JP2001153069A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2001153069A
JP2001153069A JP33793999A JP33793999A JP2001153069A JP 2001153069 A JP2001153069 A JP 2001153069A JP 33793999 A JP33793999 A JP 33793999A JP 33793999 A JP33793999 A JP 33793999A JP 2001153069 A JP2001153069 A JP 2001153069A
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Japan
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check valve
scroll
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refrigerant gas
scroll compressor
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JP33793999A
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Inventor
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Takeshi Fushiki
毅 伏木
Takashi Sehata
崇史 瀬畑
Shin Sekiya
慎 関屋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスクロール圧縮機では、圧縮室に供給
される冷媒ガスを制御するための逆止弁を固定スクロー
ル内部にもうけていたので、装置を小型化できないとい
う問題があった。さらに、スラッジなどの異物により、
逆止弁が物理的ダメージを被るという問題があった。 【解決手段】 固定スクロールに吸入機構を接続し、こ
の吸入機構は固定スクロールに接続された吸入管と、吸
入管に接続された逆止弁ガイドと、逆止弁ガイド内部に
配置され、稼動時に吸入管に冷媒ガスを供給し、非稼動
時に吸入管への前記冷媒ガスの供給を停止する吸入制御
機構とを有するものとした。さらに、異物捕捉ガイドを
逆止弁に接続させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍空調機器等
に使用されるスクロール圧縮機に関するものであり、特
に、圧縮室へ冷媒ガスを吸入する制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、特開平7−77182号公報に
記載された従来の高圧シェル型スクロール圧縮機の縦断
面図である。図8中、100は、上部に圧縮機構が、下
部に電動機部が収納された密閉容器である。101は、
固定スクロールである。102は、揺動スクロールであ
る。103は、フレームである。104は、オルダムリ
ングである。105は、吸入管である。なお、固定スク
ロール101は、圧入された吸入管105でサイクルの
低圧雰囲気と接続されるている。さらに、固定スクロー
ル101と揺動スクロール102とフレーム103とオ
ルダムリング104とで、圧縮機構部を主に構成してい
る。
【0003】106は圧縮室であり、固定スクロール1
01の台板面に下方に向かうように直立した板状渦巻歯
と、揺動スクロール102の台板面に上方に向かうよう
に直立した板状渦巻歯とが噛み合わされることによって
形成されている。107は主軸である。この主軸107
の偏芯部107aは、揺動スクロール102のボス部に
形成された揺動軸受に回転自在に嵌入されている。さら
に、フレーム103には、揺動スクロール102の台板
を支持するための座面、主軸107を支えるスラスト
面、および主軸107を回転自在に径方向に支持する主
軸受が設けられている。108は、ボルトであり、フレ
ーム103の外周部に固定スクロール101を締結して
いる。なお、フレーム103の外周部の側面は、スポッ
ト溶接により密閉容器101に固定されている。
【0004】109は、電動機を構成するロータであ
り、主軸107に圧入などにより嵌着されている。11
0は、電動機を構成するステータであり、密閉容器10
1内に焼きばめなどにより固定されている。
