JP2001161054A - 永久磁石型ステッピングモータ - Google Patents

永久磁石型ステッピングモータ

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JP2001161054A
JP2001161054A JP34085799A JP34085799A JP2001161054A JP 2001161054 A JP2001161054 A JP 2001161054A JP 34085799 A JP34085799 A JP 34085799A JP 34085799 A JP34085799 A JP 34085799A JP 2001161054 A JP2001161054 A JP 2001161054A
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JP
Japan
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pole
pitch
yoke
claw
permanent magnet
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JP34085799A
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English (en)
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Tsunao Yura
綱雄 由良
Akira Koike
晃 小池
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Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品の種類を増加させることなしに、センサ
を備えた永久磁石型ステッピングモータを構成する。 【解決手段】 2以上の励磁用クローポール形ヨークユ
ニット11及び25と同じ構造の1以上のセンサ用クロ
ーポール形ヨークユニット39を、2以上の励磁用クロ
ーポール形ヨークユニット11及び25に隣接して回転
軸3の軸線方向に並ぶように配置する。ロータ1の永久
磁石エレメント7の軸線方向の長さ寸法を、センサ用ク
ローポール形ヨークユニット39の第1及び第2のヨー
ク41及び45と永久磁石エレメント7が対向し、ロー
タ1が回転したときにセンサ用クローポール形ヨークユ
ニット39の巻線51に電圧を誘起し得る長さに定め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステータ側にクロ
ーポール形ヨークユニットを備えた永久磁石型ステッピ
ングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のクローポール形ヨークユニ
ットをロータの回転軸の軸線方向に並べたステータを備
えた永久磁石型ステッピングモータが、広く用いられて
いる。そしてこの種のモータで、ロータの回転位置を検
出するためのセンサをステータ側に備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のセ
ンサ付きの永久磁石型ステッピングモータのセンサは、
別の部品として構成されているため、構造が複雑になる
だけでなく、部品の種類が多くなって、モータの価格が
高くなる問題があった。
【0004】本発明の目的は、部品の種類を増加させる
ことなしに、センサを備えた永久磁石型ステッピングモ
ータを提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、簡単な構造でしかも
安価に製造することができるセンサを備えた永久磁石型
ステッピングモータを提供することにある。
【0006】本発明のさらに他の目的は、センサの出力
をより正弦波に近づけることができるセンサを備えた永
久磁石型ステッピングモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が改良の対象とす
る永久磁石型ステッピングモータでは、n個(nは4以
上の正の整数)のN極の磁極とn個のS極の磁極とが回
転軸の周方向に交互に現れるように筒状に構成された永
久磁石エレメントが回転軸に固定されてなるロータと、
この永久磁石エレメントと回転軸の径方向に所定の間隔
をあけて対向し且つ周方向に所定のピッチで並ぶn個の
極歯をそれぞれ備えた第1及び第2のヨーク並びに第1
のヨークのn個の極歯と第2のヨークのn個の極歯をそ
れぞれ異なる極性に励磁する巻線を備え、第1のヨーク
のn個の極歯と第2のヨークのn個の極歯とが非接触の
噛み合い状態で配置されるように第1及び第2のヨーク
が組み合わされて構成された2以上の励磁用クローポー
ル形ヨークユニットが、回転軸の軸線方向に並んで配置
されてなるステータとを具備している。
【0008】本発明では、ステータに、2以上の励磁用
クローポール形ヨークユニットと同じ構造の1以上のセ
ンサ用クローポール形ヨークユニットを、2以上の励磁
用クローポール形ヨークユニットに隣接して回転軸の軸
線方向に並べて配置する。そしてロータの永久磁石エレ
メントの軸線方向の長さ寸法を、1以上のセンサ用クロ
ーポール形ヨークユニットの第1及び第2のヨークと永
久磁石エレメントが対向し、ロータが回転したときに1
以上のセンサ用クローポール形ヨークユニットの巻線に
電圧を誘起し得る長さに定める。
【0009】本発明では、励磁用クローポール形ヨーク
ユニットとして用いられるクローポール形ヨークユニッ
トと同じ構造のものをセンサ用クローポール形ヨークユ
ニットとして用いるため、センサを設けるために特別に
部品を用意せずに、センサ付きの永久磁石型ステッピン
グモータを提供することができる。また部品が共通化で
きるので、永久磁石型ステッピングモータの価格を安価
なものとすることができる。
【0010】センサ用クローポール形ヨークユニットと
励磁用クローポール形ヨークユニットとの位置関係、す
