JP2001162312A - 熱延鋼帯の製造方法及び製造装置 - Google Patents

熱延鋼帯の製造方法及び製造装置

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JP2001162312A
JP2001162312A JP34796199A JP34796199A JP2001162312A JP 2001162312 A JP2001162312 A JP 2001162312A JP 34796199 A JP34796199 A JP 34796199A JP 34796199 A JP34796199 A JP 34796199A JP 2001162312 A JP2001162312 A JP 2001162312A
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rolled
hot
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steel strip
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Shinzo Uchimaki
信三 内牧
Taichi Kukizaki
太一 久木▲崎▼
Hideya Furusawa
英哉 古澤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被圧延材の単位幅当たりの圧延負荷が表面品質
不良を発生させるほどに大きい場合であっても、熱間仕
上圧延機の入側に設けられた加熱装置で被圧延材を加熱
することによって前記圧延負荷を減少させ、表面品質の
不良を完全に回避することが可能な熱延鋼帯の製造方法
及び製造装置を提供する。 【解決手段】熱間仕上圧延機3による仕上圧延時に、被
圧延材Sの単位幅当たりの圧延負荷を測定し、この単位
幅当たりの圧延負荷に基づいて加熱装置2の出力をフィ
ードバック制御して被圧延材Sを加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間粗圧延機によ
って粗圧延された被圧延材を熱間仕上圧延機によって仕
上圧延する熱延鋼帯の製造方法及び製造装置に関し、特
に、被圧延材の単位幅当たりの圧延負荷が大きい場合で
あっても、熱間仕上圧延機の入側に設けられた加熱装置
で被圧延材を加熱することによって被圧延材の単位幅当
たりの圧延負荷を減少させ、表面品質の不良を完全に回
避することが可能な熱延鋼帯の製造方法及び製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱延鋼帯は、加熱炉においてス
ラブを所定温度に加熱し、加熱されたスラブを熱間粗圧
延機(以下、粗圧延機という)で所定厚さに粗圧延して
シートバーとし、次いで、このシートバーを複数のスタ
ンドからなる連続熱間仕上圧延機(以下、仕上圧延機と
いう)において仕上圧延して所定厚さの熱延鋼帯とし、
この熱延鋼帯を仕上圧延機出側のランアウトテーブルに
おいて冷却した後、コイラーで巻き取ることにより製造
される。
【0003】このような熱延鋼帯の製造方法において
は、均一な材質の熱延鋼帯を歩留まり高く製造するため
に圧延温度を管理することが重要であり、特に熱間仕上
圧延の終了温度を所定の範囲内に収めることが可能なよ
うに、被圧延材の加熱温度や圧延速度等が決定されてい
る。この熱間仕上圧延の終了温度を所定の範囲から下ら
ないようにするための熱延鋼帯の製造方法として、例え
ば、図4に示す熱延鋼帯の製造方法が知られている(特
開平9- 225505号公報参照)。
【0004】この製造方法は、所定温度に加熱されたス
ラブを粗圧延機101によって粗圧延し、次いで、粗圧
延されたシートバー102を連続熱間仕上圧延機104
によって仕上圧延する際に、仕上圧延機104で圧延さ
れるシートバー102が所定速度に加速されるまでの
間、仕上圧延機104の入側に設けられた誘導加熱装置
103によりシートバー102を加熱し、仕上圧延機1
04により圧延されるシートバー102の温度分布を、
その先端部から後端部に至るまで長さ方向に均一化し、
均質な材質の熱延鋼帯を製造するものである。
