JP2001154128A - マルチビームスキャナ及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

マルチビームスキャナ及びそれを備えた画像形成装置

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JP2001154128A
JP2001154128A JP33420799A JP33420799A JP2001154128A JP 2001154128 A JP2001154128 A JP 2001154128A JP 33420799 A JP33420799 A JP 33420799A JP 33420799 A JP33420799 A JP 33420799A JP 2001154128 A JP2001154128 A JP 2001154128A
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light
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depth
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Hiroyuki Kashima
広幸 鹿島
Yumio Matsumoto
勇美夫 松本
Yutaka Hattori
豊 服部
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/435Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material
    • B41J2/47Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light
    • B41J2/471Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light using dot sequential main scanning by means of a light deflector, e.g. a rotating polygonal mirror
    • B41J2/473Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of radiation to a printing material or impression-transfer material using the combination of scanning and modulation of light using dot sequential main scanning by means of a light deflector, e.g. a rotating polygonal mirror using multiple light beams, wavelengths or colours

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の発光点を有するマルチビームスキャナ
において像面湾曲収差を有する場合でも焦点が合わない
走査位置を発生させることのないマルチビームスキャナ
を提供すること。 【解決手段】 マルチビームスキャナの二つの発光点c
h1,ch2に対する焦点深度をそれぞれdeとし、各
発光点ch1,ch2の焦点深度方向の隔たり量をΔS
とするとき、各発光点ch1,ch2に対する感光体表
面位置での焦点深度deの重ね合わせの範囲de−ΔS
の値が、正になるように、更に好ましくは前記重ね合わ
せの範囲de−ΔSから像面湾曲収差量Cfを引いた値
が、正になるように、光学系の像側NAを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の発光点を有
するマルチビームスキャナの技術分野、及びこのマルチ
ビームスキャナを備えたレーザビームプリンタ、複写
機、あるいはファクシミリ等の画像形成装置の技術分野
に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アレー状の複数個の光源を有する
半導体レーザーアレー(レーザーダイオードアレー)を
光源部に用い、複数のビームを同時に感光体等の被走査
面上に結像して複数ラインを同時に走査するマルチビー
ムスキャナが提案されている。このマルチビームスキャ
ナによれば、走査速度を向上させることができ、画像形
成装置の記録速度を向上させることができる。
【0003】このような複数個の光源を有する半導体レ
ーザーアレーを用いたマルチビームスキャナは、1個の
光源を有するスキャナと同様に被走査面上で所望のスポ
ット径を得ることが必要であり、被走査面上に同時に結
像される複数個のビームのスポット径が揃っていない
と、記録される画素の大きさが不揃いとなり、画像の変
形、湾曲、明暗等を生じ、高品質な画像が得られないと
いう問題がある。
【0004】そのために、特開昭62−161117号
公報には、光源部を焦点深度方向に調整可能とする機構
を備えたスキャナが提案されている。このスキャナで
は、レーザーアレー部分を傾斜する機構を有し、該機構
で調整してコリメートレンズと複数の光源との位置を合
わせるようにすることで各光源による焦点深度方向のス
ポット径を合わせている。
【0005】しかしながら、この手法では、部品点数が
増えコストアップにつながるという問題があり、また、
ネジによって深度方向の調整を行いバネによって固定し
ているために衝撃等によって位置がずれてしまうという
ことが想定されている。このように位置がずれてしまう
と、被走査面上のビーム径として所望のスポット径が得
られなくなってしまうという問題がある。
【0006】そこで、このような問題を解決するため
に、特開平9−26550号公報等に開示されているよ
うに、マルチビームスキャナにおける複数個の光ビーム
の結像位置の深度方向におけるばらつきの中に設計上の
結像すべき位置があることを特徴としたものが提案され
た。このマルチビームスキャナによれば、被走査面上の
スポット径のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のマルチビームスキャナによれば、このようなマルチ
ビームスキャナにおける光学系が、走査位置により焦点
位置が前後に変動する像面湾曲収差を有しているため、
