JP2001153626A - 電子部品の搭載状態検査装置および搭載状態検査方法 - Google Patents

電子部品の搭載状態検査装置および搭載状態検査方法

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JP2001153626A
JP2001153626A JP33713899A JP33713899A JP2001153626A JP 2001153626 A JP2001153626 A JP 2001153626A JP 33713899 A JP33713899 A JP 33713899A JP 33713899 A JP33713899 A JP 33713899A JP 2001153626 A JP2001153626 A JP 2001153626A
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啓司 矢野
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満早 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査の処理効率に優れ検査精度を向上させる
とともに操作性に優れた電子部品の搭載状態検査装置お
よび搭載状態検査方法を提供すること。 【解決手段】 基板2に搭載された電子部品3の搭載状
態を検査する電子部品の搭載状態検査方法において、取
り込み画像から3次元のRGB画像データを取得し、こ
のRGB画像データを、H(色相)、S(彩度)、I
(明度)の3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元
とする3次元のHSI画像データにカラーモデル変換す
る。変換されたH,I,Sのそれぞれの画像データを色
抽出フィルタによりデータ変換した画像を合成処理して
得られた色抽出画像(モノクロ画像)42に基づき搭載
状態検査を行う。これにより、検査対象領域を周囲から
精度よく分離して検査精度を向上させ、検査の処理効率
および操作性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に搭載された
電子部品の搭載状態を検査する電子部品の搭載状態検査
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品実装工程においては、実装基板
を対象として外観検査が行われる。この外観検査では、
基板に搭載された状態の電子部品の搭載状態、すなわち
電子部品の有無や搭載位置・極性などの項目が検査され
る。また電子部品が半田付けされた後には、半田の有無
や半田形状などをチェックする半田付け検査が行われ
る。この外観検査においては、電子部品が搭載された状
態の基板をカメラで撮像して得られた画像データを画像
処理することにより行われる。
【0003】従来より、この画像処理において単色照明
下で撮像して得られたモノクロ画像データを用いる方法
や、カラーカメラで得られたカラー画像を用いる方法が
用いられていた。モノクロ画像を用いる場合には、主に
検出対象部位と周囲との明度の相違を検出することによ
り、検出対象部位の位置や形状を特定していた。また、
カラー画像を用いる場合には、検出対象部位の画像と周
囲の画像におけるRGB次元での画像情報の相違を検出
していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法には、以下に述べるような問題点があった。す
なわち、モノクロ画像を用いる場合には、検出対象と周
囲との間に明度差が明瞭に存在しない場合、たとえば基
板電子部品とも樹脂材質であり基板を撮像して得られた
画像と電子部品の画像との間に明度差が小さい場合に
は、精度のよい検査を行うことが困難であった。
【0005】また、カラー画像を用いる場合には、RG
B次元での画像情報のみでは検出対象を周囲から精度よ
く分離することが困難で、多くの場合分離用の専用フィ
ルタを検出対象に応じて設定する必要があり、外観検査
の画像処理に長時間を要して検査の処理効率が低下する
とともに、フィルタ設定に手間と時間を要し検査装置と
しての操作性が悪いという問題点があった。
【0006】そこで本発明は、検査の処理効率に優れ検
査精度を向上させるとともに操作性に優れた電子部品の
搭載状態検査装置および搭載状態検査方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電子部品
の搭載状態検査装置は、基板に搭載された電子部品の搭
載状態を検査する電子部品の搭載状態の検査装置であっ
て、基板を撮像することによりR(赤)、G(緑)、B
(青)の3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元と
する3次元のRGB画像データを取得するカメラと、前
記3次元のRGB画像データを、H(色相)、S(彩
度)、I(明度)の3要素のそれぞれの要素を1つの独
立の次元とする3次元のHSI画像データに変換するカ
ラーモデル変換部と、前記HSI画像データに基づいて
電子部品の搭載状態を検査する部品搭載状態検査手段と
を備えた。
【0008】請求項2記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項1記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記部品搭載状態検査手段は、前記HSI画像デ
ータから所望の色を抽出した色抽出画像を入手する色抽
出部と、この色抽出画像に基づいて電子部品の搭載状態
を検査する部品搭載状態検査部とを備えた。
【0009】請求項3記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項2記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記色抽出部は、電子部品の色を抽出する色抽出
フィルタを備えている。