【0005】一方、ステンレス鋼等、非常に厳格な表面
品質レベルを要求される鋼種の熱間圧延を行うに際して
は、圧延負荷があまり大きくならない圧延を行う必要が
ある。被圧延材の単位幅当たりの圧延負荷、特に圧延荷
重が大きくなると、圧延時に被圧延材の表面に肌荒れが
発生し、後の酸洗工程において熱間圧延時に生成した酸
化スケールを除去し難くなるという問題が生じるからで
ある。このため、ステンレス鋼等、表面品質の要求レベ
ルが高い鋼種については、熱間圧延の際に、圧延負荷が
大きくなりすぎないよいうに仕上圧延機の各スタンドの
圧下率を考慮して圧下スケジュールを予め決定してお
き、この圧下スケジュールに従って仕上圧延を行うよう
にしていた。また、仕上圧延時に圧延油を多量に使用し
たり、シートバー厚をなるべく薄くしておいたりして熱
間仕上圧延時の圧延負荷を低減する対策をとっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
圧延負荷を低減する対策では、以下の問題点が存在す
る。即ち、被圧延材の変形抵抗は、被圧延材の成分、加
熱条件、加熱炉からスラブを抽出してから仕上圧延機に
至るまでの到達時間等の変動により変化してしまうた
め、各スタンドの圧下率を考慮した圧下スケジュールに
従って仕上圧延を実施しても、被圧延材の変形抵抗が通
常よりも高い方に変化してしまうと、被圧延材の単位幅
当たりの圧延負荷が大きくなり、被圧延材の表面に肌荒
れ等の不良が発生してしまうことがあった。また、仕上
圧延機に組み込まれているワークロールは、100〜2
00本程度の被圧延材の圧延毎に、新たに表面を研削さ
れたものと交換されるが、このワークロールの交換にと
もなうワークロール径の変化は、圧延荷重の変動の原因
となり、圧延荷重が大きいほうに変動すると被圧延材の
表面に肌荒れ等の不良が発生してしまうことがあった。
【0007】又、圧延油を多量に使用する場合は、被圧
延材の蛇行が発生し易くなって通板不良を起こしたり、
蛇行により仕上圧延機の入側のサイドガイド等に被圧延
材が接触してしまい熱延鋼帯に傷が発生してしまったり
していた。一方、図4に示した、熱間仕上圧延の終了温
度を所定の範囲から下らないようにするための熱延鋼帯
の製造方法にあっては、仕上圧延機104の入側に設け
られた誘導加熱装置103によりシートバー102を加
熱し、仕上圧延機104により圧延されるシートバー1
02の温度分布を、その先端部から後端部に至るまで長
さ方向に均一化し、熱間仕上圧延の終了温度を全長にわ
たって所定の範囲に収めることができるものの、熱間仕
上圧延機104における被圧延材の圧延負荷についての
考察がなされておらず、被圧延材の成分変動やワークロ
ールのロール径の変動に伴って被圧延材の単位幅当たり
の圧延負荷、特に圧延荷重が大きくなった場合、被圧延
材の表面の肌荒れ等の不良の発生を完全には回避するこ
とができない。
【0008】従って、本発明は、上記の問題点を解決す
るためになされたものであり、その目的は、被圧延材の
単位幅当たりの圧延負荷が表面品質不良を発生させるほ
どに大きい場合であっても、熱間仕上圧延機の入側に設
けられた加熱装置で被圧延材を加熱することによって前
記圧延負荷を減少させ、表面品質の不良を完全に回避す
ることが可能な熱延鋼帯の製造方法及び製造装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明のうち請求項1に係る熱延鋼帯の製造方法
は、熱間粗圧延機によって粗圧延された被圧延材を熱間
仕上圧延機によって仕上圧延する熱延鋼帯の製造方法で
あって、前記熱間仕上圧延機による仕上圧延時に、前記
被圧延材の単位幅当たりの圧延負荷を測定し、該圧延負
荷に基づいて前記熱間仕上圧延機の入側に設けられた加
熱装置の出力をフィードバック制御して前記被圧延材を
加熱することを特徴としている。
【0010】又、本発明のうち請求項2に係る熱延鋼帯
の製造方法は、請求項1において、前記熱間仕上圧延機
は複数のスタンドが連設されてなる連続圧延機であり、
前記複数のスタンドのうち、前段の所定スタンドにおけ
る前記圧延負荷に基づいて前記加熱装置の出力をフィー
ドバック制御して前記被圧延材を加熱することを特徴と
