JP2001147849A - データ同期処理のための通信方法および電子機器 - Google Patents
データ同期処理のための通信方法および電子機器Info
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Abstract
て、腕時計などの入力・表示装置が限定された機器を含
む機器間で、特定のサーバを仮定しない任意の機器同士
によるデータ同期を実現する。 【解決手段】機器登録ステップでは、ユーザによりマス
ターMとして指定された機器から、ユーザが新たにスレ
ーブとして登録したい機器Sに対して、証明書と優先度
とが送出される。証明書は、それを受け取った機器がマ
スターMと同じデータ同期処理グループ(データ同期ネ
ットワーク)に属することを示すものである。優先度
は、それを受け取った機器がデータ同期処理を行う場合
に使用するものであり、データ競合の解決に用いられ
る。データ同期ステップでは、証明書によってデータ同
期ネットワークを構成するメンバ同士であることが確認
された後に、任意の複数のメンバ同士の間でデータの同
期処理が行われる。
Description
タ同期処理を行うための通信方法および電子機器に関
し、特に機器構成が動的に変化するような有線または無
線のネットワークに適したデータ同期処理を行えるよう
に改良された通信方法および電子機器に関する。
C)や携帯情報機器などの電子機器間では、同じデータ
をオフィスの他に自宅や外出先でも使用できるようにす
るために、複製データを用いたデータの共有が行われて
いる。共有された複数のデータの整合性を維持するため
の技術としては、データ同期が知られている。例えばパ
ーソナルコンピュータ(PC)と携帯情報機器の間で住
所録やスケジュールなどの個人データを共有したいよう
な場合には、各機器にデータの複製が作成される。それ
らのデータに対して変更などがあった場合に、それら機
器間で変更データをやり取りすることによってデータの
一貫性を保つ方法がデータ同期である。
プログラムとしては、Intelli Sync(In
telli Sync ユーザーズガイド Rev3.
1Puma TECHNOLOGY 1999)が知ら
れている。これは、PCとPCの間、もしくはPCと携
帯情報機器の間でデータの同期化を実現するものであ
る。このプログラムは、1台のPCと1台の携帯情報機
器間、あるいは2台のPCと1台の携帯情報機器間、あ
るいは1台のPCと複数台の携帯情報機器間、という構
成で、データ同期化の設定を行うことができるが、この
場合、実際のデータ同期に際しては、構成機器のいずれ
か1台がサーバとなり、そのサーバの役割を果たす機器
と他の機器との間で同期化が行われる。
合、データ同期時には、サーバの役割を果たす機器が常
にデータ同期処理に参加する必要があるので、3台以上
の機器に対して複製データを持たせた場合には、サーバ
を除く他の2台の機器間でデータ同期を行うことはでき
ないという制約がある。このため、例えばオフィス内の
ネットワークに接続されたPCをサーバとして使用し、
その複製データを2台の携帯情報機器に持たせた場合に
おいては、外出先などで一方の携帯情報機器内にある更
新後の複製データを他の携帯情報機器で使用したい場合
であっても、それら携帯情報機器のみではデータ同期処
理を行うことができい。
はケーブルによる1対1の接続、モデムによるサーバと
の間の1対1の接続、あるいは赤外線によるサーバとの
間の1対1の接続、を前提としている。これは、データ
同期のための通信相手を一意に特定できるようにするた
めである。
向性のない無線のネットワークにおいてデータ同期を行
う場合には、1対1の接続の場合とは異なり、ネットワ
ーク上の機器の中からデータ同期の相手をなんらかの方
法で一意に識別する必要がある。特に、機器構成が動的
に変化するような有線または無線のネットワークの場合
には、各機器のネットワークアドレスは固定ではなく、
ネットワーク接続時等にネットワークアドレスが動的に
付与される場合が多い。このため、通信相手のネットワ
ークアドレスは、データ同期のための通信相手を特定す
るための静的な識別情報として使用することができな
い。よって、機器構成が動的に変化するような有線また
は無線のネットワークにおいてもデータ同期の相手を一
意に識別できようにするための新たな技術が要求されて
いる。
定されないことであるが、バス型の有線ネットワーク
や、指向性のない無線ネットワークにおいては、データ
同期対象の機器以外の機器、例えば、悪意ある第三者も
同じネットワーク内に存在する可能性がある。このた
め、データの秘匿性を確保し、同時に成りすまし等によ
るデータ漏洩を防ぐことも必要となる。特に、無線ネッ
トワークにおいては、無線の届く範囲内に機器を配置す
るだけでその機器を容易にネットワークに入れることが
できてしまう可能性が高いため、秘匿化のための対策は
重要となる。また、悪意が無くとも、無線の届く範囲内