【0010】請求項4記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項3記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記色抽出部は、H(色彩)、S(彩度)、I
(明度)別に色抽出フィルタを備えた。
【0011】請求項5記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項3記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記色抽出フィルタは、カラーモデル変換された
画像データを多値化データ形式で入力し、出力を2値以
上の多値化データで出力する。
【0012】請求項6記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項5記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記色抽出フィルタは、ファジー領域を備えてい
る。
【0013】請求項7記載の電子部品の搭載状態検査装
置は、請求項4記載の電子部品の搭載状態検査装置であ
って、前記色抽出部は、H,S,Iのそれぞれの色抽出
フィルタからの出力を合成して1つのモノクロ画像を得
る。
【0014】請求項8記載の電子部品の搭載状態検査方
法は、基板に搭載された電子部品の搭載状態を検査する
電子部品の搭載状態検査方法であって、基板を撮像する
ことによりR(赤)、G(緑)、B(青)の3要素のそ
れぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元のRGB
画像データを取得する工程と、前記3次元のRGB画像
データを、H(色相)、S(彩度)、I(明度)の3要
素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元の
HSI画像データにカラーモデル変換する工程と、この
HSI画像データに基づいて電子部品の搭載状態を検査
する工程とを含む。
【0015】請求項9記載の電子部品の搭載状態検査方
法は、請求項8記載の電子部品の搭載状態検査方法であ
って、前記搭載状態を検査する工程において、前記HS
I画像データから所望の色を抽出した色抽出画像を入手
し、この色抽出画像に基づいて電子部品の搭載状態を検
査する。
【0016】請求項10記載の電子部品の搭載状態検査
方法は、請求項9記載の電子部品の搭載状態検査方法で
あって、前記色抽出画像の入手に、電子部品の色を抽出
する色抽出フィルタを用いる。
【0017】請求項11記載の電子部品の搭載状態検査
方法は、請求項10記載の電子部品の搭載状態検査方法
であって、前記色抽出画像の入手に、H(色彩)、S
(彩度)、I(明度)別に色抽出フィルタを用いる。
【0018】請求項12記載の電子部品の搭載状態検査
方法は、請求項10記載の電子部品の搭載状態検査方法
であって、前記色抽出フィルタは、カラーモデル変換さ
れた画像データを多値化データ形式で入力し、出力を2
値以上の多値化データで出力する。
【0019】請求項13記載の電子部品の搭載状態検査
方法は、請求項12記載の電子部品の搭載状態検査方法
であって、前記色抽出フィルタは、ファジー領域を備え
ている。
【0020】請求項14記載の電子部品の搭載状態検査
方法は、請求項11記載の電子部品の搭載状態検査方法
であって、前記色抽出画像は、H,S,Iのそれぞれの
色抽出フィルタからの出力を合成して1つのモノクロ画
像を得る。
【0021】本発明によれば、基板を撮像することによ
り得られたR(赤)、G(緑)、B(青)の3要素のそ
れぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元のRGB
画像データを、H(色相)、S(彩度)、I(明度)の
3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3次
元のHSI画像データにカラーモデル変換し、このHS
I画像データに基づいて電子部品搭載状態を検査するこ
とにより、検査対象領域を周囲から精度よく分離して検
査精度を向上させると共に、従来必要とされた煩雑な専
用フィルタ設定の手間を省き、検査の処理効率および操
作性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子
部品の搭載状態検査装置の構成を示すブロック図、図2
は同電子部品の搭載状態検査装置の処理機能を示す機能
ブロック図、図3は同電子部品の搭載状態検査装置の部
品ライブラリの構成図、図4は同電子部品の搭載状態検
査装置の色抽出処理の説明図、図5は同電子部品の搭載
状態検査装置の色抽出フィルタの説明図、図6は同電子
部品の実装状態検査処理のフロー図、図7は同電子部品
の搭載状態検査処理のフロー図、図8は同電子部品の半
田付状態検査処理のフロー図、図9は同XYテーブル位
置決め処理のフロー図、図10、図11、図12、図1
3は同電子部品の搭載状態検査装置の色抽出フィルタ設
定の表示画面を示す図、図14は同電子部品実装基板を
示す説明図である。
【0023】まず図1を参照して電子部品の搭載状態検
査装置の構成について説明する。図1において、XYテ
ーブル1上には基板2が保持されており、基板2には複
数の種類の異なる電子部品3が実装されている。基板2
の上方には、照明部4とカメラ5より成る撮像部が配設
されている。照明部4は白色光を発光するリング状の発
光体4aと略半球面状の反射体4bを備えており、発光
体4aから反射体4bの内面に向けて照射された白色光
は、球面状の反射面によって拡散反射され、下方の基板
2を照明する。
【0024】照明部4の上方にはカメラ5が下向きに配
置されており、カメラ5は反射体4bの上部に設けられ
た開口を介して、白色の拡散反射光で照明された状態の
基板2を撮像する。このときXYテーブル1を駆動する
ことにより基板2は水平移動し、基板2上に実装された
任意の電子部品3をカメラ5の直下に位置させて撮像す
