JP2001152822A - エンジンブレーキ装置 - Google Patents

エンジンブレーキ装置

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JP2001152822A
JP2001152822A JP33854999A JP33854999A JP2001152822A JP 2001152822 A JP2001152822 A JP 2001152822A JP 33854999 A JP33854999 A JP 33854999A JP 33854999 A JP33854999 A JP 33854999A JP 2001152822 A JP2001152822 A JP 2001152822A
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JP
Japan
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valve
engine
unit
pressure
oil
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Pending
Application number
JP33854999A
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English (en)
Inventor
Toshio Iijima
寿男 飯島
Yukinori Kawamoto
幸徳 川本
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンのアイドリングストップを行うに際
し、リングギア、セルモータ及びバッテリの耐久性を確
保する。 【解決手段】 本発明に係るエンジンブレーキ装置は、
アイドリングストップ時及びその後の再始動時に排気弁
3を開いて筒内圧縮圧を開放するものである。圧縮抵抗
がなくなるのでエンジンが任意の位相で停止でき、リン
グギアの偏摩耗が防止できる。また始動時にも圧縮抵抗
がなくなるのでセルモータ及びバッテリの負荷が軽減さ
れる。エンジンブレーキ装置との兼用なので装置の有効
利用が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンブレーキ
使用時に圧縮圧を解放してエンジンブレーキ力を増大さ
せるエンジンブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジンブレーキ装置には同期
式と常開式とがあり、本出願人も以前常開式のものにつ
いて提案を行った。ここで常開式とは、エンジンの全行
程において排気弁を少なくとも僅かに開弁しておくもの
をいう。特願平7-231516号、特願平8-25336 号、特願平
8-310598号及び特願平11-279535 号参照。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では燃
料資源問題、環境問題等の観点から信号待ちや渋滞のと
きに自動的にアイドリングストップすることが提唱され
ている。この場合、頻繁にエンジンの停止と再始動とを
繰り返すことになるため、リングギア、セルモータ及び
バッテリの耐久性が問題となる。
【0004】即ち、アイドリングストップのときは燃料
噴射が停止されてエンジンが惰性で回転しながら停止す
る。そしてこの停止は通常ある気筒が圧縮されるときに
行われる。圧縮によって回転抵抗が急激に増加するから
である。よって停止時のエンジン位相はある決まった値
となる。再始動の際、セルモータのピニオンギアがフラ
イホイールのリングギアに噛合することになるが、この
ときエンジン位相が決まっているので、リングギアの噛
合箇所も決まった位置となる。よってリングギアの特定
の歯にだけ再始動時の高トルクが伝達され、その歯の偏
摩耗が生じる。
【0005】また、頻繁に再始動が行われる結果セルモ
ータとバッテリとに繰り返し負荷がかかり、セルモータ
及びバッテリの寿命を短くしてしまう。特にエンジンが
回転し始めてからある程度の回転になるまでの間、セル
モータがエンジンの圧縮抵抗に打ち勝ってエンジンを回
さなければならない。これによりセルモータに大電流が
流れ、これが繰り返される結果セルモータとバッテリと
の劣化が早まってしまう。
【0006】一方、そもそもエンジンブレーキ装置とい
うものは、排気弁を正規のカムリフトと独立して比較的
自由に開弁できるものである。そこで発明者らはかかる
エンジンブレーキ装置を利用して上記問題を解決するに
至った。従来のエンジンブレーキ装置はエンジンブレー
キ用としてのみ用いるものであったが、これをアイドリ
ングストップと再始動のときに利用できれば非常に便利
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジンブ
レーキ装置は、エンジン停止時に排気弁を開弁して圧縮
圧を開放するためのエンジン停止時開弁手段を備えたも
のである。
【0008】ここで、上記エンジン停止がアイドリング
ストップによるものであってもよい。
【0009】また、油圧が供給されたときに上記排気弁
を開弁側に駆動するブレーキユニットと、このブレーキ
ユニットに対する油圧の供給・排出を切り替える電磁弁
ユニットと、この電磁弁ユニットを開閉制御する第一の
制御ユニットとをさらに備え、上記エンジン停止時開弁
手段が、エンジンのオイルポンプと上記電磁弁ユニット
