JP2001159505A - 変位検出装置 - Google Patents

変位検出装置

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JP2001159505A
JP2001159505A JP34248499A JP34248499A JP2001159505A JP 2001159505 A JP2001159505 A JP 2001159505A JP 34248499 A JP34248499 A JP 34248499A JP 34248499 A JP34248499 A JP 34248499A JP 2001159505 A JP2001159505 A JP 2001159505A
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displacement
coil
magnet
magnetic flux
mechanical element
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JP34248499A
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Yasuo Shimizu
康雄 清水
Koichi Ikoma
浩一 生駒
Minoru Nakamura
稔 中村
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Indication Of The Valve Opening Or Closing Status (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械要素の変位をより正確に検出する。 【解決手段】変位することのできる機械要素と、機械要
素に連結して設けられ、該機械要素の変位方向に磁化さ
れた磁石と、直列接続された第1のコイル部分および第
2のコイル部分であって、機械要素の検出すべき変位量
および磁石の変位方向の長さの和に対応する距離だけ少
なくとも離れて、磁石を変位方向で挟むよう配置された
第1のコイル部分および第2のコイル部分を含むサーチ
コイルと、磁石の変位に応じてサーチコイルに誘起され
た電圧を積分した値に基づいて、前記機械要素の変位を
算出する変位算出手段とを備える変位検出装置を提供す
る。サーチコイルの誘起電圧は2つのコイル部分の磁束
の和に対して線形な関係を持ち、該磁束の和は変位に対
して線形な関係を持つので、サーチコイルの誘起電圧か
ら変位を容易かつ正確に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機械要素の変位
を検出する装置に関し、より具体的には、アクチュエー
タにより駆動される機械要素の変位を、変位方向に磁化
された磁石からの磁束に基づいて検出する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】変位を検出する様々な方法が提案されて
いる。特公2749748号には、電磁石と可動磁石部
材の間にある空隙の磁束密度を測定して可動磁石部材の
変位を検出方法が記載されている。また同公報の別の実
施形態として、電磁石と可動磁石部材の間にある空隙の
キャパシタンスを測定することにより、可動磁石部材の
変位を検出する方法が記載されている。
【0003】また、特開7−224624号公報には、
可動子の変位に伴って電磁力を発生する電磁コイルの自
己インダクタンスが変化することに着目して可動子の変
位量を検出するアクチュエータが記載されている。すな
わち、この検出方式は過電流による検出方式であり、高
周波での磁気回路の状態変化をインダクタンスとして検
出する方式である。
【0004】一方、従来からサーチコイルを磁気センサ
として使用し、磁束を検知することにより変位を検出す
る方法が提案されている。この方法を、自動車のエンジ
ンの吸排気バルブを駆動するアクチュエータに適用する
と、図10に示されるように、アーマチャーのガイドシ
ャフト(伝達軸)に磁石101を取り付け、磁石101
の変位方向に沿うよう磁石101の片側にサーチコイル
102を配置する。磁石101の変位に応じてサーチコ
イル102に誘起される電圧を測定し、測定された誘起
電圧を時間で積分することにより磁石101の変位を算
出する。以下に、このような場合の変位の出力特性を説
明する。
【0005】図10において、磁石101の磁軸の延長
線上にある任意の点Pの磁界H[AT・m]は、以下の式
(1)で表される。
【0006】
【数1】 H = 2・Pm/((4・π・μ0・r3) 式(1)
【0007】ここで、Pmは磁石101の磁気モーメン
ト[Wb/m2]、μ0は真空の透磁率(=4π×10−7Wb
/Am)、rは磁石の磁軸の中心から点Pまでの距離
(m)を示す。したがって、サーチコイル102と鎖交
する磁束φ[Wb]は、以下の式(2)のように表され
る。
【0008】
【数2】 φ = S・μ0・H = S・Pm/(2・π・r3) 式(2)
【0009】ここで、Sはサーチコイルの断面積
(m2)を示す。式(2)から明らかなように、点Pに
おける磁束φは、磁石101からの距離rの3乗に反比
例する。
【0010】したがって、図11の(a)に示すよう
に、磁石101の磁軸の延長線上にサーチコイル102
を配置し、磁軸に沿ってサーチコイル102から遠ざか
るよう磁石101を移動させると、距離rに対するサー
