JP2001156375A - 超狭帯域化フッ素レーザ装置 - Google Patents

超狭帯域化フッ素レーザ装置

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JP2001156375A
JP2001156375A JP33794899A JP33794899A JP2001156375A JP 2001156375 A JP2001156375 A JP 2001156375A JP 33794899 A JP33794899 A JP 33794899A JP 33794899 A JP33794899 A JP 33794899A JP 2001156375 A JP2001156375 A JP 2001156375A
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ultra
wavelength
spectrum
laser beam
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Kiwamu Takehisa
究 武久
Yasushi Shio
耕史 塩
Shinji Nagai
伸治 永井
Yasuaki Iwata
泰明 岩田
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長幅が1〜2pmの1ライン化されたレー
ザ光をさらに狭帯域化すると共に、この狭帯域化された
レーザ光の波長を簡易に安定化できる超狭帯域化フッ素
レーザ装置を提供する。 【解決手段】 全反射鏡10と出力鏡11とで第1の共
振器が構成され、全反射鏡14とプリズム15aの表面
Pとで第2の共振器が構成されている。分光器20は、
超狭帯域化されているレーザ光L11と1ライン化され
ているが超狭帯域化されていないレーザ光L13の両方
を入射して、それぞれのレーザ光のスペクトルを検出
し、この検出結果を制御装置23に送出する。制御装置
23は、分光器20からの検出結果を基に、レーザ光L
13のスペクトルの中心波長と、レーザ光L11のスペ
クトルの中心波長とを一致させるべく、信号線22bを
介して回転ステージ24を回転制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素レーザのレ
ーザ光を狭帯域化して露光装置の露光光源として供給す
る超狭帯域化フッ素レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィ用の露光機に要求される性
能としては、解像度、アライメント精度、処理能力、装
置信頼性など種々のものが存在する。その中でも、パタ
ーンの微細化に直接つながる解像度Rは、R=k・λ/
NA(k:定数、λ:露光波長、NA:投影レンズの開
口数)によって表される。従って良好な解像度を得るた
めには、露光波長λが短い程有利になる。
【0003】そこで、従来の露光機においては、水銀ラ
ンプのi線(波長:365nm)や、波長が248nm
のクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザが露光機
光源として利用されている。これらはそれぞれi線露光
機及びKrF露光機と呼ばれており、これらi線露光機
及びKrF露光機で用いられている投影光学系として
は、石英ガラスから成るレンズを多数組み合わせた縮小
投影レンズが広く用いられている。
【0004】また微細な加工を行うための次世代露光機
として、波長が193nmのアルゴンフッ素(ArF)
エキシマレーザを露光光源に用いた露光機が用いられ始
めており、これはArF露光機と呼ばれる。ArF露光
機では、波長幅が約0.6pmまで狭帯域化されたAr
Fエキシマレーザが用いられており、また縮小投影光学
系には、二種類の材質から成る色消しレンズが用いられ
ている。
【0005】更に上述したArF露光機の次世代のリソ
グラフィ用露光機としては、光源に波長が約157nm
のフッ素レーザを用いたフッ素露光機が検討されてい
る。
【0006】このフッ素レーザでは、波長と光強度が異
なる2本の発振線(発振ラインとも呼ばれる)があり、
波長はそれぞれλ1=157.6299nmとλ2=1
57.5233nmであり、各々の発振線の波長幅は1
〜2pm程度であると言われている。
【0007】そのフッ素レーザを露光に利用するには、
一般に強度の大きい波長(λ1=157.6299n
m)のラインのみ1本を選択して用いる(以下、1ライ
ン化という)のが有利とされており、従来においては、
その1ライン化には、プリズムが1〜2個用いられてい
る。
【0008】なお、フッ素レーザの2ライン化に関して
は、例えば、「CAN.J.PHYS.VOL.63,
1985,pp217−218」に記載されている。
【0009】また、フッ素レーザの1ライン化に関して
は、例えば、「SPIE、24thInternati
onal Symposium on Microlio
thography,Feb.1999.」において実
験結果が報告されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
フッ素露光機では、それまで(すなわちArF露光機ま
で)の露光機で一般に用いられてきたレンズのみによる
屈折型の縮小投影光学系が適用困難になり、色収差に強
い反射屈折型(カタディオプトリク型とも呼ばれる)を
適用しなければならないと言われている。
【0011】その理由としては、波長が157nmで
は、石英ガラスにおける透過率が極めて低くなり、フッ
化カルシウム等のごく限られた材質しか利用できなくな
る。
【0012】そのため、フッ化カルシウムのみによる単
色レンズを用いて縮小投影レンズを構成した場合には、
フッ素レーザを1ライン化しても狭帯域化は不十分であ
る。そこで実際にはその1ラインに対して、さらにその
1/10程度の波長幅(約0.2pm)まで狭帯域化す
る必要があると言われている。
【0013】なお、フッ素レーザの1ラインをそのまま
用いる方式では、ラインのスペクトルは分光学的に絶対
的に定まったものであるため、波長の安定化は不要であ
るものの、1ラインの波長幅を約0.2pm程度に狭帯
域化させた場合には、その狭帯域化された波長が、波長
幅1〜2pmの1ラインのスペクトル内でふらつかない
ように安定化させる必要がある。
【0014】ところが、従来においては、波長157n
mの近傍において、波長が安定化している他の光源や、
吸収ラインを利用することが困難なため、狭帯域化され
たレーザ光の波長の安定化は困難であった。
【0015】そこで、本発明の課題は、波長幅が1〜2
pmの1ライン化されたレーザ光をさらに狭帯域化する
と共に、この狭帯域化されたレーザ光の波長を簡易に安
定化できる超狭帯域化フッ素レーザ装置を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記課
題を達成するため、第1の発明は、フッ素レーザをレー
ザ発振するレーザチャンバと、該レーザチャンバからレ
ーザ発振されるレーザ光を共振させる第1の共振器とを
備え、該レーザ発振されたレーザ光を狭帯域化する超狭
帯域化フッ素レーザ装置において、前記レーザ発振され
たレーザ光における波長と光強度の異なる2つの発振線
のうちの1つの発振線を狭帯域化して出射する狭帯域化
素子と、前記1つの発振線を狭帯域化せずに発振させる
第2の共振器と、前記狭帯域化素子から出射されたレー
ザ光のスペクトルの中心波長と前記第2の共振器から発
振されたレーザ光のスペクトルの中心波長との差を検出
する検出手段と、該検出手段により検出された前記2つ
のレーザ光のスペクトルの中心波長の差が許容範囲内に
存在すべく、前記狭帯域化素子を制御する制御手段とを
具備している。
【0017】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記検出手段は、前記狭帯域化素子から出射された
レーザ光と、前記第2の共振器から発振されたレーザ光
とを入射し、これら2つのレーザ光のスペクトルを計測
