JP2001154088A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2001154088A
JP2001154088A JP33629399A JP33629399A JP2001154088A JP 2001154088 A JP2001154088 A JP 2001154088A JP 33629399 A JP33629399 A JP 33629399A JP 33629399 A JP33629399 A JP 33629399A JP 2001154088 A JP2001154088 A JP 2001154088A
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distance
area
distance measurement
subject
distance measuring
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JP33629399A
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Takashi Kindaichi
剛史 金田一
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】更に、測距エリアの決定に際して、被写体存在
確率に依存する所定のフィルタ演算を行うことで、雑被
写体対策とする測距装置を提供する。 【解決手段】本発明は、被写界内部に複数の測距可能エ
リアを有するカメラの測距装置であって、視差を有する
光学系によって結像される対の被写界像をそれぞれ受光
して、対の被写界像信号を出力する受光素子4a,4b
と、この受光素子4a,4から出力される対の像信号の
差を求め、この差信号を入力とする補正演算を行い、そ
出力に基づいて、上記測距可能エリアから測距対象エリ
アを選択する制御部11とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、銀塩カメ
ラやデジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に用い
られる測距装置に係り、特に撮影画面内の複数箇所の被
写体距離を測距する所謂マルチオートフォーカス(以
下、マルチAFと称する)を実現する測距装置に係り、
特に全画面AF等のマルチAFの中でも広範囲の測距領
域を有することを特徴とした測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、カメラ等の撮像装置では、測距装
置でマルチAFを実施するものが一般的になってきてい
る。また、撮影画面内の3点又は5点、7点の被写体距
離を測距する測距装置を搭載したカメラは、低価格機種
でも製品化されている。
【0003】上記マルチAFは、測距エリアを直線上に
配置した一次元マルチAFであるが、最近は二次元マル
チAF、エリアAFの製品化の兆しが見えている。
【0004】その一例を挙げると、例えば図22に示さ
れるように、ファインダ視野16に対して45点もの測
距エリア17を設けたエリアAF機能を有する測距装置
を搭載したカメラが製品化され、市場にも出回っている
のが実状である。
【0005】このような従来技術に係るマルチAFで
は、測距エリア数が増加した分だけ測距演算の如き複雑
な演算を繰り返し実行しなければならないことに鑑み、
そのようなタイムラグを改善する為の種々の発明が提案
されている。
【0006】例えば、特開平2−158705号公報で
は、先ず被写体の複数箇所を高精度ではなく粗く測距す
る第1測距モードで複数の被写体距離情報を取得し、そ
の中から最至近距離に相当する被写体距離を示す被写体
を選択し、この選択した被写体のみ高精度の第2測距モ
ードで測距することで、上述したようなタイムラグを改
善することを特徴とした技術が開示されている。
【0007】さらに、特開昭63−131019号公報
では、アクティブ方式のAFで、投光光線の反射光量が
最も多いところに最至近の主要被写体が存在すると推定
することを基本概念とし、反射光量の少ない部分に関し
ては測距演算を省くことで、上述したようなタイムラグ
を改善する技術が開示されている。
【0008】しかしながら、上記従来技術に係るAF方
式は、いずれもアクティブ方式を採用している為、タイ
ムラグ対策において高い効果をあげることができるが、
全画面AF等を実施しようとすると、投光素子の集りや
受光素子の集りは巨大化を避けられず、実用化に向けて
は高い障壁があった。
【0009】これに対して、パッシブ方式であれば、受
光素子の微細化は、アクティブ方式の投受光素子の微細
化よりも、遙かに進歩しており、上記実用化に向けての
障壁はないので、どちらかと言えば、全画面AF等の広
範囲マルチAFには、パッシブ方式が好都合であるとい
える。
【0010】かかる点に鑑みて、特開昭62−1036
15号公報では、複数の測距エリアに対して粗く相関演
算を行い、その結果に基づき測距エリアを1つ選択し、
この選択した測距エリアのみ高精度の相関演算を行い、
パッシブ方式下でタイムラグを改善することを特徴とす
る技術が開示されている。
【0011】しかしながら、粗い相関演算といっても、
演算に用いるセンサデータを1つおきとする等、その手
段はセンサデータを間引くことであり、相関演算が省略
できるわけではない。従って、タイムラグ対策の効率は
アクティブ方式の方がパッシブ方式よりも高いか、同等
であるといえる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】全画面AF等の広範囲
マルチAFを実施しようとすると、タイムラグ対策は必
須条件となるが、従来技術では、現在のところ有効な測
距方式とタイムラグ対策を備えたものは存在しない。
【0013】コストを犠牲にして高速動作する高価なC
PUやマイコンを搭載したタイムラグ対策がなされてい
るのみである。
【0014】従って、従来技術の測距装置は、タイムラ
グ対策が不十分であり、タイムラグが大きいことが欠点
であり、課題であった。
【0015】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、タイムラグが少なく、迅
速で、測距結果の信頼性も高く、高精度且つ安価な測距
装置を提供することにある。更に、測距エリアの決定に
際して、被写体存在確率に依存する所定のフィルタ演算
