JP2001160240A - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
- Publication number
- JP2001160240A JP2001160240A JP34117699A JP34117699A JP2001160240A JP 2001160240 A JP2001160240 A JP 2001160240A JP 34117699 A JP34117699 A JP 34117699A JP 34117699 A JP34117699 A JP 34117699A JP 2001160240 A JP2001160240 A JP 2001160240A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- layer
- recording medium
- optical recording
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属反射層の耐蝕性に優れ、高温高湿下での
使用及び長期保存の可能な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 本発明の光記録媒体は、基板1上に有機
色素を含有する記録層2、AgまたはAgを主成分とす
る合金からなる反射層3及び保護層4を含む。記録層2
は一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール系化合物
を色素とともに含む。この化合物の存在により、本発明
の光記録媒体は、金属反射層の耐蝕性が高く、高温高湿
下での使用及び長期保存において良好な記録再生特性を
持つ。 【化1】
使用及び長期保存の可能な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 本発明の光記録媒体は、基板1上に有機
色素を含有する記録層2、AgまたはAgを主成分とす
る合金からなる反射層3及び保護層4を含む。記録層2
は一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール系化合物
を色素とともに含む。この化合物の存在により、本発明
の光記録媒体は、金属反射層の耐蝕性が高く、高温高湿
下での使用及び長期保存において良好な記録再生特性を
持つ。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機色素を含有す
る記録層及び反射層を有する追記型光記録媒体、特に金
属から形成される反射層の耐蝕性に優れた追記型光記録
媒体に関する。
る記録層及び反射層を有する追記型光記録媒体、特に金
属から形成される反射層の耐蝕性に優れた追記型光記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、追記型の光記録媒体として、透明
な基板上に直接又は他の層を介して形成された有機色素
を含有する記録層と、この記録層の上に直接又は他の層
を介して形成された金属の反射層とを有する追記型光デ
ィスク、例えば、CD−Rが広く知られている。現在こ
の追記型光ディスクの反射層の材料として、Au、A
g、又はこれらの合金が用いられている。これらの金属
のうち、追記型光ディスクの反射層として、特にAuが
反射率が高く耐蝕性に優れている。しかし、Auは製造
コストが他の金属と比べて相当に高くなるという欠点が
ある。そこで、Au以外に反射層となりうる金属とし
て、例えばAgが挙げられる。Agは、Auに対して製
造コストが低く、反射率の点でもAuと同等あるいはそ
れ以上の反射率を有する。そのため、追記型光ディスク
の反射層として、AgをAuに代えて利用することが検
討されてきた。
な基板上に直接又は他の層を介して形成された有機色素
を含有する記録層と、この記録層の上に直接又は他の層
を介して形成された金属の反射層とを有する追記型光デ
ィスク、例えば、CD−Rが広く知られている。現在こ
の追記型光ディスクの反射層の材料として、Au、A
g、又はこれらの合金が用いられている。これらの金属
のうち、追記型光ディスクの反射層として、特にAuが
反射率が高く耐蝕性に優れている。しかし、Auは製造
コストが他の金属と比べて相当に高くなるという欠点が
ある。そこで、Au以外に反射層となりうる金属とし
て、例えばAgが挙げられる。Agは、Auに対して製
造コストが低く、反射率の点でもAuと同等あるいはそ
れ以上の反射率を有する。そのため、追記型光ディスク
の反射層として、AgをAuに代えて利用することが検
討されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Agを用いた
反射層を有する追記型光記録媒体は、高温高湿下で記録
再生特性が劣化し、長期保存が難しいという問題があっ
た。追記型光記録媒体として、CD−Rのみならず、近
年開発が進められている高密度記録が可能なDVD−R
もまた金属反射層を用いて構成されるため、かかる問題
の解決は急務であった。
反射層を有する追記型光記録媒体は、高温高湿下で記録
再生特性が劣化し、長期保存が難しいという問題があっ
た。追記型光記録媒体として、CD−Rのみならず、近
年開発が進められている高密度記録が可能なDVD−R
もまた金属反射層を用いて構成されるため、かかる問題
の解決は急務であった。
【0004】また、光記録媒体の反射層材料として、A
gを主成分とする合金で反射層を成膜し、耐蝕性を向上
させることが提案されている。しかし、Agのみに比べ
て製造コストがかかる。その上、Agを主成分とする合
金は反射率の点から満足のいくものが得られにくいとい
う問題があった。
gを主成分とする合金で反射層を成膜し、耐蝕性を向上
させることが提案されている。しかし、Agのみに比べ
て製造コストがかかる。その上、Agを主成分とする合
金は反射率の点から満足のいくものが得られにくいとい
う問題があった。
【0005】また、特開平10−337957公報にお
いて、Agで形成した光反射層の表面をジピリジル系化
合物又はフェナントロリン系化合物を用いて処理するこ
とにより、耐蝕性を改善する方法が提案されている。し
かしながら、光記録媒体の耐蝕性は、いまだ十分なもの
ではなかった。
いて、Agで形成した光反射層の表面をジピリジル系化
合物又はフェナントロリン系化合物を用いて処理するこ
とにより、耐蝕性を改善する方法が提案されている。し
かしながら、光記録媒体の耐蝕性は、いまだ十分なもの
ではなかった。
【0006】そこで、本発明の目的は、金属から形成さ
れる反射層の耐蝕性に優れた、高温高湿下での使用や長
期保存性が可能な追記型光記録媒体を提供することであ
る。
れる反射層の耐蝕性に優れた、高温高湿下での使用や長
期保存性が可能な追記型光記録媒体を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、光記録媒体であって、基板と;上記基板上に形成
された記録層と;上記記録層上に形成された金属反射層
と;を備え、上記記録層が下記一般式(I)で表される
化合物を含むことを特徴とする光記録媒体が提供され
る。
えば、光記録媒体であって、基板と;上記基板上に形成