との間に設けられた二股状のオイル供給通路の一方に設
けられた第一の逆止弁と、その他方に設けられた補助油
圧ユニットと、この補助油圧ユニットを制御する第二の
制御ユニットとを備え、上記補助油圧ユニットが、上記
排気弁の開弁に要する油圧を蓄圧する蓄圧器と、この蓄
圧器の下流側に設けられ上記第二の制御ユニットによっ
て開閉制御される電磁切替弁と、上記蓄圧器及び上記電
磁切替弁の上流側に設けられた第二の逆止弁とを備え、
エンジン停止開始直後に上記第一及び第二の制御ユニッ
トによって上記電磁弁ユニット及び上記電磁切替弁を開
とし、上記蓄圧器から上記ブレーキユニットに油圧供給
を行って上記排気弁を開弁側に駆動すると共に、その油
圧によって上記第一及び第二の逆止弁を閉鎖し、上記排
気弁の開弁側への駆動状態をエンジンが停止するまで保
持するものであるのが好ましい。
【0010】一方、本発明に係るエンジンブレーキ装置
は、エンジン始動時に排気弁を開弁して圧縮圧を開放す
るためのエンジン始動時開弁手段を備えたものである。
【0011】ここで、上記エンジン始動がアイドリング
ストップ後の再始動によるものであってもよい。
【0012】また、油圧が供給されたときに上記排気弁
を開弁側に駆動するブレーキユニットと、このブレーキ
ユニットに対する油圧の供給・排出を切り替える電磁弁
ユニットと、この電磁弁ユニットを開閉制御する第一の
制御ユニットとをさらに備え、上記エンジン始動時開弁
手段が、エンジンのオイルポンプと上記電磁弁ユニット
との間に設けられた二股状のオイル供給通路の一方に設
けられた第一の逆止弁と、その他方に設けられた補助油
圧ユニットと、この補助油圧ユニットを制御する第二の
制御ユニットとを備え、上記補助油圧ユニットが、上記
排気弁の開弁に要する油圧を蓄圧する蓄圧器と、この蓄
圧器の下流側に設けられ上記第二の制御ユニットによっ
て開閉制御される電磁切替弁と、上記蓄圧器及び上記電
磁切替弁の上流側に設けられた第二の逆止弁とを備え、
エンジン始動前に上記第一及び第二の制御ユニットによ
って上記電磁弁ユニット及び上記電磁切替弁を開とし、
上記蓄圧器から上記ブレーキユニットに油圧供給を行っ
て上記排気弁を開弁側に駆動すると共に、その油圧によ
って上記第一及び第二の逆止弁を閉鎖し、上記排気弁の
開弁側への駆動状態を少なくともエンジン始動中まで保
持するものであるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0014】図1に本発明に係るエンジンブレーキ装置
の全体構成を示す。図示するように、エンジンブレーキ
装置はエンジンの各気筒毎に設けられたブレーキユニッ
ト1と、これらブレーキユニット1に対し一括して流体
圧の供給・排出を切り替える電磁弁ユニット2とで主に
構成される。ここではエンジンが車両に搭載された直列
4気筒ディーゼルエンジンとされ、その潤滑オイルを作
動流体とする。オイルはエンジンに駆動されるオイルポ
ンプ81で循環駆動され、オイルポンプ81直後の位置
から電磁弁ユニット2、ブレーキユニット1へと順に送
られ、排気弁3の開弁に供される。このようにブレーキ
ユニット1は油圧アクチュエータとして機能する。後述
の説明から分かるように本エンジンブレーキ装置は常開
圧縮式である。ただし本エンジンブレーキ装置は本来の
エンジンブレーキ装置として用いる他、アイドリングス
トップ或いは再始動時の開弁装置として用いることがで
きる。
【0015】図1、図3及び図4に示すように、かかる
ブレーキユニット1では、所定の基準軸Cに沿ってこれ
と同軸にアクチュエータピストン4とチェックボール5
と切替プランジャ6とが配列されている。これらは全て
アクチュエータボディ7に一括して収められ、アクチュ
エータボディ7の外周部には基準軸Cと同軸の雄ネジ8
が設けられる。そしてこのアクチュエータボディ7を固
定側のユニットボディ9に螺合することでブレーキユニ
ット1が大略構成されている。
【0016】ブレーキユニット1は排気弁3の上方に位
置され、下方から順にアクチュエータピストン4、チェ
ックボール5及び切替プランジャ6を収容配置させてい
る。上記基準軸Cは排気弁3と同軸に位置される。ユニ
ットボディ9はエンジンのシリンダヘッド75上に取り
付けられ、上下に貫通したアクチュエータボディ取付穴
10を有する。この穴10の上部が雌ネジ穴11、下部
が大径摺動穴12となっている。雌ネジ穴11に、アク
チュエータボディ7の上部外周に形成された雄ネジ8が
螺合され、大径摺動穴12に、アクチュエータボディ7
の下部外周に形成された大径摺動部13が摺動可能に挿
通される。アクチュエータボディ取付穴10も当然に基
準軸Cと同軸である。
【0017】アクチュエータボディ7は基準軸Cを中心
とする段差円筒状とされ、その内部には、下部に大径の
ピストン収容穴14が、中間部にチェックボール収容穴
15が、上部に切替プランジャ収容穴16が、それぞれ
基準軸Cと同軸に形成されている。チェックボール収容
穴15と切替プランジャ収容穴16とが基準軸Cと同軸
の油圧給排口17で連通される。
【0018】ピストン収容穴14にアクチュエータピス
トン4が摺動自在に挿入される。アクチュエータピスト
ン4はその中心に出力軸18を一体に有し、出力軸18
の外周にピストンスプリング19を収容させる。ピスト
ンスプリング19はアクチュエータピストン4を上方に
付勢している。ピストン収容穴14の下端部にそれぞれ
リング状のピストンスプリングシート20とスナップリ
ング21とが係合して取り付けられる。