する分光器を備え、前記分光器は、前記狭帯域化素子か
ら出射されたレーザ光のスペクトルの波長を検出すると
共に、前記第2の共振器から発振されるレーザ光のスペ
クトルの波長を検出して、これら2つのスペクトルの中
心波長の差を検出することを特徴としている。
【0018】さらに、第3の発明は、第2の発明におい
て、前記分光器は、スキャニングファブリペローエタロ
ンを有することを特徴としている。
【0019】次に、上記第1乃至第3の発明について図
1及び図2を参照して説明する。
【0020】図1に示すように、超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100では、全反射鏡10と出力鏡11とで第1
の共振器が構成されていると共に、全反射鏡14とプリ
ズム15aの表面Pとで第2の共振器が構成されてい
る。
【0021】第1の共振器は安定型となっており、この
安定型の第1の共振器間にレーザチャンバ12が配置さ
れている。
【0022】この第1の共振器においては、全反射鏡1
0とレーザチャンバ12との間にエタロン13が配置さ
れており、このエタロン13によって発振ラインがさら
に狭帯域化(すなわち超狭帯域化)される。
【0023】エタロン13においては、波長λ1=15
7.6299nmである強いラインの中心に、その最大
透過波長が合わせられているため、レーザ発振させる
と、波長λ1=157.6299nmで波長幅約0.2
pmに超狭帯域化されたレーザ光L10が、出力鏡11
から取り出される。
【0024】一方、第2の共振器は安定型であり、この
第2の共振器中には狭帯域化素子を含まないことから、
フッ素レーザの2本のラインがそのまま発振される。
【0025】この第2の共振器から出射された2本のラ
インを含むレーザ光L12は、2個のプリズム15a、
15bを進む間に、波長分散によって、2本のラインの
それぞれの進行方向に微小な角度差が生じることにな
る。
【0026】ここでは、ミラー18に反射した2本のラ
インを含むレーザ光において、1本のライン(波長λ1
=157.6299nmのライン)を有するレーザ光L
13がピンホール17bを通過するように設定されてい
る。
【0027】分光器20は、スキャニングファブリペロ
ーエタロン(図示せず)と、このエタロンのギャップ間
隔を変化させるピエゾ素子(図示せず)とから構成され
ている。分光器20は、超狭帯域化されている波長λ1
が157.6299nmのレーザ光L11と1ライン化
されているが超狭帯域化されていない波長λ1が15
7.6299nmのレーザ光L13の両方を入射して、
それぞれのレーザ光のスペクトルを検出し(図2
(a)、(b)参照)、この検出結果を制御装置23に
送出する。
【0028】制御装置23は、分光器20からの検出結
果を基に、超狭帯域化されたレーザ光L11のスペクト
ルの中心波長を安定化させるために、超狭帯域化されて
いないレーザ光L13の広いスペクトルの中心波長(つ
まり絶対波長)と、超狭帯域化されたレーザ光L11の
スペクトルの中心波長とを一致させるべく、信号線22
bを介して回転ステージ24を回転制御する。
【0029】以上説明したように、第1及び第2の発明
によれば、超狭帯域化されていないレーザ光のスペクト
ルの中心波長と、超狭帯域化されたレーザ光のスペクト
ルの中心波長との差が予め設定された許容範囲内に存在
するように(例えば2つのスペクトルの中心波長が一致
するように)制御されるので、確実に、超狭帯域化され
たレーザ光のスペクトルの中心波長を安定化させること
ができる。
【0030】また、第3の発明によれば、波長安定化の
ためのレーザ光のスペクトルを検出する検出手段に設け
られる分光器は、スキャニングファブリペローエタロン
を用いるようにしているので、回折格子を用いた分光器
に比べて、分光器をコンパクトにすることができ、しか
もこの分光器が組み込まれるレーザ装置もコンパクトに
することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。
【0032】図1は、本実施形態に係る超狭帯域化フッ
素レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【0033】同図に示すように、超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100では、全反射鏡10と出力鏡11とで第1
の共振器が構成されていると共に、全反射鏡14とプリ
ズム15aの表面Pとで第2の共振器が構成されてい
る。
【0034】第1の共振器は安定型となっており、この
第1の共振器(以下、安定型共振器という)間にレーザ
チャンバ12が配置されている。
【0035】この安定型共振器においては、全反射鏡1
0とレーザチャンバ12との間に狭帯域素子としてのエ
タロン13が配置されており、このエタロン13によっ
て発振ラインがさらに狭帯域化(すなわち超狭帯域化)
される。
【0036】エタロン13においては、波長λ1=15
7.6299nmである強いラインの中心に、その最大
透過波長が合わせられているため、レーザ発振させる
と、波長λ1=157.6299nmで波長幅約0.2
pmに超狭帯域化されたレーザ光L10が、出力鏡11
から取り出される。
【0037】ビームスプリッタ16は、数%程度の反射
率を有しており、入射したレーザ光L10をこの反射率
に応じて反射させると共に、残りのレーザ光を透過させ
る。
【0038】ピンホール17aは、所定の径の穴が形成
された遮光性の部材で構成されており、入射したレーザ
光のうち当該穴を通過するレーザ光をビーム合成器19
へ導く。
【0039】一方、上記第2の共振器における出力側の
反射としては、プリズム15aの表面Pにおける表面反
射が利用されている。このため、表面反射されるプリズ
ム15aの表面P(反射面)に対し入射角が垂直(90
度)をもってレーザ光が入射するように、プリズム15
aが配置されている。
【0040】すなわち第2の共振器は安定型であり、こ
の第2の共振器中には狭帯域化素子を含まないことか
ら、フッ素レーザの2本のライン(波長λ1=157.
6299nmのライン、波長λ2=157.5233n
mのライン)がそのまま発振される。
【0041】プリズム15aは狭帯域化されていない2
本の発振線を含むレーザ光L12を波長分散させるもの
であり、プリズム15bは、第2の共振器から出射され
たレーザ光つまりプリズム15aから出射されたレーザ
光L12をさらに波長分散させる。
【0042】すなわち、2本のラインを含むレーザ光L
12は2個のプリズム15a、15bを進む間に、波長
分散によって、2本のラインのそれぞれの進行方向に微
小な角度差が生じていく。
【0043】ピンホール17bは、所定の径の穴が形成
された遮光性の部材で構成されており、入射したレーザ
光のうち当該穴を通過するレーザ光をビーム合成器19
へ導く。ここでは、2個のプリズム15a、15bを通
過することにより、角度差を生じて進行している2本の
発振線のうちの、波長λ1=157.6299nmの1
本の発振線(ライン)を有するレーザ光のみを通過させ
るように設定されている。
【0044】ビーム合成器19は、ピンホール17aか
らの狭帯域化されたレーザ光L11(波長λ1=15
7.6299nm)と、ピンホール17bからの狭帯域
化されていないレーザ光L13(波長λ1=157.6
299nm)とを合成して、分光器20へ出射する。
【0045】分光器20は、スキャニングファブリペロ
ーエタロン(図示せず)と、このエタロンのギャップ間
隔を変化させるピエゾ素子(図示せず)とから構成され
ており、超狭帯域化されているレーザ光L11と1ライ
ン化されているが超狭帯域化されていないレーザ光L1
3の両方を入射して、それぞれのレーザ光のスペクトル
を検出する。
【0046】この分光器20では、スキャニングファブ
リペローエタロンのギャップ間隔をピエゾ素子によって
変化させることで、入射したレーザ光のスペクトルを検
出している。
【0047】すなわち、ピエゾ素子に印可される印加電
圧に比例して、スキャニングファブリペローエタロンの