ることができる。
【0025】カメラ5はカメラ制御ユニット6に接続さ
れている。カメラ制御ユニット6は撮像タイミングなど
のカメラ5の撮像動作を制御するとともに、撮像データ
からR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を抽出し、
各要素ごとの画像データとして出力する。R,G,Bの
三要素の画像データはカラーモデル変換部7に送られ
る。
【0026】カラーモデル変換部7は前記R,G,Bの
三要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3次
元のRGB画像データを、H(色相)、S(彩度)、I
(明度)のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3
次元のHSI画像データに変換する。このHSI画像デ
ータは、画像記憶部8に備えられたフレームメモリに記
憶される。また、画像記憶部8はHSI画像データに変
換される前のRGB画像データをも併せて記憶する。
【0027】演算部9はCPUでありプログラム記憶部
11に記憶された各種のプログラムに従って演算や処理
を行う。RAM10は演算部9が演算を行う際の作業領
域となるメモリである。プログラム記憶部11は、色抽
出フィルタティーチングプログラムや、部品搭載状態検
査プログラム、半田付状態検査プログラム、色抽出処理
プログラム、全体制御プログラムなどの各種の処理・演
算のプログラムを記憶する。
【0028】データ記憶部12は、検査シーケンスのデ
ータ、検査対象の電子部品についての各種のデータより
構成される部品ライブラリ、および検査結果を記録する
データなど各種のデータを記憶する。操作・入力部13
はキーボード、マウス、タッチパネルなどであり、操作
コマンドや各種のデータ入力を行う。色抽出フィルタ一
時記憶部14は、HSI画像データから所望の色を抽出
する色抽出処理に使用される色抽出フィルタを一時的に
記憶する。
【0029】照明制御部15は照明部4の点灯の制御
や、照度などの照明条件の制御を行う。機構制御部16
は、基板2を保持・位置決めするXYテーブル1の動作
を制御する。表示部17はモニタであり、操作・入力時
の案内画面を表示するほか、カメラ5によって撮像さ
れ、カラーモデル変換された画像を表示する。
【0030】次に図2を参照して電子部品の搭載状態検
査装置の処理機能について説明する。図2において、1
2は図1に示すデータ記憶部12に記憶されるデータ内
容を、8は図1に示す画像記憶部8に記憶される画像デ
ータの内容を示すものである。また、表示処理部20、
入力処理部21、色抽出フィルタティーチング部22、
全体制御部26は、図1に示す演算部9によって行われ
る処理の内容を示している。
【0031】カメラ5によって撮像されカメラ制御ユニ
ット6によって出力された撮像対象の基板2のRGB画
像データは、画像記憶部8の第1の画像記憶部8aに格
納される。このRGB画像データは、半田付け状態検査
部23に送られ、このRGB画像データに基づいて半田
付状態が検査される。ここでは、接合部の半田形状や大
きさが検査され、検査結果は全体制御部26を介してデ
ータ記憶部12の検査結果記憶部12c格納される。
【0032】カラーモデル変換部7によってRGB画像
データから変換されたHSI画像データは、画像記憶部
8の第2の画像記憶部8bに格納される。そしてこのH
SI画像データは色抽出部25に送られる。色抽出部2
5ではHSI画像データを用いて撮像視野内の所定部位
の色を抽出する処理、すなわち当該部位の本来の色を他
の特定の色に置き換えた画像(色抽出画像)を合成する
処理が行われる。この色抽出処理により得られた色抽出
画像は、第3の画像記憶部8cに格納される。
【0033】この色抽出画像は部品搭載状態検査部24
に送られ、ここで所定部位に所定の電子部品が正しい位
置に正常な状態で搭載されているか否かについての検査
が行われる。すなわち、この電子部品の搭載状態検査装
置は部品搭載状態検査手段を備えており、この搭載状態
検査装置は、HSI画像データから所望の色を抽出した
色抽出画像を入手する色抽出部25と、この色抽出画像
に基づいて電子部品の搭載状態を検査する部品搭載状態
検査部24とを備えたものとなっている。
【0034】検査結果は全体制御部26を介してデータ
記憶部12の検査結果記憶部12cに格納される。表示
処理部20は、画像記憶部8およびデータ記憶部12か
らデータを読み出し、表示部17に表示させる処理を行
う。入力処理部21は、操作・入力部13からの入力を
処理し、制御部26やデータ記憶部12へ入力する処理
を行う。
【0035】次にデータ記憶部12に記憶されるデータ
内容について説明する。検査データ記憶部12aは、搭
載状態検査装置の検査処理における動作順序を示す検査
シーケンスデータを記憶する。この検査シーケンスデー
タの中には、検査の対象となる電子部品を特定するため
の部品識別情報、色コード、検査項目に関する情報が含
まれている。ライブラリ記憶部12bは部品ライブラ
リ、すなわち検査対象の電子部品について設定されてい
る各種のデータを記憶する。ここで図3を参照して部品
ライブラリについて説明する。
【0036】図3において、電子部品識別情報30は検
査対象となる電子部品の部品名や型式など、電子部品を
識別し特定するための情報である。この電子部品識別情
報は、電子部品を基板に自動搭載するチップマウンタ等
で用いられる情報をそのまま流用する場合が一般的であ
る。一般に電子部品の特定はこの電子部品識別情報30
のみで可能であるが、電子部品の種類によっては型式・
機能上は全く同一部品であって、外観の色のみが異なっ
ている場合がある。
【0037】本来、チップマウンタや明暗画像で電子部
品の搭載状態を判定する検査装置においては、このよう
な色の違いを区別する必要がなかったが、カラー画像を
用いる検査装置では、このような色の違いにも対応する
必要がある。そのため、部品ライブラリを構成する情報
