JP2001152540A

JP2001152540A - 異物除去槽および異物除去設備

Info

Publication number: JP2001152540A
Application number: JP33702799A
Authority: JP
Inventors: Akiyoshi Senota; 明義瀬ノ田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1999-11-29
Filing date: 1999-11-29
Publication date: 2001-06-05

Abstract

(57)【要約】【課題】異物を含んだ排水や雨水等から異物を除去し
て効率的に処理する異物除去槽および異物除去設備を提
供することである。【解決手段】上縁が略地表面に位置するように埋設さ
れたコンクリート製の槽本体１２と、槽本体内に取り出
し可能に収容され、異物又は泥が沈殿する沈殿槽１４と
を備え、沈殿槽の対向する壁の上部にフィルタ２２がそ
れぞれ取付けられており、槽本体のフィルタに対向した
箇所に、開口部２６が設けられていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般に、異物除去槽
および異物除去設備に関する。より詳細には、本発明
は、異物を除去して効率的に処理することができる異物
除去槽および異物除去設備に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】建設工事の際に発生す
る排水や工場排水には、泥や汚物等の異物が含まれてお
り、このような排水を未処理のまま下水道に流すことは
規制されている。また、山林における樹木の伐採等の結
果、降雨時に泥を含んだ雨水が河川に流れ込み、環境汚
染の一因となっている。

【０００３】本発明は、このような現状に鑑み、考案さ
れたものであり、異物を含んだ排水や雨水等から異物を
除去して効率的に処理する異物除去槽および異物除去設
備を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願請求項１に記載の異
物除去槽は、上縁が略地表面に位置するように埋設され
たコンクリート製の槽本体と、槽本体内に取り出し可能
に収容され、異物又は泥が沈殿する沈殿槽とを備え、沈
殿槽の対向する壁の上部にフィルタがそれぞれ取付けら
れており、槽本体のフィルタに対向した箇所に、開口部
が設けられていることを特徴とするものである。

【０００５】本願請求項２に記載の異物除去槽は、前記
請求項１の異物除去槽において、沈殿槽の底壁が、開閉
可能になっていることを特徴とするものである。

【０００６】本願請求項３に記載の異物除去槽は、前記
請求項１又は２の異物除去槽において、沈殿槽の全部又
は一部が、金属製のメッシュ材料で形成されていること
を特徴とするものである。

【０００７】本願請求項４に記載の異物除去設備は、複
数の異物除去槽を備え、各異物除去槽が、上縁が略地表
面に位置するように埋設されたコンクリート製の槽本体
と、槽本体内に取り出し可能に収容され、異物又は泥が
沈殿する沈殿槽とを備え、沈殿槽の対向する壁の上部に
フィルタがそれぞれ取付けられており、槽本体のフィル
タに対向した箇所に、開口部が設けられており、各異物
除去槽が、フィルタが対面するように列をなして連結さ
れていることを特徴とするものである。

【０００８】本願請求項５に記載の異物除去設備は、前
記請求項４の異物除去設備において、複数列の異物除去
槽が配置されていることを特徴とするものである。

【０００９】本願請求項６に記載の異物除去設備は、前
記請求項５の異物除去設備において、異物除去槽の各列
の上流側に、処理しようとする排水又は雨水を通す管路
が配置されていることを特徴とするものである。

【００１０】本願請求項７に記載の異物除去設備は、前
記請求項４〜６のいずれか１項の異物除去設備におい
て、沈殿槽の底壁が、開閉可能になっていることを特徴
とするものである。

【００１１】本願請求項８に記載の異物除去設備は、前
記請求項４〜７のいずれか１項の異物除去設備におい
て、沈殿槽の全部又は一部が、金属製のメッシュ材料で
形成されていることを特徴とするものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図１および図２にお
いて全体として参照符号１０で示される本発明の好まし
い実施の形態に係る異物除去槽は、コンクリート製の槽
本体１２を備えている。槽本体１２は、底壁１２ａと、
前壁１２ｂと、後壁１２ｃと、対向した側壁１２ｄとを
有しており、頂部が開放している。なお、前壁１２ｂの
「前」とは、後述するように、異物を除去しようとする
排水が流入する側を意味し、後壁１２ｃの「後」とは、
異物を除去しようとする排水が流出する側を意味してい
る。