している。
【0011】更に、本発明のうち請求項3に係る熱延鋼
帯の製造方法は、請求項1又は2において、前記圧延負
荷が所定値を超えたときに、前記加熱装置による前記被
圧延材の加熱を開始することを特徴としている。又、本
発明のうち請求項4に係る熱延鋼帯の製造装置は、熱間
粗圧延機によって粗圧延された被圧延材を仕上圧延する
熱間仕上圧延機と、該熱間仕上圧延機の入側に設けら
れ、粗圧延後の前記被圧延材を加熱するための加熱装置
とを具備した熱延鋼帯の製造装置であって、前記熱間仕
上圧延機による仕上圧延時に前記被圧延材の圧延負荷を
測定する圧延負荷測定手段と、該圧延負荷測定手段によ
り測定した圧延負荷に基づいて前記被圧延材の単位幅当
たりの圧延負荷を計算すると共に、該単位幅当たりの圧
延負荷に基づいて前記加熱装置の出力をフィードバック
制御する制御手段とを有することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面を参
照して説明する。図1は、本発明に係る熱延鋼帯の製造
装置の実施形態である熱間圧延設備の概略説明図であ
る。図1において、熱間圧延設備は、熱間粗圧延機(以
下、単に粗圧延機という)1と、粗圧延機1によって粗
圧延されたシートバー(被圧延材)Sを仕上圧延する熱
間仕上圧延機(以下、単に仕上圧延機という)3と、仕
上圧延機3の入側に設けられ、粗圧延後のシートバーS
を誘導加熱するための加熱装置2とを具備している。
【0013】仕上圧延機3は、第1から第7までのスタ
ンド31,32,33,34,35,36,37が連設
されてなる連続圧延機であり、各スタンドには、仕上圧
延機3による仕上圧延時にシートバーSの圧延荷重を測
定するロードセル41,42,43,44,45,4
6,47が設置されている。第1から第7までのスタン
ド31,32,33,34,35,36,37のうち、
前段の3つの第1〜第3スタンド31,32,33に設
置されたロードセル41,42,43によって測定され
た圧延荷重の測定値P1 ,P2 ,P3 は、制御装置5に
送られる。制御装置5には、図示しない上位コンピュー
タからシートバーSの幅Wの情報が送られる。そして、
制御装置5は、圧延荷重P1 ,P2 ,P3 及び幅Wの情
報に基づいてシートバーSの単位幅当たりの圧延荷重を
計算すると共に、単位幅当たりの圧延荷重に基づいて加
熱装置2の出力、即ち加熱装置2への供給電力Aをフィ
ードバック制御する。ロードセル41,42,43,4
4,45,46,47が圧延負荷測定手段を、制御装置
5が制御手段を構成する。
【0014】次に、熱間圧延設備による熱延鋼帯の製造
方法を具体的に説明する。粗圧延機1によって粗圧延さ
れたシートバーSは、加熱装置2を通過した後、仕上圧
延機3へ送り込まれ、仕上圧延が開始される。シートバ
ーSの先端が仕上圧延機3の第1スタンド31に噛み込
まれて仕上圧延が開始された直後においては、加熱装置
2による加熱は行われない。なお、粗圧延機1による粗
圧延終了までの圧延工程や被圧延材の成分組成が定常の
場合には、加熱装置2によるシートバーSの加熱を行わ
なくても仕上圧延時のシートバーSの単位幅当たりの圧
延荷重が表面品質不良を発生させない程度の大きさとな
るように圧延スケジュールを決定しておく。そして、シ
ートバーSの先端が仕上圧延機3の第3スタンド33を
通板すると、ロードセル41,42,43による圧延荷
重の測定値P1 ,P2,P3 が制御装置5へ送られる。
制御装置5は、圧延荷重の測定値P1 ,P2 ,P3 とシ
ートバーSの幅Wの情報とから単位幅当たりの圧延荷重
P1’=P1/W,P2’=P2/W,P3’=P3/
Wを計算する。また、制御装置5には、前段の3つのス
タンド31,32,33のそれぞれのスタンドについて
肌荒れを発生させないための単位幅当たりの圧延荷重の
上限値P1max,P2max,P3maxが予め設定
されており、制御装置5は、前記P1’、P2’、P
3’の値がそれぞれP1max,P2max,P3ma
xを越えているか否かを判定する。そして、制御装置5
は、P1’>P1max,P2’>P2max,P3’
>P3maxのいずれかの条件を満たすときに、加熱装
置2の出力を開始してシートバーSを加熱するように加