チコイル102の磁束φは、グラフ103に示されるよ
うに1/rの特性を持つ曲線で表される。また、図1
1の(b)に示すように、磁石の極を反対にして、図1
1の(a)と同様に磁石101の磁軸に沿ってサーチコ
イル102から遠ざかるよう磁石101を移動させる
と、鎖交する磁束φの出力が反転し、距離rに対する磁
束φは、グラフ104に示されるように(−1/r
の特性を持つ曲線で表される。
【0011】一方、コイルに誘起される電圧Vと、磁石
からの磁束がコイルと鎖交する磁束φの間には、式
(3)のような関係があることが知られている。ここ
で、tは時間を示し、nはコイルの巻数を示す。
【0012】
【数3】 V=n・dΦ/dt 式(3)
【0013】したがって、式(3)を時間で積分するこ
とにより磁束φを求めることができる。
【0014】
【数4】 Φ=1/n・∫V dt 式(4)
【0015】式(2)および式(4)から、サーチコイ
ル102に誘起される電圧の積分値は、磁石101およ
びサーチコイル102間の距離rの3乗に反比例すると
いう特性を持つ。
【0016】図12のグラフは、図10のように磁石1
01の片側にサーチコイル102を配置し、磁石101
の変位に応じてサーチコイル102に誘起された電圧を
積分した値と、磁石101の変位との関係を示す。横軸
の変位は、サーチコイル102の位置を基準とした磁石
101の変位であり、サーチコイル102からの距離を
示す。曲線100に示されるように、サーチコイルの誘
起電圧の積分値は、変位の3乗に反比例して減少してい
ることを示しており、変位が大きくなるに従って、サー
チコイル102に誘起される電圧積分値の変位あたりの
変化が急速に小さくなっている。とりわけ、変位が4m
mを超えると、変位の分解能が悪化していることが明ら
かである。したがって、6〜8mmに及ぶ比較的大きな
変位量を検出する必要があるアクチュエータの場合に、
このようなサーチコイルの誘起電圧積分値を使用して変
位を検出すると、精度が低下するという問題点があっ
た。
【0017】また、一般に機械要素を駆動するアクチュ
エータにおいて、カム、ロットなどの連結による機械的
駆動によって機械要素を駆動することの他に、電磁的に
駆動することが行われている。電磁アクチュエータによ
る駆動は、電気信号によって電磁コイルを励磁して発生
する電磁石の吸引力によって機械要素を駆動するもの
で、電気信号を制御することによって駆動のタイミング
および駆動力をいかようにも変えることができるので、
精密なタイミング制御および可変制御が望まれる分野で
多く利用されている。
【0018】車両においてもエンジンのアイドル制御
弁、燃料噴射弁、EGR制御弁等の開閉制御をはじめと
してさまざまな箇所でアクチュエータが使用されてい
る。とりわけ、今後の可能性としてエンジン吸排気バル
ブには、電磁アクチュエータを適用することが望まれて
いる。機械的な構造によりエンジンの吸排気バルブのタ
イミングをエンジン回転域により変える方式が実用化さ
れているが、電磁アクチュエータによって吸排気バルブ
を駆動すれば、バルブタイミングを多様に制御すること
が可能になり、エンジンの出力特性および燃費の改善が
可能となる。
【0019】車両におけるエンジンの吸排気バルブの開
閉は、機械的駆動および電磁的駆動のいずれの場合にお
いても、高速かつ正確なタイミングで行うことが要求さ
れている。したがって、適切にバルブタイミングを制御
できるよう、アクチュエータが駆動する機械要素の変位
を正確に検出する必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題点を解決するものであり、その目的は、磁石およびサ
ーチコイルの距離が遠くなっても変位の分解能が低下せ
ず、変位を線形に出力することのできるサーチコイル式
の変位検出装置を提供することである。
【0021】さらに、従来から、電磁バルブを搭載した
内燃機関はヘッド部が大きくなる可能性が高く、スペー
ス的な余裕が少ない。したがって、この発明の他の目的
は、現在の電磁バルブ搭載の内燃機関の占有スペースを
増大させることなく、磁石およびサーチコイルを配置し
たサーチコイル式の変位検出装置を提供することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の変位検出装置は、変位することのできる
機械要素と、機械要素に連結して設けられ、該機械要素
の変位方向に磁化された磁石と、直列接続された第1の
コイル部分および第2のコイル部分であって、機械要素
の検出すべき変位量および前記磁石の変位方向の長さの
和に対応する距離だけ少なくとも離れて、磁石を変位方
向で挟むよう配置された第1のコイル部分および第2の
コイル部分を含むサーチコイルと、磁石の変位に応じて
前記サーチコイルに誘起された電圧を時間で積分する積
分手段とを備え、該積分された値に基づいて、前記機械
要素の変位を検出する。
【0023】磁石の変位に応じて前記サーチコイルに誘
起された電圧を積分した値に基づいて、前記機械要素の
変位量を算出する変位算出手段とを備える。
【0024】請求項1の発明によると、2つのコイル部
分を使用してその間を変位する磁石からの磁束に基づい
て変位を検出するので、変位に対して線形な関係を持つ
出力に基づいて、変位を容易かつ正確に検出することが
できる。
【0025】請求項2の発明は、請求項1の変位検出装
置において、第1のコイル部分および第2のコイル部分
が、同じ面積を持ち、同じ向きに同じ回数巻かれている
という構成をとる。
