JP2001159851A - 複層エンドレスベルト - Google Patents

複層エンドレスベルト

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JP2001159851A
JP2001159851A JP34299499A JP34299499A JP2001159851A JP 2001159851 A JP2001159851 A JP 2001159851A JP 34299499 A JP34299499 A JP 34299499A JP 34299499 A JP34299499 A JP 34299499A JP 2001159851 A JP2001159851 A JP 2001159851A
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belt
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linear expansion
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Yoshinari Takayama
嘉也 高山
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの複層化による従来の問題を解消すべ
く、高温使用時などにおいて内部応力や歪が生じにく
く、ベルト走行性や耐久性が良好な複層エンドレスベル
トを提供する。 【解決手段】 ポリイミド系樹脂を主体とする層を2層
以上積層してあり、少なくともその1層がフィラーを含
有することで各層の機能が相違する複層エンドレスベル
トにおいて、隣接する2層を異なるポリイミド系樹脂を
用いて形成することで、前記2層間の200〜250℃
の範囲における線膨張率の差を、前記何れかのポリイミ
ド系樹脂を前記2層ともに用いる場合より、低減してあ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド系樹脂
を主体とする層を2層以上積層してある複層エンドレス
ベルトに関し、特に、複写機、ファクシミリ、プリンタ
ー等の画像成形装置の定着又は中間転写等に用いられる
エンドレスベルトとして有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像処理装置における転写紙
への画像定着法として、熱ロール定着法が知られている
が、定着作業毎に熱ローラ表面温度がトナーの溶融温度
に達するまで待たなければならず、熱効率がわるいとい
う問題があった。また、熱ロール内のヒータに常に電流
を流し、熱ローラを常時加温状態に維持しておくことも
行われているが、消費電力の増大が避けられない。
【0003】そこで、近年、上記の問題を解消すべく、
ベルト定着法が提案されている。この方法は、ローラと
ベルトを対向配置した構成となっており、転写紙をこれ
らの間に送り込むことによって、転写紙上のトナーの定
着を行うものである。この方法でも加圧、加熱、駆動と
いう基本機能は、熱ローラ定着法と同様に必要である
が、これら機能はロール側に持たせても、ベルト側に持
たせてもかまわない。
【0004】このような、定着法に用いられる定着ベル
トとしては、定着機構、トナーの種類に応じて多数のタ
イプが存在する。例えば、オンデマンド、サーフ方式の
ように、ベルト内部にヒーターを入れたタイプではより
高い熱伝導がベルトに求められるため、特開平7−18
6162号公報又は特開平7−199699号公報のよ
うに、熱伝導性フィラーを入れたベルト基材が提案され
ている。また、特開平3−25481号公報ではベルト
に対しヒーターやローラー等の内接物との摩擦力を低減
し、偏寄り制御をスムーズにしたり、摩擦による異常音
をなくすために、ベルト基材中にフッ素樹脂を0.1〜
10wt%の割合で添加したものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ベルトでは、基材に熱伝導性、摺動性、電気伝導性等の
各機能を付与するために、フィラーを含有させている
が、いずれの場合も単層で構成されているため、機械的
強度を維持するために、添加量が少なく十分機能が果た
せないという欠点があった。
【0006】このため、ベルトを複層化して、各層に十
分な機能を発現する量のフィラーを添加する試みが存在
するが、次のような問題が生じることが判明した。即
ち、ポリイミドベルトにおいてフィラーの種類や添加量
(又はその有無)等を変化させると、特に高温(200
〜250℃)における線膨張率が変化し易いことが判明
した。このため複層化したベルトを定着ベルト等として
使用する場合、加熱時にベルトに内部応力や歪が生じ易
くなり、ソリ等によりベルト走行に支障をきたす場合が
ある。また、そのような状態で長時間使用すると挫屈が
起こるなど、耐久性の低下をきたす。一方、ベルトの製
造工程においても、降温時に内部応力や歪が生じ易くな
