JP2001148704A - 衛星通信システムにおける仮想経路切換方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】処理通信衛星のＡＴＭセルを仮想経路切り換え
する。 【解決手段】各ＶＰＩが衛星の出力ポートと関連してい
る組のＶＰＩｓを設定し（１０４）、組のＶＣＩを設定
し（１０６）、１つのＶＰＩと１つのＶＣＩとをＡＴＭ
セルに割り当てる（１０８）。次いで、ＡＴＭセルが衛
星（１１０）の入力ポートまで伝送され、該ポートによ
って受取られる。また、関連した出力ポートを検出し
（１１４）、ＡＴＭセルをその出力ポートまで転送する
（１１６）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、衛星通信システム
に関する。より詳細には、本発明は、処理衛星通信シス
テムにおいて、仮想経路の非同期性転送モード切り換え
のための方法と装置とに関する。

【０００２】

【従来の技術】非同期性転送モードは、広範囲のサービ
スのために汎用の接続指向転送技術として使用しうるセ
ルベースの切り換え及び多重化（マルチプレキシング）
技術である。ＡＴＭにおける転送の主要な単位はセル
（「ＡＴＭセル」とも称される）である。各ＡＴＭセル
は、長さが５３バイトであり、４８バイトの情報バイト
（以下「ペイロード」と称する）と５バイトのヘッダバイ
ト(以下「セルヘッダ」と称する)を含む、特にフォーマッ
ト化されたデータユニットである。セルヘッダの主要な
機能は、セルのアドレスを運ぶことである。ヘッダは、
仮想経路識別子（ＶＰＩ）及び仮想チャネル識別子（Ｖ
ＣＩ）として知られ、共同で「アドレス指定フィールド」
として作用する２個の個別のフィールドを含んでいる。
ＶＰＩ及びＶＣＩはそれぞれ、１２アドレスビット及び
１６のアドレスビットからなり、合計２８ビットのアド
レスを提供する。

【０００３】ＡＴＭスイッチ要素においてＡＴＭセルを
切り替える（スイッチング）する方法は、一般に、二つ
のステップ、すなわちルーテイングステップと、再ラベ
リングステップとを含む。ルーテイングステップの間、
スイッチの出力ポートが、該スイッチの入力ポートに到
来する各セルに対して識別される。現在のＡＴＭシステ
ムにおいては、仮想接続（以下説明する）に沿って各接
続点（すなわち、ノード）において大型のルーテイング
・テーブルが入力ポートからＡＴＭスイッチの出力ポー
トへのＶＰＩ及びＶＣＩをマッピングするために、一般
に使用される。ルーテイングステップは、例えば、ルー
テイング・テーブルの１つにおいて（アドレス指定フィ
ールドの一部あるいは全てによって検出される）特定の
メモリ位置を先ず割り出すことによって実行可能であ
る。割り出しされたメモリ位置に記憶されたルーテイン
グ情報は一般に、現在のＡＴＭセルのための次のリンク
を指示するルーテイング・タグを保持している。このル
ーテイング・タグは、次いで、次のリンクによってその
セルを識別するために、現在のＡＴＭセルに取付けるこ
とができる。

【０００４】ＡＴＭ切り替えにおける第２のステップ
は、再ラベリングステップである。一般に、ＶＰＩとＶ
ＣＩとは、「ローカルな有意性」のみを有している。換言
すれば、ＶＰＩとＶＣＩとは、仮想接続の１つの特定の
リンクに対してのみ、有意である。従って、次のリンク
において正確なスイッチングを行なうようにするには、
ＶＰＩ及び可能ならばＶＣＩも新規のアドレスが次のリ
ンクにおいて理解されうるように新規のアドレスを提供
するよう再変更、すなわち再ラベリングすることが必要
である。

【０００５】一般に、ルーテイング階層の二つのレベ
ル、すなわち仮想経路（ＶＰ）及び仮想チャネル（Ｖ
Ｃ）が、ＡＴＭトラフィックに対して定義される。ＶＣ
リンクは、ＶＣ接続点（すなわち、ノード）と、ＶＣ終
端（すなわち、起点あるいは宛先）あるいは別のＶＣ接
続点のいずれかとの間での、同じＶＣＩによるＡＴＭセ
ルの一方向搬送として定義される。ＶＰは、共通のＶＰ
Ｉと関連したＶＣのグループに属するＡＴＭセルの一方
向搬送を定義している。各ＶＰは、ＶＰ上で多重化可能
であるＶＣの数を制限する、関連の帯域を有している。
ＶＰリンクは、ＶＰ接続点と、ＶＰ終端又は別のＶＰ接
続点のいずれかとの間に、同じＶＰＩによりセルの一方
向転送を提供する。

【０００６】ＡＴＭセルの起点及び宛先との間（すなわ
ち、終端間）の２タイプの仮想接続の一方が、データフ
ローの前に一般的に形成される。この論理的接続は、一
般に、ＶＣＩ及びＶＰＩを含むセルヘッダにおける情報
に基づいて設定される。仮想チャネル接続（ＶＣＣ）
は、一方のユーザから一つ以上の他のユーザへのＶＣリ
ンクの連結された順番のリストである。一般に、セルヘ
ッダにおけるＶＣＩは、特定のＶＰにおける単一のＶＣ
を識別する。同様に、仮想経路接続（ＶＰＣ）は、１又
は複数のユーザから１又は複数の他のユーザへのＶＰリ
ンクの連結された順番のリストである。このように、Ｖ
ＣＣあるいはＶＰＣが終端間に存在している間は、ＶＣ
あるいはＶＰは、１つの終端と接続点との間、あるいは
接続点間に存在する。

【０００７】一般に、２タイプのスイッチング（すなわ
ち、切り換え又は交換）が、ＡＴＭにおいて認識され
る。一方のタイプのスイッチングは、ＶＰスイッチング
であり、ＶＰＩのみがスイッチング作用において考慮さ
れ、ＶＣＩは無視されている。このタイプのスイッチン
グにおいては、ＶＰＩだけで、例えばルーテイング・テ
ーブルにおける適当なメモリ位置を検出するに十分であ
る。ここでは、ＶＰＩの再ラベリングは許容されるが、
ＶＣＩは不変のままである必要がある。第２のタイプの
スイッチングは、ＶＣスイッチングであり、ＶＣＩとＶ
ＰＩとの組み合わせがルーテイング及び再ラベリングス
テップの双方において重要である。

【０００８】今日、衛星システムは、一般に、ユーザ端
末へ通信信号を伝送したり、該端末から通信信号を受取
る。そのような衛星に基づく通信システムは、(固定さ
れた、あるいは移動する)ユーザ端末に対して送られる
通信信号、あるいは、ユーザ端末から送られる通信信号
を中継するために、１つの衛星あるいは一群の衛星を利
用する。各衛星は、衛星がカバーする、フットプリント
と称される地球上の領域を規定する少なくとも１個のア
ンテナを含む。衛星のアンテナは、フットプリントを多
数のビームスポットに分割するか、あるいは、単一のビ
ームスポットとして放射する。各ビームスポットは、通
信信号が衛星と各ユーザ端末との間で搬送される一つ以
上の周波数帯域（サブバンド）が割り当てられる。ユー
ザ端末は、サブバンドで予め割り当てられた通信チャネ
ルを介して通信する。予め割り当てられた通信チャネル
に沿った衛星への情報の伝送は、アップリンクにおいて
行われ、予め割り当てられた通信チャネルに沿った衛星
スイッチからの情報の伝送は、ダウンリンクにおいて行
われる。