された記録層と;上記記録層上に形成された金属反射層
と;を備え、上記記録層が下記一般式(I)で表される
化合物を含むことを特徴とする光記録媒体が提供され
る。
【0008】
【化3】
【0009】式(I)中、R1、R2、R3、R4及び
R5は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換又は未置換の炭化水素基、置換又は未
置換のアルコキシル基、シアノ基、置換又は未置換のア
ミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換又は
未置換のアルキルチオ基、置換又は未置換のアリールチ
オ基、メルカプト基、スルホン酸基、アシル基、アルデ
ヒド基、置換又は未置換のアリール基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、エステル基、チオエステル基、及
びチオカルボン酸基の一種を表す。R1及びR2、R2
及びR3、並びに、R3及びR4は、任意の連結基を介
して環を形成してもよい。
R5は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換又は未置換の炭化水素基、置換又は未
置換のアルコキシル基、シアノ基、置換又は未置換のア
ミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換又は
未置換のアルキルチオ基、置換又は未置換のアリールチ
オ基、メルカプト基、スルホン酸基、アシル基、アルデ
ヒド基、置換又は未置換のアリール基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、エステル基、チオエステル基、及
びチオカルボン酸基の一種を表す。R1及びR2、R2
及びR3、並びに、R3及びR4は、任意の連結基を介
して環を形成してもよい。
【0010】本発明者らは、Agを反射層に用いた光記
録媒体の場合に高温高湿下で記録再生特性が劣化する原
因を検討及び研究したところ、記録層中の有機色素の劣
化よりもむしろ反射層を形成するAgの腐蝕が主な原因
であることを見出した。上述のように、追記型光記録媒
体の反射層としてAgを利用する試みは数多くなされて
いるが、Agは化学的にそれほど安定ではなく、酸化さ
れて腐蝕しやすいという点を実用化にあたって解決する
必要がある。また、Agの代わりに、例えば、Cu等を
用いたとしても、腐蝕の問題は回避する必要がある。
録媒体の場合に高温高湿下で記録再生特性が劣化する原
因を検討及び研究したところ、記録層中の有機色素の劣
化よりもむしろ反射層を形成するAgの腐蝕が主な原因
であることを見出した。上述のように、追記型光記録媒
体の反射層としてAgを利用する試みは数多くなされて
いるが、Agは化学的にそれほど安定ではなく、酸化さ
れて腐蝕しやすいという点を実用化にあたって解決する
必要がある。また、Agの代わりに、例えば、Cu等を
用いたとしても、腐蝕の問題は回避する必要がある。
【0011】記録層に有機色素を含有する追記型光記録
媒体では、レーザー光を記録層に照射してその部分の色
素を分解し、情報記録点であるピット部を形成する。こ
のときに、色素分解による副生成物として過酸化物又は
活性酸素が生じる。反射層にAgを用いた場合には、こ
れら過酸化物又は活性酸素の酸化作用によって、酸化物
皮膜が反射層のAg表面上に形成される。すなわち、反
射層が腐蝕し、反射率が低下するため光記録媒体の記録
再生特性が劣化する。また、硫化物又は塩化物の存在下
においても、反射層表面上に硫化物皮膜又は塩化物皮膜
が形成され、Agの腐蝕や変色が進行する。Agの腐
蝕、すなわち、Ag反射層表面上の硫化物、酸化物又は
塩化物皮膜の形成を回避し、反射層の耐蝕性を向上させ
る必要がある。
媒体では、レーザー光を記録層に照射してその部分の色
素を分解し、情報記録点であるピット部を形成する。こ
のときに、色素分解による副生成物として過酸化物又は
活性酸素が生じる。反射層にAgを用いた場合には、こ
れら過酸化物又は活性酸素の酸化作用によって、酸化物
皮膜が反射層のAg表面上に形成される。すなわち、反
射層が腐蝕し、反射率が低下するため光記録媒体の記録
再生特性が劣化する。また、硫化物又は塩化物の存在下
においても、反射層表面上に硫化物皮膜又は塩化物皮膜
が形成され、Agの腐蝕や変色が進行する。Agの腐
蝕、すなわち、Ag反射層表面上の硫化物、酸化物又は
塩化物皮膜の形成を回避し、反射層の耐蝕性を向上させ
る必要がある。
【0012】本発明者らは、このような光記録媒体のA
g等の金属反射層の腐蝕を防ぐために、ベンゾトリアゾ
ール系化合物の使用が有効であることを見出した。上記
一般式(I)に示すようにベンゾトリアゾール系化合物
は、分子内に不対電子を持つ窒素を複数有している。こ
の化合物が金属反射層表面に存在すると、これらの不対
電子が、反応性の高い金属の空の電子軌道を埋め、金属
の反応を抑制する働きをすると考えられる。このため、
この化合物を金属表面に接触させれば、酸化反応等によ
る金属の腐蝕を防止する効果が期待できる。後述する実
施例で用いたベンゾトリアゾール系化合物の中には、置
換基に硫黄を持つものがあり、硫黄も不対電子を持って
いるため窒素同様の腐蝕防止効果が期待できる。実施例
に示すように、実際にはこれらベンゾトリアゾール系化
合物のうちでは、R1〜R5の置換基が水素原子である
表1の(I−1−1)の構造の化合物が、特に腐蝕防止
効果が高いことがわかった。
g等の金属反射層の腐蝕を防ぐために、ベンゾトリアゾ
ール系化合物の使用が有効であることを見出した。上記
一般式(I)に示すようにベンゾトリアゾール系化合物
は、分子内に不対電子を持つ窒素を複数有している。こ
の化合物が金属反射層表面に存在すると、これらの不対
電子が、反応性の高い金属の空の電子軌道を埋め、金属
の反応を抑制する働きをすると考えられる。このため、
この化合物を金属表面に接触させれば、酸化反応等によ
る金属の腐蝕を防止する効果が期待できる。後述する実
施例で用いたベンゾトリアゾール系化合物の中には、置
換基に硫黄を持つものがあり、硫黄も不対電子を持って
いるため窒素同様の腐蝕防止効果が期待できる。実施例
に示すように、実際にはこれらベンゾトリアゾール系化
合物のうちでは、R1〜R5の置換基が水素原子である
表1の(I−1−1)の構造の化合物が、特に腐蝕防止
効果が高いことがわかった。
【0013】ここでは、このベンゾトリアゾール系化合
物を有機色素に混合して光記録媒体の記録層を形成す
る。これによって、前述のように光記録の際に生じる色
素の分解生成物が、記録層に接する金属反射層、特にA
gを用いた反射層を腐蝕させるのを防止する。つまり、
光記録媒体の反射層の耐蝕性を向上させることができ
る。この方法は、ベンゾトリアゾール系化合物を予め色
素に混合して色素記録層を形成するという簡便な工程で
光記録媒体を製造できるため、生産性の点から有利であ
る。ここで、ベンゾトリアゾール系化合物は、記録光に
対して透明であるので、記録光による色素記録層へのデ
ータの書きこみに影響することはない。ベンゾトリアゾ
ール系化合物の色素に対する混合比は、記録による色素
の分解生成物と金属との反応を有効に防ぐ観点から0.
