JP2001164113A - 膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料 - Google Patents

膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料

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JP2001164113A
JP2001164113A JP35286299A JP35286299A JP2001164113A JP 2001164113 A JP2001164113 A JP 2001164113A JP 35286299 A JP35286299 A JP 35286299A JP 35286299 A JP35286299 A JP 35286299A JP 2001164113 A JP2001164113 A JP 2001164113A
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forming
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Michinori Nishikawa
通則 西川
Mayumi Tsunoda
真由美 角田
Kentaro Tamaki
研太郎 玉木
Masahiko Ebisawa
政彦 海老沢
Yasutake Inoue
靖健 井上
Satoko Hakamazuka
聡子 袴塚
Kinji Yamada
欣司 山田
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能
な、溶液の長期保存安定性やに優れ、かつ低吸湿性の低
誘電率の塗膜が得られる膜形成用組成物を得る。 【解決手段】 (A)(A−1)下記一般式(1)で表
される化合物 Si(OR24 ・・・・・(1) (R2は1価の有機基を示す。)および(A−2) 下
記一般式(2)で表される化合物 R1 aSi(OR24-a ・・・・・(2) (R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示
し、R2は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表
す。)からなるシラン化合物を(B)下記一般式(3)
で表される金属のキレート化合物 R10 eM(OR11f-e ・・・・・(3) (R10はキレート剤、Mは金属原子、R11は炭素数2〜
5のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示
し、fは金属Mの原子価、eは1〜fの整数を表す。)
と水の存在下で反応させた加水分解物および縮合物もし
くはいずれか一方、(C)プロピレングリコールモノア
ルキルエーテルならびに(D)β−ジケトンを含有する
ことを特徴とする膜形成用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜形成用組成物に
関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶
縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成
可能な、溶液の長期保存安定性やに優れ、かつ低吸湿性
の低誘電率の塗膜が得られる膜形成用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子などにおける層間絶縁
膜として、CVD法などの真空プロセスで以て形成され
たシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近
年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的とし
て、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれ
るテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とす
る塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。ま
た、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼
ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率
の層間絶縁膜が開発されている。しかしながら、半導体
素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れ
た導体間の電気絶縁性が要求されており、したがって、
より低誘電率で表面硬度特性に優れる層間絶縁膜材料が
求められるようになっている。
【0003】そこで、特開平6−181201号公報に
は、層間絶縁膜材料として、より低誘電率の絶縁膜形成
用塗布型組成物が開示されている。この塗布型組成物
は、吸水性が低く、耐クラック性に優れた半導体装置の
絶縁膜を提供することを目的としており、その構成は、
チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルから選ば
れる少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物と、分
子内にアルコキシ基を少なくとも1個有する有機ケイ素
化合物とを縮重合させてなる、数平均分子量が500以
上のオリゴマーを主成分とする絶縁膜形成用塗布型組成
物である。
【0004】また、WO96/00758号公報には、
多層配線基板の層間絶縁膜の形成に使用される、アルコ
キシシラン類、シラン以外の金属アルコキシドおよび有
機溶媒などからなる、厚膜塗布が可能で、かつ耐酸素プ
ラズマ性に優れるシリカ系塗布型絶縁膜形成用材料が開
示されている。
【0005】さらに、特開平3−20377号公報に
は、電子部品などの表面平坦化、層間絶縁などに有用な
酸化物被膜形成用塗布液が開示されている。この酸化物
被膜形成用塗布液は、ゲル状物の発生のない均一な塗布
液を提供し、また、この塗布液を用いることにより、高
温での硬化、酸素プラズマによる処理を行った場合であ
っても、クラックのない良好な酸化物被膜を得ることを
目的としている。そして、その構成は、所定のシラン化
合物と、同じく所定のキレート化合物とを有機溶媒の存
在化で加水分解し、重合して得られる酸化物被膜形成用
塗布液である。
【0006】しかし、上記のようにシラン化合物にチタ
ンやジルコニウムなどの金属キレート化合物を組み合せ
た場合、塗膜の均一性や溶液の長期保存安定性が優れ
ず、さらに誘電率、吸湿性などをバランスよく有するも
のではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しく
は、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、塗膜均
一性、溶液の長期保存安定性に優れ、かつ塗膜の誘電率
特性や低吸湿性等のバランスにも優れた層間絶縁膜用材
料を提供することを目的とする。
【0008】本発明は、(A)(A−1)下記一般式
(1)で表される化合物 Si(OR24 ・・・・・(1) (R2は1価の有機基を示す。)および(A−2) 下
記一般式(2)で表される化合物 R1 aSi(OR24-a ・・・・・(2) (R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示
し、R2は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表
す。)からなるシラン化合物を(B)下記一般式(3)
で表される金属のキレート化合物 R10 eM(OR11f-e ・・・・・(3) (R10はキレート剤、Mは金属原子、R11は炭素数2〜
5のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示
し、fは金属Mの原子価、eは1〜fの整数を表す。)
と水の存在下で反応させた加水分解物および縮合物もし
くはいずれか一方、(C)プロピレングリコールモノア
ルキルエーテルならびに(D)β−ジケトンを含有する
ことを特徴とする膜形成用組成物および絶縁膜形成用材
料を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
【0010】(A)成分 (A−1)成分 上記一般式(1)において、R2の1価の有機基として
は、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基
などを挙げることができる。また、一般式(1)におい
て、R2は1価の有機基、特にアルキル基またはフェニ
ル基であることが好ましい。ここで、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが
挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのア
ルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素
原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。一般式
(1)において、アリール基としては、フェニル基、ナ
フチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロ
ロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基
などを挙げることができる。
【0011】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−
プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ
−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキ
シシラン、テトラフェノキシシランなどを挙げることが
でき、これらの中でもテトラメトキシシランおよびテト
ラエトキシシランが好ましい。
【0012】(A−2)成分 上記一般式(2)において、R1の1価の有機基として
は、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基