【０００９】現在の処理衛星は、アップリンクでの伝送
がダウンリンクで単純に再伝送される「ベントパイプ」の
要領でデータを伝送することが一般的である。データを
伝送するために処理衛星が使用する別の方法において、
アップリンク伝送は、衛星において変調され、かつ復号
化されアップリンク伝送経路（ＴＰ）に亘って搬送され
た１以上のＡＴＭセルを再生させることが出来る。ＡＴ
Ｍセルは次いで、当該セルが導かれてくる宛先の地球端
末として作用するダウンリンクＴＰに切り替えられる。
更に、処理衛星システムは、一方の衛星を他方の衛星に
結合するクロスリンクを組み込むことが出来る。これら
のクロスリンクは、地上ＡＴＭネットワークにおけるイ
ンター・スイッチ伝送経路と類似している。

【００１０】ＡＴＭを使用する衛星通信システムにおい
ては、起点から宛先までのネットワークを通して仮想接
続が設定され、該宛先において、ＡＴＭセルは呼び出し
の間、同じ組のＴＰを介してルーティングされる。前述
のように、仮想接続は、例えば起点から宛先までの仮想
経路接続（ＶＰＣ）あるいは仮想チャネル接続（ＶＣ
Ｃ）でよい。ＡＴＭが過去において衛星通信システムに
適用されてきたが、ＡＴＭスイッチングは、処理衛星に
おいて実行されてこなかった。過去のＡＴＭ方法を処理
衛星通信システムに適用する場合、幾つかの問題が発生
する。先ず、ＶＣスイッチングをサポートするために必
要なルーテイング・テーブルのサイズは極めて大きく、
そのため、衛星に関して必要なメモリ記憶容量が大幅に
増大する。要求されるメモリの増大によって、通信衛星
の物理的サイズとコストとの双方を増大させる。更に、
このようは付加的なメモリは、高エネルギ粒子衝撃の結
果変更されるロジックビットに対する保護を行なうため
に、頑丈でなければならない。この放射線による硬化は
また、通信衛星のコストを増加させてしまう。

【００１１】処理衛星通信システムに適用される過去の
ＡＴＭスイッチングに関連した第２の欠点は、（適用さ
れるＡＴＭスイッチングのタイプである）ＶＣスイッチ
ングが地上ネットワーク制御センタ（ＮＣＣ）と通信シ
ステムによって、セットアップあるいはトーンダウンさ
れる各ＶＣＣに対する衛星との間で、著しい量の制御ト
ラフィックを必要とすることである。ＶＣＣのセットア
ップあるいはトーンダウンは、例えば処理衛星システム
のような大規模のシステムにおいては極めて頻繁に発生
する。このように、ＮＣＣと衛星との間の制御トラフィ
ックに頻繁にバーストが生じることにより、直接情報の
伝送に対してアップリンク及びダウンリンクにおいて利
用可能な帯域容量大きく低減する。更に、制御トラフィ
ックの存在によって、喪失された、あるいは再指向され
たセルが制御情報を有していることにより発生しうる別
の障害モードを誘導してしまう。さらに、この制御トラ
フィックを処理するのに必要とされるハードウエアが、
通信衛星の全体サイズ及びコストを増大させる。

【００１２】処理衛星通信システムにおける標準的なＡ
ＴＭスイッチングに関わる第３の欠点は、ＶＣスイッチ
ングに対して一般に必要とされるＶＰＩ及びＶＣＩの再
ラベリングが、セルスイッチング工程において付加的な
処理となることである。このことによっても、付加的な
ハードウエアが必要となり、よって、通信衛星のサイズ
やコストを増加させることになる。以上のように、衛星
通信産業において、ビームスポット処理衛星通信システ
ムにおいて仮想スイッチングをおこなうための低コスト
で効率的な方法及び装置の提案が待たれている。

【００１３】本発明の目的は、処理通信衛星における仮
想経路ＡＴＭスイッチングを提供することである。本発
明の別の目的は、大型のルーテイング・テーブルを使用
することなく、処理通信衛星における仮想経路ＡＴＭス
イッチングの方法を提供することである。本発明の更に
別の目的は、ネットワーク制御センタと衛星との間のオ
ーバヘッド制御トラフィックの量を減少させることがで
きる処理通信衛星における仮想経路ＡＴＭスイッチング
の方法を提供することである。本発明の更に別の目的
は、マルチキャスト・スイッチングを可能とする処理通
信衛星における仮想経路ＡＴＭスイッチングの方法を提
供することである。本発明の更に別の目的は、２¹⁶以上
のアドレスが所定のダウンリンク伝送経路を支援するよ
うな状況を提供する処理通信衛星における仮想経路ＡＴ
Ｍスイッチングの方法を提供することである。本発明の
更に別の目的は、外部の仮想経路接続においてＡＴＭセ
ルのスイッチングを可能とする処理通信衛星における仮
想経路ＡＴＭスイチングの方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、仮想チャネル接続特殊化を可
能とする処理通信衛星における仮想経路ＡＴＭスイッチ
ングの方法を提供することである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前述の目的の一つ以上
は、処理通信衛星のＡＴＭセルの仮想経路切り換え方法
によって、全体的あるいは部分的に達成される。本方法
は、各ＶＰＩが衛星の出力ポートと関連している一組の
仮想経路識別子（ＶＰＩ）を設定する。本方法はまた、
一組の仮想チャネル識別子（ＶＣＩ）を設定し、１つの
ＶＰＩと１つのＶＣＩとを、ＡＴＭセルに割り当てる。
これらの準備ステップが完了した後、ＡＴＭセルが衛星
の入力ポートまで伝送され、該ポートにおいて受取られ
る。本方法は次いで、割り当てられたＶＰＩを検査して
そのＶＰＩに関連した出力ポートを検出し、次いで、割
り当てられたＶＰＩの値のみに基づいて、適宜の出力ポ
ートへＡＴＭセルを転送することが出来る。本発明は、
種々の方法で修正可能である。一実施例においては、Ｖ
ＰＩは制御サブフィールドとルーテイング・サブフィー
ルドとに分割可能である。次いで、ルーテイング・サブ
フィールドは検査して、ＡＴＭセルが転送される出力ポ
ートを検出することが出来る。

【００１５】更に別の実施例において、本発明は、マル
チキャスト・スイッチングを提供する。例えば、本方法
は、少なくとも１個のマルチキャスト・ルーテイング・
テーブルを提供するステップと、衛星に含まれたマルチ
キャスト・モジュールに連がる少なくとも１個のマルチ
キャスト出力ポートを提供するステップを含む。この実
施例において、ＡＴＭに割り当てられたＶＰＩは、１つ
のマルチキャスト出力に付随している。このように、Ａ
ＴＭセルは、マルチキャスト出力に転送され、ついでマ
ルチキャスト出力が連がっているマルチキャスト・モジ
ュールまで転送される。

