JP2001149707A - スクリュープレスにおけるスクリーンの洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリーンを効果的に洗浄し、長時間安定し
て汚泥の脱水を行うことができるスクリュープレスにお
けるスクリーンの洗浄装置を提供すること。 【解決手段】 円筒状のスクリーン３の内部にスクリュ
ー２を配置し、スクリュー２の先端部に設けた背圧板５
により、スクリーン３内に注入された汚泥を加圧しなが
らスクリーン３の外側に濾液を排出し脱水を行うように
したスクリュープレス１におけるスクリーン３の洗浄装
置において、スクリーン３の周回方向を複数に分割区画
し、かつ各分割区画位置に洗浄水をスクリーン面に向か
って噴射するようにして配設した洗浄ノズル４２を、ス
クリーン３の周回方向に、少なくともスクリーン３周回
の分割区画の範囲を揺動させて、スクリーン３の洗浄を
行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュープレス
におけるスクリーンの洗浄装置に関し、特に、小規模下
水処理場において有機性の汚水を処理する設備から発生
する汚泥の脱水を、効果的に、かつ長時間安定して行う
ことができるようにしたスクリュープレスにおけるスク
リーンの洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】小規模下水処理場等の下水処理施設にお
いて、有機性の汚水を処理する設備から発生する汚泥の
脱水機として、近年、スクリュープレス式の脱水機（本
明細書において、「スクリュープレス」という。）が適
用されるようになった。このスクリュープレスは、スク
リューとその周囲に設けた円筒状のスクリーンで構成さ
れ、スクリュー先端部に配設した背圧板により、円筒状
スクリーン内に注入された汚泥をスクリューを回転させ
ることにより加圧しながらスクリーンの外側に濾液を排
出するようにして脱水を行い、脱水したケーキを背圧板
とスクリーン先端部の隙間から排出するように構成して
いる。そして、このスクリーンの外側に排出される濾液
中には、汚泥分等の固形物が含まれているため、この固
形物がスクリーンの開口（目開き）や外側に付着し、ス
クリーンの開口面積を減少させ、濾過抵抗を増大させ
て、脱水効率を低下させるものとなる。このため、随時
スクリーンの洗浄を行う必要があるが、このスクリーン
の洗浄は、スクリーン周囲の所定の位置に配設したノズ
ル等により行うようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
スクリュープレスにおけるスクリーンの洗浄は、スクリ
ーン周囲の所定の位置からノズル等により噴射される洗
浄水にて洗浄するようにしているため、パンチングメタ
ル等のスクリーン材を外側支持枠により固定したドラム
形状のスクリーンの場合、斜め方向からノズルで噴射し
ても、効果的に洗浄することができず、スクリーンの外
周面全体に洗浄水を噴射して万遍なく、かつ効果的に洗
浄するのが難しく、また、スクリーンの洗浄に際して多
量の洗浄水を必要とするといった問題があった。

【０００４】本発明は、従来のスクリュープレスにおけ
るスクリーンの洗浄装置の有する問題点に鑑み、スクリ
ーンを効果的に洗浄し、長時間安定して汚泥の脱水を行
うことができるスクリュープレスにおけるスクリーンの
洗浄装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のスクリュープレスにおけるスクリーンの洗
浄装置は、円筒状のスクリーンの内部にスクリューを配
置し、スクリュー先端部に設けた背圧板により、スクリ
ーン内に注入された汚泥を加圧しながらスクリーンの外
側に濾液を排出し脱水を行うようにしたスクリュープレ
スにおけるスクリーンの洗浄装置において、スクリーン
の周回方向を複数に分割区画し、かつ各分割区画位置に
洗浄水をスクリーン面に向かって噴射するようにして配
設した洗浄ノズルを、スクリーンの周回方向に、少なく
ともスクリーン周回の分割区画の範囲を揺動させて、ス
クリーンの洗浄を行うようにしたことを特徴とする。

【０００６】このスクリュープレスにおけるスクリーン
の洗浄装置は、スクリーンの外周方向を複数に分割区画
した位置に配設された洗浄ノズルを、スクリーンの周回
方向に、少なくともスクリーン周回の分割区画の範囲を
揺動させながら、洗浄水をスクリーン面に向かって噴射
して、スクリーンの洗浄を行うようにしているため、パ
ンティングメタル製等のスクリーンでも、スクリーン面
が垂直方向から洗浄水を散布され、少ない水量で確実に
洗浄できる。