走査位置によっては被走査面上で焦点が合わず、印字品
質が悪くなるという問題があった。
【0008】本発明は、以上のような問題を解決し、複
数の発光点を有するマルチビームスキャナにおいて、光
学系が像面湾曲収差を有する場合でも、あらゆる走査位
置で焦点の合うマルチビームスキャナ、及びこのマルチ
ビームスキャナを備えて高品質の印字が可能な画像形成
装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のマルチビ
ームスキャナは、前記課題を解決するために、複数の発
光点から光ビームを放射する発光素子と、該発光素子か
ら放射された光ビームを、それぞれ偏向させて被照射体
上の複数ラインを主走査させると共に、該被照射体上を
副走査して順次照射する走査手段と、前記発光素子と前
記走査手段との間及び前記走査手段と前記被照射体との
間に配置された光集束手段とを備え、前記発光素子と前
記光集束手段と前記走査手段とからなる光学系が像面湾
曲収差を有するマルチビームスキャナであって、 前記
発光素子は、前記複数の発光点の位置に、深度方向の隔
たりを設けており、前記光学系の像側NAは、前記複数
の発光点に対応する各走査位置における焦点深度の重ね
合わせの範囲が、正になるように設定されていることを
特徴とする。
【0010】請求項1記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子の複数の発光点は、深度方向に所定
の隔たりを有しているので、被照射体上の走査位置にお
けるそれぞれの発光点に対応する焦点深度の範囲にも、
所定の隔たりが生ずる。従って、何れの発光点からの光
束についても前記走査位置にて焦点が合うのは、各焦点
深度の範囲を各走査位置にて重ね合わせた時に有効な範
囲、即ち前記複数の発光点に対応する焦点深度の各走査
位置における重ね合わせの範囲に前記被照射体の被照射
面が位置している時である。但し、この焦点深度の隔た
りの大きさは、前記光学系の像側NAが小さくなる程大
きくなり、像側NAが大きくなる程小さくなる。従っ
て、前記光学系の像側NAを適切な値に設定することに
より、前記複数の発光点に対応する焦点深度の各走査位
置における重ね合わせの範囲を正にすることができ、走
査位置によらず、何れの発光点からの光束についても焦
点を合わせることができる。
【0011】請求項2記載のマルチビームスキャナは、
前記課題を解決するために、請求項1記載のマルチビー
ムスキャナにおいて、複数の発光点の位置の深度方向に
おける隔たり量をΔz、光学系の縦倍率をα、光学系の
像面湾曲収差量をCf、光学系の残存波面収差量をW0
波長をλ、像高をyとすると、前記隔たり量Δzは、2
(λ/2NA2+2y/NA−2W0/NA2)>α・Δ
z+Cfという関係式で、像側NAと関係付けられるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項2記載のマルチビームスキャナによ
れば、焦点深度deと、波長λと、光学系の残存波面収
差量W0と、像高yとの間には、de=2(λ/2NA2
+2y/NA−2W0/NA2)の関係があり、更に複数
の発光点の位置の深度方向における隔たり量Δzと、光
学系の縦倍率αと、光学系の像面湾曲収差量Cfと、前
記各値との間には、2(λ/2NA2+2y/NA−2
0/NA2)>α・Δz+Cfという関係があるので、
前記複数の発光点に対応する焦点深度の各走査位置にお
ける重ね合わせの範囲である(de−α・Δz)は、常
に像面湾曲収差量Cfよりも大きな値となり、走査位置
及び各走査位置における像面湾曲収差量によらずに、何
れの発光点からの光束についても焦点を合わせることが
できる。
【0013】請求項3記載のマルチビームスキャナは、
前記課題を解決するために、請求項2記載のマルチビー
ムスキャナにおいて、前記発光素子の発光面が、前記光
集束手段の光軸に垂直な面に対してなす角度をφ、前記
発光面内での前記複数の発光点の隔たり量をΔpとする
とき、前記複数の発光点の位置の深度方向における隔た
り量Δzを、Δzcosφ+Δpsinφで置き換えた
ことを特徴とする。
【0014】請求項3記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子の発光面が、前記光集束手段の光軸
に垂直な面に対して角度φで傾きを有している場合で
も、前記複数の発光点の位置の深度方向における隔たり
量Δzを前記光軸に対して投影した値Δzcosφと、
前記発光面内での前記複数の発光点の隔たり量Δpを前
記光軸に対して投影した値Δpsinφとを加え合わ
せ、Δzcosφ+Δpsinφを請求項2におけるΔ
zと置き換えるので、前記複数の発光点に対応する焦点
深度の各走査位置における重ね合わせの範囲を正確に算
出することができ、走査位置及び各走査位置における像
面湾曲収差量によらずに、何れの発光点からの光束につ
いてもより一層確実に焦点を合わせることができる。
【0015】請求項4記載のマルチビームスキャナは、
前記課題を解決するために、複数の発光点から光ビーム
を放射する発光素子と、該発光素子から放射された光ビ
ームを、それぞれ偏向させて被照射体上の複数ラインを
主走査させると共に、該被照射体上を副走査して順次照
射する走査手段と、前記発光素子と前記走査手段との間
及び前記走査手段と前記被照射体との間に配置された光
集束手段とを備え、前記発光素子と前記光集束手段と前
記走査手段とからなる光学系が像面湾曲収差を有するマ
ルチビームスキャナであって、前記発光素子は、前記複
数の発光点の主走査方向に発散する中心位置に、深度方
向の隔たりを設けており、前記光学系の主走査像側NA
mは、前記複数の発光点に対応する各走査位置における
焦点深度の重ね合わせの範囲が、正になるように設定さ
れていることを特徴とする。
【0016】請求項4記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子は、複数の発光点の主走査方向に発
散する中心位置に、深度方向に所定の隔たりを有してい
るので、被照射体上の走査位置におけるそれぞれの発光
点に対応する焦点深度の範囲にも、主走査方向に対して
所定の隔たりが生ずる。従って、何れの発光点からの光
束についても前記主走査方向での走査位置にて焦点が合
うのは、それぞれの主走査焦点深度の範囲を各走査位置
にて重ね合わせた時に有効な範囲、即ち前記複数の発光
点に対応する主走査焦点深度の各走査位置における重ね