1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%が好まし
い。
物を有機色素に混合して光記録媒体の記録層を形成す
る。これによって、前述のように光記録の際に生じる色
素の分解生成物が、記録層に接する金属反射層、特にA
gを用いた反射層を腐蝕させるのを防止する。つまり、
光記録媒体の反射層の耐蝕性を向上させることができ
る。この方法は、ベンゾトリアゾール系化合物を予め色
素に混合して色素記録層を形成するという簡便な工程で
光記録媒体を製造できるため、生産性の点から有利であ
る。ここで、ベンゾトリアゾール系化合物は、記録光に
対して透明であるので、記録光による色素記録層へのデ
ータの書きこみに影響することはない。ベンゾトリアゾ
ール系化合物の色素に対する混合比は、記録による色素
の分解生成物と金属との反応を有効に防ぐ観点から0.
1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%が好まし
い。
【0014】本発明の第2の態様に従えば、光記録媒体
であって、基板と;上記基板上に形成された色素を含有
する記録層と;上記記録層上に形成された金属反射層
と;を備え、上記反射層の少なくとも一方の面上に下記
一般式(I)で表される化合物を含む層を有することを
特徴とする光記録媒体が提供される。
であって、基板と;上記基板上に形成された色素を含有
する記録層と;上記記録層上に形成された金属反射層
と;を備え、上記反射層の少なくとも一方の面上に下記
一般式(I)で表される化合物を含む層を有することを
特徴とする光記録媒体が提供される。
【0015】
【化4】
【0016】式(I)中、R1、R2、R3、R4及び
R5は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換又は未置換の炭化水素基、置換又は未
置換のアルコキシル基、シアノ基、置換又は未置換のア
ミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換又は
未置換のアルキルチオ基、置換又は未置換のアリールチ
オ基、メルカプト基、スルホン酸基、アシル基、アルデ
ヒド基、置換又は未置換のアリール基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、エステル基、チオエステル基、及
びチオカルボン酸基の一種を表す。R1及びR2、R2
及びR3、並びに、R3及びR4は、任意の連結基を介
して環を形成してもよい。〕
R5は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換又は未置換の炭化水素基、置換又は未
置換のアルコキシル基、シアノ基、置換又は未置換のア
ミノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、置換又は
未置換のアルキルチオ基、置換又は未置換のアリールチ
オ基、メルカプト基、スルホン酸基、アシル基、アルデ
ヒド基、置換又は未置換のアリール基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、エステル基、チオエステル基、及
びチオカルボン酸基の一種を表す。R1及びR2、R2
及びR3、並びに、R3及びR4は、任意の連結基を介
して環を形成してもよい。〕
【0017】金属反射層の腐蝕防止のため、ベンゾトリ
アゾール系化合物を有機色素の溶解しない溶媒を用いた
溶液とし、色素記録層と金属反射層の間に塗布する。こ
のベンゾトリアゾール系化合物層は、色素からの分解生
成物と金属表面との反応を防ぐごく薄い膜ができればよ
く、この膜は記録再生光の反射率には影響を与えない。
この方法で光記録媒体を製造すると、金属反射層の耐蝕
性向上の他に、ベンゾトリアゾール系化合物膜が記録層
と反射層との密着性を向上させるという効果もある。
アゾール系化合物を有機色素の溶解しない溶媒を用いた
溶液とし、色素記録層と金属反射層の間に塗布する。こ
のベンゾトリアゾール系化合物層は、色素からの分解生
成物と金属表面との反応を防ぐごく薄い膜ができればよ
く、この膜は記録再生光の反射率には影響を与えない。
この方法で光記録媒体を製造すると、金属反射層の耐蝕
性向上の他に、ベンゾトリアゾール系化合物膜が記録層
と反射層との密着性を向上させるという効果もある。
【0018】また、光記録媒体の反射層上には、紫外線
硬化樹脂等から形成される保護層が設けられることが多
い。しかし、この紫外線硬化樹脂等からの酸成分の拡散
によっても、金属反射層の腐蝕が生じることが知られて
いる。したがって保護層側にベンゾトリアゾール系化合
物を塗布し腐蝕を防止することで、光記録媒体の未記録
時における耐蝕性を向上させることができる。ここで
は、記録層と反対側の金属反射層表面に、ベンゾトリア
ゾール系化合物の溶液を塗布することにより、反射層上
にベンゾトリアゾール系化合物のごく薄い膜を形成す
る。次いでその上に保護層を形成すると、ベンゾトリア
ゾール系化合物膜が反射層の保護層との界面における腐
蝕を防止する。さらに、ベンゾトリアゾール系化合物
が、反射層と保護層との間に加えて、記録層と反射層と
の間に存在していてもよい。
硬化樹脂等から形成される保護層が設けられることが多
い。しかし、この紫外線硬化樹脂等からの酸成分の拡散
によっても、金属反射層の腐蝕が生じることが知られて
いる。したがって保護層側にベンゾトリアゾール系化合
物を塗布し腐蝕を防止することで、光記録媒体の未記録
時における耐蝕性を向上させることができる。ここで
は、記録層と反対側の金属反射層表面に、ベンゾトリア
ゾール系化合物の溶液を塗布することにより、反射層上
にベンゾトリアゾール系化合物のごく薄い膜を形成す
る。次いでその上に保護層を形成すると、ベンゾトリア
ゾール系化合物膜が反射層の保護層との界面における腐
蝕を防止する。さらに、ベンゾトリアゾール系化合物
が、反射層と保護層との間に加えて、記録層と反射層と
の間に存在していてもよい。
【0019】上述の第1及び第2の態様に従って製造さ
れた追記型光記録媒体は、金属、特にAg又はAgを主
成分とする合金を用いた光反射層の耐蝕性を改善でき
る。したがって、本発明の光記録媒体は高温高湿度下で
の使用に高い耐久性を持ち、かつ、長期保存をしても良
好な記録再生を行うことが可能となる。
れた追記型光記録媒体は、金属、特にAg又はAgを主
成分とする合金を用いた光反射層の耐蝕性を改善でき
る。したがって、本発明の光記録媒体は高温高湿度下で
の使用に高い耐久性を持ち、かつ、長期保存をしても良
好な記録再生を行うことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光記録媒体の実施
の形態を具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。
の形態を具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0021】基板としては、透明な材質の、ポリカーボ
ネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂
等に代表される樹脂やガラス等を用い得る。このうち取
り扱いの容易な樹脂としては、ポリカーボネート樹脂や
ポリメタクリル酸メチル樹脂等の透明樹脂材料を用いる
ことができる。基板は、これら透明樹脂材料を射出成形
して製造することができるが、この製造方法に限らず、
2P(Photo−Polymer)法により製造して
もよい。また、基板の少なくともどちらか一方の面に
は、トラッキング用のプリグルーブが0.7μm〜1.