ギャップ間隔が変化するので、変化したギャップ間隔に
応じた当該エタロンの透過波長がスキャンされる。した
がって、ピエゾ素子への印可電圧に対応して当該エタロ
ンの透過波長が変化することになる。
【0048】シャッター21aは、垂直方向に移動可能
になっており、ピンホール17aからのレーザ光L11
を、遮光又は通過させるために用いられる。
【0049】シャッター21bは、水平方向に移動可能
になっており、ピンホール17bからのレーザ光L13
を、遮光又は通過させるために用いられる。
【0050】これらのシャッター21a、21bを制御
することにより、分光器20には、レーザ光L11また
はレーザ光L13のうちの何れか一方のレーザ光、又は
ビーム合成器19により合成されたレーザ光が入射され
る。
【0051】制御装置23は、信号線22aを介して入
力される分光器20からの検出結果を示す信号を基に、
エタロン13が固定されている回転ステージ24を、信
号線22bを介して回転制御する。
【0052】この回転ステージ24が回転すると、これ
に伴って回転ステージ24に固定されているエタロン1
3も回転するので、エタロン13に入射するレーザ光の
入射角も変化されることになる。
【0053】次に、かかる構成の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置100の動作について、図1を参照して説明す
る。
【0054】今現在、シャッター21a、21bは共
に、入射するレーザ光をビーム合成器19へ通過させる
ように設定されているものとする。
【0055】まず、レーザチャンバ12からレーザ発振
されたレーザ光が、エタロン13を通過して全反射鏡1
0に当たって全反射し、更にエタロン13を通過してレ
ーザチャンバ12に戻りここを通過して出力鏡11に入
射することにより、全反射鏡10と出力鏡11との間で
レーザ光が共振されて1ライン化され、さらにエタロン
13によって狭帯域化(すなわち超狭帯域化)される。
【0056】エタロン13においては、波長λ1=15
7.6299nmである強いラインの中心に、その最大
透過波長が合わせられているため、レーザ発振させる
と、波長λ1=157.6299nmで波長幅約0.2
pmに超狭帯域化されたレーザ光L10が、出力鏡11
から取り出される。
【0057】このレーザ光L10は、ビームスプリッタ
16に当たり、数%程度の反射率に応じたレーザ光が反
射し、ピンホール17aに当たる。
【0058】ピンホール17aに形成されている穴を通
過した超狭帯域化されたレーザ光L11は、ビーム合成
器19に入射する。
【0059】なお、レーザ光L10のうち、ビームスプ
リッタ16を透過したものが露光に使われることにな
り、フッ素露光機本体(図示せず)へ進む。
【0060】ところで、レーザチャンバ12から発振さ
れたレーザ光は、全反射鏡14にも当たって全反射し
て、再度レーザチャンバ12に戻りここを通過してプリ
ズム15aの表面P(反射面)に入射する。
【0061】そして、全反射鏡14とプリズム15aの
表面P(反射面)とで構成されている第2の共振器にお
いて、フッ素レーザの2本のラインがそのまま発振され
る。
【0062】プリズム15aの中を通って取り出される
第2の共振器により発振されたレーザ光L12は、プリ
ズム15bを通り、ミラー18に反射してピンホール1
7bに形成されている穴を通過し、さらにビーム合成器
19に入射する。
【0063】ところで、上記第2の共振器から出射され
た2本のラインを含むレーザ光L12は、2個のプリズ
ム15a、15bを進む間に、波長分散によって、2本
のラインのそれぞれの進行方向に微小な角度差が生じる
ことになる。
【0064】ここでは、ミラー18に反射した2本のラ
インを含むレーザ光のうち、1本のライン(波長λ1=
157.6299nmのライン)を有するレーザ光L1
3がピンホール17bを通過するように設定されている
ので、分光器20には、超狭帯域化されているレーザ光
L11と1ライン化されているが超狭帯域化されていな
いレーザ光L13の両方が入射されることになる。
【0065】ここで、分光器20において、超狭帯域化
されていないレーザ光L13のみのスペクトルを測定す
る場合には、シャッタ21aを図1で上方に移動させ
て、レーザ光L11を遮光し、一方、超狭帯域化された
レーザ光L11のみのスペクトルを測定する場合は、シ
ャッタ21bを図1で左方に移動させ、レーザ光L13
を遮光する。
【0066】分光器20は、2つのシャッタ21a、2
1bが移動制御されることで、レーザ光L11及びレー
ザ光L13のそれぞれのスペクトルを測定し、この測定
結果を、信号線22aを介して制御装置23に送信す
る。
【0067】制御装置23は、分光器20からの測定結
果を基に、超狭帯域化されたレーザ光L11のスペクト
ルの中心波長を安定化させるために、超狭帯域化されて
いないレーザ光L13の広いスペクトルの中心波長と、
超狭帯域化されたレーザ光L11のスペクトルの中心波
長とを一致させるべく、信号線22bを介して回転ステ
ージ24を回転制御する。
【0068】次に、超狭帯域化されたレーザ光L10の
波長の安定化について、図2を参照して説明する。
【0069】分光器20においては、レーザ光L13が
シャッタ21bによって遮光された状態で、波長λ1=
157.6299nmのレーザ光L11のみのスペクト
ルを測定すると、図2(a)に示すように狭い波長幅のス
ペクトル分布(超狭帯域化された波長幅の特性)が測定
され、一方、レーザ光L11がシャッタ21aによって
遮光された状態で、波長λ1=157.6299nmの
レーザ光L13のみのスペクトルを測定すると、図2
(b)に示すように広い波長幅のスペクトル分布(超狭帯
域化されていない波長幅の特性)が測定される。
【0070】この実施形態では、分光器20は、スキャ
ニングファブリペローエタロン(図示せず)のギャップ
間隔をピエゾ素子(図示せず)によって変化させること
で、これらのスペクトルを検出してスペクトル分布を得
ることができる。
【0071】すなわち、ピエゾ素子への印可電圧に比例
して、スキャニングファブリペローエタロンのギャップ
間隔が変化し、このギャップ間隔の変化に伴ってスキャ
ニングファブリペローエタロンの透過波長も変化するの
で、この変化した透過波長をスキャンすることによりス
ペクトル分布を得ることができる。
【0072】したがって、ピエゾ素子への印可電圧に対
応してスキャニングファブリペローエタロンの透過波長
が変化することから、図2(a)、(b)に示したよう
なグラフが得られる。
【0073】なお、図2(a)、(b)に示すレーザ光
L11、L12のスペクトル分布においては、ピエゾ素
子への印加電圧が例えば300(V)の点で、超狭帯域
化されていないレーザ光L13のスペクトルの中心波長
と、超狭帯域化されたレーザ光L11のスペクトルの中
心波長とが一致しているので、超狭帯域化されたレーザ
光L10のスペクトルの中心波長は安定していることを
意味している。
【0074】ここで、レーザ光L13のスペクトルの中
心波長は、エタロン13の設定角度(配置角度)に関係
なく絶対的に不変である。すなわち、ピエゾ素子への印
加電圧が300(V)のときに、レーザ光L13のスペ
クトルの波長は中心波長となる。
【0075】これに対し、レーザ光L11のスペクトル
の中心波長は、エタロン13の設定角度(配置角度)に
応じて、ピエゾ素子への印加電圧300(V)の点から
左右にズレることになる。
【0076】ここで、仮に、ピエゾ素子への印加電圧が
300(V)のときに、レーザ光L11のスペクトルの
波長が中心波長になっていないで、レーザ光L11とレ
ーザ光L13のスペクトルの中心波長がズレていた場合
には、以下のようして設定角度を調整すれば良い。
【0077】すなわち、制御装置23は、ピエゾ素子へ
の印加電圧が300(V)において、これらのスペクト
ル特性を基に、図2(a)に示すような超狭帯域化され
たレーザ光L11(波長λ1=157.6299nm)
のスペクトルの中心波長と、図2(b)に示すような超
狭帯域化されないレーザ光L13(波長λ1=157.