などを挙げることができる。また、一般式(1)におい
て、R2は一般式(1)と同様の基を挙げることができ
る。R1におけるアルキル基、アリール基、アリル基、
グリシジル基の具体例としては一般式(1)のR2と同
様のものを挙げることができる。一般式(2)で表され
る化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−
プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−
sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシ
ラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシ
ラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n
−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキ
シシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオ
ロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−te
rt−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ
−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキ
シシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチ
ルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノ
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エ
チルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n
−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラ
ン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルト
リフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシ
ラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニル
トリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブト
キシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、
ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキ
シシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロ
ピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−
iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブ
トキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシ
ラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、
n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリ
メトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i
−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピル
トリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−
n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブト
キシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシ
ラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチル
トリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、
n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルト
リ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−
ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシ
ラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n
−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメ
トキシシラン、sec−ブチル−i−トリエトキシシラ
ン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、s
ec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、se
c−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチ
ル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−
トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−ト
リフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、
t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−
プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキ
シシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−
ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ
−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラ
ン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニ
ルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−
ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシ
ラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
トリフロロプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−
ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プ
ロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、
ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ
−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチ
ル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n
−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシ
ラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエ
チルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシ
シラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−
プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピ
ル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル
−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−s
ec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−ter
t−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキ
シシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ
−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プ
ロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロ
ピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プ
ロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピ
ル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピ
ル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロ
ピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキ
シシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−
ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−
ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−
