JP2787342B2 - 誘導式電磁力バルブ駆動装置 - Google Patents

誘導式電磁力バルブ駆動装置

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JP2787342B2
JP2787342B2 JP1219037A JP21903789A JP2787342B2 JP 2787342 B2 JP2787342 B2 JP 2787342B2 JP 1219037 A JP1219037 A JP 1219037A JP 21903789 A JP21903789 A JP 21903789A JP 2787342 B2 JP2787342 B2 JP 2787342B2
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英男 河村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンの吸気バルブや排気バルブ(以
下、吸排気バルブという)を電磁力により開閉駆動する
誘導式電磁力バルブ駆動装置に関する。
(従来の技術) 従来の吸排気バルブの開閉駆動装置は、エンジン回転
位相と同期して回転するカムシャフトによって、ロッカ
ーアームやプッシングロッド等のリンク機構を介してバ
ルブの軸端面を押すことにより、常時スプリングにより
閉方向にバイアスされている吸排気バルブを開閉駆動す
る。該開閉駆動装置は、カムシャフト及びリンク機構を
エンジンに付設せねばならず、そのためエンジンが大型
化し、カムシャフト及びリンク機構を駆動する際の摩擦
抵抗によりエンジン出力の一部が消費され、エンジンの
実効出力が低下する。またエンジン運転中に吸排気バル
ブの開閉タイミングを変更できないので、所定のエンジ
ン回転数に合わせてバルブ開閉タイミングを調整しなけ
ればならない。すると、該所定の回転数と異なる回転数
での運転時にはエンジンの出力及び効率が低下する。
そこで、上記問題を解決するために、吸排気バルブの
開閉駆動をカムシャフトによらず電磁石による電磁力で
行なう装置が、特開昭58-183805号公報、あるいは特開
昭61-76713号公報に記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記2公報により開示された装置は、吸排気
バルブに付設した磁性体を該吸排気バルブの移動方向に
配設した電磁石により吸引し、該吸引力によって吸排気
バルブを駆動するものである。磁性体に作用する吸引力
は、電磁石と磁性体との間隔の二乗に反比例するため、
該間隔の変化に伴ない吸引力が変化し吸排気バルブの駆
動が不安定になるという問題がある。また、駆動開始時
には吸排気バルブに対し強力な加速力を与えなければな
らないが、上記2公報により開示された装置は、駆動開
始時における電磁石と磁性体との間隔が最大となり、よ
って吸排気バルブに対して作用する駆動力は最小とな
る。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸排気
バルブに作用する駆動力が吸排気バルブの移動による影
響を受けず安定して吸排気バルブの開閉制御を行ない、
かつ、駆動開始時には吸排気バルブに強力な駆動力を作
用させる電磁力バルブ駆動装置を提供しようとするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、エンジンの吸排気バルブの少なくと
もいずれか一方のバルブに連結しこれとともに往復動自
在な円筒形の可動誘導体リングと、該可動誘導体リング
の外周面と対向し、かつ円周に沿って設けられるととも
に可動誘導体リングの円筒軸方向に間隔をもって固定配
置された複数段の磁極と、該磁極のそれぞれに巻回され
該磁極を励磁する第1のコイルと、上記可動誘導体リン
グの内側に嵌合するように設けられた透磁性材料からな
る固定磁極と、上記固定磁極を励磁する第2のコイル
と、上記第1と第2のコイルへの通電状態を制御し上記
可動誘導体リングを固定磁極に沿って駆動して上記バル
ブを開閉駆動せしめる通電制御手段と、を有することを
特徴とする誘導式電磁力バルブ駆動装置を提供すること
ができる。
(作用) 本発明の誘導式電磁力バルブ駆動装置では、往復動す
るバルブに連結された可動誘導体リングの側面に並設さ
れた磁極により進行磁界を形成し、可動誘導体リングに
誘導される電流が進行磁界から受ける電磁力により吸排
気バルブの少なくともいずれか一方のバルブを往復駆動
するので、上記バルブの位置が変化しても駆動力は変化
せず、従って、安定した開閉制御を行うことができる。
又、初期駆動の時には可動誘導体リングに対して同一方
向の磁界を作用させ、可動誘導体リング内に配置された
磁極により誘導される電流が該磁極から固定磁極に向か
う同一方向の磁界から受ける電磁力で駆動するので、可
動誘導体リングの全周に駆動力が作用し、よって、強力