を行うことで、雑被写体対策とする測距装置を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様では、被写界内部に複数の測距
可能エリアを有するカメラの測距装置であって、視差を
有する光学系によって結像される対の被写界像をそれぞ
れ受光して、対の被写界像信号を出力する受光手段と、
上記受光手段から出力される対の像信号の差を求め、こ
の差信号を入力とする補正演算を行う補正演算手段と、
上記補正演算手段の出力に基づいて、上記測距可能エリ
アから測距対象エリアを選択する測距エリア設定手段
と、を具備し、上記設定された測距エリアに対して所定
の測距演算を行い、一つの測距値を出力するようにした
ことを特徴とする測距装置が提供される。
【0017】第2の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段は、上記差演算手段の出力
値が全て所定値未満である場合、所定の測距可能エリア
を測距演算対象として設定することを特徴とする測距装
置が提供される。
【0018】第3の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段は、選択する測距可能エリ
アの数にカメラの撮影モードに応じた上限値を有するこ
とを特徴とする測距装置が提供される。
【0019】第4の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段は、特定のカメラの撮影モ
ードにおいて、上記測距可能エリアの設定を行わず、所
定の測距可能エリアを測距演算対象として設定すること
を特徴とする測距装置が提供される。
【0020】上記第1乃至第4の態様によれば以下の作
用が奏される。
【0021】即ち、本発明の第1の態様では、受光手段
により視差を有する光学系によって結像される対の被写
界像がそれぞれ受光され、対の被写界像信号が出力さ
れ、補正演算手段により、上記受光手段から出力される
対の像信号の差が求められ、この差信号を入力とする補
正演算が行われ、測距エリア設定手段により、上記補正
演算手段の出力に基づいて、上記測距可能エリアから測
距対象エリアが選択され、上記設定された測距エリアに
対して所定の測距演算が行われ、一つの測距値が出力さ
れる。
【0022】第2の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段により、上記差演算手段の
出力値が全て所定値未満である場合、所定の測距可能エ
リアが測距演算対象として設定される。
【0023】第3の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段により測距エリアを設定す
る際に、選択する測距可能エリアの数にカメラの撮影モ
ードに応じた上限値が設けられる。
【0024】第4の態様では、上記第1の態様におい
て、上記測距エリア設定手段により、特定のカメラの撮
影モードにおいて、上記測距可能エリアの設定を行わ
ず、所定の測距可能エリアが測距演算対象として設定さ
れる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0026】本発明は、測距エリアの決定に際して、被
写体存在確率に依存する所定のフィルタ演算を行うこと
を特徴とするものである。
【0027】図1は本発明の第1の実施の形態に係る測
距装置の構成を示す図である。
【0028】同図に於いて、測距装置の所定位置には、
被写体光、及び補助光の被写体での反射光を集光するた
めの受光レンズ1a,1bが設けられている。
【0029】さらに、上記受光レンズ1a,1bの光路
を確保、分割し、また、不要な外光の光路への進入を防
ぐために筐体2が設けられている。この筐体2は、上述
の目的から、通常は黒色等の濃色で遮光性に優れた材料
で形成されている。
【0030】尚、上記筐体2としては、上述した材料で
形成されたものの他、内部で光の乱反射が生じないよう
に筐体内部に斜勾線を設けたものや、シボ打ち加工が施
されたもの等を採用することができることは勿論であ
る。
【0031】図中、符号3は、オートフォーカス用集積
回路(以下、AFICと称する)である。以下、当該A
FIC3の構成について詳細に説明する。
【0032】このAFIC3の内部には、上記受光レン
ズ1a,1bによって集光された光を受光し、光電変換
する受光素子4a,4bの集合体が設けられている。さ
らに、この受光素子4a,4bで素子毎に光電変換され
た光電流を素子毎に積分するための光電流積分部5が設
けられている。また、AFIC3の内部の各部をリセッ
トするためのリセット部7が設けられている。
【0033】また、図中の符号8は、上記光電流積分部
5に任意の領域を設定し、設定された領域内の光電流の
最大積分量を検出し、最大積分量を一時的にサンプルホ
ールドして、光電流の積分を制御するためのモニタ信号
を出力するためのモニタ信号検出範囲設定とモニタ信号
出力部である。
【0034】この他、AFIC3には、上記光電流積分
部5の積分結果である複数積分量を記憶保持する記憶部
9や、当該モニタ信号検出範囲設定とモニタ信号出力部
8及び記憶部9の内容を外部へ出力する出力部10も設
けられている。
【0035】この出力部10は、その内部に信号を増幅
するための増幅手段を内蔵したものであってもよいこと
は勿論である。尚、上記外部からの制御信号に基づきA
FIC3の内部を制御する役目は制御部11が担い、電
圧源、電流源等の集まりあるバイアス部12より各部に
電源が供給されている。
【0036】一方、被写体に光を照射するための投光光
源14と、当該投光光源14の投光を集光するための投
光レンズ1cも設けられている。この投光光源14は、
ドライバ部15により駆動制御されることになる。
【0037】図中、符号13は、中央演算処理装置(以
下、CPUと称する)である。このCPU13は、上記
各部の制御を行う第1の実施の形態に係る測距装置の中
枢機関に相当する。そして、このCPU13は、測距装
置の制御以外のカメラの諸動作の制御を行うことは勿論
である。このCPU13の機能を測距装置関係に限定す
れば、その概要は、被写体の情報入手と測距演算が主と
なる。なお、この被写体の情報入手、測距演算等の測距
関係の機能は、必ずしもCPU13に属する必要はな
く、AFIC3に内蔵されてもよいことは勿論である。
【0038】以上説明した構成の他、同図においては不
図示ではあるが、測距に必要なデータ、即ち例えば調整