【0019】アクチュエータピストン4は基準軸Cに沿
って昇降可能であるが、アクチュエータボディ7には、
アクチュエータピストン4と当接してその移動量(昇降
量)を所定範囲に規制する一対のストッパ部が設けられ
る。上方のストッパ部はピストン収容穴14の上端壁2
2からなり、下方のストッパ部はピストンスプリングシ
ート20からなる。これらストッパ部にアクチュエータ
ピストン4が当接して上昇・下降が規制される。
【0020】チェックボール収容穴15にはカップ状の
ボールリテーナ23が固設され、この中にチェックボー
ル5が僅かに昇降可能に設けられる。またボールリテー
ナ23の中にはチェックボール5を上方の油圧給排口1
7側に付勢するボールスプリング24も設けられる。な
おボールリテーナ23はオイルを通過させ得る構造とな
っている。
【0021】切替プランジャ収容穴16に切替プランジ
ャ6が摺動昇降可能に挿入される。切替プランジャ6
は、中空ピストン状に構成され、下方のテーパ部の先端
にプッシュピン25を一体に有する。プッシュピン25
はオイル給排口17を隙間をもって挿通し、チェックボ
ール5を押し下げることができる。切替プランジャ6は
上方に開放した円筒部26を有してその内部にプランジ
ャスプリング27を収容させる。プランジャスプリング
27は切替プランジャ6を下方に付勢している。切替プ
ランジャ収容穴16の上端にプランジャスプリングシー
ト28とスナップリング29とが係合して取り付けられ
る。切替プランジャ6は、プランジャスプリングシート
28に当接したときその上昇が規制され、切替プランジ
ャ収容穴16の段差状縮径部30に当接したときその下
降が規制される。
【0022】切替プランジャ6の下側に切替油圧室31
が区画形成され、アクチュエータピストン4の上側に、
ピストン収容穴14とチェックボール収容穴15とで区
画される高圧油圧室32が形成される。これら切替油圧
室31と高圧油圧室32とが油圧給排口17で連通され
る。
【0023】ユニットボディ9内部に基準軸Cと直交す
るオイル第一通路33が設けられ、このオイル第一通路
33と切替油圧室31とが、オイル第一通路33から直
交方向に延出するオイル第二通路34で連通される。特
にこのオイル第二通路34はクランク状に形成され、そ
の中間の縦に延びる部分がアクチュエータボディ7とユ
ニットボディ9との螺合部に形成されている。即ち、ア
クチュエータボディ7の雄ネジ8に基準軸C方向に沿う
溝35を設け、これをオイル第二通路34の一部として
いる。なお36はオイル第二通路34の加工穴を塞ぐ盲
ボールである。
【0024】このようにユニットボディ9は、アクチュ
エータボディ7を囲繞する部分と、オイル第一通路33
を囲繞する部分とからなるコンパクトな構成である。こ
こでアクチュエータボディ7の雄ネジ8の上端部がユニ
ットボディ9から上方に突出され、この突出部にロック
ナット37が締結されて、アクチュエータボディ7とユ
ニットボディ9との相対位置が固定される。雄ネジ8の
上端面部に工具係合用のスリット38が設けられる。
【0025】このブレーキユニット1では、オイル第一
通路33、オイル第二通路34を通じて切替油圧室31
に高圧オイルが導入されると、この油圧で切替プランジ
ャ6が上昇されると共に、チェックボール5が押し下げ
られてオイル給排口17が開く。すると高圧オイルが高
圧油圧室32に導入され、アクチュエータピストン4を
下方に押圧する。これにより排気弁3が開弁側に駆動さ
れる。高圧油圧室32の圧力が一定の高圧に落ち着く
と、チェックボール5がボールスプリング24により押
し上げられてオイル給排口17を塞ぐ。
【0026】他方、オイル第一通路33、オイル第二通
路34を通じて切替油圧室31から高圧オイルが排出さ
れると、切替プランジャ6がプランジャスプリング27
により押し下げられ、切替プランジャ6がチェックボー
ル5を押し下げる。するとオイル給排口17が開いて高
圧油圧室32の高圧オイルが切替油圧室31、オイル第
二通路34、オイル第一通路33へとリークしていき、
高圧油圧室32の油圧が低下する。こうなるとアクチュ
エータピストン4が上昇する。
【0027】図3に示すように、エンジンには1気筒当
たりに二つの排気弁3が設けられる。これら排気弁3は
正規のバルブタイミングで同時にリフトする必要があ
る。このためエンジンにはバルブスプリング40、バル
ブブリッジ41、ロッカーアーム42及びカムシャフト
39が設けられる。
【0028】本装置ではアクチュエータピストン4によ
る排気弁リフトとカムによる排気弁リフトとが干渉する
ときがある。このため以下の構成によりカムリフトを優
先させている。
【0029】即ち、プッシュロッド43がスリーブ44
に摺動自在に挿通され、スリーブ44がバルブブリッジ
41に上下貫通状態で螺合され、ナット45で固定され
る。正規のカムリフトの際はバルブブリッジ9及びスリ
ーブ44が同時下降し、スリーブ44がプッシュロッド
下端の傘部46に係合してプッシュロッド43を押し下
げる。この結果排気弁3が比較的大きくリフトされる。
一方、アクチュエータピストン4によるブレーキ時リフ
トの際はアクチュエータピストン4がプッシュロッド4
3をスリーブ44に対し相対移動させながら押し下げ
る。これによりプッシュロッド43に押された排気弁3
が微小リフトする。排気弁3のカムリフト量がブレーキ
時のリフト量より大きいので、互いのリフトが干渉した
ときは正規のカムリフトが優先し、アクチュエータピス
トン4とプッシュロッド43とが比較的大きく離れる。
