JP2001152070A - ボールペン用水性メタリックインキ組成物 - Google Patents

ボールペン用水性メタリックインキ組成物

Info

Publication number
JP2001152070A
JP2001152070A JP34046399A JP34046399A JP2001152070A JP 2001152070 A JP2001152070 A JP 2001152070A JP 34046399 A JP34046399 A JP 34046399A JP 34046399 A JP34046399 A JP 34046399A JP 2001152070 A JP2001152070 A JP 2001152070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
water
aluminum powder
resin
vinylacetamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34046399A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Yoshimura
保幸 吉村
Naoyuki Murata
直之 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP34046399A priority Critical patent/JP2001152070A/ja
Publication of JP2001152070A publication Critical patent/JP2001152070A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム粉が反応せず、分散性及び粘度
安定性が良好で、細菌や黴などによる腐敗が生じない、
長期保存安定性に優れた水性メタリックインキ組成物を
提供する。 【解決手段】 必須成分として、アルミニウム粉及び水
を含有し、かつ増粘樹脂としてN−ビニルアセトアミド
系樹脂を含有しており、インキ組成物全量に対して、上
記アルミニウム粉を2〜15重量%、N−ビニルアセト
アミド系樹脂を1〜20重量%、さらに着色剤を0.0
5〜15重量%含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン用水性メ
タリックインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種のボールペン用水性メタリッ
クインキ組成物が提案されている。これらの組成物は、
水及び水溶性増粘樹脂とともに、メタリックの筆跡を得
るためにアルミニウム粉が含まれている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかし、アルミニウム粉は、水性ボールペ
ン用インキ組成物に用いられている通常の無機又は有機
顔料と異なり、粒子径が通常の顔料粒子の10倍〜10
0倍のオーダーであることや比重が約2.5であること
など、アルミニウムの物理的乃至化学的属性に起因して
いるものと思われるが、経時的にアルミニウム粉が凝集
したり、沈降分離する等の問題が生じやすい。また、ア
ルミニウム粉は、通常の無機又は有機顔料と異なり、水
溶性増粘樹脂と反応したり、経時的に金属光沢が失われ
る場合や粘度変化を起こしインキが減粘する等の問題が
ある。アルミニウム粉のこれらの反応性を抑えるため、
脂肪酸などの表面処理が施されたアルミニウム粉をイン
キ中に配合することができるが、インキ中にイオン性の
ある水溶性増粘樹脂が含まれていると、これらの表面処
理物質がアルミニウム表面から離脱し、離脱部分におい
て曝露されたアルミニウムが水と反応し、インキが上記
の経時変化を起こすことになる。加えて、水溶性増粘樹
脂として天然多糖類等の天然樹脂を用いると、天然素材
であるため、品質のバラツキが大きいだけでなく、細菌
や黴などによる腐敗などの問題がある。
【0004】本発明の目的は、アルミニウム粉が反応せ
ず、分散性及び粘度安定性が良好で、細菌や黴などによ
る腐敗が生じない、長期保存安定性に優れた水性メタリ
ックインキ組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、増粘樹脂としてN−ビニルアセトアミド系樹脂
を含有する水性メタリックインキ組成物であれば、通常
の顔料粒子と比べて比重が大きくかつ粒子径が大きいア
ルミニウム粉であっても、インキ中におけるアルミニウ
ム粉の分散安定性を確保することができ、経時的にアル
ミニウム粉の沈降分離を防止することができることを見
出した。しかも、増粘樹脂としてN−ビニルアセトアミ
ド系樹脂を含有する水性メタリックインキ組成物であれ
ば、このN−ビニルアセトアミド系樹脂がアルミニウム
粉と反応することがなく、ガスが発生したり、金属光沢
が失われることもなく、また経時的に粘度変化を起こし
難いことを見出した。また、脂肪酸などの表面処理が施
されたアルミニウム粉に対しても、N−ビニルアセトア
ミド系樹脂は上記の表面処理物質と反応しない知見が得
られた。また、増粘樹脂としてN−ビニルアセトアミド
系樹脂を含有する水性メタリックインキ組成物であれ
ば、細菌や黴等による腐敗が生じない水性メタリックイ
ンキ組成物が得られる。
【0006】本発明は、必須成分として、アルミニウム
粉及び水を少なくとも含有し、かつ増粘樹脂としてN−
ビニルアセトアミド系樹脂を含有する水性メタリックイ
ンキ組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】(N−ビニルアセトアミド系樹