【0026】請求項2の発明によると、同じ仕様のコイ
ル部分を用いて検知された磁束に基づいて変位を検出す
るので、簡単な計算で変位を検出することができる。
【0027】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の変位検出装置において、磁石が、機械要素に
非磁性体の部材を介して連結されるという構成をとる。
【0028】請求項3の発明によると、磁石が非磁性部
材を介して機械要素に連結されるので、磁場が乱される
ことなく磁石からの磁束に基づいて正確に変位を検出す
ることができる。
【0029】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
のいずれかに記載の変位検出装置において、機械要素
が、エンジンの吸排気バルブであるという構成をとる。
【0030】請求項4の発明によると、エンジンの吸排
気のバルブの変位を検出することができるので、アクチ
ュエータによるバルブタイミングの精度を向上させるこ
とができる。
【0031】請求項5の発明は、請求項4の変位検出装
置において、磁石が、円筒形状の永久磁石であるという
構成をとる。
【0032】請求項5の発明によると、アクチュエータ
の伝達軸に連結するよう磁石を簡単に取り付けて固定す
ることができるので、簡単な構造で磁束を検知して変位
を検出することができる。
【0033】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5に記載の変位検出装置において、非磁性部材が前記バ
ルブのスプリングシートであり、該スプリングシートを
介して磁石が前記機械要素に連結されるという構成をと
る。
【0034】請求項6の発明によると、スプリングシー
トが非磁性部材で構成されるので、磁場が乱されること
なく磁石からの磁束を検知して、吸排気バルブの変位を
正確に検出することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】次に図面を参照してこの発明の実
施の形態を、エンジンのバルブを駆動する電磁アクチュ
エータを例にとって説明する。しかし、この発明は、エ
ンジンのバルブを駆動する電磁アクチュエータに限定さ
れるものではなく、広く機械要素を駆動する装置に適用
することができる。
【0036】図1は、この発明の変位検出装置が搭載さ
れた電磁アクチュエータ60およびその制御装置50の
全体的な構成を示すブロック図である。制御装置50
は、マイクロコンピュータおよびこれに付随する回路素
子で構成され、各種センサからの信号を受け取る入力イ
ンターフェース51、中央演算処理装置53(以下「C
PU」という)、実行するプログラムおよびデータを格
納するROM54(読み取り専用メモリ)、実行時の作
業領域を提供し演算結果などを記憶するRAM55(ラ
ンダムアクセスメモリ)、およびエンジン各部に制御信
号を送る出力インターフェース52を備える。
【0037】制御装置50の入力インターフェース51
には、変位検出装置65のサーチコイル67から、サー
チコイル67に誘起された電圧値を表す信号が入力され
る。また、エンジン回転数(Ne)、エンジン水温(T
w)、吸気温(Ta)、バッテリ電圧(VB)、イグニ
ションスイッチ(IGSW)を表す各種センサからの信号7
9が入力され、さらに要求負荷検出手段78によって検
出された所望のトルクが入力される。これらの入力に基
づいて、制御装置50は、電力供給のタイミング、供給
する電圧の大きさ、電圧を供給する時間などのパラメー
タを、予めROM54に格納されている制御プログラム
に従って決定し、電磁アクチュエータ60を適切に制御
する制御信号を出力インターフェース52を介して出力
する。要求負荷検出手段78は、たとえばアクセルペダ
ルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサにより
実現することができる。
【0038】ドライバ77は、制御装置50からの制御
信号に従って、定電圧源75から供給される電圧(たと
えば、12V)を所定の電流になるようスイッチング
し、電磁アクチュエータ60の電磁石63に供給する。
【0039】電磁アクチュエータ60は、バルブ61、
0アーマチャー62、電磁石63および変位検出装置6
5を備える。電磁石63に印加された電圧により、電磁
石63に電流が流れ、これによりアーマチャー62に変
位が生じる。アーマチャー62の変位に応じて、バルブ
61は開いたり閉じたりされる。
【0040】変位検出装置65は、永久磁石66および
サーチコイル67を備える。永久磁石66は、アーマチ
ャー62の変位に応じて連動する。サーチコイル67
は、永久磁石66の変位によって生じた時間あたりの磁
束密度の変化に応じて、誘起電圧を出力する。サーチコ
イル67の出力端子のうち一方は制御装置50に接続さ
れており、サーチコイル67から発生した誘起電圧を表
す信号が、入力インターフェース51を介して変位算出
回路57に送られる。サーチコイル67の出力端子のう
ち他方は接地されている(図の73)。
【0041】変位算出回路57は制御装置50に含ま
れ、サーチコイル67から受け取った誘起電圧を時間で
積分し、アーマチャー62の変位を検出する。制御装置
50は、検出された変位に応じて、電磁アクチュエータ
60を駆動する電圧およびタイミングなどを示す制御信
号を出力インターフェース52を介して出力し、電磁ア
クチュエータ60を適切に制御する。
【0042】この実施例では、1台の自動車に吸気バル
