JP2001152376A - メカニカルデスケーリングした鋼帯の酸洗方法及び廃酸タンク - Google Patents
メカニカルデスケーリングした鋼帯の酸洗方法及び廃酸タンクInfo
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸洗液から油分を浮上分離する機能を備えた
廃酸タンクを酸液循環経理に設けることにより、酸洗液
循環経路に沿った酸洗液の円滑な流れを保証し、廃油処
理の負担を軽減する。 【構成】 高圧下圧延及びブラッシングによるメカニカ
ルデスケーリングが施された鋼帯を酸洗槽８に搬入して
酸洗する際、酸洗槽８から一部の酸洗液Ｌ1を廃酸タン
ク１０に抜き出し、酸洗液Ｌ1に混入している油分を廃
酸タンク１０で浮上分離した後、酸洗液Ｌ2を塩酸回収
設備２５に送って酸洗能を回復させ、次いで酸洗液Ｌ3
を酸洗槽８に返送する。
廃酸タンクを酸液循環経理に設けることにより、酸洗液
循環経路に沿った酸洗液の円滑な流れを保証し、廃油処
理の負担を軽減する。 【構成】 高圧下圧延及びブラッシングによるメカニカ
ルデスケーリングが施された鋼帯を酸洗槽８に搬入して
酸洗する際、酸洗槽８から一部の酸洗液Ｌ1を廃酸タン
ク１０に抜き出し、酸洗液Ｌ1に混入している油分を廃
酸タンク１０で浮上分離した後、酸洗液Ｌ2を塩酸回収
設備２５に送って酸洗能を回復させ、次いで酸洗液Ｌ3
を酸洗槽８に返送する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、メカニカルデスケーリ
ングされた鋼帯の酸洗に使用された酸洗液から圧延油等
の油分を分離除去しながら酸洗する方法及び該方法に使
用される廃酸タンクに関する。
ングされた鋼帯の酸洗に使用された酸洗液から圧延油等
の油分を分離除去しながら酸洗する方法及び該方法に使
用される廃酸タンクに関する。
【０００２】
【従来の技術】熱間圧延された鋼帯は、酸化物を主体と
するスケールで表面が覆われている。スケールが付着し
たままの熱延鋼帯を冷延等の下工程に送ると、スケール
に起因する表面疵やクラック等の欠陥が発生する原因と
なる。この種の欠陥発生は、熱延鋼帯の冷間圧延に先立
ってスケールを酸洗除去することにより防止される。し
かし、酸洗法では、酸洗設備，廃酸処理，脱スケール能
の調整等の点で問題があり、また酸洗時に発生する水素
の侵入によって鋼材の特性が劣化することもある。酸洗
に起因する諸問題を解決するため、酸洗工程に送り込ま
れる熱延鋼帯のスケールを除去する方法が種々検討され
ている。たとえば、スケールが付着した熱延鋼帯を高圧
下率で冷間圧延することが特公昭５４−１３３４６０号
公報，特開昭５７−４１８２１号公報，特開昭５７−１
０９１７号公報等で紹介されている。本発明者等も、高
圧下率の冷間圧延で熱延鋼帯からスケールを機械的に除
去する方法を開発し、一部を特開平９−１６４４１７号
公報で紹介した。
するスケールで表面が覆われている。スケールが付着し
たままの熱延鋼帯を冷延等の下工程に送ると、スケール
に起因する表面疵やクラック等の欠陥が発生する原因と
なる。この種の欠陥発生は、熱延鋼帯の冷間圧延に先立
ってスケールを酸洗除去することにより防止される。し
かし、酸洗法では、酸洗設備，廃酸処理，脱スケール能
の調整等の点で問題があり、また酸洗時に発生する水素
の侵入によって鋼材の特性が劣化することもある。酸洗
に起因する諸問題を解決するため、酸洗工程に送り込ま
れる熱延鋼帯のスケールを除去する方法が種々検討され
ている。たとえば、スケールが付着した熱延鋼帯を高圧
下率で冷間圧延することが特公昭５４−１３３４６０号
公報，特開昭５７−４１８２１号公報，特開昭５７−１
０９１７号公報等で紹介されている。本発明者等も、高
圧下率の冷間圧延で熱延鋼帯からスケールを機械的に除
去する方法を開発し、一部を特開平９−１６４４１７号
公報で紹介した。
【０００３】本発明者等が提案したデスケーリング装置
は、たとえば図１に示すようにスケールが付着したまま
