JP2001150075A - ドラム形状ワークの加工装置 - Google Patents

ドラム形状ワークの加工装置

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JP2001150075A JP33646399A JP33646399A JP2001150075A JP 2001150075 A JP2001150075 A JP 2001150075A JP 33646399 A JP33646399 A JP 33646399A JP 33646399 A JP33646399 A JP 33646399A JP 2001150075 A JP2001150075 A JP 2001150075A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、簡単な構造でありながら、
ドラム形状のワークの周壁部のスプラインの直径が所定
値になるように周壁部を矯正した後に、スプラインに加
工を施すことのできるドラム形状ワークの加工装置を提
供することである。 【解決手段】この課題を達成するために、ワークの加工
装置を、基部10、11に相対移動可能に配置されたワ
ーク保持部材12,19,24と、該ワーク保持部材を
付勢する付勢バネ17と、ワーク27の周壁部29の外
周面に当接して周壁部を半径方向内向きに矯正するとと
もに周壁部の加工用型部材の一方を構成するダイス部3
7及び外周壁の矯正量を規制する調節部38を有するダ
イス部材33と、型部材の他方を構成してダイス部材と
共に周壁部を加工するパンチ部材41、ダイス部材を駆
動する駆動部材35で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、底壁部と周壁部と
から成り、周壁部にスプラインが形成されたドラム形状
ワークの加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】底壁部と周壁部とを備え、周壁部の内周
面に内歯スプラインが形成されたドラム形状ワークとし
ては、例えば自動車の自動変速装置において使用される
クラッチドラムがある。図9及び図10にその一例を示
すように、このクラッチドラム60は、中空円板形状の
底壁部61と、その外周縁からほぼ直角に立ち上がる円
筒状の周壁部62とから成り、周壁部62の内周面には
軸方向に延びる複数の内歯スプライン63が円周方向に
隔設されている。
【0003】この内歯スプライン63は、歯山部64と
歯底部とが円周方向に交互に形成されて成り、歯山部6
4がクラッチ板66の外周縁に形成された凹部に係合す
ることにより、クラッチ板66がクラッチドラム60に
対して相対回転するのを防止する。また、歯山部64上
の周壁部62の開口端部には周壁部62の円周方向にリ
ング溝65が形成され、そこにスナップリング67が装
着されている。このスナップリング67は、クラッチ板
66が周壁部62上を軸方向に移動してクラッチドラム
60から脱落するのを防止するものである。
【0004】上記クラッチドラム60において、内歯ス
プライン63の歯山部64上にスナップリング溝65が
所定の位置、寸法で形成されていない場合は、スナップ
リング溝65へのスナップリング67の装着が困難又は
不確実になったり、クラッチ板66の円滑な移動が妨げ
られる。歯山部64上にスナップリング溝65が所定状
態で形成されたかどうかは、例えば、スナップリング溝
65に実際にスナップリング67を装着した状態で、ス
ナップリング67の内径寸法を測定することにより評価
する。
【0005】尚、底壁部と周壁部とを備え、周壁部の外
周面に複数の外歯スプラインが形成されたドラム形状部
材としては、例えば、自動変速装置において上記クラッ
チドラムと組み合わせて使用されるクラッチハブがあ
る。
【0006】従来のスナップリング溝形成装置は、例え
ば特開平8−197147号公報に開示されており、そ
の要部を図11に示す。図11から明らかなように、こ
のスナップリング溝形成装置は、底壁部71と内歯スプ
ラインが形成された周壁部72とから成るクラッチドラ