に存在する同期化対象以外の他の機器のデータが、無線
による機器間のデータ同期処理により誤って変更されて
しまうという危険もある。
は、データ同期時に必ずしも全てのデータ同期相手が揃
っているというわけではなく、機器の電源が入っていな
い場合や、無線の届かない通信圏外である機器等に対し
てはデータ同期を行うことはできない。
定として、データ同期相手に対する通信の設定、同期デ
ータの種類に関する設定、データ競合時の解決方法の設
定が必要となるが、これらの設定は、従来では、PCや
携帯情報機器の表示装置に表示された設定画面を通じ
て、ユーザが直接に該PCや携帯情報機器の入力装置を
操作してデータを入力することによって行われている。
これはつまり、設定機器には、少なくとも携帯情報機器
程度の表示装置および入力装置が必要であることを意味
している。そのため、従来の方法では、例えば腕時計の
ような、機器の大きさの制約や、その他機器固有の制約
から、限られた入力装置、表示装置しか持たない機器に
おいては、データ同期の設定を行うことは非常に困難と
なる。
であり、限られた入力装置および表示装置しか持たない
機器に対してもデータ同期のための設定が可能で、且つ
機器構成が動的に変化するような有線または無線のネッ
トワークにおいても任意の機器間で安全にデータ同期の
ための通信を行うことが可能な通信方法および電子機器
を提供することを目的とする。
め、本発明は、複数の機器間で任意のデータに関するデ
ータ同期処理を、無線あるいは有線のネットワークを用
いて行うための通信方法において、ユーザによりマスタ
ーとして指定された機器が、該ユーザにより該マスター
のスレーブとして指定された機器に、該スレーブ機器が
前記データ同期処理を行うグループに属することを示す
証明書と、該スレーブ機器が前記データ同期処理を行う
際に用いるべき優先度とを送出し、該スレーブ機器を、
前記データ同期処理を行うグループのメンバとして登録
する機器登録ステップと、あるスレーブ機器と、該ある
スレーブ機器と無線あるいは有線により通信可能な状態
である別の1台以上のスレーブ機器との間で、該あるス
レーブ機器と該別のスレーブ機器とが前記データ同期処
理を行うグループに属するか否かを前記証明書を用いて
判断し、該グループに属すると判断されたスレーブ機器
間で、前記優先度に従った前記データ同期処理を無線あ
るいは有線の通信により行うデータ同期ステップとを具
備することを特徴とする。
期処理を行うデータ同期ステップとは別に、データ同期
を行う機器を特定するための機器登録ステップが設けら
れており、この機器登録ステップにて、マスターとして
指定された機器からスレーブとして指定された機器に証
明書と優先度を送出することにより、そのスレーブ機器
をデータ同期処理を行うグループのメンバとして登録す
ることができる。各メンバに証明書と優先度を持たせる
ことにより、同一のデータ同期処理グループに登録され
た機器同士であれば、たとえマスターがいなくても、ス
レーブ機器間のみで簡単にデータ同期を行うことができ
る。
であるか否かについては、無線あるいは有線により通信
可能な状態のスレーブ機器間で証明書を交換することに
より確認されるので、マスターが存在せずとも、確実且
つ安全にスレーブ機器同士でのデータ同期を行うことが
できる。スレーブ間のデータ同期処理で競合が生じた場
合には、機器登録ステップにて各スレーブに割り当てら
れた優先度によりその競合を解決することができる。し
たがって、各スレーブは自身に割り当てられた証明書と
優先度のみを保持すれば良く、データ同期のための通信
相手に関する情報等の設定は一切不要となる。よって、
限られた入力装置および表示装置しか持たない機器につ
いても同期対象の機器として使用することができる。さ
らに、機器構成が動的に変化するような有線または無線
のネットワークなどのように、データ同期の通信相手を
静的に特定するための情報を持つことが困難な環境下で
使用する場合であっても、デー同期の相手となる機器を
確実に特定することが可能となる。
ならず、データ同期処理を行う同一のグループに属する
ことを示す証明書を持つ、1台のマスターと1台以上の
任意のスレーブ機器との間で行うこともできる。
器単位で行う必要はなく、データ同期対象とすべきデー
タ毎に、任意の機器をそのデータの同期処理グループの
マスターまたはスレーブとして指定することができる。
一台の機器があるデータについてはその同期処理グルー
プのスレーブとして機能し、別のデータについてはその
同期処理グループのマスターとして機能しても良いし、
また一台の機器が異なる2つのデータに対応する2つの
同期処理グループそれぞれのスレーブとして機能しても
よい。
対象のデータ毎に個々に指定した場合には、機器登録ス
テップも、各データについてそのデータ同期処理の対象
とすべきデータのデータ同期処理グループのマスターと
して指定された機器と該マスターのスレーブとして指定