に色コードを設定し、この色コードによって同一の電子
部品識別情報によって表現される異なる色の電子部品を
識別できるようになっている。
【0038】図3に示すように、同一の電子部品識別情
報30に対応して複数の色コード1、色コード2・・・
が設定されている。そしてそれぞれの色コードについて
各検査項目(例えば、電子部品の有無検査、搭載位置に
おける方向を示す極性検査など)ごとにライブラリデー
タ、すなわちウィンドウデータ31a,31b,31
c、検査パラメータ32a,32b,32c、LUT3
3a,33b,33cが設定されている。(以下の記述
においては、特に区別の必要がない場合にはa,b,c
の添字を省略し、単にウインドウデータ31、検査パラ
メータ32、LUT33と記載する。) ウィンドウデータ31は、カメラ5によって撮像された
視野内において、当該検査項目に必要な領域のみを取り
出すために設定されるウィンドウの位置を特定するデー
タである。検査パラメータ32は、このウィンドウ内の
画像データに基づいて演算により得られる検査のための
諸量(例えば寸法、位置、面積など)の合否判定に用い
られるしきい値データである。
【0039】またLUT(ルックアップテーブル)33
は、HSI画像データから色抽出画像を入手する処理を
行う際に用いられる色抽出フィルタを数値データとして
表した変換テーブルについてのデータである。このLU
T33を適切に設定することにより、所望の色の領域を
強調した色抽出画像を得ることが可能となる。
【0040】これらのライブラリデータは、検査処理実
行時に検査シーケンス内の部品識別情報や検査項目等の
情報に基づいて全体制御部26によって読み出され、半
田付け状態検査部23、部品搭載状態検査部24、色抽
出部25に送られる。全体制御部26は、検査対象の電
子部品識別情報30に基づいて、色抽出フィルタに関す
るデータをライブラリ記憶部12bに記憶されたライブ
ラリから読みとって色抽出部25で使用する色抽出フィ
ルタの設定を行う色抽出フィルタ設定手段となってい
る。
【0041】次に図4を参照して、色抽出画像を得るた
めに行われる処理について説明する。ここでは、基板2
に実装された電子部品(方形のコンデンサ部品)の搭載
状態、すなわち電子部品の有無や搭載状態での姿勢を検
査することを目的として、電子部品3の上面部分を色抽
出の対象領域として設定し、この領域を他の領域から明
瞭に分離できるような変換形態でモノクロ画像に変換す
る例を示す。このような処理を行うことにより、RGB
画像上では分離が困難な場合にあっても、対象領域を周
囲から明瞭に分離して取り出し、形状認識や寸法などの
諸量算出を容易に行うことができる。
【0042】図4に示すように、カメラ5によって取り
込まれた電子部品3を含む基板2の画像は、RGB画像
データからHSI画像データにカラーモデル変換され
る。ここでは、画像を構成する各画素毎にRGB次元で
表された色のデータをHSI次元でのデータに変換する
処理が行われ、カラーモデル変換後のデータからはH,
S,Iの各種類毎にデータが分離されて出力される。
【0043】これにより、第2の画像記憶部8bには、
各画素毎にH,S,Iのそれぞれのデータを対応させた
画像、すなわちH(色相)のみで表された色変換画像4
0a、S(彩度)のみで表された色変換画像40bおよ
びI(明度)のみで表された色変換画像40cが格納さ
れる。そしてこれらの画像データに対して、色抽出フィ
ルタ(Hフィルタ41a、Sフィルタ41b、Iフィル
タ41c)41を用いたデータ変換が行われる。すなわ
ち色抽出画像を得るための色抽出部25は、電子部品の
色を抽出する色抽出フィルタ41を備えている。
【0044】この色抽出フィルタ41を用いたデータ変
換は、各画素毎に求められたH,S,Iの数値データ
(多値化データ)を所定の変換法則に従って新たな数値
データに置き換えることによって行われる。ここで用い
られる色抽出フィルタ41は、この変換法則を定めるも
のである。そしてこの変換法則は、LUTの形で検査対
象の各領域毎に設定される。
【0045】このLUTの設定に際しては、当該領域を
実際に撮像して画像データを入手し、画像データ上で当
該領域の材質・表面性状の特性を表す属性データ(ここ
では、H,S,Iの3種類の数値データ)を定量化する
と共に、後述するように、H,S,Iの数値データの当
該領域内での実際の分布状態を求め、これらの分布に基
づいて適切な変換法則をLUTの形式で数値データとし
て設定する処理が行われる。
【0046】すなわち、色抽出フィルタティーチング部
22は画像記憶部8の画像データに基づいて色抽出フィ
ルタ41を設定しLUT33としてライブラリ記憶部1
2bに格納する。この色抽出フィルタティーチング処理
は、操作・入力部13から入力処理部21を介して行わ
れるティーチング操作入力に従って、表示部17に表示
されるティーチング画面上で行われる。
【0047】ここで図5を参照して色抽出フィルタ41
の具体例について説明する。図5に示すグラフはHフィ
ルタ41aの特性線を示すものであり、H,Sについて
も同様にSフィルタ41b、Iフィルタ41cが設定さ
れる。図5に示すグラフは、色相を示す属性値の入力値
Hと出力値H’の対応関係を示すものであり、横軸上の
各数値H(入力値)は、このグラフを介して縦軸上の各
数値H’(出力値)に対応している。
【0048】すなわち図5(a)に示すように、Hフィ
ルタ41aを示す特性線は台形状(またはステップ状)
の形状で表され、横軸上のHの数値がH1以下、またH
4以上であれば対応するH’の数値は0(ゼロ)とな
る。そして、Hの数値がH2以上H3以下であれば、対
応するH’の数値は最大値Hmaxとなる。
【0049】なお、H1とH2の間の範囲[1]および
H3とH4の間の範囲[2]にはファジー領域が設定さ
れており、図5(b)に示すようにこれらの範囲
[1]、[2]の数値Hは、この特性線によって縦軸上
の対応する数値H’に変換される。すなわち、色抽出フ
ィルタは、カラーモデル変換された画像データ(数値デ
ータH)を0(ゼロ)からHmaxまでの間で変化する