【0030】ところで、図4に示すように、エンジンブ
レーキ装置非作動時で排気弁3も閉止されている場合に
おいて、アクチュエータピストン4の出力軸18の軸端
と、プッシュロッド43の軸端との間に僅かなギャップ
Gがある。このギャップGの大きさ如何でブレーキ時の
排気弁リフトタイミング及びリフト量が微妙に変化す
る。このため、ブレーキユニット1をエンジンに組み付
ける際には、製造誤差や組付誤差に拘らず、ギャップG
を予め決められた一定値にしなければならない。本装置
ではこのときの微調整が大変容易である。
【0031】即ち、上方からロックナット37を緩め、
上方からスリット38に工具を係合してアクチュエータ
ボディ7を回転させ、アクチュエータボディ7ごとアク
チュエータピストン4を昇降させ、ギャップGを所望値
に合わせた後、ロックナット37を締め付ければよい。
このように干渉物のない上方から作業が行えるので作業
は大変容易である。
【0032】図1及び図2に示すように、本装置ではエ
ンジン82の長手方向の前後において、二気筒分のユニ
ットボディ9が一体に連結されて連結ユニットボディ4
7をなし、各連結ユニットボディ47が二本のボルト4
8でシリンダヘッド83上のボス77に載せられ、両持
ち支持されつつ固定されている。一方、シリンダヘッド
83上部にこれと同形状の枠状のケーシング49が取り
付けられ、ケーシング49の長手方向中間位置且つ外側
部に電磁弁ユニット2が取り付けられる。電磁弁ユニッ
ト2のオイル出口部54と各連結ユニットボディ47と
がそれぞれオイル配管50で接続される。連結ユニット
ボディ47の内部にその長手方向に沿う上記オイル第一
通路33が設けられ、各気筒のブレーキユニット1に対
しオイルを給排できるようになっている。
【0033】図5に示すように、電磁弁ユニット2は、
アイ51とアイボルト52とからなるオイルの入口部5
3及び出口部54を有する。入口部53には高圧オイル
が常時供給される。出口部54は先のオイル配管50に
接続され、連結ユニットボディ47(即ち各気筒ブレー
キユニット1)に対し高圧オイルを給排する。55は出
口部54に戻されてきたオイルをオイルパン84(図
1)側に排出するためのニップルである。
【0034】電磁弁ユニット2はバルブボディ56とこ
れに同軸に取り付けられたコイルケース57とを有す
る。コイルケース57にはコイル58が収容され、この
コイル58のON/OFFに応じてプランジャ59が軸方向に
進退される。そしてこれに合わせてバルブボディ56内
のスプールバルブ60が軸方向に進退する。スプールバ
ルブ60は、バルブボディ56内に同軸嵌合されたバル
ブケース61内に摺動自在に収められる。バルブケース
61内にはスプールバルブ60をプランジャ59側に付
勢するリターンスプリング62が設けられる。入口部5
3と出口部54との軸方向位置にそれぞれバルブケース
61を貫通するオイル入口穴63及びオイル出口穴64
が設けられる。そしてスプールバルブ60の外周部にオ
イル入口穴63及び出口穴64を選択的に連通させるた
めの縮径通路65が設けられる。バルブケース61の末
端にオイル排出穴66が設けられる。
【0035】図5に示すコイルOFF の状態ではプランジ
ャ59及びスプールバルブ60が引込み位置にあり、オ
イル入口穴63とオイル出口穴64とが遮断される。こ
れにより入口部53に供給されたオイルは縮径通路65
内で遮断され、出口部54には至らない。このときスプ
ールバルブ60がオイル出口穴64を半分開放してい
る。よって既にブレーキユニット1に高圧オイルが供給
されていれば、これが逆流されてオイル出口穴64、オ
イル排出穴66へと至り、ニップル55から排出され
る。この排出オイルはオイルパンへと戻されることにな
る。
【0036】一方、この状態からコイル58がONされる
と、プランジャ59及びスプールバルブ60が突出移動
(図の左側に移動)され、オイル入口穴63とオイル出
口穴64とが連通される。これにより縮径通路65内で
待機していた高圧オイルがオイル出口穴64、出口部5
4へと通じて各ブレーキユニット1に供給される。これ
により各ブレーキユニット1においてアクチュエータピ
ストン4が駆動され、排気弁3の微小リフトが実行され
る。
【0037】図1に示すように、本装置には装置全体の
制御を司る電子制御ユニット(以下「ECU」という)
67が設けられる。そこでコイル58はこのECU67
によりON/OFF制御されることとなる。ECU67にはエ
ンジン回転数や各気筒のTDC信号等、エンジン運転状
態、車両走行状態等に関する各種信号が送られている。
これについては後に詳しく述べる。
【0038】本装置を本来のエンジンブレーキ装置とし
て作動させているときのサイクル線図は図6のようにな
る。上述の如く、コイル58がONされるとアクチュエー
タピストン4が高圧オイルで下向きに押される。このと
き後述の理由で、既に排気弁3が正規のバルブタイミン
グで下降されている場合に限り、アクチュエータピスト
ン4が下降する。この後排気弁3が正規のバルブタイミ
ングで上昇するとき、同時にプッシュロッド43が上昇
してアクチュエータピストン4の出力軸18に当接す
る。これにより図3に示すように排気弁3がバルブシー
ト76に対し僅かに(1mm程度)リフトされ、全閉と
なるのを妨げられる。後は少なくともこの微小リフト状
態が全サイクルに亘り保持され、正規の開弁時期になれ
ば正規のカムリフト量でリフトされる。
【0039】アクチュエータピストン4を駆動する高圧