なわちロータの回転方向すなわち周方向への両者のずれ
量は、必ずしも一定にする必要はなく任意である。また
センサ用クローポール形ヨークユニットの数は1個に限
定されるものではなく、必要に応じて複数個のセンサ用
クローポール形ヨークユニットを用いてもよい。
【0011】センサ用クローポール形ヨークユニットの
巻線の出力を2以上の励磁用クローポール形ヨークユニ
ットの巻線の励磁タイミング信号として用いる場合に
は、センサ用クローポール形ヨークユニットと隣接する
励磁用クローポール形ヨークユニットとの間の周方向の
ずれ量を、2以上の励磁用クローポール形ヨークユニッ
ト相互間の周方向のずれ量の整数倍または整数分の1倍
にすればよい。このようにするとセンサ用クローポール
形ヨークユニットの巻線の出力を2以上の励磁用クロー
ポール形ヨークユニットの巻線の励磁タイミング信号と
して用いる場合の回路設計が容易になる。特に、センサ
用クローポール形ヨークユニットと隣接する励磁用クロ
ーポール形ヨークユニットとの間の周方向のずれ量を、
2以上の励磁用クローポール形ヨークユニット相互間の
周方向のずれ量の1/2倍にすると、複数のクローポー
ル形ヨークユニットの組み合わせが容易になる。
【0012】またモータの特性を改善し、しかもセンサ
の出力を正弦波に近づけるためには、永久磁石エレメン
トを、ロータのn個(nは4以上の正の整数)のN極の
磁極とn個のS極の磁極とが回転軸の周方向に一定のピ
ッチで交互に現れるように形成し、クローポール形ヨー
クユニットの第1のヨークのn個の極歯の隣接する二つ
の極歯間のピッチを、それぞれ360°/nの一定ピッ
チではなく、270°/nより大きく450°/nより
小さい2種類以上の異なる値のピッチとする。そしてク
ローポール形ヨークユニットの第2のヨークのn個の極
歯の隣接する二つの極歯間のピッチを、第1のヨークの
n個の極歯と第2のヨークのn個の極歯とが非接触の噛
み合い状態になるように定める。この場合、当然にし
て、n個の極歯の隣接する2つの極歯間のn個のピッチ
の合計値は360°になる。この発想の基本は、クロー
ポール形ヨークユニットのヨークの極歯間のピッチを一
定にするという常識を捨てて、少なくとも一方の第1の
ヨークの複数の極歯の極歯間のピッチを上記の角度条件
の範囲内で異ならせることにある。一般的なものと同様
に、クローポール形ヨークユニットの各ヨークの極歯間
のピッチを一定にした場合には、概念的に見れば、各ピ
ッチ間において部分的に発生する部分静止トルクの位相
(電気角で見た位相)は一致している。従来は、極歯の
形状等を変えることにより、この部分静止トルクの特性
形状を変えて、複数の部分静止トルクが合成されて得ら
れる合成静止トルクを正弦波に近付けようとしている。
これに対してこの発明では、少なくとも第1のヨークの
極歯間のピッチを一定にしない即ち変えて、各部分静止
トルクの位相をずらすことにより、合成静止トルクの特
性を正弦波に近付ける。またセンサ用クローポール形ヨ
ークユニットの巻線の出力を正弦波に近づけることがで
きる。基本的には、各極歯の形状を一定にしてヨークの
極歯間のピッチを変えない場合よりも、合成静止トルク
の特性を正弦波に近付けることができる(言い換えれば
ディテントトルクを低減できるまたは回転角度精度及び
静止角度精度を高めることができる)のであれば、n個
のピッチをどのようなピッチパターンで異ならせてもよ
い。現時点では、どのようなピッチパターンにすると、
最良の結果が得られるのかは分かっていないが、ピッチ
を上記条件の範囲で異ならせることにより、特定の高調
波成分が低減または除去されて、特性を従来よりも改善
できることが分かっている。本発明のように、n個の極
歯間のピッチを一定にしない場合でも、ステータの磁気
的なバランスが極端にくずれていないまたは磁気的なバ
ランスがある程度とれていれば、種々のピッチパターン
を採用できる。
【0013】なおクローポール形ヨークユニットの第2
のヨークのn個の極歯の隣接する二つの極歯間のピッチ
は、第1のヨークのn個の極歯と第2のヨークのn個の
極歯とが非接触の噛み合い状態になるように定めればよ
い。例えば従来と同様に一定ピッチでもよい。しかしな
がら第2のヨークにおいても、第1のヨークにおけるピ
ッチパターンと同様に、ピッチを一定とせずに、各ピッ
チ間で発生する部分静止トルクの位相をずらせば、ピッ
チを一定にした場合と比べてよりよい結果が得られる。
【0014】現時点で分かっている第1のヨークのn個
の極歯のn個のピッチを異ならせるパターン(ピッチパ
ターン)の好ましい例について説明する。まず第1のピ
ッチパターンでは、クローポール形ヨークユニットの第
1のヨークが、360°/m(mは1及びnを除くnの
約数)の一定角度範囲(機械角)内にぞれぞれn/m個
の極歯を有する。そして第1のピッチパターンでは、デ
ィテントトルクを低減して回転角度精度及び静止角度精
度を高めるように、各角度範囲内に位置するn/m個の
極歯間のピッチと隣接する2つの角度範囲の境界の両側
に位置する2つの極歯間のピッチとを異ならせる。この
第1のピッチパターンを用いる場合で、設計と製造を容
易にするには、各角度範囲内に位置するn/m個の極歯
間のピッチ(a)をそれぞれ一定とし、隣接する2つの
角度範囲の境界の両側に位置する2つの極歯間のピッチ
(b)もそれぞれ一定にすればよい。
【0015】またクローポール形ヨークユニットの第1
及び第2のヨークのn個の極歯の隣接する二つの極歯間
のピッチをそれぞれ360°/nの一定ピッチにした場
合で、トルクを正弦波に近づけて、しかもセンサの出力
を正弦波に近づけるためには、ロータの隣接する2つの
磁極間のピッチを、180°/nの一定ピッチではなく
135°/nより大きく225°/nより小さい2種類
以上の異なる値のピッチにする。そして2種類以上の異
なる値のピッチの配列を合成静止トルクを正弦波または
センサの出力を正弦波に近づけるように定めればよい。
【0016】この思想の基本は、クローポール型ヨーク
ユニットのヨークの極歯間のピッチは一定にして、ロー