多値化データ形式で入力し、出力を2値以上の多値化デ
ータ(同じく0(ゼロ)からHmaxまでの間で変化す
る数値データH’)で出力する。
【0050】ここで、出力に2値化データを含ませてい
るのは、色抽出フィルタの特性線の形状として台形状の
特性線の代わりにステップ状の特性線を設定する場合が
あるからである。この場合には前述のファジー領域は存
在せず、従って出力値は2値化データ(0(ゼロ)もし
くはHmaxのいずれか)となる。この場合には、この
出力データによって得られる画像は2値画像となる。
【0051】そしてこのように色抽出フィルタを用いて
変換された3種類の色変換画像を合成処理することによ
り、色抽出画像42(図4参照)が求められる。この合
成処理では、目的とする色抽出画像に求められる特性に
よって各種の合成処理方法が用いられる。この色抽出画
像を構成する各画素には異なる3種類の数値データ
(H,S,I)が対応していることから、この3種類の
数値データに基づく判定条件の組み合わせを変えること
により、合成処理後に出力される色抽出画像は変化す
る。従って、前記判定条件の組み合わせを適切に設定す
ることにより、色抽出画像を所望の特性、すなわち特定
領域を他の領域から明瞭に分離できるような特性を備え
たものとすることができる。
【0052】1例として、図4に示すような、検出対象
の電子部品3の部分は白色部42bに、その他の部分は
黒色から灰色の範囲で色が変化する非白色部42aに変
換された色抽出画像(モノクロ画像)42を得る場合に
ついて説明する。このような場合には、前述の色抽出フ
ィルタによって変換された後のH,S,Iそれぞれの数
値が全て所定条件を満たす画素についてのみ、白色部と
して抽出するような判定条件の組み合わせを設定すれば
よい。
【0053】すなわち、ある画素のH,S,Iのいずれ
か1つの数値が色抽出範囲として設定されるしきい値な
どの所定判定条件から外れている場合には、この画素は
色抽出対象から外される。従って、微妙な属性の相違を
鋭敏に識別できることを示しており、RGB画像データ
上では領域の分離が困難な場合においても、精度の高い
分離を行うことができる。
【0054】この電子部品の搭載状態検査装置は上記の
ように構成されており、次に図6を参照して本搭載状態
検査装置によって行われる部品実装状態検査について説
明する。まず、データ記憶部12の検査データ記憶部1
2aから検査シーケンスデータを読み取る(ST1)。
次に読み取った検査シーケンスデータの内容に応じて処
理内容の選択を行う(ST2)。ここで終了が選択され
たならばそのまま処理を終了し、いずれかの処理の実行
が選択された場合には、XYテーブル位置決め処理(S
T3)、照明制御処理(ST4)、画像取り込み処理
(ST5)、部品搭載状態検査処理(ST6)、半田付
状態検査処理(ST7)の各処理が実行され、その後再
び(ST1)に戻る。
【0055】次に各図を参照して上記の各処理について
説明する。はじめにXYテーブル位置決め処理について
図9を参照して説明する。まずデータ記憶部12に記憶
された視野割付情報に基づいてXYテーブル1の位置決
め座標を求める(ST11)。次いでこの位置決めを目
標としてXYテーブル1を移動させる(ST12)。こ
れにより、図14に示すように、基板2上に設定された
視野2a,2b,2c・・・が順次カメラ5による撮像
位置に移動する。これらの各視野には、検査のための画
像情報の取り込みが行われる領域Wが設定されており、
これらの領域はウインドウデータ31によって示され
る。
【0056】照明制御処理(ST4)では、撮像対象に
応じて使用する照明の選択が行われ、撮像対象に応じた
適正な照度設定や、点灯・消灯のタイミングの制御が行
われる。画像取り込み処理(ST5)においては、画像
記憶部8のフレームメモリでの記憶領域の設定や、カメ
ラ5による撮像タイミングの制御が行われ、これによ
り、基板2上に設定された各視野の撮像が順次行われ
る。
【0057】次に図7を参照して部品搭載状態検査処理
について説明する。まずライブラリ記憶部12bより、
検査に必要なウィンドウデータ31、検査パラメータ3
2および色抽出フィルタ(LUT33)のデータを読み
取る(ST21)。すなわち、撮像視野内における検査
対象の所定領域を指定するデータ、検査項目に対応する
しきい値データおよびカラーモデル変換された画像デー
タを当該領域に応じた変換法則によって変換するための
LUT33のデータが読みとられる。
【0058】読みとられた色抽出フィルタのデータ(L
UT33)は、色抽出フィルタ一時記憶部14に記憶さ
れ、これにより使用する色抽出フィルタが設定される
(ST22)。
【0059】この後、色抽出処理が行われ(ST2
3)、H,S,Iのそれぞれの画像を合成することによ
り、色抽出画像が得られる。この色抽出処理は色抽出フ
ィルタ一時記憶部14に記憶された色抽出フィルタのデ
ータ(LUT33)を用いて色抽出部25にて実行され
る。そして、色抽出画像の中からウィンドウデータで示
される所定領域(図14参照)の情報を取り出す(ST
24)。すなわち、ここでは検査対象の所定領域を他の
領域から分離し、この所定領域から画像情報を取り出
す。
【0060】そして取り出した画像情報を統計的に処理
して検査パラメータと比較する(ST25)。すなわ
ち、画像処理手法などによって所定領域の画像情報を処
理することにより、各検査項目に応じた検査諸量(領域
の寸法、面積、重心位置、境界線など)を求め、これら
の検査諸量を各項目毎に設定されたしきい値と比較す
る。そして比較の結果得られた検査結果は検査結果記憶
部12cに記憶される(ST26)。
【0061】なお、検査対象の電子部品が複数の色を有
する多色部品の場合には、この色の数に応じて(ST2
2)〜(ST23)の処理を複数回繰り返す。多色部品
としては、帯状のカラーバンドか複数色で表示されたメ
ルフ抵抗器や、上面が2色に塗り分けられたタンタルコ
ンデンサなどの例がある。また、(ST24)〜(ST
25)の統計的処理のかわりに、色抽出処理された範囲