された機器との間で実行される。このため、証明書およ
び優先度の送出についても、その送出もとのマスターと
送出先のスレーブはデータ毎に設定されることになり、
データ毎に証明書および優先度の設定が行われる。
タ同期ステップに加え、マスター権限引き継ぎステップ
を設けることにより、現在のデータ同期処理グループの
機能・構成をそのまま維持した状態で、マスターの機能
のみを他の機器に移すことができる。よって、新たに購
入した機器をマスターとして使用したり、外出先などで
のマスターとしての使用を目的に、一時的にスレーブ機
器をマスターとして使用する等の運用が可能となる。
を交換する優先度交換ステップをさらに設けることが好
ましい。これにより、機器登録ステップで登録された優
先度を後で変更することができるようになり、より柔軟
にスレーブ機器同士間でのデータ同期処理を実現でき
る。
度交換ステップについても、安全性を考慮して、マスタ
ー権限引き継ぎステップまたは優先度交換ステップを実
行するためのモードに設定された2つの機器以外に、そ
のモードに設定された他の機器が存在しないことを確認
した後に行うことが好ましい。
を容易に実現できるようにするため、マスター機器また
はスレーブ機器を、データ同期処理を行うグループの登
録から解除する機器登録解除ステップをさらに設けるこ
とが好ましい。スレーブ機器の機器登録解除ステップに
ついてはそのスレーブ機器単独で行えばよいが、マスタ
ー機器の機器登録解除ステップについては、マスター機
器の機器登録解除ステップと連動して、そのマスター機
器と通信可能な状態にあるスレーブ機器の機器登録解除
ステップも一緒に実行させるようにすることが望まし
い。これにより、一度の操作で、マスターを含む複数の
機器を登録解除することが可能となる。
一実施形態に係るデータ同期処理のための通信方法につ
いて説明する。
は、複製された複数の情報のまとまりに対して、各々独
立して非同期にその情報の一部が更新されていく場合
に、それら複製された複数の情報が同じになるようにす
る処理のことである。例えば今Aという機器の持ってい
る情報のまとまり(データセット)を、Bという機器に
複製したとする。この時、AのデータセットとBのデー
タセットを同一に保つ処理が同期処理となる。前回同期
処理が行われた時刻よりも後に、Aのもっているデータ
セットの、一部のデータフィールドが変更されると、B
の対応するデータフィールドが、次の同期処理時に更新
される。
データフィールドに対して変更が加えられると、このデ
ータフィールドを同一にするためには、データ同期処理
時に、どちらのデータフィールドの値を優先するかを選
択する必要がある。このように同じデータフィールドの
データに対して、前回の同期処理時以降に、複数の機器
で変更が加えられた状態を、データの競合という。
処理は無線あるいは有線のネットワークを介して行われ
る。ここで、無線あるいは有線を使ってデータ通信をし
得る情報機器のうち、データ同期を行いたい機器同士で
構成されるネットワークを、データ同期ネットワークと
呼ぶこととする。つまり、データ同期処理を行うべき機
器同士から構成されるデータ同期処理グループが、デー
タ同期ネットワークである。この場合、データ同期ネッ
トワークの構成の単位は、必ずしも機器毎である必要は
なく、データ同期をすることが可能なデータセット毎に
データ同期ネットワークを構成することができる。つま
り、各情報機器は、その中で管理し得るデータセットの
数だけ、データ同期ネットワークの構成要素になり得
る。
た用途に用いられる機器でも良いし、パーソナルコンピ
ュータのような複数の機能をもつ機器でも良い。またこ
れら情報機器は、その大きさや、入出力装置、表示装置
等の形態や機能等にしばられるものではない。データ同
期ネットワークは複数の情報機器で構成されるが、ある
データ同期ネットワークを構成する機器をそのデータ同
期ネットワークのメンバと呼ぶ。
ある。データ同期処理が行われる都度、データ同期ネッ
トワークが構成されるのではなく、あらかじめ構成した
データ同期ネットワークのメンバに対してデータ同期処
理が行われる。
ータ同期ネットワークにおける通信方法は、機器登録ス
テップと、データ同期ステップから構成される。これを
示したのが図1である。
ークにメンバを追加する際に行うステップである。この
機器登録ステップでは、ユーザによりマスターとして指
定された機器から、ユーザが新たにスレーブとして登録
したい機器に対して、証明書と優先度とが送出される。
証明書は、それを受け取った機器がマスターと同じデー
タ同期処理グループ(データ同期ネットワーク)に属す
ることを示すものである。優先度は、それを受け取った
機器がデータ同期処理を行う場合に使用するものであ
り、データ競合の解決に用いられる。
ワークを構成するメンバの中の、任意の複数のメンバ同
士がデータの同期処理を行うステップである。
クのマスターである。マスターMは、データ同期ネット