タの隣接する2つの磁極間のピッチ、前述の同極性磁極
中心間ピッチまたは異極性磁極幅ピッチを上記の角度条
件の範囲内で異ならせることにある。クローポール型ヨ
ークユニットの各ヨークの極歯間のピッチを一定にした
場合には、概念的に見れば、各ピッチ間において部分的
に発生する部分静止トルクの位相(電気角で見た位相)
は一致している。従来は、極歯の形状等を変えることに
より、この部分静止トルクの特性形状を変えて、複数の
部分静止トルクが合成されて得られる合成静止トルクを
正弦波に近づけようとしている。これに対してこの発明
では、隣接する2つのヨークの極歯間のピッチを一定に
するが、ロータの隣接する2つの磁極間のピッチ、同極
性磁極中心間ピッチまたは異極性磁極幅ピッチをずらし
て、各部分静止トルクの位相をずらすことにより、合成
静止トルクの特性を正弦波に近づける。
【0017】基本的には、ロータの磁極間のピッチを一
定とした場合よりも、合成静止トルクの特性及びセンサ
の出力を正弦波に近付けることができる(言い換えれば
ディテントトルクを低減することができる又は回転角度
精度及び静止角度精度を高めることができる)のであれ
ば、2n個のピッチまたはn個の同極性磁極中心間ピッ
チまたは異極性磁極幅ピッチをどのような配置態様(ピ
ッチパターン)で異ならせてもよい。現時点では、どの
ような配置態様(ピッチパターン)にすると最良の結果
が得られるのかは分かっていないが、ピッチを上記角度
条件の範囲で異ならせることにより特定の高調波成分が
低減又は除去されて、特性を従来よりも改善できること
が分かっている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について詳細に説明する。図1は本発明を二相永
久磁石型ステッピングモータに適用した実施の形態の一
例のステータを切り開いて展開し、その中心にロータを
配置した図であり、図2はこのモータのステータの極歯
とロータの磁極との関係を示す図である。図1におい
て、1は回転軸3に固定された円柱状のブッシュ5に固
定された筒状の永久磁石エレメント7を備えてなるロー
タである。回転軸3は、図示しない2つの軸受により支
持されている。また永久磁石エレメント7は、n個(n
は4以上の正の整数)のN極の磁極とn個のS極の磁極
とが回転軸の周方向に等しいピッチで交互に現れるよう
に筒状に構成されている。図示しないハウジングに固定
されてロータ1の外周側に配置されたステータ9は、同
じ構造の第1,第2及び第3のクローポール形ヨークユ
ニット11,25及び39を備えている。第1,第2及
び第3のクローポール形ヨークユニット11,25及び
39は、回転軸3の軸線方向に並んで配置さている。そ
れぞれ励磁用クローポール形ヨークユニットを構成する
第1及び第2のクローポール形ヨークユニット11及び
25は、周方向に永久磁石エレメント7の磁極ピッチP
の1/4ピッチだけずらされて配置されている。そして
センサ用クローポール形ヨークユニットを構成する第3
のクローポール形ヨークユニット39は、第1のクロー
ポール形ヨークユニット11に対して周方向に永久磁石
エレメント7の磁極ピッチPの1/8ピッチだけずらさ
れて配置されている。
【0019】第1のクローポール形ヨークユニット11
は、永久磁石エレメント7と径方向に所定の間隔をあけ
て対向し且つ周方向に所定のピッチPで並ぶn個の極歯
15…及び19…をそれぞれ備えた第1及び第2のヨー
ク13及び17と、第1のヨーク13のn個の極歯15
…と第2のヨーク17のn個の極歯19…をそれぞれ異
なる極性に励磁する励磁巻線21を備えている。励磁巻
線21は、ボビン23に巻装されている。第2のクロー
ポール形ヨークユニット25も、永久磁石エレメント7
と径方向に所定の間隔をあけて対向し且つ周方向に所定
のピッチPで並ぶn個の極歯29…及び33…をそれぞ
れ備えた第1及び第2のヨーク27及び31と、第1の
ヨーク27のn個の極歯29…と第2のヨーク31のn
個の極歯33…をそれぞれ異なる極性に励磁する励磁巻
線35を備えている。励磁巻線35も、ボビン37に巻
装されている。第3のクローポール形ヨークユニット3
9も、永久磁石エレメント7と径方向に所定の間隔をあ
けて対向し且つ周方向に所定のピッチPで並ぶn個の極
歯43…及び47…をそれぞれ備えた第1及び第2のヨ
ーク41及び45と、第1のヨーク41のn個の極歯4
3…と第2のヨーク45のn個の極歯47…をそれぞれ
異なる極性に励磁する励磁巻線49を備えている。励磁
巻線49も、ボビン51に巻装されている。
【0020】またロータ1の永久磁石エレメント7の軸
線方向の長さ寸法は、のセンサ用クローポール形ヨーク
ユニット39の第1及び第2のヨーク41及び45と永
久磁石エレメント7が対向し、ロータ1が回転したとき
にセンサ用クローポール形ヨークユニット39の巻線4
9に電圧を誘起し得る長さになっている。
【0021】図2に示すように、この永久磁石型ステッ
ピングモータでは、2つの極歯15間のピッチP、2つ
の極歯17間のピッチP、2つの極歯29間のピッチ
P、2つの極歯33間のピッチP及び永久磁石エレメン
ト7の2つの磁極間のピッチPは、それぞれ同じであ
る。また図示していないが、第3のクローポール形ヨー
クユニット39の2つの極歯43間のピッチ及び2つの
極歯47間のピッチもピッチPと同じである。
【0022】この例では、励磁用クローポール形ヨーク
ユニットとして用いられる第1及び第2のクローポール
形ヨークユニット11及び25と同じ構造のものをセン
サ用クローポール形ヨークユニット39として用いるた
め、センサを設けるために特別に部品を用意する必要が
なく、簡単にセンサ付きの永久磁石型ステッピングモー
タを提供できる。また部品が共通化できるので、永久磁
石型ステッピングモータの価格を安価なものとすること
ができる。
【0023】上記の例では、センサ用クローポール形ヨ
ークユニットと励磁用クローポール形ヨークユニットと
の位置関係、すなわちロータの回転方向または周方向へ
の両者のずれ量(周方向へのずれのピッチ量)を2つの