6μmの間隔で同心円状又はスパイラル状に形成されて
いてもよい。このプリグルーブの溝深さは、光の干渉効
果を利用して増幅された再生信号を得るために100n
m〜250nmとすることが望ましい。また、基板の表
面には、情報を記録したプリピット又はトラッキング用
やアドレス用のためにグルーブ等の所定のパターンが必
要に応じて設けられる。
ネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂
等に代表される樹脂やガラス等を用い得る。このうち取
り扱いの容易な樹脂としては、ポリカーボネート樹脂や
ポリメタクリル酸メチル樹脂等の透明樹脂材料を用いる
ことができる。基板は、これら透明樹脂材料を射出成形
して製造することができるが、この製造方法に限らず、
2P(Photo−Polymer)法により製造して
もよい。また、基板の少なくともどちらか一方の面に
は、トラッキング用のプリグルーブが0.7μm〜1.
6μmの間隔で同心円状又はスパイラル状に形成されて
いてもよい。このプリグルーブの溝深さは、光の干渉効
果を利用して増幅された再生信号を得るために100n
m〜250nmとすることが望ましい。また、基板の表
面には、情報を記録したプリピット又はトラッキング用
やアドレス用のためにグルーブ等の所定のパターンが必
要に応じて設けられる。
【0022】記録層は、前述の基板上に直接に、あるい
は他の層を介して設けられる。記録層は、スピンコート
法や蒸着法等により成膜することができるが、特に溶媒
を使用するスピンコート法が好ましい。成膜時に用いる
溶媒としては、例えば、エチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブ、メタノール及びテトラフルオロプロパノール等
を用いることができる。成膜する記録層の膜厚は、20
nm〜200nmが好ましい。
は他の層を介して設けられる。記録層は、スピンコート
法や蒸着法等により成膜することができるが、特に溶媒
を使用するスピンコート法が好ましい。成膜時に用いる
溶媒としては、例えば、エチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブ、メタノール及びテトラフルオロプロパノール等
を用いることができる。成膜する記録層の膜厚は、20
nm〜200nmが好ましい。
【0023】記録層を形成する色素材料としては、記録
用レーザーの照射により、分解、溶融、気化等の化学変
化が起こる性質を有する色素を用いる。この条件に当て
はまる有機色素としては、シアニン系色素、スクアリリ
ウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色
素、トリアリールアミン系色素、アントラキノン系色
素、含金属アゾ系色素、ジチオール金属錯塩系色素、イ
ンドアニリン金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、
ナフタロシアニン系色素、分子間CTコンプレックス系
色素等がある。記録層には、これらの色素を単独で又は
混合して用いてよい。また、記録層には、上記のような
有機色素以外に酸化防止剤、ジチオール錯体等のクエン
チャー、及び、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケ
トン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
カーボネート、ポリオレフィン等のバインダー等を添加
してもよい。
用レーザーの照射により、分解、溶融、気化等の化学変
化が起こる性質を有する色素を用いる。この条件に当て
はまる有機色素としては、シアニン系色素、スクアリリ
ウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色
素、トリアリールアミン系色素、アントラキノン系色
素、含金属アゾ系色素、ジチオール金属錯塩系色素、イ
ンドアニリン金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、
ナフタロシアニン系色素、分子間CTコンプレックス系
色素等がある。記録層には、これらの色素を単独で又は
混合して用いてよい。また、記録層には、上記のような
有機色素以外に酸化防止剤、ジチオール錯体等のクエン
チャー、及び、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケ
トン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
カーボネート、ポリオレフィン等のバインダー等を添加
してもよい。
【0024】本発明では、反射層に使用されるAg又は
その他の金属の耐蝕性を向上させるため、下記(1)〜
(3)の方法に従って一般式(I)で示されるベンゾト
リアゾール系化合物が導入された光記録媒体を作製する
ことができる。
その他の金属の耐蝕性を向上させるため、下記(1)〜
(3)の方法に従って一般式(I)で示されるベンゾト
リアゾール系化合物が導入された光記録媒体を作製する
ことができる。
【0025】(1)本発明に従って、色素に一般式
(I)のベンゾトリアゾール系化合物を混合し、この混
合物で光記録媒体の記録層を形成することができる。こ
のような構成の光記録媒体を製造するには、有機色素と
ともに上述した一般式(I)で示されるベンゾトリアゾ
ール系化合物を有機溶媒に溶解して、前述の透明な基板
上にスピンコートすればよい。有機溶媒中のベンゾトリ
アゾール系化合物の濃度は、色素に対し、通常0.1〜
20重量%が好ましく、さらには、0.5〜10重量%
が好ましい。
(I)のベンゾトリアゾール系化合物を混合し、この混
合物で光記録媒体の記録層を形成することができる。こ
のような構成の光記録媒体を製造するには、有機色素と
ともに上述した一般式(I)で示されるベンゾトリアゾ
ール系化合物を有機溶媒に溶解して、前述の透明な基板
上にスピンコートすればよい。有機溶媒中のベンゾトリ