6299nm)のスペクトルの中心波長との隔たり(波
長の差)を検出し、この検出結果を基に、ピエゾ素子へ
の印加電圧が300(V)の点において、レーザ光L1
1のスペクトルの中心波長が位置するように、信号線2
2bを介して回転ステージ4を回転制御する。
【0078】この回転ステージ24の回転に伴ってエタ
ロン13も回転するので、エタロン13の設定角度が微
調整され、結果的に、超狭帯域化されたレーザ光L11
(つまりレーザ光L10)の中心波長が、超狭帯域化さ
れていないレーザ光L13のスペクトルの中心波長(絶
対波長)に位置するように制御される。
【0079】このように当該2つのレーザ光のスペクト
ルの中心波長の波長差をゼロにするか、あるいは一定範
囲内に収まるように制御することで、超狭帯域化された
レーザ光L10のスペクトルの中心波長の安定化を図る
ことができる。
【0080】なお、この実施形態では、波長安定化のた
めの分光器20として、特にスキャニングファブリペロ
ーエタロンを用いているが、これは、回折格子を用いた
分光器に比べて、コンパクトにできる特徴があり、特に
レーザ装置内部に組み込むためには、最適である。
【0081】すなわち、回折格子を用いた分光器におい
て、分解能が1pm以下のものは、光路長が約1m以上
と大きくなり、レーザ装置内部に組み込むようにすると
装置全体が大きくなってしまう。
【0082】これに対して、スキャニングファブリペロ
ーエタロンを用いた分光器においては、選択波長の波長
差であるFSR(自由スペクトル範囲とも呼ばれる)が
1pmの場合、ギャップ間隔は1cm前後になるため、
スキャニングファブリペローエタロン全体としては数十
cmとコンパクトにできる。
【0083】すなわち、FSR=λ^2/2・n・d
(pm)の数式を変形することにより、d=λ^2/
(2・n・FSR)の数式を演算することにより、d≒
12.3mmが得られる。
【0084】ただし、λは波長を表し(ここでは157
(nm))、nは媒体の屈折率を表し(ここでは、空気
中の屈折率≒1)、FSRは選択波長の波長差を表し
(ここでは1(pm))ている。
【0085】以上説明したように本実施形態によれば、
超狭帯域化されていないレーザ光も同時に発振させて、
そのレーザ光の広いスペクトルの中心波長を検出し、こ
の検出した超狭帯域化されていないレーザ光のスペクト
ルの中心波長(つまり絶対波長)と、超狭帯域化された
レーザ光のスペクトルの中心波長とが一致するように制
御しているので、確実に、超狭帯域化されたレーザ光の
スペクトルの中心波長を安定化させることができる。
【0086】また、本実施形態によれば、超狭帯域化さ
れたレーザ光と超狭帯域化されていないレーザ光との両
方を同一の分光器に入射させてスペクトルを検出してい
るので、超狭帯域化されたレーザ光の波長安定化を容易
に実施し易くなる。
【0087】さらに、本実施形態によれば、波長安定化
のための分光器20として、スキャニングファブリペロ
ーエタロンを用いているので、回折格子を用いた分光器
に比べて、分光器をコンパクトにすることができること
となり、よってこの分光器が組み込まれるレーザ装置も
コンパクトにすることができる。
【0088】[第2の実施の形態]図3は、第2の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置200の構成を
示す構成図である。この図に示す超狭帯域化フッ素レー
ザ装置200は、図1に示した第1の実施形態の構成に
おいて、出力鏡11、エタロン13、全反射鏡14、2
つのシャッタ21a、21b、信号線22b、制御装置
23および回転ステージ24を削除し、出力鏡エタロン
31および圧力制御装置32を追加した構成になってい
る。なお、同図において、図1に示した構成要素と同様
の機能を果たす部分には同一符号を付している。
【0089】出力鏡エタロン31は、出力鏡としての機
能を果たすものであり、2つの基板31a、31bと、
これらの基板間を所定の距離に保つために、これらの基
板間に介在されている複数の(例えば3つの)スペーサ
(図3中では2つのスペーサ31c、31dを示してい
る)と、2つの基板31a、31bの間に形成される空
間を密閉するための部材31eとから構成されている。
【0090】また、部材31eには、一端が圧力制御装
置32に配置されている管32aの他端が配置されると
共に、圧力制御装置32によって管32aを介して密閉
状態の出力鏡エタロン31内部のガス圧が調整できるよ
うに穴が形成されている。
【0091】このような出力鏡エタロン31において
は、圧力制御装置32によって出力鏡エタロン31内部
のガス圧が調整されると、このガス圧に応じて透過波長
が変化、すなわち選択波長が変化する。
【0092】圧力制御装置32は、信号線22aを介し
て受信した分光器20からの検出結果を示す信号を基
に、管32aを介して出力鏡エタロン31の内部のガス
圧を微調整する。
【0093】かかる構成の超狭帯域化フッ素レーザ装置
200においては、全反射鏡10と出力鏡エタロン31
とで第1の共振器が構成され、全反射鏡10とプリズム
15aの表面Pとで第2の共振器が構成されている。ま
た、第1の共振器中すなわち全反射鏡10と出力鏡エタ
ロン31との間にレーザチャンバ12が配置されてい
る。
【0094】この実施形態の超狭帯域化フッ素レーザ装
置200が、図1に示した第1の実施形態の超狭帯域化
フッ素レーザ装置100と異なる点としては、第2の共
振器を構成する全反射鏡に、超狭帯域化で発振する第1
の共振器の全反射鏡を利用していることである。
【0095】次に、このような超狭帯域化フッ素レーザ
装置200による超狭帯域化されたレーザ光の波長の安
定化について、図3を参照して説明する。
【0096】まず、レーザチャンバ12からレーザ発振
されたレーザ光が、全反射鏡10に当たって全反射され
て、再度、レーザチャンバ12に戻りここを通過して出
力鏡エタロン31に入射すると、全反射鏡10と出力鏡
エタロン31との間でレーザ光が共振されて1ライン化
され、さらに出力鏡エタロン31によって狭帯域化(す
なわち超狭帯域化)され、このため出力鏡エタロン31
からは、超狭帯域化されたレーザ光L20が出射され
る。
【0097】このレーザ光L20は、ビームスプリッタ
16に当たり、一部が反射してピンホール17aに当た
る。このピンホール17aを通過したレーザ光L21
は、ビーム合成器19に当たる。
【0098】一方、狭帯域化素子が存在しない第2の共
振器においては、全反射鏡10とプリズム15aの表面
Pとの間でレーザ光が共振して、2ラインがそのまま発
振することになる。
【0099】この発振したレーザ光L22は、プリズム
15aとプリズム15bを通り、ミラー18に反射して
ピンホール17bに当たる。ピンホール17bに形成さ
れている穴を通過したレーザ光L23は、1ライン化さ
れてビーム合成器19に当たり、このビーム合成器19
において既に入射しているレーザ光L18と合成され
る。
【0100】すなわち、超狭帯域化されたレーザ光L2
1(波長λ1=157.6299nm)と1ラインがそ
のままのレーザ光L23(波長λ1=157.6299
nm)とが合成されたレーザ光L24(波長λ1=15
7.6299nm)が分光器20に入射することにな
る。
【0101】分光器20は、こうして合成されたレーザ
光L24のスペクトルを測定し、この測定結果を、信号
線22aを介して圧力制御装置23に送信する。
【0102】ここで、分光器20において測定されるス
ペクトルの検出に基づくスペクトル分布について、図4
を参照して説明する。
【0103】図4(a)超狭帯域化されたレーザ光L2
1のスペクトルを示し、図4(b)は1ラインがそのま
まの(超狭帯域化されていない)レーザ光L23のスペ
クトルを示し、図4(c)はレーザ光L21とレーザ光
L23とが合成されたレーザ光L24のスペクトルを示
している。
【0104】この実施形態では、上述したように超狭帯
域化されたレーザ光L21と1ラインがそのままのレー
ザ光L23とが合成されたレーザ光L24のスペクトル
のみを測定している。
【0105】ここで、仮に、超狭帯域化されたレーザ光
L21のスペクトルを測定するならば、図4(a)に示