励磁用クローポール形ヨークユニットのずれ量(1/4
ピッチ)の1/2倍(整数分の1倍)にしている。しか
しながらこのずれ量は、必ずしも一定にする必要はなく
任意である。なおセンサの出力を励磁巻線の励磁タイミ
ングに使用する場合などには、このずれ量を次のように
定めるとよい。
【0024】まずN相の永久磁石ステッピングモータと
仮定した場合には、N個の励磁用クローポール形ヨーク
ユニットの磁極ピッチのずれ量は、最初の相の励磁用ク
ローポール形ヨークユニットのずれ量を0としたときに
は、次の相の励磁用クローポール形ヨークユニットの磁
極ピッチのずれ量を1/2Nとし、次の励磁用クローポ
ール形ヨークユニットの磁極ピッチのずれ量を2/2N
とし、最後の励磁用クローポール形ヨークユニットの磁
極ピッチのずれ量を(N−1)/2Nとする。そしてセ
ンサ用クローポール形ヨークユニットの磁極ピッチのず
れ量を1/4Nとすればよい。
【0025】またセンサ用クローポール形ヨークユニッ
トの数は1個に限定されるものではなく、必要に応じて
複数個のセンサ用クローポール形ヨークユニットを用い
てもよいのは勿論である。
【0026】上記の実施の形態では、各クローポール形
ヨークユニットの極歯のピッチを一定にしたが、モータ
の特性を改善し、しかもセンサの出力を正弦波に近づけ
るためには、永久磁石エレメントを、ロータのn個(n
は4以上の正の整数)のN極の磁極とn個のS極の磁極
とが回転軸の周方向に一定のピッチで交互に現れるよう
に形成し、クローポール形ヨークユニットの第1のヨー
クのn個の極歯の隣接する二つの極歯間のピッチを、そ
れぞれ360°/nの一定ピッチではなく、270°/
nより大きく450°/nより小さい2種類以上の異な
る値のピッチする。そしてクローポール形ヨークユニッ
トの第2のヨークのn個の極歯の隣接する二つの極歯間
のピッチを、第1のヨークのn個の極歯と第2のヨーク
のn個の極歯とが非接触の噛み合い状態になるように定
めればよい。図3は、この思想を図1に示した二相永久
磁石型ステッピングモータに適用する場合の2つの励磁
用クローポール形ヨークユニット111及び125の極
歯115,119,129及び133と、ロータ側の永
久磁石エレメント107の磁極との関係を示す一部省略
展開図である。また図4は、1つのクローポール形ヨー
クユニット111の第1及び第2のヨーク113及び1
17にそれぞれ設けられた極歯115,119の配置位
置を360°にわたって簡略的に示した図である。なお
図示していないが、センサ用クローポール形ヨークユニ
ットについても、クローポール形ヨークユニット111
と同じ構造のものを用いる。
【0027】この実施の形態のステッピングモータは、
クローポール形ヨークユニット111及び125の極歯
115,119,129及び133のピッチが異なる点
を除いて、図1に示した従来の永久磁石型ステッピング
モータと同じである。この実施の形態では、永久磁石エ
レメント107が48個の磁極を有しており、クローポ
ール形ヨークユニット111の第1及び第2のヨーク1
13及び117がそれぞれ24(=n)個の極歯を有し
ている。24の約数は、1,2,3,4,6,8,1
2,24である。この永久磁石型ステッピングモータで
は、1と24を除く約数m(=2,3,4,6,8,1
2)で機械角の360°を分割した角度範囲θ(=36
0°/m)内にn/m個の極歯115が存在するよう
に、第1のヨーク113の極歯115…を分散配置して
いる。そしてこの例では、第1の配置の態様即ちショー
トピッチ配置態様を採用している。ショートピッチ配置
態様では、各角度範囲θ内に位置するn/m個の隣接す
る2つの極歯115…間のピッチaを下記(1)式の範
囲内の値とする。
【0028】 (90°/n)[4−m/(n−m)]<a<(360°/n) …(1) また隣接する2つの角度範囲の境界Bの両側に位置する
2つの極歯間のピッチbを下記(2)式の範囲内の値と
する。
【0029】 (360°/n)<b<(450°/n) …(2) 式(1)は、1つの角度範囲θ内にあるn/m個の極歯
の各ピッチaと等配における極歯の1ピッチ(360°
/n)との差の合計が、等配における極歯の1ピッチ
(360°/n)の1/4ピッチ(電気角で90度)の
範囲内に入るという条件を満たす式である。(2)式
は、(1)式でピッチaを定める場合に取り得るピッチ
bの範囲である。この範囲は、ピッチaとピッチbがそ
れぞれ一定であるとすると、(n−m)×a+m×b=
360°が成立することを前提にして定められる。これ
らの式を満たしたピッチa及びbは、270°/nより
大きく450°/nより小さい2種類の異なる値のピッ
チとなる。
【0030】この例では、より良い結果を得るために、
第2のヨーク117のn個の極歯119…間のピッチ
は、第1のヨーク113のn個の極歯115…の隣接す
る2つの極歯間の中心位置に第2のヨーク117の対応
する1つの極歯119の中心が位置するように定めてい
る。具体的には、mがn/2以外の値であれば、第2の
ヨーク117のn個の極歯119…間のピッチは、その
中心が境界Bに位置する極歯119と該極歯に隣接する
2つの極歯119との間のピッチcが実質的にc=(a
+b)/2となり、その他の隣接する2つの極歯間のピ
ッチが実質的にaになるように定めらる。またmがn/
2の値であるときには、第2のヨーク117のn個の極
歯間のピッチは、すべて実質的に(a+b)/2となる
ように定められる。
【0031】その結果、図3及び図4の配置の態様で
は、ピッチaが、270°/nより大きく360°/n
よりも小さい値となり、ピッチbがピッチ360°/n
よりも大きく450°/nよりも小さくなる。図3で
は、上記の条件で、m=6を選択している。したがって
第1のヨーク113は、6つの角度範囲θ(=60°)
を有しおり、各角度範囲θ内にそれぞれ4つの極歯11
5…を備えている。1つの角度範囲θ内の隣接する2つ
の極歯115間のピッチaは、上記(1)式及び(2)
式にn=24,m=6を代入してa,b,cの範囲を求
めると、下記の通りになる。