【００１６】次いで、マルチキャスト・モジュールは、
割り当てられたＶＣＩを検査して、（一実行例において
は）マルチキャスト・ルーテイング・テーブル中の１つ
のテーブルにおける対応するメモリを検出することが出
来る。メモリ位置におけるアドレス指定情報が読み取ら
れ、マルチキャスト・グループ（「ＶＰＩのマルチキャ
スト・グループ」）を表示するＶＰＩの群を検出し、個
々のマルチキャスト・グループのＶＰＩに対して、ＡＴ
Ｍセルが再生される。次いで、再生されたＡＴＭセル
は、マルチキャスト・グループのＶＰＩから新規のＶＰ
Ｉが再割り当てされ、再生されたセルは、再度衛星の入
力ポートに提供される。その後、再生されたセルは、そ
れらがあたかも非マルチキャストセルであるかのごと
く、スイッチを介してルーティングされる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は、ルーテイング・テーブル
を使用することなく、処理衛星のＡＴＭセルの仮想経路
をスイッチングする方法のフローチャート１００を示
す。本方法においては、処理衛星通信システムにおいて
可能な全ての接続（すなわち、全ての仮想チャネル接続
（ＶＣＣ）及び仮想経路接続（ＶＰＣ））は、各ダウン
リンクあるいはクロスリンク伝送経路がアップリンクに
介在する全てのセルに関して、仮想経路識別子（ＶＰ
Ｉ）のみから検出可能であるようにアドレスされること
が好ましい。しかしながら、以下詳細に説明するよう
に、本発明は、各種の方法で修正可能であって、その中
のあるものは、ＶＣＩを検査してダウンリンク伝送経路
を検出することを含む。

【００１８】図９は、処理衛星におけるＡＴＭスイッチ
９５０を示す。ＡＴＭスイッチ９５０は、一般に、入力
モジュール９５２と、スイッチ・ファブリック９７０
と、出力モジュール９８０とを含む。入力モジュール９
５２は更に、数個の入力ポート９５４と検査回路９５６
とを含む。出力モジュール９８０は、数個の出力ポート
９８２を含む。以下詳細に説明するように、本方法の好
適実施例によれば、各出力ポート９８２は、単一のＶＰ
Ｉと一意的に関連し、検査回路９５６は、セルのＶＰＩ
に基づいて、セルを何れの出力にスイッチすべきか簡単
に検出することが出来る。

【００１９】図１に戻ると、本方法１００によれば、Ａ
ＴＭセルは、処理衛星のセルスイッチの入力ポートにお
いて受取られる（ステップ１１０）。セルスイッチの入
力ポートにおいて、現在のＡＴＭセルのＶＰＩが検査回
路（以下詳述）によって検査され（ステップ１１２）、
ＶＰＩが一意的に関連している出力ポートは複数の中の
何れであるかを検出する（ステップ１１４）。セルは次
いで、その出力ポートに転送され（ステップ１１６）、
該出力ポートから対応するクロスリンクの次の接続点ま
で、あるいは、対応するダウンリンクの宛先までセルを
送ることが出来る（ステップ１１８）。

【００２０】前述のスイッチング・ステップの前に、本
方法１００の数個の準備ステップ１０２〜１０８が実行
され、処理衛星システムをＡＴＭセルのスイッチングの
ために準備させる。例えば、これらの準備作業は、セル
の発生元からその宛先までＡＴＭセルを転送する仮想接
続を設定し（ステップ１０２）、一組のＶＰＩ及びＶＣ
Ｉを設定する（ステップ１０４、１０６）ステップを含
む。更に、本方法は、特定のＶＰＩ及びＶＣＩをＡＴＭ
セルに割り当てる（ステップ１０８）ステップを含む。
本発明の好適実施例によれば、一組のＶＰＩを設定する
ステップ（ステップ１０４）は、一組のＶＰＩ内で各出
力ポートに一意的に関連した単一のＶＰＩを設定するス
テップを含み、その各出力ポートは、単一のダウンリン
クの伝送経路に対応する。

【００２１】一般に、仮想接続は例えば、ネットワーク
制御センタ（「ＮＣＣ」）のような地上制御インフラ・ス
トラクチュアによって設定される。ＮＣＣは、衛星通信
システムにおいて情報の伝送を管理する制御センタであ
る。一般に、ＮＣＣは、システム資源の作動と状態とを
管理する。その他の応答性の中でも、ＮＣＣは、通信信
号をユーザ端末まで、かつユーザ端末から、そして処理
衛星まで、かつ処理衛星から中継する。通信のための仮
想接続を設定するために、ユーザ端末は、ＮＣＣにアク
セス・リクエストを送り、ＮＣＣに対して、ユーザ端末
が本システムの別のユーザとの接続を所望している旨通
知することが出来る。アクセス・リクエストの１つ以上
の衛星を介してＮＣＣまで送られる。それに応答して、
ＮＣＣは、利用可能な仮想接続を選定する。換言すれ
ば、ＮＣＣは、ＡＴＭ接続許可制御（ＣＡＣ）手順を実
行する。もし、アクセス・リクエストが許可されるとす
れば、ＮＣＣは、発生元のユーザ端末から宛先端末まで
の間の仮想接続のために、現在未使用のＶＣＩを割り当
てることが出来る。ＮＣＣは、ユーザ端末が通信するた
めの特定の仮想接続をユーザ端末に通知し、更に、既に
設定されている特定のＶＰＣあるいはＶＣＣを構成して
いる全てのＡＴＭノードを通知する。

【００２２】設定済み（ステップ１０２）の仮想接続に
基づいて、ＮＣＣは、適当なＶＰＩ及びＶＣＩを、ユー
ザ端末によって伝送されているＡＴＭセルに割り当てる
（以下それぞれ、割り当てられたＶＰＩ及び割り当てれ
らたＶＣＩと称する）（ステップ１０８）。ＶＰＩ及び
ＶＣＩはそれぞれ、例えばＮＣＣによって設定された一
組のＶＰＩ及びＶＣＩから選定される（ステップ１０
４、１０６）。本方法によれば、ルーテイング・タグを
取得するために、ルーテイング・テーブルを割り出すの
ではなくて、むしろ割り当てされたＶＰＩが特定の伝送
経路と一意的に関連され、割り当てられたＶＰＩがその
ＡＴＭセルのためにルーテイング・タグを構成する。こ
のことは以下詳細に説明する。

【００２３】ＶＣＩは一般に、ＡＴＭセルが受信される
特定のＡＴＭあるいはユーザ端末を指示する。前述のよ
うに、ＶＰＩ及びＶＣＩは一般に、単に「局部的有意性」
を有するだけである（すなわち、それらは仮想接続内の
特定のリンクに対する有意性のみを有している）。この
ように、ＶＰＩ及び（場合によって）ＶＣＩは、ＡＴＭ
セルが次のリンクで送られる前に、ＡＴＭスイッチング
装置において再ラベリングされることが多い。しかしな
がら、本方法の最も単純な実施例においては、ＶＰＩと
ＶＣＩとは、セルがその仮想接続の各リンクを通過する
時は不変のままである。処理衛星のＡＴＭスイッチは一
般に、ＡＴＭセルがスイッチ・ファブリックによって通
された後にＡＴＭセルが転送される複数の出力ポートを
有している。本方法によれば、各ＡＴＭセルは、セルの
アドレス指定フィールドにおけるＶＰＩにのみに基づい
て出力ポートへ送られることが好ましい。以下詳細に説
明するように、本方法は、ＶＣＩも考慮されるよう各種
の方法で洗練することが出来る。