【0005】111は、主軸107の下部を回転自在に
径方向に支持する軸受である。
【0006】次に、従来の高圧シェル型スクロール圧縮
機の動作および給油機構を説明する。ステータ110に
より回転力を受けたロータ109により、主軸107が
回転する。この回転にオルダムリング104が作用する
ことで、揺動スクロール102は自転することなく揺動
運動をする。すなはち、オルダムリング104の一対の
爪が、静止部材であるフレーム103の案内溝と嵌合し
ているため、オルダムリング104は静止系に対して往
復運動をする。さらに、オルダムリング104のもう一
方の一対の爪が、揺動スクロール102の案内溝と嵌合
しているため、揺動スクロール102はオルダムリング
104に対して、オルダムリング104の単振動方向と
は直交方向に単振動し、揺動スクロール102は静止系
に対して位相を保ったまま等速円運動をすることにな
る。
【0007】揺動スクロール102の揺動運動により、
吸入管105を通じて吸い込まれた低圧雰囲気の冷媒ガ
スは、圧縮室で徐々に圧縮され、吐出ポート112から
密閉容器101の中に放出される。放出された冷媒ガス
は、電動機部を冷却し吐出管113から高圧雰囲気に放
出される。
【0008】給油機構は、いわゆる差圧給油方式であ
り、中間圧室114の圧力と吐出圧力(高圧雰囲気)と
の差圧により、圧縮機下部にある冷凍機油115を、主
軸受、揺動軸受、その他摺動部へ供給する。中間圧室1
14は、揺動スクロール102の台板に圧縮室と通じる
2つの中間圧孔(図示せず)により、吸入圧力(低圧雰
囲気)と吐出圧力(高圧雰囲気)の中間の圧力に制御さ
れている。冷凍機油115は、吐出圧(高圧)と中間圧
との差圧により、主軸の内部の貫通穴107bを通り揺
動軸受、主軸受などに供給される。
【0009】また、中間圧室114に入り込んだ冷凍機
油は、揺動スクロール102の中間圧孔(図示せず)や
台板外周部より圧縮室に供給され、吐出ポート112か
ら冷媒ガスとともに密閉容器100の中に放出される。
【0010】次に、図9および図10に基づいて高圧シ
ェル型スクロール圧縮機に搭載されている逆止弁の構造
および動作を説明する。圧縮機が運転すると冷媒ガスは
吸入管105を通じて吸い込まれ、この冷媒ガスの圧力
により逆止弁200が下方の位置に押し下げられて逆止
弁上部空間201が広がる。これにより、図10に示す
様に、吸入管105、逆止弁上部空間201、圧縮室1
06とが連通し、冷媒ガスは次々に圧縮室106に供給
される。
【0011】他方、運転が停止すると、圧縮室106の
圧縮途上の冷媒ガスおよび密閉容器100の高圧冷媒が
逆流しようとする力と、逆止弁200の下側に設けられ
たスプリング202による逆止弁200を上方に押し上
げようとするバネ力とにより、逆止弁下部空間203が
広がる。これにより、逆止弁200は図9の位置に押し
戻され、シールカラー204の下端面と逆止弁200の
上端面とで圧縮室106との吸入通路を閉鎖し、冷媒の
逆流を防止する。それと同時に、圧縮機下部の冷凍機油
115が、主軸107の貫通穴107b、揺動軸受、主
軸受、中間圧室114、中間圧孔、圧縮室106、吸入
管105などを通って圧縮機の外部に持ち出されるのを
防止している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、差圧給油
構造を採用した従来の高圧シェル型スクロール圧縮機で
は、逆止弁を固定スクロールに収納していたので、その
逆止弁の分だけ固定スクロールを大きくしなければなら
ず、このことは、圧縮機の外径の増大ならびに高さの増
大に繋がるため、大型化にともなう空調機への搭載性の
悪化、およびコストアップを招くという問題があった。
このことは、商品力を落とす結果となる。さらに、逆止
弁の存在が物理的障害となり、吸入流路面積が絞られ、
圧縮機の効率低下を招くという問題があった。
【0013】また、サイクル内の異物やスラッジは、密
閉容器内に開放されることなく直接圧縮機構部に流入し
てくるので、異物やスラッジの性状によっては圧縮機構
部が物理的にダメージを受け、効率の低下や、最悪の場
合には異物の噛み込みによる軸ロックで運転不能に陥る
危険性があるという問題があった。
【0014】また、サイクル内の異物やスラッジによっ
て逆止弁が物理的にダメージを受けて、逆止弁の作動不
良、最悪の場合にはロックによる開きっぱなしや閉じっ
ぱなしによる信頼性や効率に対しての致命的な欠陥が生