熱装置2にその供給電力Aを供給する。一方、P1’>
P1max,P2’>P2max,P3’>P3max
のいずれかの条件を満たさないときには、加熱装置2の
出力を開始せず、シートバーSをそのまま通板させる。
ここで、加熱開始後の加熱装置2の出力値となる前記供
給電力Aは、測定された単位幅当たりの圧延荷重の測定
値と予め設定された単位幅当たりの圧延荷重の上限値と
の差ΔP1=P1’- P1max,ΔP2=P2’- P
2max,ΔP3=P3’- P3maxに基づいて、例
えば、下記(1)〜(3)式により求められるA1〜A
3のうち最大の値とするようにする。
【0015】 A1=k1・ΔP1 …… (1) A2=k2・ΔP2 …… (2) A3=k3・ΔP3 …… (3) ここで、k1、k2、k3は定数であり、それぞれ、第
1スタンド31、第2スタンド32、第3スタンド33
において単位幅当たりの圧延荷重値を単位荷重だけ低減
させるのに必要な供給電力である。
【0016】このようにして加熱装置2により加熱され
たシートバーSは、仕上圧延機3を通板して仕上圧延が
終了するとともに所定厚さの熱延鋼帯となり、ランアウ
トテーブルにおいて冷却した後、コイラーで巻き取られ
る。以上説明した実施形態によれば、鋼組成、加熱炉に
おける加熱温度、加熱炉からスラブを抽出してから仕上
圧延開始までの時間等の変動により、被圧延材であるシ
ートバーの変形抵抗が定常よりも上昇し、これによって
圧延荷重が上昇し、単位幅当たりの圧延荷重が表面品質
不良を発生させるほどに大きくなった場合でも、速やか
にシートバーSを加熱装置2により加熱して変形抵抗を
低減し、単位幅当たりの圧延荷重を低減することができ
るので、熱延鋼帯の表面品質不良を速やかかつ完全に回
避することができる。また、仕上圧延機3に組み込まれ
ているワークロールの径が比較的大きい場合にも、実際
の荷重実績に基づいて、被圧延材を加熱するため、圧延
荷重が過大となることはない。
【0017】又、本実施形態においては、7つのスタン
ドのうち、前段の3つのスタンド31,32,33にお
ける単位幅当たりの圧延荷重に基づいて加熱装置2の出
力をフィードバック制御してシートバーSを加熱してい
る。これは、発明者らは、熱間圧延実績と肌荒れ不良の
発生との相関関係を調査した結果、前段のスタンドの圧
延荷重の上昇が特に肌荒れ不良に対して悪影響を及ぼす
という知見を見出したこと、即ち、前段のスタンドの圧
延荷重が増加した部分において肌荒れ不良(表面傷)が
発生しているということを発見したためである。これを
図2及び図3を参照して検証する。
【0018】図2は、7つのスタンドからなる連続熱間
仕上圧延機によりステンレス鋼を熱間仕上圧延した時
の、被圧延材の長手方向各位置での第1〜第4スタンド
F1〜F4の被圧延材の単位幅当たりの圧延荷重の実績
を示すグラフ、図3は、この連続熱間仕上圧延機により
熱間仕上圧延された圧延製品の長手方向での表面傷発生
状況を示す平面図である。
【0019】図2を参照すると、第1〜第4スタンドは
被圧延材の尾端側にいくにつれて単位幅当たりの圧延荷
重が増大していることが理解される。これは、サーマル
ランダウンによるもの、即ち、尾端側は仕上圧延機の入
側で待機している時間が先端側よりも長く温度低下が先
端側よりも大きいため変形抵抗が増加するためである。
又、図2より、前段のスタンドほど、尾端側へいくにつ
れて単位幅当たりの圧延荷重の増加が大きいことが理解
される。更に、図2より、先端側尾端側を問わず、前段
のスタンドほど圧延荷重が大きいことが理解される。こ
れは、板クラウン等を考慮して圧下スケジュールを決め
ると、通常、前段のスタンドほど圧延荷重が大きくなる
ためである。図2及び図3を参照して各スタンドの単位
幅当たりの圧延荷重の実績と圧延製品の長手方向での表
面傷発生状況とを比較すると、前段のスタンドの単位幅
当たりの圧延荷重が増加した部分(第1スタンドの場合
しきい値(1)20kN/ mmを超えた部分、第2及び
第3スタンドの場合しきい値(2)17kN/ mmを超
えた部分)において表面傷が発生していることが理解さ
れる。
【0020】以上より、圧延荷重が比較的大きい前段の
所定スタンドの単位幅当たりの圧延荷重が上限値を超え