データ等を記憶しておく為の不揮発性メモリたるEEP
ROM等を内蔵させることも可能である。
【0039】以下、図2のフローチャートを参照して、
上記前述した図1の構成の実施の形態に係る測距装置の
動作を詳細に説明する。尚、以下の説明では、図1の構
成を同一符号をもって適宜参照しつつ説明を進める。
【0040】先ず、CPU13は、測距装置初期設定を
行う(ステップS1)。
【0041】即ち、初めにCPU13自体が測距を開始
する為の準備動作を行い、当該準備完了後、測距動作に
入る。CPU13が、制御部11に制御信号を送ると、
当該制御部11がリセット部7を起動する。この起動に
伴って、リセット部7は、光電流積分部5、及びモニタ
信号検出範囲設定とモニタ信号出力部8、記憶部9を、
それぞれリセットする。
【0042】続いて、CPU13は、積分を実行する
(ステップS2)。
【0043】即ち、CPU13は、モニタ信号検出範囲
を設定するための信号を制御部11へ送る。この信号を
受けると、制御部11は、モニタ信号検出範囲を設定す
る。次いで、CPU13は、必要に応じてドライバ部1
5に対し、投光部14を発光させるための信号を送り、
当該投光部14を発光させる。続いて、CPU13は、
制御部11に対して光電流積分を開始するための信号を
出力する。この信号を受けると、制御部11は、光電流
積分部5による光電流積分を開始させる。そして、所定
の動作を実行した後、CPU13は、光電流の積分を終
了させる。
【0044】次いで、センサデータ(左/右)L(m)
及びR(m)を取得する(ステップS3)。
【0045】即ち、CPU13は、上記積分終了後に、
光電流積分部5により積分された複数の光電変換素子毎
の積分量の全てを記憶部9に記憶させる。この記憶部9
に記憶された積分量は、被写体の像信号である。CPU
13は、この像信号を出力部10を介して取得する。C
PU13は、取得したセンサデータの差分データを求
め、また、差分データの最大値と最大値のセンサ上の位
置を検出する。このとき、差分データはΔLR(m)=
L(m)−R(m)であり、ΔLR(m)は、絶対値や
負数の場合、0に丸める等の演算を実施してもよい。
【0046】続いて、CPU13は、上記ステップS3
で検出した最大値と所定値とを大小比較する(ステップ
S4)。ここで、最大値が所定値よりも大きいときは、
主要被写体が有限距離に存在すると推定される場合であ
ると判断し、後述するステップS5に移行する。一方、
最大値が所定値よりも小さい場合は、主要被写体が遠方
に存在し、主要被写体位置を推定不可能な場合であると
判断し、ステップS6に移行する。
【0047】ステップS5では、CPU13は、最大値
のポイントを中心とした所定の領域に測距エリアを設定
する。即ち、図3に示すシーンでは、積分によりセンサ
データが得られ(図4(a),(b)参照)、差分デー
タ(図4(c)参照)とその最大値に基づき、測距エリ
アが設定され(図4(a),(b)参照)、積分結果と
設定された測距エリアとで被写体距離が求められる。
尚、測距エリアは検出又設定してもよい。
【0048】ステップS6では、予め用意してある所定
の領域(デフォルト位置)に測距エリアを設定する。例
えば、図5に示すシーンでは、差分データ(図6(c)
参照)では所要被写体位置を推定できない。このとき
は、デフォルト位置に測距エリアを設定すればよい。即
ち、図6(a),(b)に示されるように、測距エリア
をオーバーラップさせても良いし、測距エリアをオーバ
ーラップさせることなく複数設定しても良いことは勿論
である。
【0049】続いて、CPU13は、相関演算と最至近
選択を実行する(ステップS8)。
【0050】即ち、CPU13は、積分を終了させる
と、被写体の像信号である光電変換素子毎の積分量を記
憶部9に記憶させる。続いて、出力部10により被写体
の像信号を出力させ取得する。このとき、CPU13
は、被写体の像信号の全てを取得してもよいが、上記ス
テップS5又はS6で設定した測距エリアのみの像信号
を取得する方が効率的である。
【0051】CPU13は、取得した被写体の像信号に
基づき、測距エリア毎に相関演算を行い、測距エリア毎
の被写体像の位相差を求める。かかる位相差は、被写体
の距離に相当する。そして、複数の測距エリアから得ら
れた複数の被写体距離より最至近選択を行い、最至近の
被写体距離を最終測距結果とする。
【0052】以上の処理の後、CPU13は、AFIC
3の電源をOFFにする動作を含む後処理を実行し、こ
うして一連の測距動作を終了する(ステップS9)。
【0053】ここで、前述した通り、CPU13の実行
する動作は、AFIC3の制御の下で実行しても構わな
いことは勿論である。
【0054】例えば、前述した従来技術のように、一次
元又は二次元のセンサにて非常に広範囲を測距する場
合、設定される測距エリアの数も非常に多数となり、相
関演算等の複雑な演算を非常に多数回繰り返さねばなら
ず、タイムラグが大きくなるか、或いは高速で高価なC
PUの使用によりコストアップが生じる。
【0055】これに対して、本発明の実施の形態によれ
ば、被写体像を積分し取得した被写体像、センサデータ
とその差分データの最大値を取得することで、主要被写
体の位置を推定することが可能となる。
【0056】従って、この実施の形態では、推定した主
要被写体の距離を高精度に検出するのに必要な最低限の
測距エリアを設定することができるため、不要な演算を
する必要はなくなる。つまり、高速で高価なCPU13
は不要となり、タイムラグも大幅に増加しないといった
効果を奏する。
【0057】以上、本発明の実施の形態の構成、作用、
効果を概説した。
【0058】次に図7のフローチャートを参照して、実
施の形態に係る測距装置の測距動作を説明する。尚、以
下の説明では、各種フローチャートや撮影シーンとその
時の積分のセンサデータ等に係る図を、適宜参照しつつ
説明を進める。
【0059】先ず、CPU13は、測距装置の初期設定
を行う(ステップS11)。
【0060】このステップS11は、上記図2のステッ
プS1と同様の処理であり、CPU13自身や光電流積
分部5、モニタ信号検出範囲設定とモニタ信号出力部
8、記憶部9のリセット動作を行う。
【0061】続いて、CPU13は、プリ積分1を行う
(ステップS12)。
【0062】このプリ積分は、上記図2では行っていな
かったが、ここでは、本積分の積分条件の内のいくつか
を予め決定しておくために行うこととしている。不図示
ではあるが光電変換素子のセンサ感度を設定・切り換え