【００１３】槽本体１２の内部には、排水中の異物が沈
殿する沈殿槽１４が収容されている。沈殿槽１４は、金
属材料で形成されている。沈殿槽１４は、底壁１４ａ
と、前壁１４ｂと、後壁１４ｃと、対向した側壁１４ｄ
とを有しており、頂部が開放している。沈殿槽１４は好
ましくは、図２に最も良く示されるように、逆四角錐台
形状（すなわち、四角錐台を逆さまにした形状）を有し
ており、これにより、沈殿槽１４の槽本体１２への出し
入れが容易になる。

【００１４】なお、沈殿槽１４の全部又は一部（例え
ば、底壁１４ａ又は側壁１４ｄ）を金属製のメッシュ材
料で形成してもよい。メッシュ材料で形成することによ
り、排水中の異物のみを沈殿槽１４内に残し水分を沈殿
槽１４外に排出し易くなる。

【００１５】沈殿槽１４の底壁１４ａには、沈殿槽１４
を槽本体１２内に収容したときに槽本体１２の底壁１２
ａと沈殿槽１４の底壁１４ａとの間に空隙が形成される
ように、複数の脚部１６が取付けられている。そして、
槽本体１２内に沈殿槽１４を収容すると、図２に示され
るように、槽本体１２の上縁と沈殿槽１４の上縁が略同
じ高さに位置するようになっている。

【００１６】沈殿槽１４の底壁１４ａは、開閉可能に構
成されている。すなわち、底壁１４ａは、蝶番１８によ
って側壁１４ｄ（又は、前壁１４ａ、後壁１４ｂ）に回
動可能に取付けられており、対向する側壁１４ａに取付
けられたレバーハンドル２０によって閉鎖状態に固定さ
れるようになっている。なお、蝶番１８およびレバーハ
ンドル２０は、普通のものを使用してよい。

【００１７】沈殿槽１４の前壁１４ｂおよび後壁１４ｃ
の上半部には、切欠部が設けられており、これらの切欠
部には各々、フィルタ２２が取り外し可能に取付けられ
ている。より詳細に説明すると、図５に示されるよう
に、沈殿槽１４の切欠部の内側周縁には、溶接によって
アングル材２４が取付けられており、アングル材２４に
よって形成された隙間にフィルタ２２を差し込むように
なっている。

【００１８】フィルタ２２に対向した槽本体１２の箇所
には、図４に示されるように、開口部２６が設けられて
いる。これにより、沈殿槽１４にフィルタ２２を取付け
ると、図３に示されるように、フィルタ２２が露出する
ようになっている。

【００１９】沈殿槽１４の上縁には、沈殿槽１４を槽本
体１２から取り出すのに利用されるフック２８が取付け
られている。また、槽本体１２の底部には、槽本体１２
の内部と外部とを連通させる水抜きパイプ３０が取付け
られている。

【００２０】以上のように構成された異物除去槽１０の
使用について説明する。まず、上縁が略地表面（ＧＬ）
に位置するように異物除去槽１０を地中に埋設する。次
いで、異物を除去しようとする排水や泥を除去しようと
する雨水を槽本体１２の前壁１２ｂの方から流す。する
と、排水や雨水は、開口部２６を介してフィルタ２２か
ら沈殿槽１４内に流入する。排水中の異物や雨水中の泥
は、水分よりも比重が大きいので、異物や泥は沈殿槽１
４の底部に沈殿する。一方、水分は、沈殿槽１４の後壁
１４ｃに設けられたフィルタ２２を介して、槽本体１２
の後壁１２ｃの開口部２６から流出する。沈殿槽１４内
の異物や泥が一杯になると、クレーン等の適当な建設機
械を使って沈殿槽１４を吊り上げ、運搬車両に載せて異
物廃棄場所まで搬送し、沈殿槽１４をクレーン等で運搬
車両から吊り上げて異物廃棄場所の上に運び、沈殿槽１
４の底壁１４ａを開放して異物や泥を放出する。或い
は、異物除去槽１０の付近に異物廃棄場所がある場合に
は、クレーン等で吊り上げた沈殿槽１４を、運搬車両に
載せずに、異物廃棄場所の上まで運び、底壁１４ａを開
放して異物や泥を放出する。しかる後、底壁１４ａを閉
鎖した沈殿槽１０を、再び槽本体１２内に収容する。