ブ8個および排気バルブ8個の計16個のバルブを搭載
しており、したがって電磁アクチュエータ60が16個
存在し、それぞれについて変位検出装置65が搭載され
る。上記のサーチコイル67のアース線73をすべての
電磁アクチュエータ60について共通化することで、信
号線の数を減らすことができる。
【0043】図2は、図1に示されたこの発明の変位検
出装置65が搭載される電磁アクチュエータ60の全体
的な概略構造の断面図を示す。電磁アクチュエータ60
は、バルブ開閉部30、駆動部31および変位検出搭載
部32から構成されている。またこの実施例では、バル
ブ開閉部30、駆動部31および変位検出搭載部32に
わたって伸長する伝達軸8は、アーマチャーの挙動の振
れを防止してバルブの開閉動作を円滑に行うことができ
るよう、伝達軸8a、8bおよび8cに分割されて構成
されている。
【0044】バルブ開閉部30は、内燃機関の吸気通路
または排気通路2(以下、吸排気通路という)に設けら
れて該吸排気通路2を開閉するバルブ61を備える。バ
ルブ61は、電磁アクチュエータ60によって上方向に
駆動されるとエンジンの吸排気通路2に設けられたバル
ブシート7に密着して停止し、吸排気通路2を閉じる。
バルブ61は、電磁アクチュエータ60によって下方向
に駆動されるとバルブシート7を離れ、バルブシート7
から所定の距離離れた位置まで下降して吸排気通路2を
開く。
【0045】バルブ61には、その上方に向かって伝達
軸8が連設されている。伝達軸8aの下端がバルブ61
に一体に連結され、吸排気通路2の上壁部に設けられた
バルブガイド9によって軸方向に運動可能に保持されて
いる。さらに、伝達軸8aは、バルブガイド9の周りに
設けられた下部スプリングシート10および上部スプリ
ングシート11の間に設けられた第1のスプリング部材
12によって上方に付勢されている。こうして、伝達軸
8aは、常に上方に向かって第1のスプリング部材12
により付勢力が付与される。
【0046】駆動部31は、バルブ61を駆動するため
の機構を備える。駆動部31における非磁性材料のハウ
ジング18内には、上方位置に設けられたソレノイド型
の第1の電磁石5、下方位置に設けられたソレノイド型
の第2の電磁石6が設けられている。図1に示した電磁
石63は、この第1の電磁石5または第2の電磁石6に
対応する。第1の電磁石5は磁気ヨーク15で、第2の
電磁石6は磁気ヨーク16で囲まれている。さらに、第
1の電磁石5および第2の電磁石6の間には、アーマチ
ャー62が配置される。アーマチャー62は円盤状の磁
性金属によって形成されており、第1の電磁石5および
第2の電磁石6の磁気的吸引力により上下に変位するよ
う構成されている。以下、アーマチャー62の変位する
方向を単に変位方向という。
【0047】駆動部31における伝達軸8bは、伝達軸
8aの上端にキャップ部材20を介して連結され、第2
の電磁石6の内側を貫通し、非磁性材料による円筒状の
ガイド13を介して軸方向に運動可能なように支持され
ている。伝達軸8bの上端は、アーマチャー62を下方
から支持する。
【0048】駆動部31における伝達軸8cの下端は、
アーマチャー62を上方から支持し、伝達軸8bの延長
線上を上方に伸長し、第1の電磁石5の内側を貫通し、
非磁性材料による円筒状のガイド14を介して軸方向に
運動可能なように支持されている。伝達軸8cの上端
は、スプリングシート25の下側に連結される。
【0049】スプリングシート25の上方には、固定部
材24を介して設けられた上部スプリングシート17が
あり、下部スプリングシート25および上部スプリング
シート17の間の第2のスプリング部材19により、伝
達軸8cは下方に付勢されている。こうして、伝達軸8
cは、常に下方に向かって第2のスプリング部材19に
より付勢力が付与される。したがって、第1のスプリン
グ部材12の上方への付勢力および第2のスプリング部
材19の下方への付勢力により、アーマチャー62は伝
達軸8bおよび8cによって上下に支持され、第1の電
磁石5および第2の電磁石6のいずれにも駆動電流が印
加されない状態では、第1の電磁石5および第2の電磁
石6の間の中央にくるようなバランスで保持される。
【0050】変位検出搭載部32は、スプリングシート
25およびセンサハウジング22を備え、ここに、この
発明による変位検出装置65が搭載される。スプリング
シート25は伝達軸8の延長線上を上方に突出してお
り、その突出部分に永久磁石66(図示せず)が設けら
れる。センサハウジング22は、スプリングシート25
の突出部分に対向するようスプリングシート25の上方
に設けられ、上部スプリングシート17の固定部材24
を貫通して固定される。センサハウジング22には、ス
プリングシート25の突出部分に設けられた永久磁石6
6を収容することができるよう、下向きに円筒状のガイ
ド穴23が設けられている。ガイド穴23の上部および
下部の周壁には、サーチコイル67を構成する第1のコ
イル部分および第2のコイル部分(図示せず)がそれぞ
れはめこまれる。
【0051】第1の電磁石5に電流が供給されると、第
1の磁気ヨーク15およびアーマチャー62が磁化され
て互いに吸引しあい、アーマチャー62が上方向に引き
つけられる。その結果、伝達軸8によりバルブ61が上
方向に駆動され、バルブシート7に密着して停止し、閉
状態になる。第1の電磁石5への電流供給を停止し、第
2の電磁石6に電流を流すと、第2の磁気ヨーク16お
よびアーマチャー62が磁化されてアーマチャー62を