ム70を支持するワーク支持部材76と、先端にワーク
受け77を備えガイドブロック78に案内されつつワー
ク支持部材76に対して半径方向内方に移動する第1ス
ライダ79と、上記ワーク受け部材77と対向するパン
チ80をその先端に備えガイドブロック78に案内され
つつワーク支持部材76に対して半径方向外方に移動す
る第2スライダ81と、から成る。
【0007】このスナップリング加工装置により内歯ス
プラインの歯山部73にスナップリング溝75を形成す
るときは、まづ、第1のカム機構(不図示)により第1
スライダ79を半径方向内向きに移動させてその先端の
ワーク受け部材77とワーク支持部材76のフランジ7
6aとにより内歯スプラインの歯山部74を表裏両側か
ら保持する。次に、第2のカム機構(不図示)により第
2スライダ81を半径方向外向きに移動させてその先端
のパンチ80により半抜き加工で歯山部73上にスナッ
プリング溝75を形成する。
【0008】
【発明が解決すべき課題】ところで、円形のワークから
底壁部と周壁部とから成るドラム形状のワークを成形す
る場合、底壁部に対する周壁部の倒れの管理は難しい。
その理由は、ドラム形状ワークに用いられる鋼板等に内
在するスプリングバックにより、ドラム形状ワークの周
壁部を一対の型部材により所定状態に変形させた後も、
一対の型部材をワークから離すと、ワークが少し加工前
の状態に戻るからである。
【0009】しかるに、上記図11に示したスナップリ
ング溝加工装置は、歯山部73にスナップリング溝75
を形成する場合の誤差を小さくすることを目的としてお
り、そのためにワーク受け部材77に形成する逃げ孔7
7aの形状に工夫を凝らしている。しかし、この溝加工
装置は、周壁部72のスプリングバックの問題は考慮し
ておらず、周壁部72のスプリングバックに対処するた
めには、スプリングバックが比較的小さい場合は型部材
77,76aの表面形状を修正することが必要で、スプ
リングバックが大きい場合は新たに型部材77,76a
を製作することが必要である。しかし、これでは、何れ
の場合も多大な時間とコストが必要となり、クラッチド
ラム70の製造コストが上昇する。
【0010】これに対して、予め周壁部72のスプリン
グバック量を見込んで一対の型部材77,76aを作る
ことも理論上は可能である。しかし、スプリングバック
の量はプレス成形時の条件に影響されて一定せず、これ
を予め正確に予測することは現実には困難である。
【0011】本発明は、上記事情を背景にしてなされた
もので、簡単な構造でありながら、ドラム形状のワーク
の周壁部の内歯又は外歯スプラインの内径又は外径が所
定値になるように周壁部を矯正した後に、内歯又は外歯
スプラインに加工を施すことのできるドラム形状ワーク
の加工装置を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記図1
1の従来例においてワーク70の周壁部72の内歯スプ
ラインの歯山部73の内径に誤差が生ずるのは、周壁部
72の外側に配置される型部材(移動型)77を周壁部
72の内側に配置される型部材(固定型)76aに当接
させることにより周壁部72の矯正量を決定しているか
らであり、周壁部の内側に配置する型部材を移動可能と
するとともに、この型部材に対する、周壁部の外側に配
置される型部材の当接位置を調節可能とすれば上記課題
は解消するとの知見を得て、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】即ち、本発明のドラム形状ワークの加工装
置は、基部と、底壁部と周壁部とを有するドラム形状の
ワークを固定保持する保持部を有し前記基部に相対移動
可能に配置されたワーク保持部材と、前記基部と前記ワ
ーク保持部材との間に介装され該ワーク保持部材を一方
向に付勢する付勢部材と、前記ワーク保持部材に固定保
持された前記ワークの該周壁部の外周面に当接して該周
壁部を半径方向内向きに矯正するとともに該周壁部を加
工する型部材の一方を構成するダイス部と該ワーク保持
部材に当接し外周壁の矯正量を規制する調節部とを有す
るダイス部材と、前記ダイス部材と対向して前記基部に