じる危険性があるという問題があった。
【0015】この発明は、上述の問題点を解消するため
になされたものであり、第1の目的は、逆止弁の基本機
能である圧縮部材の逆転防止機能および油持ち出し防止
機能を確保しつつ、コンパクトで低コストで更に高効率
な圧縮機を得ることである。
【0016】第2の目的は、スラッジや異物に対して、
効率面でも信頼性面でも耐力の高い圧縮機を得ることで
ある。
【0017】第3の目的は、スラッジや異物に対して、
信頼性の高い逆止弁、およびそれを搭載した圧縮機を得
ることである。
【0018】第4の目的は、コンパクト性、低コスト、
高効率、高信頼性を実現することで、高い商品力の冷凍
空調機器を得ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるスクロ
ール圧縮機においては、吸入機構は、固定スクロールに
接続された吸入管と、吸入管に接続された逆止弁ガイド
と、逆止弁ガイド内部に配置され、稼動時に吸入管に冷
媒ガスを供給し、非稼動時に吸入管への前記冷媒ガスの
供給を停止する吸入制御機構とを有するようにした。
【0020】さらに、吸入制御機構は、逆止弁ガイドに
移動自在に配置された少なくとも1以上の連結穴を有す
る逆止弁と、逆止弁ガイド内部に配置された少なくとも
1以上の連結穴を有する逆止弁ストッパーとを有し、非
稼動時、逆止弁と逆止弁ストッパーは圧着し、逆止弁の
連結穴は逆止弁ストッパーのシール面によってシールさ
れ、逆止弁ストッパーの連結穴は逆止弁のシール面によ
ってシールようにした。
【0021】さらに、吸入制御機構は、その一部が係号
部によって逆止弁ガイドの内壁面に接続された逆止弁
と、逆止弁ガイドの内壁面に形成された逆止弁ストッパ
ーとを有し、非稼動時、逆止弁と逆止弁ストッパーは圧
着するようにした。
【0022】さらに、逆止弁ガイドは、密閉容器の外部
に位置しているものとした。
【0023】さらに、逆止弁ガイドに、メッシュホルダ
ーとメッシュシートとを有する異物捕捉ガイドを接続さ
せた。
【0024】さらに、メッシュシートのフィルター径は
500μm以下とした。
【0025】さらに、メッシュシートのフィルター径は
500μm以下で、50μm以上とした。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1における高圧シェル型スクロール圧縮機
の縦断面図である。図1中、1は、上部に圧縮機構が、
下部に電動機部が収納された密閉容器である。2は、固
定スクロールである。3は、揺動スクロールである。4
は、フレームである。5は、オルダムリングである。6
は、吸入機構である。7は、圧縮室であり、固定スクロ
ール2の台板面に下方に向かうように直立した板状渦巻
歯と、揺動スクロール3の台板面に上方に向かうように
直立した板状渦巻歯とが噛み合わされることによって形
成されている。なお、固定スクロール2は、吸入機構6
で接続されている。さらに、固定スクロール2と、揺動
スクロール3と、フレーム4と、オルダムリング5と
で、圧縮機構部を主に構成している。
【0027】8は、主軸である。この主軸8の偏芯部8
aは、揺動スクロール3のボス部に形成された揺動軸受
に回転自在に嵌入されている。さらに、フレーム4に
は、揺動スクロール3の台板を支持するための座面、主
軸8を支えるスラスト面、および主軸8を回転自在に径
方向に支持する主軸受が設けられている。9は、ボルト
であり、フレーム4の外周部に固定スクロール2を締結
している。なお、フレーム4の外周部の側面は、スポッ
ト溶接により密閉容器1に固定されている。
【0028】10は、電動機を構成するロータであり、
主軸8に圧入などにより嵌着されている。11は、電動
機を構成するステータであり、密閉容器1内に焼きばめ
などにより固定されている。
【0029】12は、主軸8の下部を回転自在に径方向
に支持する軸受である。13は、圧縮室7で圧縮された
冷媒ガスを密閉容器1に放出する吐出ポートである。1
4は、放出された冷媒ガスを高圧雰囲気に放出させる吐
出管である。15は、中間圧室である。16は、冷凍機
油である。なお、中間圧室15と吐出圧力との差圧によ
り、冷凍機油16は、主軸受、揺動軸受、その他の摺動
部へ供給する。8bは、主軸8の貫通穴である。なお、
密閉容器1内での動作は、従来と同様である。
【0030】次に、吸入機構6の詳細構成と動作につい
て説明する。図2および図3は吸入機構6の部分縦断面
図である。
