JP2001158740A - ケモカイン・サイトカイン発現抑制剤 - Google Patents

ケモカイン・サイトカイン発現抑制剤

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JP2001158740A
JP2001158740A JP2000288892A JP2000288892A JP2001158740A JP 2001158740 A JP2001158740 A JP 2001158740A JP 2000288892 A JP2000288892 A JP 2000288892A JP 2000288892 A JP2000288892 A JP 2000288892A JP 2001158740 A JP2001158740 A JP 2001158740A
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alkoxy
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JP2000288892A
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Yasuhiko Kawano
泰彦 川野
Tatsumi Matsumoto
辰美 松本
Masami Isaka
正身 井坂
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケモカイン・サイトカイン発現抑制剤の提供。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、R1はH、低級アルキル基又はハロゲン原子
を、R2及びR3はH、低級アルキル基又はシクロアルキ
ル基を、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5ないし
7員環を形成してもよく、XはO又はS(O)p(pは
0〜2)を、Yは式 【化2】 (R4及びR5はH又は低級アルキル基)で表わされる基
又は3ないし7員同素環又は複素環から誘導される2価
の基を、R6及びR7はH、低級アルキル基、シクロアル
キル基又はアリール基を、R6とR7は隣接するN原子と
共に含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0〜4
を、nは0〜4を示す。〕で表わされる化合物又はその
塩あるいはそのプロドラッグを含有してなるケモカイン
・サイトカイン発現抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6−(2,2−ジ
メチル−3−スルファモイル−1−プロポキシ)−7−
イソプロピル〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−b〕ピ
リダジン等のトリアゾロピリダジン誘導体を含有してな
るケモカインまたはサイトカインの発現抑制剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】式
【化5】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化6】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表さ
れるトリアゾロピリダジン誘導体は、抗喘息剤、抗PA
F剤、抗アレルギー剤、好酸球化学遊走抑制剤、アレル
ギー性鼻炎予防治療剤、アトピー性皮膚炎予防治療剤と
して有用な化合物である(特開平06−279447号
公報および特開平08−198878号公報)。しかし
ながら、これらの化合物がケモカインやサイトカインの
発現を抑制することについては、一切報告されていなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インターフェロンγ
(IFN−γ)、エオタキシン(Eotaxin)、M
IP−1α、インターロイキン13(IL−13)また
はTNF−αなどのケモカインまたはサイトカイン類
は、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球等の炎症
細胞を病原局所へ集積、活性化させる。したがって、こ
れらのケモカインやサイトカインの発現を抑制する化合
物は、炎症細胞の集積、活性化に起因する疾病の優れた
予防・治療剤となり、それらの開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、6−(2,2
−ジメチル−3−スルファモイル−1−プロポキシ)−
7−イソプロピル〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−
b〕ピリダジンまたはその塩をはじめとするトリアゾロ
ピリダジン誘導体〔I〕が、予想外にもケモカインまた
はサイトカインの発現を抑制し、アレルギー性疾患、炎
症、循環器障害、腎炎などの炎症細胞の異常集積または
活性化に起因する疾病に対して、優れた予防・治療効果
を発揮できることを見いだした。本発明者らは、この知
見に基づいてさらに研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)式
【化7】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化8】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを
含有してなるケモカインまたはサイトカインの発現抑制
剤、(2)ケモカインまたはサイトカインのmRNAの
発現抑制剤である第(1)項記載の剤、(3)ケモカイ
ンまたはサイトカインの産生抑制剤である第(1)項記
載の剤、(4)R1が(i)水素原子、(ii)ヒドロキ
シ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−
1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキ
ルカルボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から
選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アルキル基ま
たは(iii)ハロゲン原子を、R2およびR3がそれぞれ
(i)水素原子、(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキ
シル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシ
およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を有
していてもよいC1-6アルキル基または(iii)ヒドロキ
シ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−
1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキ
ルカルボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から
選ばれる置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に、
ヒドロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C1-6アルキル
アミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキル−カルボニル
オキシおよびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換
基を有していてもよいC1-6アルキル,C1-6アルキ
ル,C1-6アシルまたは5ないし7員環状アミノで置換
されていてもよいアミノ,ヒドロキシ,カルボキシ
ル,ニトロ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原
子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく、
炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から
選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含んでいてもよい
5ないし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子または
S(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Y
は(a)式
【化9】 (R4およびR5はそれぞれ(i)水素原子または(ii)
ヒドロキシ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−ま
たはジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C
1-6アルキルカルボニルオキシおよびハロゲン原子から
なる群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-6
ルキル基を示す)で表わされる基、または(b)ヒド
ロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキル−カルボニルオキ
シおよびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を
有していてもよいC1-6アルキル,C1-6アルキル,C
1-6アシルまたは5ないし7員環状アミノで置換されて
いてもよいアミノ,ヒドロキシ,カルボキシル,
ニトロ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原子から
なる群から選ばれる置換基を有していてもよい、3ない
し7員の環状炭化水素または炭素原子以外に窒素原子、
酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1ない
し4個のヘテロ原子を含む3ないし7員の複素環から誘