ワークの中心であり、一つのデータ同期ネットワーク中
に一つのみ存在し、そのデータ同期ネットワークにメン
バを追加する権限を持つ。S 1 〜S4 はデータ同期ネッ
トワークのスレーブである。スレーブは、一つのデータ
同期ネットワークに一つ以上存在し、そのデータ同期ネ
ットワークのマスターMとの間で、後述するデータ同期
メンバの登録処理を行うことで、そのデータ同期ネット
ワークのメンバとなる。
機器単位で行う必要はなく、データ同期対象とすべきデ
ータセット毎に、任意の機器をそのデータセットに対応
するデータ同期ネットワークのマスターまたはスレーブ
として指定することができる。一台の機器があるデータ
についてはそのデータ同期ネットワークのスレーブとし
て機能し、別のデータについてはそのデータ同期ネット
ワークのマスターとして機能しても良いし、また一台の
機器が異なる2つのデータに対応する2つのデータ同期
ネットワークそれぞれのスレーブとして機能してもよ
い。
は、データ同期ネットワークのマスターとなる機器と、
そのデータ同期ネットワークに新規に参加するスレーブ
となる機器とが1対1で通信を行うことによって実行さ
れる。マスターMに、はじめのスレーブS1 を登録した
段階でデータ同期ネットワークの構成メンバの数は2と
なり、以後マスターMと新規に登録したいスレーブS2
〜S4それぞれとの間で、同様に機器登録ステップを行
うことで、データ同期ネットワークの構成メンバは増え
て行く。機器登録ステップはデータ同期の都度行われる
のではなく、一度機器登録を行うと、以後明示的に解除
を行わない限り、登録された機器はデータ同期ネットワ
ークのメンバであり続ける。
プでは、データ同期ネットワークに属しているメンバ機
器間のデータを同期化する。ここでは、すべてのメンバ
が一度にデータ同期処理を行っても良いし、任意のメン
バが任意の台数でデータ同期処理を行っても良い。また
データ同期処理時の機器構成はマスターMが含まれてい
ても良いし、スレーブ同士だけの場合にも、データ同期
処理を行うことができる。各々別のメンバで構成される
2つの同期処理は各々任意の時点で独立に行うことがで
き、またそれら2つの同期処理が別の場所で同時に行わ
れても良い。
タ同期ネットワークを構成するメンバがマスターMとス
レーブS1 だけの場合には、データ同期ステップはそれ
ら2台の機器、つまりマスターMとスレーブS1 の間で
のみ実行されるが、スレーブS2 が新たにメンバとし
て登録された状態においては、データ同期ステップは、
マスターMとスレーブS1 との間のみならず、マスター
MとスレーブS2 との間、スレーブS1 とスレーブS
2 との間、あるいはマスターMとスレーブS1,S2
から構成される全てのメンバ間で、実行することもでき
る。
を参照して、マスターおよびスレーブの各機器に設定す
る情報および機能構成について説明する。
タ、証明データ、優先度データ、カウンタの値がある。
ークにおいてメンバを一意に特定するためのデータであ
り、証明データを生成する鍵として使用される。この識
別データは、ある機器をデータ同期ネットワークのスレ
ーブとして登録させるとき、あるいは後述のマスター宣
言によってある機器をマスターとして動作させるとき
に、それら各機器内で生成される。
るものであり、あるデータ同期ネットワークに所属して
いることを証明するために用いられる。
期ネットワークに属している機器同士であるかどうかの
認証と、認証後の同期データの暗号化を、公開鍵暗号方
式で行う場合を想定する。この時、識別データと証明デ
ータは、認証と暗号化の仕組みの中で次のように用いら
れる。
と公開鍵を生成する。これら秘密鍵と公開鍵のペアが各
機器の識別データとなる。他の機器に識別データを送信
する際には、識別データの一部である公開鍵のみを送信
する。データ同期ネットワークの登録時には、スレーブ
が自身の識別データとして公開鍵をマスターに渡すと、
マスターは、このスレーブの公開鍵を自分の秘密鍵で暗
号化したものを証明書として返し、更にマスターの公開
鍵をスレーブに渡す。これによって、スレーブは自分の
秘密鍵と公開鍵、そしてマスターに証明してもらった証
明書とマスターの公開鍵を持つ。ここで、この証明書と
マスターの公開鍵を合わせて証明データとする。
側の機器は相手の証明書を受け取ると、これを自分の持
っているマスターの公開鍵で復号化し、正しく復号化で
きれば相手側の機器が同じデータ同期ネットワークに属
していることになる。その後、復号化したデータから相
手の公開鍵を抜き出して、この相手の公開鍵で同期デー
タを暗号化して送信すれば、安全にデータのやり取りを
行うことができる。
クに属していることを確実に証明できるものであればよ
く、上述の方法に限らず、他の良く知られた様々な方法
にて生成してもよい。
期の競合解決時に利用されるものであり、競合解決のた
めの順序関係(つまり優先順位)を決定するためのデー
タである。
したスレーブの数をカウントし、次のスレーブの登録時