脂)本発明では、N−ビニルアセトアミド系樹脂は増粘
樹脂として用いられ、粘度調整機能を有しており、粒子
径が大きくかつ比重の大きなアルミニウム粉に対してそ
の分散安定化に大きく寄与している。また、N−ビニル
アセトアミド系樹脂は、紙面等に対するアルミニウム粉
の定着性を向上させる筆跡の皮膜形成機能も有してい
る。
【0008】N−ビニルアセトアミド系樹脂は、直鎖型
ポリマー(非架橋型ポリマー)、架橋型ポリマーのいず
れであってもよい。N−ビニルアセトアミド系樹脂が直
鎖型ポリマーの場合、アルミニウム粉を凝集させずに分
散させることができ、水性メタリックインキに分散安定
性及び粘度安定性を付与することができる。一方、N−
ビニルアセトアミド系樹脂が架橋型ポリマーの場合、水
性メタリックインキに、分散安定性及び粘度安定性を付
与することができるだけでなく、さらに、チキソトロピ
ー性を付与することができる。そのため、当該インキを
水性ボールペンに用いた場合、筆記していない時には、
インキが高粘度となって、ペン先からのインキの流出を
防止し、筆記している時には、インキがペン先では低粘
度となって、軽い使用感で筆記することが可能である。
【0009】本発明では、N−ビニルアセトアミド系樹
脂は、ノニオン性を有していることが重要である。
【0010】N−ビニルアセトアミド系樹脂は、少なく
ともN−ビニルアセトアミドをモノマー成分としてい
る。すなわち、N−ビニルアセトアミド系樹脂として
は、(1)モノマー成分がN−ビニルアセトアミドだけ
であるホモポリマー、(2)N−ビニルアセトアミド、
および当該N−ビニルアセトアミドと共重合可能な共重
合性モノマーによるコポリマー、(3)これらのモノマ
ー成分及び/又はポリマーと、架橋剤とによる架橋型ポ
リマーなどが挙げられる。なお、前記ホモポリマー
(1)およびコポリマー(2)は、通常、直鎖型ポリマ
ーに分類される。N−ビニルアセトアミド系樹脂は単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0011】本発明では、モノマー成分全量に対してN
−ビニルアセトアミド50重量%以上、好ましくは70
重量%以上をモノマー成分とすることが重要である。特
にモノマー成分がN−ビニルアセトアミドだけである直
鎖型ポリマー又は架橋型ポリマーが好ましい。
【0012】N−ビニルアセトアミドと共重合可能な共
重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和化合物を用
いることができる。共重合性モノマーとしては、例え
ば、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニル
ホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド
や、(メタ)アクリル酸又はその塩(ナトリウム塩な
ど)、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなど
の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル
などの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メ
タ)アクリルアミド又はその誘導体、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノアルキル又はその誘導体、(メタ)アクリロ
ニトリル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類、メチルビニルケトン、エチルビニルケトンなどのビ
ニルケトン類、酢酸ビニル、アリルスルフォン酸の塩
(ナトリウム塩など)、N−ビニル−2−ピロリドン、
マレイン酸又はその塩(ナトリウム塩など)、フマル酸
又はその塩(ナトリウム塩など)、イタコン酸又はその
塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。共重合性モ
ノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0013】架橋剤としては、特に制限されないが、1
分子中に少なくとも2個の共重合性不飽和基を有する化
合物を用いることができる。このような架橋剤として
は、例えば、N,N´−メチレンビス(N−ビニルアセ
トアミド)、N,N´−1,2−エチレンビス(N−ビ
ニルアセトアミド)、N,N´−1,4−ブチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)、N,N´−1,6−ヘキ
シレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N´−
1,10−デシレンビス(N−ビニルアセトアミド)な
どのN,N´−アルキレンビス(N−ビニルアセトアミ
ド)又はその誘導体、N,N´−キシレンビス(N−ビ
ニルアセトアミド)や、N,N´−アルキレンビス(ア
クリルアミド)又はその誘導体などが例示できる。架橋
剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0014】より具体的には、N−ビニルアセトアミド
系樹脂としては、例えば、直鎖型ポリマーとして商品名
「GE−191L」(昭和電工株式会社製)、架橋型ポ
リマーとして商品名「GX−205」(昭和電工株式会
社製)などが挙げられる。
【0015】なお、N−ビニルアセトアミド系樹脂は、
公知の方法により調製することができる。