の熱延鋼帯１をペイオフリール２から巻き戻し、ブライ
ドルロール３を経て冷間圧延機４で高圧下圧延する。高
圧下圧延では、熱延鋼帯１に対するワークロールの潤滑
性を確保するため圧延油が使用される。スケールは、高
圧下圧延によって亀裂，粉砕され、熱延鋼帯１から剥離
される。鋼帯表面に残留しているスケール粉砕物（以
下、スケール片という）をブラシ５で除去した後、酸洗
槽８に熱延鋼帯１が送り込まれる。熱延鋼帯１は，酸洗
槽８で鋼帯表面に残っているスケールが酸洗除去された
後、巻取りリール９に巻き取られる。高圧下圧延により
スケールの大半が除去され、鋼帯表面に残留しているス
ケールも地鉄に対する付着力が弱められているため、酸
洗負荷が大幅に軽減される。また、酸洗液との長時間接
触に起因した水素吸収等の問題も解消される。
は、たとえば図１に示すようにスケールが付着したまま
の熱延鋼帯１をペイオフリール２から巻き戻し、ブライ
ドルロール３を経て冷間圧延機４で高圧下圧延する。高
圧下圧延では、熱延鋼帯１に対するワークロールの潤滑
性を確保するため圧延油が使用される。スケールは、高
圧下圧延によって亀裂，粉砕され、熱延鋼帯１から剥離
される。鋼帯表面に残留しているスケール粉砕物（以
下、スケール片という）をブラシ５で除去した後、酸洗
槽８に熱延鋼帯１が送り込まれる。熱延鋼帯１は，酸洗
槽８で鋼帯表面に残っているスケールが酸洗除去された
後、巻取りリール９に巻き取られる。高圧下圧延により
スケールの大半が除去され、鋼帯表面に残留しているス
ケールも地鉄に対する付着力が弱められているため、酸
洗負荷が大幅に軽減される。また、酸洗液との長時間接
触に起因した水素吸収等の問題も解消される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】酸洗前の高圧下圧延で
は、熱延鋼帯１とワークロールとの間の潤滑性を改善す
るために潤滑油が使用されている。そのため、高圧下圧
延された鋼帯１の表面に圧延油が付着しており、後続す
るブラッシング工程や高圧水噴射工程を経た後でも残存
している。この点が通常の酸洗工程に送られる通常の熱
延鋼帯と大きく異なっているところであり、メカニカル
デスケーリングされた鋼帯１を酸洗槽８に通板するとき
油分の持込みが避けられない。
は、熱延鋼帯１とワークロールとの間の潤滑性を改善す
るために潤滑油が使用されている。そのため、高圧下圧
延された鋼帯１の表面に圧延油が付着しており、後続す
るブラッシング工程や高圧水噴射工程を経た後でも残存
している。この点が通常の酸洗工程に送られる通常の熱
延鋼帯と大きく異なっているところであり、メカニカル
デスケーリングされた鋼帯１を酸洗槽８に通板するとき
油分の持込みが避けられない。
【０００５】劣化した酸洗液は酸洗槽から廃酸タンクに
送られ、塩酸を回収した後、酸洗槽に返送されている
が、酸洗液に混入している油分が多量になると、廃酸タ
ンク内の洗浄に際して大量の廃油が発生し、廃油処理に
かかる負担が大きくなる。また、酸洗液に混入している
油分は、酸洗槽→廃酸タンク→酸液回収設備→酸洗槽の
酸洗液循環経路に設けられているフィルタの目詰りや配
管の閉塞をもたらす原因にもなる。そのため、通常の酸
洗処理に比較して、メカニカルデスケーリングした鋼帯
の酸洗処理では、酸洗液に混入してくる油分の対策が重
要な課題となる。
送られ、塩酸を回収した後、酸洗槽に返送されている
が、酸洗液に混入している油分が多量になると、廃酸タ
ンク内の洗浄に際して大量の廃油が発生し、廃油処理に
かかる負担が大きくなる。また、酸洗液に混入している
油分は、酸洗槽→廃酸タンク→酸液回収設備→酸洗槽の
酸洗液循環経路に設けられているフィルタの目詰りや配
管の閉塞をもたらす原因にもなる。そのため、通常の酸
洗処理に比較して、メカニカルデスケーリングした鋼帯
の酸洗処理では、酸洗液に混入してくる油分の対策が重
要な課題となる。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸洗液への油