下方向に吸引する力が働き、重力の作用と相まってアー
マチャー62が下方向に駆動され、第2の磁気ヨーク1
6に接触した状態で停止する。その結果、伝達軸8によ
りバルブ61が下方向に駆動され、バルブ61は開状態
になる。
【0052】図3は、図2に示された電磁アクチュエー
タ60の変位検出搭載部32を拡大した内部の断面構造
の概略を示す。前述したように、変位検出搭載部32
は、スプリングシート25およびセンサハウジング22
を備えており、これらを介して変位検出装置65が取り
付けられる。変位検出装置65は、永久磁石66および
サーチコイル67を備える。永久磁石66は、変位方向
に磁化された円筒形状の磁石である。スプリングシート
25の上方に突出した部分は円柱形状をしており、ここ
に永久磁石66が磁石止め21によって規制され、動か
ないようスプリングシート25に固定される。
【0053】サーチコイル67は、直列接続された第1
のコイル部分68および第2のコイル部分69を含む。
第1のコイル部分68および第2のコイル部分69は、
1または複数のサーチコイルから構成することができ
る。第1のコイル部分68および第2のコイル部分69
は、センサハウジング22のガイド穴23の周壁に設け
られたドーナツ状の溝にそれぞれはめこまれ、「アーマ
チャー62の検出すべき最大変位量+永久磁石66の軸
方向の長さ+α」の距離を隔てて変位方向に配置され
る。ここで、αは余裕分を示す。したがって、ガイド穴
23の変位方向の長さは、2つのコイル部分間の距離に
適合するよう設計される。こうして、永久磁石66は、
第1のコイル部分68および第2のコイル部分69の間
を変位することができる。図2に示されるように、永久
磁石66が、磁石止め21およびスプリングシート25
を介して、伝達軸8cつまりはアーマチャー62に連結
されるので、永久磁石66の変位を検出することによ
り、アーマチャー62の変位を検出することができる。
【0054】なお、図3に示される、永久磁石66を規
制する磁石止め12も含め、スプリングシート25は非
磁性材または非磁性材の特性に近い材料であるのが好ま
しい(たとえば、SUH660のような合金)。磁性材
とすると磁気的なバランスが崩れ、サーチコイル67に
誘起される電圧に影響が生じることがあるからである。
【0055】図4の(a)は、図3に示された磁石止め
21によってスプリングシート25の突出部分に規制さ
れた永久磁石66の形状を示し、図4の(b)は、磁石
止め21によって規制された永久磁石66を上方から見
た図を示す。図4の(b)に示されるように、磁石止め
21は、開口部分を有するC型形状をしており、スプリ
ングシート25をはめこむことができるよう構成されて
いる。図4の(a)に示されるように、スプリングシー
ト25の突出部分に上から永久磁石66をはめた後、ス
プリングシート25にかませるよう横から磁石止め21
をはめこみ、こうして永久磁石66はスプリングシート
25に規制される。
【0056】永久磁石66は、外径が8mmおよび内径
が6mmの円筒形状であり、y軸方向の長さは7mmで
ある。また、永久磁石66は、上部がN極および下部が
S極に磁化されている。これらの形状および磁石の磁化
の強さは、センサハウジング22のガイド穴23の大き
さ、および検出される磁束の大きさを考慮して最適化さ
れる。
【0057】永久磁石66は、他の実施例では上記とは
逆の方向に磁化することもできる。また、永久磁石66
の代わりに電磁石を用いることもでき、さらに円筒形状
とは別の他の形状の磁石を用いることもできる。
【0058】図5は、図1に示される変位検出装置65
に含まれる永久磁石66およびサーチコイル67と、制
御装置50に実装される変位算出回路57を示す。
【0059】サーチコイル67は第1のコイル部分68
および第2のコイル部分69を有し、直列接続されてい
る。また、第1のコイル部分68および第2のコイル部
分69は同じ仕様で作られており、同じ断面積を持ち、
同じ回数だけ同じ向きに巻かれている。第1のコイル部
分68の下端の出力端子は第2のコイル部分69に接続
され、上端の出力端子は変位算出回路57に接続され
る。第2のコイル部分69の下端の出力端子は接地され
ており(図の96)、上端の出力端子は第1のコイル部
分68に接続される。永久磁石66は、上がN極および
下がS極に変位方向に磁化されており、第1のコイル部
分68および第2のコイル部分69の間をアーマチャー
62の変位に連動して上下に変位する。
【0060】アーマチャー62の変位により永久磁石6
6が変位すると、永久磁石66から発生する磁束が第1
のコイル部分68および第2のコイル部分69とそれぞ
れ鎖交し、第1のコイル部分68および第2のコイル部
分69のそれぞれ電流が流れる。その結果、以下の式
(5)および(6)に従って、第1のコイル部分68お
よび第2のコイル部分69のそれぞれに電圧V1および
V2が誘起される。第1のコイル部分68および第2の
コイル部分69との鎖交磁束をそれぞれΦ1およびΦ2
とすると、誘起電圧V1およびV2は、鎖交磁束Φ1お
よびΦ2の時間あたりの変化量に比例する。ここで時間
をtで表し、第1および第2のコイル部分の巻数をnで
表す。
【0061】
【数5】 V1=n・dΦ1/dt 式(5) V2=n・dΦ2/dt 式(6)
【0062】第1のコイル部分68および第2のコイル
部分69は直列接続されており、直列接続の一方の端子
は接地されている(図5の96)ので、それぞれの誘起
電圧V1およびV2を加算した電圧(以下、サーチコイ
