JP2001165931A - インスリン様成長因子の免疫学的測定方法 - Google Patents

インスリン様成長因子の免疫学的測定方法

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JP2001165931A
JP2001165931A JP37628799A JP37628799A JP2001165931A JP 2001165931 A JP2001165931 A JP 2001165931A JP 37628799 A JP37628799 A JP 37628799A JP 37628799 A JP37628799 A JP 37628799A JP 2001165931 A JP2001165931 A JP 2001165931A
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acid
insulin
growth factor
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igf
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Yasuyuki Kosaka
靖幸 小坂
Shunsuke Takeshima
俊介 竹嶋
Masako Kawase
雅子 川瀬
Tamotsu Aida
保 合田
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KAINOSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体試料中のインスリン様成長因子(IGF)
の量を高い精度で正確に免疫学的に測定することがで
き、とりわけ測定にあたって、煩雑な操作および特別な
機械を必要とせず、また試薬の保存・取扱いも容易であ
り、大量の検体について簡便な測定が可能であり、さら
に、試験費用が低く経済的にも有利な測定方法を提供す
る。 【解決手段】IGFの免疫学的測定方法において、その
免疫学的測定に先立ち、生体試料を酸性化処理して、I
GF結合蛋白質からIGFを遊離させ、続いて該試料
を、ナフタレン、p−クロロベンゼンスルホン酸、5−
スルホサリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒアルロン
酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、1−ナフタレン
スルホン酸、1−アミノ−8−ナフタレンスルホン酸、
8−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホネー
ト、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、コール
酸、デオキシコール酸、EDTAおよびこれらの塩から
なる群より選択される再結合阻害剤を含有する緩衝液で
中和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリン様成長
因子の免疫学的測定方法に関し、より詳しくは、生体試
料中のインスリン様成長因子を経済的でかつ簡便に定量
することができる測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成長ホルモンは、従来より、成長不全お
よび成長ホルモン分泌異常症、例えば下垂体機能低下
症、下垂体性小人症、末端肥大症などの成長不全疾患の
医学的診断において用いられているが、その量の測定
は、成長ホルモンの血中濃度の日内変動並びにストレス
等による変動が相当に大きくみられるため、診断に利用
するには、難しい面があった。一方、骨の成長などにお
いて成長ホルモンと共同で作用するIGF−I、IGF
−IIなどのインスリン様成長因子、特にIGF−I
は、その血中濃度の日内変動が殆ど無いほどに緩和であ
り、また半減期も長いことから、成長不全疾患の診断に
高い臨床的意義を持つことが知られており、従って、成
長ホルモン量の測定に代えて、インスリン様成長因子I
GF−Iの測定が行われている。従来のインスリン様成
長因子の測定法としては、放射受容体測定法(R.M.
Marshall,Journal of Clini
cal Endocrinology and Met
abolism,Vol.39,pp.238−29
2)、競合的免疫測定法(Furlanetto,Jo
urnal ofClinical lnvestig
ation,Vol.60,pp.648−657)、
および放射免疫測定法(Nature Vol.25
6,pp.495−497,1957、特開昭64−3
561号)など、種々の方法が提案されている。
【0003】ところで、血清中には、IGF−I、IG
F−IIなどの保護および制御に深く関与するインスリ
ン様成長因子結合蛋白質(IGFBP、以下、単に「結
合蛋白質」と称する場合もある。)が存在し、これはI
GFと複合体を形成していることが知られている。これ
らの結合蛋白質は、インスリン様成長因子と比較して分
子量が非常に大きく、これらが共存すると、正確にイン
スリン様成長因子を測定する際に大きな障害となるの
で、測定に先立ち、前処理としてインスリン様成長因子
を結合蛋白質から分離することが必要とされる。この前
処理としては、酸性下ゲルクロマトグラフィー法(J.