【０００７】この場合において、洗浄ノズルを、スクリ
ーンの周回方向の揺動と、スクリーンの長手方向に沿っ
て移動する動作とを組み合わせて移動させるようにする
ことができる。

【０００８】これにより、スクリーン面に対して垂直方
向から洗浄水を噴射しながらスクリーン全面の洗浄を行
うことができる。

【０００９】また、洗浄ノズルを、スクリーンの長手方
向に沿った複数位置に配設することができる。

【００１０】これにより、長尺のスクリーンでも、全周
面に対して洗浄水が散布され、スクリーンの洗浄が短時
間で確実に洗浄できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明のスクリュープレス
におけるスクリーンの洗浄装置の実施の形態を図面に基
づいて説明する。

【００１２】図１〜図３に、本発明のスクリュープレス
におけるスクリーンの洗浄装置の一実施例を示す。この
スクリュープレス１は、スクリュー２とスクリーン３に
より構成される。スクリュー２は、所要の長さと径を有
するスクリュー軸２１の外周面に、螺旋状としたスクリ
ュー羽根２２を巻回して、スクリュー軸２１の外周面
と、螺旋状スクリュー羽根２２の内周面との接触面を溶
接して一体としたものを用いることができる。このスク
リュー２は、スクリーン３内に汚泥が充満する有効容積
が出口に向かって徐々に小さくなるように、図示のよう
に、スクリュー軸２１の径を脱水ケーキの出口側に向か
って徐々に太くなるようにするか、あるいは、スクリュ
ー軸２１の径は一定とし、スクリュー羽根２２の取付け
ピッチを入口から出口に向かって徐々に小さくなるよう
にすることが好ましいが、スクリュー１の構成は限定さ
れない。また、このスクリュー２は、図示省略したが、
減速機を組み込んだ駆動装置と直結するか又はチェーン
等の動力伝達手段を介して、定速で、あるいは可変速的
に回転駆動するように構成される。

【００１３】また、スクリュープレス１の出口部、すな
わち、脱水ケーキの出口には背圧板５を配設し、投入口
から投入されたスクリュープレス１内の汚泥が、その出
口に近づくにつれて、スクリュー２の形状と、この背圧
板５との相乗作用にて汚泥に大きい圧縮力が加わり、汚
泥を脱水できるように構成する。

【００１４】スクリーン３は、図１に示したような三角
ワイヤーを支持枠３１に固定し、隣接する三角ワイヤー
間に所要のスクリーン目幅となるスリットを形成してこ
れをドラム形状に構成したものや、あるいはパンティン
グプレートのような細孔を有するスクリーン材を外側支
持枠により固定して構成したもの等を採用されるが、そ
の構造は特に限定されない。

【００１５】また、このスクリーン３の外周部には、洗
浄装置４が揺動可能に配設される。この洗浄装置４は、
スクリーン３の外周を、その長手方向に平行するように
沿って複数本のヘッダー管４１を配設し、かつ各ヘッダ
ー管４１にスクリーン３の長手方向に沿って所定間隔で
ノズル４２を取り付けるとともに、各ヘッダー管４１に
は洗浄水配管４３を接続して構成する。このスクリーン
３の外周を取り囲むようにして配設される複数本のヘッ
ダー管４１は、図２に示すように、スクリーンの外周方
向を、複数に分割区画して、例えば、スクリーン３の一
周３６０度をＮ個（本実施例では６個）に分割して、３
６０／Ｎ度（本実施例では６０度）の間隔で配置し、こ
のヘッダー管４１にそれぞれ複数個の洗浄ノズル４２を
取り付ける。これにより洗浄ノズル４２は、スクリーン
の周回方向を複数に分割区画した位置に配設されるもの
となる。なお、この各洗浄ノズル４２の取付方向は、洗
浄水をスクリーン面に向かってほぼ垂直に噴射するよう
にする。また、スクリーンの外周を取り囲むようにし
て、かつ周回方向を複数に分割区画した位置に配設され
て複数本のヘッダー管４１は、スクリーンの周回方向
に、少なくともスクリーン周回の分割区画の範囲を揺動
させる機構（図示省略）を設けるようにする。この場
合、揺動するヘッダー管４１に対しても洗浄水を安定し
て供給できるように、例えば、スクリーンの周回方向に
沿った円弧方向に、少なくとも３６０／Ｎ度の範囲で自
動的又は半自動で揺動自在にして洗浄水配管４３を配管
する。このようにして、洗浄装置４は、図２及び図３に
示すように、Ｎ個のヘッダー管４１に洗浄水配管４３か
ら洗浄水Ｄを供給し、各ヘッダー管に取付けた複数個の
洗浄ノズル４２の先端から、スクリーン支持枠３１の溝
３２の奥にあるスクリーン面に対し、鉛直方向に洗浄水
を散布するようにする。