n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブ
トキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキ
シシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ
−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プ
ロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プ
ロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキ
シシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシ
シラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシ
シラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、
ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert
−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ
−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−
iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ
−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−s
ec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−t
ert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−
フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プ
ロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシ
シラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェ
ニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−
tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシ
ラン、ジビニルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフ
ロロプロピルトリエトキシシランなど;を挙げることが
できる。一般式(2)で表される化合物としては 好ま
しくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジ
エトキシシランを挙げることができる。これらは、1種
あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0013】本発明において、一般式(1)で表される
化合物と一般式(2)で表される化合物の使用割合は、
一般式(2)で表される化合物100重量部(完全加水
分解縮合物換算)に対して、一般式(1)で表される化
合物の含有量が5〜60重量部(完全加水分解縮合物換
算)である。なお、本発明において完全加水分解縮合物
とは、(A)成分中の−OR2で表される基が100%
加水分解してOH基となり、完全に縮合したものを示
す。
【0014】本発明において上記(A)成分には、一般
式(1)および(2)で表される化合物以外に下記一般
式で表される化合物を含んでいてもよい。 R3 b(R4O)3-bSi−(R7d−Si(OR53-c6 c (R3,R4,R5およびR6は、同一でも異なっていても
よく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは、同
一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7
酸素原子または−(CH2n−で表される基を示し、n
は1〜6を、dは0または1を示す。) 上記一般式(2)において、1価の有機基としては、先
の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
上記一般式で表される化合物のうち、R7が酸素原子の
化合物としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサ
エトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサ
ン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチル
ジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−
3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ
メトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,
3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジ
シロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3
−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメト
キシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,
3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサ
ン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチ
ルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,
3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキ
シ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,
3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキ
サン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−
1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3
−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロ
キサンなどを挙げることができる。これらのうち、ヘキ
サメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサ
ン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチ
ルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−
1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テト
ラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3
−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,
3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ
−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなど
を、好ましい例として挙げることができる。上記一般式
においてdが0の化合物としては、ヘキサメトキシジシ
ラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシ
ラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチ
ルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2
−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキ
シ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペン
タエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−
テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,
2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、
1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニル
ジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−
ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,
2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキ
シ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−ト
リメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,
1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシ
ラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメ
チルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−
テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,
2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ
−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、上
記一般式においてR7が−(CH2n−で表される基の
化合物としては、ビス(ヘキサメトキシシリル)メタ
ン、ビス(ヘキサエトキシシリル)メタン、ビス(ヘキ
サフェノキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチル
シリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタ
ン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス
(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシ
ジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリ
ル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタ
ン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス
(ヘキサメトキシシリル)エタン、ビス(ヘキサエトキ
シシリル)エタン、ビス(ヘキサフェノキシシリル)エ
タン、ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、ビス
(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジメトキシ
フェニルシリル)エタン、ビス(ジエトキシフェニルシ
リル)エタン、ビス(メトキシジメチルシリル)エタ
ン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(メ
トキシジフェニルシリル)エタン、ビス(エトキシジフ
ェニルシリル)エタン、1,3−ビス(ヘキサメトキシ
シリル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサエトキシシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(ヘキサフェノキシシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシフェニルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシフェニルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジフェニルシリ
ル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリ
ル)プロパンなどを挙げることができる。これらのう
ち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラ
ン、ヘキサフェニキシジシラン、1,1,2,2−テト
ラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,
2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,
1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシ
ラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフ
ェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2
−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,
1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキ
シ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2
−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラ
ン、ビス(ヘキサメトキシシリル)メタン、ビス(ヘキ
サエトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシ
リル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタ
ン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス
(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシ
ジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリ
ル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタ
ン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタンを、好ま
しい例として挙げることができる。
【0015】(B)成分 本発明に使用する(B)金属のキレート化合物として
は、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナー
ト)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルア
セトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(ア
セチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モ
ノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブ
トキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−
t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、
ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ
−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタ
ン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセト
ナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチ
ルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(ア
セチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス
(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキ
シ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i
−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタ
ン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナー
ト)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチ
ルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス
(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチ
ルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチル
アセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モ
ノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロ
ポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ
−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタ
ン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセ
テート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルア
セトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルア
セトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス
(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキ
シ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−
ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ
−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)
チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトア
セテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エ
チルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ
・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n
−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタ
ン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトア
セテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチ
ルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセ
トアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)
トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセ
チルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チ
タン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルア
セトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニ
ウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナ
ート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(ア
セチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキ
シ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ
−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセ
トナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチル
アセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)
ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチル
アセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ
・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ
−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチル
アセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・ト
リス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−s
ec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジル
コニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセ
トナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
ナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ
・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ
−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジ
ルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・
モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−
t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−
ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n
−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・ト
リス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−
sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセト
ナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナ
ート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムな
どのジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルア
セトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセ
テート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合
物;などを挙げることができ、好ましくはチタンおよび
/またはアルミのキレート化合物。特に好ましくはチタ
ンのキレート化合物を挙げることができる。これらは1
種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0016】本発明の組成物は、前記(A)成分を有機
溶媒に溶解し、(B)金属キレート化合物と水との存在
下で反応させた加水分解物および縮合物もしくはいずれ
か一方を含有するものである。上記(A)成分を加水分
解、縮合させる際に、(A−1)成分および(A−2)
成分が有するR2O−基1モル当たり、0.25〜3モ
ルの水を用いることが好ましく、0.3〜2.5モルの
水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が0.
25〜3モルの範囲内の値であれば、塗膜の均一性が低
下する恐れが無く、また、膜形成用組成物の保存安定性
が低下する恐れが少ないためである。さらに、水は断続
的あるいは連続的に添加されることが好ましい。上記金
属のキレート化合物の使用量は、(A)成分(完全加水
分解縮合物換算)の合計量100重量部に対して、通
常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜1
0重量部の範囲である。また、金属のキレート化合物
は、後記する有機溶媒中に予め添加しておいてもよい
し、水添加時に水中に溶解あるいは分散させておいても
よい。本発明において、(A)成分を加水分解するとき
の温度は通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃で
ある。なお、(A)成分の加水分解縮合物の重量平均分
子量は、通常、1,000〜120,000、好ましく
は1,200〜100,000程度である。
【0017】本発明において、(A)成分を反応させる
際に使用する有機溶媒としては、(C)プロピレングリ
コールモノアルキルエーテルを使用する。本発明に使用
する(C)プロピレングリコールモノアルキルエーテル
としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコー
ルモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルを挙げることができ、特に好ましくは
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノプロピルエーテルである。これらは1種あるいは2
種以上を同時に使用しても良い。
【0018】本発明の膜形成用組成物はさらに(D)β
−ジケトンを含有してなる。本発明に使用する(D)β
−ジケトンとしては、アセチルアセトン、2,4−ヘキ
サンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタ
ンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタン
ジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオ
ン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタ
ンジオンなどを挙げることができ、より好ましくはアセ
チルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプ
タンジオン、3,5−ヘプタンジオンである。これらは
1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0019】本発明において、膜形成用組成物中のβ−
ジケトン含有量は、(A)成分(完全加水分解縮合物換
算)の合計量100重量部に対して通常0.1〜100
重量部、好ましくは0.2〜80重量部の範囲である。
このような範囲でβ−ジケトンを添加すれば、一定の保
存安定性が得られるとともに、膜形成用組成物の塗膜均
一性などの特性が低下するおそれが少ない。このβ−ジ
ケトンは、(A)成分の加水分解、縮合反応後に添加す
ることが好ましい。
【0020】本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度
は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応
じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30
重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存
安定性もより優れるものである。本発明の膜形成用組成
物のアルコール量は、組成物の1重量%以下、水分量は
組成物の2重量%以下である。
【0021】本発明の膜形成用組成物は、さらに下記の
有機溶剤を(C)成分の50重量%以下含有していても
よい。本発明に使用する有機溶剤としては、例えば、n
−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメ
チルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系
溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−
プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベ
ンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ
−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリ
メチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケト
ン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチ
ル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、
エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケト
ン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シク
ロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジ
アセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンな
どのケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエー
テル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2
−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2
−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオ
キソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エ
チレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、
テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
ジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエ
ーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエー
テル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレン
グリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジ
エチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピ
ル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチ
ル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸se
c−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペ
ンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシ
ル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシ
クロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、ア
セト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、
酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコール
モノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコー
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プ
ロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ
−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチ
ル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなど
の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフ
ェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫
黄系溶媒などを挙げることができる。これらは、1種あ
るいは2種以上を混合して使用することができる。
【0022】本発明の膜形成用組成物は、さらに下記の
ような成分を含有してもよい。その他の添加剤 本発明で得られる膜形成用組成物には、さらにコロイド
状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活
性剤などの成分を添加してもよい。コロイド状シリカと
は、例えば、高純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒
に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30m
μ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜4
0重量%程度のものである。このような、コロイド状シ
リカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノ
ールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触
媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロ
イド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアル
ミナゾル520、同100、同200;川研ファインケ
ミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル
10、同132などが挙げられる。有機ポリマーとして
は、例えば、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化
合物、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合
体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、
デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリ
ーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジ
アゾール、フッ素系重合体などを挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界
面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド
系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤
などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
【0023】フッ素系界面活性剤としては、例えば1,
1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−
テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テ
トラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレン
グリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)
エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,
2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタ
プロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロ
ロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ
(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エ
ーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、
1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフ
ロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ
デカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンア
ミド)プロピル]-N,N‘−ジメチル−N−カルボキ
シメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキ
ルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、
パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン
塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル
−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキ
ルエチルリン酸エステル等の末端、主鎖および側鎖の少
なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオ
ロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活
性剤を挙げることができる。また、市販品としてはメガ
ファックF142D、同F172、同F173、同F1
83(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフト
ップEF301、同303、同352(新秋田化成
(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431
(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG71
0、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−
102、同SC−103、同SC−104、同SC−1
05、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−10