すようにシャープな形状の分布(波長幅の狭いスペクト
ル)となり、一方、1ラインがそのままのレーザ光L2
3のスペクトルを測定するならば、図4(b)に示すよ
うに広い山成りのスペクトル形状の分布(波長幅の広い
スペクトル)になる。
【0106】そして、実際に測定するレーザ光L24の
スペクトル分布は、図4(c)に示すように、超狭帯域
化された部分のシャープなスペクトルが、広い山成りの
スペクトル形状の上に飛び出すように観測される。
【0107】なお、図4(c)に示すレーザ光のスペク
トル分布においては、超狭帯域化されていないレーザ光
L23のスペクトルの中心波長と、超狭帯域化されたレ
ーザ光L21のスペクトルの中心波長とが一致している
ので、超狭帯域化されたレーザ光L24のスペクトルの
中心波長は安定していることを意味している。
【0108】ここで、レーザ光L23のスペクトルの中
心波長は、出力鏡エタロン42内部のガス圧に関係なく
絶対的に不変である。すなわち、ピエゾ素子への印加電
圧が例えば350(V)近傍のときに、レーザ光L23
のスペクトルの波長は中心波長となる。
【0109】これに対し、レーザ光L21のスペクトル
の中心波長は、出力鏡エタロン42の内部のガス圧に応
じて、ピエゾ素子への印加電圧350(V)近傍の点か
ら左右にズレることになる。
【0110】そこで、分光器20によって、図4(c)
に示すようなレーザ光のスペクトル分布が得られた場合
には、レーザ光L24のスペクトルの中心波長は安定し
ているので、圧力制御装置32による出力鏡エタロン3
1内部のガス圧の微調整は行われず、そのままとなる。
【0111】一方、仮に、ピエゾ素子への印加電圧が例
えば350(V)近傍のときに、レーザ光L21のスペ
クトルの波長が中心波長になっていないで、レーザ光L
21とレーザ光L23のスペクトルの中心波長がズレ
て、図4(c)に示すようなスペクトル分布が得られな
かった場合には、以下のようして出力鏡エタロン42内
部のガス圧を調整すれば良い。
【0112】すなわち、圧力制御装置32は、信号線2
2aを介して、図4(c)に示すようなレーザ光のスペ
クトル分布ではなく、2つの中心波長がズレているスペ
クトルに対応する分光器20からの検出結果を示す信号
を入力した場合には、この検出結果を示す信号に基づい
て、シャープな部分が山なりの形状の中心に来るよう
に、出力鏡エタロン31の内部のガス圧を微調整する。
【0113】これによって、超狭帯域化されていないレ
ーザ光L23の広いスペクトルの中心波長と、超狭帯域
化されたレーザ光L21のスペクトルの中心波長とが一
致するように、出力鏡エタロン31における透過波長が
微調整されて、超狭帯域化されたレーザ光L20のスペ
クトルの波長の安定化が図られる。
【0114】以上説明したように、第2の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を期待する
ことができる。
【0115】[第3の実施の形態]図5は、第3の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置300の構成を
示す構成図である。
【0116】一般にフッ素レーザで用いられる全反射鏡
においては、反射率は高くても92%前後であり、入射
したレーザ光中の残りの8%のレーザ光は吸収または透
過する。具体的には、入射したレーザ光中の8%のレー
ザ光のうち、一部は反射膜と基板に吸収されるが、他の
数%は透過する。そこで本実施形態では、このようなフ
ッ素レーザで用いられる光学部材の特徴を十分に認識し
た上で、レーザ装置を具現化している。
【0117】さて、図5に示す超狭帯域化フッ素レーザ
装置300では、第1の共振器は全反射鏡41と出力鏡
エタロン42とで構成されており、これらの間にレーザ
チャンバ43が配置されている。
【0118】また、超狭帯域化するための第1の共振器
に用いられている全反射鏡41と全反射鏡44とで第2
の共振器が構成されており、この第2の共振器中には、
レーザチャンバ43が配置されている。
【0119】ミラー制御部45は、可動ミラー46と全
反射鏡41とで形成される光路長が変化するように、可
動ミラー46の位置を移動させる。
【0120】全反射鏡41を透過した超狭帯域化された
レーザ光L31と1ラインがそのままのレーザ光L32
は可動ミラー46で反射してピンホール47に当たる。
【0121】この可動ミラー46の位置に応じて、ピン
ホール47に形成されている穴を通過したレーザ光は分
光器48に入射する。
【0122】分光器48は、図1に示した第1の実施形
態の分光器20と同様の機能を有するものであり、入射
したレーザ光のスペクトルを検出し、この検出結果を示
す信号を信号線48aを介して制御装置49に送出す
る。
【0123】制御装置49は、図1に示した第1の実施
形態の制御装置23と同様の機能を有するものであり、
信号線48aを介して入力される分光器48からの検出
結果を示す信号を基に、出力鏡エタロン42が固定され
ている回転ステージ50を、信号線49aを介して回転
制御する。
【0124】この回転ステージ50が回転すると、これ
に伴って回転ステージ50に固定されている出力鏡エタ
ロン42も回転するので、出力鏡エタロン42に入射す
るレーザ光の入射角も変化されることになる。
【0125】次に、かかる構成の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置300による超狭帯域化されたレーザ光の波長の
安定化について、図5を参照して説明する。
【0126】今現在、可動ミラー46は、レーザ光L3
1がピンホール47の穴を通過できるような位置に存在
するものとする。
【0127】まず、レーザチャンバ43からレーザ発振
されたレーザ光が、全反射鏡41に当たって92%前後
の反射率に応じて反射されて、再度、レーザチャンバ4
3に戻りここを通過して出力鏡エタロン42に入射する
と、全反射鏡41と出力鏡エタロン42との間でレーザ
光が共振されて1ライン化され、さらに出力鏡エタロン
42によって狭帯域化(すなわち超狭帯域化)される。
このため出力鏡エタロン42からは、超狭帯域化された
レーザ光L30が出射される。
【0128】また、上述したように出力鏡エタロン42
によって超狭帯域化されたレーザ光のうちの数%のレー
ザ光が全反射鏡41を透過する(つまり、透過したレー
ザ光31である)。
【0129】これと同時に、レーザチャンバ43からレ
ーザ発振されたレーザ光は、全反射鏡41と全反射鏡4
4との間で共振されて1ライン化されたレーザ光のうち
の数%のレーザ光が全反射鏡41を透過する(つまり透
過したレーザ光32である)。
【0130】このようにして全反射鏡41を透過したレ
ーザ光L31、L32は可動ミラー46に反射してピン
ホール47に当たる。しかし、現時点では、レーザ光L
31のみがピンホール47の穴を通過できるように、ミ
ラー制御部45の制御の下に可動ミラー46が所定の第
1の位置に配置されているので、ピンホール47の穴か
らは、レーザ光L31が出射される。
【0131】このレーザ光L31が分光器48に入射す
ると、分光器48はレーザ光L31のスペクトルを検出
し、この検出結果を示す信号を信号線48aを介して制
御装置49に送出する。
【0132】次に、レーザ光L32のみがピンホール4
7の穴を通過できるように、ミラー制御部45によっ
て、可動ミラー46が所定の第1の位置から所定の第2
の位置に移動されると、ピンホール47の穴からは、レ
ーザ光L32が出射される。
【0133】このレーザ光L32が分光器48に入射す
ると、分光器48はレーザ光L32のスペクトルを検出
し、この検出結果を示す信号を信号線48aを介して制
御装置49に送出する。
【0134】このようにミラー制御部45が可動ミラー
46を所定の第1又は第2の位置に移動制御することに
より、分光器48は、ピンホール47の穴を通過したレ
ーザ光L31とレーザ光L32のスペクトルを交互に検
出することができる。
【0135】したがって、分光器48は、図2(a)に
示したような、超狭帯域化されたレーザ光L31のスペ
クトルの検出結果と、また図2(b)に示したような、