固定され、前記型部材の他方を構成して前記ダイス部材
と共に前記周壁部を加工するパンチ部材と、前記付勢部
材に抗して前記ダイス部材を駆動する駆動部材と、から
成ることを特徴とする。
【0014】本発明のドラム形状ワークの加工装置は、
ダイス部材のダイス部がワーク保持部材に接近すること
により、ワーク保持部材により保持されたワークの周壁
部を矯正する。その際、ダイス部材に設けた調節部を調
節することにより周壁部の矯正量即ちワーク保持部材と
ダイス部との間隔の大きさを調節でき、矯正量を周壁部
のスプリングバックを考慮した大きさに選定することに
よって周壁部のスプラインの直径寸法の誤差を除去でき
る。しかも、周壁部の矯正に引き続いて、基部に固定さ
れたパンチ部材に対して、ワーク保持部材及びダイス部
材が周壁部の矯正時にダイス部材が移動したのと同じ方
向に移動することにより、パンチ部材によりスプライン
上に種々の加工がなされる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のワークの加工装置を構成
するワーク保持部材は、例えば基部の床部に対して移動
可能に配置され、ドラム形状のワークの内面側に位置す
る部分と外面側に位置する部分とを有し、両者でワーク
を保持することができる。ワーク保持部材がワークの底
壁部のみを保持し、周壁部の半径方向内側に解放空間を
形成するようにすることが、周壁部の自由な変形を許容
する上で望ましい。
【0016】付勢部材はワーク保持部材を一定方向に付
勢する。付勢部材としては、例えばワーク保持部材の前
端部と基部の壁部との間に介在されるときは、圧縮バネ
を使用することができる。その他にも、油圧や空気圧で
作動する装置を付勢部材として使用することができる。
【0017】ダイス部材はワークの周壁部の外周側に配
置され、ダイス部と調節部とを有する。ダイス部は、ワ
ークを保持したワーク保持部材に対して接近することに
より周壁部を半径方向内向きに矯正するとともに、パン
チ部材によるスナップリング溝形成等の加工時にはワー
ク保持部材と共同してワークを挟持しダイスとして機能
する。そのため、ダイス部は周壁部の矯正時に周壁部を
ワーク保持部材を押圧する押圧部と、周壁部の加工時に
加工部分が逃げ込む逃げ部を有することが望ましい。ワ
ークの周壁部の矯正量を調節する調節部は、ワークを保
持したワーク保持部材と周壁部を矯正するダイス部材と
の間のクリアランスの大きさを変更する。一方、調節部
は、例えばダイス部のワーク保持部材に対向する面に立
設され突出量が調節可能なねじ部材とすることができ
る。尚、ねじ部材の代わりに、長さが調整可能なピン
や、厚さの異なる複数のブロックを使用することもでき
る。
【0018】パンチ部材は、ダイス部材に対向して、例
えば周壁部の内側に位置するように基部の床部に固定さ
れて、スプラインに種々の加工を施す。パンチ部材の具
体的構成及び配置は、スプラインへの加工の種類によっ
て異なる。つまり、内歯スプラインの歯山部にスナップ
リング溝を形成するときは周壁部の半径方向内側に配置
され、歯山部に半径方向外向きに食い込む。内歯又は外
歯スプラインの歯山部又は歯底部に油溝を形成するとき
は、歯山部又は歯底部を半径方向外向きに貫通する。内
歯又は外歯スプラインをトリミングするときは、周壁部
の開口端において半径方向外向きに移動する。
【0019】ダイス部材を駆動する駆動部材は、付勢部
材の付勢力に抗して、周壁部の矯正時には小さい第1の
駆動力で、スナップリング溝形成時は大きい第2の駆動
力でダイス部材を駆動する。駆動部材は具体的には、油
圧シリンダ、空気シリンダ等の流体式駆動手段や、機械
的駆動手段を採用することができる。
【0020】ドラム形状ワークにはクラッチドラムとク
ラッチハブとがある。クラッチドラムでは周壁部の内周
面に内歯スプラインが形成されており、クラッチハブで
は周壁部の外周面に外歯スプラインが形成されている。
スプラインは周壁部の開口端から周壁部と底壁部との境
界付近まで形成される。スプラインの断面形状は、等脚
台形、三角形、半円形等が採用できる。
【0021】
【実施例】<第1実施例>以下、本発明の実施例による
