JP2001164424A - 脂肪族ポリエステル繊維 - Google Patents

脂肪族ポリエステル繊維

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JP2001164424A
JP2001164424A JP35135399A JP35135399A JP2001164424A JP 2001164424 A JP2001164424 A JP 2001164424A JP 35135399 A JP35135399 A JP 35135399A JP 35135399 A JP35135399 A JP 35135399A JP 2001164424 A JP2001164424 A JP 2001164424A
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JP
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aliphatic polyester
fiber
polyester fiber
fine particles
spinning
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JP35135399A
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Hitoshi Nakatsuka
均 中塚
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Akihiro Hokimoto
明弘 保木本
Kenichi Yoshioka
謙一 吉岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊度斑がなく、力学的特性、染色性に優れか
つ風合いの良好な脂肪族ポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】 平均粒径0.01μm以上1μm以下の無
機微粒子を0.05質量%以上10質量%以下含有する
脂肪族ポリエステルからなる繊維であり、U%が2%以
下、熱収縮応力のピーク応力が0.13(cN/dtex)以上
であり、ブラック染色時のL*値が15以下である脂肪族
ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊度斑が少なく染
色性、糸質性能に優れ、かつ織編物の風合いが良好であ
る脂肪族ポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート系繊維の分
散染料における染色性を向上させる技術として、従来5
000m/分以上の高速で引き取られるポリエステル繊
維が提案されてきたが、かかる方法により得られるポリ
エステル繊維は低収縮であり、かつ高伸度の繊維しか得
られないため用途の点で制限を受け、さらに発色性も十
分といえるほどではなかった。また、特開平3−146
706号においては、ポリエステル繊維の発色性向上の
ため、有機スルホン酸化合物を使用して製造した、ジエ
チレングリコール結合含有量の多いポリエステルが提案
され、かかる方法によれば、易染性にはなるが、ジエチ
レングリコール含有量の制御が難しく、染色性変動も発
生し、さらには発色性も不足したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊度
斑がなく、力学的特性、染色性に優れかつ風合いの良好
な脂肪族ポリエステル繊維を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
均粒径0.01μm以上1μm以下の微粒子を0.05質
量%以上10質量%以下含有する脂肪族ポリエステルか
らなり、ブラック染色時のL*値が15以下であり、かつ
下記及びを満足することを特徴とする脂肪族ポリエ
ステル繊維である。 U%≦2.0% 熱収縮応力のピーク応力σmax≧0.13(cN/d
tex)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の繊維を構成する脂肪族ポ
リエステルは、例えば、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、3
−ヒドロキシ吉草酸等のオキシ酸から重合される脂肪族
ポリエステル、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸成分とエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール
などの炭素数2〜5のアルキレングリコールとから重合
される脂肪族ポリエステルを挙げることができ、これら
にジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなど
のポリオキシアルキレングリコール、ペンタエリスリト
ール等の多価アルコール成分の少なくとも1種を10モ
ル%以下共重合したポリエステルであってもよい。さら
に、これらの脂肪族ポリエステルは組成物として使用し
てもよい。
【0006】本発明においては、脂肪族ポリエステルの
粘度や分子量については特に限定されず、溶融紡糸可能
な粘度や分子量であればよい。しかし、ウベローデ型粘
度計においてフェノールとテトラクロロエタン等量混合
液中、30℃で測定したときにその極限粘度〔η〕が
0.50〜1.0のポリエステルを用いるのが紡糸性や
得られる繊維物性の点から好ましい。
【0007】また、本発明においては、脂肪族ポリエス
テル繊維中に平均粒径0.01μm〜1μmの微粒子が