導される2価の基を示し、R6およびR7はそれぞれ
(i)水素原子、(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキ
シル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシ
およびハロゲン原子からなる群で選ばれる置換基を有し
ていてもよいC1-6アルキル基、(iii)ヒドロキシ,ア
ミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6
アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカル
ボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から選ばれ
る置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル基ま
たは(iv)ヒドロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C
1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原
子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC
1-6アルキル,C1-6アルキルまたは5ないし7員環状
アミノで置換されていてもよいアミノ,アセトアミ
ド,ヒドロキシ,カルボキシル,ニトロ,C
1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシおよ
びハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を有し
ていてもよいC6-14アリール基を示し、R6とR7は隣接
する窒素原子と共にヒドロキシ,アミノ,モノ−また
はジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6
アルキル−カルボニルオキシおよびハロゲン原子からな
る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アル
キル,C1-6アルキル,C1-6アシルまたは5ないし7
員環状アミノで置換されていてもよいアミノ,ヒドロ
キシ,カルボキシル,ニトロ,C1-6アルコキシ
およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を
有していてもよい、1個の窒素原子を含み、さらに窒素
原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれた1ないし4
個のヘテロ原子を含んでいてもよい3ないし13員含窒
素複素環の環中から水素原子を1個取り除いた基を形成
していてもよく、mは0ないし4の整数を、nは0ない
し4の整数を示す第(1)項記載の剤、(5)R1が水
素原子またはC1-3アルキル基を、R2が水素原子または
1-3アルキル基を、R3が水素原子またはC1-6アルキ
ル基を、Xが酸素原子を、Yが式
【化10】 〔式中、R4′およびR5′はそれぞれ(i)水素原子ま
たは(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキシル,ニト
ロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アル
コキシ,C1-6アルキル−カルボニルオキシまたはハロ
ゲン原子から選ばれる1ないし4個の置換基を有してい
てもよいC1-3アルキル基を示す。〕で表わされる基
を、R6およびR7がそれぞれ水素原子またはC1-3アル
キル基を、mおよびnが1を示す第(1)項記載の剤、
(6)化合物が6−(2,2−ジメチル−3−スルファ
モイル−1−プロポキシ)−7−イソプロピル〔1,2,
4〕トリアゾロ〔1,5−b〕ピリダジンである第
(1)項記載の剤、(7)ケモカインまたはサイトカイ
ンがRANTES、エオタキシン(Eotaxin)、
MIP−1α、インターロイキン13(IL−13)、
TNF−αまたはMCP−1である第(1)項記載の
剤、および(8)ケモカインまたはサイトカインの発現
に基づく疾患の予防・治療剤である第(1)項記載の剤
を提供する。
【0006】さらに、本発明は、(9)製剤全体に対し
て、化合物〔I〕またはその塩あるいはそのプロドラッ
グを約0.01〜99.9重量%および担体を約0.1
〜99重量%含有してなる第(1)項記載の剤、(1
0)ケモカインまたはサイトカインの発現に基づく疾患
が炎症、循環器障害または腎炎である第(8)項記載の
剤、(11)哺乳動物に対して式
【化11】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化12】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを
有効量投与することを特徴とするケモカインまたはサイ
トカインの発現抑制方法、(12)哺乳動物に対して式
【化13】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化14】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを
有効量投与することを特徴とするケモカインまたはサイ
トカインの発現に基づく疾患の予防・治療方法、(1
3)ケモカインまたはサイトカインの発現に基づく疾患
が炎症、循環器障害または腎炎である第(12)項記載
の治療法、(14)ケモカインまたはサイトカインの発
現抑制剤を製造するための式
【化15】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化16】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの
使用、(15)ケモカインまたはサイトカインの発現に
基づく疾患の予防・治療剤を製造するための式
【化17】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
【化18】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの
使用、および(16)ケモカインまたはサイトカインの
発現に基づく疾患が炎症、循環器障害または腎炎である
第(15)項記載の使用を提供する。本発明の製剤に用
いられるトリアゾロピリダジン誘導体〔I〕またはその
塩が構造中に不斉炭素を含有する場合、光学活性化合物
およびラセミ体混合物もトリアゾロピリダジン誘導体
〔I〕の範囲に含まれる。
【0007】上記式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
またはR7で示される「低級アルキル」としては、例え
ば、メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n
−ブチル,i−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,
n−ヘキシルなどの直鎖状もしくは分枝状のC1-6アル
キル基など用いられる。R2、R3、R6またはR7で示さ
れる「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプ
ロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシ
ルなどのC3-6シクロアルキル基などが用いられる。R6
またはR7で示される「アリール基」としては、例え
ば、フェニル,ナフチルなどのC6-14アリール基が用い
られる。該「低級アルキル」および「シクロアルキル
基」が有していてもよい置換基としては、例えば、ヒド
ロキシ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−または
ジ−低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ,エチ
ルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチル
アミノなどのモノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ な
ど),低級アルコキシ(例えば、メトキシ,エトキシ,
プロポキシ,ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシな
ど),低級アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセト
キシ,エチルカルボニルオキシなどのC1-6アルキルカ
ルボニルオキシなど)およびハロゲン原子(フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素など)などから選ばれた1ないし4個
が用いられる。該「アリール基」が有していてもよい置
換基としては、例えば、置換基を有していてもよい低級
アルキル,置換基を有していてもよいアミノ,アセトア
ミド,ヒドロキシ,カルボキシル,ニトロ,低級アルコ
キシ(例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキシなどの
1-6アルコキシなど),低級アルキル−カルボニルオ
キシ(例えば、アセトキシ,エチルカルボニルオキシな
どのC1-6アルキルカルボニルオキシなど)およびハロ
ゲン原子(フッ素,塩素,臭素, ヨウ素など)などか
ら選ばれた1〜5個が用いられる。ここで、低級アルキ
ル(例えば、メチル、エチル、n−プロピルなどのC
1-6アルキル基)が有していてもよい置換基としては、
例えば、ヒドロキシ,アミノ,モノ−またはジ−低級ア
ルキルアミノ(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,
プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど
のモノ−またはジ−C1-6アルキルアミ ノなど),低級
アルコキシ(例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキ
シ,ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシなど)およ