【0016】N−ビニルアセトアミド系樹脂の含有量
は、特に制限されないが、例えば、インキ組成物全量に
対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であ
る。N−ビニルアセトアミド系樹脂の割合がインキ組成
物全量に対して1重量%未満であると、アルミニウム粉
の分散性が低下し、長期間の保存ではアルミニウム粉が
沈降分離する傾向が生じる。一方、N−ビニルアセトア
ミド系樹脂の割合がインキ組成物全量に対して20重量
%を越えると、インキ組成物の粘度が高くなりすぎ、筆
記性が低下する。
【0017】(アルミニウム粉)N−ビニルアセトアミ
ド系樹脂を増粘樹脂として含有するインキ組成物の場
合、アルミニウム粉とN−ビニルアセトアミド系樹脂と
が反応することがないので、この点、アルミニウム粉に
対して反応性のある従来公知の増粘樹脂と大きく異なる
ところである。
【0018】特に、脂肪酸又はその誘導体などによって
表面処理を施されているアルミニウム粉の場合、N−ビ
ニルアセトアミド系樹脂がこれらの表面処理を侵さない
ことから、これらの表面処理物質がアルミニウム表面か
ら離脱することもない。従って、当該離脱部分において
暴露されたアルミニウムが水と反応することもなく、イ
ンキが経時変化を起こすことを防止することができる。
かかる点から、本発明のインキは水性であるので、アル
ミニウム粉は表面処理が施され、耐水性を有しているこ
とが好ましい。なお、アルミニウム粉の表面処理は、通
常、脂肪酸又はその誘導体、リン酸又はその塩が用いら
れている。当該脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の
いずれであってもよい。例えば、飽和脂肪酸としてはス
テアリン酸などが挙げられ、不飽和脂肪酸としてはオレ
イン酸などが挙げられる。また、脂肪酸の誘導体には脂
肪酸塩などが含まれる。
【0019】アルミニウム粉としては、金属光沢を有す
るものが使用でき、水に対する分散性の高いものが好ま
しい。また、アルミニウム粉は、リーフィングタイプで
あってもよく、ノンリーフィングタイプであってもよ
い。なお、アルミニウム粉は隠蔽性を有するものが好適
に用いられる。
【0020】アルミニウム粉としては、具体的には、商
品名:アルペーストWJP−U75C(東洋アルミニウ
ム社製)、商品名:アルペーストWE1200(東洋ア
ルミニウム社製)、商品名:アルペーストWXM767
5(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストW
XM0630(東洋アルミニウム社製)、商品名:11
10W(昭和アルミニウム社製)、商品名:2172S
W(昭和アルミニウム社製)、商品名:AW−808C
(旭化成社製)、商品名:AW−7000R(旭化成社
製)などが例示できる。
【0021】アルミニウム粉の平均粒子径は特に限定さ
れないが、平均粒子径が5〜30μmのアルミニウム粉
は、金属光沢のある筆跡が得られるとともに筆記性が優
れている。アルミニウム粉の平均粒子径が5μm未満の
場合、筆跡の金属光沢が低下する。平均粒子径が30μ
mを超えるアルミニウム粉は、筆記具用インキとして用
いる際に、ペン先からの流出に悪影響を与える傾向が生
じる。
【0022】アルミニウム粉は単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。アルミニウム粉の含有量は、特に
制限されないが、インキ組成物全量に対して2〜15重
量%、好ましくは5〜10重量%である。アルミニウム
粉の含有量がインキ組成物全量に対して2重量%未満の
場合、金属光沢が低下し、また、隠蔽性も低くなり、メ
タリック調の筆跡乃至塗膜が得られない場合がある。一
方、アルミニウム粉の含有量がインキ組成物全量に対し
て15重量%を超えると、固形分が多くなり、またN−
ビニルアセトアミド系樹脂の比較的大きな増粘作用も相
俟って、インキ組成物の粘度・流動性に影響が生じ、粘
度の上昇や流動性の低下により、筆記性などが低下す
る。
【0023】(水)本発明の水性メタリックインキ組成
物は水を含むことが好ましい。水としては、慣用的に用
いられている水(例えば、イオン交換水、蒸留水など)
が使用される。水の含有量は、特に制限されず、他の成
分(アルミニウム粉、増粘樹脂、後述する着色剤や水溶
性有機溶剤など)の種類及びその含有量や、目的とする
インキ組成物の粘度などに応じて選択することができ
る。水の使用量は、広い範囲、例えば、インキ組成物全
量に対して1〜95重量%、好ましくは20〜90重量
%から選択することができる。
【0024】(着色剤)本発明では着色剤を用いること
ができる。着色剤としては、特に制限されず、水性イン
キに対して分散性又は溶解性が良好であれば特に制限な
く使用できる。着色剤は水溶性であってもよい。着色剤
としては、顔料(無機顔料、有機顔料、蛍光顔料な
ど)、染料(例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料
など)のほか、顔料又は染料により着色されたプラスチ
ックピグメント、着色エマルジョンなどを用いることが
できる。好ましい着色剤としては、顔料、特に有機顔料
が挙げられる。具体的には、着色剤としては、例えば、
カーボンブラックなどの無機顔料、銅フタロシアニン系
顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔
料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジ
ゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリ
レン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料な
どの有機顔料などが挙げられる。また、着色剤として、
顔料分散剤や界面活性剤により分散された顔料分散体も
使用することができる。
【0025】なお、筆跡がその中央色(例えば金属光
沢)とその周囲を縁取る色とに分かれる二重発色性水性
インキ組成物の場合は、縁取りラインを得るために染料
が好適に用いられ、また必要に応じて顔料とともに用い
られる。染料としては、例えば、トリフェニルメタン
系、キサンテン系、アントラキノン系、金属錯体系、銅
フタロシアニン系が好適である。具体的には、染料とし
ては、例えば、商品名:Milling Cyanin
e 5RH(住友化学(株)製、C.I.AcidBl
ue 113)や商品名:AIZEN EOSIN G
H.CONC(保土谷化学(株)製、C.I.Acid
RED 87)などが挙げられる。なお、染料はこれ
に限定されない。
【0026】着色剤は単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。着色剤の含有量は、例えば、インキ組成物
全量に対して15重量%を超えない範囲で含有すること
が望ましい。具体的にはインキ組成物全量に対して0.
05〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
着色剤の含有量がインキ組成物全量に対して0.05重
量%未満の場合、着色剤の濃度が低く、有色の着色剤の
色相にてアルミニウム粉をメタリック調に発色させるこ
とが困難となる。一方、着色剤の含有量がインキ組成物
全量に対して15重量%を超えると、固形分が多くな
り、またN−ビニルアセトアミド系樹脂の比較的大きな
増粘作用も相俟って、インキ組成物の粘度・流動性に影
響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性な
どが低下する。
【0027】(水溶性有機溶剤)本発明では水溶性有機
溶剤を用いることができる。水溶性有機溶剤は、特に制
限されないが、水と混和し、インキの乾燥や低温時の凍
結を防止できるものが好適に用いられる。水溶性有機溶
剤は湿潤剤としての機能も有しているものが好適であ
る。また、水溶性有機溶剤としては安全性の高いものを
用いることも重要である。なお、既述した二重発色性イ
ンキの場合は、紙面等に筆記したとき、着色剤が中央色
の周囲に展開していく機能を発揮する有機溶剤が好適に
用いられる。
【0028】水溶性有機溶剤としては、例えば、1価ア
ルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)、
多価アルコール類(例えば、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなど)、グリコール類(例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ヘキシレングリコールなど)、グリコールエーテル
類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルなど)などを好適に用いることができる。水溶性
有機溶剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0029】なお、二重発色性メタリックインキの場合
は、上記水溶性有機溶剤と比較して疎水性の高いジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ヘキシレングリコール
の群から選ばれた少なくとも1種以上の有機溶剤が好適
に用いられる。
【0030】水溶性有機溶剤の含有量は、特に制限され
ない。また、水溶性有機溶剤を含有しないインキ組成物
であっても差し支えない。しかし、インキの乾燥防止及
び凍結防止の点からは、水溶性有機溶剤をインキ組成物
に含ませることが望ましい。この場合、インキ組成物全
量に対して1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%
含有することが望ましい。水溶性有機溶剤の含有量がイ
ンキ組成物全量に対して1重量%未満の場合、インキが
乾燥しやすくなり、また樹脂成分や着色剤などの溶解性
や分散性が低下する。一方、水溶性有機溶剤の含有量が
インキ組成物全量に対して40重量%より多いと、筆記
乃至塗布後、インキが乾燥しにくくなり、また筆跡乃至
塗膜の濃度が低下する。
【0031】なお、二重発色性メタリックインキの場合
は、上記の水溶性有機溶剤と異なり、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノプロピルエーテル、ヘキシレングリコールの群から選
ばれた少なくとも1種以上の有機溶剤を5〜30重量%
の範囲内で含有させることが望ましい。同有機溶剤をこ
の範囲内で含有させることにより、増粘作用の大きなN
−ビニルアセトアミド系樹脂を含有するインキ組成物で
あっても、中央にメタリック色、その周囲が有色の縁取
りラインとなる良好な二重発色の筆跡を得ることができ
る。
【0032】本発明の水性メタリックインキ組成物に
は、必要に応じて、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウ
ムナイトレートなど)、防腐防黴剤(例えば、ベンゾイ
ソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系