合わせの範囲に前記被照射体の被照射面が位置している
時である。但し、この焦点深度の隔たりの大きさは、前
記光学系の主走査像側NAmが小さくなる程大きくな
り、主走査像側NAmが大きくなる程小さくなる。従っ
て、前記光学系の主走査像側NAmを適切な値に設定す
ることにより、前記複数の発光点に対応する焦点深度の
各走査位置における重ね合わせの範囲を正にすることが
でき、主走査方向の走査位置によらず、何れの発光点か
らの光束についても焦点を合わせることができる。
【0017】請求項5記載のマルチビームスキャナは、
前記課題を解決するために、請求項4記載のマルチビー
ムスキャナにおいて、複数の発光点の主走査方向に発散
する中心位置の深度方向における隔たり量をΔzm、光
学系の主走査縦倍率をαm、光学系の主走査像面湾曲収
差量をCfm、光学系の残存波面収差量をW0、波長を
λ、像高をymとすると、前記隔たり量Δzmは、2(λ
/2NAm 2+2ym/NAm−2W0/NAm 2)>αm・Δ
m+Cfmという関係式で、主走査像側NAmと関係付け
られることを特徴とする。
【0018】請求項5記載のマルチビームスキャナによ
れば、主走査焦点深度demと、主走査像側NAmと、波
長λと、光学系の残存波面収差量W0と、像高yとの間
には、dem=2(λ/2NAm 2+2y/NAm−2W0
NAm 2)の関係があり、更に複数の発光点の主走査方向
に発散する中心位置の深度方向における隔たり量Δzm
と、光学系の主走査縦倍率αmと、光学系の主走査像面
湾曲収差量Cfmと、前記各値との間には、2(λ/2N
m 2+2y/NAm−2W0/NAm 2)>αm・Δzm+C
fmという関係があるので、前記複数の発光点に対応する
焦点深度の各走査位置における重ね合わせの範囲である
(dem−αm・Δzm)は、常に主走査像面湾曲収差量C
fmよりも大きな値となり、走査位置及び各走査位置にお
ける主走査像面湾曲収差量によらずに、何れの発光点か
らの光束についても焦点を合わせることができる。
【0019】請求項6記載のマルチビームスキャナは、
前記課題を解決するために、請求項5記載のマルチビー
ムスキャナにおいて、前記発光素子の発光面が、前記光
集束手段の光軸に垂直な面に対してなす角度をφ、前記
発光面内での前記複数の発光点の隔たり量をΔpとする
とき、前記複数の発光点の主走査方向に発散する中心位
置の深度方向における隔たり量Δzmを、Δzmcosφ
+Δpsinφで置き換えたことを特徴とする。
【0020】請求項6記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子の発光面が、前記光集束手段の光軸
に垂直な面に対して角度φで傾きを有している場合で
も、前記複数の発光点の主走査方向に発散する中心位置
の深度方向における隔たり量Δzmを前記光軸に対して
投影した値Δzmcosφと、前記発光面内での前記複
数の発光点の隔たり量Δpを前記光軸に対して投影した
値Δpsinφとを加え合わせ、Δzmcosφ+Δp
sinφを請求項5におけるΔzmと置き換えるので、
前記複数の発光点に対応する主走査焦点深度の各走査位
置における重ね合わせの範囲を正確に算出することがで
き、走査位置及び各走査位置における主走査像面湾曲収
差量によらずに、何れの発光点からの光束についてもよ
り一層確実に焦点を合わせることができる。
【0021】請求項7記載の画像形成装置は、前記課題
を解決するために、請求項1ないし6のいずれか1記載
のマルチビームスキャナと、前記被照射体として回転駆
動される感光体とを備え、該感光体上に前記光束を順次
照射することにより画像を露光して形成することを特徴
とする。
【0022】請求項7記載の画像形成装置によれば、請
求項1ないし6のいずれか1記載のマルチビームスキャ
ナによって、前記被照射体として回転駆動される感光体
上に光束が順次照射されると、マルチビームスキャナの
光学系に像面湾曲収差が存在する場合でも、複数の発光
点からの全ての光束について走査位置によることなく感
光体上で焦点を合わせることができ、良好な露光を行う
ことができる。その結果、高品質の画像が形成されるこ
とになる。
【0023】請求項8記載の画像形成装置は、前記課題
を解決するために、請求項7記載の画像形成装置におい
て、前記感光体の位置は、前記複数の発光点に対応する
焦点深度と像面湾曲とを重ね合わせた場合の略中点に配
置されていることを特徴とする。
【0024】請求項8記載の画像形成装置によれば、前
記感光体の位置は、前記複数の発光点に対応する焦点深
度と像面湾曲とを重ね合わせた場合の略中点に配置され
ているので、コリメートレンズや走査レンズ等の光学素
子に取り付け誤差が発生した場合や、環境変動で光学素
子の屈折力が変化した場合でも、前記感光体上に焦点の
合った光束を確実に照射させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて説明する。以下の説明は、現像装
置を含む画像形成装置に対して本発明を適用した場合の
実施形態である。まず、本実施形態における画像形成装
置全体の概要について説明する。
【0026】(画像形成装置全体の概要)図1は、本発
明を適用した画像形成装置としてのレーザビームプリン
タ1の概略構成を示す断面図である。図1において、レ
ーザビームプリンタ1は、本体ケース2の底部に、図示
しない用紙を給紙するフィーダユニットを備えている。
フィーダユニットは、図示しないバネによって押圧され
る用紙押圧板10と、給紙ローラ11と、摩擦分離部材
14とを備え、用紙押圧板10により用紙を給紙ローラ
11に押圧し、給紙ローラ11の回転により給紙ローラ
11と摩擦分離部材14との間で最上位の用紙を分離し
て所定のタイミングで用紙の供給を行う。
【0027】図1の矢印方向に回転する前記給紙ローラ
11の回転による用紙搬送方向の下流側には、1対のレ
ジストローラ12及び13が回転可能に枢支され、後述
する感光ドラム20と転写ローラ21によって形成され
る転写位置へ所定のタイミングで用紙を搬送する。
【0028】被照射体としての感光ドラム20は、例え
ば、正帯電性のポリカーボネイトを主成分とする有機感
光体からなり、円筒スリーブを接地した状態で、本体ケ
ース2に回転自在に枢支される。また、図示しない駆動
手段により矢印方向に回転駆動される。
【0029】帯電器30は、例えば、タングステンなど
からなる帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯
電用のスコロトロン型の帯電器から構成される。
【0030】マルチビームスキャナ40は、感光ドラム
20上に静電潜像を形成する為のレーザ光Lを発生する
発光素子としてのレーザダイオード(図2及び図3参
照)と、回転駆動される走査手段としてのポリゴンミラ
ー41と、光集束手段としてのfθレンズ42及びトー
リックレンズ45と、反射ミラー43,44及び46と
を含んで構成されている。詳しくは後述する。
【0031】現像器カートリッジ50は、ケース51内
にトナー収容室52が形成され、トナー収容室52内に
は、アジテータ53と、清掃部材54と、遮光部材80
とが回転軸55の周りに回転自在に設けられている。こ
のトナー収容室52内には、非磁性1成分現像剤として
のトナーが収容される。トナー収容室52の側壁には光
透過窓56が設けられている。また、感光ドラム20側
には、開口部Aによってトナー収容室52と連通し現像
を行う現像室57が形成され、供給ローラ58と現像ロ
ーラ59が回転可能に枢支される。現像ローラ59上の
トナーは、薄い板状の弾性を有する層厚規制ブレード6
4により所定の層厚に規制され、現像に供される。
【0032】転写ローラ21は、回転自在に枢支され、
シリコーンゴムやウレタンゴムなどからなる導電性を有
する発泡弾性体から構成される。転写ローラ21は、印
加される電圧により、感光ドラム20上のトナー画像を
用紙に確実に転写するように構成されている。
【0033】定着ユニット70は、レジストローラ12
及び13から感光ドラム20と転写ローラ21との圧接
部に至る用紙の搬送方向の更に下流側に設けられ、加熱
用ローラ71と押圧ローラ72を備える。用紙に転写さ
れたトナー画像は加熱用ローラ71と押圧ローラ72と
によって搬送される間に加熱されつつ押圧されて用紙に
定着される。
【0034】用紙搬送用の1対の搬送ローラ73及び排
紙ローラ74は、定着ユニット70の搬送方向下流側に
夫々設けられており、排紙ローラ74の下流側には排紙
トレイ75が設けられている。
【0035】以上のような本実施形態のレーザビームプ
リンタ1において、感光ドラム20の表面が帯電器30
により一様に帯電され、マルチビームスキャナ40から
画像情報に従って変調されたレーザ光Lが副走査位置の
異なる複数のラインに照射されると、感光ドラム20の
表面には高速に静電潜像が形成される。この静電潜像
は、現像器カートリッジ50によってトナーで可視像化
され、感光ドラム20上に形成された可視像は感光ドラ
ム20によって転写位置へと搬送される。転写位置にお
いては、給紙ローラ11及びレジストローラ12及び1
3を介して用紙が供給され、前記可視像は転写ローラ2
1によって印加される転写バイアスにより、用紙に転写
される。なお、転写後に感光ドラム20上に残ったトナ
ーは、現像ローラ59によって現像室57に回収され
る。
【0036】次に、用紙は定着ユニット70に搬送さ
れ、定着ユニット70の加熱用ローラ71と押圧ローラ
72によって挟持搬送され、用紙上の可視像は加圧及び
加熱され、用紙上に定着される。そして、用紙は一対の
搬送ローラ73及び排紙ローラ74によりレーザビーム
プリンタ1上部の排紙トレイ75に排出され、画像形成
動作が終了する。
【0037】(マルチビームスキャナの構成)次に、以
上のようなレーザービームプリンタ1におけるマルチビ
ームスキャナ40の構成について、図2及び図3を用い
て詳しく説明する。図2は当該マルチビームスキャナ4
0のコリメート部の構成を説明するための図、図3は当
該マルチビームスキャナ40全体の光学系の構成を説明
するための図である。なお、図1に示すように、本実施
形態においては、プリンタ装置構成上折り返しミラーを
配置したが、図3に示す光学系モデルとの間で基本構成
要素に変化はない。
【0038】図2に示すように、本実施形態のマルチビ
ームスキャナ40は、複数個の光源を有するレーザーダ
イオード90と、カバーガラス91と、レーザーダイオ
ード90からの複数個の光ビームを各々略平行光束にす
るコリメータレンズ92と、光束を絞るためのスリット
93とを備えている。
【0039】更に、本実施形態のマルチビームスキャナ
40は、図3に示すように、前記スリット93から射出
される光束を副走査方向だけに絞り、ポリゴンミラー4
1の面倒れ補正を行う蒲鉾形状のシリンドリカルレンズ
94と、光束を主走査方向に偏向走査するポリゴンミラ
ー41と、fθレンズ42及びトーリックレンズ45か
らなる走査レンズとを備えている。
【0040】以上のような本実施形態のマルチビームス
キャナ40に用いるレーザーダイオード90は、図4に
示すようなモノリシック構造のもの、あるいは図5に示
すようなディスクリート構造のものの何れも使用可能で
あるが、何れの場合も、二つの発光点ch1,ch2は
発光面から内部に入り込んだ位置になっている。更に、
製造上のばらつきから、二つの発光点ch1,ch2の
位置はΔZの隔たりを生じている。
【0041】その結果、ビームスポットサイズの極小値
であるビームウエストの位置は、二つの発光点ch1と
ch2との間で、図6に示すように、感光体20上の被
走査面付近において焦点深度方向にΔSの隔たりを生ず
ることになる。従って、何れの発光点ch1,ch2か
らのビームについても感光体20上の被走査面上で結像
していると言えるためには、焦点深度deから前記隔た
り量ΔSを引いた値、即ちそれぞれの発光点に対応する
被走査位置における焦点深度の重ね合わせの範囲de
ΔSが正の値であれば良いことになる。
【0042】更に、図6に示すように、前記ビームウエ
ストの位置は、主走査方向の位置によってずれがあり、
像面湾曲が生じている。本実施形態のマルチビームスキ
ャナ40における全走査位置に対する像面湾曲の様子を
図7に示す。このような像面湾曲が生じている場合に
は、前記被走査位置における焦点深度の重合わせの範囲
e−ΔSが狭いと、主走査方向の位置によっては、こ
の焦点深度の重合わせの範囲de−ΔSが感光体20の
表面位置からずれてしまい、感光体20上でビームが結
像しないことになってしまう。つまり、主走査方向の位
置によらずに前記ビームが感光体20上の被走査面上で
結像していると言えるためには、前記被走査位置におけ
る焦点深度の重ね合わせの範囲de−ΔSから、更に像
面湾曲量Cfを差し引いた値、即ちde−ΔS−Cfが正
の値であれば良いことになる。
【0043】ここで、前記ビームウエストの位置の焦点
深度方向における隔たり量、即ち焦点の隔たり量ΔS