びハロゲン原子(フッ素,塩素,臭素, ヨウ素など)
などから選ばれた1ないし4個が用いられる。アミノ基
が有していてもよい置換基としては、例えば、C1-6
ルキル(例えば、メチル,エチル,プロピルなど)およ
び5ないし7員環状アミノ(例えば、ピロリジノ,モル
ホリノ,ピペリジノ,ピペラジノなど)などから選ばれ
る1または2個が用いられる。R1で示される「ハロゲ
ン原子」としては、例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素などが用いられる。
【0008】R2およびR3が隣接する−C=C−と共に
形成する5ないし7員環としては、例えば、炭素原子以
外に、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから
選ばれた1ないし4個のヘテロ原子を含んでいてもよい
5ないし7員環などが用いられる。具体的には、シクロ
ペンテン,シクロヘキセン,シクロヘプテンなどのC
5-7シクロアルケン、ベンゼンなどの5ないし7員環状
炭化水素、炭素原子と窒素原子からなる5または6員の
含窒素複素環(例、ピロール,ピリジン,ピペリジンな
ど)などが繁用される。Yで示される「3ないし7員同
素環から誘導される2価の基」の「3ないし7員同素
環」としては、例えば、炭素原子のみからなる3ないし
7員環状炭化水素などが用いられる。具体的には、例え
ばシクロプロパン,シクロブタン,シクロペンタン,シ
クロヘキサン,シクロヘプタンなどのC3-7シクロアル
カン、 例えばシクロプロペン,シクロブテン,シクロ
ペンテン,シクロヘキセン,シクロヘプテンなどのC
3-7シクロアルケンなどが繁用される。
【0009】該「3ないし7員同素環」から誘導される
2価の基とは、前述した3ないし7員環状炭化水素中の
1個の炭素原子から2個の水素原子を、または異なる2
個の炭素原子からそれぞれ1個の水素原子を取り除いた
2価の基などを意味する。具体的には、例えば
【化19】 などが用いられ、好ましくは
【化20】 などが、より好ましくは
【化21】 などが繁用される。
【0010】Yで示される「3ないし7員複素環から誘
導される2価の基」の用語「3ないし7員複素環」とし
ては、例えば、炭素原子以外に、例えば窒素原子、酸素
原子、硫黄原子などから選ばれた1ないし4個のヘテロ
原子を含む3ないし7員の複素環などが用いられる。具
体的には、例えばオキセタン,テトラヒドロフラン,テ
トラヒドロピラン,ピロール,アゼチジン,ピロリジ
ン,ピペリジン,ピペラジン,テトラヒドロチオフェ
ン,ホモピペリジン,モルホリンなどが用いられる。該
「3ないし7員複素環」から誘導される2価の基とは、
前述した3ないし7員複素環中の同一の炭素原子から2
個の水素原子を、または異なる2個の原子からそれぞれ
1個の水素原子を取り除いた2価の基を意味する。具体
的には、例えば
【化22】 などが用いられる。
【0011】R6およびR7が隣接する窒素原子と共に形
成する「含窒素複素環基」としては、例えば、1個の窒
素原子と炭素原子を含み、さらに例えば窒素原子、酸素
原子、硫黄原子などから選ばれた1ないし3個のヘテロ
原子を含んでいてもよい3ないし13員含窒素複素環な
どの環中の窒素原子から水素原子を1個取り除いた基な
どが用いられる。具体的には、例えば
【化23】 などの3ないし9員含窒素複素環基などが繁用される。
【0012】該「3ないし7員同素環」、「3ないし7
員複素環」および「含窒素複素環基」が有していてもよ
い置換基としては、例えば、置換基を有していてもよい
低級アルキル,置換基を有していてもよいアミノ,ヒド
ロキシ,カルボキシル,ニトロ,低級アルコキシ(例、
メトキシ,エトキシ,プロポキシなどのC1-6アルコキ
シなど)およびハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭
素,ヨウ素など)などから選ばれた1ないし5個が用い
られる。ここで、低級アルキル(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピルなどのC1-6アルキル基)が有してい
てもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ,アミ
ノ,モノ−またはジ−低級アルキルアミノ(例えば、メ
チルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチル
アミノ,ジエチルアミノなどのモノ−またはジ−C1-6
アルキルアミノなど),低級アルコキシ(例えば、メト
キシ,エトキシ,プロポキシ,ヘキシルオキシなどのC
1-6アルコキシなど),低級アルキルカルボニルオキシ
(例えば、アセチルオキシ,エチルカルボニルオキシな
どのC1-6アルキル−カルボニルオキシなど)およびハ
ロゲン原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素など)などか
ら選ばれた1ないし4個が用いられる。アミノ基が有し
ていてもよい置換基としては、例えば、C1-6アルキル
(例えば、メチル,エチル,プロピルなど),アシル
(例えば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリ
ルなどのC1-6アシルなど)および5ないし7員環状ア
ミノ(例えば、ピロリジノ,モルホリノ,ピペリジノ,
ピペラジノなど)などから選ばれる1または2個が用い
られる。
【0013】R1としては、例えば、水素原子またはC
1-3アルキル(例えば、メチル,エチル,n-プロピルな
ど)などが好ましく、特に水素原子が繁用される。R2
としては、例えば、水素原子、C1-3アルキル(例え
ば、メチル,エチル,n-プロピルなど)などが好まし
く、特に水素原子などが繁用される。R3としては、例
えば、水素原子、C1-6アルキル基などが好ましく、特
に、分枝状のC3-6アルキル基(例えば、i−プロピル
など)などが繁用される。R2とR3が隣接する−C=C
−と共に5ないし7員環状炭化水素を形成する場合も好
ましく、特に、シクロヘキセン、ベンゼンなどを形成す
る場合がよい。Xとしては、例えば、酸素原子またはS
などが好ましく、特に酸素原子などが繁用される。Yと
しては、例えば、式
【化24】 〔式中、R4′およびR5′はそれぞれ(i)水素原子ま
たは(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキシル,ニト
ロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アル
コキシ,C1-6アルキル−カルボニルオキシまたはハロ
ゲン原子から選ばれる1ないし4個の置換基を有してい
てもよいC1-3アルキル基を示す。〕で表わされる基な
どが好ましい。
【0014】R4′およびR5′で表わされる「C1-3
ルキル基」としては、例えば、メチル,エチル,n-プ
ロピル,i-プロピルなどが用いら、特に、メチル,エ
チルが好適である。また、Yが置換基を有していてもよ
い3ないし7員同素環または複素環から誘導される2価
の基の場合も好ましく、例えば
【化25】 などが、より好ましくは
【化26】 などが繁用され、特に
【化27】 などが最も繁用される。
【0015】R6およびR7としては、例えば、水素原
子、C1-3アルキル(例えば、メチル,エチル,n-プロ
ピルなど)などが好ましく、特に水素原子などが繁用さ
れる。mとしては、1ないし4の整数が好ましく、さら
には1ないし3の整数が、特に1などが繁用される。n
としては、1ないし4の整数が好ましく、特に1などが
繁用される。なかでも、mとnがともに1の場合が最も
好ましい。
【0016】本発明の製剤に用いられるトリアゾロピリ
ダジン誘導体〔I〕としては、具体的には、特開平06
−279447号公報および特開平08−198878
号公報の実施例で製造されている全ての化合物が好まし
いが、特に、6−(2,2−ジメチル−3−スルファモ
イル−1−プロポキシ)−7−イソプロピル〔1,2,
4〕トリアゾロ〔1,5−b〕ピリダジンまたはその塩
が好適である。上記トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕
の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、また
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。さらに、トリアゾロ
ピリダジン誘導体〔I〕が置換基として−COOHなど
の酸性基を有している場合、トリアゾロピリダジン誘導
体〔I〕は、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属また
はアルカリ土類金属、アンモニアなど)または有機塩基
(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3アルキル
アミンなど)と塩を形成してもよい。上記トリアゾロピ
リダジン誘導体〔I〕またはその塩は、特開平06−2
79447号公報または特開平08−198878号公
報の記載、特に、該公報の実施例の記載に基づいて、製
造することができる。
【0017】上記トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕ま
たはその塩のプロドラッグは、生体内における生理条件
下で酵素や胃酸等による反応によりトリアゾロピリダジ
ン誘導体〔I〕またはその塩に変換する化合物、即ち酵
素的に酸化、還元、加水分解等を起こしてトリアゾロピ
リダジン誘導体〔I〕またはその塩に変化する化合物、
胃酸等により加水分解等を起こしてトリアゾロピリダジ
ン誘導体〔I〕またはその塩に変化する化合物をいう。
トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕またはその塩のプロ
ドラッグとしては、トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕
またはその塩のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん
酸化された化合物(例、トリアゾロピリダジン誘導体
〔I〕またはその塩のアミノ基がエイコサノイル化、ア
ラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メト
キシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジ
ルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブ
チル化された化合物等);トリアゾロピリダジン誘導体
〔I〕またはその塩の水酸基がアシル化、アルキル化、
りん酸化、ほう酸化された化合物(例、トリアゾロピリ
ダジン誘導体〔I〕またはその塩の水酸基がアセチル
化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、
スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミ
ノメチルカルボニル化された化合物等);トリアゾロピ
リダジン誘導体〔I〕またはその塩のカルボキシル基が
エステル化、アミド化された化合物(例、トリアゾロピ
リダジン誘導体〔I〕またはその塩のカルボキシル基が
エチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメ
チルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピ
バロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニル
オキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5
−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニ
ルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物
等);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方
法によってトリアゾロピリダジン誘導体〔I〕またはそ
の塩から製造することができる。また、トリアゾロピリ
ダジン誘導体〔I〕またはその塩のプロドラッグは、広
川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計1
63頁から198頁に記載されているような生理的条件
でトリアゾロピリダジン誘導体〔I〕またはその塩に変
化するものであってもよい。
【0018】本発明の製剤は、活性成分としてトリアゾ
ロピリダジン誘導体〔I〕またはその塩あるいはそのプ
ロドラッグ以外の他の医薬成分を含有していてもよい。
このような医薬活性成分としては、例えば、他のケモカ
イン・サイトカイン発現抑制剤または阻害剤、抗喘息剤
(例、テオフィリン、プロカテロール、ケトチフェン、
アゼラスチン、セラトロダスト(ブロニカ)など)、抗
アレルギー剤(例、ケトチフェン、テルフェナジン、ア
ゼラスチン、エピナスチンなど)、抗炎症剤(例、ジク
ロフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシ
ンなど)、抗菌剤(例、セフィキシム、セフジニル、オ
フロキサシン、トスフロキサシンなど)、抗真菌剤
(例、フルコナゾール、イトラコナゾールなど)などが
挙げられる。これらの成分は本発明の目的が達成される
限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能
である。本発明の製剤の剤形の具体例としては、例え
ば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
丸剤、カプセル剤(マイクロカプセルを含む)、顆粒
剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注射
剤、吸入剤、軟膏、点眼剤、エアゾール剤、クリーム
剤、点鼻剤、貼布剤などが用いられる。これらの製剤は
常法(例えば日本薬局方記載の方法など)に従って調製
される。
【0019】具体的には、錠剤の製造法は、医薬品をそ
のまま、賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適
当な添加剤を加えて均等に混和したものを、適当な方法
で顆粒とした後、滑沢剤などを加え、圧縮成型するかま
たは、医薬品をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊
剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和
したものを、直接圧縮成型して製するか、またはあらか
じめ製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加
えて均等に混合した後、圧縮成型しても製造することも
できる。また、本剤は、必要に応じて着色剤、矯味剤な
どを加えることができる。さらに、本剤は、適当なコー
ティング剤で剤皮を施すこともできる。注射剤の製造法
は、医薬品の一定量を、水性溶剤の場合は注射用水、生
理食塩水、リンゲル液など、非水性溶剤の場合は通常植
物油などに溶解、懸濁もしくは乳化して一定量とする
か、または医薬品の一定量をとり注射用の容器に密封し
て製することができる。
【0020】本発明製剤の製造に用いられてもよい薬理
学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の
各種有機あるいは無機担体物質が用いられる。例えば、
固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤や、
液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化
剤、緩衝剤、無痛化剤などが用いられる。また、必要に
応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、
湿潤剤などの添加物を用いることもできる。賦形剤とし
ては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプ
ン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸
などが用いられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、
コロイドシリカなどが用いられる。結合剤としては、例
えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキ
ストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デ
ンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースナトリウムなどが用いられる。崩
壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ク
ロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスター
チナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースなど
が用いられる。溶剤としては、例えば、注射用水、アル
コール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ
油、トウモロコシ油などが用いられる。溶解補助剤とし
ては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタ
ノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエ
タノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム
などが用いられる。懸濁化剤としては、例えば、ステア
リルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、
ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザル
コニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリ
セリンなどの界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなどの親水性高分子などが用いられ
る。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビ
トール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトー
ルなどが用いられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが用
いられる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコ
ールなどが用いられる。防腐剤としては、例えば、パラ
オキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、
ソルビン酸などが用いられる。抗酸化剤としては、例え
ば、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが用いられる。
【0021】本発明の製剤において、トリアゾロピリダ
ジン誘導体〔I〕またはその塩の含有量は、対象疾患、
対象患者の年齢や性別、疾患の状態などによって相違す
るが、通常製剤全体に対して約0.01〜99.9重量
%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましく
は約0.5〜20重量%程度である。担体や各種添加剤
の含有量は、対象疾患、対象患者の年齢や性別、疾患の
症状などによって相違するが、通常製剤全体に対して約
0.1〜99重量%、好ましくは約10〜99重量%、
さらに好ましくは約50〜99重量%程度、特に好まし
くは約70〜99重量%程度である。トリアゾロピリダ
ジン誘導体〔I〕またはその塩以外の他の医薬成分の含
有量は、対象疾患、対象患者の年齢や性別、疾患の状態
などによって相違するが、通常製剤全体に対して約0.