ル67の誘起電圧という)Vt=V1+V2が変位算出
回路57に入力される。
【0063】変位算出回路57は、入力保護回路91、
低域フィルタ(LPF)92、積分器93、ドリフト補
償回路94およびバッファアンプ95を備えるアナログ
回路である。低域フィルタ92は、この実施例に示され
る電磁バルブ機構のようなアクチュエータが周辺にある
場合には、スイッチングノイズがサーチコイルに誘導さ
れてしまうので、そのようなノイズを除去するのに使用
される。また、ドリフト補償回路94は、温度などの影
響によるドリフトを補正する。なお、変位算出回路57
は、サーチコイル67の誘起電圧VtをA/D変換器に
よりデジタル信号に変換し、デジタル回路で構成するよ
うにしても良い。さらに、積分器93を、ハードウェア
ではなくソフトウェアで実現することもできる。
【0064】サーチコイル67の誘起電圧Vtは、入力
保護回路91を経て低域フィルタ92でノイズを除去さ
れ、積分器93に送られる。積分器は、誘起電圧Vtを
時間で積分する。
【0065】
【数6】
【0066】式(7)に示されるように、サーチコイル
67の誘起電圧Vtを時間で積分した値は、第1のコイ
ル部分68の磁束Φ1および第2のコイル部分69の磁
束Φ2を加算した値Φt(以下、Φtをサーチコイル6
7の磁束という)に比例した値で表すことができる。し
たがって、積分器93は、サーチコイル67の磁束Φt
に比例した値を出力する。
【0067】次に図6を参照して、サーチコイル67の
磁束Φtの、永久磁石66の変位に対する関係を説明す
る。図6の(a)は、同じ断面積、同じ巻数を持ち、同
じ向きに巻かれている第1のコイル部分68および第2
のコイル部分69と、両方のコイル部分の間を変位する
永久磁石66を示す。永久磁石66は、第1のコイル部
分68の側がN極および第2のコイル部分69の側がS
極に磁化されている。第1のコイル部分68および第2
のコイル部分69は、距離dmm隔てて配置されてお
り、距離dの中心を原点としてN極側をマイナス、S極
側をプラスとしてy軸を図のように設定し、永久磁石6
6の位置をyで表す。
【0068】永久磁石66が、第1のコイル部分68が
ある側のy=−4mmの位置から、第2のコイル部分6
9がある側のy=+4mmの位置まで移動すると想定す
る。第1のコイル部分68から永久磁石66までの距離
をrとすると、永久磁石66から第2のコイル部分69
までの距離は(d−r)で表される。
【0069】図6の(b)の曲線111は、永久磁石6
6の位置yに対する第1のコイル部分68の磁束Φ1の
変化を示し、曲線112は、位置yに対する第2のコイ
ル部分69の磁束Φ2の変化を示し、曲線110は、位
置yに対するサーチコイル67の磁束Φtの変化を示
す。
【0070】図9および図10を参照して前述したよう
に、磁石から距離rにおける磁束は、距離rの3乗に反
比例する。したがって、曲線111は、(1/r)の
関数を表す曲線で示される。一方、曲線112は、距離
{−1/(d−r)3}の関数を表す曲線で示される。
こうして、永久磁石66が第1のコイル部分68から第
2のコイル部分69へと移動するにつれ、曲線111に
示されるように、第1のコイル部分68の磁束Φ1は正
の領域で減少する。反対に、第2のコイル部分69の磁
束Φ2は、第2のコイル部分69が永久磁石66のS極
側にあるので、曲線112に示されるように負の領域で
増加する(この増加は、絶対値としての磁束量、すなわ
ち|Φ2|が増加することを意味する)。
【0071】曲線110は、曲線111および曲線11
2を加算した曲線であり、サーチコイル67の磁束Φt
の変化を示す。曲線110から明らかなように、サーチ
コイル67の磁束Φtは、永久磁石66の変位に対して
ほぼ線形な関係を持つ。このように、2つのコイル部分
間で磁石を変位させることにより、2つのコイル部分の
磁束の和が、磁石の変位に対して線形な関係を持つ。
【0072】図7の曲線125は、第1のコイル部分6
8がy=0の位置に配置され、第2のコイル部分69が
y=8の位置に配置された場合の、時間tに対する永久
磁石66の変位yの変化を示す。変位yは、第1のコイ
ル部分68があるy=0の位置を基準としている。曲線
121は、時間tに対する第1のコイル部分68の磁束
Φ1の変化を示し、曲線112は、時間tに対する第2
のコイル部分69の磁束Φ2の変化を示し、曲線120
は、時間tに対するサーチコイル67の磁束Φtの変化
を示す。
【0073】曲線125から、永久磁石66が、t=0
〜5の間にy=0の位置からy=10の位置に移動し、
t=5〜15の間停止し、t=15〜20の間にy=1
0の位置からy=0の位置へと移動したことがわかる。
【0074】曲線121は、図6の(b)の曲線111
に対応する。永久磁石66がy=0からy=10に変位
するにつれて第1のコイル部分68から遠ざかるので、
磁束Φ1は正の領域で減少する。反対に、永久磁石66
がy=10からy=0に変位するにつれて第1のコイル
部分68に近づくので、磁束Φ1は正の領域で増加す
る。t=5〜15の間は永久磁石66が停止しているの
で磁束Φ1は変化しない。
【0075】同様に、曲線122は、図6の(b)の曲
線112に対応する。永久磁石66がy=0からy=1
0に変位するにつれて第2のコイル部分69に近づくの
で、磁束Φ2が負の領域で増加し、永久磁石66がy=
10からy=0に変位するにつれて第2のコイル部分6
9から遠ざかるので、磁束Φ2が負の領域で減少する。
t=5〜15の間は永久磁石66が停止しているので、