は、縦倍率をα、図4に示す発光点ch1とch2の隔
たり量をΔZとすると、
【0044】
【数1】ΔS=α・ΔZ で表すことができる。従って、何れの発光点からのビー
ムについても主走査方向の位置によらずに感光体20上
の被走査面上で結像していると言えるためには、
【0045】
【数2】de−(ΔS+Cf)>0 即ち、
【0046】
【数3】de−(α・ΔZ+Cf)>0 であれば良いのであるから、
【0047】
【数4】de>(α・ΔZ+Cf) となり、焦点深度deが(α・ΔZ+Cf)で表される量
よりも大きくなるように光学系の設計を行うことによ
り、何れの発光点からのビームについても像面湾曲に拘
わらず感光体20上の被走査面上で微小スポットとして
結像させることができる。
【0048】そこで、本実施形態においては、前記焦点
深度deの値を決定する要因として、像側の開口数NA
に着目し、この開口数NAを調節することにより、所望
の焦点深度deの値を得るようにした。ここで、像側の
開口数NAとは、感光体20側から見た時のビームの拡
がりの角度を示す値であり、主走査方向のNAmと、副
走査方向のNASがある。図8(A)に示すように、コ
リメータレンズ42に入射されるビームの主走査方向の
幅をDmとし、コリメータレンズ42の主平面から感光
体20の表面までの主走査方向の距離をlmとすると
き、主走査方向のNAmは、
【0049】
【数5】NAm=Dm/2lm で表すことができる。
【0050】また、副走査方向のNASについては、図
8(B)に示すように、コリメータレンズ42に入射さ
れるビームの副走査方向の幅をDsとし、コリメータレ
ンズ24の主平面から感光体20の表面までの副走査方
向の距離をlsとするとき、副走査方向のNAsは、
【0051】
【数6】NAs=Ds/2ls で表すことができる。
【0052】従って、コリメートレンズ42の後方に配
置されたスリット93によってビームの幅を調整するこ
とにより、主走査方向のNAm及び副走査方向のNAS
値を変化させることができる。
【0053】次に、以上のような像側の開口数NAと、
前記焦点深度deとの関係について説明する。
【0054】焦点深度deとは、焦点はずれの値の範囲
のうち、良好に像が形成できる範囲として許容される範
囲を言うが、この焦点はずれの値の範囲は、波面収差量
としても捉えることができる。これは、正しく焦点が合
う位置から像点がはずれると、波面収差が発生するため
である。ここで、波面収差を説明するために、図9に示
すような座標系を考える。図9は、簡単のために像点が
軸上にあるものとし、この基準像点Pと光線Bが参照球
面を切る点Aとを結ぶ直線APと、光軸とがなす角を
θ、A点を通り光軸を含む平面と子午面(yz面)との
なす角をψとし、波面収差Wを(θ,ψ)で表す。この
座標系の原点Eは主光線が像側で光軸を切る点であると
すれば、ξη面は射出瞳の平面である。η軸が子午面内
にあるものとする。なお、像面の座標系は(x,y,
z)であり、光軸がz軸、yz面が子午面とする。
【0055】ここで、像面における波面収差量をW’、
光学系が元来有している収差量である残存波面収差量を
0、像点移動による波面収差量をδWとすると、波面
収差量W’は、残存波面収差量W0と波面収差量δWの
線型和で得られ、
【0056】
【数7】W’=W0+δW となる。
【0057】波面収差量δWは、更に焦点はずれ、即ち
光軸方向の像点の変位zによる波面収差量δWLと、子
午面内で光軸と垂直な方向の変位yに対する波面収差の
変化をδWTとすると、
【0058】
【数8】δW=δWL+δWT で表される。
【0059】波面収差量δWLは、
【0060】
【数9】δWL=−pz =−(1−cosθ)・z =−(sin2θ/2)・z =−(NA2/2)・z となる。一方、波面収差量δWTは、
【0061】
【数10】δWT=−ysinθcosψ =−yNAcosψ となる。従って、両方の移動が同時にされる場合は、波
面収差量の変化を表す式は、
【0062】
【数11】δW=δWL+δWT =−(NA2/2)・z−yNAcosψ と表すことができる。
【0063】本実施形態におけるマルチビームスキャナ
40においては、走査レンズ側から感光体20を見た場
合に、図10のように発光点ch1,ch2に対する像
点が角度φで表される位置のずれを生じており、更に光
軸方向におけるずれを生じるので、前記のような波面収
差量の変化を求める式を適用することにより、波面収差
が最小となる像点を得る条件を算出することができる。
【0064】なお、図10において、x軸方向のずれ量
に対し、y軸方向のずれ量は微小な値であり、ほぼψ=
0゜とすることができる。従って、前記δWT
【0065】
【数12】δWT=−yNA とすることができるので、波面収差量の変化を表す式
は、
【0066】
【数13】δW=−(NA2/2)・z−yNA と表すことができる。従って、前記(7)式より、波面
収差量W’は、
【0067】
【数14】W’=W0+δWL+δWT =W0−(NA2/2)・z−yNA と表すことができる。
【0068】そして、このような式を用いれば、像点が
移動した場合の強度分布を求めることができる。一般
に、光学系において像の良否の目安を示すものとして
は、中心強度の低下量を表すシュトレールのディフィニ
ション(Strehl definition:SD)が用いられる。正
しく焦点のあった位置での強度をI0とすると、焦点は
ずれの中心強度IがI0の80%であれば、ほぼ理想的
なレンズとみなせるとされている。この時の焦点はずれ
の値の範囲が、理想的なレンズの焦点深度となる。
【0069】また、この80%以上のディフィニション
SDを与える波面収差は、1/4波長以内であれば良い
ことが知られている。これは、レイリーの限界(Raylei
gh Limit)として極めて有名な基準である。
【0070】そこで、上記(14)式において、W’を
λ/4とし、この時の光軸方向のずれ量をz0とする
と、
【0071】
【数15】λ/4=W0−(NA2/2)・z0−yNA と表すことができる。この式を変形すると、
【0072】
【数16】−z0=(λ/2NA2)+(2y/NA)−
(2W0/NA2) の関係が得られる。ここで、焦点深度deは2|z0|に
より与えられるので、焦点深度deは、
【0073】
【数17】de=2|z0|=2((λ/2NA2)+
(2y/NA)−(2W0/NA2)) と表すことができる。