に、そのスレーブに対する優先度を決定するために使用
されるデータである。マスターの優先度は最も高い値
“1”である。そして、スレーブの登録の度にカウンタ
の値はカウントアップされ、登録の順に優先度“2”、
“3”、……がスレーブに対して与えられていく。カウ
ンタはマスターのみが使用する。
を構成する場合、証明データ、識別データ、優先度デー
タ、カウンタの値はそれら各データセット毎に用意さ
れ、管理される。すなわち、複数のデータセットを持つ
機器においては、証明データ、識別データ、優先度デー
タ、カウンタの値は一次元的に管理するのではなく、図
2のように二次元的、つまりデータセット毎に管理され
る。図2は、「アドレス帳」、「時刻」、「メール」の
3種類のデータセットそれぞれに対応する3つのデータ
同期ネットワークが構成されている場合の例を示してい
る。この場合、これら3種類のデータセットを持つ機器
においては、マスター/スレーブのどちらとして動作す
るのかを示す情報が、データセット毎に対応づけて管理
される。カウンタの値は、マスターとして動作するデー
タ同期ネットワークのデータセットに対してのみ有効と
なる。また、前述の機器登録ステップはデータ同期ネッ
トワーク毎に行われるので、証明データ、識別データ、
優先度データ、カウンタの値は、それぞれデータセット
毎に独立したものとなる。識別データを構成する秘密鍵
と公開鍵は例えば乱数などを用いることにより、機器登
録ステップ毎に生成されるが、機器登録ステップでメン
バとなったデータ同期グループから抜けるまで、その識
別データの値は保持され続ける。
ネットワークの設定情報を管理する場合においては、後
述するデータ同期メンバの登録、データ同期処理、マス
ター宣言、データ同期メンバの解除、マスター引き継
ぎ、優先度交換、の各機能を行う場合には、その機能の
呼び出しの前に、図2の行方向のデータセットの中から
対象となるデータセットをユーザに選択させるようなス
テップが実行されることになる。
る。この機器の構成は、マスター機器にもスレーブ機器
にもなり得る機器構成の一例である。
通信部11、通信制御部12、機器入出力部13、機器
入出力制御部14、認証部15、データ同期ネットワー
ク設定管理部16、データ同期処理部17、および同期
データ記憶部18が設けられている。
又は有線のネットワークによって行う部分であり、他の
機器へのデータの送信、他の機器からのデータの受信を
行う。無線ネットワークとしては、例えばBlueto
othなどの、電波を用いた指向性のないネットワーク
を利用することができる。また、有線のネットワークと
してはイーサネットなどのバス型のLANを利用するこ
とができる。無線、有線のどちらにおいても、ネットワ
ークの機器構成は静的に決定されている必要はなく、機
器構成が動的に変化するようなネットワークに適用する
ことができる。
の送受信を制御するものであり、通信部11で受け取っ
たデータと要求を判断する機能、機器入出力制御部14
との間で処理要求および応答を授受する機能、通信部1
1へデータの送受信を要求する機能、認証部15、デー
タ同期ネットワーク設定管理部16、データ同期処理部
17それぞれとの間で要求と応答を授受する機能を有し
ている。
表示装置である。
3に対するデータと要求の送受信の制御を行う部分であ
り、機器入出力部13で受け取ったデータと要求を判断
する機能、通信制御部12への処理要求機能、通信制御
部12からの処理要求受け取り機能、同期データ記憶部
18に対するデータ書き込み、読み取り、削除などの処
理を行う管理機能、データ同期ネットワーク設定管理部
16に対しての要求と応答を行う機能からなる。
要求に対して、他の機器から受け取った証明データを、
データ同期ネットワーク設定管理部16を通じて証明デ
ータ管理部161の持つ自機器の証明データと照らし合
わせて認証し、他の機器が自分の属しているデータ同期
ネットワークに属しているかどうか、すなわち双方がデ
ータ同期処理を行う同一のグループに属しているかどう
かを判断する。
は、データ同期ネットワークの設定全般の管理を行う部
分であり、証明データ管理部161および優先度管理部
162を有している。データ同期ネットワーク設定管理
部16は、証明データ管理部161および優先度管理部
162を用いて自身の設定状態を管理しており、通信制
御部12、認証部15、機器入出力制御部14、データ
同期処理部17と、優先度管理部162および証明デー
タ管理部161との間の、データ受け渡しや処理要求の
受け渡しを行う。
ターによって証明された証明データを格納する領域、お
よび証明データの元となる識別データを格納する領域を
持ち、証明データおよびその証明データを作成するため
の識別データの管理を行う。これはデータ同期ネットワ
ーク設定管理部16からの要求により、証明データの元
となる識別データおよび証明データを生成、削除、設定
する機能からなる。
ータを格納する領域と、マスターにおいて優先度を発行