防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、分散剤
(例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹
脂、水溶性スチレン−アクリル共重合体、水溶性スチレ
ン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂など)、界面活
性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、p
H調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を添加しても
よい。
【0033】本発明の水性メタリックインキ組成物の粘
度は、慣用的に使用されている粘度、すなわちアルミニ
ウム粉が沈降せず、筆記性に適した粘度であれば、特に
制限されない。特に、増粘樹脂を含有しているため、い
わゆる「ゲルタイプ」の水性インキ組成物のほか、低粘
度フリー液体タイプの水性インキ組成物であっても、容
易に適正な粘度に、増粘樹脂の種類及びその含有量によ
り調整することができる。本発明では、チキソトロピー
性を発揮する高粘度のいわゆるゲルタイプの水性メタリ
ックインキ組成物として好適に用いられる。本発明にお
いて、このゲルタイプの水性メタリックインキ組成物の
粘度としては、例えば、20℃において、2,000〜
40,000cps、好ましくは2,000〜15,0
00cpsである。なお、粘度はELD型粘度計を用
い、コーン:3°R14コーン、回転数:0.5rp
m、温度:20℃にて測定した場合の数値である。
【0034】(製造方法)本発明の水性メタリックイン
キ組成物は、例えば、水及び水溶性有機溶剤中に分散さ
れたアルミニウム粉の分散液に、N−ビニルアセトアミ
ド系樹脂を加え、その後必要に応じて着色剤を投入した
後、必要に応じて水溶性有機溶剤や各種の添加剤を混合
することによって得られる。なお、着色剤は予め分散剤
などにより分散させた着色剤分散体(顔料分散体)とし
て用いてもよい。
【0035】なお、インキ組成物の調製に際して行う分
散、脱泡、濾過などの方法は、慣用の方法により行うこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
てより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。
【0037】(着色剤の調製)着色剤として、以下の予
め調製された顔料分散体1(着色剤)と、以下の市販
されている顔料分散体2(着色剤)を用いた。また二
重発色性メタリックインキ組成物の場合(実施例3及び
比較例3)は、以下の染料(着色剤)を用いた。
【0038】(着色剤)着色剤(フタロシアニンブル
ー)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)とを、
フタロシアニンブルー/(スチレン−アクリル共重合
体)=5/1(重量比)の割合で、イオン交換水に投入
し、水酸化ナトリウムを用いて、ボールミルにより分散
させて、顔料の平均粒径0.08μm及び固形分濃度1
0重量%の顔料分散体1を調製した。以下、この顔料分
散体1を着色剤と称する。
【0039】(着色剤)顔料分散体2として、商品
名:HOSTAFINE GREEN GN(クラリア
ントジャパン(株)製、C.I.No.74260)を
用いた。この顔料分散体2は、顔料の平均粒径0.06
μmの界面活性剤分散型の顔料分散体である。以下、こ
の顔料分散体2を着色剤と称する。
【0040】(着色剤)染料として、商品名:Mil
ling Cyanine 5RH(住友化学(株)
製、C.I.Acid Blue 113)を用いた。
以下、この染料を着色剤と称する。
【0041】また、原料として、以下のアルミニウム
粉、増粘樹脂(水溶性樹脂)、水溶性有機溶剤、防腐防
黴剤、防錆剤を用いた。 (アルミニウム粉) ・アルミニウム粉:商品名「アルペーストWXM06
30」(東洋アルミニウム(株)製、リーフィングタイ
プ、平均粒径:約8μm) ・アルミニウム粉:商品名「アルペーストWXM76
75」(東洋アルミニウム(株)製、ノンリーフィング
タイプ、平均粒径:約15μm)
【0042】(増粘樹脂) ・増粘樹脂:N−ビニルアセトアミド系樹脂(商品名
「GE−191L」、昭和電工(株)製) ・増粘樹脂:N−ビニルアセトアミド系樹脂(商品名
「GX−205」、昭和電工(株)製、架橋型ポリマ
ー) ・増粘樹脂:ポリエチレンオキシド(商品名「PEO
−3」、住友化成(株)製) ・増粘樹脂:カチオン化グァーガム(商品名「KT−
9308M」、大日本製薬(株)製) (有機溶剤) ・有機溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル (防腐防黴剤) ・防腐防黴剤:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−
オン(商品名「プロクセルXL−2」、ヘキスト合成
(株)製) (防錆剤) ・防錆剤:ベンゾトリアゾール
【0043】(実施例1)表1に示す割合(表中の各種
成分の配合量はいずれもインキ組成物全量に対する「重
量%」である)で配合してインキ組成物を調製した。具
体的には、水(イオン交換水)にアルミニウム粉を投入
し、室温(20℃)で1時間攪拌して分散させた後、増
粘樹脂を投入し、室温(20℃)で1時間撹拌する。そ
の後、着色剤及び各種添加剤とを投入し、更に、室温
(20℃)で、1時間攪拌して、水性メタリックインキ
組成物を得た。
【0044】(実施例2〜4)表1に示す割合であるこ