の画像をパターンマッチングの対象として形状判定を行
うことにより、所定の検査を行うようにしてもよい。
【0062】次に半田付状態検査処理について図8を参
照して説明する。まずライブラリ記憶部12bより検査
に必要なウィンドウデータ、検査パラメータを読み取る
(ST31)。次に所定の条件で第1の画像記憶部8a
から取り込んだ単独又は複数の画像(RGB画像)か
ら、ウィンドウデータで示された領域の情報を取り出す
(ST32)。そして検査項目に応じた検査処理(半田
量検査、ブリッジ検査等)を実行する(ST33)。こ
の後検査結果を検査結果記憶部12cに記憶する(ST
34)。
【0063】次に図10〜図13を参照して、色抽出フ
ィルタのティーチング処理について説明する。各図は表
示部17のモニタ上に表示される表示画面50上で行わ
れる処理について示すものである。まず図10に示すよ
うに、表示画面50にはカメラ5で撮像された基板2の
画像が表示される。ここでは、検査対象の電子部品3が
基板2のランド2aに半田付けされた状態で表示されて
いる。
【0064】表示画面50内には各種のタッチパネルの
ボタンが設定されている。色取込領域設定ボタン51を
操作することにより、周囲から分離するための色取り込
みを行う領域の設定が行われる。インチングボタン53
を操作すると色取り込み領域領域を示す領域枠3aが画
面50内で移動する。
【0065】図10は領域枠3aが電子部品3の上面に
位置している状態を示しており、この状態で色取込領域
設定ボタン51を操作することにより領域設定が実行さ
れ、取り消しボタン54を操作すると領域設定が取り消
される。そして色抽出フィルタ作成ボタン52を操作す
ることにより色抽出フィルタ作成が開始される。これに
より図11に示す画面が表示される。
【0066】図11において、表示画面50には、色取
込領域内の画像データから得られた当該領域における
H,S,Iの数値データの分布図、すなわち当該領域を
構成する各画素について求められたH,S,Iのそれぞ
れの数値データの累積分布をH,S,Iの各項目毎に表
した分布図55a,55b,55cが表示される。これ
らの分布図において、横軸はH,S,Iのそれぞれの値
を、縦軸は各値におけるデータの累積頻度(画素数)を
示している。これらの分布図には、それぞれH,S,I
の分布状態を示すグラフ56a,56b,56cが表示
される。これらのグラフは、この色の特徴を示す。
【0067】そして、分布図55a,55b,55cに
重ねて色抽出フィルタの設定を行う。すなわち、それぞ
れのグラフ56a,56b,55cを包含する形で台形
状の色抽出フィルタの特性線57a,57b,57cを
描く。これにより、H,S,Iのそれぞれの項目につい
て色抽出フィルタ(図4に示す41a,41b,41c
参照)が設定される。
【0068】なお、この特性線を示すグラフにおいて、
横軸は前記分布図55a,55b,55cと同様に、
H,S,Iの各値(入力値)を示しているが、縦軸は前
記分布図と異なりデータ変換後のH,S,Iの値
(H’,S’,I’:出力値)を示している。すなわ
ち、H,I,Sの分布状態を示す各グラフと色抽出フィ
ルタの各特性線は同一画面上に重ね合わせられているも
のの、各グラフの高さと各特性線の高さの間には特定の
関係はない。
【0069】これらの分布図と共に、ここで設定される
色抽出フィルタがカバーする色相と彩度の範囲を視覚的
に参照するための参照枠(カラーパレット)58、およ
び同様に色抽出フィルタがカバーする明度範囲を視覚的
に参照するための参照枠59が表示される。
【0070】参照枠58は、左右方向に色相Hを、上下
方向に彩度Sを変化させて、色の変化を2次元的に表示
したものである。また、参照枠59は左右方向に明度を
変化させて明るさの変化を表示したものである。この参
照枠58,59内に示されるウィンドウ58a,59a
の位置により、当該領域内における色相・彩度および明
度を視覚的に確認できるようになっている。また、参照
枠60には、当該色取込領域の色を示す画像が表示され
る。
【0071】このように、実際の撮像によって得られた
H,S,Iの数値データの分布状態に基づきこれらの分
布範囲を包含する形で色抽出フィルタを設定することに
より、以下に述べる効果を得ることができる。すなわ
ち、検査時において撮像される電子部品の材質・表面性
状や撮像条件は、常に高い精度で均一性を保っていると
は限らない。従って、このようなばらつきを含む電子部
品を撮像した画像データをカラー画像変換して得られる
H,S,Iの各データも、ある幅の分布範囲内でばらつ
いている。
【0072】そこで、前述のように設定された色抽出フ
ィルタを用いてデータ変換を行うことにより、電子部品
の材質・表面性状などのばらつきに起因して、撮像によ
り得られるH,S,Iのデータに多少のばらつきがあっ
ても、これらのデータが予め設定された分布範囲内に位
置する限りは、当該色取込領域に固有の属性を有するデ
ータとして判別される。
【0073】さらには、色抽出フィルタの特性線を台形
状にして、分布範囲の上下両境界域にファジー領域を設
定することにより、分布範囲の境界域近傍に位置するデ
ータを切り捨てることがなく、電子部品や撮像条件など
のばらつきに適切に対応したより信頼性の高い検査を行
うことを可能とする。
【0074】そして図11において、画面50上で上記
のように設定された色抽出フィルタについて、登録ボタ
ン61、修正ボタン62、取り消しボタン63の各ボタ
ン操作を行うことにより、当該色抽出フィルタの登録、
修正、取り消しの各処理が行われる。
【0075】ここで色抽出ボタン64を操作することに
より、図12に示す色抽出画像の画面が表示され、この
画面によって所定の色抽出が行われているか否かを確認
する。即ち電子部品3の上面に相当する領域66bが白
色画像で抽出されその他の領域66aが黒色から灰色の
間で表示されるモノクロ画像が得られていれば、所期の
色抽出が行われたことになる。
【0076】また、比較サンプルボタン65を操作する