な駆動力を発生することができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に従って詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の駆動装置の構成を示す全体構成図
である。尚、エンジンには上記のごとく吸気バルブと排
気バルブとが設けられているが、本発明による駆動装置
は吸排気バルブ共に適用できるので、以下の説明は主に
吸気バルブについて述べる。
1は、軽量であり高温強度に優れた窒化珪素等のセラ
ミックス材あるいは耐熱合金からなる吸気バルブであ
る。該吸気バルブ1の軸部はエンジンのシリンダヘッド
11に設けられたバルブガイド12によって摺動自在に軸承
されている。そして、該吸気バルブ1の閉鎖時には、本
図に示すごとく、吸排気バルブ1の傘部がシリンダヘッ
ド11に嵌装されたバルブシート13に着座し吸気通路14の
吸気口を閉鎖する。
該吸気バルブ1の軸端部には可動誘導体リングを含む
可動子2が連結している。該可動子2は、円筒形の磁気
通路21と、該磁気通路21の外周面を被覆する可動誘導体
リング22から構成されており、該可動誘導体リング22の
内周面と磁気通路21の外周面とは各々に刻設されたねじ
または接着剤により螺合している。尚、磁気通路21は磁
束密度を増加させるために磁性体から形成されており、
例えば磁性金属のアモルファス薄板を放射状に配列して
円筒形状に形成したものである。そして、該可動子2
は、硬質プラスチックからなるコッター止め23を介して
吸気バルブ1の軸端部と連結している。
該可動子2の周囲には駆動部3が配設されている。該
駆動部3は、磁気通路21の内側に挿入された中央磁極31
と、上記可動誘導体リング22と対向し可動子2の外周面
に周設された複数個の磁極32と、該磁極32の各々に捲設
された励磁コイル33、そして中央磁極31に捲設された上
部コイル34等から構成されている。
上記励磁コイル33及び上部コイル34はコントローラ4
と接続しており、該コントローラ4から電力の供給を受
ける。
該コントローラ4には、エンジンの回転数及びクラン
ク角を検出する回転センサ5と、アクセルペダル(図示
せず)の踏込量を検出する負荷センサ6とからの検出信
号が入力されている。
上記コントローラ4は、上記検出信号の入力及び電力
の供給を司る入出力インターフェイス、予めプログラム
や各種関係マップを記憶するROM、該ROMに記憶されたプ
ログラムに沿って演算を実行するCPU、演算結果やデー
タを一時記憶するRAM、コントローラ4内部の信号の流
れを制御するコントロールメモリ等から構成されてい
る。
次に、上記構成による本発明の装置の作動について説
明する。
エンジンの運転中においては、常時負荷センサ6から
アクセルペダルの踏込量と回転センサ5からエンジンの
回転数とを検出し、予め設定された関係マップを用いて
該踏込量及び回転数に対応する吸気バルブ1の開閉タイ
ミングを演算する。そして、回転センサ5により検出さ
れるクランク角が吸気バルブ1の開タイミングになる
と、上部コイル34に通電することにより可動誘導体リン
グ22に誘導電流を発生させ、該誘導電流と励磁コイル33
により形成される磁界とにより吸気バルブ1を初期駆動
する。そして、駆動開始後は、励磁コイル33に交番電力
を供給し、磁極32からの磁束により形成される磁界を進
行磁界とすることにより吸気バルブ1を開閉駆動する。
第2図(I)は、初期駆動時の状態を示す図であり、
第2図(II)は、初期駆動後の状態を示す図である。
尚、本図は説明内容を明確にするため、断面を示す斜
線は省略している。
吸気バルブ1の閉鎖状態時には上部コイル34に通電し
中央磁極31に対して下方向の磁束を作用させておく。
クランク角が吸気バルブ1の開タイミングになると、
第2図(I)に示すごとく、上部コイル34への通電方向
を反転させ、中央磁極31内の磁束を上方向の磁束aに変
更する。すると、可動誘導体リング22には相互誘導によ
る誘導電流が発生する。該誘導電流の方向は磁束aをキ
ャンセルする方向、すなわち本図上方から見た場合、右
回りの誘導電流が発生する。ところで、上部コイル34へ
の通電方向を反転させると共に、励磁コイル33に通電
し、可動誘導体リング22に対して外周から内方向への磁
束bを作用させる。すると、上記誘導体リングに誘導さ
れた電流は、該磁束bからフレミングの左手の法則に示
される電磁力、すなわち本図の場合には下方向への電磁
力を受ける。該電磁力は可動誘導体リング全周に作用す
るので、強力な駆動力として吸気バルブ1に作用し、該
吸気バルブ1を開方向へと駆動する。
該初期駆動時の駆動力は、上部コイル34への通電状態
が定常状態に移行すると消滅する。そこで第2図(II)
に示すごとく、励磁コイル33への通電状態を交番電力に
切換え、本図における下方向への進行磁界を可動誘導体
リング22に作用させる。
次に、該進行磁界の進行の伴ない磁極32の極性がcに
示す状態からdに示す状態に移行する場合について説明