【0032】 m=6を選択した場合で、実際にモータを製造する場合
に選択する,a,b,cの値の一例は、a=14°,b
=18°,c=16である。
【0033】n=24で、m=12を選択した場合に
は、第1のヨーク113では極歯のピッチa及びピッチ
bが交互に現れることになるため、第2のヨーク117
では、極歯のピッチはピッチcのみとなり、結果として
等配ピッチとなる。この場合でも本発明の効果を得るこ
とはできる。
【0034】図5は、二相永久磁石型ステッピングモー
タでn=25,m=5としたときの、2つのクローポー
ル形ヨークユニット211及び225の極歯215,2
19,229及び233と、ロータ側の永久磁石エレメ
ント207の磁極との関係を示す概略展開図である。こ
の場合においても、前述のピッチa,ピッチb及びピッ
チcの関係が成立する。この場合のa,b,cの範囲は
下記の通りである。
【0035】13.5°<a<14.4° 14.4°<b<18° 14.4°<c<15.75° そしてこの場合に、実際にモータを製造するときに設計
がし易いa,b,cの値の一例は、a=13.68°,
b=17.28°,c=15.48°である。
【0036】上記例は、いずれもショートピッチ配置態
様で極歯を配置しているが、ピッチaを等配のピッチ
(360°/n)よりも大きくする場合(ロングピッチ
配置態様)にも、本発明を適用できる。ロングピッチ配
置態様では、1つの角度範囲内に位置するn/m個の極
歯間のピッチaは下記(3)式の範囲の値になる。
【0037】 (90°/n)[4+m/(n−m)]>a>(360°/n) …(3) また隣接する2つの角度範囲の境界の両側に位置する2
つの極歯間のピッチbは下記(4)式の範囲の値にな
る。
【0038】 (360°/n)>b>(270°/n) …(4) この配置の態様では、ピッチaが、従来のピッチ(36
0°/n)よりも大きくなり、ピッチbが従来のピッチ
(360°/n)よりも小さくなる。
【0039】式(3)は、1つの角度範囲θ内にあるn
/m個の極歯の各ピッチaと等配における極歯の1ピッ
チ(360°/n)との差の合計が、等配における極歯
の1ピッチ(360°/n)の1/4ピッチ(電気角で
90度)の範囲内に入るという条件を満たす式である。
(4)式は、(1)式でピッチaを定める場合に取り得
るピッチbの範囲である。この範囲は、ピッチaとピッ
チbとがそれぞれ一定であるとすると、(n−m)×a
+m×b=360°が成立することを前提にして定めら
れる。
【0040】図6は、二相永久磁石型ステッピングモー
タでn=24,m=6として、ロングピッチ配置態様を
採用したときの、2つのクローポール形ヨークユニット
311及び325の極歯315,319,329及び3
33と、ロータ側の永久磁石エレメント307の磁極と
の関係を示す概略展開図である。この場合においても、
前述(3)式及び(4)式のピッチa,ピッチb及びピ
ッチcの関係が成立する。この場合のa,b,cの範囲
は、下記の通りである。
【0041】 そしてこの場合に、実際にモータを製造するときに設計
がし易い、a,b,cの値の一例は、a=16°,b=
12°,c=14°である。
【0042】図7は、図3の実施の形態のステッピング
モータの静止角度誤差(X)と、図1及び図2に示した
ステッピングモータ(n=24としたもの)の静止角度
誤差(Y)と、極歯のピッチを一定として一方のヨーク
の極歯の巾寸法を小さくした従来のステッピングモータ
(特開平10−127024号公報の図3参照)の静止
角度誤差(Z)とを比較のために示した図である。図7
から分かるように、本発明のステッピングモータによれ
ば、従来のステッピングモータ(X,Y)と比べて静止
角度誤差がかなり小さくなっている。すなわち本発明の
実施の形態では、静止角度誤差がほぼ±1.5%以下と
なっている。
【0043】上記の各例では、第1のヨークの形状と第
2のヨークの形状とが異なっているため、2種類のヨー
クを作成する必要がある。図8は、第1のヨーク413
と第2のヨーク417を同じ形状にした場合の本発明の
実施の形態の一例の1つのクローポール形ヨークユニッ
ト411の極歯の配置態様(ピッチパターン)を示す図
である。この実施の形態では、第1及び第2のヨーク4
13及び417は、それぞれ24個の極歯415,41
9を有している。そして4つの90°の角度範囲(m=
4)内に、それぞれ6個の極歯が配置されている。この
例では、図1の例と同様に、1つの角度範囲内に位置す
る6個の極歯415…の隣接する2つの極歯間のピッチ
aは一定であり、また隣接する2つの角度範囲の境界の
両側に位置する2つの極歯間のピッチbは一定であり、
a<bの関係になるショートピッチ配置態様である。そ
してこの例では、第2のヨーク417の1つの角度範囲
内に位置する6個の極歯419…の中心が、第1のヨー
ク413の対応する1つの角度範囲内に位置する6個の
極歯間415…の中心位置に位置するように、第1及び
第2のヨーク413及び417が組み合わされている。
なお図8においてIは第1のヨーク413の磁気中心で
あり、IIは第2のヨーク417の磁気中心であり、III
は第1及び第2のヨークの合成磁気中心である。このよ
うな配置構成であっても、従来よりも静止トルク特性を
改善できる。
【0044】上記各実施の形態は、いずれも第1のヨー
クの複数の極歯をグループ分けする場合に用いる複数の
角度範囲が、すべて同じ角度になるピッチパターンで各
極歯間のピッチを定めている。図9の実施の形態は、第
1のヨーク513の複数の極歯515…をグループ分け
する場合に用いる複数の角度範囲θ1〜θ3 がすべて同
一にならない場合のピッチパターンで各極歯515…間
のピッチをショートピッチ配置態様で定めた例である。
この例では、極歯515…の数が12(即ちn=12)
である。そしてこの例では、合計値が360°となる複
数の角度範囲(具体的には3つの角度範囲θ1〜θ3 )
は、同一ではなく異なっている。そして各角度範囲に
は、それぞれ2以上の極歯が含まれている。これら3つ