分混入に起因する問題を解消すべく案出されたものであ
り、酸洗液から油分を浮上分離する機能を備えた廃酸タ
ンクを酸液循環経理に設けることにより、酸洗液循環経
路に沿った酸洗液の円滑な流れを保証し、廃油処理の負
担を軽減すると共に、メンテナンスも容易な酸洗液再生
処理設備を構築することを目的とする。
分混入に起因する問題を解消すべく案出されたものであ
り、酸洗液から油分を浮上分離する機能を備えた廃酸タ
ンクを酸液循環経理に設けることにより、酸洗液循環経
路に沿った酸洗液の円滑な流れを保証し、廃油処理の負
担を軽減すると共に、メンテナンスも容易な酸洗液再生
処理設備を構築することを目的とする。
【０００７】本発明は、その目的を達成するため、高圧
下圧延及びブラッシングによるメカニカルデスケーリン
グが施された鋼帯を酸洗槽に搬入して酸洗する際、酸洗
槽入側から排出される酸洗液を廃酸タンクに抜き出し、
酸洗液に混入している油分を廃酸タンクで浮上分離した
後、フィルタを介して酸洗液を塩酸回収設備に送って酸
洗能を回復させ、次いで酸洗液を酸洗槽に返送すること
を特徴とする。この方法で使用する廃酸タンクは、内部
が複数の区画室に区分されており、廃酸タンクの天井か
ら吊り下げられ、廃酸タンクの底部との間に隙間がある
単数又は複数の邪魔板で各区画室の間を仕切っている。
入側区画室の酸洗液には油層が浮遊するが、この油層に
吸引口を臨ませた廃油ポンプで適宜排出する。廃酸タン
クの底面から起立する堰を邪魔板の間に設け、酸洗液に
混入している固形異物を除去することもできる。
下圧延及びブラッシングによるメカニカルデスケーリン
グが施された鋼帯を酸洗槽に搬入して酸洗する際、酸洗
槽入側から排出される酸洗液を廃酸タンクに抜き出し、
酸洗液に混入している油分を廃酸タンクで浮上分離した
後、フィルタを介して酸洗液を塩酸回収設備に送って酸
洗能を回復させ、次いで酸洗液を酸洗槽に返送すること
を特徴とする。この方法で使用する廃酸タンクは、内部
が複数の区画室に区分されており、廃酸タンクの天井か
ら吊り下げられ、廃酸タンクの底部との間に隙間がある
単数又は複数の邪魔板で各区画室の間を仕切っている。
入側区画室の酸洗液には油層が浮遊するが、この油層に
吸引口を臨ませた廃油ポンプで適宜排出する。廃酸タン
クの底面から起立する堰を邪魔板の間に設け、酸洗液に
混入している固形異物を除去することもできる。
【０００８】
【実施の形態】本発明に従った油分離方法では、たとえ
ば図２に示す設備が使用される。高圧下圧延及びブラッ
シングでスケールがある程度除去された鋼帯１は酸洗槽
８に送り込まれ、鋼帯表面に残存しているスケールが化
学的に除去される。酸洗反応の進行に伴った鉄分濃度の
上昇により、酸洗液の酸洗能が低下する。劣化した酸洗
液Ｌ1は、酸洗槽８から廃酸タンク１０に送られる。廃
酸タンク１０は、複数の邪魔板１１，１３及び堰１２で
内部が複数の区画室１０ａ〜１０ｃに分けられている。
邪魔板１１，１３は廃酸タンク１０の天井から吊り下げ
られ、廃酸タンク１０の底面との間に隙間が設けられて
いる。堰１２は廃酸タンク１０の底面から起立し、廃酸
タンク１０の天井との間に隙間が設けられている。堰２
の下部には、区画室１０ａの酸洗液Ｌ1を廃酸タンク１
０から送り出すため、連通孔１６が形成されている。邪
魔板１１，１３及び堰１２の設置個数は、廃酸タンク１
０の容量に応じて適宜決められる。
ば図２に示す設備が使用される。高圧下圧延及びブラッ
シングでスケールがある程度除去された鋼帯１は酸洗槽
８に送り込まれ、鋼帯表面に残存しているスケールが化
学的に除去される。酸洗反応の進行に伴った鉄分濃度の
上昇により、酸洗液の酸洗能が低下する。劣化した酸洗
液Ｌ1は、酸洗槽８から廃酸タンク１０に送られる。廃
酸タンク１０は、複数の邪魔板１１，１３及び堰１２で
内部が複数の区画室１０ａ〜１０ｃに分けられている。
邪魔板１１，１３は廃酸タンク１０の天井から吊り下げ
られ、廃酸タンク１０の底面との間に隙間が設けられて