る手段があり、センサ感度を高感度に設定する。センサ
感度切換えは、光電流の増幅率を切換えたり、積分容量
の容量を切換える等の方法を採用することができる。投
光光源14は消灯し、被写体からの光を積分する。積分
制御は、予め決められた所定の短時間のみ積分動作する
ようにする。
【0063】次いで、CPU13は、プリ積分の最大積
分量を検出する(ステップS13)。
【0064】これは、被写体の最も明るい部分の輝度と
関連し、本積分でのセンサ感度や補助光の有無を決定す
るのに用いる。この最大積分量の検出は、積分終了後モ
ニタ信号を出力して、これを最大積分量とすることもで
きる。
【0065】続いて、CPU13は、本積分の積分条件
の一部を決定する(ステップS14)。
【0066】主条件は、センサ感度と補助光の有無の設
定である。
【0067】次いで、CPU13は、本積分1を実行す
る(ステップS15)。
【0068】これは、先に示した図2のフローチャート
のステップS2の積分と同様である。
【0069】続いて、CPU13は、上記積分の左のセ
ンサデータから右のセンサデータの差を求め、この差分
信号の最大値とそのセンサ上の位置を検出する(ステッ
プS16)。ここでは、最大差分信号の位置に主要被写
体が存在すると推定する。この最大差分信号は、被写体
からの反射光の像信号の差分、つまり位相差で差分信号
が大きい程、位相差も大きく、被写体が最至近にあるも
のである可能性が高く、同時に主要被写体である可能性
も高い。
【0070】ここで、図8のフローチャートを参照し
て、図7の上記ステップS15,S16の主要被写体サ
ーチについて更に詳細に説明する。
【0071】先ず、CPU13は、カメラのAFモード
がノーマルモードかスポットモードか判断する(ステッ
プS31)。ここで、「スポットモード」とは、画面中
央に関してのみ測距するAFモードであり、当該スポッ
トモードのときは、主要被写体サーチは何も実行せずに
リターンする。
【0072】一方、スポットモードでない場合は、図7
のステップS15と同様、本積分1を実行する(ステッ
プS32)。続いて、CPU13は、AFIC3より本
積分1のセンサデータ、つまり、被写体の像信号を取得
する(ステップS33)。
【0073】そして、CPU13は、上記ステップS3
3で取得した左右の像信号の差分信号の極大値を検索
し、その極大値が所定範囲内の値(Pmax 〜Pmin )の
ものだけを抽出する(ステップS34)。
【0074】例えば、図9に示すシーンのようにショー
ウインド内のマネキン等が被写体で、ガラスに太陽光の
反射による輝点が存在する場合には、積分すると、図1
0(a)(b)に示されるような像信号が得られる。そ
して、かかる左右の像信号の差信号(図10(c)参
照)において、極大値を検索すると、3つの極大値が抽
出される。各極大値は、左からの順に右側マネキンの像
信号、ガラスの正反対による像信号、左側マネキンの像
信号である。
【0075】これらの極大値から、図10(a),
(b)に示されるように、所定範囲内の値(Pmax 〜P
min )のものだけを抽出すれば、ガラスの正反対による
像信号を除外することが可能で、主要被写体の推定の誤
りを防止できる。
【0076】図8の説明に戻り、続くステップS35で
は、CPU13は、積分の左右の像信号の差分信号から
有効な極大値が検出されなかったことを示すフラグf−
searcherrを1に設定する。このフラグ「f−
searcherr」は、有効な極大値が残ったところ
で0に設定されるものとする。
【0077】続いて、CPU13は、有効極大値の有無
を判断し(ステップS36)、有効極大値が無い場合に
はリターンし、有効極大値が有る場合には、次のステッ
プ39を実行する。このステップS39では、極大値に
補正関数を加味して、その演算結果が0になるものを除
外する。
【0078】ここで、上記補正関数は、センサ上の位置
とカメラの撮影光学系の焦点距離、カメラの撮影画面モ
ード(標準、パノラマ、ハイビジョン)の関数であり、
その例は図13に示される。以下、補正関数の意味を説
明する。
【0079】先ず、カメラの撮影光学系の焦点距離とカ
メラの撮影画面モードの入力情報により、カメラの撮影
画角(範囲)が決まる。このカメラの撮影画角に対する
それぞれの位置毎の主要被写体の存在確率が、補正関数
の一例である。尚、同図では、撮影種類毎に焦点距離に
対応した撮影画角を示している。
【0080】この図13に示されるように、画面中央の
主要被写体存在確率が高く、周辺へ行く程、存在確率は
低くなり、画面の外周部付近では存在確率がほとんどゼ
ロとなる。そして、カメラの撮影画角とセンサ上の位置
を対応付けると極大値に補正関数を加味して、極大値の
重み付け抽出又は除外が可能になる。
【0081】例えば、図11に示すシーンの場合を例に
挙げて説明する。
【0082】この図11のシーンの様に中央付近に主要
被写体が存在し、左右端に雑被写体が存在するような場
合、積分すると、その左右の像信号の差信号は図12に
示されるようになる。左の極大値から順に画面左側の雑
被写体による差信号、主要被写体による差信号、画面右
側の雑被写体による差信号である。
【0083】ところで、積分の差信号の極大値は3つ存
在するが、これに上記補正関数を加味すると、即ち、例
えば、極大値に補正関数を乗算すると、画面外周部分に
存在する極大値を除外することが可能となり、周辺の雑
被写体を除外することができることとなる。
【0084】ここで、図8の説明に戻る。上記処理の
後、CPU13は、再び有効極大値の有無を判断し(ス
テップS40)、当該有効極大値が無い場合はリターン
し、当該有効極大値が有る場合は、この時点で最低でも
1つの有効極大値が残るので、フラグf−search
errを0とする(ステップS41)。
【0085】このフラグ「f−searcherr」が
0である事は、有効極大値が見つかったことを意味す
る。続いて、CPU13は、極大値を更に絞り、残った
極大値の中の最大極大値(Pmax )を含む所定範囲(P
max 〜Pmax −Po )以外の極大値を除外する(ステッ
プS42)。
【0086】先に示した図9のシーンでは、2体のマネ
キンがあり、着ている服が白のものと黒のものである。
このように、被写体には色があり、色の違いは反射率の
違いを生じる。そして、最至近にある主要被写体を推定
する場合においては、かかる被写体の反射率は無視する
ことができない。本実施の形態では、Po の範囲内に含