ドラム形状のワーク(以下、実施例では「ワーク」と呼
ぶ)の加工装置を添付図面に基づき説明する。図1はワ
ーク加工装置の正面断面図である。このワーク加工装置
は、クラッチドラムの内歯スプラインが形成された周壁
部を矯正し、その後歯山部にスナップリング溝を形成す
るものである。
【0022】図1から明らかなように、ワーク加工装置
は、基部の床部10上を移動可能なベース12と、該ベ
ース12と基部の垂直壁部11との間に介在された圧縮
バネ17と、ベース12上に裁置されたワーク受け部材
19と、該ワーク受け部材19の上方に配置されたワー
ククランプ24と、床部10上を移動可能なダイスホル
ダ33及び該ダイスホルダ33に保持されたダイス37
と、床部10に固定されたパンチ41とに大別される。
以下、個々の部材について詳述する。
【0023】ベース12は、水平方向(図1において左
右方向)に延びる水平部13と、その前端(図1におい
て左端)から垂直方向(図1において上下方向)に延び
る垂直部14とから成る。水平部13と床部10との間
には転動部材16が介在され、ベース12の水平方向運
動を円滑に案内するようになっている。また、垂直部1
3と垂直壁部11との間に介在された圧縮バネ17のバ
ネ常数kは、後述するワーク27の周壁部29の矯正に
必要な力よりも大きく、ダイス37の駆動装置35の駆
動力F1、F2よりも小さくなるように選択されてい
る。
【0024】ワーク受け部材19は、その中心部に形成
された円形凹部形状のワーク位置決め部20と、その外
周縁に形成され軸直角方向の平面内に位置する環状円板
部21とから成り、ワーク位置決め部20の中心部にお
いて固定部材22によりベース12の水平部13に固定
されている。ワーククランプ24はワーク受け部材19
の直上方に位置し、油圧式の駆動装置25によりワーク
受け部材19に向かう方向(図1では下方)の駆動力を
受け、ワーク受け部材19と強力してワーク27を挟持
する。ベース12、ワーク位置決め部材20及びワーク
クランプ24によりワーク保持部材が構成される。
【0025】クラッチドラムは図1に示すように、円板
状の素材の中心部を保持した状態で、プレス加工により
外周縁を曲げることにより形成されたもので、中空円板
形状の底壁部28と、その外周縁から直角よりも少し大
きい角度で立ち上がる周壁部29と、底壁部28の内周
縁に形成された円筒部30とから成る。周壁部29の内
周面には軸方向に延びる歯山部31と歯底部とが円周方
向に交互に形成された内歯スプラインが形成されてい
る。
【0026】ダイスホルダ33は該ダイスホルダ33と
床部10との間に介在された転動部材34に案内され
て、床部10に対してベース12と同方向に移動可能と
なってる。ダイスホルダ33は油圧作動式の駆動装置3
5により、比較的小さい第1の駆動力F1又は比較的大
きい第2の駆動力F2で選択式に駆動される。ダイス3
7はダイスホルダ33の前面に取り付けられ、ワーク2
7の周壁部29の矯正時に周壁部29を押圧する押圧部
37aと、スナップリング溝31aの形成時の周壁部2
9の加工部分の逃げ孔37bとを有し、ベース12に固
定されたワーク受け部材19と対向している。
【0027】ダイスホルダ33の前面のうち、ベース1
2の水平部13の後端部13aに対向する部分には、ク
リアランス調節部材38がホルダ33からの突出量が調
節可能に取り付けられている。このクリアランス調節部
材38はその回転により突出量を調節され、ダイスホル
ダ33とベース12との間のクリアランス43の大きさ
を調節する。ダイスホルダ33、ダイス37及び調節部
材38によってダイス部材が構成される。
【0028】床部10には、ワーク27の周壁部29の
内周面に対向する位置に支持部材40が固定され、その
上端にパンチ41がワーク27の半径方向外向きに固定
されている。支持部材41は、ベース12の水平部13
に形成された長孔42内に配置されており、これによっ
て固定された支持部材40及びパンチ41に対するベー
ス12及びクランプ受け部材19の移動が許容される。
【0029】次に、このワークの加工装置によるワーク