【0031】図2中、吸入機構6は、固定スクロール2
に一端が挿入された吸入管21と、この2つの部品の密
着性を確保するためのシールカラー22と、吸入管21
の他端に接続した吸入制御機構23とから主に構成され
ている。吸入制御機構23は、吸入管21に接続され、
この吸入管21よりも径の大きい逆止弁ガイド24と、
この逆止弁ガイド24に溶着された左端が拡径された異
物捕捉デバイス25とを有している。
【0032】逆止弁ガイド24の内部には、逆止弁26
とスプリング27が収納されており、最右端には逆止弁
ストッパー28が圧入されている。なお、スプリング2
7の一端は吸入管21から径が広がる逆止弁ガイド24
のストッパー面24aに固着し、他端は逆止弁26に固
着している。
【0033】また、逆止弁26は、逆止弁ガイド24の
径を塞ぐような平面部材26aを有しており、この平面
部材26aの中央部には連通穴26bが形成され、周辺
にはシール面26cが形成されている。さらに、逆止弁
ストッパー28も、逆止弁ガイド24の径を塞ぐような
平面部材28aを有し、この平面部材28aの周辺部に
は複数の連通穴28bが形成され、中央部にはシール面
28cが形成されている。但し、逆止弁26の連通穴2
6bと、逆止弁ストッパー28の連通穴28bとは、相
対する位置には存在しないように形成されているので、
逆止弁26の平面部材26aと、逆止弁ストッパー28
の平面部材28aとが互いに圧着した場合には、互いの
連通穴が相手のシール面で塞がれるようになる。
【0034】異物捕捉デバイス25は、メッシュホルダ
ー29と、その内部に圧入されたメッシュシート30と
で構成されている。このメッシュシート30は、極細の
鉄線を網目状に織り込んだものであり、鉄線と鉄線の間
隔であるフィルター径は50〜500μmである。
【0035】次に、吸入制御機構23での動作について
説明する。圧縮機が運転されると、吸入管21を通じて
逆止弁下流空間31の冷媒ガスが圧縮室7に取り込まれ
ていくので、逆止弁下流空間31の圧力が低下し、逆止
弁26の左右面の差圧がスプリング27のバネ力に打ち
勝って、逆止弁26は図2に示すように左方に移動し、
逆止弁ガイド24のストッパー面24aに移動拘束され
た状態で静止する。これにより、逆止弁上流空間32と
逆止弁下流空間31とは、逆止弁26の連通穴26bを
介して連通する。
【0036】同時に、逆止弁ストッパー28とメッシュ
シート30とによって形成させるメッシュ下流空間33
は、逆止弁ストッパー28の連通穴28bを介して、逆
止弁上流空間32と連通する。
【0037】そのため、サイクルの低圧雰囲気に存在す
る冷媒ガスは、まずメッシュ上流空間34に導かれ、メ
ッシュ30の編み目を擦り抜けてメッシュ下流空間33
に流入し、次に逆止弁ストッパー28の連通穴28bを
通って逆止弁上流空間32に導かれ、さらに逆止弁26
の連通穴26bを通って逆止弁下流空間31に流入し、
そこから吸入管21を通って圧縮室7に次々と供給され
る。なお、逆止弁ストッパー28の連通穴28bおよび
逆止弁26の連通穴26bを流れる冷媒ガスのは、図4
の流線で示したようになる。
【0038】また、運転状態から運転が停止されると、
圧縮室5の冷媒ガス、および密閉容器1の内部の存在す
る高圧冷媒が逆流しようとする。このため、吸入管21
の圧力が僅かに上昇し、引き続いて逆止弁下流空間31
の圧力が上昇する。その結果、逆止弁左右面の差圧と、
逆止弁26の左側に設けられたスプリング27による逆
止弁26を右方へ押すバネ力とにより、逆止弁26は図
3の位置に押し戻され、逆止弁26の平面部材26a
と、逆止弁ストッパー28の平面部材28aとが圧着
し、互いの連通穴は相手側のシール面で塞がれる。これ
により、逆止弁下流空間32とメッシュ下流空間33と
は連通しなくなるので、冷媒ガスが逆流することはな
い。
【0039】なお、この実施の形態における逆止弁26
は、吸入管21に近い位置に配置されているので、逆止
弁26から吸入管21までの内容積は小さい。そのた
め、その内容積分の再膨張による圧縮機の逆転は実質的
に無視できる。他方、既に説明したように、逆止弁26
と逆止弁ストッパー28との圧着により、サイクルの低
圧雰囲気と圧縮室7は、圧縮機停止直後に遮断されるの
で、圧縮機は実質的に逆転することはない。このため、
逆転にともなう騒音や軸受損傷等の信頼性上の問題は発
生し得ない。加えて、圧縮機下部の冷凍機油16が、主
軸8の貫通穴8b、揺動軸受、主軸受、中間圧室、中間