する際に変更されるカウンタの値を格納する領域、そし
てカウンタ装置を持ち、データ同期ネットワーク設定管
理部16からの優先度データの生成、設定、削除、受け
渡しの要求を処理する機能と、カウンタ装置のリセッ
ト、インクリメントを行う機能からなる。
タセット(同期データ)に対して同期処理を行う部分で
あり、同期データ記憶部18に対する読み取り、書き込
み、削除などを行う機能と、自機器の優先度と他の同期
機器の優先度を加味してデータ競合を解決する機能と、
通信制御部12からの要求を処理しデータの受け渡しを
行う機能からなる。
納される部分であり、データを格納するための領域を持
つ。
ーブ機器にもなり得る機器構成の一例であるが、スレー
ブにしかすることができない機器(メンバ)があっても
良いし、またマスターにしかすることができない機器
(メンバ)があっても良い。その場合にはそれぞれ、ス
レーブにのみ必要な機能や構成、マスターにのみ必要な
機能や構成を省いた構成をとることができる。例えば、
証明データの生成機能、カウンタ装置およびその制御機
能などは、マスターとして動作可能な機器にのみ設けれ
ば良く、スレーブとしてのみ機能する機器には不要であ
る。
管理、運用について説明する。
ットワーク内の各機器が持つ全機能について説明する。
できる機器には、全部で6つの機能があり、他の機器と
の通信を行わずに処理される機能と、ある機器と別の機
器との間の1対1の通信を必要とする機能と、1対複数
での通信を伴う機能とがある。「マスター宣言」機能
は、他の機器との通信を行わずに処理されるスタンドア
ロンの機能であり、「データ同期メンバの登録」、「マ
スター引き継ぎ」、「優先度交換」機能は、1対1の通
信を伴って処理される機能である。「データ同期処理」
機能は、2台以上の機器間で行われる処理であり、「デ
ータ同期メンバの解除」機能は、スレーブにおいてはス
タンドアロンの処理であり、マスターにおいては、場合
により1台以上のスレーブとの通信を伴って処理される
機能である。以下、各機能の詳細を説明する。
に、「データ同期メンバの登録」処理を行う。この処理
は、前述の機器登録ステップを実現するためのものてあ
り、データ同期ネットワークのマスターと、新規にスレ
ーブとして追加したいメンバとの間とでデータ通信をす
ることで行われる。マスターと登録するメンバは、共に
電源が入っている状態で、なお且つお互いに無線又は有
線のネットワークを介して通信できる状態であることを
条件とする。ユーザは、該マスターと、該登録したいメ
ンバに対して、各々「データ同期メンバの登録」機能を
呼び出す。それに続いて、該マスターと該登録したいメ
ンバの各々をデータ同期登録モードに入れる。データ同
期登録モードに入るためには、例えばマスターと新規メ
ンバのそれぞれで、登録ボタンをユーザが押し続けて、
通信の有効な範囲内に、データ同期登録モードの機器が
2台のみ存在する場合にのみ登録を許可するといった、
ユーザインタラクションと他の機器に対する排他制御を
併用して、登録時のセキュリティ認証とする。
あるか否かは、例えばマスターからのブロードキャスト
に対する応答を調べることによって検出することができ
る。
ワークにおいては無線の届く範囲内を意味するが、有線
ネットワークにおいては、ブロードキャストが有効とな
る例えばサブネットなどの限られたネットワークエリア
を意味する。つまり、第3者による通信の傍受などの危
険がある範囲内に、メンバ登録対象の機器とマスターと
の2台の機器以外にデータ同期登録モードに設定された
他の機器が存在しないことを条件に、データ同期メンバ
の登録処理が開始される。
う機能の詳細について、説明することとする。はじめ
に、データ同期メンバの登録処理に伴って行われる、マ
スターとスレーブの通信処理を図5に示す。
タ同期メンバの登録要求を相手に送信し、その後マスタ
ーはスレーブに対して自分がマスターである旨の通知を
行う。スレーブは通知を受け取ると、識別データをマス
ターに送信し、マスターはこれを使って生成した証明デ
ータと、優先度データとをスレーブに送信し、通信処理
は完了する。
くみていくこととする。マスター機器が、スレーブ機器
をデータ同期ネットワークのメンバとして登録する時の
マスターの処理ステップを、図6に示し、図3と合わせ
て説明する。
登録」機能の呼び出しが、機器入出力制御部14に伝え
られると(ステップS11)、現在のデータ同期ネット
ワークの設定を、データ同期ネットワーク設定管理部1
6にて判断する(ステップS12)。自機器が、後述す
るマスター宣言の機能によって、マスターに設定されて
いるならば、ユーザに登録処理の実行要求を促し、スレ
ーブに設定されている時は処理を終了する。何も設定さ
れていない場合には、後述の新規登録メンバとしての動
作を行う。
入出力部にて受け取ると(ステップS13)、通信部1
1よりデータ同期メンバの登録要求をブロードキャスト
送信し(ステップS14)、通信部11にて新規メンバ