27の周壁部29の矯正及び内歯スプラインの歯山部3
1へのスナップリング溝31aの形成につき、図2から
図5を参照しつつ説明する。図2から図4はワークの加
工装置の作動説明図であり、図5はパンチ41によるス
ナップリング溝31aの形成の説明図であり、図6及び
図7はクリアランス調節部材38を調節したときの周壁
部29の矯正状態を示す説明図である。
【0030】初めに、1個から数個のワーク27をワー
ク加工装置にセットしてクラッチドラムを試作する。ワ
ーク27のセット時には、図1において、駆動装置25
によりワーククランプ24を上方に後退させ、駆動装置
35によりダイスホルダ33及びダイス37を右方に後
退させる。このとき、クリアランス調節部材38ダイス
ホルダ33からの突出長さは過去のデータなどに基づき
所定量に調節しておく。この状態で、ワーク受け部材1
9上にワーク27をその開口側を下向きにしてセットす
る。その際、ワーク27は、その円筒部30がワーク受
け部材19の位置決め部20に挿入され、その底壁部2
8がワーク受け部材19上に着座することにより、円周
方向及び半径方向でそれぞれ位置決めされる。
【0031】その後、駆動部材25によりワーククラン
プ24を下降させて、図2に示すように、ワーククラン
プ24とワーク受け部材19とによってワーク27の底
壁部28を上下両面から挟持する。この状態で、駆動装
置35によりダイスホルダ33を駆動力F1で左方向に
駆動する。この駆動力F1は周壁部29の矯正に必要な
力よりも大きいので、ダイス37の押圧部37aによる
周壁部29の半径方向内向きの変形が開始する。しか
し、上記駆動力F1は、この時点で圧縮バネ17からベ
ース12に加えられるバネ力f1よりも小さく、しかも
ダイスホルダ33に立設されたクリアランス調節部材3
8がベース12の水平部13の後端部13aに当接して
いないので、このときベース12はほとんど移動しな
い。
【0032】周壁部29は、ダイス37が駆動装置35
により前進させられるにつれ更に矯正され、周壁部29
の矯正は、図3に示すように、クリアランス調節部材3
8がベース12の後端部13aに当接してダイス37と
ベース12との愛段クリアランス43が零になった時点
で終了する。図3に示すように、このときのダイス37
とベース12の後端部13aとの距離はL1である。
【0033】続いて、図4に示すように、駆動装置35
によりダイスホルダ33に駆動力F2を加える。この駆
動力F2は、上記駆動力F1よりも大きく、しかもこの
時点での圧縮バネ17からべース12に加わるバネ力f
2よりも大きい。従って、ダイスホルダ33及びダイス
37に駆動力F2が加わると、ベース12が圧縮バネ1
7を圧縮しつつ、ダイス37とベース12とは一体とな
って、床部10に対して前進(左方に移動)する。その
結果、ワーク27の周壁部29が支持部材40により床
部10に固定されたパンチ41に対して相対移動し、パ
ンチ41により周縁部29の内歯スプラインの歯山部3
1にスナップリング溝31aが形成される。このとき、
ダイス37がパンチ41のダイスとして機能し、図5に
示すように、歯山部31にスナップリング溝31aが形
成されるとともに、外周面に突起29aが形成され、こ
の突起29aはダイス37に形成された逃げ部37bに
進入する。
【0034】その後、駆動装置35によってダイス37
を後退させるとともにワーククランプ24によるワーク
27のクランプを解放し、ワーク27を位置決め部20
の周りに所定角度回転(割出し)させ、未だ矯正されて
いない周壁部29の部分及びスナップリング溝31aが
形成されていない内歯スプラインの歯山部31をダイス
37及びパンチ41に対向させる。そして、この周壁部
29及び歯山部31にも同様に矯正及びスナップリング
溝加工を行う。この加工工程を複数回繰り返すことによ
り、周壁部29の全ての部分が矯正され、内歯スプライ
ンの全ての歯山部にスナップリング溝31aが形成され
る。
【0035】その後、試作したクラッチドラムをワーク
加工装置から取り外し、内歯スプラインの歯山部31の
リング溝31aにスナップリングを装着してその内径を