の角度範囲θ1〜θ3 は、それぞれ360°/nの角度
のM倍[Mは2以上(n−2)以下の正の整数から選択
された数]の角度を有している。そして各角度範囲には
M個の極歯が存在している。具体的には、角度範囲θ1
は、360°/12の3倍の角度すなわち90°であ
り、この角度範囲θ1 内に3個の極歯515…がある。
3個の極歯間のピッチa1 は一定であり、このピッチa
1 は、ショートピッチであるから26.25°<a1 <
30°の範囲から選択される。また角度範囲θ2は、3
60°/12の4倍の角度すなわち120°であり、こ
の角度範囲θ2 内に4個の極歯515…がある。この角
度範囲θ2 内に4個の極歯515…がある。4個の極歯
515…間のピッチa2 は一定であり、このピッチa2
は、ショートピッチであるから27.25°<a2 <3
0°の範囲から選択される。角度範囲θ3 は、360°
/12の5倍の角度すなわち150°であり、この角度
範囲θ3 内に5個の極歯515…がある。5個の極歯間
のピッチa3 は一定であり、このピッチa3 は、ショー
トピッチであるから28.125°<a3 <30°の範
囲から選択される。そしてこの例では、図1の例と同様
に、隣接する2つの角度範囲の境界Bの両側に位置する
2つの極歯515,515間のピッチbをそれぞれ一定
にしている。このピッチbは、30°<b<37.5°
の範囲から選択される。
【0045】これに対して第2のヨーク517では、1
2個の極歯519…間のピッチを、第1のヨークの12
個の極歯515…の隣接する2つの極歯間の中心位置に
第2のヨーク517の対応する1つの極歯519の中心
が位置するように定めている。このような配置すると、
第2のヨーク517の12個の極歯519…の隣接する
極歯間のピッチは、図示のようにa1 ,a2 ,a3 、c
1 ,c2 ,c3 の6種類のピッチを含むことになる。a
1 ,a2 ,a3 の値は前述の通りであり、c1は30°
<c1 <31.875°であり、c2 は30°<c1 <
32.5°であり、c3 は30°<c1 <32.812
5°である。この実施の形態において、設計のし易いピ
ッチの一例を上げると、a1 =27°,a2 =28°,
a3 =28.5°,b=36°、c1 =31.5°,c
2 =32°、c3 =32.5°である。
【0046】図9の例では、複数の角度範囲の角度θ1
〜θ3 がすべて異なっている。しかしながら角度範囲が
3つ以上ある場合であれば、2以上の角度範囲が同じ角
度を有していてもよい。また図9の例では、1つの角度
範囲内に位置する2以上の極歯間のピッチ(a1 〜a3
)をそれぞれ一定にしており、また隣接する2つの角
度範囲の境界の両側に位置する2つの極歯間のピッチb
をそれぞれ一定にしているが、これらのピッチを前述の
条件の範囲内で異ならせてもよいのは勿論である。
【0047】上記の各例は、二相永久磁石型ステッピン
グモータに本発明の思想を適用した例であるが、この思
想はクローポール形ヨークユニットを3個、4個…Q個
と回転軸の軸線方向に並べたQ相の永久磁石型ステッピ
ングモータにも当然にして適用できる。Q相の永久磁石
型ステッピングモータでは、Q個のクローポール形ヨー
クユニットが前記磁極のピッチの1/(2Q)ピッチだ
け周方向にずらされて配置される。
【0048】図10は、ロータ側の磁極の磁極幅を変え
ることにより、モータの特性とセンサの特性を改善する
実施の形態を説明するための図であり、図10は図1に
示した二相永久磁石型ステッピングモータの構造におい
て、ロータ601側の永久磁石エレメント607の磁極
幅がa/2一定のN極の磁極635…と、磁極幅がa/
2のS極の磁極637と磁極幅がb−aのS極の磁極6
39…と2つのクローポール型ヨークユニット611及
び625の極歯615、619、629及び633との
関係を示す概略展開図である。なお、図10では永久磁
石エレメント607のN極の磁極635の中心を磁気中
心として同極性の隣り合う2つの磁極の磁気中心間の長
さを1ピッチ(同極性磁極ピッチ)として示したもので
ある。図10において、ロータ601の永久磁石エレメ
ント607は50個の磁極(N極の磁極は25個=n、
S極の磁極は25個=n)を有しており、またクローポ
ール型ヨークユニット611の第1及び第2のヨーク6
13及び617はそれぞれ25個の極歯を有している。
分割数は上記の25の約数の数(1,5,25)のうち
25を除く1及び5を選択することができる。この永久
磁石型ステッピングモータでは、上記の約数のうち約数
m=5で機械角の360°を分割した角度範囲θ(=3
60°/5)内に、n/m=25/5=5個のN極の磁
極635と5個のS極の磁極637,639が存在する
ように、永久磁石エレメント607の磁極635…と磁
極637,639を配置している。
【0049】図10においては、永久磁石エレメント6
07の磁極間のピッチaはショートピッチ配置態様(ピ
ッチaを等配のピッチ(360°/n)よりも小さくす
る場合)を採用している。ショートピッチ配置態様で
は、各角度範囲θ内に位置するn/m個の隣接する2つ
の磁極間のピッチaを下記(5)式の範囲内の値とす
る。
【0050】 (90°/n)[4−m/(n−m)]<a<(360°/n) …(5) また隣接する2つの角度範囲の両側に位置する2つの磁
極間のピッチbを下記(6)式の範囲内の値とする。
【0051】 (360°/n)<b<(450°/n) …(6) (5)式は、1つの角度範囲θ内にあるn/m個の磁極
の各ピッチaと等配における磁極の1ピッチ(360°
/n)との差の合計が、等配における磁極の1ピッチ
(360°/n)の1/4ピッチ(電気角で90度)の
範囲内に入るという条件を満たす式である。(6)式
は、(5)式でピッチaを定める場合に取り得るピッチ
bの範囲である。この範囲は、ピッチaとピッチbとが
それぞれ一定であるとすると、(n−m)×a+m×b
=360°が成立することを前提にして定められる。こ
れらの式を満たしたピッチa及びbは、270°/nよ
り大きく450°/nより小さい2種類の異なる値のピ