オイルはエンジン潤滑系のためのシステム油圧であり、
それ程高圧でない。よってバルブスプリング40の付勢
力に逆らって排気弁3を押し下げられる程の力はない。
よって排気弁3の下降と同時又は下降後にアクチュエー
タピストン4を下降させ、これで上昇しようとする排気
弁3を全閉寸前で止めるのである。排気弁3を押し下げ
られる程の力はないが、一旦開いた排気弁3を止めるだ
けの力はある。逆にいえばそれ程高圧でないシステム油
圧を使って排気弁3の微小リフトを達成できるので、よ
り高圧のオイルを作るための油圧回路を別途設けずに済
み、構造単純化、低コスト化を図れる。もっとも、状況
が許せばバルブスプリング40の付勢力に逆えるだけの
油圧を発生できる装置を別途設けてもよい。
【0040】こうしたことから、コイルONのタイミング
は比較的自由に設定できる。コイルONによるアクチュエ
ータピストン4への油圧供給が、そのまま排気弁3のリ
フトに繋がる訳ではないからである。図1に示すよう
に、本装置は車室内に設けられた手動スイッチ72のON
/OFFに応じて作動・非作動が切り替えられる。ただしこ
れはエンジンブレーキ装置として使用する場合のみの話
であって、後述するアイドリングストップ或いは再始動
時開弁装置として使用する場合は常に作動可能な状態に
ある。
【0041】本装置には以下の構造上の特徴がある。ま
ず、アクチュエータボディ7にアクチュエータピストン
4とチェックボール5と切替プランジャ6とを同軸に収
め、アクチュエータボディ7をユニットボディ9に螺合
して所謂フローティングボディの構造をなしたので、ブ
レーキユニット1の構成が大変コンパクトになり、アク
チュエータボディ7やユニットボディ9への穴加工も同
軸加工となって大変容易となる。これによって高精度の
ブレーキユニットを低コストで製造できるようになる。
【0042】また、ギャップGの調整は上方から行える
ので大変容易である。このときアクチュエータボディ7
を回転させてこれごとアクチュエータピストン4を昇降
させるので、上方からの作業が容易に可能となる。アク
チュエータボディ7を回転させてもアクチュエータピス
トン4は芯ズレしない。これはアクチュエータピストン
4とアクチュエータボディ7の雄ネジ8とが基準軸Cに
同軸だからである。これによってアクチュエータボディ
7の回転中、この中でアクチュエータピストン4が回転
方向に相対滑りを起こしたとしても、アクチュエータピ
ストン4と排気弁3との同軸性が保たれる。
【0043】また、アクチュエータボディ7とユニット
ボディ9との螺合部にオイル第二通路34の一部を形成
したのでオイル第二通路34の加工が容易である。即
ち、本実施形態のように雄ネジ8の外周部に溝35を設
けるだけでよい。さらにこうすることにより、アクチュ
エータボディ7がギャップ微調整のため昇降されても、
通路が断たれることなくその連通状態が保たれる。
【0044】さらに、特願平8-310598号のようなピスト
ン最大リフト自動調節機構が採用されてないので、チェ
ックボール5の信頼耐久性が確保される。
【0045】本装置では二気筒分のユニットボディ9を
連結して連結ユニットボディ47をなし、これを両持ち
支持するようにしたので、上記先願のような片持ち支持
に比べ取付剛性が高く振動が抑制される。また連結ユニ
ットボディ47に共通のオイル第一通路33を作れるの
で、先願のように各気筒のブレーキユニット毎にオイル
の配管をしなくて済む。この結果、長い配管を用いなく
て済み、振動による亀裂発生といったことがなくなり、
信頼耐久性の面で非常に有利となる。本装置では図2に
示すように二本の短いオイル配管50しか用いていな
い。特にエンジン長手方向前後の連結ユニットボディ4
7の間に電磁弁ユニット2をレイアウトする本装置の構
成だとオイル配管50が最短となる。なお連結ユニット
ボディ47はより多気筒分のものとすることもできる。
【0046】図2に示したように、本装置では枠状のケ
ーシング49を別途設け、これの外側部に電磁弁ユニッ
ト2を取り付けるようにしている。このため取付作業や
メンテナンスが容易となる。この場合電磁弁ユニット2
のバルブボディ56とケーシング49とを一体化するこ
ともでき、こうすると低コスト化に有利となる。
【0047】ところで、図1に示すように、本装置はエ
ンジン側に設けられたオイル供給装置から高圧オイルの
供給を受ける。オイル供給装置は、オイルパン84に貯
留された潤滑オイルをエンジンに駆動されるオイルポン
プ81により吸引吐出し、リリーフ弁85、オイルフィ
ルタ86を順に通過後、エンジンの潤滑系87及び電磁
弁ユニット2のオイル入口部53に供給するようになっ
ている。特にオイルポンプ81直後のオイルを電磁弁ユ
ニット2に送るため、十分高圧のオイルをエンジンブレ
ーキ装置に供給できる。
【0048】一方、本装置をアイドリングストップ時或
いは再始動時の開弁装置として使用できるよう、本装置
には以下の如きエンジン停止時開弁手段及びエンジン始
動時開弁手段が設けられる。
【0049】即ち、図1に示すように、これら手段は主
に補助油圧ユニット89、逆止弁88(本発明の第一の
逆止弁をなす)及びECU67から構成される。オイル
フィルタ86から電磁弁ユニット2に至るオイル供給通
路が二股状に分岐され、その一方L1 に逆止弁88が、
他方L2 に補助油圧ユニット89が設けられる。先願に
係るエンジンブレーキ装置ではオイル供給通路は一方L
1 のみで逆止弁88も設けられていない。逆止弁88は
一方の通路L1 における電磁弁ユニット2側からのオイ