Zapf,Journal of Clinical
Investigation,Vol.68,pp.1
321−1330,1981;Dr.Powell,J
ournal of Clinical Endocr
inology and Metabolism,Vo
l.63,pp.1186−1192,1986)、酸
エタノール抽出法(W.H.Daughaday,Jo
urnal of Clinical Endocri
nology and Metabolism,Vo
l.51,pp.781−788,1980)などが従
来知られている。このうち、酸性下ゲルクロマトグラフ
ィー法は、分子量の違いを利用して、結合蛋白質とIG
F−Iとをカラム内で解離させ、その分離溶出した液を
中和測定する方法であるが、大量の検体処理が難しく、
日常の臨床検査に適していない。これに対し、酸エタノ
ール抽出法は、かかる前処理のうち、最もよく使用され
ている方法である。この方法は、初めに血清を塩酸−エ
タノール混合液と混合し、この酸によりIGF−Iを結
合蛋白質から解離し、次に、一定濃度のエタノールを添
加して、結合蛋白質を沈殿させ、次いで、遠心分離操作
により上澄みを分離採取し、その後、分取された上澄み
液のエタノール濃度を下げ、続いて、強酸の作用を緩衝
すべく、緩衝液を添加して上澄み液中の酸を完全に中和
稀釈し、その中和稀釈液を試料として免疫学的測定に用
いて、IGF−Iを測定する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の酸エタノール抽
出法は、現在、最も普及している測定法であり、特に、
公的機関により、この方法に従って得られるIGF−I
の測定値は、成長不良疾患の判断および治療における重
要な判断情報の一つとなっている。しかし、酸エタノー
ル抽出法は、遠心分離を伴う煩雑な処理操作がある上
に、その上澄み液の中和操作が必要であり、煩雑な手間
と各操作に各々別の試験管が必要なため、検体の大量処
理に向かないという欠点を有していた。しかも、この方
法は、遠心分離器などの機械を必要とするので、設備費
用の負担が大きい。また、酸エタノール抽出法は、遠心
分離後の上澄みの酸エタノール液をピペットで吸い上げ
る操作において、また酸エタノール液を稀釈する操作に
おいて、エタノールと水溶液との液性の違いに伴う液量
の計量誤差が測定値に少なからず影響を与え、しかも、
この上澄み液を採取する操作に長い時間を要するという
欠点もある。さらに、酸エタノール抽出法については、
抽出に用いる有機溶媒エタノールの免疫測定法への影
響、並びに、結合蛋白質が抽出液に残存することによる
測定値の減少などの影響もまた、報告されている。
【0005】一方、酸エタノール液を用いない前処理方
法としては、次の方法も提案されている。ブルムらは、
まず生体試料を酸溶液で処理して、インスリン様成長因
子(IGF−I)を結合蛋白質から遊離させ、次いで、
これを過剰量のIGF−IIを含む緩衝液で中和してイ
ンスリン様成長因子IGF−Iと結合蛋白質との再結合
を抑制することにより、検体中のIGF−I量を免疫学
的に測定する方法を提案している(W.F.Blum,
Acta Endocrinologica,Vol.
118,pp.374−380,1988;W.F.B
lum,1994,Third Internatio
nal Symposium on Insulin−
like Growth Factors,pp.11
−19)。この方法は、酸処理によってIGF−Iと結
合蛋白質とを解離させ、そしてIGF−Iと類似のIG
Fの添加により、結合蛋白質のIGF−Iとの再結合を
阻害せしめる方法である。しかし、この方法において
は、緩衝液に添加するIGF−IIを大量に準備する必
要があり、よって、この方法に従う商業的な試薬または
試薬キットは、費用の大変高いものとならざるを得ず、
従って、この方法は、安価な普及性の高い方法とはなり
得ない。その上、この方法では、IGF−Iの測定にお
いてIGF−IIに交差反応性の無い特異的な抗体を採
用する必要があり、抗体の選択に制約がある。
【0006】また、酸エタノール液を用いない他の前処
理方法は、特開平8−145998号公報にも、提案さ
れている。この公報は、生体試料を酸溶液で処理し、イ
ンスリン様成長因子を結合蛋白質から遊離させた後、8
−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸(ANS)、サ
リチル酸、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、ヘパリ
ンまたはその塩からなる再結合阻害剤を含む中和緩衝液
で、当該生体試料を中和することにより、インスリン様