圧孔、圧縮室7、吸入管21などを通って圧縮機の外部
に持ち出されるのを阻止できる。
【0040】このように、冷媒ガスを制御する機構を固
定スクロール2内部ではなく、密閉容器1の外部に設け
るようにしたので、固定スクロール2が大型化すること
を回避できる。また、これにより、圧縮機自体をコンパ
クトにでき、空調機にとってはハンドリングの良いもの
となる。さらに、重量を小さくでき、材料費も安価にな
る。
【0041】さらに、冷媒ガスを制御する機構を固定ス
クロール2に収納しないことで、最も流路面積確保が困
難な固定スクロール2内部の吸入経路が、冷媒ガスを制
御するための部品、および、それらの部品を支持するた
めの部材で邪魔されることがなくなり、体積効率の低
下、すなわち能力の低下の主要因である吸入圧損の発生
率を著しく低くすることができる。
【0042】なお、この実施の形態では、逆止弁26の
中心近傍を連通穴に外周近傍をシール面に、かつ逆止弁
ストッパー28の中心近傍をシール面に外周近傍を連通
穴にしたが、両者が圧接したときに一方の連通穴が他方
のシール面で確実に塞がり、かつシール面同士に多少の
重なり部があれば機能的によい。従って、逆止弁26の
上半円が連通穴で下半円がシール面、かつ逆止弁ストッ
パー28の上半円よりやや大きい部分がシール面で下半
円よりやや小さい部分が連通穴のような構成であっても
よい。このように、逆止弁26および逆止弁ストッパー
28を比較的加工しやすい形状にすることにより、生産
性が向上する。
【0043】また、逆止弁の形態としては、バネでアシ
ストした円筒弁だけでなく、バネのアシストのない円筒
弁や、外周部が法線方向に往復運動する円盤で形成され
たプレート弁であってもよい。
【0044】次に、異物捕捉デバイス25のメッシュシ
ート30のフィルター径について説明する。図5は、メ
ッシュシートのフィルター径と異物捕捉率との関係を示
す図である。一般に、フィルター径が小さければほぼ1
00%の異物が捕捉されるのに対して、フィルター径が
大きくなるに従って異物を捕捉できる確率、すなわち異
物捕捉効率が低下する。しかし、圧縮機もしくは逆止弁
の信頼性にトラブルを与える異物やスラッジといわれる
ものは、一般に500μmを超えるものであり、500
μm以下の粒子が信頼性上のトラブルの主要因となるこ
とは稀であるという知見がある。よって、このような粒
子を対象にした場合には、図5に示すように、メッシュ
のフュルター径が500μm以下であれば、ほぼ100
%の異物捕捉効率となり、500μmを超えるに従っ
て、急激に異物捕捉率が低下することになる。
【0045】また、図6は、メッシュシートの総面積と
メッシュシートの流路抵抗との関係を示す図である。こ
の図では、フィルター径5μmと、フィルター径50μ
m、フィルター径500μmの3つのメッシュシートで
の総面積と流路抵抗を示している。この図から、フュル
ター径が大きくなればなるほど流路抵抗が小さくなるこ
とがわかる。また、フィルター径5μm程度(実際には
10μm程度)であれば、冷媒機に搭載できる範囲内で
総面積をいくら小さくしても流路抵抗をゼロに近づける
ことはできない。一般的な、冷媒機に搭載できる範囲内
の総面積では、フィルター径50μm程度までであれ
ば、流路抵抗はほぼゼロにすることができる。なお、こ
の実施の形態では、フィルター径を実使用上最も好まし
い100μm前後にしているので、適度な総面積でメッ
シュシートの流路抵抗がほぼゼロとなっている。
【0046】このように、図5およに図6から考えて、
フィルター径を50μmから500μm程度であれば、
流路抵抗は小さく、異物捕捉率は高い状態を保つことが
でき、サイクル内の異物やスラッジを効果的に捕捉して
圧縮室に流入させることのない信頼性の高い圧縮機が実
現できる。なお、仮にメッシュシート30を固定スクロ
ール2に内蔵した場合は、十分に大きな総面積を確保す
ることは困難であり、低圧損で高効率の圧縮機を得るこ
とは望めない。
【0047】さらに、この実施の形態では、メッシュシ
ート30を逆止弁26の上流側に配置したので、サイク
ル内の異物やスラッジが逆止弁26や逆止弁ストッパー
38や逆止弁ガイド24に付着することで、逆止弁26
がロックして閉じなくなったり、もしくはシール面に付
着した異物やスラッジが邪魔をして逆止弁26が十分に
閉じなかったりして、停止時に圧縮機が逆転して信頼性
上の不具合を引き起こすことはない。
【0048】逆に、サイクル内の異物やスラッジが逆止