01〜99.9重量%、好ましくは約0.1〜50重量
%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度であ
る。
【0022】本発明の製剤は、例えば、ケモカインやサ
イトカインの発現を効率良く抑制することができ、かつ
毒性が低い(急性毒性:LD50>2g/kg)。ケモカ
インやサイトカインの発現抑制には、ケモカインやサイ
トカインのmRNAの発現抑制、ケモカインやサイトカ
インの産生抑制、ケモカインやサイトカインのDNAの
発現抑制、ケモカインやサイトカインの発現プロモータ
ー抑制、ケモカインやサイトカインの分泌抑制、ケモカ
インやサイトカインのmRNAの翻訳抑制などが含まれ
る。ケモカインまたはサイトカインとしては、例えば、
インターロイキン8(IL−8)、エオタキシン(Eo
taxin)、MIP−1α(Macrophage Inflammator
y Protein-1α)、MIP−1β(Macrophage Inflamma
tory Protein-1β)、RANTES(Regulated on Act
ivation, Normal T cell Expressed and Secreted;ラ
ンテス)、groα/MGSA(growth-related gene
α/melanoma growth stimulating activity)、gro
β/MGSA(growth-related gene β/melanoma grow
th stimulating activity)、ENA−78(Epithelia
cell-derived Neutrophil-Activating protein-78)、
PF−4(Platelet Factor-4)、IP−10(Interfe
ron inducible Protein-10)、MCP−1,−2または
−3(Monocyte Chemoattractant Protein-1,-2または-
3)、I−309、インターロイキン1,2,3,6,
10または13(IL−1,2,3,4,10または1
3)、インターフェロン−α,βまたはγ(IFN−
α,βまたはγ)、細胞壊死因子α(TNF−α)、リ
ンホトキシン、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロ
ポエチン、上皮増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因
子(FGF)などが挙げられる。本発明の製剤は、なか
でも、インターフェロン−γ(IFN−γ)、エオタキ
シン(Eotaxin)、MIP−1α、RANTE
S、インターロイキン13(IL−13)、TNF−
α、MCP−1の発現を抑制することができ、特に、エ
オタキシン(Eotaxin)、MIP−1α、RAN
TES、インターロイキン13(IL−13)、TNF
−αなどのケモカインやサイトカインのmRNAの発現
を効率良く抑制したり、エオタキシン(Eotaxi
n)、TNF−α、MCP−1などのケモカインやサイ
トカインの産生を効率良く抑制することができる。した
がって、本発明の製剤は、哺乳動物(例、ヒト,マウ
ス,ラット,ネコ,イヌ,ヒツジ,ウマ,ウシ,サルな
ど)に対して、アレルギー性疾患、炎症、循環器障害な
ど、具体的には、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚
炎、腎炎、急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、
成人呼吸促迫症候群(ARDS)、バクテリア肺炎、が
ん(例、膀胱がん、乳がん、子宮頚部、大腸がん、非小
細胞肺がん、小細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がん、胃
がんなど)、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、
ヘリコバクター・ピロリ感染症、肝炎(例、A型肝炎、
B型肝炎、C型肝炎、アルコール性肝炎など)、単純ヘ
ルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱疹ウイルス感染
症、ホジキン病、エイズ感染症、ヒトパピローマウイル
ス感染症、インフルエンザ感染症、重症全身性真菌感染
症、インシュリン依存性糖尿病I型、インシュリン依存
性糖尿病II型、侵襲性ブドウ状球菌感染症、悪性黒色
腫、転移、臓器移植、多発性骨髄腫、脊髄損傷、非ホジ
キン性リンパ腫、消化性潰瘍、敗血症、敗血症ショッ
ク、重症全身性真菌感染症、結核、骨関節炎、骨軟化
症、骨減少症、骨粗鬆症、骨ペーチット病、痛み、腎不
全、リウマチ関節炎、全身性エリテマトーサス、心弁膜
症、急性虚血性脳卒中、急性心筋梗塞、心筋梗塞後遺
症、急性膵炎、慢性膵炎、急性期脳血栓症、アルツハイ
マー病、狭心症、不安定狭心症、硬直性脊椎炎、喘息、
動脈硬化、骨折、クモ膜下出血後の脳血管攣縮、肝硬
変、クローン病、床ずれ、痴呆、混合痴呆、血管性/多
発梗塞痴呆、糖尿病性合併症、糖尿病性腎炎、糖尿病性
神経障害、糖尿病性網膜症、癲癇、胃アトニー、痔疾、
肝不全、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高
グリセリド血症、高脂血症、末梢血管疾患、発熱、逆流
性食堂炎、アテレクトミー後の再閉塞、ステント留置後
の再狭窄、経皮的冠動脈内血管形成術後の再狭窄、透析
による血小板減少症、一過性脳虚血発作などの疾患の優
れた予防・治療剤などとして使用することができる。本
発明の製剤の投与量は、対象疾患、年令,体重,症状,
投与経路,投与回数などにより異なるが、例えば、腎炎
の治療を目的として成人に対して、1日当たり有効成分
(トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕またはその塩ある
いはそのプロドラッグ)に換算して通常約0.1〜10
0mg/kg、好ましくは約1〜50mg/kg、より
好ましくは約1〜10mg/kgを1日1または2回に
分割して投与するのがよい。投与経路は、経口、非経口
のいずれでもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下において、参考例、実施例、
試験例により本発明をより具体的にするが、この発明は
これらに限定されるものではない。参考例における目的
物を含む画分の検出は、TLC(Thin Layer Chromatog
raphy, 薄層クロマトグラフィー)による観察下に行わ
れた。TLC観察においては、TLCプレートとしてメ
ルク(Merck)社製の60F254を、検出法としてUV検
出器を採用した。カラムクロマトグラフィー用のシリカ
ゲルとしては、メルク社製のシリカゲル60(70−2
30メッシュ)を用いた。本文中で用いられる略語は下
記の意味を示す。 J :カップリング定数(coupling constant) s :シングレット(singlet) t :トリプレット(triplet) m :マルチプレット(multiplet) Hz :ヘルツ(hertz) d :ダブレット(doublet) q :カルテット(quartet) NMR :プロトン核磁気共鳴 CDCl3 :重クロトホルム v/v :容量/容量 % :重量%
【0024】
【実施例】参考例1 3−アミノ−6−クロロ−5−イソプロピルピリダジン
の製造 3,6−ジクロロ−4−イソプロピルピリダジン21.7
g、25%アンモニア水170ml、エタノール10mlを
封圧ステンレス反応管に入れて、130−140℃で2
2時間かきまぜた。冷後濃縮して、残留物に水を加え、
析出した結晶を濾取して、水とエチルエーテルで洗い、
乾燥して標記化合物11.1gを得た。融点 164−
165℃NMR(CDCl3)δ:1.26(6H,d,J=7Hz), 3.