アゾール系化合物の濃度は、色素に対し、通常0.1〜
20重量%が好ましく、さらには、0.5〜10重量%
が好ましい。
【0026】(2)本発明に従って、記録層と反射層の
間に一般式(I)で示されるベンゾトリアゾール系化合
物の層を形成した光記録媒体を製造することもできる。
この場合、有機色素を前述の透明な基板上にスピンコー
トし、その後、このベンゾトリアゾール系化合物を、有
機色素で形成された記録層が溶解しない有機溶媒に溶解
させ、この溶液を記録層上にスピンコートすればよい。
このベンゾトリアゾール系化合物溶液の濃度は、通常
0.0001〜6.0重量%が好ましく、さらには、
0.001〜0.1重量%が好ましい。
間に一般式(I)で示されるベンゾトリアゾール系化合
物の層を形成した光記録媒体を製造することもできる。
この場合、有機色素を前述の透明な基板上にスピンコー
トし、その後、このベンゾトリアゾール系化合物を、有
機色素で形成された記録層が溶解しない有機溶媒に溶解
させ、この溶液を記録層上にスピンコートすればよい。
このベンゾトリアゾール系化合物溶液の濃度は、通常
0.0001〜6.0重量%が好ましく、さらには、
0.001〜0.1重量%が好ましい。
【0027】(3)また、本発明に従って、記録層と反
対側の反射層上に一般式(I)の化合物を含む層を備え
る光記録媒体を構成することもできる。この場合、有機
色素を前述の透明な基板上にスピンコートし、さらに後
述の方法により反射層を形成後、ベンゾトリアゾール系
化合物を有機溶媒に溶解させた溶液を、この反射層にス
ピンコートすればよい。このベンゾトリアゾール系化合
物の溶液濃度は、通常0.0001〜6.0重量%が好
ましく、さらには、0.001〜0.1重量%が好まし
い。
対側の反射層上に一般式(I)の化合物を含む層を備え
る光記録媒体を構成することもできる。この場合、有機
色素を前述の透明な基板上にスピンコートし、さらに後
述の方法により反射層を形成後、ベンゾトリアゾール系
化合物を有機溶媒に溶解させた溶液を、この反射層にス
ピンコートすればよい。このベンゾトリアゾール系化合
物の溶液濃度は、通常0.0001〜6.0重量%が好
ましく、さらには、0.001〜0.1重量%が好まし
い。
【0028】以下に本発明で用い得る一般式(I)で表
されるベンゾトリアゾール系化合物の具体例を挙げる
が、本発明におけるベンゾトリアゾール系化合物は、下
記構造式(I−1)及び(I−2)で表される化合物に
限定されるものではない。下記構造式(I−1)及び
(I−2)は、それらの置換基R11〜R15及びR
21〜R25が、それぞれ表1及び表2に示された基で
ある化合物I−1−1〜I−1−27及びI−2−1〜
I−2−16で例示される。
されるベンゾトリアゾール系化合物の具体例を挙げる
が、本発明におけるベンゾトリアゾール系化合物は、下
記構造式(I−1)及び(I−2)で表される化合物に
限定されるものではない。下記構造式(I−1)及び
(I−2)は、それらの置換基R11〜R15及びR
21〜R25が、それぞれ表1及び表2に示された基で
ある化合物I−1−1〜I−1−27及びI−2−1〜
I−2−16で例示される。
【0029】
【化5】
【0030】
【表1】
【0031】
【化6】
【0032】
【表2】
【0033】反射層は、前述の記録層上に金属で形成さ
れる。反射層材料は、特にAg又はAgを主成分とする
合金が好ましい。Agを主成分とする合金を形成する元
素としては、Al、Au、Cu、Cr、Ni、Pt、P
d等が挙げられるが特にこれらに限定されない。合金中
のAgの組成比も特に限定はされず、任意の組成比にし
得る。反射層は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプ
レーティング等により成膜することができる。成膜する
反射層の膜厚は、0.02μm〜2.0μmが好まし
い。
れる。反射層材料は、特にAg又はAgを主成分とする
合金が好ましい。Agを主成分とする合金を形成する元
素としては、Al、Au、Cu、Cr、Ni、Pt、P
d等が挙げられるが特にこれらに限定されない。合金中
のAgの組成比も特に限定はされず、任意の組成比にし
得る。反射層は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプ
レーティング等により成膜することができる。成膜する
反射層の膜厚は、0.02μm〜2.0μmが好まし
い。
【0034】保護層としては、紫外線硬化性アクリル樹
脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、シリコーン系ハードコ
ート樹脂等の有機材料やSiO、SiN、AlN等の無
機材料を使用することができる。保護層の膜厚は0.1
μm〜100μmが好ましく、4μm〜10μmがより
一層好ましい。保護層は、スピンコート、グラビア塗
布、スプレーコート、ロールコート等の方法により形成
することができる。
脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、シリコーン系ハードコ
ート樹脂等の有機材料やSiO、SiN、AlN等の無
機材料を使用することができる。保護層の膜厚は0.1
μm〜100μmが好ましく、4μm〜10μmがより
一層好ましい。保護層は、スピンコート、グラビア塗
布、スプレーコート、ロールコート等の方法により形成
することができる。
【0035】また、基板上に記録層及び反射層を積層し
た構造の光記録媒体2枚を貼り合わせて、貼り合わせ型
の光記録媒体を製造してもよい。この場合には、反射層
又は保護層を成膜した後に、各層をそれぞれに備えた2
枚の光記録媒体を、基板を外側にして貼り合わせる。貼
り合わせ用の接着剤としてホットメルト接着剤、紫外線
硬化接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤等を使
用することができる。
た構造の光記録媒体2枚を貼り合わせて、貼り合わせ型
の光記録媒体を製造してもよい。この場合には、反射層