からの登録要求を待ち受ける。登録要求が一定の時間な
かった場合には、処理はタイムアウトで終了する。新規
メンバからの登録要求を受け取ると(ステップS1
5)、登録機器が自機器と新規メンバの2台のみである
かを判断する(ステップS16)。つまり、相手機器と
の間でデータ同期メンバの登録要求を送信し合い、デー
タ同期メンバの登録要求を送信してきた相手機器が1台
のみであれば、登録機器が自機器と新規メンバの2台の
みであると判定される。
規メンバの2台のみでなかった場合には(ステップS1
6のNO)、処理を終了し、2台のみであった場合には
(ステップS16のYES)、新規メンバに対して自分
がマスターである旨を通信部11より通知する(ステッ
プS17)。その後新規メンバからの証明データの元に
なる識別データを、通信部11より受け取ると(ステッ
プS18)、このデータを元にして証明データと新規メ
ンバに渡す優先度データを、データ同期ネットワーク設
定管理部16にて生成し(ステップS19,S20)、
更に登録機器の台数をカウントするカウンタの値を1増
加させる(ステップS21)。
先度データを新規メンバに通信部11より送信する(ス
テップS22,S23)。優先度データは、ここではカ
ウンタの値を直接用いているが、発行の都度異なった値
を生成し、それら生成した値の間で優劣を一意に判断で
きるような、順序関係を定義できるものであれば、どの
ような方式で優先度を決定しても良い。
加したい機器(メンバ)が、マスター機器にデータ同期
ネットワークのメンバとして登録される時の新規メンバ
の処理ステップを、図7に示し、図3と合わせて説明す
る。
「データ同期メンバの登録」要求を受け取ると、図6の
場合と同様に、データ同期ネットワーク設定管理部16
において、現在のデータ同期ネットワークの設定を判断
する。自機器がマスターとして設定されている場合には
上述のマスターによる「データ同期メンバの登録」とな
る。自機器がすでにスレーブとして設定されている場合
には終了する。データ同期ネットワークの設定がまだな
されていないならば、ユーザに登録処理の実行要求を促
す。ユーザが、登録処理の実行要求を、機器入出力部1
3に対して行うと(ステップS31)、通信部11より
登録要求を送信し(ステップS32)、更に通信部11
において、マスターからの応答を待ち受ける。マスター
からの応答がない場合はタイムアウトで終了する。応答
を受け取ると(ステップS33)、登録状態の機器が自
機器と、マスターの2台のみであるかを判断し(ステッ
プS34)、2台のみであった場合には、相手からのマ
スター通知を待ち受けることにより、相手がマスターで
あることを確認した後(ステップS35)、証明データ
の元となる識別データをデータ同期ネットワーク設定管
理部16において生成し、これをマスターに送信する
(ステップS36,S37)。
ータを通信部にて待ち受け、これらを受信すると、デー
タ同期ネットワーク設定管理部を通じて証明データと優
先度データを設定し、登録処理が完了する(ステップS
38,S39)。
証明データと優先度を発行するマスターと、登録される
新規メンバとの間で、同じ種類のデータセットを持つ必
要があり、尚かつ異なる種類のデータセット同士を登録
しようとした場合には、登録が行えなくなるようにする
必要がある。この照合ステップは、図6の「データ同期
メンバの登録要求送信」時、および図7の「データ同期
メンバの登録要求送信」時に、例えば予めデータセット
毎にアドレス帳ならば01、時刻ならば02、スケジュ
ールならば03、というように識別子を付けておき、こ
の識別子をマスターと新規メンバ間で送信し合い、同じ
識別子であるかどうかを判断することによって行うこと
ができる。
るマスターとスレーブが同じ種類のデータセットを持つ
ことが保証されれば、データ同期処理など、他の機能を
使用する際には、同じデータ同期ネットワークに属する
かどうかの認証が行われるので、異なる種類のデータセ
ットが混在する状態は起こり得ない。それはたとえ複数
のデータセットを持つ機器であっても、その機器内のデ
ータセットは、それぞれ全く別の、独立したデータ同期
ネットワークを構成しているため、異種のデータセット
と、処理が混同されることはない。
同期ネットワークの各メンバに証明データと優先度デー
タが与えられると、実際のデータ同期処理は、最低限こ
の2つの情報を用いて、任意のメンバ間で行うことがで
きる。
タ同期ネットワークに属するメンバであるかを認証し、
その後データ同期を行う。互いに競合しないデータは、
メンバ間でそれぞれマージされ、いくつかのデータに関
して競合が起きた場合には、競合が起きたメンバ中で一
番優先度の高いメンバのデータが競合解決のデータとし
て採用される。
Eの5つのメンバで構成され、Aがマスターとなるよう
なデータ同期ネットワークがあったとする。
同期処理が行われる場合、まずお互いに自分の証明デー