【００２４】前述のように、本方法によれば、ＡＴＭセ
ルがアップリンク受信機によって受信されると、現在の
ＡＴＭセルのＶＰＩは衛星において検査される（ステッ
プ１１２）。図９に示すように、検査機能は検査回路９
５６によって実行可能である。検査回路９５６は例え
ば、ヘッダ・プロセッサ９６０とハードワイヤ配線の識
別論理回路装置あるいはＣＰＵ／ソフトウエアの組み合
わせ９５８を含む。検査回路９５６は、次いでＶＰＩを
翻訳して、いずれの出力ポートに検査されたＶＰＩが関
連しているかを検出する（ステップ１１４）。ＶＰＩが
検査され、検査回路９５６によって翻訳された後、ヘッ
ダ・プロセッサ９６０は、ルーテイング信号９６２をＡ
ＴＭスイッチ９５０のスイッチ・ファブリック９７０に
出力し、現在のＡＴＭをどの出力ポート９８２まで導く
べきかを指示する。一般に、入力ポートからのＡＴＭセ
ルをＶＰＩに基づいて出力ポートに結合するスイッチ・
ファブリック９７０は、次いで、現在のＡＴＭセルを、
ヘッダ・プロセッサ９６０からのルーテイング信号２６
２に基づいて、適当な出力ポート９８２まで転送する。
出力ポートにあるＡＴＭセルは、クロスリンクによって
仮想回路に沿った次の接続点まで、あるいはダウンリン
クによって直接宛先のユーザ端末まで送られる（ステッ
プ１１８）。

【００２５】本方法においては、ＶＰＩ自体が、１以上
の伝送経路がクロスリンクでよい状況を含み、仮想回路
を通してセルを転送するのに必要な全ての情報を提供す
る。一例として、クロスリンク２０８、２１０によって
接続された３つの処理衛星２１４、２１６、２１８から
構成されるシステムを示す図２を検討する。図２は、ロ
スアンゼルスにおけるユーザ端末２０２とロンドンにお
ける別のユーザ端末２０４とを示す。例として、６４個
のビームが合計１９２個のビームに対して３つの衛星の
各々によって提供されるものと仮定する。３つの衛星２
１４、２１６、２１８は、例えばそれぞれ経度１２０
Ｗ、６０Ｗ及び０Ｗに位置する。

【００２６】各ビームが１つのＶＰＩと一意的に関連し
ているので、６４〜１２７の番号を付したＶＰＩは西部
衛星のビーム２１４と関連し、１２８〜１９１の番号を
付したＶＰＩは中央の衛星のビーム２１６と関連し、１
９２〜２５５の番号を付したＶＰＩは東部の衛星のビー
ム２１８と関連させることができる。例えば、ロスアン
ゼルスの端末に供するビームは、ビーム番号１２３であ
り、ロンドンの端末に供するビームはビーム番号２３４
である。ＮＣＣがロスアンゼルスとロンドンとの間の仮
想接続をセットアップするよう要求されると、選定され
たＶＣＩは、ロンドン・ビーム（２３４の番号を付して
いる）で終わる何れかの仮想接続によって未使用である
１６ビット番号である。この例に対しては、ＶＣＩは
「Ｘ」であると想定する。

【００２７】本方法によってロンドン２０４のユーザ端
末と通信する場合、ロスアンゼルスのユーザ端末２０２
は、２３４／Ｘのラベルを付した特定のＶＰＩ／ＶＣＩ
によってロンドンのユーザ端末に導かれる全てのセルを
アドレスする。西部衛星２１４において、１２８〜２５
５の範囲のＶＰＩを備えたすべてのセルは、次のクロス
リンク２０８に供する出力ポートにスイッチされる。こ
のスイッチングは、探索テーブルすなわちルーテイング
・テーブル無しに実行される。本方法により、スイッチ
ングは、ＶＰＩフィールドにおける適当なビットに専ら
基づいている。

【００２８】次のクロスリンク２０８を通過した後、セ
ルは中央の衛星２１６に到来する。本方法に基づいて、
中央衛星２１６において、１９２〜２５５の範囲のＶＰ
Ｉを備えた全てのＶＰＩは、ここでも探索テーブルすな
わちルーテイング・テーブル無しに、クロスリンク２１
０に供する出力ポートにスイッチされる。クロスリンク
２１０を通過した後、セルは東部衛星２１８に到来し、
ここでセルは、ビーム番号２３４であるロンドン・ビー
ムに供するダウンリンク２１２へ通される。１９２〜２
５５の範囲のＶＰＩを備えた全てのセルは、対応するダ
ウンリンク・ビームまで通される。これらのダウンリン
ク・ビームの各々は、東部衛星２１８から発出する。本
例のセルがクロスリンクからビーム２３４（ロンドン・
ビーム）に供する出力ポートまで通される。本例におけ
る宛先端末２０４は、ビーム２３４に対するダウンリン
ク２１２に介在する各セルを検査し、Ｘに等しいＶＣＩ
を備えたセルのみを読み出す。

【００２９】前述のように、処理通信システムにおける
仮想経路ＡＴＭスイッチングの本方法に融通性をもたせ
るための種々の細工が、本発明においてなされている。
例えば、一例において、本方法は、マルチキャスト・ス
イッチングを提供するよう改良される。マルチキャスト
・スイッチングは、アップリンクにおける単一のＡＴＭ
セルが多数のダウンリンク伝送経路（マルチキャスト・
セルと称す）における一つ以上の宛先に通されうるよう
にする。マルチキャスト・セルの所定の受信者であるユ
ーザ端末の組は、「マルチキャスト・グループ」と称され
る。

【００３０】図３に示すように、マルチキャスト・スイ
ッチングは、衛星スイッチ３００の入力モジュール３０
１と出力モジュール３０７との間で接続された１以上の
マルチキャスト・モジュール３０２を使用することによ
り、衛星スイッチ要素３００において実行可能である。
衛星スイッチ３００は、入力モジュール３０１における
複数の入力ポート３０４と、出力モジュール３０７にお
ける複数の出力ポート３０６と、スイッチ・ファブリッ
ク３０５とを含む。１つのマルチキャスト・モジュール
の場合を以下に検討するが、１以上のマルチキャスト・
モジュールを使用可能である。