又は保護層を成膜した後に、各層をそれぞれに備えた2
枚の光記録媒体を、基板を外側にして貼り合わせる。貼
り合わせ用の接着剤としてホットメルト接着剤、紫外線
硬化接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤等を使
用することができる。
【0036】以下に本発明の効果を具体的に示すため
に、図面及び実施例を用いて説明する。図1に、本発明
の光記録媒体の一例であって、以下の実施例で製造する
光ディスクの構造の概略断面図を示す。ただし、本発明
の実施の形態はこれにより限定されるものではない。
に、図面及び実施例を用いて説明する。図1に、本発明
の光記録媒体の一例であって、以下の実施例で製造する
光ディスクの構造の概略断面図を示す。ただし、本発明
の実施の形態はこれにより限定されるものではない。
【0037】実施例1 本実施例では、図1に示すように、まず光透過性の基板
1上に記録層2、反射層3、及び保護層4をこの順に積
層した光ディスクを形成し、この光ディスク2枚(光デ
ィスク1及び光ディスク2)の保護層側の面を貼り合わ
せて貼り合わせ型光ディスク50を完成させた。以下で
この光ディスクを製造する方法、高温高湿試験、及び記
録再生特性の測定結果について説明する。
1上に記録層2、反射層3、及び保護層4をこの順に積
層した光ディスクを形成し、この光ディスク2枚(光デ
ィスク1及び光ディスク2)の保護層側の面を貼り合わ
せて貼り合わせ型光ディスク50を完成させた。以下で
この光ディスクを製造する方法、高温高湿試験、及び記
録再生特性の測定結果について説明する。
【0038】最初に基板1として、プリフォーマットパ
ターンが形成されているスタンパを装着した射出成形機
を用いて、ポリカーボネート樹脂を射出成形することに
より直径120mm、板厚0.6mmの、基板1を作製
した。得られた基板1には、トラッキング用のプリグル
ーブがトラックピッチ0.8μm、溝幅0.3μmで同
心円状に形成されていた。次いで、記録層2の色素材料
として、下記の構造式(II):
ターンが形成されているスタンパを装着した射出成形機
を用いて、ポリカーボネート樹脂を射出成形することに
より直径120mm、板厚0.6mmの、基板1を作製
した。得られた基板1には、トラッキング用のプリグル
ーブがトラックピッチ0.8μm、溝幅0.3μmで同
心円状に形成されていた。次いで、記録層2の色素材料
として、下記の構造式(II):
【化7】 で表されるアゾ系色素に、先の表1に示した市販のベン
ゾトリアゾール系化合物(I−1−1)(和光純薬製)
を、上記アゾ系色素に対して1重量%となるよう混合し
た。その後、この色素とベンゾトリアゾール系化合物の
混合物を、全体の濃度が1重量%となるようにテトラフ
ルオロプロパノールを溶媒とした溶液に調整し、この溶
液をフィルターで濾過して不溶物を取り除いた。この溶
液をプリグルーブが形成された先の基板1上に、スピン
コート法により塗布し、記録層2を膜厚200nmに形
成した。
ゾトリアゾール系化合物(I−1−1)(和光純薬製)
を、上記アゾ系色素に対して1重量%となるよう混合し
た。その後、この色素とベンゾトリアゾール系化合物の
混合物を、全体の濃度が1重量%となるようにテトラフ
ルオロプロパノールを溶媒とした溶液に調整し、この溶
液をフィルターで濾過して不溶物を取り除いた。この溶
液をプリグルーブが形成された先の基板1上に、スピン
コート法により塗布し、記録層2を膜厚200nmに形
成した。
【0039】次いで、この記録層上2に反射層3とし
て、Agを真空蒸着法により膜厚0.1μmで成膜し
た。さらに、このAg反射層3上に、記録層2及び反射
層3を保護するための保護層4として紫外線硬化性樹脂
をスピンコート法により、膜厚7μmに成膜した。保護
層4を成膜後、紫外線照射機を用いて所定の光強度の紫
外線を照射して保護層を硬化させた。このようにして、
形成した2枚の光ディスク(光ディスク1及び光ディス
ク2)の保護層面を接着し、図1に示す構造の貼り合わ
せ型光ディスク50を作製した。
て、Agを真空蒸着法により膜厚0.1μmで成膜し
た。さらに、このAg反射層3上に、記録層2及び反射
層3を保護するための保護層4として紫外線硬化性樹脂
をスピンコート法により、膜厚7μmに成膜した。保護
層4を成膜後、紫外線照射機を用いて所定の光強度の紫
外線を照射して保護層を硬化させた。このようにして、
形成した2枚の光ディスク(光ディスク1及び光ディス
ク2)の保護層面を接着し、図1に示す構造の貼り合わ
せ型光ディスク50を作製した。
【0040】上述のように作製した光ディスクの、高温
高湿試験前後における記録再生特性の評価を行った。記
録・再生には、パルステック工業製光ディスク評価装置
(DDU1000)を用いた。まず、記録光として波長
635nmのレーザー光を用い、この記録光をパワー8
mWで光ディスクに照射して画像データを記録した。そ
の後、再生光として波長635nmのレーザー光を0.
5mWのパワーで照射して、記録した画像データを再生
し、ジッター値とエラーレートを測定した。初期のジッ
タ−値は7.5%、エラーレートは50であった。一方
で、上述の方法で画像データを記録した各サンプルを高
温高湿度(80℃、90%RH)の条件下に1000時
間放置し、さらに通常環境下に一昼夜放置した。この放
置後のサンプルの画像データを上述の再生光で再生し、
この時のジッター値及びエラーレートを測定した。試験
後の測定値はジッタ−値が7.6%、エラーレートが6
0であった。この結果から、高温高湿試験前後におい
て、ジッタ−値及びエラーレートはほとんど変化せず良
好な値であったことが分かった。
高湿試験前後における記録再生特性の評価を行った。記
録・再生には、パルステック工業製光ディスク評価装置
(DDU1000)を用いた。まず、記録光として波長
635nmのレーザー光を用い、この記録光をパワー8
mWで光ディスクに照射して画像データを記録した。そ
の後、再生光として波長635nmのレーザー光を0.