弁26や逆止弁ストッパー28に付着することで、逆止
弁がロックして開かなくなって、運転時の圧損が極端に
大きくなり致命的な効率低下を引き起こすこともない。
【0049】なお、この実施の形態では、メッシュシー
ト30を左側がオープンな形状で示したが、逆に右側が
オープンな形状でもよい。さらに、メッシュシート30
は必ずしもメッシュホルダー29に装着する必要はな
く、逆止弁ガイド24に装着するようにしてもよい。
【0050】さらに、この実施の形態に示す高圧シェル
圧縮機を搭載した空調機では、圧縮機に起因する不必要
な大型化、コストアップ、信頼性の低下、効率の低下を
招くことがないので、高効率で低コストで高信頼性な、
すなわち商品力の高い空調機が実現されることになる。
【0051】実施の形態2.図7は、この発明の実施の
形態2における高圧シェル型スクロール圧縮機の吸入制
御機構を示す部分縦断面図であり、図2の吸入制御機構
において、逆止弁等の構成を変更したものである。
【0052】図7中、40は逆止弁であり、その一部が
係号部41によって逆止弁ガイド24の内部壁に接続
し、係号部を支点に逆止弁下流空間42側方向に動作可
能なように構成されている。43は、逆止弁ストッパー
であり、ゴム等の弾力性のある材質で構成され、逆止弁
ガイド24の内部壁に逆止弁40が逆止弁上流空間44
側方向に動作することを防止している。
【0053】次に動作について説明する。圧縮機が運転
されると、吸入管21を通じて逆止弁下流空間42の冷
媒ガスが圧縮室7に取り込まれていくので、逆止弁下流
空間42の圧力が低下し、逆止弁40は係号部41を支
点として逆止弁下流空間42側方向に動作する。これに
より、逆止弁40と逆止弁ストッパー42との間に隙間
ができ、逆止弁上流空間44と逆止弁下流空間42とは
連通する。
【0054】そのため、サイクルの低圧雰囲気に存在す
る冷媒ガスは、まずメッシュ上流空間34に導かれ、メ
ッシュシート30の編み目を擦り抜けて逆止弁上流空間
44に導かれ、さらに逆止弁40と逆止弁ストッパー4
3との隙間から逆止弁下流空間42に流入し、そこから
吸入管21を通って圧縮室7に次々と供給される。
【0055】また、運転状態から運転が停止されると、
圧縮室5の冷媒ガス、および密閉容器1の内部に存在す
る高圧冷媒が逆流しようとする。このため、吸入管21
の圧力が僅かに上昇し、引き続いて逆止弁下流空間42
の圧力が上昇する。その結果、逆止弁40には、逆止弁
下流空間42から圧力がかかり、逆止弁40は逆止弁ス
トッパー43に押し付けられる。これにより、逆止弁4
0と逆止弁ストッパー43とは圧着して隙間がなくな
り、逆止弁上流空間44と逆止弁下流空間43との連通
は途絶える。
【0056】このように、冷媒ガスを制御する機構を固
定スクロール2内部ではなく、密閉容器1の外部に設け
るようにしたので、固定スクロール2が大型化すること
を回避できる。また、さらに部材を少なくできるので、
材料費をさらに安価にできる。
【0057】
【発明の効果】上述のように、この発明では、固定スク
ロールが大型化することを回避でき、また、圧縮機自体
をコンパクトにすることができるので、この圧縮機を使
用した空調機は重量を小さく、材料費を安く、ハンドリ
ングも良いものとなる。
【0058】さらに、異物やスラッジにより、圧縮機が
正常に動作しないという事態の発生を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の吸入機構の部分縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の吸入機構の部分縦断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の吸入機構での冷媒ガスの流路を示す図である。
【図5】 メッシュシートのフュイルター径と異物捕捉
率との関係を示す図である。
【図6】 メッシュシートの総面積とメッシュシートの
流路抵抗との関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2におけるスクロール
圧縮機の吸入機構の部分縦断面図である。
【図8】 従来のスクロール圧縮機の縦断面図である。
【図9】 従来のスクロール圧縮機における逆止弁の構
成を示す図である。
【図10】 従来のスクロール圧縮機における逆止弁の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 密閉容器、 2 固定スクロール、 3 揺動スク