【００３１】マルチキャスト・モジュール３０２は、マ
ルチキャスト・スイッチング（すなわち「マルチキャス
ト・セル」）を探索するＡＴＭセルを再生し、再生され
たマルチキャスト・セルのアドレス指定フィールドの再
ラベリングを提供する再生回路として実行可能である。
典型的には、各マルチキャスト・モジュール３０２は、
衛星スイッチ３００の入力モジュール３０１と出力モジ
ュール３０７との間に接続されている。更に、各マルチ
キャスト・モジュール３０２は、１以上のマルチキャス
ト・ルーテイング・テーブル３０８に接続されている。
マルチキャスト・スイッチング用に修正された本方法に
よれば、ＶＰＩの設定された組（図１のステップ１０４
を参照）は、１以上のマルチキャストＶＰＩを含む。マ
ルチキャストＶＰＩは、（本方法に関連して説明するよ
うに、ダウンリンク伝送経路に連がるのではなくて、む
しろ）マルチキャスト・モジュールに連がる出力ポート
と一意的に関連している特定タイプのＶＰＩである。

【００３２】各「標準」ＡＴＭセル（すなわち、非マルチ
キャスト・セル）が本方法によってＶＰＩが割り当てら
れる（図１のステップ１０８参照）につれて、マルチキ
ャスト・スイッチングを提供するシステムにおける各マ
ルチキャスト・セルは、特定タイプのＶＰＩ、すなわち
「マルチキャストＶＰＩ」が割り当てられる（図１のステ
ップ１０８を参照）。マルチキャストＶＰＩは、特定タ
イプのＶＰＩ、すなわち一般にマルチキャスト出力ポー
ト（すなわち、マルチキャスト・モジュールに連がる出
力ポート）と一意的に関連している。更に、マルチキャ
スト・セルに割り当てられているＶＣＩ（図１のステッ
プ１０８を参照）は、マルチキャスト・セルが属してい
るマルチキャスト・グループ（群）を指示する。例え
ば、マルチキャスト・セルが衛星のスイッチング要素３
００の入力ポート３０４において受取られると、そのマ
ルチキャスト・セルのアドレス指定フィールドにおける
マルチキャストＶＰＩは、（図１と本方法とに関して前
述された）ヘッダ・プロセッサによって検査され、かつ
翻訳される。ついで、マルチキャスト・セルは、ヘッダ
・プロセッサによって検査され、かつ翻訳されたマルチ
キャストＶＰＩに対応する特定の出力ポート３０６まで
通される。一般に、マルチキャストＶＰＩに対応する各
特定の出力ポート３０６は、マルチキャスト・セルを特
定のマルチキャスト・モジュール３０２まで導く。

【００３３】本発明によれば、１個以上のマルチキャス
ト・ルーテイング・テーブル３０８がマルチキャスト・
セルがいずれのマルチキャスト・グループに属するかを
検出するために使用される。一般に、マルチチキャスト
・セルを受取ると、マルチキャスト・モジュール３０２
は、マルチキャスト・ルーテイング・テーブル３０８の
１つのテーブル内の特定のメモリ位置に記憶された情報
を読み取る。このメモリ記憶位置は一般に、マルチキャ
ストＡＴＭセルからのＶＣＩの一部あるいは全てによっ
て検出される。このメモリ記憶位置に記憶された情報
は、マルチキャスト・グループのメンバ（すなわち、マ
ルチキャスト・グループＶＰＩ）を識別するＶＰＩの組
である。

【００３４】一般に、マルチキャスト・グループが形成
される度に、新規のＶＣＩがマルチキャスト・モジュー
ルに対して既知となる必要がある。従って、新規のマル
チキャスト・グループが形成されると、そのようなアッ
プリンクのマルチキャスト・セルに供する必要のあるア
ドレス指定フィールドの全てあるいは一部（すなわち、
ＶＰＩのみ、あるいはＶＰＩと新規のＶＣＩ）は、マル
チキャスト・ルーテイング・テーブルに入力される。マ
ルチキャスト・グループのメンバーを検出した後、マル
チキャスト・モジュール３０２は、現在のマルチキャス
トを再生し、マルチキャスト・グループのメンバーに連
がる判明なＶＰＩｓあるいはダウンリンク伝送経路があ
るのと同じように多くの再生されたＡＴＭセルを典型的
に少なくとも形成させる。更に、マルチキャスト・モジ
ュールは、個々の再生されたＡＴＭセルに新規のＶＰＩ
に再ラベリングし（再割り当てされたＶＰＩと以下称す
る）、該新規ＶＰＩ個々の再生されたＡＴＭセルのルー
ティング・タグを構成する。

【００３５】各々の再生されたＡＴＭセルは、マルチキ
ャスト・モジュール３０２によって形成され、次いで、
適正に再ラベリングされるにつれて、これらセルは、マ
ルチキャスト・モジュールから、マルチキャスト・モジ
ュールの専用とされているＡＴＭスイッチ要素の入力ポ
ートに出力される。その後、各々の再生されたＡＴＭセ
ルは、ＡＴＭスイッチ要素の入力ポートに提供され、次
いで、各々の再生されたセルは、図１に関連して詳細に
前述した本発明による方法によって再割り当てされたＶ
ＰＩに一意的に関連した出力ポートに切り換え出力され
る。再割り当てされたＶＰＩに一意的に関連した出力ポ
ートは、再生されたセルの「新規の出力ポート」となる。

【００３６】図３に関して上述した最も簡単な形態のマ
ルチキャスト・スイッチングにおいて、再生されたＡＴ
ＭセルがそれらがＡＴＭスイッチ要素の入力ポートへ再
入するにつれてそれらの再割り当てされたＶＰＩとのみ
相違するように、再生されたＡＴＭセルに対して共通の
ＶＣＩが使用される。更に、この共通のＶＣＩは、アッ
プリンクにおいて使用されているものと同じものでよ
く、ＶＣＩの再ラベリングは不要である。しかしなが
ら、本発明による方法のマルチキャスト・モジュールの
スイッチング形態の変形において、マルチキャスト・モ
ジュールはまた、１個以上の再生されたＡＴＭセルのＶ
ＣＩを再ラベリング可能である。本発明の方法に関連し
て前述したように、（マルチキャスト・スイッチングの
ために修正した本発明において使用している）ＡＴＭス
イッチは、ＶＰＩのみに基づいてスイッチ動作を行う
（すなわち、ＶＰスイッチングのみに依存している）。
このように、ＶＣＩの再ラベリングは、本発明によるマ
ルチキャスト・スイッチング機能に対して、何ら影響を
及ぼさない。

【００３７】図４は、ＡＴＭセルの仮想経路切換のため
の本発明の方法のフローチャート４００を示しており、
この方法（以下、「マルチキャスト・スイッチング法」と
称する）は、マルチキャスト・スイッチングを提供する
よう修正されている。本発明の方法において実行される
準備ステップと同様に、マルチキャスト・スイッチング
方法は、ＡＴＭセルのマルチキャスト・スイッチングの
ための処理衛星を準備するための数個の準備ステップ４
０２〜４１０を含む。この準備ステップは、例えば、仮
想接続４０２と、１以上のマルチキャスト・ルーテイン
グ・テーブル４０４と、少なくとも１つのマルチキャス
トＶＰＩをふくむ一組のＶＰＩ４０６と、１セットのＶ
ＣＩ４０８とを設定するステップを含む。更に、ＶＰＩ
とＶＣＩとは、マルチキャストＡＴＭセルを伝送したい
と希望するユーザ端末に割り当てられることが好まし
い。ＡＴＭセルがマルチキャスト・セルである場合、割
り当てられるＶＰＩは、（前述のように）マルチキャス
トＶＰＩである。本方法と同様に、これらの準備ステッ
プは、一般に、ＮＣＣによって達成される。