16(1H,m), 4.89(2H,br.s), 6.65(1H,s)
【0025】参考例2 N−(6−クロロ−5−イソプロピルピリダジン−3−
イル)ホルムアミドオキシムの製造 3−アミノ−6−クロロ−5−イソプロピルピリダジン
8.6gをトルエン58mlに懸だくしてジメチルホルム
アミドジメチルアセタール6.2mlを加え、2時間加熱
灌流した。減圧下濃縮して残留物をシリカゲルカラムク
ロマトに付し酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出
した。目的のフラクションを集めて濃縮し、残留物をメ
タノール40mlに溶かし、ヒドロキシルアミン塩酸塩
1.8gを加えて室温で2時間かきまぜた。析出した結
晶を濾取して標記化合物10.6gを得た。 融点 170−171℃ 元素分析値:C8114OCl として 計算値(%):C, 44.76; H, 5.17; N, 26.10 実測値(%):C, 46.62; H, 5.02; N, 26.01
【0026】参考例3 6−クロロ−7−イソプロピル〔1,2,4〕トリアゾロ
〔1,5−b〕ピリダジンの製造 N−(6−クロロ−5−イソプロピルピリダジン−3−
イル)ホルムアミドオキシム20.04gとポリりん酸
97gを練り合わせ、油浴中110−115℃で1時間
反応させた。冷後氷水を加えてジクロロメタンで抽出し
た。抽出液を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下濃縮して、残留物にヘキサンを加えて析出した結晶
を濾取して標記化合物12.7gを得た。 融点 53−54℃ 元素分析値:C89ClN4 として 計算値(%):C, 48.87; H, 4.61; N, 28.49 実測値(%):C, 48.85; H, 4.55; N, 28.48
【0027】参考例4 6−(2,2−ジメチル−3−スルファモイル−1−プ
ロポキシ)−7−イソプロピル〔1,2,4〕トリアゾロ
〔1,5−b〕ピリダジンの製造 60%油性水素化ナトリウム0.336gをテトラヒド
ロフラン30mlに懸だくして、3−ヒドロキシ−2,2
−ジメチルプロパン−1−スルホンアミド0.669g
を加えて1時間加熱灌流した。冷後6−クロロ−7−イ
ソプロピル〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−b〕ピリ
ダジン0.748gを加えて4時間加熱灌流した。冷後
氷水を加え、1N塩酸で pH6.0として、テトラヒド
ロフラン−酢酸エチル(1:1)で抽出し、抽出液を飽
和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下
濃縮して残留物をシリカゲルカラムクロマトに付し、ジ
クロロメタン:酢酸エチル:メタノール=10:10:
1で溶出した。目的のフラクションを集めて、得られる
結晶をアセトン−水より再結晶して標記化合物1.10
gを得た。 融点 197−198℃ 元素分析値:C132153S として 計算値(%):C, 47.69; H, 6.46; N, 21.39 実測値(%):C, 47.84; H, 6.60; N, 21.33
【0028】 実施例1 (1)参考例4の化合物 10.0mg (2)乳糖 60.0mg (3)コーンスターチ 35.0mg (4)ゼラチン 3.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 参考例4で得られた化合物10.0mgと乳糖60.0mgお
よびコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラチ
ン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、
1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥
し再び篩過した。かくして得られた顆粒をステアリン酸
マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮した。得られた中
心錠を、蔗糖,二酸化チタン,タルクおよびアラビアゴ
ムの水懸液による糖衣でコーティングした。コーティン
グが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得
た。
【0029】 実施例2 (1)参考例4の化合物 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶性デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 参考例4で得られた化合物10.0mgとステアリン酸マ
グネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml
(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾
燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.0mgと
混合した。混合物を圧縮して錠剤を得た。
【0030】 実施例3 (1)参考例4の化合物 5.0mg (2)食塩 20.0mg (3)蒸留水 全量2mlとする 参考例4で得られた化合物5.0mgおよび食塩20.0mg
を蒸留水に溶解させ、水を加えて全量2.0mlとした。
溶液をろ過し、無菌条件下に2mlのアンプルに充填し
た。アンプルを滅菌した後、密封し注射用溶液を得た。
【0031】試験例1 感作ラット肺での抗原誘発によ
るケモカイン・サイトカインmRNA発現に対する作用 雄性Brown Norwayラット(8週齢、日本チェールズリバ
ー)に卵白アルブミン(OA)と水酸化アルミニウムゲ
ルとの混液を筋肉内投与し、さらに同時に百日咳菌懸濁
液(1×1010個)を腹腔内投与し、感作した。感作3
週間後にラットを吸入ボックス内に配し、無麻酔自発呼
吸下に生理食塩液に溶解した1% OA溶液を超音波ネ
ブライザーにてエアゾル化し、5分間吸入させた。な
お、参考例4の化合物を0.5%メチルセルロース溶液
に懸濁し、抗原吸入1時間前に経口投与した。また、陰
性対照群として、1% OA溶液の代わりに生理食塩液
のエアゾルを吸入させた。抗原吸入3時間後に肺を摘
出、生理食塩液にて灌流した後、液体窒素中で急速凍結
し、抽出作業を行うまで−80℃で保存した。総RNA
標品調製は下記の方法により行った。凍結肺(約1.0
g)を15mlのRNA抽出用試薬(Isogen:株式会社
ニッポンジーン)内にて、ポリトロン・ホモゲナイザー
で破砕し、クロロホルム添加後、遠心(12000×g,4
℃、15分間)にて上層RNA層を単離し、さらにイソ
プロパノールで濃縮を行った。濃縮沈殿させたRNA標
品をTE溶液(10mM Tris-HCl/1mM EDTA, pH8.0)に溶
解させた。50units DNase I処理(株式会社ニッポンジ
ーン)(37℃、15分間)を行った後、フェノール/
クロロホルムで抽出し、さらに遠心にて得られた上層R
NA層をエタノールで濃縮した。濃縮沈殿物をTE溶液
に溶解して、各ケモカイン・サイトカインmRNA発現
量を測定するための定量的RT−PCR法の鋳型に使用
する総RNA標品とした。RT−PCR産物を定量的に
測定する方法として、PE Biosystems社のPCR産物自
動検出・定量システム(TaqMan TM System ABI 7700)
を使用した。一本鎖DNAを前述総RNA標品より合成
した後、一反応当り20ng一本鎖DNAから各ターゲ
ット遺伝子および内部標準としてのGAPDH遺伝子を
PCR反応(2分、50℃、1回;10分、95℃、1
回;15秒、95℃、1分、60℃を40回)で増幅を
行い、その増幅産物をABI 7700にて測定した。反応液の
内容は、試薬(TaqMan PCR Core Reagent;PE Biosystem
s, N808-0289)添付資料に従った。結果は、GAPDH
の増幅コピー数に対する各ケモカイン・サイトカインの
増幅コピー数の比を求め、さらに陰性対照群(生理食塩
液吸入群)の平均値を1とし、その相対比で表現した。
抗原誘発3時間後に、ラット肺でのエオタキシン(Eo
taxin)、MIP−1α、RANTES、IL−1
3およびTNF−αのmRNA発現は、陰性対照群と比
較して有意に増加した。一方、参考例4の化合物は、こ
れらエオタキシン(図1)、MIP−1α(図2)、R
ANTES(図3)、IL−13(図4)およびTNF
−α(図5)のmRNA発現の増加を用量依存的に抑制
した。
【0032】試験例2 感作ラット肺での抗原誘発によ
るケモカイン・サイトカイン産生に対する作用 雄性Brown Norwayラット(8週齢、日本チェールズリバ
ー)に卵白アルブミン(OA)と水酸化アルミニウムゲ
ルとの混液を筋肉内投与し、さらに同時に百日咳菌懸濁
液(1×1010個)を腹腔内投与し、感作した。感作3
週間後にラットを吸入ボックス内に配し、無麻酔自発呼
吸下に生理食塩液に溶解した1% OA溶液を超音波ネ
ブライザーにてエアゾル化し、5分間吸入させた。な
お、参考例4の化合物を0.5%メチルセルロース溶液
に懸濁し、抗原吸入1時間前に経口投与した。また、陰
性対照群として、1% OA溶液の代わりに生理食塩液
のエアゾルを吸入させた。抗原吸入3時間後に肺を摘