まれる極大値の取り扱いを同等にすることで、被写体反
射率に起因する主要被写体位置推定ミスによる誤測距を
防止することとしている。
【0087】以上のようにステップS32〜S42を実
行すれば、ガラスの正反射や周辺の雑被写体、被写体の
反射率の影響を受けずに、少なくとも主要被写体による
極大値を含んだ、積分の左右の像信号の差分信号の極大
値を抽出することが可能である。
【0088】次いで、CPU13は、残った有効極大値
数が所定数であるareamax より大きいか小さいかを
判断し(ステップS43)、大きい場合は極大値を更に
絞り込み、極大値を大きい方からareamax 個にする
(ステップS44)。
【0089】このステップS43,S44は、本発明の
目的の1つである必要最低限の測距エリアを設定して測
距することで、タイムラグの増大なくして、広範囲のマ
ルチAFを実現しようとすることに反して、必要以上に
測距エリアを設定するのを防止するために実行する処理
である。
【0090】前述したような図8のステップS43,S
44は、測距エリア数を制限する機能に相当する。続い
て、図14のフローチャートを参照して、この測距エリ
ア数制限について更に詳細に説明する。
【0091】先ず、設定可能測距エリア数の上限値ar
eamax =k0にする(ステップS50)。これは、カ
メラのモードがオート(ノーマル)モードの場合であ
り、k0はデフォルト値である。
【0092】続いて、カメラのAFモードがスポットモ
ードか否かを判断し(ステップS51)、スポットモー
ドの場合、areamax =1又はk1として(ステップ
S52)、スポットモードでない場合、次ステップS5
3を実行する。
【0093】次いで、カメラのAFモードが動体モード
か否かを判断し(ステップS53)、動体モードの場
合、areamax =1又はk2として(ステップS5
4)、動体モードでない場合、次ステップS55を実行
する。
【0094】続いて、カメラのAFモードがリモコンモ
ードか否かを判断し(ステップS55)、リモコンモー
ドの場合、areamax はk3として(ステップS5
6)、リモコンモードでない場合、次ステップS57を
実行する。
【0095】次いで、カメラのAFモードがセルフモー
ドか否かを判断し(ステップS57)、セルフモードの
場合、areamax =k4として(ステップS58)、
セルフモードでない場合、次ステップS59を実行す
る。
【0096】上記定数の大小関係は以下のとおりであ
る。
【0097】 1≦k1 ≦k2 <k0 <k3 ≦k4 …(1) この実施の形態では、測距エリアを中央に限定する意味
のスポットモードや大きなタイムラグが許されない動作
モードでは、測距エリアを少なくし、逆に大きなタイム
ラグが許されるリモコンモードやセルフモード等は、測
距エリアを増やすことが狙となっている。
【0098】続いて、有効極大値数とareamax の大
小関係を比較して(ステップS59)、有効極大値数が
大きい場合、有効極大値の数をareamax まで減らす
(ステップS60)。有効極大値の減らし方の例として
は、極大値を大きい方からareamax個にしてもよ
い。また、補正関数を加味していなければ加味しても良
いし、補正関数にか関わらず極大値を画面中央側からa
reamax 個を抽出するといったものでもよいことは勿
論である。
【0099】以上のように、図7のフローチャートを外
れて、図8、図14のフローチャートと、その他の図を
用いて、主要被写体サーチと測距エリア数制限の説明し
たが、これによれば、必要最低限の数で、且つ少なくと
も主要被写体を含む測距エリアを設定するのに必要な情
報が、ここまでで得られたことになる。
【0100】次は、図7のフローチャートのステップS
17以降の処理につき説明する。図7のステップS17
では、ステップS16を受けて、最大差分信号と所定値
の大小関係を判断しているが、これは、上記図8、図1
4のような詳細なレベルに内容を合わせて有効極大値の
有無を判断するということを意味する。
【0101】上記最大差分信号が所定値より大きい又は
有効極大値がある場合は、最大差分信号のポイント、又
は有効極大値のポイントに基づき、測距エリアを設定す
ることとしている(ステップS18)。これに対して、
上記最大差分信号が所定値以下、又は有効極大値がない
場合は、予め用意してある領域(デフォルト領域)に測
距エリアを設定することとしている(ステップS1
9)。
【0102】上記ステップS17〜S19は、測距エリ
ア設定機能である。
【0103】以下、図15のフローチャートを参照し
て、当該測距エリア設定機能を更に詳細に説明する。
【0104】先ず、CPU13は、f−searche
rrの値を判断する(ステップS61)。ここでは、f
−searcherr=0の場合、有効極大値有、つま
り主要被写体位置を推定可能と判断し、一方、f−se
archerr=1の場合、有効極大値無、つまり主要
被写体位置を推定不能と判断する。続いて、カメラのA
Fモードがスポットモードか否かを判断する(ステップ
S62)。
【0105】通常は、測距エリアを設定する(ステップ
S63)。即ち、有効極大値のセンサアドレスを中心に
1エリア又は複数エリアの測距エリアを設定する。
【0106】次いで、測距エリアの設定がされていない
有効極大値の残りがなくなるまで、上記ステップS20
2を繰り返し実行し、有効極大値毎に測距エリアを設定
する(ステップS64)。
【0107】上記ステップS62にてカメラのAFモー
ドがスポットモードの場合は、予め用意してある所定の
領域(デフォルト領域)に測距エリアを設定する(ステ
ップS66)。より具体的には、センサ上の中心付近に
1エリア又は複数エリアを設定する。このセンサ上の中
心付近というのは、換言すれば、撮影画面の中心付近で
もある。また、複数エリアを設定する場合、エリア同志
は一部重複してもよいし、一部重複しなくてもよい。
【0108】上記主要被写体位置が推定不能な場合は、
測距エリアを設定する(ステップS65,S66)。こ
のステップS66は、上述の通り、撮影画面中心付近に
測距エリアを設定し、ステップS65は、その周辺に測
距エリアを設定する。この設定するエリア数は、スポッ
トエリアの周辺両側に1つづつ又は複数である。上記ス
テップS65で設定した測距エリアは、エリア同志が一
部重複してもよいし、一部重複しなくてもよい。また、
上記ステップS65,S66で設定した各エリアは一部
重複しても、一部重複しなくてもよい。
【0109】ここで、図11に示したシーンの状況で