磁束Φ2は変化しない。
【0076】曲線120は、図6の(b)の曲線110
に対応し、曲線121および曲線122を加算した曲線
である。t=0〜5の間は、第1のコイル部分68の磁
束Φ1が正の領域で減少し、第2のコイル部分69の磁
束Φ2が負の領域で増加するので、結果的にサーチコイ
ル67の磁束Φtは正から負へと減少する。反対に、t
=15〜20の間は、第1のコイル部分68の磁束Φ1
が正の領域で増加し、第2のコイル部分69の磁束Φ2
が負の領域で減少するので、結果的に磁束Φtは負から
正へと増加する。
【0077】曲線120から明らかなように、磁束Φt
は、永久磁石66の変位yに対して線形な関係を持って
変化することがわかる。さらに、曲線120の変位yに
対する線形性は、曲線121および122が変位yに対
して持つ線形性よりも良好であることがわかる。こうし
て、サーチコイル67の磁束Φtに基づいて、変位を正
確かつ容易に検出することができる。
【0078】このように、サーチコイル67の誘起電圧
Vtの積分値はサーチコイルの磁束Φtに比例し、サー
チコイルの磁束Φtは変位に対して線形な関係を持つの
で、サーチコイル67の誘起電圧Vtの積分値を測定す
ることにより、永久磁石66の変位を容易かつ正確に検
出することができる。
【0079】図8は、図5の変位算出回路57のそれぞ
れの出力段の出力波形を表す。図8の(a)は、図7の
曲線125に対応し、永久磁石66の変位を示す。図8
の(b)は、サーチコイル67の出力段の出力波形を示
し、図8の(c)は、低域フィルタ92の出力段の出力
波形を示す。図8の(d)は、図7の曲線120に対応
し、積分器93の出力段の出力波形を示す。図8の横軸
は時間tの遷移を示し、t=0〜t7に分割して表す。
【0080】図7を参照して前述したように、図8の
(d)に示される積分器93の出力波形は、図8の
(a)に示される永久磁石66の変位に対して線形に変
化している。
【0081】図8の(b)および(c)は、サーチコイ
ル67の誘起電圧Vtの変化を示す。前述した式(5)
および(6)に示されるように、第1のコイル部分68
の誘起電圧V1および第2のコイル部分69の誘起電圧
V2は、時間あたりの磁束Φ1およびΦ2の変化の関数
であるので、永久磁石66の変位速度にも依存する。し
たがって、永久磁石66が停止するt=0、t=t2〜
t5およびt=t7では、誘起電圧Vtがゼロとなる。
また、永久磁石66が、y=0の位置からy=8の位置
に向けて変位するときはサーチコイル67の磁束Φtが
減少し、y=8の位置からy=0の位置に向けて変位す
るときは増加するので、サーチコイル67に流れる電流
の向きが逆になり、t=0〜t2の間の誘起電圧Vt
と、t=t5〜t7の誘起電圧Vtとは位相が逆になっ
て現れる。
【0082】図9のグラフは、積分器93から出力され
たサーチコイル67の誘起電圧積分値の、変位に対する
関係を示す。横軸の変位は、第1のコイル部分68の位
置を基準とした磁石101の変位であり、サーチコイル
102からの距離を示す。
【0083】曲線100は、従来技術の図12の曲線1
00に対応し、前述したように、変位する磁石の片側に
のみサーチコイルを配置した場合のサーチコイルの誘起
電圧積分値の変位に対する変化を示す。曲線130は、
この発明に従う、磁石の変位方向に沿って磁石の両側に
2つのコイル部分を配置した場合の、2つのコイル部分
に誘起された電圧積分値の変位に対する変化を示す。こ
れら2つの曲線から明らかなように、この発明による曲
線130は、従来における曲線100と比較して変位に
対し良好な線形性を持つ。したがって、永久磁石66の
変位すなわちアーマチャー62の変位をより正確に検出
することができる。
【0084】こうして、積分器93から出力されたサー
チコイルの誘起電圧Vtの積分値を表す信号に基づい
て、図1における制御装置50はアーマチャー62の変
位を検出する。制御装置50は、検出された変位を使用
して、電磁アクチュエータ60を適切に制御するよう制
御信号を出力することができる。
【0085】この実施例では、第1のコイル部分68お
よび第2のコイル部分69に、全く同じ仕様で作られた
コイルを使用したけれども、異なる仕様のコイルを使用
してもよい。その場合、どちらかのコイルの仕様に合わ
せて磁束を換算することにより、上記と同じ方法で変位
を検出することができる。たとえば、第1のコイル部分
68の巻数がn1で、第2のコイル部分69の巻数がn
2である場合、第2のコイル部分69の磁束Φ2を(n
1/n2)倍して、第1のコイル部分68の磁束Φ1お
よび第2のコイル部分69の磁束(n1/n2・Φ2)
を加算したものをサーチコイル67の磁束Φtとして変
位を検出することができる。また、たとえば、上記の実
施例とは逆向きに第2のコイル部分69が巻かれている
場合、第2のコイル部分69に誘起される電圧の極性が
反転する。したがって、第2のコイル部分69の誘起電
圧の極性を反転する手段を回路に加えることにより、や
はり上記と同じ方法で変位を検出することができる。
【0086】
【発明の効果】請求項1の発明によると、2つのコイル
部分を使用してその間を変位する磁石からの磁束に基づ
いて変位を検出するので、変位に対して線形な関係を持
つ出力に基づいて、変位を容易かつ正確に検出すること
ができる。
【0087】請求項2の発明によると、同じ仕様のコイ
ル部分を用いて検知された磁束に基づいて変位を検出す
るので、簡単な計算で変位を検出することができる。