含有されていることが重要である。微粒子としては、例
えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの無機微粒子を挙げることがで
き、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよ
い。
【0008】微粒子の平均粒径は0.01μm以上1μ
m以下であることが必要であり、好ましくは0.02以
上0.6μm以下である。平均粒径が0.01μm未満
となると延伸時の糸条にかかる張力の僅かな変動によ
り、得られる繊維にループや毛羽、繊度斑などが発生す
るようになる。
【0009】一方、平均粒径が1μmを超えると繊維の
紡糸性、延伸性の低下をもたらし紡糸断糸、延伸捲き付
きなどを発生しやすくなる。なお、ここでいう平均粒子
径とは延伸沈降法を用いて得られた値をいう。
【0010】微粒の含有量は、ポリエステルの質量を基
にして0.05質量%以上10質量%以下、好ましくは
0.1質量%以上5質量%以下である。含有量が0.0
5質量%未満の場合、延伸時のネッキング変形において
ネッキング点が安定せず、結果的に得られる繊維にルー
プ、毛羽、繊度斑などが生じ易くなる。一方、10質量
%を超えると繊維の紡糸、延伸いずれの工程においても
工程安定性が悪く断糸の原因となる。仮に断糸しない場
合でも繊維の表面状態は悪く、毛羽等外観的に見劣りす
るものとなる。
【0011】微粒子の添加方法については特に限定され
ず、脂肪族ポリエステルの重合から溶融紡出直前までの
任意の段階でポリエステル中に微粒子が均一に混合され
ているように添加、混合すればよい。また、本発明の脂
肪族ポリエステル繊維は、上記微粒子の他に必要に応じ
て蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加
水分解防止剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤及びその他
の添加剤の1種または2種以上を含有していてもよい。
【0012】本発明の脂肪族ポリエステル繊維はU%が
2%以下であり、好ましくは、1.5%以下、さらに好
ましくは1%以下である。U%が2%を超えると染色性
が安定しない。
【0013】また、本発明の脂肪族ポリエステル繊維は
熱収縮応力のピーク応力値σmaxが0.13cN/dt
ex以上、より好ましくは0.18cN/dtex以上
である。ピーク応力値が0.13cN/dtex未満で
あると、収縮力が不足して織物とした場合に良好な風合
いを得ることができず、手持ち感の乏しいものとなる。
また、ピーク応力値が高すぎる場合は、織物の風合いが
硬いものとなるので、好ましくは0.40cN/dte
x以下であることが望ましい。
【0014】さらに本発明の脂肪族ポリエステル繊維は
下記に示す染色条件でブラック染色した時のL*値が1
5以下であり、15よりも大きいと染色性が劣り発色性
の乏しいものとなる。
【0015】 Kayalon Polyester Black G-SF 12%omf Tohosolt TD 0.5g/l Ultra Mt−N2 0.7g/l 浴比50:1で110℃×40分染色後、還元洗浄を8
0℃で実施。
【0016】次に、本発明の脂肪族ポリエステル繊維
は、例えば、平均粒径0.01μm〜1μmの無機微粒子
を0.5質量%〜10質量%の割合で含有する脂肪族ポ
リエステルを溶融紡糸した後、一旦、ガラス転移温度以
下に冷却し、引き続いてチューブヒーターなどの加熱帯
域へ導入して延伸させた後3500m/分以上の速度で
巻き取ることにより製造することができる。特にこの方
法で製造する場合においては、冷却風の温度を20℃〜
30℃、冷却風の湿度を約20〜60%、冷却風の吹き
付け速度を0.4〜1.0m/sec程度とし、また加
熱帯域の長さは1m以上、加熱帯域の温度は130℃以
上が均一に円滑に延伸を行なうという点で望ましい。さ
らに、加熱帯域の上下ガイドや口金から加熱帯域までの
距離、給油方法、油剤種については目標とする繊維の繊
度やフィラメント数、製品、用途に応じて適宜選択でき
るが、特に本発明の脂肪族ポリエステル繊維において
は、繊度斑のないU%2%以下の物性を得るための条件
として、加熱帯入口の糸条速度V1(m/分)、紡糸速度
(m/分)としたとき、1.3≦V/V1≦2.5を満た
す条件にて紡糸することが重要である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例で説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における物性値等は以下の方法で評
価した。
【0018】[微粒子の平均粒径]遠心粒径測定器(堀
場製作所製「CAPA−5000」)を用いて測定した。
【0019】[熱収縮応力のピーク応力]加熱応力測定
機(カネボウエンジニアリング(株)製)により測定して得
られる温度〜収縮応力曲線において最も高い応力値を求
めた。
【0020】[U%]ツェルベガー社製ウースター斑試
験機により、糸速100m/分、レンジ±12.5%、
チャート速度10cm/分として、繊維軸方向の太さ斑
を測定し、U%を求めた。
【0021】[L*]前述の染色条件で染色処理された
染色物について日立307カラーアナライザー(日立製
作所製、自動記録式分光光度計)を用いて測定した。
【0022】[糸速度]日本カノマックス社製レーザー
速度計MODEL LS−50Mで測定した。
【0023】[繊維の紡糸工程性の評価基準] ◎;紡糸時に断糸が何ら発生せず、しかも得られた複合
繊維には毛羽が全く発生しておらず、紡糸性が極めて良