り、残留応力や残留歪によりベルトの機械特性が低下す
るおそれがある。
【0007】そこで、本発明の目的は、ベルトの複層化
による上記の如き問題を解消すべく、高温使用時などに
おいて内部応力や歪が生じにくく、ベルト走行性や耐久
性が良好な複層エンドレスベルトを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究したところ、上記のような高温で
の線膨張率の変化に関する知見に加えて、隣接する層を
形成するポリイミド系樹脂の種類を相違させることによ
り、両層の線膨張率の差を低減できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ポリイミド系樹脂を主体
とする層を2層以上積層してあり、少なくともその1層
がフィラーを含有することで各層の機能が相違する複層
エンドレスベルトにおいて、隣接する2層を異なるポリ
イミド系樹脂を用いて形成することで、前記2層間の2
00〜250℃の範囲における線膨張率の差を、前記何
れかのポリイミド系樹脂を前記2層ともに用いる場合よ
り、低減してあることを特徴とする。
【0010】上記において、前記2層間の200〜25
0℃の範囲における線膨張率の差が、0.5×10
-5(/℃)以下であることが好ましい。
【0011】[作用効果]本発明のように、ベルトにフ
ィラーを含有させて各層の機能が相違する場合、各層間
の高温での線膨張率の差が大きくなり易いため、上述の
如き問題が生じ易いところ、本発明によると、実施例の
結果が示すように、隣接する2層を異なるポリイミド系
樹脂を用いて形成することにより、高温での線膨張率の
差を低減することができる。このため、高温使用時など
において内部応力や歪が生じにくいため、ベルト走行性
や耐久性を改善することができる。
【0012】前記2層間の200〜250℃の範囲にお
ける線膨張率の差が、0.5×10 -5(/℃)以下であ
る場合、高温使用時におけるベルト走行性や耐久性の改
善効果がより確実に得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1(a)〜(d)は本発
明の複層エンドレスベルトの例であって、定着ベルトと
して好適な例を示すものである。
【0014】図1(a)は、フッ素樹脂フィラーを含有
するポリイミドで形成された摺動性層1、及びフィラー
を含有しないポリイミド層2の順で外層側から積層され
たベルトの例である。図1(b)は、図1(a)と逆の
順で積層されたベルトの例である。図1(c)は、離型
性を有する樹脂で形成された離型層3、前記のポリイミ
ド層2、及び導電性フィラーを含有するポリイミドで形
成された導電性層4の順で外層側から積層されたベルト
の例である。図1(d)は、前記の離型層3、耐熱性を
有する弾性体で形成された弾性層5、熱伝導性フィラー
を含有するポリイミドで形成された熱伝導性層6、及び
前記のポリイミド層2の順で外層側から積層されたベル
トの例である。これらの複層エンドレスベルトによる
と、定着ベルトに使用する場合、熱伝導性、摺動性、電
気伝導性等の付加機能が単一もしくは同時にバランス良
く発現できる。
【0015】一方、本発明の複層エンドレスベルトを画
像成形装置の中間転写ベルトや転写搬送ベルトとして使
用する場合、前記の導電性層4と前記のポリイミド層2
を積層したもの、2層の導電性層4を積層して両者の電
気抵抗を相違させたもの、これらの最外層として前記の
離型層3を形成したもの等が例示される。
【0016】上記の如き複層エンドレスベルトにおい
て、摺動性層1、ポリイミド層2、導電性層4、及び熱
伝導性層6が、ポリイミド系樹脂を主体とする層に該当
する。まず、これらの各層について説明する。
【0017】これらの各層の厚みは、任意に設定できる
が、通常、各層の総厚で5〜150μmの範囲に設定す
るのが好ましい。また各層の厚さはフィラーの形状、粒
径、充填量に応じて、変化する機械強度と線膨張率を考
慮して設定するのが好ましい。即ち、本発明に係る複層
エンドレスベルトにおいて重要なことは、無機又は有機
のフィラーを含有するポリイミド層と、フィラーを含有
しない又は含有量やフィラーの異なるポリイミド層、更
には貫通孔を有するポリイミド層の線膨張率が、お互い
近似していることである。これによって定着温度下にお
いても歪等を発生させることなく、ベルト走行性や耐久
性に優れた多機能ベルトが得られる。なお、離型層に用
いられるフッ素樹脂や弾性層に用いられる耐熱ゴムは、
線膨張率は大きいがそれ自体弾性率が低いため、ベルト
形状を歪ませる影響は少ない。
【0018】本発明の複層エンドレスベルトは、例え
ば、下記の工程により、ポリイミド系樹脂を主体とする
上記各層を積層一体化したものを予め作製したのち、残
りの層を形成することで作製することができる。つま
り、隣接する2層を異なるポリイミド系樹脂を用いて形
成することで、何れかのポリイミド系樹脂を2層ともに
用いる場合より、2層間の線膨張率の差を低減すること