【００１６】また、スクリーン面は、通常、外側の支持
枠の奥に位置するため、斜め方向から洗浄水を噴射して
も、効果的に洗浄することができないことから、洗浄ノ
ズル４２は、角度の大きい円錐状のノズルよりも、狭い
角度の円錐状、又はフラットなスプレーノズルを用いる
のが好ましい。また、洗浄ノズルの数は、該ノズルの種
類、洗浄水量、スクリーンと洗浄ノズルとの距離等を考
慮して適宜設定するものとする。

【００１７】図２は、スクリーンの外周方向を６個に分
割区画した場合であり、洗浄ノズル４２及びヘッダー管
４１は、３６０／６の６０度程度、揺動できる構造とす
る。揺動の機構は、６個のヘッダー管４１を洗浄水配管
４３で連結して一体化し、この荷重をベアリング等を介
してスクリーン上に預けて、回転自在とする方法や、外
側のカバーから突出させたブラケットに回転自在に取付
ける方法等が適用できるが、特に限定されるものではな
い。また、揺動のための駆動装置も、電動シリンダー等
を適宜採用することもできる。脱水を行う汚泥Ａは、ス
クリーンの一端側に配設した流入口３Ａより投入し、濾
過された濾液Ｂは、スクリーンの外周を覆うようにして
配設したカバー６の下部に設けた排水口３Ｂから排出さ
れ、脱水ケーキＣは汚泥排出口、すなわち背圧板５との
隙間３Ｃからスクリュープレス（汚泥脱水機）１の外へ
と排出される。

【００１８】次に、本発明の動作、作用を説明する。下
水処理場内の曝気槽、汚泥濃縮糟、汚泥貯留槽等から引
抜かれた余剰汚泥は、そのままでは脱水できず、汚泥フ
ロックを強固に、かつ大きくするため、高分子凝集剤、
無機塩等の凝集剤を添加、混合する。凝集した汚泥Ａ
は、スクリュープレス（汚泥脱水機）１の流入口３Ａか
ら、スクリュープレス１のスクリュー２とスクリーン３
の間へと送られる。

【００１９】駆動装置を運転してスクリュー２を回転す
ると、スクリーン３内に流入された凝集汚泥Ａは、徐々
に出口に向かって移動するが、この時、汚泥フロックと
フロックの間にある水分の大半は、スクリーン３に設け
られたスリット、あるいは細孔から、スクリーン支持枠
３１の溝３２を介して、スクリーンの外側へと流れ出
し、濾液Ｂとして、排水される。凝集汚泥が出口部に達
すると、凝集汚泥は背圧板５により堰止められ、入口側
に向かって、徐々に汚泥が充満していき、やがてスクリ
ーン３とスクリュー２の空間部の汚泥固形物量が流入汚
泥量に見合った量になった段階で安定化する。このよう
にして、スクリーン内に汚泥が充満することにより、圧
力が高まるため、汚泥フロック内部の保有水や表面の付
着水などがスクリーン外部に押し出されて含水率が低下
し、やがて脱水ケーキＣとして、汚泥排出口３Ｃから、
スクリュープレス１の下部へと排出される。スクリーン
３の外側に排出される濾液中には、汚泥分等の固形物が
含まれているため、スクリーン３の開口（目開き）や外
側に徐々に付着し、スクリーンの開口面積を減少させ
て、濾過抵抗を増大させる。