【００３８】準備ステップ４０２〜４１０が完了する
と、ＡＴＭセルは、衛星４１２上のアップリンク受信機
の入力ポートで受取ることが出来る。マルチキャスト・
スイッチング法に関するこの説明の目的のために、ＡＴ
Ｍセルは、マルチキャスト・セルであると仮定する。従
って、ＶＰＩは、マルチキャストＶＰＩであり、関連の
出力ポートは、マルチキャスト出力ポートである。

【００３９】アップリンク受信機の入力ポートにおい
て、マルチキャストＶＰＩを検査して、マルチキャスト
ＶＰＩが一意的に関連しているの（４１６）は、いずれ
の出力ポートであるかを検出する（４１４）。次いで、
マルチキャスト・セルは、マルチキャストＶＰＩと一意
的に関連しているマルチキャスト出力ポートまで転送さ
れる（４１８）。次に、マルチキャスト・セルは、マル
チキャストＶＰＩと一意的に関連しているマルチキャス
ト出力ポートに接続された特定のマルチキャスト・モジ
ュールによって受取られる（４２０）。ＶＣＩは次い
で、例えばＶＣＩに対応するマルチキャスト・ルーテイ
ング・テーブル内のメモリ記憶位置を検出するよう検査
され（４２２）、そのメモリ位置におけるアドレス指定
情報が読み取られ、マルチキャスト・セルに対応するマ
ルチキャスト・グループのメンバを確認する（４２
４）。

【００４０】前述のように、マルチキャスト・セルは、
マルチキャスト・グループのメンバに連がるダウンリン
ク伝送経路があるのと同じに、多数の再生されたＡＴＭ
セルを少なくと形成するよう複製される（４２６）。再
生されたＡＴＭセルは、新しいのＶＰＩで再ラベリング
され（再割り当てＶＰＩと称する）、再割り当てされた
ＶＰＩはマルチキャスト・グループのメンバに連がるダ
ウンリンク伝送経路に基づいて検出される（４２８）。
次いで、新規に再レベリングされたセルは、ＡＴＭスイ
ッチング要素４３０の入力ポートで受取られ、再割り当
てされたＶＰＩは、各々の再ラベリングされたセルが一
意的に関連しているのはどの出力ポートであるか検出す
るよう検査され（４３２）、新規に再ラベリングされた
セルは、再割り当てされたＶＰＩが一意的に関連してい
る出力ポートにそれぞれ転送される（４３４）。

【００４１】別の実施例において、本発明は外部の仮想
経路接続を提供するよう変更可能である。ＡＴＭに基づ
く処理衛星システムが外部ＡＴＭネットワークを形成す
る場合、この外部ＡＴＭネットワーク（以下、「外部の」
仮想接続あるいは「外部で管理された」仮想接続と称す
る）から、処理衛星システムを通過させる仮想接続が必
要とされる。処理衛星システムにおいて衛星に基づくＡ
ＴＭスイッチを通過させる外部ＶＰＣは、一般に、外部
ＶＰＣ内で使用される（外部ＶＰＩ及び外部ＶＣＩであ
る）ＶＰＩ及びＶＣＩの管理を維持する外部エージェン
シイによって制御されている。このように、処理衛星シ
ステムのＮＣＣ（又はその他の地上の制御インフラスト
ラクチュア）では、外部ＶＣＩを制御できないので、外
部ＶＰＩはＮＣＣの管理によってＶＰＩから区別される
必要がある。これにより、いずれのユーザ端末も希望し
ないＡＴＭセルを受取らないようにすることができる。

【００４２】図５に示すように、本発明は、ＡＴＭスイ
ッチ５００の入力モジュール５０４に接続された各処理
衛星において１個以上のルーテイング・テーブル５０２
を含むことによって、外部の仮想経路接続を提供するよ
う変更可能である。ルーテイング・テーブルは、以下入
力ルーテイング・テーブル５０２と称する。入力ルーテ
イング・テーブル５０２は、外部ＶＰＩを適当な伝送経
路にマッピングするための情報を包含している。図６
は、ＡＴＭセルを仮想経路スイッチングするための本発
明による方法のフローチャート６００を示す。本方法
は、外部の仮想経路接続を提供するよう変更されてい
る。ここでも、図１に関して説明したように、準備作業
１０２〜１０８が実行されて、衛星にＡＴＭセルをスイ
ッチングするための準備を行わせる。例えば、送信元か
ら宛先までの仮想接続がステップ１０２において設定さ
れる。しかしながら、本方法のＶＰＣとは異なり、外部
ＶＰＣは、処理衛星通信システムとは独立して外部制御
装置によって管理されている。

【００４３】外部の仮想経路接続を可能とするよう変更
された仮想経路ＡＴＭスイッチングの方法はまた、ＶＰ
Ｉ及びＶＣＩの組を設定するステップ（１０４、１０
６）と、図１に関して説明したＶＰＩとＶＣＩとを現在
のＡＴＭセル１０８に割り当てるステップとを含む。し
かしながら、外部仮想経路接続を可能とする変更によっ
て、割り当てられたＶＰＩとＶＣＩとは処理衛星通信シ
ステムとは独立して外部制御装置によって管理されてい
る。このように、外部のＶＰＣと、ＶＰＩと、ＶＣＩと
が、ＮＣＣではなく、外部制御装置によって設定され
る。同様に、外部制御装置（ＮＣＣではない）は、ＶＰ
ＩとＶＣＩとをＡＴＭセルに割り当てる。外部仮想経路
接続を提供するよう本発明の変更方法を示した図１に関
連して説明した準備作業１０２〜１０８の他に、１以上
の入力ルーテイング・テーブル６０２を提供する別の準
備ステップがある。入力ルーテイング・テーブルの各メ
モリ位置は、ＡＴＭスイッチの特定の出力ポートを表示
するルーテイング・タグを包含している。

【００４４】図６のフローチャート６００によって示さ
れているように、ＡＴＭセルを外部ＶＰＩにスイッチす
るよう処理衛星通信システムが準備できた後、ＡＴＭセ
ルを処理衛星の入力ポートにおいて受取ることが出来る
（６０４）。次いで、外部ＶＰＩが入力ルーテイング・
テーブルの何れのメモリ位置が適正なルーテイング・タ
グを包含しているかを検出するよう検査される（６０
６）。そのメモリ位置の内容は、ルーテイング・タグを
検出するようＡＴＭスイッチによって読み取られ（６０
８）、次いで、外部ＶＰＩと共にＡＴＭセルは、検出さ
れたルーテイング・タグによって表示される特定の出力
ポートまで転送される。