ッチとなる。上記の条件で約数m=5を選択した場合の
ピッチa、ピッチbの取り得る範囲は、n=25、m=
5を上記(5)式及び(6)式に代入して求めると以下
の通りになる。
【0052】13.5°<a<14.4° 14.4°<b<18° また、m=1を選択した場合は、上記(5)式及び
(6)式にn=25、m=1を代入してピッチa、ピッ
チbの範囲を求めると以下の通りになる。
【0053】14.25°<a<14.4° 14.4°<b<18° 上記例はいずれもショートピッチ配置態様で磁極を配置
しているが、ピッチaを等配のピッチ(360°/n)
よりも大きくする場合(ロングピッチ配置態様)にも本
発明を適用できる。ロングピッチ配置態様では1つの角
度範囲内に配置するn/m個の磁極間のピッチaは、下
記(7)式の範囲の値となる。
【0054】 (45°/n)[4+m/(n−m)]>a>(180°/n) …(7) ここで、mの値は上述したショートピッチ配置態様と同
様に25の約数(1,5,25)のうち25を除いた1
及び5を選択することができる。
【0055】また、隣接する2つの角度範囲の両側に位
置する2つの磁極間のピッチbは下記(8)式の範囲の
値となる。
【0056】 (180°/n)>b>(90°/n) …(8) このロングピッチ配置態様では、ピッチaが従来のピッ
チ(360°/n)よりも大きくなりピッチbが従来の
ピッチ(360°/n)よりも小さくなる。
【0057】(7)式は、1つの角度範囲θ内にあるn
/m個の磁極の各ピッチaと等配における磁極の1ピッ
チ(360°/n)との差の合計が、等配における磁極
の1ピッチ(360°/n)の1/4ピッチ(電気角で
90度)の範囲内に入るという条件を満たす式である。
(8)式は、(5)式でピッチaを定める場合に取り得
るピッチbの範囲である。この範囲はピッチaとピッチ
bとがそれぞれ一定であるとすると、(n−m)×a+
m×b=360°が成立することを前提にして定められ
る。上記の条件でm=5を選択した場合、n=25、m
=5を上記(7)式及び(8)式に代入してピッチa、
ピッチbの範囲をそれぞれ求めると以下の通りになる。
【0058】7.65>a>7.2 7.2>b>3.6 また、上記の条件でm=1を選択した場合、n=25、
m=1を上記(7)式及び(8)式に代入してピッチ
a、ピッチbの範囲を求めると以下の通りになる。
【0059】 ロータ側の磁極のピッチをずらしてモータ及びセンサの
特性を改善する場合のピッチのずらし方は、上記の実施
の形態に限定されるものではない。例えば、隣接する極
性の異なる2つの磁極の磁極幅の合計の長さを1ピッチ
(異極性磁極幅ピッチ)とし、異なる極性の磁極間の境
界に磁気中心があるとの見方をして、360°/mの角
度範囲θ内に4組のN極とS極の磁極ペアを配置し、2
組の磁極ペアのピッチがそれぞれa(ショートピッチ)
で残りの2組の磁極ペアのピッチがそれぞれc(ロング
ピッチ)となるように各磁極の磁極幅を定めてもよい。
【0060】またクローポール型ヨークユニットの極歯
の一定のピッチPに対してロータ側の永久磁石エレメン
トの4種類の磁極のピッチa1乃至a4をa4>a3>
P>a2>a1の関係にした永久磁石エレメントを用い
ても、同様の効果が得られる。このような構成を採用す
ると、ロータ側の永久磁石エレメントの各磁極にショー
トピッチ配置態様とロングピッチ配置態様とが混在す
る。特に、この例で、永久磁石エレメントの磁極間のピ
ッチa1、a2、a3、a4をa4>a3>P>a2>
a1とした上で、徐々にピッチ寸法が大きくなりまた徐
々にピッチ寸法が小さくなるようにa1、a2、a3、
a4、a3、a2、a1のピッチの配列の順番を定め、
更に、 |P−a3|=|P−a2| |P−a4|=|P−a1| の条件を満たすように各ピッチの寸法を定めるのが好ま
しい。このようなピッチの配列と寸法を用いても、ロー
タの隣接する2つの磁極間の異極性磁極幅ピッチをずら
して、各部分静止トルクの位相をずらすことにより、合
成静止トルクの特性を正弦波に近付けることができる。
【0061】なおこのピッチの配列を用いる場合には、
(a3−P)−(P−a2)=(a4−P)−(P−a
1)≧0の条件を満たせばよい。(a3−P)−(P−
a2)=(a4−P)−(P−a1)=0の場合が、上
記の絶対値条件が満たされる場合である。
【0062】上記の説明では、ロータ側のピッチを同極
性磁極ピッチまたは異極性磁極ピッチで説明したが、こ
の思想は隣接する2つの磁極の磁気中心間のピッチでも
特定することができる。その場合には、ロータの隣接す
る2つの磁極間のピッチを、180°/nの一定ピッチ
ではなく、135°/nより大きく225°/nより小
さい2種類以上の異なる値のピッチとした上で、2種類
以上の異なる値のピッチの配列を静止トルクを正弦波に
近付けるように定めればよい。
【0063】上記のように静止トルクを正弦波に近づけ
ることができるクローポール型ヨークユニットをセンサ
用クローポール型ヨークユニットとして用いれば、巻線
に誘起される電圧として正弦波に近いものを得ることが
できる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、励磁用クローポール形
ヨークユニットとして用いられるクローポール形ヨーク
ユニットと同じ構造のものをセンサ用クローポール形ヨ
ークユニットとして用いるため、センサを設けるために
特別に部品を用意する必要がない。また本発明によれ
ば、部品が共通化できるので、永久磁石型ステッピング
モータの価格を安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を二相永久磁石型ステッピングモータに
適用した実施の形態の一例ののステータを切り開いて展
開し、その中央にロータを配置した図である。
【図2】図1のステータの極歯とロータの磁極との関係
を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例で用いる2つのクロ