ないよう仕上圧延機の入側で被圧延材を加熱すればよい
ことが理解される。なお、後段のスタンドについても同
様に単位幅当たりの上限値を決めておき、後段のスタン
ドにおける単位幅当たりの圧延荷重がこの上限値を超え
る場合に、その圧延荷重に基づいて加熱装置2の出力を
フィードバック制御してシートバーSを加熱するように
してもよい。
【0021】また、本実施形態においては、ロードセル
41,42,43による圧延荷重の測定値P1,P2,
P3とシートバーSの幅Wの情報とに基づいて単位幅当
たりの圧延荷重P1’,P2’,P3’を計算し、この
圧延荷重P1’,P2’,P3’に基づいて加熱装置2
の出力を決定するようにしているが、本発明はこれに限
定されず、例えば、各スタンドの負荷トルクを求めてこ
れを単位幅当たりに換算した値に基づいて加熱装置2の
出力を決定するようにしてもよい。これは負荷トルクが
圧延荷重と相関があることから言うまでもない。
【0022】更に、本実施形態においては、鋼の成分組
成、加熱炉の加熱温度、加熱炉抽出から仕上圧延機3の
入側までの到達時間が定常であれば、加熱装置2による
シートバーSの加熱を行わなくても各スタンド31,3
2,33、34,35,36,37の圧延荷重の上限値
を超えないように圧延条件を設定しているが、本発明は
これに限定されず、予め加熱装置2によるシートバーS
の加熱を行うことを前提とした圧延条件として、加熱装
置2の出力は前段の所定スタンドの圧延荷重に基づいて
決定するようにしてもよい。
【0023】
【実施例】図1に示す熱間圧延設備によってSUS30
4,SUS430,SUS444,SUH409等のス
テンレス鋼を熱間圧延して板厚1.2mm〜4.0mm
の熱延鋼帯を製造した。この際に、前段の各スタンド3
1,32,33のいずれかのスタンドの単位幅当たりの
圧延荷重がそれぞれ所定値(20kN/ mm,17kN
/ mm,17kN/ mm)を超えたときに、加熱装置2
によりシートバーSの加熱を行うようにした。従来は、
熱延鋼帯の表面肌が荒れているために次工程の酸洗ライ
ンにおいて、ラインスピードを減速して酸洗時間を長く
とらなければならないことが多く、ライン速度を定常状
態よりも減速している時間が月あたり25時間にも及ん
でいた。しかし、本発明の適用後は、熱延鋼帯の表面肌
が荒れていることに起因する減速時間は0時間となっ
た。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る熱延鋼帯の製造方法によれば、熱間仕上圧延
機による仕上圧延時に、被圧延材の単位幅当たりの圧延
負荷を測定し、該圧延負荷に基づいて前記熱間仕上圧延
機の入側に設けられた加熱装置の出力をフィードバック
制御して前記被圧延材を加熱するので、鋼組成、加熱炉
における加熱温度、加熱炉からスラブを抽出してから仕
上圧延開始までの時間等の変動により、被圧延材の変形
抵抗が定常よりも上昇し、これによって圧延負荷が上昇
し、単位幅当たりの圧延負荷が表面品質不良を発生させ
るほどに大きくなった場合でも、速やかに被圧延材を加
熱装置により加熱して変形抵抗を低減し、単位幅当たり
の圧延負荷を低減することができ、熱延鋼帯の表面品質
不良を速やかかつ完全に回避することができる。また、
仕上圧延機のワークロール替えにともなって、ワークロ
ール径が変動しても、仕上圧延時の圧延荷重の増大を防
止でき、表面品質不良を回避することができる。
【0025】又、本発明のうち請求項2に係る熱延鋼帯
の製造方法によれば、請求項1において、前記熱間仕上
圧延機は複数のスタンドが連設されてなる連続圧延機で
あり、前記複数のスタンドのうち、前段の所定スタンド
における前記圧延負荷に基づいて前記加熱装置の出力を
フィードバック制御して前記被圧延材を加熱するので、
熱延鋼帯の表面品質不良に悪影響を及ぼす前段の所定の
スタンドの圧延負荷の上昇に適切に対処することができ
る。
【0026】更に、本発明のうち請求項3に係る熱延鋼
帯の製造方法によれば、請求項1又は2において、前記
圧延負荷が所定値を超えたときに、前記加熱装置による
前記被圧延材の加熱を開始するので、被圧延材の単位幅
当たりの圧延負荷が表面品質不良を発生させるほどに大
きい場合にのみ被圧延材の加熱を行うことになり、その