1ラインのままのレーザ光L32のスペクトルの検出結
果を得ることができる。
【0136】なお、ミラー制御部45は、可動ミラー4
6に対する移動制御のタイミングとしては、分光器48
がレーザ光のスペクトルを検出することのできる所定時
間よりも長い所定時間に達した時点とすれば良い。ま
た、分光器48がレーザ光のスペクトルの検出を終了し
た旨をミラー制御部45に通知し、ミラー制御部45
は、その検出終了した旨を受け取ったら、可動ミラー4
6に対する移動制御を実施するようにしても良い。
【0137】ところで、レーザ光L31、L32のそれ
ぞれのスペクトルの検出結果を示す信号を受け取った制
御装置49では、分光器48からの測定結果を基に、上
記第1の実施形態の制御装置23と同様の制御処理を実
施する。
【0138】すなわち、制御装置49は、分光器48か
らの、図2(a)、(b)に示すようなレーザ光L3
1、32のスペクトルの検出結果を示す信号を基に、超
狭帯域化されていないレーザ光L32の広いスペクトル
の中心波長と、超狭帯域化されたレーザ光L31のスペ
クトルの中心波長とを一致させるべく、信号線49aを
介して回転ステージ50を回転制御する。
【0139】なお、レーザ光L31のスペクトルの中心
波長を調整する手段として、図3に示した出力鏡エタロ
ン31と同様に、圧力を調整する手法を用いても良い。
【0140】このように、超狭帯域化するための第1の
共振器と第2の共振器との両方に利用されている全反射
鏡41を透過するレーザ光L31、L32を分光器48
で別々に測定し、この測定結果を基に、超狭帯域化され
たレーザ光L30のスペクトルの中心波長の安定化を図
ることができる。
【0141】以上説明したように、第3の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を期待する
ことができる。
【0142】また、超狭帯域化されたレーザ光L30の
中心波長の安定化を行うために利用するレーザ光とし
て、全反射鏡41から漏れる数%のレーザ光を利用して
いるため、出力鏡エタロン42から取り出されるレーザ
光L30の一部を取り出すことなく、レーザ光L30の
中心波長の安定化を図ることができる。しかも、露光に
利用されるレーザ光L30が減少することがないので、
レーザ光の出力効率を高めつつ、レーザ光L30の中心
波長の安定化を図ることができる。
【0143】[第4の実施の形態]図6は、第4の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置400の構成を
示す構成図である。なお、図6(a)はそのレーザ装置
400の上面図を示し、図6(b)はそのレーザ装置4
00の側面図を示している。
【0144】この実施形態では、超狭帯域化させる第1
の共振器は、全反射鏡70と同調ミラー71とで構成さ
れており、この第1の共振器中にレーザチャンバ73お
よび狭帯域化素子としての回折格子72が配置されてい
る。また、超狭帯域化をしない第2の共振器としては、
レーザチャンバ73の側面に備えられた2つの窓75
a、75bを通して、超狭帯域化させる第1の共振器の
長手方向と直交する方向に構成される。
【0145】なお、第1の共振器の長手方向に沿って、
レーザ光の光軸を挟むように陰極と陽極とから構成され
る細長い放電部(図示せず)が設けられている。この第
1の共振器の長手方向と直交して配置される第2の共振
器における増幅媒質としては、上記細長い放電部の僅か
な割合だけが利用される。
【0146】レーザチャンバ73から出射されたレーザ
光の光軸を折り曲げるように回折格子72が配置され、
この回折格子72で回折された回折光を全反射させるよ
うに同調ミラー71が配置されている。
【0147】なお、回折格子72は、斜入射型回折格子
として機能すべく、入射角が約80度以上の角度をもっ
てレーザ光が入射されるように配置されている。この回
折格子13においては回折と反射が行われ、回折された
レーザ光は同調ミラー71に反射して回折格子72に戻
り、一方、反射したレーザ光は外部へ出射される。
【0148】このように回折格子72を斜入射型回折格
子として機能させ、同調ミラー71により回折光を全反
射させる理由は、レーザチャンバ73からのレーザ光
を、回折格子72に形成されている複数の溝線に照射さ
せ、且つ同調ミラーからの反射光(出射光)も当該複数
の溝線に照射させるためだからである。
【0149】すなわち、一般的に回折格子に照射される
レーザ光が当該多くの溝線に当たる程、より狭帯域化が
図られることから、同調ミラー71からのレーザ光を回
折格子72の広範囲の面積つまり多くの溝線に照射させ
るようにしている。
【0150】このため、同調ミラー71は、回転ステー
ジ74に固定して配置されており、制御装置83によっ
て所定の方向に回転制御される。すなわち、同調ミラー
71の設定角度が調整される。
【0151】こうして同調ミラー71の設定角度が変化
すると、回折格子72に形成されている複数の溝線に照
射される同調ミラー71からのレーザ光の割合が変化
し、選択波長も変化することになる。
【0152】なお、回折格子72と同調ミラー71とで
出力鏡として機能するものであり、狭帯域化されたレー
ザ光が実際に出力されるのは回折格子72からである。
また、レーザ光L70が取り出される回折格子72は、
斜入射型であるため、回折効率が10〜20%と低いも
のの、フッ素(F2)レーザに適用する場合には、回折
格子72と同調ミラー71とで高い透過率の出力鏡とし
て機能する。
【0153】次に、かかる構成の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置400による超狭帯域化されたレーザ光の波長の
安定化について、図6を参照して説明する。
【0154】レーザチャンバ73から出射されたレーザ
光が回折格子72に入射すると、この回折格子72にお
いて、一部のレーザ光は回折し、他のレーザ光は反射す
る。
【0155】回折格子72で回折されたレーザ光(回折
光)は同調ミラー71に当たり、この同調ミラー71に
反射したレーザ光は再度回折格子72に入射する。この
入射したレーザ光がレーザチャンバ73に戻り、ここを
通過して全反射鏡70に当たることにより、全反射鏡7
0と同調ミラー71との間(第1の共振器間)でレーザ
光が共振して超狭帯域化される。
【0156】このようにして超狭帯域化されたレーザ光
(波長λ1=157.6299nm)のうちの数%のレ
ーザ光、つまり全反射鏡70を透過して外部に取り出さ
れたレーザ光L71は、ビーム合成器80に当たる。
【0157】一方、回折格子72に反射した超狭帯域化
されたレーザ光L70は、図示しないフッ素露光機の露
光光として使用される。
【0158】こうした超狭帯域化の動作と同時に、全反
射鏡76と出力鏡77とで構成されている第2の共振器
においては、2つの窓75a、75bを通してレーザ光
(広いスペクトルの2ラインのレーザ光)が取り出され
る。出力鏡77から取り出される広いスペクトルのまま
のレーザ光L72は、ミラー78に当たった後、2個の
プリズム79a、79bを進む。これらのプリズムによ
り1ライン化されたレーザ光L73(波長λ1=15
7.6299nm)は、ビーム合成器80に当たる。
【0159】このため、分光器81には、超狭帯域化さ
れたレーザ光L71と1ラインがそのままのレーザ光L
73の両方が入射することになるので、分光器81で
は、上記第2の実施形態と同様に、超狭帯域化されたレ
ーザ光L71と1ラインがそのままのレーザ光L73と
が合成されたようなレーザ光のスペクトルを検出するこ
とになる(図4(c)参照)。
【0160】ここで、仮に、超狭帯域化されたレーザ光
L71を分光器81により検出した場合には図4(a)
に示すようなレーザ光のスペクトルの分布となり、一
方、1ラインがそのままのレーザ光L73を分光器81
により検出した場合は 図4(b)に示すようなレーザ
光のスペクトルの分布となる。
【0161】ところで、分光器81が図4(c)に示す
ようなレーザ光のスペクトルを検出すると、分光器81
からは、そのレーザ光のスペクトルの検出結果を示す信
号が、信号線82aを介して制御装置83に送出され