成長因子と結合蛋白質との再結合を阻害し、そして検体
中のインスリン様成長因子の量を免疫学的に測定すると
いうインスリン様成長因子の測定方法を開示している。
しかし、この方法においては、ANSは上記の再結合阻
害剤のうち最も高感度であるけれども、光によって分解
しやすい性質を有するため、中和緩衝液の保存性が悪
く、その保存および使用には、格別の配慮並びに細心の
注意が必要とされ、試薬の取り扱いが不便であるという
欠点があった。
【0007】本発明は、上述した従来の事情を考慮して
なされたものであって、その課題とするところは、解離
されたインスリン様成長因子と結合蛋白質との再結合を
阻害し、生体試料中のインスリン様成長因子の量を高い
精度で免疫学的に測定することができるところのインス
リン様成長因子の測定方法を提供することにある。ま
た、本発明は、生体試料中のインスリン様成長因子の免
疫学的測定を行なうにあたって、煩雑な操作および特別
な機械を必要とせず、しかも試薬の保存および取扱いが
容易であり、大量の検体(生体試料)について簡便な測
定が可能であり、さらに試験費用が低く経済的にも有利
であるところのインスリン様成長因子の測定方法を提供
することにある。本発明のその他の課題は、特許請求の
範囲を含む明細書の記載を参照することにより、理解さ
れる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の技
術的課題を解決するべく鋭意研究した結果、インスリン
様成長因子の免疫学的測定を為す前に、生体試料を酸性
化処理することによりインスリン様成長因子結合蛋白質
からインスリン様成長因子を遊離させ、続いて、酸性化
処理された生体試料を、上記のANS等とは異なる他の
再結合阻害剤を含有する緩衝液で、即ちナフタレン、p
−クロロベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、
アセチルサリチル酸、ヒアルロン酸、1−ナフトール−
8−スルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−アミ
ノ−8−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1,3,
6−ナフタレントリスルホネート、1,3,6−ナフタ
レントリスルホン酸、コール酸、デオキシコール酸、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)およびこれらの塩か
らなる群より少なくとも一種選択された再結合阻害剤を
含有する緩衝液で中和すると、生体試料中のインスリン
様成長因子の量を誤差少なく正確に免疫学的に測定する
ことができ、とりわけ、煩雑な操作および特別な機械を
必要とせずに、大量の検体(生体試料)について簡便で
かつ低い費用での測定が可能であり、しかも試薬の保存
および取扱いが容易になることを見い出し、本発明を完
成した。
【0009】したがって、本発明は、生体試料中のイン
スリン様成長因子を免疫学的に測定する方法であって、
免疫学的測定に先立ち、生体試料を酸性化処理すること
によりインスリン様成長因子結合蛋白質からインスリン
様成長因子を遊離させ、続いて、酸性化処理された生体
試料を、再結合阻害剤を含有する緩衝液で中和するこ
と、並びに、前記再結合阻害剤は、ナフタレン、p−ク
ロロベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、アセ
チルサリチル酸、ヒアルロン酸、1−ナフトール−8−
スルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−アミノ−
8−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1,3,6−
ナフタレントリスルホネート、1,3,6−ナフタレン
トリスルホン酸、コール酸、デオキシコール酸、エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA)およびこれらの塩からな
る群より少なくとも一種選択されることを特徴とする、
インスリン様成長因子の免疫学的測定方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の方法を実施するには、ま
ず、測定対象である生体試料を酸性化処理して、インス
リン様成長因子(IGF)を結合蛋白質から遊離させ、
続いて、酸性化処理された生体試料を、上述の群より選
択された特定の再結合阻害剤を含有する緩衝液で中和
し、これ以降は、常法に従いIGFの免疫学的測定を行
なえばよい。本発明において、インスリン様成長因子
(IGF)の量を免疫学的に測定する系として利用され