ができる。その際、線膨張率の異なるポリイミド樹脂を
使用することが好ましい。
【0019】1)低線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミ
ド酸溶液の作製する工程、 2)低線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶液にフ
ィラーを混合・分散する工程、 3)高線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶液の作
製する工程、 4)フィラー入り低膨張率ポリイミド樹脂の中間体の管
状物を作製する工程、 5)その中間体に内接する高線膨張率ポリイミド樹脂の
積層と中間体の管状物の作製を行う工程、並びに 6)2層の中間体を一体化する工程。
【0020】具体的には、例えば金属製の円筒の内面に
フィラーを混合・分散した低線膨率ポリイミド樹脂のポ
リアミド酸溶液を塗布し、250℃以下で加熱して溶媒
を除去し、中間体である管状物の作製する。次に、この
中間体の内面に高線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド
酸溶液を塗布し、250℃以下で加熱して溶媒を除去
し、2層の中間体の管状物の作製する。この時の加熱温
度は、約80〜180℃が好ましい。加熱時間は加熱温
度に応じて設定するが、通常、約20分〜60分が好ま
しい。
【0021】この後、250〜450℃で加熱してイミ
ド転化させることにより一体化した複層エンドレスベル
トを作製することができる。このとき250〜450℃
で加熱保持した後の降温は一定速度が好ましい。降温速
度一定でないと、フィラーによって付与された電気抵
抗、熱抵抗等の機能がばらついたり、エンドレスベルト
の形状が歪みやすくなるからである。具体的には降温速
度1〜100℃/minにおいて±10%に入れるのが
好ましい。
【0022】複層エンドレスベルトの線膨張率は、測定
温度によって異なるが、200〜250℃においては5
×10-5(/℃)以下が、350〜400℃においては
8×10-5(/℃)以下が成形上好ましい。これらの線
膨張率を超えると円筒形金型の内面を利用してベルトを
作成する場合、イミド化途中で剥がれが生じたり、また
円筒形金型の外面を利用してベルトを作成する場合、イ
ミド化終了後金型から抜けないという現象が生じる傾向
がある。
【0023】また、積層された各層の線膨張率の差は、
200〜250℃においては0.5×10-5(/℃)以
下が好ましく、0.3×10-5(/℃)以下がより好ま
しい。0.5×10-5(/℃)を超えると歪みが発生し
易くなる傾向がある。
【0024】上記ポリイミド樹脂管状物の形成に用いら
れるポリアミド酸溶液は、例えば、テトラカルボン酸二
無水物とジアミンの略等モルを有機極性溶媒中で反応さ
せて得ることができる。このテトラカルボン酸二無水物
は、下記の化1で示される。
【0025】
【化1】 式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状
脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、または、
それらの置換された基である。
【0026】そして、該テトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0027】また、テトラカルボン酸二無水物と反応さ
せるジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、 3,3’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3−ジクロロベ
ンジジン、4,4’−アミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジア
ミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニ
レンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジ
ジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジ
アミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパ
ン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エー
テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベ
ンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノペ
ンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フ
ェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシ
リレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメ
チレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、
4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−
ジアミノドデカン、1,2−ビス−(3−アミノプロポ
キシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、
3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチ
ルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルペンタメ
チレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、
5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノ
エイコサジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,
12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス−[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ピぺラ
ジン、H2 N(CH2 )O(CH2 )O(CH2 )NH
2 、H2 N(CH23 S(CH23 NH2 、H2
(CH23 N(CH3 )(CH2 )NH3 等が挙げら
れる。
【0028】更に、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとを反応させる際に用いる有機極性溶媒の好ましい例
として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのN,N−ジアルキルアミド類を
挙げることができる。これらは、蒸発、置換、拡散によ
るポリアミド酸溶液から容易に除去できる。また、上記
以外の極性溶媒、例えば、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を使用するこ
とができ、これら有機極性溶媒は単独あるいは二種類以
上を併用してもよい。
【0029】なお、これら極性溶媒にクレゾール、フェ
ノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリ
ル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の一種以上を混合
することもできる。ただし、生成するポリアミド酸の加
水分解による低分子量化を防止するため、水の使用は避
けるのが好ましい。
【0030】本発明では、隣接する2層を異なるポリイ
ミド系樹脂を用いて形成するが、線膨張率の異なるポリ
イミド樹脂を使用するのが有効である。その場合、酸成
分およびジアミン成分の少なくとも何れかを変えたり、
あるいは、何れか又は両層のポリイミド系樹脂を製造す
る際に、酸成分と反応させるジアミン成分などを任意に
併用して共重合させてもよい。その際、2種のジアミン
成分又は2種の酸成分のモル比を変えることで、効果的
に各層の線膨張率を制御することができる。
【0031】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を有機極性溶媒中で約0.5〜10時間反応させること
によりポリアミド酸溶液が得られる。反応時におけるモ
ノマー濃度は種々の要因に応じて設定できるが、通常、
約5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下
に設定するのが好ましい。
【0032】このようにして有機極性溶媒中でテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを反応させるとその進行に
伴い溶液粘度が上昇するが、対数粘度[η]が0.5以
上のポリアミド酸を得るのが好ましい。対数粘度[η]
が0.5以上のポリアミド酸を用いて形成されるポリイ
ミド樹脂管状物は耐熱性が特に優れているという利点が
ある。なお、上記対数粘度は毛細管粘度計を用いてポリ
アミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記の式
によって算出される価である。
【0033】 対数粘度[η]=(Ln(t1 /t0 ))/c (式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶液の落下時
間、cは溶液中におけるポリアミド酸の濃度(g/d
l)である。) 前記の摺動性層に含有されるフッ素樹脂フィラーとして
は、分子内にフッ素原子を含むものであればよく、特に