【００２１】次に、本発明の好ましい実施の形態に係る
異物除去設備について説明する。図６において全体とし
て参照符号５０で示される異物除去設備は、フィルタ２
２が対面するように連結された３基の異物除去槽１０の
２つの列５２、５４が平行に配置されている。隣接する
異物除去槽１０は、連結具５６によって堅固に固定され
ている。異物除去槽１０の上流（即ち、処理しようとす
る排水や雨水を流す側）には、排水や雨水を通す管路５
８が配置され、バルブ６０を介して、異物除去槽１０の
列５２、５４にそれぞれ分岐した管路６２、６４が配置
されている。

【００２２】異物除去設備５０の使用は、基本的には、
単一の異物除去槽１０の使用と同様である。すなわち、
管路５８、バルブ６０及び管路６２を介して、異物除去
槽１０の一方の列５２に処理水を流す（図６において実
線矢印で図示）。そして列５２の沈殿槽１４が一杯にな
ると、バルブ６０を切り換えて、異物除去槽１０のもう
一方の列５４に処理水を流し（図６において破線矢印で
図示）、その間に、列５２の沈殿槽１４の異物を廃棄す
る。

【００２３】なお、異物除去設備５０の設置に際して
は、処理水が円滑に流れるように、図７に示されるよう
に、異物除去槽１０の上縁が、上流側から下流側に向か
って徐々に低くなるように埋設するのが好ましい。

【００２４】本発明は、以上の発明の実施の形態に限定
されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範
囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範
囲内に包含されるものであることはいうまでもない。

【００２５】たとえば、前記実施の形態では、２列の異
物除去槽１０が配置されているが、３列以上の異物除去
槽を配置してもよい。また、異物除去槽の上流側に、管
路５８、６２、６４が配置されているが、管路ではな
く、開水路を設けてもよく、或いは特別な水路を設けな
くともよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、異物を含んだ排水や泥
を含んだ雨水から異物や泥を除去して効率的に廃棄する
ことができる、簡単な構造の異物除去槽および異物除去
設備が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施の形態に係る異物除去槽
の平面図である。

【図２】図１の線２−２に沿った断面図である。

【図３】図１の異物除去槽の正面図である。

【図４】図３においてフィルタを取外した図である。

【図５】フィルタ取付け部の詳細を示した図である。

【図６】本発明の好ましい実施の形態に係る異物除去設
備の概略平面図である。

【図７】図６の線７−７に沿った横断面図である。

【符号の説明】

１０異物除去槽１２槽本体１４沈殿槽２２フィルタ５０異物除去設備

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】排水中の異物又は雨水中の泥を除去する
異物除去槽であって、上縁が略地表面に位置するように
埋設されたコンクリート製の槽本体と、槽本体内に取り
出し可能に収容され、異物又は泥が沈殿する沈殿槽とを
備え、沈殿槽の対向する壁の上部にフィルタがそれぞれ
取付けられており、槽本体のフィルタに対向した箇所
に、開口部が設けられていることを特徴とする異物除去
槽。
【請求項２】沈殿槽の底壁が、開閉可能になっている
ことを特徴とする請求項１に記載の異物除去槽。
【請求項３】沈殿槽の全部又は一部が、金属製のメッ
シュ材料で形成されていることを特徴とする請求項１又
は２に記載の異物除去槽。
【請求項４】排水中の異物又は雨水中の泥を除去する
異物除去設備であって、複数の異物除去槽を備え、各異
物除去槽が、上縁が略地表面に位置するように埋設され
たコンクリート製の槽本体と、槽本体内に取り出し可能
に収容され、異物又は泥が沈殿する沈殿槽とを備え、沈
殿槽の対向する壁の上部にフィルタがそれぞれ取付けら
れており、槽本体のフィルタに対向した箇所に、開口部
が設けられており、各異物除去槽が、フィルタが対面す
るように列をなして連結されていることを特徴とする異
物除去設備。
【請求項５】複数列の異物除去槽が配置されているこ
とを特徴とする請求項４に記載の異物除去設備。
【請求項６】異物除去槽の各列の上流側に、処理しよ
うとする排水又は雨水を通す管路が配置されていること
を特徴とする請求項５に記載の異物除去設備。
【請求項７】沈殿槽の底壁が、開閉可能になっている
ことを特徴とする請求項４〜６のいずれか１項に記載の
異物除去設備。
【請求項８】沈殿槽の全部又は一部が、金属製のメッ
シュ材料で形成されていることを特徴とする請求項４〜
７のいずれか１項に記載の異物除去設備。