る生体試料としては、血清、血漿、尿、腹水、胸水、羊
水、脊髄液、もしくは滲出液、またはこれらの組合せが
挙げられる。本発明において、結合蛋白質の解離のため
に為される酸性化処理としては、例えば、塩酸、リン
酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸もしくはトリクロロ酢酸と
グリシン、クエン酸、酢酸もしくはサリチル酸よりなる
酸性緩衝液で生体試料を処理する方法が挙げられる。こ
の酸性緩衝液は、通常、生体試料に対して5〜100倍
量用いられ、また、酸性緩衝液は、酸性化処理後におけ
る液のpHが3.5以下、好ましくは3.0以下になる
ように予め調製される。
【0011】また、本発明において、酸性化処理された
生体試料を中和するための緩衝液は、pH6.0〜pH
10.0の範囲の中和緩衝液であり、例えば、リン酸緩
衝液、炭酸緩衝液、グリシン緩衝液、バルビタール緩衝
液、トリス緩衝液、ビストリス緩衝液などを用いること
ができる。緩衝液の濃度および量は、酸性化処理された
生体試料を十分に中和することができる程度の濃度およ
び量に調製される。そして、本発明に使用される上記の
緩衝液には、インスリン様成長因子結合蛋白質と親和性
を有し、緩衝液中で結合蛋白質と結合することができる
再結合阻害剤、つまりナフタレン、p−クロロベンゼン
スルホン酸、5−スルホサリチル酸、アセチルサリチル
酸、ヒアルロン酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、
1−ナフタレンスルホン酸、1−アミノ−8−ナフタレ
ンスルホン酸、8−アミノ−1,3,6−ナフタレント
リスルホネート、1,3,6−ナフタレントリスルホン
酸、コール酸、デオキシコール酸、エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)およびこれらの塩からなる群より少な
くとも一種選択される再結合阻害剤が添加されている。
再結合阻害剤は、それぞれ単独使用でも所期の効果を奏
することができるが、二種以上の上記化合物の適当な組
合せで使用することもでき、この組合せ使用の場合は、
一般に単独使用の場合よりも、より効果的である。上記
の再結合阻害剤のうち、より好ましいものは、1−ナフ
トール−8−スルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、
1−アミノ−8−ナフタレンスルホン酸およびこれらの
塩であり、特に好ましいものは、1−ナフトール−8−
スルホン酸ナトリウムおよび1−ナフタレンスルホン酸
ナトリウムである。緩衝液に添加される再結合阻害剤の
濃度は、その種類によって異なるが、例えば、1−ナフ
タレンスルホン酸ナトリウムを再結合阻害剤として用い
る場合には、0.1%〜3.0%の濃度に、また1−ナ
フトール−8−スルホン酸ナトリウムを再結合阻害剤と
して用いる場合には、0.1%〜3.0%の濃度に、さ
らに、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム(EDT
A・2Na)を再結合阻害剤として用いる場合には、1
0mM/L〜200mM/Lの濃度に、それぞれ調製す
るのがより好ましい。再結合阻害剤は、使用の際に緩衝
液に添加してもよいが、作業の効率化の観点から、予め
再結合阻害剤を緩衝液に添加して組成物の形態としてお
く方がより好ましい。
【0012】本発明にあっては、前処理により得られ
た、再結合阻害剤を含有する中和された試料は、そのま
ま免疫学的測定に利用することができる。用いられる免
疫学的測定の方法としては、特に制限が無く、例えば、
競合的測定法、並びに、ポリクロナール抗体もしくはモ
ノクローナル抗体によるサンドイッチ法を用いた酵素免
疫測定法、放射免疫測定法、蛍光免疫測定法または化学
発光測定法などが採用されうる。これらの免疫学的測定
法は、利用されている常法に従い行なうことができる。
上記の免疫学的測定法のうち、サンドイッチ法を採用し
た場合、液相標識抗体と固相抗体の組合せ、液相標識抗
体と液相抗体の組合せのいずれも用いることができる
が、操作の便宜上からは、液相標識抗体と固相抗体の組
合せがより好ましい。また、標識化には、クロラミンT
等の酸化剤を用い、125I等の放射性同位元素で標識
する方法、ヒンジ法等によりアルカリフォスファターゼ
もしくはペルオキシダーゼ等の酵素で標識する方法、さ
らにはユーロピウム等の蛍光物質またはアクリジニウム
エステル等の発光物質で直接標識する方法などを利用す
ることができる。
【0013】本発明の測定方法において、酸性化処理が
果たす役割は、インスリン様成長因子(IGF−I、I
GF−II)とインスリン様成長因子結合蛋白質(IG
FBP)との複合体の結合を弱め、IGFを結合蛋白質