出、生理食塩液にて灌流した後、液体窒素中で急速凍結
し、抽出作業を行うまで−80℃で保存した。肺組織の
調製は、抗原誘発から6時間後に行った。ラットを開胸
し、右心室より肺動脈へ挿入したゾンデを介して、生理
食塩液25mlを注入し、肺循環を灌流した。右肺前葉
を分取し、0.1%トライトンX−100TMおよび0.
2%プロテアーゼ・インヒビター・カクテル含有のPB
S(1ml/0.1g湿重量)中で、ヒスコトロン ミ
クロホモジナイザー(マイクロテックニチオン社製)で
ホモジナイズした後、4℃にて10,000×gで5分
間遠心した。肺ホモジネートMCP−1およびTNF−
α量は、市販のELISAキットの使用法に従って測定
した。また、エオタキシン(Eotaxin)量は、抗
マウス・エオタキシン抗体を用いてサンドイッチELI
SA法によりエオタキシン相当量として算出した。検出
限界以下のサンプルは0pg/mlとして計算した。抗
原誘発6時間後に、ラット肺でのエオタキシン(Eot
axin)、MCP−1およびTNF−αの産生は、陰
性対照群と比較して有意に増加した。一方、参考例4の
化合物は、これらエオタキシン(図6)、MCP−1
(図7)およびTNF−α(図8)の産生の増加を用量
依存的に抑制した。
【0033】
【発明の効果】トリアゾロピリダジン誘導体〔I〕を含
有する本発明の製剤は、インターフェロンγ(IFN
γ)、TNF−αなどのケモカインやサイトカインの発
現を効率良く抑制することができる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】Eotaxin(エオタキシン)mRNA発現
に対する参考例4の化合物の抑制効果を示す。##P<
0.01は、陰性対照群(生理食塩液吸入群)との比較
(Student検定)を示す。**P<0.01は、コント
ロール群との比較(Dunnett検定)を示す。
【図2】MIP−1α mRNA発現に対する参考例4
の化合物の抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性
対照群(生理食塩液吸入群)との比較(Student検定)
を示す。*P<0.05は、コントロール群との比較
(Dunnett検定)を示す。
【図3】RANTES mRNA発現に対する参考例4
の化合物の抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性
対照群(生理食塩液吸入群)との比較(Student検定)
を示す。**P<0.01は、コントロール群との比較
(Dunnett検定)を示す。
【図4】IL−13mRNA発現に対する参考例4の化
合物の抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性対照
群(生理食塩液吸入群)との比較(Student検定)を示
す。*P<0.05は、コントロール群との比較(Dunn
ett検定)を示す。
【図5】TNF−α mRNA発現に対する参考例4の
化合物の抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性対
照群(生理食塩液吸入群)との比較(Student検定)を
示す。**P<0.01は、コントロール群との比較
(Dunnett検定)を示す。
【図6】Eotaxin(エオタキシン) 産生に対す
る参考例4の化合物の抑制効果を示す。##P<0.0
1は、陰性対照群(生理食塩液吸入群)との比較(Stud
ent検定)を示す。*P<0.05は、コントロール群
との比較(Dunnett検定)を示す。
【図7】MCP−1 産生に対する参考例4の化合物の
抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性対照群(生
理食塩液吸入群)との比較(Student検定)を示す。*
*P<0.01は、コントロール群との比較(Dunnett
検定)を示す。
【図8】TNF−α 産生に対する参考例4の化合物の
抑制効果を示す。##P<0.01は、陰性対照群(生
理食塩液吸入群)との比較(Student検定)を示す。*
*P<0.01は、コントロール群との比較(Dunnett
検定)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/02 A61P 3/02 3/06 3/06 3/10 3/10 7/04 7/04 9/00 9/00 9/10 9/10 101 101 103 103 11/06 11/06 13/12 13/12 19/00 19/00 19/02 19/02 19/08 19/08 19/10 19/10 25/00 25/00 25/08 25/08 25/28 25/28 27/02 27/02 29/00 29/00 101 101 31/04 31/04 31/06 31/06 31/12 31/12 31/18 31/18 35/00 35/00 35/02 35/02 37/02 37/02 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 // C07D 487/04 146 C07D 487/04 146 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB06 CC08 EE04 FF02 GG03 HH01 4C086 AA01 AA02 CB05 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA08 ZA15 ZA16 ZA33 ZA36 ZA40 ZA45 ZA54 ZA59 ZA66 ZA68 ZA69 ZA75 ZA81 ZA89 ZA96 ZA97 ZB02 ZB07 ZB11 ZB13 ZB15 ZB26 ZB27 ZB33 ZB35 ZC02 ZC21 ZC33 ZC35 ZC55

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
    級アルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3
    はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
    ルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキ
    ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
    いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
    (O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Yは
    式 【化2】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基を示す)で表わされる基ま
    たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
    は複素環から誘導される2価の基を示し、R6およびR7
    はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
    ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
    または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R
    6とR7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していても
    よい含窒素複素環基を形成していてもよく、mは0ない
    し4の整数を、nは0ないし4の整数を示す。〕で表わ
    される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグを
    含有してなるケモカインまたはサイトカインの発現抑制
    剤。
  2. 【請求項2】ケモカインまたはサイトカインのmRNA
    の発現抑制剤である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】ケモカインまたはサイトカインの産生抑制
    剤である請求項1記載の剤。
  4. 【請求項4】R1が(i)水素原子、(ii)ヒドロキ
    シ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−
    1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキ
    ルカルボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から
    選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アルキル基ま
    たは(iii)ハロゲン原子を、R2およびR3がそれぞれ
    (i)水素原子、(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキ
    シル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
    ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシ
    およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を有
    していてもよいC1-6アルキル基または(iii)ヒドロキ
    シ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−
    1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキ
    ルカルボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から
    選ばれる置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキ
    ル基を示し、R2とR3は隣接する−C=C−と共に、
    ヒドロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C1-6アルキル
    アミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキル−カルボニル
    オキシおよびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換
    基を有していてもよいC1-6アルキル,C1-6アルキ
    ル,C1-6アシルまたは5ないし7員環状アミノで置換
    されていてもよいアミノ,ヒドロキシ,カルボキシ
    ル,ニトロ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原
    子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく、
    炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から
    選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含んでいてもよい
    5ないし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子または
    S(O)p(pは0ないし2の整数を示す)を示し、Y
    は(a)式 【化3】 (R4およびR5はそれぞれ(i)水素原子または(ii)
    ヒドロキシ,アミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−ま
    たはジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C
    1-6アルキルカルボニルオキシおよびハロゲン原子から
    なる群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-6
    ルキル基を示す)で表わされる基、または(b)ヒド
    ロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
    ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキル−カルボニルオキ
    シおよびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を
    有していてもよいC1-6アルキル,C1-6アルキル,C
    1-6アシルまたは5ないし7員環状アミノで置換されて
    いてもよいアミノ,ヒドロキシ,カルボキシル,
    ニトロ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原子から
    なる群から選ばれる置換基を有していてもよい、3ない
    し7員の環状炭化水素または炭素原子以外に窒素原子、
    酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1ない
    し4個のヘテロ原子を含む3ないし7員の複素環から誘
    導される2価の基を示し、R6およびR7はそれぞれ
    (i)水素原子、(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキ
    シル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
    ノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシ
    およびハロゲン原子からなる群で選ばれる置換基を有し
    ていてもよいC1-6アルキル基、(iii)ヒドロキシ,ア
    ミノ,カルボキシル,ニトロ,モノ−またはジ−C1-6
    アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6アルキルカル
    ボニルオキシおよびハロゲン原子からなる群から選ばれ
    る置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル基ま
    たは(iv)ヒドロキシ,アミノ,モノ−またはジ−C
    1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシおよびハロゲン原
    子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC
    1-6アルキル,C1-6アルキルまたは5ないし7員環状
    アミノで置換されていてもよいアミノ,アセトアミ
    ド,ヒドロキシ,カルボキシル,ニトロ,C
    1-6アルコキシ,C1-6アルキルカルボニルオキシおよ
    びハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を有し
    ていてもよいC6-14アリール基を示し、R6とR7は隣接
    する窒素原子と共にヒドロキシ,アミノ,モノ−また
    はジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アルコキシ,C1-6
    アルキル−カルボニルオキシおよびハロゲン原子からな
    る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-6アル
    キル,C1-6アルキル,C1-6アシルまたは5ないし7
    員環状アミノで置換されていてもよいアミノ,ヒドロ
    キシ,カルボキシル,ニトロ,C1-6アルコキシ
    およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基を
    有していてもよい、1個の窒素原子を含み、さらに窒素
    原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれた1ないし4
    個のヘテロ原子を含んでいてもよい3ないし13員含窒
    素複素環の環中から水素原子を1個取り除いた基を形成
    していてもよく、mは0ないし4の整数を、nは0ない
    し4の整数を示す請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】R1が水素原子またはC1-3アルキル基を、
    2が水素原子またはC1-3アルキル基を、R3が水素原
    子またはC1-6アルキル基を、Xが酸素原子を、Yが式 【化4】 〔式中、R4′およびR5′はそれぞれ(i)水素原子ま
    たは(ii)ヒドロキシ,アミノ,カルボキシル,ニト
    ロ,モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ,C1-6アル
    コキシ,C1-6アルキル−カルボニルオキシまたはハロ
    ゲン原子から選ばれる1ないし4個の置換基を有してい
    てもよいC1-3アルキル基を示す。〕で表わされる基
    を、R6およびR7がそれぞれ水素原子またはC1-3アル
    キル基を、mおよびnが1を示す請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】化合物が6−(2,2−ジメチル−3−ス
    ルファモイル−1−プロポキシ)−7−イソプロピル
    〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5−b〕ピリダジンであ
    る請求項1記載の剤。
  7. 【請求項7】ケモカインまたはサイトカインがRANT
    ES、エオタキシン(Eotaxin)、MIP−1
    α、インターロイキン13(IL−13)、TNF−α
    またはMCP−1である請求項1記載の剤。
  8. 【請求項8】ケモカインまたはサイトカインの発現に基
    づく疾患の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
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