は、スポットモードを用いて撮影するテクニックがあ
る。この場合は、図示の様に推定した主要被写体の位置
に関わらず、所定の領域に測距エリアが設定されること
になる。
【0110】また、図5に示したシーンの状況では、主
要被写体位置の推定は不能で、所定の領域に測距エリア
が設定される。このとき、中心の1エリアをステップS
66にて設定し、周辺の4エリアはステップS65が設
定することが考えられるが、中心の3エリアをステップ
S66が設定し、周辺の2エリアをステップS65が設
定することも可能であり、このようにバリエーションは
多数考えられる。
【0111】このバリエーションの一例として、図15
の上記ステップS63を、図16のフローチャートを参
照して、更に詳細に説明する。
【0112】図16の概念は、一つの有効極大値に対し
て3つの測距エリアを設定し、且つ3つの測距エリア
は、1つの測距エリアと残り2つのエリアの内どちらか
一方と一部重複するような位置関係にしようとするもの
である。
【0113】即ち、先ず極大値のその値により設定する
測距エリアのエリア内センサ数を決定し、記憶する(ス
テップS70)。これは、パッシブ方式AFの苦手被写
体である遠近混在の防止が目的である。極大値が小さけ
れば被写体は遠く(但し、被写体の明るさにより、この
限りではないが)、遠い被写体に対してはエリア内セン
サ数を少なくする。一方、極大値が大きければ被写体は
近く(但し、被写体の明るさにより、この限りではない
が)、近い被写体に対してはエリア内センサ数を多くす
る。ここで、差信号の極大値の大きさと、被写体距離の
関係が被写体輝度(背景とのコントラスト)に依存する
ことを無視することはできないが、以下の対策をすれば
よい。差分信号を求める被写体の像信号(センサデー
タ)を最大センサデータ値を基準に正規化した後に差分
信号を求めればよい。つまり、正規化されたセンサデー
タの差分信号には、コントラスト情報は残らずに、位相
差情報だけが残ることになる。従って、正規化後のセン
サデータの差分信号の極大値の大きさで概ねの被写体距
離を推測することが可能である。
【0114】実際に正規化後のセンサデータの差分信号
の極大値よりエリア内センサ数を決定するには、図17
に示されるようなテーブルを参照し、該エリア内センサ
数を決定する。
【0115】ここで、図18(b)は、正規化後の左右
センサデータの差信号を示す図である。図示のとおり、
極大値に応じて測距エリアのエリア内センサ数を決定
し、測距エリアを設定する。
【0116】近距離被写体の像信号ほど像の位相差は大
きく、遠距離被写体の位相差は逆に小さい。この点にお
いて、この実施の形態では、近距離被写体には広い測距
エリアを、遠距離被写体には狭い測距エリアを設定しよ
うとしているので利に適っている。
【0117】例えば図18(a)に示されるシーンで
は、後方の人物と鳥居が遠近混在している。しかしなが
ら、被写体の像信号では遠近混在を察知する手段は無
く、被写体の遠近が推定できるのみである。そこで、図
19に示されるように、遠い被写体と推定した場合は、
測距エリアを狭く設定すれば、図示のように遠近混在に
よる誤測距は防止可能となる。前述したように、正規化
した左右のセンサデータの差分信号に基づいて測距エリ
アの設定を行うが、正規化の方法を補足する。センサデ
ータが高周波になる一つの原因に遠近混在が含まれ、図
18(a)のシーンもこれに該当する。後方の人物と鳥
居から成るセンサデータは高周波成分を含むことにな
る。この場合、後方の人物と鳥居のセンサデータを別々
に正規化するのではなく、一括にまとめて正規化を行っ
てもよい。高周波成分は一山にまとめて正規化するほう
が正規化の効率がよい。以上がステップS70の説明で
あるが、次にステップS71では有効極大値に対する1
つ目の測距エリアを設定する。
【0118】この測距エリアの開始アドレスは、 ((極大値のセンサアドレス)−(エリア内センサ数))/2 …(2) である。そして、この測距エリアは、エリアの開始アド
レスとエリア内センサ数の2つで設定される。
【0119】続いて、2つ目のエリアの設定で、開始ア
ドレスは、 ((極大値のセンサアドレス)−(エリア内センサ数))×3/2 +(オーバーラップセンサ数) …(3) ステップS403は3つ目のエリアの設定で、開始アド
レスは、 ((極大値のセンサアドレス)+(エリア内センサ数))/2 −(オーバーラップセンサ数) …(4) であり、2つ目、3つ目のエリアを設定するには、新た
に、オーバーラップセンサ数という定数も必要になる
(ステップS72,S73)。
【0120】さて、図16の説明に戻り、ステップS7
5で有効極大値が残っているか否かを判断し、残りがな
ければリターン、残りがあればステップS76でare
amax をデクリメントする。そして、ステップS77で
areamax が0でなければ、有効極大値が確実に残っ
ているので、先頭のステップS70へ戻り、測距エリア
を設定し続ける。areamax が0であればリターンす
る。
【0121】以上の処理で、積分とその処理が終了した
ことになる。測距演算等に必要な全ての条件が揃った事
になり、いよいよ相関演算を実行する。
【0122】再度、図7のフローチャートへ戻り、ステ
ップS22から説明する。
【0123】ステップS22では、各測距エリア毎に相
関演算を行い、各測距エリア毎の被写体距離情報を算出
する。更に求められた被写体距離情報のうち最至近のも
のを選択する最至近選択を実行する。最至近選択の際、
被写体距離情報の信頼性判定を行い、信頼性の低い情報
に関しては選択候補から予め除外するといった機能も実
施の形態では用いている(不図示)。信頼性判定は公知
の手段で、最も簡単な判定は、コントラストによる判定
であり、この他にも様々な判定が知られており、1つ又
は複数の判定が用いられる。
【0124】上記最至近選択の際、信頼性の低い被写体
距離情報ばかりで、有効な被写体距離情報を選択できな
いかいなか、即ち、測距不能か否かを判定する(ステッ
プS23)。ここで、有効な被写体距離情報が得られた
場合は、ステップS28へ移行する。これに対して、測
距不能でかつ本積分1が補助光消灯だった場合、本積分
2を実行する(ステップS24)。
【0125】続いて、ステップS27は、光量測距であ
り、アクティブ方式のAFでは公知である。上記ステッ
プS15またはS24の本積分1または本積分2の結果
の特に最大積分量に基づいて被写体距離情報を算出す
る。ここで、最大積分量というのは、概念的に、最至近