【００４５】図７に示すように、本方法は、ＡＴＭスイ
ッチ７００の入力モジュール７０３に接続された処理衛
星に１以上のルーテイング・テーブル７０２（入力ルー
テイング・テーブル）を含むことにより、拡張アドレス
指定を提供するよう変更可能である。ＶＣＩフィールド
は１６ビットの長さであるので、本方法は、所定のダウ
ンリンク伝送経路内で２¹⁶、すなわち６５５３６個のア
ドレスを使用しうる。２¹⁶以上のアドレスが所定のダウ
ンリンク伝送経路をサポートするために必要とされる場
合、本方法は、１以上のＶＰＩをその伝送経路に割り当
てることによって、変更可能である。しかしながら、単
一の伝送経路に対して多数のＶＰＩが割り当てられる場
合、単一のＶＰＩでは本方法におけるように１個の出力
ポート７０８を識別しない。換言すれば、ＶＰＩと出力
ポート７０８との間には、一対一の対応はもはや存在し
ない。

【００４６】ＶＰＩと出力ポート７０８との間に１対１
対応がないので、ダウンリンク伝送経路によってサポー
トされている仮想チャネル（ＶＣ）に対する多数のＶＰ
Ｉをマッピングする上で処理衛星を支援するために、１
以上のルーテイング・テーブル７０２がＡＴＭスイッチ
７００の入力モジュール７０３に接続される。このよう
に、拡張アドレス指定を考慮した変更は外部ＶＰＣに対
する変更と酷似している。拡張アドレス指定を可能とす
るための変更は、（仮想接続は外部接続において必ずし
も必要でないが）送信元から宛先までの仮想接続を設定
するステップ１０２と、ＶＰＩとＶＣＩとの組を設定す
るステップ１０４、１０６と、図１に関して説明したＶ
ＰＩとＶＣＩとを現在のＡＴＭセルに割り当てるステッ
プとを含む。しかしながら、前述のように、拡張アドレ
ス指定のために、本方法と同様に、割り当てされたＶＰ
Ｉと関連の出力ポートとの間に１対１の対応性がない場
合もある。

【００４７】拡張アドレス指定を可能にするように変更
されている図１に関して説明した準備ステップ１０２〜
１０８の他に、１以上の入力ルーテイング・テーブルを
提供する準備ステップがある（８０２）。入力ルーテイ
ング・テーブルの各メモリ位置は、仮想接続の次の仮想
チャネル・リンクを識別するルーテイング・タグを包含
している。図８のフローチャート８００に示すように、
処理衛星通信システムが出力ポートを一意的に識別しな
いＶＰＩとＡＴＭセルをスイッチするよう準備された
（図１のステップ１０２〜１０８及び図８のステップ８
０２）後、ＡＴＭセルを処理衛星８０４の入力ポートで
受取ることが出来る。次いで、非一意的ＶＰＩは、入力
ルーテイング・テーブルを割り出して適当なルーテイン
グ・タグ８０６を検出し、そのルーテイング・タグがＡ
ＴＭセル８０８に取付けられ、ＡＴＭセルは、割り当て
られたルーテイング・タグに基づいて、出力ポートに転
送される。

【００４８】本方法は、ＶＣＣ対ＶＣＣのベースにより
ＡＴＭセルの特殊処理（以下、「ＶＣＣ特殊化」）を提供
するよう更に変更される。処理衛星では、ＡＴＭセルの
特殊な処理を必要とする作業が必要とされることが多
い。例えば、所定の地球端末において種々レベルの減衰
を許容するよう、伝送経路のダウンリンクにおいてシ種
々のエラー制御レベルの適用がＡＴＭセルの特殊な処理
を必要とする。ＶＣＣ特殊化を必要とする別の例は、種
々の異なるセルの遅れ変動及び／又はセル喪失優先性を
許容するよう、ＡＴＭの出力ポートにおいてＡＴＭセル
の種々レベルの優先順番があることである。

【００４９】本方法は、特定のＡＴＭセルが、ＡＴＭス
イッチ・ファブリック（以下、「制御サブフィール
ド」）によってスイッチされると、特定のＡＴＭセルが
どのようにして特別に処理されるかを識別するようＶＰ
Ｉの一部を取って置くことによって、ＶＣＣ特殊化を促
進するよう変更可能である。例えば、ＶＰＩの１ビット
は、順列における高度あるいは低度の優先度を指示する
ようリザーブ可能である。別のビットは、ダウンリンク
・エラー制御のレベルを指示するために、リザーブ可能
である。一般に、ＶＣＣ特殊化は本方法に対する変更を
何ら必要としない。その理由はＡＴＭセルに対するルー
テイング・タグがＶＰＩの残りのビット（すなわち、ル
ーテイング・サブフィールド）から直接識別可能である
からである。制御サブフィールドがユーザ端末を送信元
とすることによって特定されるので、ＶＣＣ特殊化は、
ＶＣＩルーテイング・テーブル（すなわち、ＡＴＭセル
のＶＣＩによって割り出されるルーテイング・テーブ
ル）を必要としない。

【００５０】このように、本発明は、効率的で、低コス
トの処理衛星通信システムにおける仮想ＡＴＭスイッチ
ング方法を提供する。本発明の特定の要素、実施例及び
適用を図示し、説明してきたが、特に前述の教示に照ら
し合わせれば、当業者には修正変更が可能なので、本発
明はそれらに限定されるものではない。例えば、前述の
説明は特にＡＴＭセルに関連しているものの、仮想的に
任意のフォーマットのデータセルが使用可能である。更
に、本発明は、特にＶＰＩ及びＶＣＩを越えて適用可能
であり、かつその他のアドレス／サブアドレス技術にも
適用するよう展開可能である。更に、本方法に対する多
数の前述した変更は、相互に排他的でなく、これらの変
更を任意に組み合わせることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるＡＴＭセルの仮想経路スイッチン
グを示すフローチャートである。

【図２】数個のリンクから形成された処理衛星ＡＴＭ仮
想接続を示す図である。

【図３】マルチキャストＡＴＭセルのアドレス指定を提
供するマルチキャスト・モジュールとマルチキャスト・
テーブルとを含む処理衛星のＡＴＭスイッチを示す図で
ある。

【図４】マルチキャスト・スイッチング用の配備を含む
ＡＴＭセルの仮想経路スイッチング方法を示すフローチ
ャートを示す図である。

【図５】外部制御装置によって管理されるＶＰＩを含む
セルのアドレス指定を説明する入力テーブルを含む処理
衛星のＡＴＭスイッチを示す図である。

【図６】外部制御装置によって管理されるＶＰＩにより
セルをアドレス指定するための配備を含むＡＴＭセルの
仮想経路スイッチング方法のフローチャートを示す図で
ある。

【図７】オーバフロー・アドレス指定を説明する入力テ
ーブルを含む処理衛星のＡＴＭスイッチを示す図であ
る。

【図８】オーバフロー・アドレス指定のための配備を含
む、ＡＴＭセルの仮想経路スイッチングの方法のフロー
チャートを示す図である。

【図９】処理衛星のＡＴＭスイッチを示す図である。

フロントページの続き (72)発明者 マイケル・ダブリュー・マン アメリカ合衆国アリゾナ州85234，ギルバ ート，ノース・ミッション・コウブ・レイ ン 1333 (72)発明者 エアロン・ディー・フォーク アメリカ合衆国コネチカット州06854，ノ ーウォーク，フラックス・ヒルズ・ロード 465 (72)発明者 ロン・エル・ウィリアムズ アメリカ合衆国カリフォルニア州90266, マンハッタン・ビーチ，ヴィレッジ・サー クル 56