と、表示画面は図10に示す画面に切り換わり、この状
態で比較サンプル操作を行うことができる。すなわち、
画面上で対象としている色取込領域以外の他の領域から
色取り込みを行い、前述の色抽出フィルタをこの画像に
適用した場合に、図12に示す色抽出画像42と同様の
色抽出結果が得られたならば、設定された色抽出フィル
タではこれらの2つの領域を分離できないことを示して
いる。
【0077】そこでこのような場合には、色抽出フィル
タの修正が必要となる。この修正処理は、図11に示す
画面50上で修正ボタン62を操作することにより行わ
れる。このボタン操作により、図13に示す修正用の画
面が表示される。ここでは、分布図55a,55b,5
5c上で設定された色抽出フィルタの特性線57a,5
7b,57cを修正する処理が行われる。
【0078】図13は、これらのうち特性線57bを修
正する例を示している。すなわち、修正しようとする特
性線上の折れ点部をタッチ操作することにより修正対象
が指定され、当該折れ点部が画面上で反転表示される。
そして移動ボタン68を操作することにより、修正対象
の特性線57bを所望の方向へ移動させて色抽出フィル
タを修正することができる。そしてこの修正に伴って参
照枠58内の表示ウィンドウ58aも修正内容に応じて
移動する。
【0079】この後登録ボタン61を操作して修正後の
色抽出フィルタの再登録を行った後、再び前述の色抽出
による確認を行い、当該領域が他の領域から明瞭に分離
されることが確認されたならば、当該色抽出フィルタの
登録操作を行う。このようにして登録された色抽出フィ
ルタは、LUT33としてライブラリ記憶部12bに格
納される。
【0080】このLUT33は前述のように検査対象の
電子部品ごとに、更には色コードごとに、各検査項目に
対応するウィンドウ、即ち色取込領域と関連付けられて
格納される。これにより、電子部品の搭載状態検査にお
いては、検査対象に応じた適切な色抽出が行われ、色抽
出対象部位の属性を正しく検出して他の領域との分離を
精度よく行うことができる。
【0081】上記説明したように、本発明は電子部品の
搭載状態検査において、RGB画像データをHSI画像
データに変換し、このHSI画像データを処理対象とし
たものである。これにより、前述のように3要素のうち
1つでも違いがあれば、その領域は他から明瞭に分離さ
れることから、明度の違いが少なくRGB画像では分離
が困難であったような対象でも、色相あるいは彩度に違
いがあれば高精度の検査が可能となる。従って、従来の
RGB画像データに基づいて画像認識を行う場合に、対
象に応じて必要とされた専用のフィルタリング処理を削
減することができ、処理効率および操作性を大巾に向上
させている。
【0082】さらには、HSI画像データを変換処理す
る際に用いられる色抽出フィルタにファジー領域を設定
することにより、電子部品の材質や表面性状に起因する
外観にばらつきや、照明などの撮像条件のばらつきがあ
る場合においても、より信頼性の高い検査を行うことが
できる。
【0083】また複数の色抽出フィルタをLUTの形で
予め部品ライブラリに電子部品を識別する識別情報別に
格納しておくことにより、検査対象の電子部品の品種切
り替えの都度色抽出フィルタの設定をティーチング作業
の形態で行う必要がなく、操作性に優れた電子部品の搭
載状態の検査装置が実現される。
【0084】さらには、同一型式・機能すなわち識別情
報が同一であって、外観の色のみが異なるような電子部
品に対しても、LUTを識別情報と色別に部品ライブラ
リに格納しておくことにより、単なる外観のばらつきで
はなく色そのものが相違している場合にあっても、同一
型式・機能の電子部品については同一の検査結果を得る
ことができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、基板を撮像することに
より得られたR(赤)、G(緑)、B(青)の3要素の
それぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元のRG
B画像データを、H(色相)、S(彩度)、I(明度)
の3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3
次元のHSI画像データにカラーモデル変換し、この3
次元のHSI画像データに基づいて電子部品搭載状態を
検査するようにしたので、検査対象領域を周囲から精度
よく分離して検査精度を向上させると共に、従来必要と
された煩雑な専用フィルタ設定の手間を省き、検査の処
理効率および操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査装置の処理機能を示す機能ブロック図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査装置の部品ライブラリの構成図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査装置の色抽出処理の説明図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査装置の色抽出フィルタの説明図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品の実装状態検
査処理のフロー図
【図7】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態検
査処理のフロー図
【図8】本発明の一実施の形態の電子部品の半田付状態
検査処理のフロー図
【図9】本発明の一実施の形態のXYテーブル位置決め
処理のフロー図
【図10】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態
検査装置の色抽出フィルタ設定の表示画面を示す図
【図11】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態
検査装置の色抽出フィルタ設定の表示画面を示す図