5mWのパワーで照射して、記録した画像データを再生
し、ジッター値とエラーレートを測定した。初期のジッ
タ−値は7.5%、エラーレートは50であった。一方
で、上述の方法で画像データを記録した各サンプルを高
温高湿度(80℃、90%RH)の条件下に1000時
間放置し、さらに通常環境下に一昼夜放置した。この放
置後のサンプルの画像データを上述の再生光で再生し、
この時のジッター値及びエラーレートを測定した。試験
後の測定値はジッタ−値が7.6%、エラーレートが6
0であった。この結果から、高温高湿試験前後におい
て、ジッタ−値及びエラーレートはほとんど変化せず良
好な値であったことが分かった。
【0041】実施例2〜12 実施例2〜12においては、実施例1で用いたベンゾト
リアゾール系化合物(I−1−1)の代わりに、他の置
換基を持つベンゾトリアゾール系化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。実施
例2〜12では、表2及び表3に示した互いに異なるベ
ンゾトリアゾール系化合物1種類をアゾ系色素に含有さ
せ、光ディスクの記録層をそれぞれ形成した。含有させ
たベンゾトリアゾール系化合物は、実施例2では(I−
1−2)、実施例3では(I−1−3)、以下実施例の
番号順に、(I−1−4)、(I−1−9)、(I−1
−14)、(I−1−22)、(I−2−6)、(I−
2−9)、(I−2−10)、(I−2−12)及び
(I−2−15)であった。
リアゾール系化合物(I−1−1)の代わりに、他の置
換基を持つベンゾトリアゾール系化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。実施
例2〜12では、表2及び表3に示した互いに異なるベ
ンゾトリアゾール系化合物1種類をアゾ系色素に含有さ
せ、光ディスクの記録層をそれぞれ形成した。含有させ
たベンゾトリアゾール系化合物は、実施例2では(I−
1−2)、実施例3では(I−1−3)、以下実施例の
番号順に、(I−1−4)、(I−1−9)、(I−1
−14)、(I−1−22)、(I−2−6)、(I−
2−9)、(I−2−10)、(I−2−12)及び
(I−2−15)であった。
【0042】また、作製した各光ディスクについて、実
施例1と同様にして高温高湿試験及び、その前後の記録
再生特性の評価を行った。高温高湿試験前後の測定値
は、用いたベンゾトリアゾール系化合物の種類ととも
に、以下の表3にまとめた。実施例1〜実施例12の本
発明の光ディスクでは、高温高湿試験の前後において、
ジッター値、エラーレートはほとんど変化せず、良好な
記録再生ができた。これら実施例1〜12の結果を比較
すると、僅かな差ではあるが、試験の前後における各測
定値の変化は実施例1が最も小さいことが分かった。こ
れについては、置換基が比較的大きく窒素原子の不対電
子を遮りやすい構造のベンゾトリアゾール系化合物より
も、実施例1で用いた表1の(I−1−1)のように置
換基がすべて水素原子で小さい構造のものの方が、より
腐蝕防止の効果が高いことが考えられる。
施例1と同様にして高温高湿試験及び、その前後の記録
再生特性の評価を行った。高温高湿試験前後の測定値
は、用いたベンゾトリアゾール系化合物の種類ととも
に、以下の表3にまとめた。実施例1〜実施例12の本
発明の光ディスクでは、高温高湿試験の前後において、
ジッター値、エラーレートはほとんど変化せず、良好な
記録再生ができた。これら実施例1〜12の結果を比較
すると、僅かな差ではあるが、試験の前後における各測
定値の変化は実施例1が最も小さいことが分かった。こ
れについては、置換基が比較的大きく窒素原子の不対電
子を遮りやすい構造のベンゾトリアゾール系化合物より
も、実施例1で用いた表1の(I−1−1)のように置
換基がすべて水素原子で小さい構造のものの方が、より
腐蝕防止の効果が高いことが考えられる。
【0043】比較例1 ベンゾトリアゾール系化合物の腐蝕防止効果を確認する
ために、ベンゾトリアゾール系化合物を添加せず、アゾ
系色素のみで記録層を形成した以外は、実施例1と同様
にして光ディスクを作製した。また、作製した光ディス
クについて、実施例1と同様にして高温高湿試験及びそ
の前後の記録再生特性の評価を行った。高温高湿試験前
後の測定値は、以下の表3にまとめた。
ために、ベンゾトリアゾール系化合物を添加せず、アゾ
系色素のみで記録層を形成した以外は、実施例1と同様
にして光ディスクを作製した。また、作製した光ディス
クについて、実施例1と同様にして高温高湿試験及びそ
の前後の記録再生特性の評価を行った。高温高湿試験前
後の測定値は、以下の表3にまとめた。
【0044】
【表3】
【0045】実施例1〜実施例12の本発明の光ディス
クでは、高温高湿試験の前後において、ジッター値及び
エラーレートはほとんど変化せず、どれも良好な記録再
生が出来た。これに対し、記録層にベンゾトリアゾール
系化合物を添加せず、アゾ系色素のみで記録層を形成し
た比較例1では、高温高湿試験後のジッター値及びエラ
ーレートが、共に大きくなり安定に再生できなかった。
これは、比較例1の光ディスクでは高温高湿下における
Ag反射層の腐蝕が生じ、反射率が低下したことが原因
と考えられる。以上の結果より、ベンゾトリアゾール系
化合物を用いた本発明の光記録媒体は、金属、特にAg
からなる光反射層の耐蝕性を大きく向上させることが明
らかになった。
クでは、高温高湿試験の前後において、ジッター値及び
エラーレートはほとんど変化せず、どれも良好な記録再
生が出来た。これに対し、記録層にベンゾトリアゾール
系化合物を添加せず、アゾ系色素のみで記録層を形成し
た比較例1では、高温高湿試験後のジッター値及びエラ
ーレートが、共に大きくなり安定に再生できなかった。
これは、比較例1の光ディスクでは高温高湿下における
Ag反射層の腐蝕が生じ、反射率が低下したことが原因
と考えられる。以上の結果より、ベンゾトリアゾール系
化合物を用いた本発明の光記録媒体は、金属、特にAg
からなる光反射層の耐蝕性を大きく向上させることが明
らかになった。
【0046】
【発明の効果】本発明に従い、ベンゾトリアゾール系化
合物を光記録媒体に用いれば、金属、特にAg又はAg
を主成分とする合金からなる光反射層の耐蝕性が向上
し、高温高湿下での使用や長期保存性に優れた光記録媒
体を提供することができるという効果がある。また、光
反射層の耐蝕性の向上に伴って、ジッター値及びエラー
レートの悪化のない、記録再生特性に優れた光記録媒体
を提供することができる。
合物を光記録媒体に用いれば、金属、特にAg又はAg
を主成分とする合金からなる光反射層の耐蝕性が向上
し、高温高湿下での使用や長期保存性に優れた光記録媒
体を提供することができるという効果がある。また、光
反射層の耐蝕性の向上に伴って、ジッター値及びエラー
レートの悪化のない、記録再生特性に優れた光記録媒体
を提供することができる。
【図1】本発明の実施例に係る光記録媒体の概略断面図
である。
である。
1、12 基板 2、22 記録層 3、32 反射層 4、42 保護層 5 接着層 50 貼り合わせ型光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 友一 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 高澤 孝次 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA25 EA39 EA40 FA01 FA11 FA12 FA14 FA23 FB60 5D029 JA04 MA13 NA12
Claims (9)
- 【請求項1】 光記録媒体であって、 基板と;上記基板上に形成された記録層と;上記記録層
上に形成された金属反射層と;を備え、 上記記録層が下記一般式(I): 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、同一でも
異なってもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、
置換又は未置換の炭化水素基、置換又は未置換のアルコ
キシル基、シアノ基、置換又は未置換のアミノ基、水酸
基、ニトロ基、カルボキシル基、置換又は未置換のアル
キルチオ基、置換又は未置換のアリールチオ基、メルカ
プト基、スルホン酸基、アシル基、アルデヒド基、置換
又は未置換のアリール基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、エステル基、チオエステル基、及びチオカルボ
ン酸基の一種を表す。R1及びR2、R2及びR3、並
びに、R3及びR4は、任意の連結基を介して環を形成
してもよい。〕で表される化合物を含むことを特徴とす
る光記録媒体。 - 【請求項2】 上記反射層が、Ag又はAgを含む合金
であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 上記一般式(I)の化合物において、R