限定されるものではない。具体的にはポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロ
エチレン−フッ化ビニリデン共重合体 (TFE/Vd
F)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCT
FE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合
体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ
化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PV
F)などが挙げられる。なかでも耐摩耗性、トナーとの
離型性、耐熱性の点からPTFE、PFA、これら混合
系が好ましい。
【0034】また、フッ素樹脂フィラーの粒径は0.1
〜10μmが好ましい。0.1μm未満だと凝集が激し
く、この凝集物自身が脆いため、抜け落ちやすくなる傾
向がある。10μmより大きいと均一な分散が難しくな
る傾向がある。これらの充填量は、ポリイミド系樹脂1
00重量部に対し、0.1〜50重量部が好ましい。
0.1重量部未満だと、摺動性、離型性等のフッ素に起
因する効果が十分発揮できない傾向がある。50重量部
を超えると、バインダーとなるポリイミドとの接着面積
が減少し、強度の低下やフッ素樹脂の離脱による摩擦係
数の経時変化が大きくなる傾向がある。
【0035】前記の熱伝導性層に含有される熱伝導性フ
ィラーとしては、10-3cal/s・cm・℃以上の伝
熱係数を有する材料が使用できる。具体的にはダイヤモ
ンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等ある
が、実用的にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、
窒化ホウ素、酸化ベリリウムが挙げられる。またポリイ
ミド系樹脂との複合材において熱伝導を左右する要因と
してはフィラーの充填量、形状、サイズ、分散形態等あ
るが、充填量はポリイミド系樹脂100重量部に対し、
0.1〜50重量部が好ましい。0.1重量部未満だ
と、熱伝導効果が十分発揮できない傾向がある。50重
量部を超えると、バインダーとなるポリイミド系樹脂と
の接着面積が減少し、強度の低下が激しくなる傾向があ
る。
【0036】前記の熱伝導性層に含有される熱伝導性フ
ィラーとしては、1010Ω・cm以下の体積抵抗率を有
する材料が使用できる。具体的には、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマー、ケ
ッチンブラック、アセチレンブラック等のカーボンやグ
ラファイト、銀、ニッケル、銅等の金属やこれら合金及
びマイカ、カーボン、ガラス等にメッキした複合金属、
酸化錫、酸化インジウム等の酸化金属、アニオン、カチ
オン、ノニオン、両性を有する界面活性剤が挙げられ
る。
【0037】これらの充填量はポリイミド系樹脂100
重量部に対し、0.1〜50重量部が好ましい。0.1
重量部未満だと、電気伝導効果が十分発揮できない傾向
がある。50重量部を超えると、バインダーとなるポリ
イミド系樹脂との接着面積が減少し、強度の低下が激し
くなる傾向がある。
【0038】本発明において、フィラーを含有しないポ
リイミド層等に対し、シリコンオイル等を保持させるた
めの貫通孔を厚さ方向に形成してもよい。貫通孔は、例
えば、ポリアミド酸の溶剤を除去するのに必要な温度2
50℃以下では溶融せず、イミド化に必要な250〜4
50℃で溶融する樹脂をポリイミドの厚さ方向に連続充
填させ、イミド化工程で溶融、消滅させて貫通孔を形成
する方法、また金型に貫通孔のサイズ、形状に相当する
突起を設けておき、これにポリアミド酸を塗布し成膜す
る方法、積層したポリイミドベルトにエキシマレーザー
等の乾式、ヒドラジン等の湿式でエッチングを施す方
法、又はこれら組み合わせにより形成することができ
る。貫通孔を有するポリイミド層が、複層エンドレスベ
ルトの最内層に形成され、更にベルト内部の加圧ロール
の間にシリコンオイルを介在させた系では、貫通孔がシ
リコンオイルを保持することにより、摺動性が向上す
る。この場合、貫通孔の直径は10〜1000μmが好
ましく、10μm未満ではオイルの浸透が悪くなる傾向
があり、1000μmを超えるとオイルの保持力が低下
する傾向がある。なお貫通孔の形状は丸、三角、多角形
いずれでも良いが、オイルの浸透、保持の点で丸が好ま
しい。
【0039】本発明においては、複層エンドレスベルト
の最外層として離型層を形成してもよい。紙に転写され
たトナーを溶融及び離型を行なうには、離型層が表面エ
ネルギーの低いフッ素樹脂であることが好ましいが、こ
の中でも耐摩耗性、非粘着性、耐熱性に優れたPTF
E、PFAが好ましい。これらPTFE、PFAの被覆
は粉末及びディスパージョン状のものを静電法、スプレ