ーポール形ヨークユニットの極歯と、ロータ側の永久磁
石エレメントの磁極との関係を示す概略展開図である。
【図4】図3の実施の形態の1つのクローポール形ヨー
クユニットの第1及び第2のヨークにそれぞれ設けられ
た極歯の配置位置を360°にわたって示した図であ
る。
【図5】本発明の他の実施の形態の2つのクローポール
形ヨークユニットの極歯とロータ側の永久磁石エレメン
トの磁極との関係を示す概略展開図である。
【図6】本発明の更に他の実施の形態の2つのクローポ
ール形ヨークユニットの極歯とロータ側の永久磁石エレ
メントの磁極との関係を示す概略展開図である。
【図7】本発明の実施の形態と従来例の静止角度誤差を
比較するための図である。
【図8】第1のヨークと第2のヨークを同じ形状にした
場合の本発明の他の実施の形態の1つのクローポール形
ヨークユニットの第1及び第2のヨークにそれぞれ設け
られた極歯の配置位置を360°にわたって示した図で
ある。
【図9】本発明の他の実施の形態の1つのクローポール
形ヨークユニットの第1及び第2のヨークにそれぞれ設
けられた極歯の配置位置を360°にわたって示した図
である。
【図10】本発明の更に他の実施の形態の2つのクロー
ポール形ヨークユニットの極歯とロータ側の永久磁石エ
レメントの磁極との関係を示す概略展開図である。
【符号の説明】
1 ロータ 3 回転軸 7 永久磁石エレメント 9 ステータ 11 第1のクローポール形ヨークユニット 25 第2のクローポール形ヨークユニット 39 第3のクローポール形ヨークユニット 13,17,27,29,41,45 ヨーク 15,19,29,33,43,47 極歯 21,35,51 巻線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個(nは4以上の正の整数)のN極の
    磁極とn個のS極の磁極とが回転軸の周方向に交互に現
    れるように筒状に構成された永久磁石エレメントが前記
    回転軸に固定されてなるロータと、 前記永久磁石エレメントと前記回転軸の径方向に所定の
    間隔をあけて対向し且つ前記周方向に所定のピッチで並
    ぶn個の極歯をそれぞれ備えた第1及び第2のヨーク並
    びに前記第1のヨークの前記n個の極歯と前記第2のヨ
    ークの前記n個の極歯をそれぞれ異なる極性に励磁する
    巻線を備え、前記第1のヨークの前記n個の極歯と前記
    第2のヨークの前記n個の極歯とが非接触の噛み合い状
    態で配置されるように前記第1及び第2のヨークが組み
    合わされて構成された2以上の励磁用クローポール形ヨ
    ークユニットが、前記回転軸の軸線方向に並んで配置さ
    れてなるステータとを具備する永久磁石型ステッピング
    モータであって、 前記ステータには、前記2以上の励磁用クローポール形
    ヨークユニットと同じ構造の1以上のセンサ用クローポ
    ール形ヨークユニットが、前記2以上の励磁用クローポ
    ール形ヨークユニットに隣接して前記回転軸の前記軸線
    方向に並んで配置され、 前記ロータの前記永久磁石エレメントの前記軸線方向の
    長さ寸法は、前記1以上のセンサ用クローポール形ヨー
    クユニットの第1及び第2のヨークと前記永久磁石エレ
    メントが対向し、前記ロータが回転したときに前記1以
    上のセンサ用クローポール形ヨークユニットの巻線に電
    圧を誘起し得る長さに定められていることを特徴とする
    永久磁石型ステッピングモータ。
  2. 【請求項2】 前記センサ用クローポール形ヨークユニ
    ットと隣接する前記励磁用クローポール形ヨークユニッ
    トとの間の周方向のずれ量は、前記2以上の励磁用クロ
    ーポール形ヨークユニット相互間の前記周方向のずれ量
    の整数倍または整数分の1倍である請求項1に記載の永
    久磁石型ステッピングモータ。
  3. 【請求項3】 前記センサ用クローポール形ヨークユニ
    ットと隣接する前記励磁用クローポール形ヨークユニッ
    トとの間の周方向のずれ量は、前記2以上の励磁用クロ
    ーポール形ヨークユニット相互間の前記周方向のずれ量
    の1/2倍である請求項2に記載の永久磁石型ステッピ
    ングモータ。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石エレメントは、前記ロータ
    の前記n個(nは4以上の正の整数)のN極の磁極と前
    記n個のS極の磁極とが前記回転軸の周方向に一定のピ
    ッチで交互に現れるように形成されており、 前記クローポール形ヨークユニットの前記第1のヨーク
    の前記n個の極歯の隣接する二つの極歯間のピッチは、
    それぞれ360°/nの一定ピッチではなく、270°
    /nより大きく450°/nより小さい2種類以上の異
    なる値のピッチであり、 前記クローポール形ヨークユニットの前記第2のヨーク
    の前記n個の極歯の隣接する二つの極歯間のピッチは、
    前記第1のヨークの前記n個の極歯と前記第2のヨーク
    の前記n個の極歯とが非接触の噛み合い状態になるよう
    に定められていることを特徴とする請求項1に永久磁石
    型ステッピングモータ。
  5. 【請求項5】 前記クローポール形ヨークユニットの前
    記第1及び第2のヨークの前記n個の極歯の隣接する二
    つの極歯間のピッチは、それぞれ360°/nの一定ピ
    ッチであり、 前記ロータの隣接する2つの前記磁極間のピッチは、1
    80°/nの一定ピッチではなく135°/nより大き
    く225°/nより小さい2種類以上の異なる値のピッ
    チであり、 前記2種類以上の異なる値のピッチの配列が、合成静止
    トルクを正弦波に近づけるように定められていることを
    特徴とする請求項1に記載の永久磁石型ステッピングモ
    ータ。
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