と以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4に係る
水性メタリックインキ組成物を調製した。なお、実施例
3では、水溶性有機溶剤を着色剤や添加剤を投入した
後に投入した。
【0045】(比較例1〜4)表1に示す割合であるこ
と以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜4に係る
水性メタリックインキ組成物を調製した。なお、比較例
3では、着色剤や添加剤を投入した後に、水溶性有機溶
剤を投入した。
【0046】
【表1】
【0047】(インキ組成物の評価)実施例1〜4及び
比較例1〜4に係る水性メタリックインキ組成物につい
て、以下の保存安定性試験を行い評価した。なお、その
結果は表1に併記した。 (保存安定性試験)実施例1〜4および比較例1〜4で
得られた水性メタリックインキ組成物を、それぞれ、洋
白ボールペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一端
に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボール
ペン用インキ収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心分
離により除去してボールペンの試験サンプルを作製し
た。
【0048】まず、この試験サンプルを用いて、市販の
ルーズリーフ用紙に筆記した。それぞれ筆跡を目視で観
察したところ、実施例1及び比較例1に係るインキで
は、メタリック調の銀色の筆跡であった。また、実施例
2及び比較例2に係るインキでは、有色顔料の色である
青色の色相を持つメタリック調の筆跡であった。実施例
3及び比較例3に係るインキでは、中心がメタリック調
の銀色で、縁が有色顔料の色である青色の筆跡であっ
た。実施例4及び比較例4に係るインキでは、有色顔料
の色である緑色の色相を持つメタリック調の筆跡であっ
た。
【0049】次いで、当該試験サンプルを、50℃で1
ヶ月間、ペン先を下にして静置させた。静置後、インキ
収容部内のインキの分散性を目視で観察して、以下の評
価基準により評価した。
【0050】(評価基準) ・○:アルミニウム粉が沈降しておらず、インキの分散
性は静置前と変わらず良好である。 ・×:アルミニウム粉が沈降している。
【0051】(結果)表1より、実施例1〜4に係る水
性メタリックインキは、静置時及び保存後もアルミニウ
ム粉は全く沈降しておらず、インキの分散安定性及び粘
度安定性が優れている。また、実施例1〜4に係る水性
メタリックインキは、ガスも発生しておらず、アルミニ
ウム粉は増粘樹脂と反応していない。さらに、実施例1
〜4で用いた増粘樹脂は合成樹脂であり、細菌や黴など
による腐敗は起こらず、一定の安定した品質を有してい
る。
【0052】一方、比較例1〜4に係る水性メタリック
インキでは、静置又は保存後、アルミニウム粉が沈降し
ており、インキの分散安定性が低い。
【0053】
【発明の効果】本発明は、必須成分として、アルミニウ
ム粉及び水を含有し、かつ増粘樹脂としてN−ビニルア
セトアミド系樹脂を含有するボールペン用水性メタリッ
クインキ組成物であるので、アルミニウム粉が反応せ
ず、分散性及び粘度安定性が良好である。また細菌や黴
などによる腐敗が生じない。従って、長期保存安定性に
優れてた水性メタリックインキ組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AD23 BA04 BA06 BC15 BE01 BE02 CA06 DA02 EA29 EA44 EA48 GA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、アルミニウム粉及び水
    を含有し、かつ増粘樹脂としてN−ビニルアセトアミド
    系樹脂を含有するボールペン用水性メタリックインキ組
    成物。
  2. 【請求項2】 インキ組成物全量に対して、アルミニウ
    ム粉を2〜15重量%、N−ビニルアセトアミド系樹脂
    を1〜20重量%含有する請求項1記載のボールペン用
    水性メタリックインキ組成物。
  3. 【請求項3】 上記アルミニウム粉の平均粒子径が30
    μmを超えない請求項1又は2記載のボールペン用水性
    メタリックインキ組成物。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウム粉は、表面処理が施さ
    れている請求項1乃至3のいずれかの項に記載のボール
    ペン用水性メタリックインキ組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、着色剤をインキ組成物全量に対
    して0.05〜15重量%含有する請求項1乃至4のい
    ずれかの項に記載のボールペン用水性メタリックインキ
    組成物。
  6. 【請求項6】 必須成分として、アルミニウム粉、着色
    剤、水、N−ビニルアセトアミド系樹脂を含有し、さら
    にジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
    ピレングリコールモノプロピルエーテル、ヘキシレング
    リコールの群から選ばれた少なくとも1種以上の有機溶
    剤を5〜30重量%の範囲内で含有するボールペン用二
    重発色性水性メタリックインキ組成物。