る。
【0162】すると制御装置83は、入力された検出結
果を示す信号を基に、信号線82bを介して回転ステー
ジ74を回転制御する。
【0163】この回転ステージ74の回転に伴って同調
ミラー71も回転されて設定角度が微調整され、結果的
に、同調ミラー71からの反射光による回折格子72の
複数の溝線に照射される領域(面積)も変化する。よっ
て回折格子72の選択波長も変化し、超狭帯域化を図る
ことができる。
【0164】ここで、上記第2の実施形態で説明したよ
うに図4(c)に示すレーザ光のスペクトル分布におい
ては、超狭帯域化されたレーザ光L21のスペクトルの
中心波長は安定していることを意味しているので、この
第4の実施形態においても、分光器81によって、図4
(c)に示すようなレーザ光のスペクトルが検出された
場合には、レーザ光L70のスペクトルの中心波長は安
定しているので、同調ミラー71は、制御装置83によ
る回転制御は行われず、そのままとなる。
【0165】これに対して、図4(c)に示すようなレ
ーザ光のスペクトル分布におけるシャープな部分、つま
り超狭帯域化されたレーザ光L71のスペクトルの中心
波長が、超狭帯域化されていないレーザ光L73の広い
スペクトルの中心波長に位置しないで、この波長よりも
ズレていた場合には、同調ミラー71は、所望の設定角
度をもって配置されていないことになるので、制御装置
83によって回転制御される。
【0166】なお、上記実施形態では、第1の共振器と
第2の共振器とが直交するように配置されているが、こ
れに限定されることなく、第1の共振器と第2の共振器
とを90度以外の角度をもって交差するように配置して
も良い。
【0167】この場合、2つの窓75a、75bにおけ
るレーザ光の損失を抑制するという観点から、窓75
a、75bに対し、全反射鏡76と出力鏡77との間で
共振するレーザ光が例えば約ブリュースタ角をもって入
射および出射されるように、第1の共振器と第2の共振
器とが交差して配置されるのが好ましい。
【0168】そして、かかる構成においても、これら2
つの共振器が直交して配置された場合と同様に、第2の
共振器における増幅媒質としては、第1の共振器の長手
方向に沿って設けられている細長い放電部の僅かな割合
だけが利用される。
【0169】以上説明したように、第4の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を期待する
ことができる。
【0170】また、超狭帯域化を行わない第2の共振器
が超狭帯域化させる第1の共振器の長手方向と交差(直
交を含む)して配置されるため、第2の共振器における
増幅媒質としては、第1の共振器の長手方向に沿って設
けられている細長い放電部の僅かな割合だけが利用され
るので、第2の共振器から発振する狭帯域化されないレ
ーザ光L72のレーザ出力を大幅に下げることができ、
しかも超狭帯域化されたレーザ光L70のレーザ出力の
低下を抑制することが容易になる。
【0171】[第5の実施の形態]図7は、第5の実施
形態に係る超狭帯域化フッ素レーザ装置500の構成を
示す構成図である。
【0172】この超狭帯域化フッ素レーザ装置500
は、図7に示すように、1つのレーザチャンバ94に発
振段と増幅段との両方を備えたものである。発振段は、
全反射鏡91、出力鏡92、エタロン93、ミラー95
aおよびレーザチャンバ94から構成され、増幅段は、
ミラー95b、ビーム拡大器96、シフトプリズム97
およびレーザチャンバ94から構成されている。
【0173】発振段の共振器としては、全反射鏡91と
出力鏡92とで構成されており、これによって狭帯域化
されないレーザ光L90が発振される。つまり、全反射
鏡91と出力鏡92とで構成された発振段が、狭帯域化
されない第2の共振器に相当する。
【0174】図1に示したエタロン13と同様の機能を
有するエタロン93と出力鏡92との間に、エタロン9
3に当たって反射して戻されたレーザ光L93を分光器
99へ反射させるように、ビームスプリッタ98が配置
されている。
【0175】次に、かかる構成の超狭帯域化フッ素レー
ザ装置400による超狭帯域化されたレーザ光の波長の
安定化について、図7を参照して説明する。
【0176】発振段においては、レーザチャンバ94か
ら出射されたレーザ光L90は、ビームスプリッタ98
を通過して、エタロン93中に進む。このエタロン93
から出射されるレーザ光L91は、超狭帯域化されたレ
ーザ光となり、ミラー95aに反射して増幅段に入射す
る。
【0177】この増幅段においては、エタロン93から
出力される超狭帯域化されたレーザ光L91は、ミラー
95a、95bによって折り返されて、ビーム拡大器9
6を通ることによりビーム幅が拡大される。
【0178】このビーム幅が拡大されたレーザ光は、シ
フトプリズム97を通ってビームの位置が平行移動さ
れ、その後、レーザチャンバ94に再び入射して、ここ
を通過することにより増幅される。
【0179】そして増幅段の要素としてのレーザチャン
バ94からは、超狭帯域化され且つ増幅されたレーザ光
がレーザ光L92として取り出される。
【0180】なお、発振段においては、エタロン93に
当たって反射して戻されたレーザ光L93が、ビームス
プリッタ98に反射して分光器99に入射すると、分光
器99は、入射したレーザ光L93のスペクトルを検出
する。この検出結果は、例えば図8(c)に示すような
レーザ光のスペクトル分布となっている。
【0181】ここで、測定されるレーザ光のスペクトル
分布に関して、図8を参照して説明する。
【0182】発振段から取り出される狭帯域化されてい
ないレーザ光L90のスペクトル分布は、図8(a)に
示すような広いスペクトル(波長幅の広いスペクトル)
の分布になり、エタロン93を通過した超狭帯域化され
たレーザ光L91のスペクトル分布は図8(b)に示す
ようにシャープなスペクトル(波長幅の狭いスペクト
ル)の分布になる。なお、図8(a)、(b)に示した
レーザ光のスペクトルは実際には分光器99によって検
出されないが、説明の都合上示したものである。
【0183】ところで、エタロン93で反射して戻され
るレーザ光L93は、レーザ光L90からレーザ光L9
1が差し引かれたものであるため、分光器99により検
出されるレーザ光L93のスペクトル分布は、図8
(c)に示すように中心にシャープな窪みを有する形状
になる。
【0184】そこで本実施例におけるレーザ光L91の
中心波長の安定化としては、図8(c)に示すスペクト
ルの波形における窪みが全体の中心に来るように常時エ
タロン93にフィードバックを掛けている。
【0185】このフィードバックの手法としては、図1
に示した第1の実施形態で説明したようにエタロン93
の配置角度(設定角度)を微調整しても良いし、あるい
は、図3に示した第2の実施形態で説明したようにエタ
ロン93内部の気体の圧力を微調整しても良い。
【0186】すなわち、前者の場合は、図1に示した構
成の如く、エタロン93を回転ステージに固定し、この
回転ステージを制御装置により回転制御すれば良い。一
方、後者の場合は、図3に示した構成の如く、エタロン
93内部を気密性とする構成とし、その内部のガス圧を
圧力制御装置により調整すれば良い。
【0187】以上説明したように、第5の実施形態によ
れば、1つのレーザチャンバ94に発振段と増幅段との
両方を備えたレーザ装置であっても、上記第1の実施形
態と同様の作用効果を期待することができる。
【0188】例えば、超狭帯域化されていないレーザ光
のスペクトルの中心波長(つまり絶対波長)と、超狭帯
域化されたレーザ光のスペクトルの中心波長とが一致す
るように制御しているので、確実に、超狭帯域化された
レーザ光のスペクトルの中心波長の安定化を図ることが
できる。
【0189】[第6の実施の形態]図9は、超狭帯域化
レーザ装置を用いたフッ素露光機600の構成を示す構
成図である。
【0190】このフッ素露光機600は、大別して、図
1に示した超狭帯域化レーザ装置100と、露光機本体
610とから構成されている。
【0191】露光機本体610は、クリーンルーム内の
グレーチング51上に配置されており、超狭帯域化レー
ザ装置100は、グレーチング51の下のフロアー(一