ルの逆流を防止する。
【0050】補助油圧ユニット89は、オイルフィルタ
86通過後のオイルを吸引吐出する油圧ポンプ90と、
この油圧ポンプ90を駆動するモータ91と、油圧ポン
プ90の下流側に上流側から順に設けられたリリーフ弁
92、逆止弁93(本発明の第二の逆止弁をなす)及び
電磁切替弁94と、逆止弁93及び電磁切替弁94の間
に設けられた蓄圧器95と、蓄圧器95の圧力に応じて
モータ91をON/OFFする圧力スイッチ96とから構成さ
れる。電磁切替弁94はECU67に接続されてこれに
よりON/OFFされ、開閉制御される。蓄圧器95には圧力
センサ99が設けられ、その圧力信号がECU67に送
られる。
【0051】この補助油圧ユニット89では排気弁3の
開弁に要する油圧を蓄圧器95に保持する。このため、
蓄圧器95の圧力が所定値以下に下がれば、圧力スイッ
チ96がONとなってモータ91が起動され、蓄圧器95
に高圧オイルが自動的に補充される。このように蓄圧器
95には一定以上の油圧が常に保持される。そして電磁
切替弁94がON(開)され、電磁弁ユニット2もONされ
ることにより、蓄圧器95に貯められた油圧が電磁弁ユ
ニット2に至り、これを通過してブレーキユニット1に
供給され、排気弁3の開弁側への駆動に供される。この
とき油圧で逆止弁88が閉じられるので、油圧がエンジ
ン潤滑系87に回り込むことが防止される。また蓄圧器
95の上流側の逆止弁93も閉じられるので、油圧が確
実に電磁弁ユニット2側に供給される。
【0052】ここで、電磁切替弁94がONのとき、オイ
ル供給通路の一方の通路L1 と他方の通路L2 との合流
地点Xにおいて、オイルポンプ81から発生したシステ
ム油圧P1 と蓄圧器95に貯められていた貯蓄油圧P2
とが干渉する。この場合、大きい方の油圧が優先的に電
磁弁ユニット2に向かう。逆止弁88,93があること
で、油圧の小さい方の通路におけるオイルの逆流は防止
され、逆止弁88,93の下流側で圧力が増大されるの
みである。仮にエンジンが停止しシステム油圧P1 がゼ
ロになっても、或いはエンジンがアイドリング状態でシ
ステム油圧P1が低くても、貯蓄油圧P2 が電磁弁ユニ
ット2、ブレーキユニット1に至り排気弁3の開弁に供
される。
【0053】図2に示すように、補助油圧ユニット89
は一体のケーシング97に収められてエンジン82とは
別の場所に取り付けられる。所謂ボルトオン構造であ
り、このため本ユニットのないエンジンと同一の組立ラ
インで流すことができる。なお補助油圧ユニット89
と、電磁弁ユニット2のオイル入口部53とが配管98
で結ばれる。
【0054】ECU67は、エンジンブレーキ装置とし
て用いるときのブレーキ制御装置であるほか、エンジン
制御装置やアイドリングストップ・再始動時制御装置も
兼ねている。このため図示しないがECU67にはエン
ジン回転センサ、アクセルセンサ、アクセルスイッチ、
クラッチスイッチ、車速センサ等各種センサ類が接続さ
れ、エンジン運転状態、車両走行状態等に関する各種情
報を得られるようになっている。またエンジンのセルモ
ータも接続され、セルモータをON/OFFし得るようになっ
ている。
【0055】このようにECU67は、本発明の第一の
制御ユニットと第二の制御ユニットとを兼用でなしてい
る。しかしながらこれら制御ユニットは別々に構成して
も構わない。
【0056】次に、本装置をアイドリングストップ時開
弁装置或いは再始動時開弁装置として使用する場合の制
御方法を説明する。まず、図7を用いて前者の制御方法
を説明する。この制御はECU67によって実行され
る。
【0057】図示するように、ECU67は、エンジン
の通常運転中にアイドリングが開始されたのと同時に本
制御を開始し、この開始と同時に内蔵タイマを用いてア
イドリング累積時間Tiをカウントする。そしてステッ
プ701において、そのアイドリング累積時間Tiを設
定値Ti0 と比較し、Ti>Ti0 ならステップ702
に進み、Ti≦Ti0 ならステップ701を繰り返す。
【0058】ステップ702ではクラッチスイッチの出
力に基づき、現在クラッチが接(クラッチスイッチOFF
)か否かを判断する。クラッチ接なら次のステップ7
03に進み、クラッチ断(クラッチスイッチON)ならス
テップ701に戻る。ステップ703では車速センサの
出力に基づき、現在車速が0か否か、即ち車両停止中か
否かを判断する。車両停止中なら次のステップ704に
進み、車両停止中でなければステップ701に戻る。ス
テップ704では圧力センサ99の出力に基づき、蓄圧
器95の圧力Paが設定値Pa0 を越えているか否かを
判断する。この設定値Pa0 は排気弁3の開弁に十分な
値が設定される。Pa>Pa0 なら次のステップ705
に進み、Pa≦Pa0 ならステップ701に戻る。ステ
ップ705では、他のエンジン停止条件が成立している
か否かを判断する。条件成立ならステップ706に進
み、条件不成立ならステップ701に戻る。
【0059】ステップ706ではエンジンの燃料噴射を
カットし、エンジン停止を開始する。例えばコモンレー
ル式ディーゼルエンジンの場合、インジェクタへの通電
を中止することによりこれを行うことができる。このよ
うに燃料噴射をカットすると、エンジンは惰性で回転し
て徐々に減速していく。この後ステップ707で、予め
定められた待ち時間T1だけ待機し、次いでステップ7
08に進んで電磁弁ユニット2をONし、ステップ709
に進んで電磁切替弁94をONする。なお時間T1はミリ