00、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15
((株)ネオス)などの名称で市販されているフッ素系
界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上
記メガファックF172,BM−1000,BM−11
00,NBX−15が特に好ましい。
【0024】シリコーン系界面活性剤としては、例えば
SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94P
A(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製などを用いることが出来る。これらの中でも、上記S
H28PA、SH30PAに相当する下記一般式(5)
で表される重合体が特に好ましい。
【0025】
【化1】 (式中、R12は水素原子または炭素数1〜5のアルキ
ル基であり、nは1〜20の整数であり、x、yはそれ
ぞれ独立に2〜100の整数である。) 界面活性剤の使用量は、(A)成分(完全加水分解縮合
物)100重量部に対して通常0.0001〜10重量
部である。
【0026】本発明において、膜形成用組成物中の沸点
100℃以下のアルコールの含量が、20重量%以下、
特に5重量%以下であることが好ましい。沸点100℃
以下のアルコールは、上記(A−1)成分ならびに(A
−2)成分の加水分解および/またはその縮合の際に生
じる場合があり、その含量が20重量%以下、好ましく
は5重量%以下になるように蒸留などにより除去するこ
とが好ましい。
【0027】本発明の組成物を、シリコンウエハ、Si
O2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際に
は、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー
法などの塗装手段が用いられる。
【0028】この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗
りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ
0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。そ
の後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度
の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥するこ
とにより、ガラス質または巨大高分子の絶縁膜を形成す
ることができる。この際の加熱方法としては、ホットプ
レート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出
来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴ
ン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下
などで行うことができる。
【0029】このようにして得られる層間絶縁膜は、絶
縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の低吸
湿性に優れることから、LSI、システムLシ、DRA
M、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半
導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜など
の保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用
の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。なお、実施例および比較例中の部および
%は、特記しない限り、それぞれ重量部および重量%で
あることを示している。また、実施例中における膜形成
用組成物の評価は、次のようにして測定したものであ
る。
【0031】重量平均分子量(Mw) 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により測定した。 試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、加水分
解縮合物1gを、100ccのテトラヒドロフランに溶
解して調製した。 標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標
準ポリスチレンを使用した。 装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M
(長さ50cm) 測定温度:40℃ 流速:1cc/分
【0032】膜厚均一性 形成用組成物を、8インチシリコンウエハ上に、スピン
コーターを用いて、回転数1,500rpm、30秒の
条件で以て塗布した。その後、70℃の温度に保持した
ホットプレートを用いて、膜形成用組成物を塗布したシ
リコンウエハを3分間加熱し、有機溶媒を飛散させた。
次いで、200℃の温度に保持したホットプレートを用
いて、膜形成用組成物を塗布したシリコンウエハを3分
間加熱し、シリコンウエハ上に塗膜を形成させた。この
ようにして得られた塗膜の膜厚を、光学式膜厚計(Ru
dolph Technologies社製、Spec
tra Laser200)を用いて塗膜面内で50点
測定した。得られた膜厚の3σを計算し、下記基準で評
価した。 ○;塗膜の3σが塗膜の平均膜厚に対して2%以内 ×;塗膜の3σが塗膜の平均膜厚に対して2%超える
【0033】長期保存安定性 23℃で60日保存した膜形成用組成物を、8インチシ
リコンウエハ上に、スピンコーターを用いて、回転数
2,500rpm、30秒の条件で以て塗布した。その
後、70℃の温度に保持したホットプレートを用いて、
膜形成用組成物を塗布したシリコンウエハを3分間加熱
し、有機溶媒を飛散させた。次いで、200℃の温度に
保持したホットプレートを用いて、膜形成用組成物を塗
布したシリコンウエハを3分間加熱し、シリコンウエハ
上に塗膜を形成させた。このようにして得られた塗膜の
膜厚を、光学式膜厚計(Rudolph Techno
logies社製、Spectra Laser20
0)を用いて塗膜面内で50点測定した。得られた膜厚
の膜厚を測定し、下式により求めた膜厚増加率により、
保存安定性を評価した。 膜厚増加率(%)=((保存後の膜厚)−(保存前の膜
厚))÷(保存前の膜厚)×100 〇:膜厚増加率5%以下 ×:膜厚増加率5%超える
【0034】誘電率 8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて
組成物試料を塗布し、ホットプレート上で70℃で3分
間、200℃で3分間基板を乾燥し、さらに450℃の
窒素雰囲気のホットプレート中で30分基板を焼成し
た。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評
価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパ
ッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4
284AプレシジョンLCRメーター用いて、10kH
zにおける容量値から算出した。
【0035】吸湿性 8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて
組成物試料を塗布し、ホットプレート上で70℃で3分
間、200℃で3分間基板を乾燥し、さらに450℃の
窒素雰囲気のホットプレート中で30分基板を焼成し
た。次いで、焼成基板をクリーンルーム内で23℃、5
0%RHの雰囲気で2週間放置後、吸湿性をTDS装置
(電子科学製、EMD−WA100S型)を用いて評価
した。評価条件は、以下のとおりである。すなわち、1
℃/sec.の昇温速度で室温から600℃まで加熱し
てTDSスペクトルを測定し、水のフラグメント(M/
Z=18)の室温から400℃までの面積を膜厚500
nm換算で求める。その際、8インチシリコンウエハ上
に形成したCVD法SiO2 膜の水のフラグメント
(M/Z=18)の面積を同様にして求め、両者の面積
比(組成物/CVD法SiO2 )で吸湿性を評価し
た。 :塗膜の吸湿性がCVD法SiO2 膜以下 ×:塗膜の吸湿性がCVD法SiO2 膜超える
【0036】合成例1 石英製セパラブルフラスコ中で、メチルトリメトキシシ
ラン77.04gとテトラメトキシシラン24.05g
とテトラキス(アセチルアセトナート)チタン0.48
gを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29
0gに溶解させたのち、スリーワンモーターで攪拌さ
せ、溶液温度を60℃に安定させた。次に、イオン交換
水84gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60
℃で2時間反応させたのち、アセチルアセトン25gを
添加し、さらに30分間反応させ、反応液を室温まで冷
却した。50℃で反応液からメタノールと水を含む溶液
を149gエバポレーションで除去し、反応液を得
た。このようにして得られた縮合物等の重量平均分子量
は、8,900であった。
【0037】合成例2 合成例1において、プロピレングリコールモノプロピル
エーテルの代わりにプロピレングリコールモノエチルエ
ーテルを使用した以外は合成例1と同様にして、反応液
を得た。このようにして得られた縮合物等の重量平均
分子量は、6,800であった。 合成例3 合成例1において、テトラキス(アセチルアセトナー
ト)チタンの代わりにトリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウムを使用した以外は合成例1と同様にし
て、反応液を得た。このようにして得られた縮合物等
の重量平均分子量は、4,800であった。
【0038】比較合成例1 合成例1において、アセチルアセトンを添加しなかった
こと以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。こ
のようにして得られた縮合物等の重量平均分子量は、
9,200であった。 比較合成例2 合成例1において、テトラキス(アセチルアセトナー