ー法、デイッピング法で施してもよいし、チューブ状の
ものを被せ熱処理により収縮させ、結着させてもよい。
なお、離型層の厚さは5〜50μmが好ましい。
【0040】また両面コピーのように、紙に転写された
トナーが別のロールで先に溶融され、アンカーされたト
ナーを有する紙をベルトに当てながら通す場合は、ベル
ト表面の表面エネルギーはそれほど低くなくてよいの
で、ポリイミド系樹脂にPTFEやPFAを含有する摺
動性層を外側に施し、内側に線膨張率を近似したポリイ
ミド層からなる2層ベルトで対応できる。この時PTF
E、PFAの含有量は、ポリイミド系樹脂100重量部
に対し30〜50重量部とするのが好ましい。30wt
重量部ではオフセットが生じる傾向があり、50重量部
を超えると、厚さ、構成等によるが、機械強度が低下し
たり、フィラーの離脱が生じ易くなる傾向がある。
【0041】本発明においては、複層エンドレスベルト
の最外層又は最外層である離型層の下層として、弾性層
を形成してもよい。定着温度に耐えうる弾性材料として
は、フッ素ゴム、シリコンゴムが好ましい。これらゴム
の柔らかさは架橋、発泡によって制御できるが、好まし
くはショアDで80以下が好ましい。80を超えるとト
ナーを均一に融着できず、紙上の印刷体の光沢度が低下
したり、OHP上の印刷体の透明性が欠如し、結果的に
像がぼやけてしまう傾向がある。
【0042】弾性層の厚さは50〜1000μmが好ま
しい。50μm未満ではトナーを均一に融着できず、1
000μmを超えると熱伝導性、電気導電性が低下する
傾向がある。弾性層を厚く設けた場合、熱伝導性、電気
導電性を維持するために、前記のような電気導電性フィ
ラーや熱伝導性フィラーを弾性層に分散させてもよい。
なお、弾性層は、例えばフッ素ゴム、シリコンゴム等の
原料液を被形成面に均一に塗布した後、加熱・架橋させ
ることで形成することができる。
【0043】本発明の複層エンドレスベルトは、特に、
複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像成形装置の
定着、中間転写、転写搬送に用いられるエンドレスベル
トとして有用である。これ以外にも、優れた耐熱性、高
弾性率、高強度等の特性を利用して各種用途に使用する
ことができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0045】実施例1 (高線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド酸溶液の作
製) 酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレン
ジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混
合物(モル比8:2)を準備し、両者の略等モルをN−
メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃
度20重量%)し、20℃で6時間反応させて回転粘度
33000ポアズ(温度20℃、B型粘度計で測定)、
対数粘度2.6のポリアミド酸溶液を作製した。次い
で、70℃に加温しつつ攪拌してポリアミド酸溶液の粘
度を3000ポアズに調整した。
【0046】(低線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド
酸溶液の作製) 酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物を、アミン成分としてp−フェニレン
ジアミンの略等モルをN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)に溶解(モノマー濃度20重量%)し、20℃で
6時間反応させて回転粘度33000ポアズ(温度20
℃、B型粘度計で測定)、対数粘度2.6のポリアミド
酸溶液を作製した。次いで、70℃に加温しつつ攪拌し
てポリアミド酸溶液の粘度を3000ポアズに調整し
た。
【0047】高線膨張率ポリイミド樹脂のポリアミド酸
溶液に平均粒径4μmのPTFE粉末(KTL−8、喜
多村社)を、ポリイミド樹脂固形分100重量部に対し
て20重量部に相当する量だけ混合・分散したものを内
径30.61mmの金型に塗布した後、外径29.8m
mのピグを通過させ、150℃の熱風を10min当て
固形状態にした。続いて、低線膨張率ポリイミド樹脂の
ポリアミド酸溶液を塗布し、外径29mmのピグを通過
させ、150℃の熱風を10min当て固形状態にし
た。更にこの金型を150℃から1.5℃/minで昇
温し220℃に達するまで加温し、2℃/minで降温
し、常温に戻した。金型から2層のポリイミドベルトを
離脱したあと、外径29.8mmのアルミパイプに差
し、400℃20min加温しイミド化させた。
【0048】得られたベルトは、外側のPTFE含有ポ
リイミド層と内側のポリイミド層の厚さが、それぞれ3