JP34046399A 1999-11-30 1999-11-30 ボールペン用水性メタリックインキ組成物 Pending JP2001152070A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34046399A JP2001152070A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 ボールペン用水性メタリックインキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34046399A JP2001152070A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 ボールペン用水性メタリックインキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001152070A true JP2001152070A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18337215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34046399A Pending JP2001152070A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 ボールペン用水性メタリックインキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001152070A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193688A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン
EP2021185B1 (en) * 2006-05-31 2015-09-02 Sicpa Holding Sa Ink jet printed reflective features and processes and inks for making them
JP2018130845A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 富士フイルム株式会社 画像記録方法及び記録物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193688A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インキ組成物及び水性ボールペン
EP2021185B1 (en) * 2006-05-31 2015-09-02 Sicpa Holding Sa Ink jet printed reflective features and processes and inks for making them
JP2018130845A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 富士フイルム株式会社 画像記録方法及び記録物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3151547B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物
JP2001026730A (ja) 水性メタリックインキ組成物
WO1994017146A1 (en) Water color ink having metallic luster for ball-point pens
EP0903384B1 (en) Direct filling type water-base ball-point ink having metallic sheen
WO1999021926A1 (fr) Composition d'encre aqueuse pour bille
JPH10259337A (ja) 水性インキ用着色樹脂微粒子水性分散液
JPH11302587A (ja) 水性メタリックインキ組成物
JP2651770B2 (ja) ペン体に直接供給する水性ボールペン用インク
JP2003253182A (ja) 水性メタリックインキ組成物
JP2001152070A (ja) ボールペン用水性メタリックインキ組成物
JP2017155161A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP2001081382A (ja) スクラッチインキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP2009046660A (ja) 水性光輝性インキ組成物
JP3774546B2 (ja) 水性メタリックインキ組成物
JP5543695B2 (ja) 水性光輝性インキ組成物
JP3161161B2 (ja) 金属光沢色水性インキ組成物
JPH1180629A (ja) 水性メタリックインキ組成物
JP7161742B2 (ja) 水性インク組成物
JP2017155162A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP3338222B2 (ja) 直液ノック式水性ボールペン用インキ
JP4297526B2 (ja) 顔料マーカー用インキ組成物
JP3444565B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2003192976A (ja) ボールペン用水性インキ
JP4806920B2 (ja) ボールペン用インキ
JP2005213413A (ja) ボールペン用油性インキ組成物及びその製造方法