いる。堰１２は廃酸タンク１０の底面から起立し、廃酸
タンク１０の天井との間に隙間が設けられている。堰２
の下部には、区画室１０ａの酸洗液Ｌ1を廃酸タンク１
０から送り出すため、連通孔１６が形成されている。邪
魔板１１，１３及び堰１２の設置個数は、廃酸タンク１
０の容量に応じて適宜決められる。
【０００９】劣化した酸洗液Ｌ1は、廃酸タンク１０の
第１区画室１０ａに流入する。酸洗液Ｌ1に含まれてい
る油分は、第１区画室１０ａ内で比重差によって大半が
浮上分離し、第１区画室１０ａに収容された酸洗液Ｌ1
の上に油層Ｏとして浮遊する。油層Ｏは、廃酸タンク１
０に流れ込む酸洗液Ｌ1の流入量に応じて厚くなる。そ
こで、廃油ポンプ１４によって油分を回収油ｐＨ調整タ
ンク２１に汲み出す。回収油ｐＨ調整タンク２１では、
以後の廃油処理を容易に且つ安価にするため中和処理が
施される。中和処理によって、高耐酸性の容器を必要と
しない廃油処理も可能となる。中和処理された油は、ロ
ータリキルン等で焼却され，或いは各種炉の助燃剤とし
て使用される。
第１区画室１０ａに流入する。酸洗液Ｌ1に含まれてい
る油分は、第１区画室１０ａ内で比重差によって大半が
浮上分離し、第１区画室１０ａに収容された酸洗液Ｌ1
の上に油層Ｏとして浮遊する。油層Ｏは、廃酸タンク１
０に流れ込む酸洗液Ｌ1の流入量に応じて厚くなる。そ
こで、廃油ポンプ１４によって油分を回収油ｐＨ調整タ
ンク２１に汲み出す。回収油ｐＨ調整タンク２１では、
以後の廃油処理を容易に且つ安価にするため中和処理が
施される。中和処理によって、高耐酸性の容器を必要と
しない廃油処理も可能となる。中和処理された油は、ロ
ータリキルン等で焼却され，或いは各種炉の助燃剤とし
て使用される。
【００１０】大半の油分が浮上分離した酸洗液Ｌ1は、
邪魔板１１を潜って第１区画室１０ａから第２区画室１
０ｂに流入する。酸洗液Ｌ1には鋼帯１から除去された
スケール片や異物が混入しているが、比重の大きなこれ
ら固形異物は、酸洗液Ｌ1が堰１２を溢流する際に酸洗
液Ｌ1から分離され、沈積物Ｓとなって区画室１０ａ，
１０ｂの底部に溜まる。沈積物Ｓは、定期的に廃酸タン
ク１０から排出される。第１区画室１０ａから第２区画
室１０ｂに流入する酸洗液Ｌ1には若干の油分が懸濁し
ているが、懸濁油分は第２区画室１０ｂの邪魔板１３で
堰き止められる。したがって、第２区画室１０ｂから第
３区画室１０ｃに流入する酸洗液Ｌ1は、実質的に油分
が除去され、固形異物も除去された酸洗液Ｌ2になる。
この酸洗液Ｌ2は、酸液ポンプ１５でフィルタ２７を介
して塩酸回収設備２５に送られる。なお、塩酸回収設備
２５での処理に先立って、酸洗液Ｌ2を焙焼炉（図示せ
ず）に送り、ＦｅＣｌ2を酸化してＦｅ2Ｏ3，ＨＣｌを
生成する。塩酸回収設備２５では、この反応生成物のう
ちＨＣｌを水に吸収させて塩酸を回収する。この処理に
より，鉄分濃度が下がった酸洗液Ｌ3となる。また、必
要に応じ塩酸を補充する。酸洗能が回復した酸洗液Ｌ3
は、酸洗槽８に返送され、鋼帯１の酸洗に再使用され
る。
邪魔板１１を潜って第１区画室１０ａから第２区画室１
０ｂに流入する。酸洗液Ｌ1には鋼帯１から除去された
スケール片や異物が混入しているが、比重の大きなこれ
ら固形異物は、酸洗液Ｌ1が堰１２を溢流する際に酸洗
液Ｌ1から分離され、沈積物Ｓとなって区画室１０ａ，
１０ｂの底部に溜まる。沈積物Ｓは、定期的に廃酸タン
ク１０から排出される。第１区画室１０ａから第２区画
室１０ｂに流入する酸洗液Ｌ1には若干の油分が懸濁し
ているが、懸濁油分は第２区画室１０ｂの邪魔板１３で
堰き止められる。したがって、第２区画室１０ｂから第
３区画室１０ｃに流入する酸洗液Ｌ1は、実質的に油分
が除去され、固形異物も除去された酸洗液Ｌ2になる。
この酸洗液Ｌ2は、酸液ポンプ１５でフィルタ２７を介
して塩酸回収設備２５に送られる。なお、塩酸回収設備
２５での処理に先立って、酸洗液Ｌ2を焙焼炉（図示せ
ず）に送り、ＦｅＣｌ2を酸化してＦｅ2Ｏ3，ＨＣｌを
生成する。塩酸回収設備２５では、この反応生成物のう