被写体による補助光(投光光源14)が発する光の反射
光量である。
【0126】こうして、測距装置のAFIC3の電源供
給を停止する等の後処理を実行し、測距終了となる(ス
テップS28)。
【0127】次に第2の実施の形態について説明する。
【0128】第1の実施の形態の概要を記すと、被写体
からの光を受光手段で受光し、得られた被写体の像信号
に基づいて測距するものである。更には、被写体の像信
号の差信号又は正規化した被写体の像信号の差信号に基
づいて測距エリアを設定した後、設定した測距エリアに
対してのみ測距を行うものである。
【0129】このような第1の実施の形態と対比して、
第2の実施の形態の概要を記すと、第1の実施の形態で
は、差信号の検出をソフトウェアにより実施しているの
に対して、この第2の実施の形態では、ハードウェアで
実施しようとするものである。以下、図面を参照しつ
つ、第2の実施の形態を詳述する。
【0130】先ず、図20の説明をするが、この図20
は図1と略等しく、違う点は差分演算部15とスイッチ
SWが追加された点にある。以下、図1と同一構成につ
いては説明を省略し、差分演算部15とスイッチSWの
動作を中心に説明する。
【0131】測距全体の流れに沿って説明すると、記憶
部9に被写体の像信号が記憶、格納されている。そし
て、被写体の像信号が出力部10を経て差分演算部15
へと出力される。スイッチSWは、差分演算部15側に
接続が選択されて、被写体の像信号の差分信号をCPU
13へと出力する。被写体の像信号の差信号を得たCP
U13は、これに基づき被写体の測距エリアを決定す
る。
【0132】この決定に基づき、CPU13は、AFI
C3の制御部11へ所定範囲の被写体の像信号を出力す
るように制御信号を送る。スイッチSWは、出力部10
側に選択され接続され、記憶部9に記憶、格納されてい
る被写体の像信号の所定の範囲がCPU13へと出力さ
れる。被写体の測距エリアに対応した被写体の像信号を
CPU13が取得すると、相関演算等の測距演算を実行
し、測距が終了する。その詳細は第1の実施の形態と同
様であるので、説明は省略する。
【0133】次に、第3の実施の形態について説明す
る。
【0134】この第3の実施の形態も第2の実施の形態
と同様、ハードウェアで被写体像の差信号を求めるもの
である。差信号を求める部分にみを示したのが図21で
ある。
【0135】以下、この図21に沿って説明を進める。
【0136】先ず、始めにセンサの概要を説明する。各
受光素子4a,4bに対して受光素子1ピクセル毎に対
応する定常光記憶部16a,16bと定常光除去部17
a,17bを付加したものである。その動作を以下に説
明する。
【0137】この図21上で、スイッチSW1を左側
に、スイッチSW2を右側に選択すると、従来より公知
のパッシブAF方式に用いるセンサとして機能する。次
に、スイッチSW1、スイッチSW2を上記とは逆側に
選択し、更にスイッチSW3を左側、スイッチSW4を
右側に選択すると、センサは被写体の輝度情報から定常
光を除去し、即ち、補助光14を点灯させた場合に補助
光14の反射光だけ検出する。換言すれば、アクティブ
AF方式の信号検出と同様に機能する。
【0138】以上のように、図21のセンサは、パッシ
ブ的動作とアクティブ的動作をすることから、ハイブリ
ッド方式AFセンサと称され、詳細は特願平10−33
6921号公報に開示されている。
【0139】次に、本実施の形態の本質である、被写体
像信号の差信号を検出する方法を説明する。図21にお
いて、スイッチSW1,SW3は右側に選択し、スイッ
チSW2,SW4は左側に選択する。この状態で被写体
像の積分を行う(補助光14は消灯)と、受光素子4
a,4bは、互いに他方の受光素子からの被写体輝度情
報により定常光が除去されるので、輝度情報の差だけ積
分される。即ち、被写体像信号の差信号が検出される。
差信号の検出された以降は、前述した第1の実施の形態
と同様の動作を実行することになる。
【0140】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれに限定されることなく、種々の改良・変更
が可能である。例えば、光電流の積分方式が異なれば、
上記説明上の極大値という言葉が極小値に変化したり像
信号の明暗が逆転することもあり、上記実施のの形態の
みに限定されるものではない。
【0141】また、上記実施の形態は、見方によれば、
光電変換素子が一次元のラインセンサであるとの解釈も
できる。しかしながら、ラインセンサに限定するつもり
もなく、二次元のエリアセンサでもよいし、二次元の離
散的に分布するラインセンサ等から成るエリアセンサで
もよい。いずれの場合も、像信号を処理する上では一次
元に分解し処理するのが自然であり、センサが一次元で
あるか二次元であるかには依存せず、本実施例の根本概
念は変わらない。
【0142】以上説明したように、本発明によれば、例
えば全画面AFの様な広範囲のマルチAFを実施する場
合、タイムラグ対策で、あらかじめ主要被写体が存在す
る位置を推定し、必要最低限の位置の被写体距離のみを
測距するものであるが、被写体の投光光線に対する反射
率の影響を受けることなく、正しく主要被写体の存在す
る位置を推定することが可能で、信頼性が高く高精度の
マルチAFをコストアップなく実現し供給することがで
きる。
【0143】尚、本発明の上記実施の形態には、以下の
発明が含まれる。
【0144】(1)少なくとも一対の積分型受光センサ
により被写体からの光を受光して得られる被写体像信号
に基づいて被写体距離を求める測距装置において、上記
得られた少なくとも一対の被写体像信号の差信号を検出
する差信号検出手段と、上記差信号検出手段の出力であ
る被写体像信号の差信号に補正関数を加味する補正演算
手段と、上記補正演算手段により補正された被写体像信
号の差信号に基づいて測距エリアを設定する測距エリア
設定手段と、上記測距エリア設定手段により設定された
測距エリアに対して被写体距離を算出するための演算を
行う演算手段と、を具備したことを特徴とする測距装
置。
【0145】(2)上記補正関数は、被写体の存在確率
により決定されることを特徴とする上記(1)に記載の
測距装置。
【0146】(3)上記補正関数の入力情報は、上記受
光センサ上の位置情報とカメラの撮影光学系の焦点距離
情報とプリントアスペクト比情報とであることを特徴と
する上記(1)に記載の測距装置。
【0147】(4)上記測距エリア設定手段は、被写体