6μmと43μmであり、またそれぞれ単独の線膨張率
は200〜250℃において2.1×10-5と2.2×
10-5でほぼ同じであった。外側のPTFE含有ポリイ
ミド層との接触角は110℃となり、市販の複写機を使
用した定着試験においてもアンカーされたトナーに対し
オフセットは生じなかった。なお、線膨張率測定は、T
MA/SS120C(セコーインスツルメンツ製)を用
い、20mm×3mmの試料に対し、引っ張り状態で
(荷重2g)、降温速度8℃/minにて行った。ま
た、接触角測定は、CA−Z型(協和界面科学社)を用
いて滴下量5μlにて行った。
【0049】次に2層全体の機械強度を評価した。試料
は、JIS K6301のダンベル3号型で打抜いた。
テンシロンはオリエンテック社のUTM1000を用い
て、チャック間を30mm、引張速度を100m/mi
nとして行った。2%伸長した時の応力の傾きから算出
した弾性率は4596N/mm2 となり、また破断時の
応力は109Nとなった。
【0050】また、得られたベルトを市販の複写機の定
着部に組み込み、普通紙を12枚/分の割合で印刷する
方法で耐久性試験を行った結果、10万枚以上通紙で
き、また表面の摩耗も殆どない状態であった。また、そ
の際、ベルトの走行性を観察したことろ、異常はなかっ
た。
【0051】比較例1 実施例1において、各層とも低線膨張率ポリイミド樹脂
のポリアミド酸溶液を使用する以外は、実施例1と同様
にして、内外層よりなるベルトを得た。
【0052】得られたベルトは、外側のPTFE含有ポ
リイミド層と内側のポリイミド層の厚さが、それぞれ3
6μmと43μmであり、またそれぞれ単独の線膨張率
は200〜250℃において1.6×10-5と2.2×
10-5であり、その差は0.6×10-5であった。外側
のPTFE含有ポリイミド層との接触角は110℃とな
り、定着においてもアンカーされたトナーに対しオフセ
ットは生じなかった。但し、実施例1と同様にして耐久
性試験を行ったところ、6万枚で挫屈が発生し、ベルト
走行性は蛇行状態であった。
【0053】比較例2 実施例1において、各層とも高線膨張率ポリイミド樹脂
のポリアミド酸溶液を使用する以外は、実施例1と同様
にして、内外層よりなるベルトを得た。
【0054】得られたベルトは、外側のPTFE含有ポ
リイミド層と内側のポリイミド層の厚さが、それぞれ3
6μmと43μmであり、またそれぞれ単独の線膨張率
は200〜250℃において2.1×10-5と2.7×
10-5であり、その差は0.6×10-5であった。外側
のPTFE含有ポリイミド層との接触角は110℃とな
り、定着においてもアンカーされたトナーに対しオフセ
ットは生じなかった。但し、実施例1と同様にして耐久
性試験を行ったところ、5万枚で挫屈が発生し、ベルト
走行性は蛇行状態であった。
【0055】比較例3 実施例1で作製した低線膨張率ポリイミド樹脂のポリア
ミド酸溶液に、実施例1と同じPTFEをポリイミド樹
脂固形分100重量部に対して20重量部に相当する量
だけ混合・分散し、内径30.61mmの金型に塗布し
た後、外径29mmのピグを通過させ、実施例1同様の
加熱処理し、厚さ79μmの単層のベルトを得た。純水
との接触角は110℃となり、定着においてもアンカー
されたトナーに対しオフセットは生じなかったが、弾性
率が3900N/mm2 となり、また破断時の応力は8
0Nとなった。実施例1で作製した低線膨張率ポリイミ
ド樹脂のポリアミド酸溶液は、高線膨張率タイプに比べ
て弾性率が高いポリイミド樹脂ベルトを作製できるにも
かかわらず、単層構造のため弾性率と破断時の応力が低
下する結果となった。
【0056】参考例1 下記のA〜Fの如く、フィラーの有無もしくは種類又は
ポリアミド酸の種類(原料成分)が異なるポリアミド酸
組成物を調製した。
【0057】(ポリアミド酸組成物A)酸成分として
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンの略
等モルをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解
(モノマー濃度20重量%)し、20℃で6時間反応さ
せて回転粘度33000ポアズ(温度20℃、B型粘度
計で測定)、対数粘度2.6のポリアミド酸溶液を作製
した。次いで、70℃に加温しつつ攪拌してポリアミド
酸溶液の粘度を3000ポアズに調整した。
【0058】(ポリアミド酸組成物B)上記のポリアミ
ド酸組成物Aに、平均粒径4μmのPTFE粉末(KT
L−8、喜多村社)をポリイミド樹脂固形分100重量
部に対して2重量部に相当する量だけだけ混合・分散し
てポリアミド酸組成物Bを調製した。
【0059】(ポリアミド酸組成物C)上記のポリアミ
ド酸組成物Aにカーボンブラック(ライオン製,ケッチ
ンブラックEC)をポリイミド樹脂固形分100重量部
に対して12.5重量部に相当する量だけ混合・分散し
てポリアミド酸組成物Cを調製した。
【0060】(ポリアミド酸組成物D)酸成分として