1、R2、R3、R 4及びR5が水素原子であることを
特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。 - 【請求項4】 光記録媒体であって、 基板と;上記基板上に形成された記録層と;上記記録層
上に形成された金属反射層と;を備え、 上記反射層の少なくとも一方の面上に下記一般式
(I): 【化2】 〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異
なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換
又は未置換の炭化水素基、置換又は未置換のアルコキシ
ル基、シアノ基、置換又は未置換のアミノ基、水酸基、
ニトロ基、カルボキシル基、置換又は未置換のアルキル
チオ基、置換又は未置換のアリールチオ基、メルカプト
基、スルホン酸基、アシル基、アルデヒド基、置換又は
未置換のアリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、エステル基、チオエステル基、及びチオカルボン酸
基の一種を表す。R1及びR2、R2及びR3、並び
に、R 3及びR4は、任意の連結基を介して環を形成し
てもよい。〕で表される化合物を含む層を有することを
特徴とする光記録媒体。 - 【請求項5】 上記一般式(I)で表される化合物を含
む層が、反射層と記録層との間に形成されていることを
特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。 - 【請求項6】 上記一般式(I)で表される化合物を含
む層が、反射層の、記録層と反対側の面上に形成されて
いることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。 - 【請求項7】 さらに、上記一般式(I)で表される化
合物を含む層の上に、保護層が形成されていることを特
徴とする請求項6に記載の光記録媒体。 - 【請求項8】 上記反射層が、Ag又はAgを含む合金
であることを特徴とする請求項4から7のいずれか一項
に記載の光記録媒体。 - 【請求項9】 上記一般式(I)の化合物において、R
1、R2、R3、R 4及びR5が水素原子であることを
特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の光記
録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34117699A JP2001160240A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34117699A JP2001160240A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | 光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001160240A true JP2001160240A (ja) | 2001-06-12 |
Family
ID=18343947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34117699A Withdrawn JP2001160240A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001160240A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007211253A (ja) * | 2007-05-07 | 2007-08-23 | Sony Chemical & Information Device Corp | 光学的記録媒体用の光重合性樹脂組成物及び光学的記録媒体 |
US7361449B2 (en) | 2003-06-17 | 2008-04-22 | Fujifilm Corporation | Specific dye compound, optical information recording medium comprising specific dye, and information recording method using this optical information recording medium |
US7887993B2 (en) * | 2004-09-30 | 2011-02-15 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Optical information recording medium and recording method thereof |
-
1999
- 1999-11-30 JP JP34117699A patent/JP2001160240A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7361449B2 (en) | 2003-06-17 | 2008-04-22 | Fujifilm Corporation | Specific dye compound, optical information recording medium comprising specific dye, and information recording method using this optical information recording medium |
US7887993B2 (en) * | 2004-09-30 | 2011-02-15 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Optical information recording medium and recording method thereof |
JP2007211253A (ja) * | 2007-05-07 | 2007-08-23 | Sony Chemical & Information Device Corp | 光学的記録媒体用の光重合性樹脂組成物及び光学的記録媒体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3708298B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2000108513A (ja) | 光記録媒体 | |
JP2000057627A (ja) | 光反射膜及びそれを用いた光記録媒体 | |
JP3614586B2 (ja) | ジピロメテン金属キレート化合物及びこれを用いた光記録媒体 | |
US8067080B2 (en) | Optical recording medium | |
JP4750504B2 (ja) | 光記録媒体及びアゾ系金属キレート色素添加剤 | |
JP2003276342A (ja) | 光記録媒体 | |
JPH10330633A (ja) | サブフタロシアニン化合物及びそれを用いた光記録媒体 | |
JP3820050B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2001160240A (ja) | 光記録媒体 | |
JP2000222771A (ja) | 光記録媒体 | |
JP3673963B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2003303447A (ja) | 光記録媒体 | |
JP3884950B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP3564962B2 (ja) | 光記録媒体及びその光記録再生方法 | |
JP2001307379A (ja) | 光記録媒体およびその製造方法 | |
US20030161987A1 (en) | Optical recording medium | |
JP2000318312A (ja) | 光記録媒体 | |
JP2003178489A (ja) | 情報記録媒体 | |
JP4054189B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2000318313A (ja) | 光記録媒体 | |
JPH05116456A (ja) | コンパクトデイスク対応またはコンパクトデイスク−rom対応の追記型光デイスク | |
JP5037155B2 (ja) | 光情報記録媒体およびその製造方法 | |
CN101027188B (zh) | 光信息记录介质及其记录方法 | |
JP2000343825A (ja) | 光学記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070206 |