【図12】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態
検査装置の色抽出フィルタ設定の表示画面を示す図
【図13】本発明の一実施の形態の電子部品の搭載状態
検査装置の色抽出フィルタ設定の表示画面を示す図
【図14】本発明の一実施の形態の電子部品実装基板を
示す説明図
【符号の説明】
2 基板 3 電子部品 5 カメラ 7 カラーモデル変換部 8 画像記憶部 9 演算部 11 プログラム記憶部 12 データ記憶部 12a 検査データ記憶部 12b ライブラリ記憶部 12c 検査結果記憶部 22 色抽出フィルタティーチング部 24 部品搭載状態検査部 25 色抽出部 30 電子部品識別情報 31,31a,31b,31c ウインドウデータ 32 検査パラメータ 33 LUT 41 色抽出フィルタ 42 色抽出画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA16 AA51 AA56 CC26 CC28 DD06 FF01 FF04 GG17 GG24 JJ03 JJ09 JJ19 JJ26 LL11 NN02 PP12 QQ00 QQ24 QQ31 QQ38 RR06 SS02 SS13 2G020 AA08 DA05 DA13 DA23 DA34 DA52

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に搭載された電子部品の搭載状態を検
    査する電子部品の搭載状態検査装置であって、基板を撮
    像することによりR(赤)、G(緑)、B(青)の3要
    素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元の
    RGB画像データを取得するカメラと、前記3次元のR
    GB画像データを、H(色相)、S(彩度)、I(明
    度)の3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とす
    る3次元のHSI画像データに変換するカラーモデル変
    換部と、前記HSI画像データに基づいて電子部品の搭
    載状態を検査する部品搭載状態検査手段とを備えたこと
    を特徴とする電子部品の搭載状態検査装置。
  2. 【請求項2】前記部品搭載状態検査手段は、前記HSI
    画像データから所望の色を抽出した色抽出画像を入手す
    る色抽出部と、この色抽出画像に基づいて電子部品の搭
    載状態を検査する部品搭載状態検査部とを備えたことを
    特徴とする請求項1記載の電子部品の搭載状態検査装
    置。
  3. 【請求項3】前記色抽出部は、電子部品の色を抽出する
    色抽出フィルタを備えていることを特徴とする請求項2
    記載の電子部品の搭載状態検査装置。
  4. 【請求項4】前記色抽出部は、H(色彩)、S(彩
    度)、I(明度)別に色抽出フィルタを備えたことを特
    徴とする請求項3記載の電子部品の搭載状態検査装置。
  5. 【請求項5】前記色抽出フィルタは、カラーモデル変換
    された画像データを多値化データ形式で入力し、出力を
    2値以上の多値化データで出力することを特徴とする請
    求項3記載の電子部品の搭載状態検査装置。
  6. 【請求項6】前記色抽出フィルタは、ファジー領域を備
    えていることを特徴とする請求項5記載の電子部品の搭
    載状態検査装置。
  7. 【請求項7】前記色抽出部は、H,S,Iのそれぞれの
    色抽出フィルタからの出力を合成して1つのモノクロ画
    像を得ることを特徴とする請求項4記載の電子部品の搭
    載状態検査装置。
  8. 【請求項8】基板に搭載された電子部品の搭載状態を検
    査する電子部品の搭載状態の検査方法であって、基板を
    撮像することによりR(赤)、G(緑)、B(青)の3
    要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とする3次元
    のRGB画像データを取得する工程と、前記3次元のR
    GB画像データを、H(色相)、S(彩度)、I(明
    度)の3要素のそれぞれの要素を1つの独立の次元とす
    る3次元のHSI画像データにカラーモデル変換する工
    程と、このHSI画像データに基づいて電子部品の搭載
    状態を検査する工程とを含むことを特徴とする電子部品
    の搭載状態検査方法。
  9. 【請求項9】前記搭載状態を検査する工程において、前
    記HSI画像データから所望の色を抽出した色抽出画像
    を入手し、この色抽出画像に基づいて電子部品の搭載状
    態を検査することを特徴とする請求項8記載の電子部品
    の搭載状態検査方法。
  10. 【請求項10】前記色抽出画像の入手に、電子部品の色
    を抽出する色抽出フィルタを用いることを特徴とする請
    求項9記載の電子部品の搭載状態検査方法。
  11. 【請求項11】前記色抽出画像の入手に、H(色彩)、
    S(彩度)、I(明度)別に色抽出フィルタを用いるこ
    とを特徴とする請求項10記載の電子部品の搭載状態検
    査方法。
  12. 【請求項12】前記色抽出フィルタは、カラーモデル変
    換された画像データを多値化データ形式で入力し、出力
    を2値以上の多値化データで出力することを特徴とする
    請求項10記載の電子部品の搭載状態検査方法。
  13. 【請求項13】前記色抽出フィルタは、ファジー領域を
    備えていることを特徴とする請求項12記載の電子部品
    の搭載状態検査方法。
  14. 【請求項14】前記色抽出画像は、H,S,Iのそれぞ
    れの色抽出フィルタからの出力を合成して1つのモノク
    ロ画像を得ることを特徴とする請求項11記載の電子部
    品の搭載状態検査方法。
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