測定する。その結果、スナップリングの内径が所定値よ
りも大きい場合は、周壁部29が半径方向外向きに広が
りすぎであるので、周壁部29をもっと半径方向内側に
矯正する必要がある。そこで、図6に示すように、クリ
アランス調節部材38を回転させてダイスホルダ33か
らの突出量を上記突出量L1よりも小さい突出量L2に
する。
【0036】その後ワーク27をワーク加工装置にセッ
トして、上記加工工程に従って、周壁部29の矯正及び
歯山部31のスナップリング溝31aの形成を行う。す
ると、クリアランス調節部材38のダイスホルダ33か
らの突出量が試作の場合よりも減少しているので、ダイ
ス37はワーク受け部材19即ちワーク27に対してそ
れまでよりも距離(L1−L2)余計に接近し、その結
果、図6に示すようにワーク27の周壁部29は更に半
径方向内向きに変形させられる。
【0037】尚、上述したのとは反対に、試作したクラ
ッチドラムの周壁部29即ちスナップリングの内径が所
定値よりも小さい場合は、周壁部29が半径方向内向き
に狭まりすぎであるので、周壁部29をもう少し半径方
向外側に変形させるべく、図7に示すように、クリアラ
ンス調節部材38のダイスホルダ33からの突出量を上
記突出量L1よりも大きい突出量L3にする。その後ワ
ーク27をワーク加工装置にセットして、周壁部29の
矯正及び歯山部31へのスナップリング溝31aの形成
を行うと、図7に示すように、クリアランス調節部材3
8のダイスホルダ33からの突出量が増加しているの
で、ダイス37は試作の場合よりも距離(L3−L1)
少な目に前進して、ワーク27の周壁部29は半径方向
内向きに変形させられ、周壁部29の内径が少し大きく
なる。
【0038】以上述べたように、本実施例によれば、ク
リアランス調節部材38の突出量を調節して、ダイス3
7のベース12とのクリアランス43の大きさを調節す
るのみで、周壁部29の内歯スプラインの歯山部31の
内径が所定値よりも大きすぎる場合にも小さすぎる場合
にも迅速に対処できる。そして、このように、周壁部2
9の内径を矯正した後に歯山部31にスナップリング溝
31aを形成するので、歯山部31上に装着したスナッ
プリングの内径を正確に管理することができる。
【0039】しかも、本実施例では、ワーク保持部材を
構成するベース12を移動可能に配置し、パンチ41を
床部10に固定したので、単一の駆動装置35によりダ
イス33を一方向に駆動するのみで、周壁部29の矯正
に連続して歯山部31にスナップリング溝31aが形成
される。従って、ダイスを異なる方向に駆動する駆動装
置や、パンチ41を駆動する駆動装置は不要となる。こ
れにより、上記図11に示した従来例に比べて、ワーク
加工装置全体の部品点数が減少して安価になる。
【0040】また、本実施例では、ワーク27の矯正時
及び加工時に底壁部28をワーク受け部材21とワーク
クランプ24で保持し、ワーク27の周壁部29の半径
方向内側の空間を開放したので、周壁部29の半径方向
内向きへの変形が容易になった。その上、この開放され
た空間にパンチ41を配置して、加工装置内部の空間の
有効利用を図っているので、ワーク加工装置全体がコン
パクトになり、小さなスペースに配置することがきる。
【0041】加えて、ダイス37及び/又はパンチ41
は作業者の手が届きやすい一に配置されている。その結
果、これらが摩耗した場合には、簡単な作業で迅速に交
換でき、メインテンスのための時間が短縮できる。<第
2実施例>ドラム形状ワークが図8に示すクラッチハブ
40の場合は、外周面に歯山部と歯底部44とが交互に
形成されて成る外歯スプライン43が形成された周壁部
42をダイス37によって半径方向内向きに矯正した上
で、パンチ41を歯山部44又は歯底部に半径方向外向
きに貫通させて油穴をあける。
【0042】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、ドラ
ム形状ワークの加工装置を、基部に相対移動可能に配置
されたワーク保持部材、ワークの周壁部の外周面に当接
して周壁部を半径方向内向きに矯正するとともに周壁部
の加工用型部材の一方を構成するダイス部と、外周壁の
