。また、順方向電流を20mA流すときの順方向電圧
は約2.1ボルト(V)であった。このLEDからの発
光は、上部クラッド層406の表面の開放発光領域の全
面から透明導電膜409を介してほぼ均一に観察され
た。
高輝度のAlGaInPLEDが提供できる。特にコン
タクト層およびオーミック電極を、半導体層表面の台座
電極の射影領域以外の開放発光領域に散在させて設ける
と、発光を外部に取り出すことが可能な開放発光領域の
下の発光部に優先的にLEDの駆動電流を流通できるた
め、高輝度のAlGaInP発光ダイオ−ドが得られ
る。
を、台座電極の周囲にLEDの4辺それぞれに沿って等
間隔に配置したり、台座電極の周囲に同心円状に等間隔
に配置したりして、開放発光領域に互いに等間隔に分配
して配置すると、開放発光領域に均等にLEDの動作電
流を分配でき、LED表面の発光強度分布の均一な高輝
度のAlGaInP発光ダイオ−ドが得られる。
ミック電極の平面形状を実質的に同一としたので、半導
体層の表面上にコンタクト層およびオーミック電極をエ
ッチングにより形成する際、同一のマスキング材を使う
ことができるため、LEDの作製が容易となる利点があ
る。また本発明において、オーミック電極を設けるため
に開放発光領域に分配して配置するコンタクト層をn形
或いはp形のAlZGa1-ZAs(0≦Z≦1)から構成
すれば、接触抵抗の低いオーミック電極が形成でき、従
って、順方向電圧が低く安定したAlGaInP発光ダ
イオードが提供できる。また本発明において、オーミッ
ク電極を設けるためのコンタクト層をn形或いはp形の
(AlXGa1-X)CIn1-CP(0≦X≦1、0≦C≦
1)から構成すれば、接触抵抗の低いオーミック電極が
形成でき、従って、順方向電圧が低く安定したAlGa
InP発光ダイオードが提供できる。
造を示す模式図である。
に沿った断面構造を示す模式図である。
EDの平面構造を示す模式図である。
A’に沿った断面構造を示す模式図である。
EDの平面構造を示す模式図である。
B’に沿った断面構造を示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】裏面に第1の電極が形成された第1導電型
の砒化ガリウム(GaAs)単結晶からなる基板と、該
基板上に積層されたリン化アルミニウム・ガリウム・イ
ンジウム(AlGaInP)からなる発光部を含む半導
体層と、該半導体層の表面の一部に設けられた第2導電
型のコンタクト層と、該コンタクト層上に形成された金
属被膜からなるオーミック電極と、前記半導体層、コン
タクト層およびオーミック電極を覆って形成された透明
導電膜と、該透明導電膜の表面の一部に形成された台座
電極とを少なくとも具備するAlGaInP発光ダイオ
ード。 - 【請求項2】前記コンタクト層の平面形状と、前記オー
ミック電極の平面形状とが実質的に同一であることを特
徴とする請求項1に記載のAlGaInP発光ダイオー
ド。 - 【請求項3】前記コンタクト層が、砒化アルミニウム・
ガリウム(AlZGa1-ZAs:0≦Z≦1)からなるこ
とを特徴とする請求項1乃至2に記載のAlGaInP
発光ダイオード。 - 【請求項4】前記コンタクト層が、AlGaInPから
なることを特徴とする請求項1乃至2に記載のAlGa
InP発光ダイオード。 - 【請求項5】前記コンタクト層およびオーミック電極
が、前記半導体層の表面の前記台座電極の射影領域には
設けられていないことを特徴とする請求項1乃至4に記
載のAlGaInP発光ダイオード。
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-
1999
- 1999-12-07 JP JP34764699A patent/JP4439645B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN113517382B (zh) * | 2021-04-23 | 2023-02-24 | 錼创显示科技股份有限公司 | 微型发光二极管及显示面板 |
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