する。
cに示す状態時には可動誘導体リング22には磁束eが
作用している。磁界の進行の共ない磁極32の極性がdに
示す状態に移行すると、該磁束eが減少するので可動誘
導体リング22には各々の磁束eを維持する方向、すなわ
ち図に示す方向の誘導電流が発生する。ところが、該誘
導電流が発生する時点には磁極32の極性は既にdに示す
状態に移行している。すると、可動誘導体リング22に誘
導される電流はdに示す状態の極性からの磁束により下
方向の電磁力を受ける。よって、吸気バルブ1は下方向
へと駆動される。よって、可動子2は磁界の進行と同方
向へと駆動される。
よって、吸気バルブ1を閉鎖方向に駆動するには励磁
コイル33へ供給している交番電力の交番方向を反転さ
せ、上方向の進行磁界を形成すればよい。そして、吸気
バルブ1の着座時には、上記初期駆動時と同様にして吸
気バルブ1に開方向の駆動力を作用させ、閉鎖方向の速
度を減速し、緩やかに着座させる。
ところで、磁気通路21及び中央磁極31は磁束b及び磁
束eの通路となり、該磁束が流れる際の磁気抵抗を減少
させ、駆動力を強力にするためのものである。また、上
記のごとく、磁気通路21の外周面にはねじが刻設されて
いるため、外周面が平担であるものに対して、磁極32か
ら該磁気通路21に流れる磁束が一部に偏ることがなく、
かつ、磁極32と磁気通路21との間隔が減少するため磁束
量を増加させることができる。
尚、吸気バルブ1を閉状態で保持するスプリング24の
バイアス力は上記電磁力に対し、充分小に設定されてい
る。また、上記実施例では、吸気バルブ1についてのみ
説明したが、排気バルブにも適用できることは当然であ
る。
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明の精
神から逸れないかぎりで、種々の異なる実施例は容易に
構成できるから、本発明は前記特許請求の範囲において
記載した限定以外、特定の実施例に制約されるものでは
ない。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明によれば、可動子
に周設された可動誘導体リングの側面に並設された磁極
により進行磁界を形成し、可動誘導体リングに誘導され
る電流が進行磁界から受ける電磁力により吸排気バルブ
の少なくともいずれか一方のバルブを往復駆動するの
で、上記バルブの位置が変化しても駆動力は変化せず、
従って、安定した開閉制御を行うことができる。また、
初期駆動時には可動誘導体リングに対して同一方向の磁
界を作用させ、可動誘導体リング内に配設された磁極に
より誘導される電流が該同一方向の磁界から受ける電磁
力で駆動するので、可動誘導体リング全てに駆動力が作
用し、よって強力な駆動力を発生させることができる誘
導式電磁力バルブ駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す全体構成図、第2図
(I)は、初期駆動時の状態を示す図、第2図(II)
は、初期駆動後の状態を示す図である。 1……吸気バルブ、2……可動子、3……駆動部、4…
…コントローラ、5……回転センサ、6……負荷セン
サ、22……誘導体リング、31……中央磁極、32……磁
極、33……励磁コイル、34……上部コイル。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸排気バルブの少なくともいず
    れか一方のバルブに連結しこれとともに往復自在な円筒
    形の可動誘導体リングと、 該可動誘導体リングの外周面と対向し、かつ円周に沿っ
    て設けられるとともに可動誘導体リングの円筒軸方向に
    間隔をもって固定配置された複数段の磁極と、 該磁極のそれぞれに巻回され該磁極を励磁する第1のコ
    イルと、 上記可動誘導体リングの内側に嵌合するように設けられ
    た透磁性材料からなる固定磁極と、 上記固定磁極を励磁する第2のコイルと、 上記第1と第2のコイルへの通電状態を制御し上記可動
    誘導体リングを固定磁極に沿って駆動して上記バルブを
    開閉駆動せしめる通電制御手段と、 を有することを特徴とする誘導式電磁力バルブ駆動装
    置。
  2. 【請求項2】上記可動誘導体リングは磁性体からなる磁
    気通路の外周面を被覆したことを特徴とする請求項1に
    記載の誘導式電磁力バルブ駆動装置。
JP1219037A 1989-08-25 1989-08-25 誘導式電磁力バルブ駆動装置 Expired - Lifetime JP2787342B2 (ja)

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CN104500825B (zh) * 2014-12-03 2017-09-15 河南理工大学 分级电控高效节水装置

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