【００２０】そこで、所定の時間汚泥の脱水運転を行っ
た後、定期的に洗浄ノズルから洗浄水を噴射してスクリ
ーンの洗浄を行うか、又はスクリーン内部の圧力上昇、
脱水機への凝集汚泥流入配管や前段の凝集混和槽の水位
上昇、濾過水量の低下等を検知することにより、スクリ
ーンの目詰りを確認した段階で、洗浄装置を作動させて
スクリーンの洗浄を行う。具体的には、洗浄水ポンプ
（図示省略）を作動し、洗浄水配管４３より各ヘッダー
管４１を介して、洗浄ノズル４２から洗浄水をスプレー
しながら洗浄ノズルをスクリーンの円周方向に徐々に回
転し、３６０／Ｎ度（本実施例では６０度）程度回転し
た後、逆方向に回転して元の位置まで戻す。洗浄の頻度
にもよるが、このようなスクリーン３を周回するような
円弧方向の往復動を１回〜数回行った後、洗浄ポンプを
停止する。この場合、適正な洗浄が行われるようにして
洗浄水量を、そして洗浄ノズル１個当りの水量、洗浄ノ
ズルの数等を考慮して設定されるものである。

【００２１】

【発明の効果】本発明のスクリュープレスにおけるスク
リーンの洗浄装置によれば、スクリーンの外周方向を複
数に分割区画した位置に配設された洗浄ノズルを、スク
リーンの周回方向に、少なくともスクリーン周回の分割
区画の範囲を揺動させながら、洗浄水をスクリーン面に
向かって噴射して、スクリーンの洗浄を行うようにして
いるため、パンティングメタル製等のスクリーンでも、
スクリーン面が垂直方向から洗浄水を散布され、少ない
水量で確実に洗浄でき、これにより、長時間継続して安
定した汚泥の脱水を行うことができる。

【００２２】また、洗浄ノズルを、スクリーンの周回方
向の揺動と、スクリーンの長手方向に沿って移動する動
作とを組み合わせて移動させるようにすることにより、
スクリーン面に対して垂直方向から洗浄水を噴射しなが
らスクリーン全面の洗浄を行うことができる。

【００２３】また、洗浄ノズルを、スクリーンの長手方
向に沿った複数位置に配設することにより、スクリーン
全面の洗浄を短時間で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスクリュープレスにおけるスクリーン
の洗浄装置の一実施例を示す正面断面図である。

【図２】同側面図である。

【図３】同正面図である。

【符号の説明】

１ スクリュープレス（汚泥脱水機） ２ スクリュー ３ スクリーン ５ 背圧板 ３１ スクリーン支持枠 ３２ 溝 ４ 洗浄装置 ４１ ヘッダー管 ４２ 洗浄ノズル ４３ 洗浄水配管 Ａ 凝集汚泥 Ｂ 濾液 Ｃ 脱水ケーキ

フロントページの続き (72)発明者 中山 善雄 兵庫県尼崎市下坂部３丁目11番１号 日立 機電工業株式会社内 (72)発明者 荒井 孝一 神奈川県高座郡寒川町倉見1390番地１ 株 式会社荒井鉄工所内 Ｆターム(参考） 4D059 AA05 BE26 BE55 BE56 BK30 CB17 CB27

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状のスクリーンの内部にスクリュー
   を配置し、スクリュー先端部に設けた背圧板により、ス
   クリーン内に注入された汚泥を加圧しながらスクリーン
   の外側に濾液を排出し脱水を行うようにしたスクリュー
   プレスにおけるスクリーンの洗浄装置において、スクリ
   ーンの周回方向を複数に分割区画し、かつ各分割区画位
   置に洗浄水をスクリーン面に向かって噴射するようにし
   て配設した洗浄ノズルを、スクリーンの周回方向に、少
   なくともスクリーン周回の分割区画の範囲を揺動させ
   て、スクリーンの洗浄を行うようにしたことを特徴とす
   るスクリュープレスにおけるスクリーンの洗浄装置。
2. 【請求項２】 洗浄ノズルを、スクリーンの周回方向の
   揺動と、スクリーンの長手方向に沿って移動する動作と
   を組み合わせて移動させるようにしたことを特徴とする
   請求項１記載のスクリュープレスにおけるスクリーンの
   洗浄装置。
3. 【請求項３】 洗浄ノズルを、スクリーンの長手方向に
   沿った複数位置に配設したことを特徴とする請求項１又
   は２記載のスクリュープレスにおけるスクリーンの洗浄
   装置。