【0074】従って、上記(4)式により、
【0075】
【数18】de>(α・ΔZ+Cf) であるから、
【0076】
【数19】2((λ/2NA2)+(2y/NA)−
(2W0/NA2))>(α・ΔZ+Cf) の関係式が成り立つ。この関係式から、像側NAを小さ
くする程、左辺の値、即ち焦点深度deの値が大きくな
り、像側NAを大きくする程、焦点深度deの値が小さ
くなることが判る。従って、この式を満たすようにNA
の調節を行うことにより、像面湾曲を考慮した焦点深度
の重ね合わせの範囲de−ΔS−Cfを常に正にすること
ができる。
【0077】更に、本実施形態においては、感光体20
の位置が、当該感光体20上の被走査位置における焦点
深度と像面湾曲との重ね合わせの範囲de−ΔS−Cf
略中点になるように構成されている。従って、コリメー
トレンズや走査レンズ等の光学素子に取り付け誤差が発
生した場合や、環境変動で光学素子の屈折力が変化した
場合であっても、感光体20の位置が前記重ね合わせの
範囲de−ΔS−Cfから外れてしまうことをより一層確
実に防止することができる。
【0078】本実施形態のレーザービームプリンタ1
は、以上のように構成されているので、図7に示すよう
に、−110mm〜110mmの走査位置の全範囲にお
いて、de−(α・ΔZ+Cf)は正の値を保っており、
走査位置によらずに感光体20上の被走査面上で微小ス
ポットとして結像可能であることが確認された。なお、
図7における走査位置は感光体20の中心位置を0と
し、図6で走査方向を示す矢印の始端側をマイナス側、
終端側をプラス側として表したものである。
【0079】その結果、本実施形態のレーザービームプ
リンタ1によれば、副走査方向位置の異なる二つの走査
ラインを、主走査方向の全域において焦点の合った微小
スポットにより走査することができるので、高品質の画
像を高速で形成することができる。 (第2の実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図1
1及び図12に基づいて説明する。なお、第1の実施形
態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】レーザーダイオード90は、図11に示す
ように、キャップ90Bで覆われたレーザー素子90A
及びPIN受光素子90C等がステム90D上に取り付
けられた構造となっている。従って、ステム90Dの取
り付け方如何によっては、レーザー素子90Aの発光面
が、図4及び図5に示すように前記コリメータレンズ等
の光軸に垂直な面に対してある角度φを有することにな
る。
【0081】この時、前記複数の発光点ch1,ch2
の位置の深度方向における隔たり量Δzの前記光軸に対
して投影される大きさは、図12に示すようにΔzco
sφとなる。更に、レーザダイオード90の発光面内で
の前記複数の発光点ch1,ch2の隔たり量をΔpと
すると、隔たり量Δpの前記光軸に対して投影される大
きさは図12に示すようにΔpsinφとなる。
【0082】従って、前記関係式において使用した前記
複数の発光点の位置の深度方向における隔たり量Δzの
代わりに、Δzcosφ+Δpsinφを用いると、
【0083】
【数20】2((λ/2NA2)+(2y/NA)−
(2W0/NA2))>(α・(Δzcosφ+Δpsi
nφ)+Cf) と表すことができる。
【0084】本実施形態では、この関係式を用いて光学
系の設計を行うことにより、レーザー素子が光軸に対し
て傾きを有している場合でも、前記被走査位置における
焦点深度の重ね合わせの範囲を正確に前記範囲に収める
ことができる。 (第3の実施形態)次に、本発明の第3の実施形態につ
いて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所には
同一符号を付して説明を省略する。
【0085】上述したマルチビームスキャナ40の光学
系においては、副走査方向の焦点深度は深いという特性
を有している。一方、主走査方向の焦点深度は、上述し
たように縦倍率、像面湾曲、あるいはレーザー素子の光
軸に対する傾き等によって影響を受け易いという性質を
有している。従って、主走査方向の焦点深度に着目して
前記被走査位置における焦点深度の重ね合わせの範囲の
関係を満たせば、一般的には副走査方向も満たすという
ことができる。
【0086】そこで、本実施形態では、特に、主走査像
側開口数をNAm、複数の発光点ch1,ch2の主走
査方向に発散する中心位置の深度方向における隔たり量
をΔzm、光学系の主走査縦倍率をαm、光学系の主走査
像面湾曲収差量をCfmとして、
【0087】
【数21】2((λ/2NAm 2)+(2y/NAm)−
(2W0/NAm 2))>(αm・Δzm+Cfm) という関係式によって表すこととした。主走査像側NA
mがこのように関係を満たせば、何れの発光点ch1,
ch2からのビームについても主走査方向において、主
走査方向の像面湾曲に拘わらず感光体20上の被走査面
上で微小スポットとして結像させることができる。そし
て、このような関係式を満たせば、副走査方向において
も感光体20上の被走査面を焦点深度内に納めることが
できるので、主走査方向及び副走査方向の何れにおいて
も焦点の合ったビームにより高速な走査を行うことがで
きる。
【0088】なお、第3の実施形態において、Δzm
代わりに、Δzmcosφ+Δpsinφを用いること
により、レーザー素子の光軸に対する傾きがある場合で
も正確な光学設計が可能となるのは言うまでもない。な
お、ここでΔpmとは、レーザダイオード90の発光面
内での前記複数の発光点ch1,ch2の主走査方向で
の隔たり量である。
【0089】以上、実施形態に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載のマルチビームスキャナに
よれば、前記発光素子を、複数の発光点の位置に深度方
向の隔たりを設けた発光素子とし、前記光学系の像側N
Aを、前記複数の発光点に対応する焦点深度の各走査位
置における重ね合わせの範囲が、正になるように設定し
たので、各焦点深度の範囲を各走査位置にて重ね合わせ
た時に有効な範囲内に前記被照射体の被照射面を位置さ
せることができ、走査位置によらず、何れの発光点から
の光束についても焦点を合わせることができる。
【0091】請求項2記載のマルチビームスキャナによ
れば、焦点深度deと、波長λと、光学系の残存波面収
差量W0と、像高yとの間には、de=2(λ/2NA2