から遊離させることにある。しかしながら、酸性化処理
した生体試料を単に緩衝液で中和するだけだと、結合蛋
白質がIGFと再結合し、両者の複合体を形成すること
になる。そこで、この中和の過程を、ナフタレン、p−
クロロベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、ア
セチルサリチル酸、ヒアルロン酸、1−ナフトール−8
−スルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、1−アミノ
−8−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1,3,6
−ナフタレントリスルホネート、1,3,6−ナフタレ
ントリスルホン酸、コール酸、デオキシコール酸、エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)およびこれらの塩から
なる群より少なくとも一種選択される再結合阻害剤の存
在下で行なう手法とすることにより、選択された再結合
阻害剤が結合蛋白質のIGF結合部位と結合するか、ま
たは、選択された再結合阻害剤の高い立体障害性により
結合蛋白質とIGFとの再結合が防止され、従って、か
かる前処理によってIGFの免疫学的測定に適した試料
が調製されるのである。故に、本発明の方法によれば、
正確なIGF量の測定が可能になる。また、本発明の方
法によると、従来法のように、遠心分離器等の機械を使
用して煩雑な操作で以って生体試料の前処理を行なう必
要が無くなり、大量の試料について、前処理を含む免疫
学的測定を従来に比してより簡便に行なうことができ
る。従って、前処理に要する時間がより短縮され、ま
た、測定試験に要する費用が大幅に節減される。さら
に、本発明の方法によれば、酸エタノール抽出法とは異
なり、試料の濃縮・稀釈操作の際における測定値への誤
差の影響をより小さくすることができる。その上、1−
ナフトール−8−スルホン酸ナトリウムまたは1−ナフ
タレンスルホン酸ナトリウムは、安価である他、安定な
物質であって取扱いやすくまた長期保存が可能であるの
で、それら薬剤を再結合阻害剤として使用する態様は、
試薬の取扱い・保存が容易であってかつ経済的にも有利
な方法となり、汎用性に富む測定方法を提供することが
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の最良の実施形態と思われる実
施例を説明することにより、本発明をより明確なものに
する。
【0015】実施例 −前処理 まず、以下の表1に示す20種(検体番号1ないし2
0)の生体試料(各種血清)を準備した。そして、各生
体試料(血清)25μlをガラス試験管もしくはポリス
チレン試験管に入れ、次いで、酸性緩衝液として0.1
Mグリシン塩酸(pH2.7)350μlを加え、十分
に攪拌した。攪拌の後、試験管をしばらく静置した。次
に、酸性化処理された試料に、0.92%BSAの他、
再結合阻害剤として1.0%1−ナフトール−8−スル
ホン酸ナトリウムを含有する184mMリン酸緩衝液
(pH8.6)375μlを加え、混合し中和させた。 −免疫学的測定 前処理された生体試料(血清)20μlを試験管に入
れ、続いて、これに、抗IGF−I抗体を結合させた磁
性微粒子の均一混和液100μlを加え、そして、これ
を37℃で5分間加温した。その後、洗浄液400μl
を各試験管にそれぞれ加え、続いて、抗IGF−I抗体
を結合させた磁性微粒子を試験管の底部に集め、そして
反応液を吸引除去した。次に、酵素ペルオキシダーゼで
標識した抗IGF−I抗体液100μlを各試験管にそ
れぞれ加え、そしてこれらを37℃で5分間加温し、そ
の後、反応液を吸引除去し、続いて洗浄液700μlで
3回洗浄した。次に、発色液300μlを各試験管にそ
れぞれ加え、続いてこれらを37℃にて5分間反応さ
せ、そして1N HSO液200μlの添加により
反応をそれぞれ停止させた。しかして、各試験管内の試
料液について、波長450nmにおける吸光度をそれぞ
れ測定した。そして、標準溶液を用いて予め作成された
吸光度値とIGF−I濃度との関係を示す検量線グラフ
から、各検体についてIGF−I濃度を読み取り、その
値を稀釈倍数で補正して最終的に、各生体試料(血清)
中のIGF−I濃度を求めた。
【0016】比較例 前処理として酸エタノール抽出法を使用したことを除い
て、実施例で用いた検体番号1ないし20の生体試料と
同じ生体試料(血清)について、それぞれ、実施例と同
様の免疫学的測定方法により、試料中のインスリン様成
長因子の量を測定した。本例において採用された酸エタ
ノール抽出法は、従来汎用されている一般的な手順およ
び条件に従うものとした。