加熱効率が向上するという効果を奏する。
【0027】又、本発明のうち請求項4に係る熱延鋼帯
の製造装置によれば、熱間仕上圧延機による仕上圧延時
に被圧延材の圧延負荷を測定する圧延負荷測定手段と、
該圧延負荷測定手段により測定した圧延負荷に基づいて
前記被圧延材の単位幅当たりの圧延負荷を計算すると共
に、該単位幅当たりの圧延負荷に基づいて加熱装置の出
力をフィードバック制御する制御手段とを有するので、
請求項1に係る熱延鋼帯の製造方法と同様に、単位幅当
たりの圧延負荷が表面品質不良を発生させるほどに大き
くなった場合でも、速やかに被圧延材を加熱装置により
加熱して変形抵抗を低減し、単位幅当たりの圧延負荷を
低減することができ、熱延鋼帯の表面品質不良を速やか
かつ完全に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱延鋼帯の製造装置の実施形態で
ある熱間圧延設備の概略説明図である。
【図2】7つのスタンドからなる連続熱間仕上圧延機に
よりステンレス鋼を熱間仕上圧延した時の、被圧延材の
長手方向各位置での第1〜第4スタンドの被圧延材の単
位幅当たりの圧延荷重の実績を示すグラフである。
【図3】連続熱間仕上圧延機により熱間仕上圧延された
圧延製品の長手方向での表面傷の発生状況を示す平面図
である。
【図4】従来例の熱間圧延設備の概略説明図である。
【符号の説明】
1は熱間粗圧延機 2は加熱装置 3は熱間仕上圧延機 5は制御装置(制御手段) 31,32,33,34,35,36,37はスタンド 41,42,43,44,45,46,47はロードセ
ル(圧延負荷測定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古澤 英哉 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E024 AA01 BB02 BB09 GG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間粗圧延機によって粗圧延された被圧
    延材を熱間仕上圧延機によって仕上圧延する熱延鋼帯の
    製造方法であって、 前記熱間仕上圧延機による仕上圧延時に、前記被圧延材
    の単位幅当たりの圧延負荷を測定し、該圧延負荷に基づ
    いて前記熱間仕上圧延機の入側に設けられた加熱装置の
    出力をフィードバック制御して前記被圧延材を加熱する
    ことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱間仕上圧延機は複数のスタンドが
    連設されてなる連続圧延機であり、前記複数のスタンド
    のうち、前段の所定スタンドにおける前記圧延負荷に基
    づいて前記加熱装置の出力をフィードバック制御して前
    記被圧延材を加熱することを特徴とする請求項1記載の
    熱延鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延負荷が所定値を超えたときに、
    前記加熱装置による前記被圧延材の加熱を開始すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱延鋼帯の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 熱間粗圧延機によって粗圧延された被圧
    延材を仕上圧延する熱間仕上圧延機と、該熱間仕上圧延
    機の入側に設けられ、粗圧延後の前記被圧延材を加熱す
    るための加熱装置とを具備した熱延鋼帯の製造装置であ
    って、 前記熱間仕上圧延機による仕上圧延時に前記被圧延材の
    圧延負荷を測定する圧延負荷測定手段と、該圧延負荷測
    定手段により測定した圧延負荷に基づいて前記被圧延材
    の単位幅当たりの圧延負荷を計算すると共に、該単位幅
    当たりの圧延負荷に基づいて前記加熱装置の出力をフィ
    ードバック制御する制御手段とを有することを特徴とす
    る熱延鋼帯の製造装置。
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