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データセルを受信する受信機と送信する
   送信機とを有する少なくとも１つの処理衛星を含む処理
   衛星通信システムにおいて実行される、データセルの仮
   想経路切り換えを行なう方法であって、 処理衛星の複数の入口ポートの１つにおいてデータセル
   を受信するステップと、 データセルに割り当てられた仮想経路識別子（ＶＰＩ）
   を検査して、割り当てられたＶＰＩと関連した宛先出力
   ポートを検出するステップと、 データセルを宛先出力ポートまで転送するステップとを
   含むことを特徴とするデータセル仮想経路交換方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の方法において、該方法は
   更に、宛先出力ポートを別の処理衛星へのクロスリンク
   に関連させるステップを含むことを特徴とする方法。
3. 【請求項３】 請求項１記載の方法において、 各ＶＰＩが処理衛星の単一の出力ポートと一意的に関連
   するように一組のＶＰＩを設定するステップと、 一組の仮想チャネル識別子（ＶＣＩ）を設定するステッ
   プと、 一組のＶＰＩ中の割り当てられたＶＰＩと一組のＶＣＩ
   中のＶＣＩとをデータセルに割り当てするステップと、 データセルを処理衛星に送信するステップとを含むこと
   を特徴とする方法。
4. 【請求項４】 請求項１記載の方法において、該方法は
   さらに、 複数のデータセルに対する処理を指示する少なくとも１
   個の制御サブフィールドを設定するステップと、 １つの出力ポートに対応する少なくとも１個のルーテイ
   ング・サブフィールドを設定するステップと、 割り当てられたＶＰＩを制御サブフィールドとルーテイ
   ング・サブフィールドとに分割するステップとを含むこ
   とを特徴とする方法。
5. 【請求項５】 請求項１記載の方法において、該方法は
   更に、 １つのマルチキャスト出力ポートに関連している少なく
   とも１つのマルチキャスト・モジュールを処理衛星に提
   供するステップと、 アドレス情報を記憶しているメモリ位置を有する少なく
   とも１つのマルチキャスト・ルーテイング・テーブルを
   提供するステップとを含むことを特徴とする方法。
6. 【請求項６】 請求項５記載の方法において、該方法は
   更に、 各ＶＰＩが処理衛星における単一の出力ポートと一意的
   に関連しており、かつＶＰＩの少なくとも１つがマルチ
   キャスト出力ポートと一意的に関連しているマルチキャ
   ストＶＰＩである一組のＶＰＩを設定するステップと、 一組のＶＣＩを設定するステップとを含むことを特徴と
   する方法。
7. 【請求項７】 請求項６記載の方法において、該方法は
   更に、 マルチキャストＶＰＩをデータセルに割り当て、かつ一
   組のＶＣＩ中の１つのＶＣＩをデータセルに割り当てる
   ステップを含むことを特徴とする方法。
8. 【請求項８】 請求項７記載の方法において、転送する
   ステップが、割り当てられたマルチキャストＶＰＩと一
   意的に関連したマルチキャスト出力ポートにデータセル
   を転送するステップからなることを特徴とする方法。
9. 【請求項９】 請求項８記載の方法において、該方法は
   更に、 マルチキャスト出力ポートに関連したマルチキャストモ
   ジュールによってデータセルを受信するステップと、 割り当てられたＶＣＩを検査して一組のＶＰＩからＶＰ
   Ｉのマルチキャスト・グループを検出するステップと、 データセルを再生して所定数の再生データセルを発生さ
   せるステップと、 再生されたデータセルの各々を、ＶＰＩのマルチキャス
   ト・グループからの新規のＶＰＩで再割り当てするステ
   ップとを含むことを特徴とする方法。
10. 【請求項１０】 請求項９記載の方法において、検査す
    るステップが、ＶＰＩのマルチキャスト・グループを記
    憶しているメモリを割り出すステップを含むことを特徴
    とする方法。
11. 【請求項１１】 請求項１０記載の方法において、該方
    法は更に、 １つの入力ポートにおいて、マルチキャストモジュール
    からの再生したデータセルの各々を受取るステップと、 再割り当てされたＶＰＩの各々を検査して、再割り当て
    されたＶＰＩの各々に対応する新規の出力ポートを決定
    するステップと、 再割り当てしたデータセルの各々を、再割り当てされた
    ＶＰＩの各々に対応するの新規の出力ポートまで転送す
    るステップとを含むことを特徴とする方法。
12. 【請求項１２】 請求項９記載の方法において、 割り当てするステップが、外部で管理されたＶＰＩと外
    部で管理されたＶＣＩとを割り当てるステップからな
    り、 検査するステップが、データセルにおいての割り当てら
    れた外部で管理されたＶＰＩを検査して、割り当てられ
    た外部で管理されたＶＰＩと関連した宛先出力ポートを
    検出するステップからなることを特徴とする方法。
13. 【請求項１３】 請求項１２記載の方法において、該方
    法は更に、 ルーテイング・タグを記憶しているメモリ位置を有する
    少なくとも１個の入力ルーテイング・テーブルを提供す
    るステップであって、検査するステップが割り当てられ
    た外部管理のＶＰＩを検査しての少なくとも１個の入力
    ルーテイング・テーブルにおけるメモリ位置を検出する
    ステップを更に含んでいる入力ルーテイング・テーブル
    を提供するステップと、 メモリ位置に含まれたルーテイング・タグによって表示
    された出力ポートへ、データセルを転送するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
14. 【請求項１４】 データセルを受信する受信機と送信す
    る送信機とを有する少なくとも１個の処理衛星を含む処
    理衛星通信システムにおいて実行される、データセルの
    拡張されたアドレスの仮想経路切り換えを行なう方法で
    あって、 処理衛星の複数の入力ポートの１つにおいて、データセ
    ルを受取るステップと、 データセルにおいて割り当てられた仮想経路識別子（Ｖ
    ＰＩ）を検査して、宛先出力ポートを検出するステップ
    と、 次の仮想チャネルリンクを識別するための選定されたル
    ーテイング・タグを、データセルに付けるステップと、 データセルを宛先出力ポートまで転送するステップとを
    含むことを特徴とする方法。
15. 【請求項１５】 請求項１４記載の方法において、該方
    法は更に、入力ルーテイング・テーブルにおいてルーテ
    イング・タグを記憶するステップを含み、 検査のステップが更に、選定されたルーテイング・タグ
    を検出するステップを含むことを特徴とする方法。
16. 【請求項１６】 ダウンリンクに伝送するように、デー
    タセルを衛星の出力ポートに経路切り換えを行なう装置
    において、 複数の入力ポートからなる入力モジュールと、 複数の出力ポートからなる出力モジュールと、 データセルのアドレスビットに応答し、かつ出力ポート
    へのアドレスビットの割り当てに応答して、データセル
    を出力ポートの中の少なくとも１つに結合する回路とを
    含むことを特徴とする装置。