好である。 ○;紡糸時に断糸が発生せず、得られた複合繊維には毛
羽が僅かに発生しているが、紡糸性がほぼ良好である。 △;1000kgを紡糸したときに、断糸が3回まで発
生し、紡糸性が不良である。 ×;1000kgを紡糸したときに、断糸が3回よりも
多く発生し、紡糸性が極めて不良である。
【0024】実施例1 酸成分としてコハク酸とアジピン酸(モル比90:1
0)、グリコール成分として1,4−ブタンジオールを
用い、平均粒径0.045μmのシリカゾル(日産化学
工業社製:スノーテックス(登録商標)0L及び20L、
0L:20L=7:3)を組成物全量に対して4質量%
となるように添加し、情報によりエステル化ならびに重
縮合を行なってポリエステルを合成し、さらにこのポリ
エステルにヘキサメチレンジイソシアナートを反応させ
て数平均分子量45000、融点100℃の高分子量化
された脂肪族ポリエステルを得た。
【0025】得られた脂肪族ポリエステルのペレットを
押出し機に供給し、孔径0.2mmφ×36孔のノズル
を用いて紡糸温度170℃、吐出量0.93g/分・孔
で紡糸し、温度25℃、湿度60%の冷却風を0.5m
/secの速度で紡出糸条に吹き付け、紡糸口金下方
1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口径8m
m、内径30mmφのチューブヒーター(内壁温度15
0℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した後、チ
ューブヒーターからできた糸条にカラス口オイリングで
油剤を付与し、2個の引取りローラーを介して4000
m/分の引取り速度で巻き取り、83dtex/36f
の延伸した脂肪族ポリエステル繊維を得た。その時の紡
糸性、繊維物性等を表1に示す。また、この繊維を経糸
及び緯糸として平織物を製織し、染色、仕上げ加工を施
した。この織物を評価したところ表1に見られるように
発色性、風合共に良好であった。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2〜6 脂肪族ポリエステルに対する無機微粒子の種類又は/及
び添加量を表1のように変更すること以外は実施例1と
同様にして繊維化ならびに製織を行ない、評価を行なっ
た。
【0028】実施例7,8 脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸を用い、無機微粒
子の種類と添加量を表1に示すようにすること以外は実
施例1と同様にして繊維化ならびに製織を行ない、評価
を行なった。
【0029】比較例1、2 微粒子を添加しないこと(比較例1)、無機微粒子の種
類と添加量を表1に示すように変更する(比較例2)こ
と以外は実施例1と同様にして繊維化ならびに製織を行
ない、評価を行なった。
【0030】比較例3 脂肪族ポリエステルの紡糸条件として、冷却風を吹き出
すまでは実施例1と同様にした後、オイリングローラー
にて給油し、引取り速度1000m/分で一旦巻き取
り、その後、延伸工程に供給して3.5倍で延伸し、熱
固定して83dtex/36fの延伸した脂肪族ポリエ
ステル繊維を得た。
【0031】比較例4 紡糸速度を3000m/分とし、吐出量を0.69g/
分・孔とすること以外は実施例1と同様にして繊維化な
らびに製織を行ない、評価を行なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 謙一 愛媛県西条市朔日市892番地 株式会社ク ラレ内 Fターム(参考) 4L035 EE01 EE20 FF10 JJ09 KK01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.01μm以上1μm以下の微
    粒子を0.05質量%以上10質量%以下含有する脂肪
    族ポリエステルからなり、ブラック染色時のL*値が15
    以下であり、かつ下記及びを満足することを特徴と
    する脂肪族ポリエステル繊維。 U%≦2.0% 熱収縮応力のピーク応力σmax≧0.13(cN/d
    tex)
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸である請
    求項1に記載の脂肪族ポリエステル繊維。
JP35135399A 1999-12-10 1999-12-10 脂肪族ポリエステル繊維 Pending JP2001164424A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001355187A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Toray Ind Inc 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法
JP7373005B2 (ja) 2022-03-24 2023-11-01 東洋紡Stc株式会社 生分解性繊維製品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001355187A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Toray Ind Inc 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法
JP4556290B2 (ja) * 2000-06-12 2010-10-06 東レ株式会社 脂肪族ポリエステル系繊維含有繊維構造物の製造方法
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