像信号の差信号の極大値に基づいて測距エリアを設定す
ることを特徴とする上記(1)に記載の測距装置。
【0148】(5)上記測距エリア設定手段は、測距エ
リア設定候補となる被写体像信号の差が得られない場
合、所定の測距エリアを設定することを特徴とする上記
(1)に記載の測距装置。
【0149】(6)上記測距エリア設定手段は、設定す
る測距エリアの数に上限値を有することを特徴とする上
記(1)に記載の測距装置。
【0150】(7)上記測距エリア上限値は、カメラの
撮影モードに応じて変更されることを特徴とする上記
(6)に記載の測距装置。
【0151】(8)上記測距エリア設定手段は、被写体
像信号の差信号に基づく測距エリア設定を禁止し、所定
測距エリアを設定するモードを有することを特徴とする
上記(1)に記載の測距装置。
【0152】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
タイムラグが少なく、迅速で、測距結果の信頼性も高
く、高精度且つ安価な測距装置を提供することができ
る。更に、測距エリアの決定に際して、被写体存在確率
に依存する所定のフィルタ演算を行うことで、雑被写体
対策とする測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る測距装置の構成を示
す図である。
【図2】実施の形態に係る測距装置の動作を詳細に説明
するフローチャートである。
【図3】撮影シーンの一例を示す図である。
【図4】図3の撮影シーンに対応するセンサデータ、そ
の差分データ、及び測距エリアを示す図である。
【図5】撮影シーンの一例を示す図である。
【図6】図5の撮影シーンに対応するセンサデータ、そ
の差分データ、及び測距エリアを示す図である。
【図7】実施の形態に係る測距装置の測距動作に係るフ
ローチャートである。
【図8】図7の上記ステップS15,S16の主要被写
体サーチについて更に詳細に説明するフローチャートで
ある。
【図9】撮影シーンの一例を示す図である。
【図10】図9の撮影シーンに対応するセンサデータ、
その差分データ、及び測距エリアを示す図である。
【図11】撮影シーンの一例を示す図である。
【図12】図11の撮影シーンに対応するセンサデー
タ、その差分データ、及び測距エリアを示す図である。
【図13】補正関数について説明するための図である。
【図14】図8のステップS43,S44に係る測距エ
リア数制限について更に詳細に説明するためのフローチ
ャートである。
【図15】図7のステップS17乃至S19に係る測距
エリア設定機能を更に詳細に説明するためのフローチャ
ートである。
【図16】図15のステップS63の動作を更に詳細に
説明するフローチャートである。
【図17】エリア内センサ数を決定するためのテーブル
の一例を示す図である。
【図18】撮影シーンの一例、及びアクティブモードで
のプリ積分による像信号を示す図である。
【図19】図18の撮影シーンに対応するセンサデータ
及び測距エリアを示す図である。
【図20】第2の実施の形態に係る測距装置の構成を示
すブロック図である。
【図21】第3の実施の形態に係る測距装置の構成を示
すブロック図である。
【図22】従来技術に係る測距装置のファインダ視野を
示す図である。
【符号の説明】
1 受光レンズ 2 筐体 3 AFIC 4 受光素子 5 光電流積分部 6 定常光除去部 7 リセット部 8 モニタ信号検出範囲設定とモニタ信号出力部 9 記憶部 10 出力部 11 制御部 12 バイアス部 13 CPU 14 投光光源 15 ドライバ部 16 ファインダ視野 17 測距エリア 18 差分演算部
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA06 DD06 DD12 EE00 FF09 FF41 JJ02 JJ03 JJ05 JJ25 JJ26 LL04 NN02 NN11 NN13 NN20 QQ00 QQ01 QQ02 QQ14 QQ17 QQ23 QQ25 QQ29 QQ33 QQ36 QQ38 QQ41 QQ42 2F112 AC01 BA05 BA07 CA02 FA05 FA19 FA25 FA29 FA32 FA41 FA45 2H011 BA05 BB04 DA00 DA01 2H051 BB07 CE16 DA03 DA04 DA07 DA17 DA21 DA22 DB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写界内部に複数の測距可能エリアを有
    するカメラの測距装置であって、 視差を有する光学系によって結像される対の被写界像を
    それぞれ受光して、対の被写界像信号を出力する受光手
    段と、 上記受光手段から出力される対の像信号の差を求め、こ
    の差信号を入力とする補正演算を行う補正演算手段と、 上記補正演算手段の出力に基づいて、上記測距可能エリ
    アから測距対象エリアを選択する測距エリア設定手段
    と、を具備し、 上記設定された測距エリアに対して所定の測距演算を行
    い、一つの測距値を出力するようにしたことを特徴とす
    る測距装置。
  2. 【請求項2】 上記測距エリア設定手段は、上記差演算
    手段の出力値が全て所定値未満である場合、所定の測距
    可能エリアを測距演算対象として設定することを特徴と
    する請求項1に記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 上記測距エリア設定手段は、選択する測
    距可能エリアの数にカメラの撮影モードに応じた上限値
    を有することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
  4. 【請求項4】 上記測距エリア設定手段は、特定のカメ
    ラの撮影モードにおいて、上記測距可能エリアの設定を
    行わず、所定の測距可能エリアを測距演算対象として設
    定することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
JP33629399A 1999-11-26 1999-11-26 測距装置 Withdrawn JP2001154088A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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