セコンド単位の値である。
【0060】こうなると、蓄圧器95に貯まっていた油
圧が電磁弁ユニット2に送られ、次いで各気筒のブレー
キユニット1に送られ、アクチュエータピストン4が駆
動されて排気弁3が開弁される。この開弁によりもはや
シリンダ内は圧縮されなくなり、圧縮抵抗がなくなるの
でエンジンは任意の位相で停止することができる。
【0061】これにより、次回再始動を行うときリング
ギアの任意の歯にセルモータギアが噛み合うことになる
から、リングギアの偏摩耗が防止され、リングギアの耐
久性を確保できる。
【0062】なお、エンジン停止後も電磁弁ユニット2
をON、電磁切替弁94をONの状態に保持しておく。
【0063】次に、図8を用いて、本装置をアイドリン
グストップ後の再始動時開弁装置として使用する場合の
制御方法を説明する。この制御は先の制御に継続して行
われ、前記同様にECU67によって実行される。
【0064】図示するように、ECU67は、エンジン
停止中にアクセルスイッチの出力を監視し続け、アクセ
ルスイッチのON、即ちアクセルペダルが踏み込まれた
(アクセルON)と同時に本制御を開始する。
【0065】まずステップ801において、クラッチス
イッチの出力に基づき、現在クラッチが接(クラッチス
イッチOFF )か否かを判断する。クラッチ接なら次のス
テップ802に進み、クラッチ断(クラッチスイッチO
N)ならステップ801を繰り返す。ステップ802で
は圧力センサ99の出力に基づき、蓄圧器95の圧力P
aが設定値Pa0 を越えているか否かを判断する。Pa
>Pa0 なら次のステップ803に進み、Pa≦Pa0
ならステップ801に戻る。ステップ803では、他の
エンジン始動条件が成立しているか否かを判断する。条
件成立ならステップ804に進み、条件不成立ならステ
ップ801に戻る。
【0066】ステップ804においては、セルモータを
ONし、エンジンの始動を開始する。このときアイドリン
グストップ時開弁制御のときの電磁弁ユニットON、電磁
切替弁ONが保持されているので、排気弁3は開弁されて
いる。よってセルモータでエンジンを回転させるときの
圧縮抵抗はなくなり、これによりセルモータやバッテリ
への負荷を大幅に軽減できる。つまり本装置を所謂デコ
ンプ装置として使うのである。こうしてセルモータに流
れる電流やバッテリの消費電力を大幅に低減でき、エン
ジン停止・始動を繰り返す場合にあっても十分な耐久性
を確保できる。またセルモータやバッテリの小型化等も
図れる。
【0067】こうして暫くの間排気弁開弁状態を保持し
つつ、ステップ805に進んで予め定められた待ち時間
T2だけ待機し、ステップ806に進んで燃料噴射を開
始する。例えばコモンレール式ディーゼルエンジンの場
合、所定の噴射タイミングでインジェクタへの通電を行
う。この後ステップ807で所定の待ち時間T3だけ待
機した後、ステップ808に進む。なお、時間T2,T
3はミリセコンド単位の値である。
【0068】ステップ808では、エンジン回転センサ
の出力に基づく現在のエンジン回転速度Neを予め定め
られた始動判定しきい値Nestと比較する。Ne≦N
estのときはまだエンジンが始動してない、つまり自
力運転に至ってないと判断し、ステップ808を繰り返
す。Ne>Nestのときはエンジンが始動したと判断
し、ステップ809に進む。
【0069】ステップ809においては電磁切替弁94
をOFF する。これにより蓄圧器95側からの油圧供給が
なくなる。そしてこの直後、ステップ810で電磁弁ユ
ニット2をOFF する。こうなるとブレーキユニット1の
油圧が排出され、排気弁開弁駆動力がなくなる。これに
より排気弁3は正規のカムリフトのみよって開閉される
ようになる。こうして通常の状態に戻った後は、ステッ
プ811に進んでセルモータをOFF し、本制御を終了す
る。
【0070】このように、本発明によれば、本来エンジ
ンブレーキ装置であるものをアイドリングストップ・再
始動時開弁装置として使用でき、装置の有効利用が図れ
る。そしてリングギアの偏摩耗やセルモータ及びバッテ
リの繰り返し負荷を防止でき、エンジンひいては装置全
体の高い信頼耐久性を確保できる。
【0071】構造上は、特願平11-279535 号の装置に補
助油圧ユニット89及び逆止弁88を追加するだけでよ
いので、安価な変更で済み既存の装置にも容易に追加で
きる。特に補助油圧ユニット89はボルトオン構造なの
で設置が容易である。
【0072】なお、本発明の実施の形態は上記のものに
限られない。例えばアイドリングストップ・再始動時以
外のエンジン停止時・始動時にも、本装置を開弁装置と
して用いることができる。また本発明は同期式、所謂ヤ
コブ式のエンジンブレーキ装置にも適用でき、排気弁の
他に専用弁(所謂サードバルブ)を有するエンジンブレ
ーキ装置にも適用できる。この場合専用弁は本発明の排
気弁に含めるものとする。
【0073】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下の如
き優れた効果を発揮する。
【0074】(1) エンジンの停止時・始動時開弁装置、
特にアイドリングストップ・再始動時開弁装置として使
用でき、装置の有効利用が図れる。
【0075】(2) アイドリングストップ・再始動時開弁
装置として使用した場合、リングギア、セルモータ及び
バッテリの信頼耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンブレーキ装置のシステム図である。