ちＨＣｌを水に吸収させて塩酸を回収する。この処理に
より，鉄分濃度が下がった酸洗液Ｌ3となる。また、必
要に応じ塩酸を補充する。酸洗能が回復した酸洗液Ｌ3
は、酸洗槽８に返送され、鋼帯１の酸洗に再使用され
る。
【００１１】このように油分，固形異物等を除去した酸
洗液Ｌ2を塩酸回収設備２５に送るため、廃酸タンク１
０を塩酸回収設備２５に連絡する配管２６に設けられて
いるフィルタ２７の目詰りが大幅に軽減される。また、
塩酸回収設備２５を酸洗槽８に連絡する配管２８内を酸
洗液Ｌ3が円滑に流れ、酸洗条件が一定に維持される。
実際、酸洗槽８から流量１．０〜５．０ｍ3／時で酸洗
液Ｌ1を廃酸タンク１０に送り込み、回収油ｐＨ調整タ
ンク２１で廃酸タンク１０の第１区画室１０ａから油分
を除去しながら塩酸回収設備２５を経て酸洗槽８に酸洗
液Ｌ3を循環させる系では、酸洗開始から３週間経過し
た時点でもフィルタ２７が目詰りすることなく、円滑な
酸洗液の循環流動を維持できた。他方、油分を除去する
ことなく、劣化した酸洗液Ｌ1を酸洗槽８から塩酸回収
設備２５に直送した場合、フィルタ２７の目詰りが激し
く、フィルタ２７の頻繁な交換が必要であった。
洗液Ｌ2を塩酸回収設備２５に送るため、廃酸タンク１
０を塩酸回収設備２５に連絡する配管２６に設けられて
いるフィルタ２７の目詰りが大幅に軽減される。また、
塩酸回収設備２５を酸洗槽８に連絡する配管２８内を酸
洗液Ｌ3が円滑に流れ、酸洗条件が一定に維持される。
実際、酸洗槽８から流量１．０〜５．０ｍ3／時で酸洗
液Ｌ1を廃酸タンク１０に送り込み、回収油ｐＨ調整タ
ンク２１で廃酸タンク１０の第１区画室１０ａから油分
を除去しながら塩酸回収設備２５を経て酸洗槽８に酸洗
液Ｌ3を循環させる系では、酸洗開始から３週間経過し
た時点でもフィルタ２７が目詰りすることなく、円滑な
酸洗液の循環流動を維持できた。他方、油分を除去する
ことなく、劣化した酸洗液Ｌ1を酸洗槽８から塩酸回収
設備２５に直送した場合、フィルタ２７の目詰りが激し
く、フィルタ２７の頻繁な交換が必要であった。
【００１２】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、圧延油の混入が避けられないメカニカルデスケーリ
ング用酸洗液を循環再使用する際、循環路の途中で圧延
油を浮上分離させることにより、塩酸回収設備に酸洗液
を送り込む際のフィルタの目詰りや配管の閉塞を防止し
ている。このようにして酸洗能が回復した酸洗液が酸洗
槽に供給されるため、酸洗負荷を軽減するメカニカルデ
スケーリングと相俟って、酸洗にかかる経費を大幅に軽
減でき、酸洗材を安価に提供できる。
は、圧延油の混入が避けられないメカニカルデスケーリ
ング用酸洗液を循環再使用する際、循環路の途中で圧延
油を浮上分離させることにより、塩酸回収設備に酸洗液
を送り込む際のフィルタの目詰りや配管の閉塞を防止し
ている。このようにして酸洗能が回復した酸洗液が酸洗
槽に供給されるため、酸洗負荷を軽減するメカニカルデ
スケーリングと相俟って、酸洗にかかる経費を大幅に軽
減でき、酸洗材を安価に提供できる。
【図１】 本発明者等が先に提案したメカニカルデスケ
ーリング設備の概略図
ーリング設備の概略図
【図２】 本発明に従った酸洗液循環ライン
１：鋼帯 ８：酸洗槽 １０：廃酸タンク １０ａ：第１区画室（入側）
１０ｂ：第２区画室 １０ｃ：第３区画室（出側） １１，１３：邪魔板
１２：堰 １４：廃油ポンプ １５：酸液ポンプ
１６：連通孔 ２１：回収油ｐＨ調整タンク ２５：塩酸回収設備
２６，２８：配管 ２７：フィルタ Ｌ1：劣化した酸洗液 Ｌ2：油分，異物が除去された
酸液 Ｌ3：酸洗能が回復した酸洗液 Ｏ：油層
Ｓ：沈積物
１０ｂ：第２区画室 １０ｃ：第３区画室（出側） １１，１３：邪魔板
１２：堰 １４：廃油ポンプ １５：酸液ポンプ
１６：連通孔 ２１：回収油ｐＨ調整タンク ２５：塩酸回収設備
２６，２８：配管 ２７：フィルタ Ｌ1：劣化した酸洗液 Ｌ2：油分，異物が除去された