【0017】結果 20種の検体(番号1ないし20の血清)について、実
施例の方法および比較例の方法に従うIGF−I量の各
々の測定結果を、両者の測定値の比とともに、以下の表
1にまとめて表わす。
【表1】 また、図1は、表1に示された、実施例および比較例の
方法に従う各々の測定値を図示したものである。この表
1および図1より、実施例の方法に従う測定値は、比較
例の方法に従う測定値とよく一致し、大変高い相関性を
示すことがわかる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
生体試料中のインスリン様成長因子の量を高い精度で正
確に免疫学的に測定することができ、とりわけ、その測
定にあたって、煩雑な操作および特別な機械を必要とせ
ず、しかも試薬の保存および取扱いが容易であり、大量
の検体(生体試料)について簡便な測定が可能であり、
さらに試験費用が低く経済的にも有利であるという効果
が得られる。したがって、本発明に従う測定方法は、ヒ
トおよび動物の臨床検査における成長不全疾患の正確か
つ簡便な診断に寄与することができるという利益を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、同一の生体試料について、本発明の実
施例の方法に従うインスリン様成長因子の測定結果と比
較例の方法に従うインスリン様成長因子の測定結果との
相関関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 川瀬 雅子 静岡県伊東市岡字旭1274−7 株式会社カ イノス伊東研究所内 (72)発明者 合田 保 静岡県伊東市岡字旭1274−7 株式会社カ イノス伊東研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料中のインスリン様成長因子を免
    疫学的に測定する方法であって、免疫学的測定に先立
    ち、生体試料を酸性化処理することによりインスリン様
    成長因子結合蛋白質からインスリン様成長因子を遊離さ
    せ、続いて、酸性化処理された生体試料を、再結合阻害
    剤を含有する緩衝液で中和すること、並びに、前記再結
    合阻害剤は、ナフタレン、p−クロロベンゼンスルホン
    酸、5−スルホサリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒア
    ルロン酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、1−ナフ
    タレンスルホン酸、1−アミノ−8−ナフタレンスルホ
    ン酸、8−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホ
    ネート 1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、コー
    ル酸、デオキシコール酸、エチレンジアミン四酢酸(E
    DTA)およびこれらの塩からなる群より少なくとも一
    種選択されることを特徴とする、インスリン様成長因子
    の免疫学的測定方法。
  2. 【請求項2】 前記生体試料は、血清、血漿、尿、腹
    水、胸水、羊水、脊髄液、もしくは滲出液、またはこれ
    らの組合せである、請求項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 前記免疫学的測定法は、ポリクロナール
    抗体もしくはモノクローナル抗体によるサンドイッチ法
    を用いた酵素免疫測定法、放射免疫測定法、蛍光免疫測
    定法または化学発光測定法である、請求項1記載の測定
    方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性化処理は、塩酸、リン酸、蟻
    酸、トリフルオロ酢酸もしくはトリクロロ酢酸とグリシ
    ン、クエン酸、酢酸もしくはサリチル酸よりなる酸性緩
    衝液で生体試料を処理することからなる、請求項1記載
    の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104697829A (zh) * 2015-02-10 2015-06-10 深圳市新产业生物医学工程股份有限公司 用于igf-ⅰ化学发光免疫检测的酸性处理剂、样本预处理方法、试剂盒及检测方法
CN114112594A (zh) * 2021-12-03 2022-03-01 泰州泽成生物技术有限公司 一种胰岛素样生长因子-1预处理试剂

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