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混合物(モル
比7:3)を準備し、両者の略等モルをN−メチル−2
−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度20重量
%)し、20℃で6時間反応させてポリアミド酸溶液を
作製した。次いで、70℃に加温しつつ攪拌してポリア
ミド酸溶液の粘度を3000ポアズに調整した。このポ
リアミド酸溶液100重量部に、平均粒径1μmの窒化
ホウ素粉末(三井化学製,MBN−010T)をポリイ
ミド樹脂固形分100重量部に対して40重量部に相当
する量だけ混合・分散してポリアミド酸組成物Dを調製
した。
【0061】(ポリアミド酸組成物E)酸成分として
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混合物(モル
比6:4)を準備し、両者の略等モルをN−メチル−2
−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度20重量
%)し、20℃で6時間反応させてポリアミド酸溶液を
作製した。次いで、70℃に加温しつつ攪拌してポリア
ミド酸溶液の粘度を3000ポアズに調整した。このポ
リアミド酸溶液100重量部に、平均粒径1μmの窒化
ホウ素粉末(三井化学製,MBN−010T)をポリイ
ミド樹脂固形分100重量部に対して40重量部に相当
する量だけ混合・分散してポリアミド酸組成物Eを調製
した。
【0062】(ポリアミド酸組成物F)酸成分として
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を、アミン成分としてp−フェニレンジアミンと
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混合物(モル
比5.5:4.5)を準備し、両者の略等モルをN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度
20重量%)し、20℃で6時間反応させてポリアミド
酸溶液を作製した。次いで、70℃に加温しつつ攪拌し
てポリアミド酸溶液の粘度を3000ポアズに調整し
た。このポリアミド酸溶液100重量部に、平均粒径1
μmの窒化ホウ素粉末(三井化学製,MBN−010
T)をポリイミド樹脂固形分100重量部に対して40
重量部に相当する量だけ混合・分散してポリアミド酸組
成物Fを調製した。
【0063】次いで、得られたポリアミド酸組成物A〜
Fを使用して、比較例3と同様にして厚さ約80μmの
単層のベルトA〜Fを得た。これらのベルトの200〜
250℃の範囲における線膨張率、及びベルトAとの線
膨張率の差を表1に示す。
【0064】
【表1】 ベルトB,Cのようにフィラーを含むものでは、含まな
いベルトAと線膨張率が相違するが、ベルトD〜Fのよ
うにポリアミド酸の種類、即ちポリイミドの種類(共重
合成分)を変えることにより、線膨張率を変化させて、
ベルトAに近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層エンドレスベルトの例を示す部分
断面図
【符号の説明】
1 摺動性層 2 ポリイミド層 3 離型層 4 導電性層 5 弾性層 6 熱伝導性層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド系樹脂を主体とする層を2層
    以上積層してあり、少なくともその1層がフィラーを含
    有することで各層の機能が相違する複層エンドレスベル
    トにおいて、 隣接する2層を異なるポリイミド系樹脂を用いて形成す
    ることで、前記2層間の200〜250℃の範囲におけ
    る線膨張率の差を、前記何れかのポリイミド系樹脂を前
    記2層ともに用いる場合より、低減してあることを特徴
    とする複層エンドレスベルト。
  2. 【請求項2】 前記2層間の200〜250℃の範囲に
    おける線膨張率の差が、0.5×10-5(/℃)以下で
    ある請求項1記載の複層エンドレスベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012047860A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 光沢付与装置、画像形成装置及び後処理装置並びに画像形成システム
JP2013500501A (ja) * 2009-07-24 2013-01-07 デイ インターナショナル インコーポレーテッド デジタル画像転写ベルトおよび作成方法
JP2015129797A (ja) * 2014-01-06 2015-07-16 富士ゼロックス株式会社 画像定着用管状体、定着装置、および画像形成装置

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