酸液 Ｌ3：酸洗能が回復した酸洗液 Ｏ：油層
Ｓ：沈積物
Claims (3)
- 【請求項１】 高圧下圧延及びブラッシングによるメカ
ニカルデスケーリングが施された鋼帯を酸洗槽に搬入し
て酸洗する際、酸洗槽入側から排出される酸洗液を廃酸
タンクに抜き出し、酸洗液に混入している油分を廃酸タ
ンクで浮上分離した後、フィルタを介して酸洗液を塩酸
回収設備に送って酸洗能を回復させ、次いで酸洗液を酸
洗槽に返送することを特徴とするメカニカルデスケーリ
ングした鋼帯の酸洗方法。 - 【請求項２】 油分を含む酸洗液が酸洗槽から流入する
廃酸タンクの内部を複数の区画室に区分し、廃酸タンク
の天井から吊り下げられ、廃酸タンクの底部との間に隙
間がある単数又は複数の邪魔板で各区画室の間を仕切
り、入側区画室の酸洗液に浮遊している油層に廃油ポン
プの吸引口を臨ませている廃酸タンク。 - 【請求項３】 廃酸タンクの底面から起立する堰が邪魔
板の間に設けられている請求項２記載の廃酸タンク。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33919399A JP2001152376A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | メカニカルデスケーリングした鋼帯の酸洗方法及び廃酸タンク |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33919399A JP2001152376A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | メカニカルデスケーリングした鋼帯の酸洗方法及び廃酸タンク |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001152376A true JP2001152376A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18325127
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33919399A Withdrawn JP2001152376A (ja) | 1999-11-30 | 1999-11-30 | メカニカルデスケーリングした鋼帯の酸洗方法及び廃酸タンク |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001152376A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008214716A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Jfe Steel Kk | 鋼板の洗浄設備 |
| CN103409766A (zh) * | 2013-05-31 | 2013-11-27 | 江苏华阳管业股份有限公司 | 一种酸洗池 |
| KR101389638B1 (ko) * | 2012-05-07 | 2014-04-29 | 주식회사 포스코 | 산세용액 재활용 시스템 |
| CN108866554A (zh) * | 2017-05-16 | 2018-11-23 | 鲍兴亮 | 制备除锈剂的方法及其装置 |
-
1999
- 1999-11-30 JP JP33919399A patent/JP2001152376A/ja not_active Withdrawn
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| JP2008214716A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Jfe Steel Kk | 鋼板の洗浄設備 |
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