【0088】請求項3の発明によると、磁石が非磁性部
材を介して機械要素に連結されるので、磁場が乱される
ことなく磁石からの磁束に基づいて正確に変位を検出す
ることができる。
【0089】請求項4の発明によると、エンジンの吸排
気のバルブの変位を検出することができるので、アクチ
ュエータによるバルブタイミングの精度を向上させるこ
とができる。
【0090】請求項5の発明によると、アクチュエータ
の伝達軸に連結するよう磁石を簡単に取り付けて固定す
ることができるので、簡単な構造で磁束を検知して変位
を検出することができる。
【0091】請求項6の発明によると、スプリングシー
トが非磁性部材で構成されるので、磁場が乱されること
なく磁石からの磁束を検知して、吸排気バルブの変位を
正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における電磁アクチュエー
タおよびその制御装置の全体を示すブロック図。
【図2】この発明の一実施例における電磁アクチュエー
タの機械的構造を示す図。
【図3】この発明の一実施例における変位検出装置の機
械的構造を示す図。
【図4】この発明の一実施例における永久磁石の形状を
示す図。
【図5】この発明の一実施例における永久磁石、サーチ
コイルおよび変位量算出回路の概略的な構成を示す図。
【図6】この発明の一実施例における、(a)2つのコ
イル部分の間を変位する永久磁石、および(b)それぞ
れのコイル部分の磁束および2つのコイル部分の合成磁
束の、永久磁石の変位に対する変化を示す図。
【図7】この発明の一実施例における、永久磁石の変位
と、2つのコイル部分の合成磁束の関係を示す図。
【図8】この発明の一実施例における、時間に対する
(a)変位、(b)2つのコイル部分の出力段の誘起電
圧、(c)低域フィルタ出力段の電圧および(d)積分
器出力段の電圧の変化を示すグラフ。
【図9】サーチコイルに誘起される電圧積分値の、この
発明の一実施例における変位に対する変化と、従来技術
による変位量に対する変化を比較するためのグラフ。
【図10】磁石から所定距離にある磁束について説明す
るための図。
【図11】磁石からの距離に対する磁束の変化を説明す
るための図。
【図12】従来技術による、サーチコイルに誘起される
電圧積分値の変位量に対する変化を示すグラフ。
【符号の説明】
50 制御装置 60 電磁アクチュエータ 61 バルブ 62 アーマチャー 66 永久磁石 67 サーチコイル 68 第1のコイル部分 69 第2のコイル部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16K 37/00 F16K 37/00 D 3H065 G01D 5/20 G01D 5/20 D 3H106 (72)発明者 中村 稔 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 2F063 AA02 BA06 DA05 GA01 GA29 KA01 LA13 2F077 CC02 FF03 TT00 3G016 AA06 CA11 CA16 CA41 CA48 DA01 DA23 EA22 3G018 AB09 BA16 BA38 CA12 DA24 DA36 DA39 DA41 DA44 DA66 DA83 EA22 FA07 GA40 3G092 AA11 DA01 DA02 DA07 DF05 DG02 DG09 EB03 FA06 HA11Z HA13Z HF08Z 3H065 AA01 BB16 CA01 CA03 3H106 DA07 DA25 DB02 DB13 DB26 DB32 DC02 DC17 DD09 FB07 FB09 GC29 KK17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変位することのできる機械要素と、 前記機械要素に連結して設けられ、該機械要素の変位方
    向に磁化された磁石と、 直列接続された第1のコイル部分および第2のコイル部
    分であって、前記機械要素の検出すべき変位量および前
    記磁石の変位方向の長さの和に対応する距離だけ少なく
    とも離れて、前記磁石を変位方向で挟むよう配置された
    第1のコイル部分および第2のコイル部分を含むサーチ
    コイルと、 前記磁石の変位に応じて前記サーチコイルに誘起された
    電圧を時間で積分する積分手段とを備え、 前記積分された値に基づいて、前記機械要素の変位を検
    出するようにした変位検出装置。
  2. 【請求項2】前記第1のコイル部分および第2のコイル
    部分が、同じ断面積を持ち、同じ向きに同じ回数巻かれ
    ている請求項1に記載の変位検出装置。
  3. 【請求項3】前記磁石が、前記機械要素に非磁性体の部
    材を介して連結される請求項1または請求項2に記載の
    変位検出装置。
  4. 【請求項4】前記機械要素が、エンジンの吸排気バルブ
    である請求項1から請求項3のいずれかに記載の変位検
    出装置。
  5. 【請求項5】前記磁石が、円筒形状の永久磁石である請
    求項4に記載の変位検出装置。
  6. 【請求項6】前記非磁性部材が前記吸排気バルブのスプ
    リングシートであり、該スプリングシートを介して前記
    磁石が前記機械要素に連結される請求項4または請求項
    5に記載の変位検出装置。
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