ト)チタンの代わりに酢酸を使用した以外は合成例1と
同様にして、反応液を得た。このようにして得られた
縮合物等の重量平均分子量は、1,800であった。 比較合成例3 合成例1において、プロピレングリコールモノプロピル
エーテルの代わりにシクロヘキサノンを使用した以外は
合成例1と同様にして、反応液を得た。このようにし
て得られた縮合物等の重量平均分子量は、2,500で
あった。
【0039】実施例1 合成例1で得られた反応液を0.2μm孔径のテフロ
ン製フィルターでろ過を行い本発明の膜形成用組成物を
得た。得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエ
ハ上に塗布した。得られた塗膜の塗膜の膜厚は422.
3nmであり、3σは1.2%と良好であった。溶液の
保存安定性を評価したところ、60日後の増膜率は3.
9%と優れた保存安定性を示した。また、塗膜の誘電率
を評価したところ、2.62と低い誘電率を示した。さ
らに、塗膜の吸湿性を評価したところ、CVD法SiO
2膜以下の吸湿性であった。
【0040】実施例2 合成例2で得られた反応液100gにNBX−15
0.006gを添加した以外は、実施例1と同様にして
評価を行った。得られた塗膜の塗膜の膜厚は399.3
nmであり、3σは0.8%と良好であった。溶液の保
存安定性を評価したところ、60日後の増膜率は4.4
%と優れた保存安定性を示した。また、塗膜の誘電率を
評価したところ、2.62と低い誘電率を示した。さら
に、塗膜の吸湿性を評価したところ、CVD法SiO2
膜以下の吸湿性であった。
【0041】実施例3 合成例2で得られた反応液100gにSH28PA
0.006gを添加した以外は、実施例1と同様にして
評価を行った。得られた塗膜の塗膜の膜厚は390.7
nmであり、3σは0.9%と良好であった。溶液の保
存安定性を評価したところ、60日後の増膜率は4.2
%と優れた保存安定性を示した。また、塗膜の誘電率を
評価したところ、2.67と低い誘電率を示した。さら
に、塗膜の吸湿性を評価したところ、CVD法SiO2
膜以下の吸湿性であった。
【0042】比較例1 比較合成例1で得られた反応液を使用した以外は、実
施例1と同様にして評価を行った。溶液の保存安定性を
評価したところ、60日後の増膜率は10.5%と劣る
ものであった。
【0043】比較例2 比較合成例2で得られた反応液を使用した以外は、実
施例1と同様にして評価を行った。溶液の保存安定性を
評価したところ、60日後の増膜率は15.4%と劣る
ものであり、塗膜の誘電率も3.12と高い値であっ
た。
【0044】比較例3 比較合成例3で得られた反応液を使用した以外は、実
施例1と同様にして評価を行った。得られた塗膜の塗膜
の膜厚は300.7nmであり、3σは4.7%と劣る
ものであった。また、溶液の保存安定性を評価したとこ
ろ、60日後の増膜率は17.3%と劣るものであっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、アルコキシシランの加
水分解物および/またはその縮合物を金属のキレート化
合物と水で行い、特定の溶媒とβ−ジケトンを含有させ
ることにより、塗膜均一性、長期保存安定性、低誘電
率、低吸湿性などのバランスに優れた膜形成用組成物
(層間絶縁膜用材料)を提供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 183/00 C09D 183/00 (72)発明者 海老沢 政彦 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 井上 靖健 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 袴塚 聡子 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 山田 欣司 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BD122 CP021 CP031 CP032 ED026 EE047 FD206 FD207 FD312 GQ01 4J038 DL021 DL031 JA19 JA26 JA34 JC32 KA09 NA21 PB09 5F058 AA03 AA04 AA10 AC03 AF04 AG01 AH01 AH02 BA06 BA07 BA20 BD07 BF46 BH01 BJ01 BJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(A−1)下記一般式(1)で
    表される化合物 Si(OR24 ・・・・・(1) (R2は1価の有機基を示す。)および(A−2) 下
    記一般式(2)で表される化合物 R1 aSi(OR24-a ・・・・・(2) (R1は水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示
    し、R2は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表
    す。)からなるシラン化合物を(B)下記一般式(3)
    で表される金属のキレート化合物 R10 eM(OR11f-e ・・・・・(3) (R10はキレート剤、Mは金属原子、R11は炭素数2〜
    5のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示
    し、fは金属Mの原子価、eは1〜fの整数を表す。)
    と水の存在下で反応させた加水分解物および縮合物もし
    くはいずれか一方、(C)プロピレングリコールモノア
    ルキルエーテルならびに(D)β−ジケトンを含有する
    ことを特徴とする膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素系界面活性剤およびシリコーン系
    界面活性剤もしくはいずれか一方をさらに含有すること
    を特徴とする請求項1記載の膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の膜形成用組成物におい
    て、プロピレングリコールモノアルキルエーテルが、プ
    ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
    リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
    ノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプ
    ロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
    テルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の膜形成用組成物におい
    て、β−ジケトンが、アセチルアセトン、2,4−ヘキ
    サンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタ
    ンジオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする膜形成用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項5に記載の膜形成用組成物におい
    て、一般式(1)で表される化合物がテトラメトキシシ
    ランおよびテトラエトキシシランからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であり、一般式(2)で表される化合
    物がメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
    ラン、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエト
    キシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする膜形成用組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で表される化合物と一般式
    (2)で表される化合物の使用割合が、一般式(2)で
    表される化合物100重量部(完全加水分解縮合物換
    算)に対して、一般式(1)で表される化合物の含有量
    が5〜60重量部であることを特徴とする膜形成用組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の膜形成用組成物から
    なることを特徴とする絶縁膜形成用材料。
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US09/585,275 US6376634B1 (en) 1999-06-04 2000-06-02 Composition for film formation and material for insulating film formation
KR1020000030567A KR100685333B1 (ko) 1999-06-04 2000-06-03 막형성용 조성물 및 절연막 형성용 재료
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WO2020036074A1 (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン化合物を含有する組成物、その製造方法、コーティング剤及び被覆物品

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WO2020036074A1 (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン化合物を含有する組成物、その製造方法、コーティング剤及び被覆物品
JPWO2020036074A1 (ja) * 2018-08-17 2021-08-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン化合物を含有する組成物、その製造方法、コーティング剤及び被覆物品
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