【図2】エンジンブレーキ装置の取付状態を示す斜視図
である。
【図3】ブレーキユニットの取付状態を示す縦断面図で
ある。
【図4】ブレーキユニットの拡大縦断面図である。
【図5】電磁弁ユニットの縦断面図である。
【図6】エンジンブレーキ装置として使用するときの吸
排気弁リフト線図である。
【図7】アイドリングストップ時開弁制御の内容を示す
フローチャートである。
【図8】再始動時開弁制御の内容を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 ブレーキユニット 2 電磁弁ユニット 3 排気弁 67 電子制御ユニット 81 オイルポンプ 82 エンジン 88,93 逆止弁 89 補助油圧ユニット 94 電磁切替弁 95 蓄圧器 L1 一方のオイル供給通路 L2 他方のオイル供給通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA02 AC03 CA02 DA02 DA15 DD01 DF04 DF09 DF10 DG02 DG05 DG09 EA12 EA13 EA17 EA22 EA28 EA29 EB03 FA00 FA13 FA19 FA31 FA32 FA34 FA49 FA50 GA01 GA10 GB08 HF05X HF08Z HF15Z HF21Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン停止時に排気弁を開弁して圧縮
    圧を開放するためのエンジン停止時開弁手段を備えたこ
    とを特徴とするエンジンブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 上記エンジン停止がアイドリングストッ
    プによるものである請求項1記載のエンジンブレーキ装
    置。
  3. 【請求項3】 油圧が供給されたときに上記排気弁を開
    弁側に駆動するブレーキユニットと、該ブレーキユニッ
    トに対する油圧の供給・排出を切り替える電磁弁ユニッ
    トと、該電磁弁ユニットを開閉制御する第一の制御ユニ
    ットとをさらに備え、 上記エンジン停止時開弁手段が、エンジンのオイルポン
    プと上記電磁弁ユニットとの間に設けられた二股状のオ
    イル供給通路の一方に設けられた第一の逆止弁と、その
    他方に設けられた補助油圧ユニットと、該補助油圧ユニ
    ットを制御する第二の制御ユニットとを備え、 上記補助油圧ユニットが、上記排気弁の開弁に要する油
    圧を蓄圧する蓄圧器と、該蓄圧器の下流側に設けられ上
    記第二の制御ユニットによって開閉制御される電磁切替
    弁と、上記蓄圧器及び上記電磁切替弁の上流側に設けら
    れた第二の逆止弁とを備え、 エンジン停止開始直後に上記第一及び第二の制御ユニッ
    トによって上記電磁弁ユニット及び上記電磁切替弁を開
    とし、上記蓄圧器から上記ブレーキユニットに油圧供給
    を行って上記排気弁を開弁側に駆動すると共に、その油
    圧によって上記第一及び第二の逆止弁を閉鎖し、上記排
    気弁の開弁側への駆動状態をエンジンが停止するまで保
    持する請求項1又は2記載のエンジンブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 エンジン始動時に排気弁を開弁して圧縮
    圧を開放するためのエンジン始動時開弁手段を備えたこ
    とを特徴とするエンジンブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 上記エンジン始動がアイドリングストッ
    プ後の再始動によるものである請求項3記載のエンジン
    ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 油圧が供給されたときに上記排気弁を開
    弁側に駆動するブレーキユニットと、該ブレーキユニッ
    トに対する油圧の供給・排出を切り替える電磁弁ユニッ
    トと、該電磁弁ユニットを開閉制御する第一の制御ユニ
    ットとをさらに備え、 上記エンジン始動時開弁手段が、エンジンのオイルポン
    プと上記電磁弁ユニットとの間に設けられた二股状のオ
    イル供給通路の一方に設けられた第一の逆止弁と、その
    他方に設けられた補助油圧ユニットと、該補助油圧ユニ
    ットを制御する第二の制御ユニットとを備え、 上記補助油圧ユニットが、上記排気弁の開弁に要する油
    圧を蓄圧する蓄圧器と、該蓄圧器の下流側に設けられ上
    記第二の制御ユニットによって開閉制御される電磁切替
    弁と、上記蓄圧器及び上記電磁切替弁の上流側に設けら
    れた第二の逆止弁とを備え、 エンジン始動前に上記第一及び第二の制御ユニットによ
    って上記電磁弁ユニット及び上記電磁切替弁を開とし、
    上記蓄圧器から上記ブレーキユニットに油圧供給を行っ
    て上記排気弁を開弁側に駆動すると共に、その油圧によ
    って上記第一及び第二の逆止弁を閉鎖し、上記排気弁の
    開弁側への駆動状態を少なくともエンジン始動中まで保
    持する請求項4又は5記載のエンジンブレーキ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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