+2y/NA−2W0/NA2)の関係があり、更に複数
の発光点の位置の深度方向における隔たり量Δzと、光
学系の縦倍率αと、光学系の像面湾曲収差量Cfと、前
記各値との間には、2(λ/2NA2+2y/NA−2
0/NA2)>α・Δz+Cfという関係があるので、
前記複数の発光点に対応する焦点深度の各走査位置にお
ける重ね合わせの範囲である(de−α・Δz)は、常
に像面湾曲収差量Cfよりも大きな値となり、走査位置
及び各走査位置における像面湾曲収差量によらずに、何
れの発光点からの光束についても焦点を合わせることが
できる。
【0092】請求項3記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子の発光面が、前記光集束手段の光軸
に垂直な面に対して角度φで傾きを有している場合で
も、前記複数の発光点の位置の深度方向における隔たり
量Δzを前記光軸に対して投影した値Δzcosφと、
前記発光面内での前記複数の発光点の隔たり量Δpを前
記光軸に対して投影した値Δpsinφとを加え合わ
せ、Δzcosφ+Δpsinφを請求項2におけるΔ
zと置き換えるので、前記複数の発光点に対応する焦点
深度の各走査位置における重ね合わせの範囲を正確に算
出することができ、走査位置及び各走査位置における像
面湾曲収差量によらずに、何れの発光点からの光束につ
いてもより一層確実に焦点を合わせることができる。
【0093】請求項4記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子を、複数の発光点の主走査方向に発
散する中心位置に、深度方向の隔たりを設けた発光素子
とし、前記光学系の主走査像側NAmを、前記複数の発
光点に対応する主走査方向の焦点深度の各走査位置にお
ける重ね合わせの範囲が、正になるように設定したの
で、各焦点深度の範囲を各走査位置にて重ね合わせた時
に有効な範囲内に前記被照射体の被照射面を位置させる
ことができ、主走査方向の走査位置によらず、何れの発
光点からの光束についても焦点を合わせることができ
る。また、一般に、主走査方向の焦点深度の範囲内に被
照射体の被照射面を位置させることができれば、ポリゴ
ンミラーより上流にあるシリンドリカルレンズを光軸方
向に位置を合わせることで、副走査方向において、焦点
深度の範囲内に被照射体の被照射面を位置させることが
できるので、結局、何れの走査方向においても、走査位
置によらず、何れの発光点からの光束についても焦点を
合わせることができる。
【0094】請求項5記載のマルチビームスキャナによ
れば、主走査焦点深度demと、主走査像側NAmと、波
長λと、光学系の残存波面収差量W0と、像高yとの間
には、dem=2(λ/2NAm 2+2y/NAm−2W0
NAm 2)の関係があり、更に複数の発光点の主走査方向
に発散する中心位置の深度方向における隔たり量Δzm
と、光学系の主走査縦倍率αmと、光学系の主走査像面
湾曲収差量Cfmと、前記各値との間には、2(λ/2N
m 2+2y/NAm−2W0/NAm 2)>αm・Δzm+C
fmという関係があるので、前記複数の発光点に対応する
焦点深度の各走査位置における重ね合わせの範囲である
(dem−αm・Δzm)は、常に主走査像面湾曲収差量C
fmよりも大きな値となり、走査位置及び各走査位置にお
ける主走査像面湾曲収差量によらずに、何れの発光点か
らの光束についても焦点を合わせることができる。
【0095】請求項6記載のマルチビームスキャナによ
れば、前記発光素子の発光面が、前記光集束手段の光軸
に垂直な面に対して角度φで傾きを有している場合で
も、前記複数の発光点の主走査方向に発散する中心位置
の深度方向における隔たり量Δzmを前記光軸に対して
投影した値Δzmcosφと、前記発光面内での前記複
数の発光点の隔たり量Δpを前記光軸に対して投影した
値Δpsinφとを加え合わせ、Δzmcosφ+Δp
sinφを請求項5におけるΔzmと置き換えるので、
前記複数の発光点に対応する主走査焦点深度の各走査位
置における重ね合わせの範囲を正確に算出することがで
き、走査位置及び各走査位置における主走査像面湾曲収
差量によらずに、何れの発光点からの光束についてもよ
り一層確実に焦点を合わせることができる。
【0096】請求項7記載の画像形成装置によれば、請
求項1ないし6のいずれか1記載のマルチビームスキャ
ナによって、前記被照射体として回転駆動される感光体
上に光束が順次照射されると、マルチビームスキャナの
光学系に像面湾曲収差が存在する場合でも、複数の発光
点からの全ての光束について走査位置によることなく感
光体上で焦点を合わせることができ、良好な露光を行う
ことができる。その結果、高品質の画像を高速に形成す
ることができる。
【0097】請求項8記載の画像形成装置によれば、前
記感光体の位置は、前記複数の発光点に対応する焦点深
度と像面湾曲とを重ね合わせた場合の略中点に配置され
ているので、コリメートレンズや走査レンズ等の光学素
子に取り付け誤差が発生した場合や、環境変動で光学素
子の屈折力が変化した場合でも、前記感光体上に焦点の
合った光束を確実に照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成装置の概
略構成を示す断面図である。
【図2】図1のマルチビームスキャナのコリメート部を
示す斜視図である。
【図3】図1のマルチビームスキャナの全体構成を模式
的に示す斜視図である。
【図4】図1のマルチビームスキャナにおける半導体レ
ーザーの構造及び発光点を示す斜視図である(その
1)。
【図5】図1のマルチビームスキャナにおける半導体レ
ーザーの構造及び発光点を示す斜視図である(その
2)。
【図6】図1のマルチビームスキャナにおけるビームウ
エスト断面を示す図である。
【図7】図1のマルチビームスキャナにおける像面湾曲
を説明するための図である。
【図8】(A)は図1のマルチビームスキャナにおける
主走査方向のNAを説明するための図、(B)は図1の
マルチビームスキャナにおける副走査方向のNAを説明
するための図である。
【図9】図1のマルチビームスキャナにおいて波面収差
を説明するための図である。
【図10】図1のマルチビームスキャナにおいて走査レ
ンズ側から感光体側を見た場合の像点の位置のずれを説
明する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態におけるマルチビー
ムスキャナの半導体レーザーの構造を示す斜視図であ