ロール、4 フレーム、 5 オルダムタンク、 6
吸入機構、 7 圧縮室、8 主軸、 8a 偏芯部、
8b 貫通穴、 9 ボルト、10 ロータ、 11
ステート、 12 軸受け、 13 吐出ポート、1
4 吐出管、 15 中間圧室、 16 冷凍機油、
21 吸入管、22 シールカラー、 23 吸入制御
機構、 24 逆止弁ガイド、24a ストッパー面、
25 異物捕捉デバイス、 26 逆止弁、26a
平面部材、 26b 連通穴、 26c シール面、2
7 スプリング、 28 逆止弁ストッパー、 28a
平面部材、28b 連結穴、 28c シール面、
29 メッシュホルダー、30 メッシュ、 31 逆
止弁下流空間、 32 逆止弁上流空間、33 メッシ
ュ下流空間、 34 メッシュ上流空間、 40 逆止
弁、41 係止部、 42 逆止弁上流空間、 43
逆止弁ストッパー、44 逆止弁下流空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏木 毅 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 瀬畑 崇史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 関屋 慎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB36 BB51 CC14 CC24 CC43 3H039 AA03 AA04 AA12 BB16 BB21 CC28 CC30 CC34

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器と、固定スクロールと、稼動時
    に揺動する揺動スクロールと、前記固定スクロールと前
    記揺動スクロールから形成された圧縮室と、前記圧縮室
    に冷媒ガスを供給するための吸入機構とを有するスクロ
    ール圧縮機において、前記吸入機構は、前記固定スクロ
    ールに接続された吸入管と、前記吸入管に接続された逆
    止弁ガイドと、前記逆止弁ガイド内部に配置され、稼動
    時に前記吸入管に冷媒ガスを供給し、非稼動時に前記吸
    入管への前記冷媒ガスの供給を停止する吸入制御機構と
    を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 吸入制御機構は、逆止弁ガイドに移動自
    在に配置された少なくとも1以上の連結穴を有する逆止
    弁と、前記逆止弁ガイド内部に配置された少なくとも1
    以上の連結穴を有する逆止弁ストッパーとを有し、非稼
    動時、前記逆止弁と前記逆止弁ストッパーは圧着し、前
    記逆止弁の連結穴は前記逆止弁ストッパーのシール面に
    よってシールされ、前記逆止弁ストッパーの連結穴は前
    記逆止弁のシール面によってシールされることを特徴と
    する請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 吸入制御機構は、その一部が係号部によ
    って逆止弁ガイドの内壁面に接続された逆止弁と、前記
    逆止弁ガイドの内壁面に形成された逆止弁ストッパーと
    を有し、非稼動時、前記逆止弁と前記逆止弁ストッパー
    は圧着することを特徴とする請求項1に記載のスクロー
    ル圧縮機。
  4. 【請求項4】 逆止弁ガイドは、密閉容器の外部に位置
    していることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 逆止弁ガイドには、メッシュホルダーと
    メッシュシートとを有する異物捕捉ガイドが接続されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 メッシュシートのフィルター径は500
    μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のスク
    ロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 メッシュシートのフィルター径は500
    μm以下で、50μm以上であることを特徴とする請求
    項5に記載のスクロール圧縮機。
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