矯正量を規制する調節部とを有するダイス部材、及び型
部材の他方を構成してダイス部材と共に周壁部を加工す
るパンチ部材等、で構成した。
【0043】従って、本発明によれば、周壁部の矯正量
を周壁部のスプリングバックを考慮した大きさに選定す
ることが出来、これによって周壁部のスプラインの直径
寸法の誤差を除去できる。そして、このように周壁部を
正確に矯正した上で周壁部を加工するので、周壁部の加
工も正確になる。しかも、ダイス部材を一方向に駆動す
るのみで、周壁部の矯正に引き続いて周壁部が加工され
るので、ワークの加工装置の構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例(ドラム形状ワークの加工
装置)を示す正面断面図である。
【図2】上記第1実施例の加工工程を説明する説明図で
ある。
【図3】上記第1実施例の加工工程を説明する説明図で
ある。
【図4】上記第1実施例の加工工程を説明する説明図で
ある。
【図5】上記第1実施例におけるスナップリング溝の形
成を示す説明図である。
【図6】上記第1実施例における周壁部の矯正量の調節
を示す説明図である。
【図7】上記第1実施例における周壁部の矯正量の調節
を示す説明図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す要部断面図である。
【図9】従来のクラッチドラムの断面図である。
【図10】上記クラッチドラムの斜視図である。
【図11】従来のドラム形状ワークの加工装置の要部断
面図である。
【符号の説明】
10、11:基部 10:床部 11:壁部 12,19,24:ワーク保持部材 12:ベース 19:ワーク受け部材 24:ワークク
ランプ部材 17:付勢部材 27:ワーク 28:底壁部 29:周壁部 31:内歯スプライ
ンの歯山部 33,37,38:ダイス部材 33:ダイスホルダ 37:ダイス(ダイス部) 38:クリアランス調節部材(調節部) 35:駆動装置 41:パンチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部と、 底壁部と周壁部とを有するドラム形状のワークを固定保
    持する保持部を有し、前記基部に相対移動可能に配置さ
    れたワーク保持部材と、 前記基部と前記ワーク保持部材との間に介装され、該ワ
    ーク保持部材を一方向に付勢する付勢部材と、 前記ワーク保持部材に固定保持された前記ワークの該周
    壁部の外周面に当接して該周壁部を半径方向内向きに矯
    正するとともに該周壁部を加工する型部材の一方を構成
    するダイス部と、該ワーク保持部材に当接し外周壁の矯
    正量を規制する調節部とを有するダイス部材と、 前記ダイス部材と対向して前記基部に固定され、前記型
    部材の他方を構成して前記ダイス部材と共に前記周壁部
    を加工するパンチ部材と、 前記付勢部材に抗して前記ダイス部材を駆動する駆動部
    材と、から成ることを特徴とするドラム形状ワークの加
    工装置。
  2. 【請求項2】 前記保持部は前記ワークの底壁部を保持
    する請求項1に記載のドラム形状ワークの加工装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢部材は圧縮バネである請求項1
    に記載のドラム形状ワークの加工装置。
  4. 【請求項4】 前記調節部は、前記ワーク保持部材に当
    接する突出量可変の突出部材を持つ請求項1に記載のド
    ラム形状ワークの加工装置。
  5. 【請求項5】 前記ダイス部は、前記パンチ部材により
    加工された周壁部の加工部分の進入を許す逃げ孔を有す
    る請求項1に記載のドラム形状ワークの加工装置。
  6. 【請求項6】 前記ワークの前記周壁部の内周面には内
    歯スプラインを有し、前記パンチ部材は、該内歯スプラ
    インにスナップリング溝を形成するものである請求項1
    に記載のドラム形状ワークの加工装置。
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