般に床下と呼ばれるフロアー)の床52の上に配置され
ている。
【0192】超狭帯域化レーザ装置100から取り出さ
れた波長幅が約0.2pmの強いライン(発振線)のみ
のレーザ光L50は、ミラー53aに反射して上方に進
み、グレーチング51における開口部54を通過して、
露光機本体610内に進む。
【0193】レーザ光L50は、レンズ55で絞られ、
さらにフッ化カルシウムから成るガラスロッド56内を
進み、この内部で全反射を繰り返すことで、ビーム強度
分布が均一化されたレーザ光L51として出射される。
【0194】このレーザ光L51は、ミラー53bに反
射して、ビーム整形器57を通ることによりビーム断面
が拡げられ、さらにミラー53cに反射してコンデンサ
レンズ58を通ってレチクル59を照射する。
【0195】レチクル59を出射したレーザ光L52
は、縮小投影レンズ60を通り、ウエハー61に当た
る。すなわち、レチクル59内のパターンが、縮小投影
レンズ60によって、ウエハー61上に転写されること
で、レチクル59でのパターン状に露光される。なお、
ウエハー61はステージ62に搭載されている。
【0196】この実施形態のフッ素露光機600では、
縮小投影光学系として、縮小投影レンズ60が用いられ
ており、この縮小投影レンズ60はフッ化カルシウムか
ら成る単色レンズで構成されている。
【0197】上述したようにレンズのみの縮小投影光学
系の利用が可能になったのは、超狭帯域化レーザ装置1
00から取り出されるレーザ光L50の波長幅が約0.
2pmと、従来のフッ素レーザの約1/10と狭いた
め、縮小投影レンズ60における色収差が無視できるか
らである。
【0198】従って露光機本体610の構成としては、
従来のKrF露光機のものと同等になる。大きな違いと
しては、レンズの材質が石英からフッ化カルシウムに変
更されただけであることから、縮小投影レンズの設計と
しては、従来のものと同様になり、設計に掛かるコスト
を大幅に低減することができる。
【0199】以上説明したように、第6の実施形態によ
れば、フッ素露光機においては、フッ素レーザ装置(超
狭帯域化フッ素レーザ装置)の価格が大幅に上昇した
り、レーザの効率が大きく悪化することなく、全屈折型
縮小投影光学系を利用することができる。
【0200】すなわち縮小投影光学系として、従来のK
rF露光機のものと同様な設計にすることができる。つ
まり、シミュレーションツールとしては従来と同様のも
のを用いることができることとなり、短期間で縮小投影
光学系を設計でき、しかも人件費も大幅に削減すること
ができるので、短期間で安価に製品化されたフッ素露光
機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置100の構成を示す構成図である。
【図2】図2は超狭帯域化フッ素レーザ装置100にお
けるレーザ光のスペクトルを説明するための図である。
【図3】図3は第2の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置200の構成を示す構成図である。
【図4】図4は超狭帯域化フッ素レーザ装置200にお
けるレーザ光のスペクトルを説明するための図である。
【図5】図5は第3の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置300の構成を示す構成図である。
【図6】図6は第4の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置400の構成を示す構成図である。
【図7】図7は第5の実施形態に係る超狭帯域化フッ素
レーザ装置500の構成を示す構成図である。
【図8】図8は超狭帯域化フッ素レーザ装置500にお
けるレーザ光のスペクトルを説明するための図である。
【図9】図9は第6の実施形態に係るフッ素露光機60
0の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
10、14、41、44、70、76、91 全反射鏡 11、77、92 出力鏡 12、43、73、94 レーザチャンバ 13 、93エタロン 15a、15b、79a、79b プリズム 16、98 ビームスプリッタ 17a、17b、47 ピンホール 18、78、95a、95b ミラー 19、80 ビーム合成器 20、48、81、99 分光器 21a、21b シャッタ 22a、22b、48a、49a、82a、82b 信
号線 23、49、83 制御装置 24、50、74 回転ステージ 31、42 出力鏡エタロン 32 圧力制御装置 45 ミラー制御部 46 可動ミラー 71 同調ミラー 72 回折格子 75a、75b 窓 96 ビーム拡大器 97 シフトプリズム 100、200、300、400、500 超狭帯域化
フッ素レーザ装置 600 フッ素露光機
フロントページの続き (72)発明者 永井 伸治 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 岩田 泰明 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 5F071 AA04 DD08 HH02 HH05 JJ02 JJ10 5F072 AA04 HH02 HH05 JJ02 JJ12 JJ13 KK01 KK03 KK05 KK06 KK08 KK09 KK18 MM20 RR05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素レーザをレーザ発振するレーザチ
    ャンバと、該レーザチャンバからレーザ発振されるレー
    ザ光を共振させる第1の共振器とを備え、該レーザ発振
    されたレーザ光を狭帯域化する超狭帯域化フッ素レーザ
    装置において、 前記レーザ発振されたレーザ光における波長と光強度の
    異なる2つの発振線のうちの1つの発振線を狭帯域化し
    て出射する狭帯域化素子と、 前記1つの発振線を狭帯域化せずに発振させる第2の共
    振器と、 前記狭帯域化素子から出射されたレーザ光のスペクトル
    の中心波長と前記第2の共振器から発振されたレーザ光
    のスペクトルの中心波長との差を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された前記2つのレーザ光のス
    ペクトルの中心波長の差が許容範囲内に存在すべく、前
    記狭帯域化素子を制御する制御手段とを具備することを
    特徴とする超狭帯域化フッ素レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記狭帯域化素子から
    出射されたレーザ光と、前記第2の共振器から発振され
    たレーザ光とを入射し、これら2つのレーザ光のスペク
    トルを計測する分光器を備え、 前記分光器は、前記狭帯域化素子から出射されたレーザ
    光のスペクトルの波長を検出すると共に、前記第2の共
    振器から発振されるレーザ光のスペクトルの波長を検出
    して、これら2つのスペクトルの中心波長の差を検出す
    ることを特徴とする請求項1記載の超狭帯域化フッ素レ
    ーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記分光器は、スキャニングファブリペ
    ローエタロンを有することを特徴とする請求項2記載の
    超狭帯域化フッ素レーザ装置。
JP33794899A 1999-11-29 1999-11-29 超狭帯域化フッ素レーザ装置 Pending JP2001156375A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110622372A (zh) * 2017-05-11 2019-12-27 诺万达公司 用于调谐多波长气体激光器的外部光学反馈元件

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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