る。
【図12】光軸に投影した発光点の隔たりを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 レーザビームプリンタ 2a プロセスカートリッジ 40 マルチビームスキャナ 41 ポリゴンミラー 42 fθレンズ 45 トーリックレンズ 90 半導体レーザー 92 コリメータレンズ 93 スリット 94 シリンドリカルレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 豊 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内 Fターム(参考) 2C362 AA45 BA56 BA58 BA86 BB14 CB59 DA04 2H045 AA01 BA22 BA23 BA32 CB02 DA02 5C072 AA03 BA15 DA02 HA02 HA06 HA13 RA11 XA01 XA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発光点から光ビームを放射する発
    光素子と、該発光素子から放射された光ビームを、それ
    ぞれ偏向させて被照射体上の複数ラインを主走査させる
    と共に、該被照射体上を副走査して順次照射する走査手
    段と、前記発光素子と前記走査手段との間及び前記走査
    手段と前記被照射体との間に配置された光集束手段とを
    備え、前記発光素子と前記光集束手段と前記走査手段と
    からなる光学系が像面湾曲収差を有するマルチビームス
    キャナであって、 前記発光素子は、前記複数の発光点の位置に、深度方向
    の隔たりを設けており、 前記光学系の像側NAは、前記複数の発光点に対応する
    各走査位置における焦点深度の重ね合わせの範囲が、正
    になるように設定されていることを特徴とするマルチビ
    ームスキャナ。
  2. 【請求項2】 複数の発光点の位置の深度方向における
    隔たり量をΔz、光学系の縦倍率をα、光学系の像面湾
    曲収差量をCf、光学系の残存波面収差量をW0、波長を
    λ、像高をyとすると、前記隔たり量Δzは、 2(λ/2NA2+2y/NA−2W0/NA2)>α・
    Δz+Cf という関係式で、像側NAと関係付けられることを特徴
    とする請求項1記載のマルチビームスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記発光素子の発光面が、前記光集束手
    段の光軸に垂直な面に対してなす角度をφ、前記発光面
    内での前記複数の発光点の隔たり量をΔpとするとき、
    前記複数の発光点の位置の深度方向における隔たり量Δ
    zを、 Δzcosφ+Δpsinφ で置き換えたことを特徴とする請求項2記載のマルチビ
    ームスキャナ。
  4. 【請求項4】 複数の発光点から光ビームを放射する発
    光素子と、該発光素子から放射された光ビームを、それ
    ぞれ偏向させて被照射体上の複数ラインを主走査させる
    と共に、該被照射体上を副走査して順次照射する走査手
    段と、前記発光素子と前記走査手段との間及び前記走査
    手段と前記被照射体との間に配置された光集束手段とを
    備え、前記発光素子と前記光集束手段と前記走査手段と
    からなる光学系が像面湾曲収差を有するマルチビームス
    キャナであって、 前記発光素子は、前記複数の発光点の主走査方向に発散
    する中心位置に、深度方向の隔たりを設けており、 前記光学系の主走査像側NAmは、前記複数の発光点に
    対応する各走査位置における焦点深度の重ね合わせの範
    囲が、正になるように設定されていることを特徴とする
    マルチビームスキャナ。
  5. 【請求項5】 複数の発光点の主走査方向に発散する中
    心位置の深度方向における隔たり量をΔzm、光学系の
    主走査縦倍率をαm、光学系の主走査像面湾曲収差量を
    fm、光学系の残存波面収差量をW0、波長をλ、像高
    をymとすると、前記隔たり量Δzmは、 2(λ/2NAm 2+2ym/NAm−2W0/NAm 2)>
    αm・Δzm+Cfm という関係式で、主走査像側NAmと関係付けられるこ
    とを特徴とする請求項4記載のマルチビームスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記発光素子の発光面が、前記光集束手
    段の光軸に垂直な面に対してなす角度をφ、前記発光面
    内での前記複数の発光点の隔たり量をΔpとするとき、
    前記複数の発光点の主走査方向に発散する中心位置の深
    度方向における隔たり量Δzmを、 Δzmcosφ+Δpsinφ で置き換えたことを特徴とする請求項5記載のマルチビ
    ームスキャナ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1記載のマ
    ルチビームスキャナと、前記被照射体として回転駆動さ
    れる感光体とを備え、該感光体上に前記光ビームを順次
    照射することにより画像を露光して形成することを特徴
    とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記感光体の位置は、前記複数の発光点
    に対応する焦点深度と像面湾曲とを重ね合わせた場合の
    略中点に配置されていることを特徴とする請求項7記載
    の画像形成装置。
JP33420799A 1999-11-25 1999-11-25 マルチビームスキャナ及びそれを備えた画像形成装置 Pending JP2001154128A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010134430A (ja) * 2008-11-10 2010-06-17 Canon Inc 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2010168299A (ja) * 2009-01-21 2010-08-05 Ezaki Glico Co Ltd セラックを有効成分とする抗菌剤及びこれを含有する抗菌性組成物

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