タを相手に渡し、相手から証明データを受け取り、互い
が同じデータ同期ネットワークのメンバであるかを認証
する。この時、証明データの受け渡しおよび認証は、例
えば、すべてのメンバがすべての相手と証明データをや
り取りして、個々のメンバがそれぞれ受け取った証明デ
ータを使って認証するという方法がある。つまりAから
Eのメンバの中で、異なる2メンバの同士の組み合わせ
分だけ、証明データのやり取りと、認証をしても良い。
度の一番高いメンバ(ここではA)と、他のメンバとの
間でのみ証明データをやり取りしてもよい。つまりAと
B、AとC、AとD、AとEのようにあるメンバがサー
バの役割をして認証を行う方法である。AからEの各メ
ンバが、それぞれ同じデータ同期ネットワークのメンバ
であると認証された後、実際のデータ同期の処理は、優
先度の一番高いメンバ(ここではA)が、他のすべての
メンバとあるデータフィールドの同期データをやり取り
し、競合の判定、優先度による競合の解決、データの更
新を行って、次のデータフィールドの同期データへと順
次処理していくことができる。
のように、あるデータフィールドxについて、A,C,
Eは前回の同期処理時から変更されておらず、B,Dの
メンバのもつあるデータが共に更新されている場合等に
生じる。そしてこの時、このデータ(conflict
data)の競合を解決する手段は、B,Dの中でも
っとも高い優先度をもつBのデータを採用することであ
る。なぜなら5つのメンバのうちで一番優先度の高いメ
ンバはAであるが、データが変更されているメンバはB
とDのみであるからである。ただしここで、データが変
更されていてもいなくても、一番優先度の高いメンバA
のデータで同期処理時の競合解決を行うようにしても良
い。
であるA,B,Cのみがデータ同期する場合について考
えてみる。このような状況は、例えばD,Eの電源が入
っていないとか、A,B,Cのみを外に持ち出した等の
状況が考えられる。認証してデータ同期するところまで
は上記と同様であり、B,Cのもつあるデータが競合し
たとする(B,Cのもつ同じデータフィールドのデータ
が前回の同期以降に更新された状態)。この時競合は
B,Cの中でより高い優先度を持つメンバのデータで解
決され、その結果、A,B,Cのデータは同期状態とな
る。また別の場所で、残っているD,Eのみがデータ同
期する場合を考えてみると、A,B,Cの場合と同様
に、競合が発生した場合は、D,Eの中でより優先度の
高いデータで競合が解決され、DとEはデータ同期状態
となる。
同期処理を行う同一のグループに属することを示す証明
書を持つ、1台のマスターと1台以上の任意のスレーブ
機器との間のみならず、スレーブ同士の間でも行うこと
ができる。この場合でも、無線あるいは有線により通信
可能な状態の機器間で証明データを交換することにより
同一のデータ同期グループに属するもの同士であること
が確認されるので、相手を一意に特定するための専用の
情報を持つことなく、証明データのみで安全にデータ同
期を行うことができる。
期処理モードに設定された機器から、通信可能な範囲内
に存在する他の機器にデータ同期処理要求をブロードキ
ャストで送信し、(b)それら機器間で証明書を交換し
て、同じデータ同期ネットワークに属する機器同士であ
るか否かを相互に認証し、(c)同じデータ同期ネット
ワークに属する機器同士であれば、対応するデータセッ
トについてのデータ同期処理を各々の優先度に従って実
行するという手順で行うことができる。
期メンバの登録処理のようにマスターと新規登録対象メ
ンバの2台のみという制限はなく、通信可能な範囲内に
それぞれに存在し、且つ同一データ同期ネットワークに
属する2台以上の任意の機器間でデータ同期処理を行う
ことができる。同期させたい機器全てをユーザによりデ
ータ同期処理モードに設定してもよいし、1台の機器の
みをデータ同期処理モードに設定し、その機器からデー
タ同期処理要求を受けた他の機器をその要求に応じて自
動的にデータ同期処理モードに移行させるようにしても
良い。
データ同期ネットワークが設定されたデータセットの中
でデータ同期処理を行うべきデータセットをユーザが指
定しても良いし、或いはデータ同期ネットワークが設定
された全てのデータセットのそれぞれについて、同一の
データ同期ネットワークに属するか否かを判断し、同一
のデータ同期ネットワークに属することが確認されたデ
ータセットについて、それらの同期処理を一度に実行す
ることも可能である。認証データはデータ同期ネットワ
ークが設定されたデータセット毎に存在するので、例え
ば全ての認証データを交換し合うことで、相手の機器と
自機器が共に属しているデータ同期ネットワークを調べ
ることができる。もちろん、データセット毎に用意され
た識別子を送り合うことによって、認証すべきデータ同
期ネットワークを特定するようにしても良い。
設定する「マスター宣言」の機能について説明する。
場合、マスターとなるメンバを決定する必要があるが、
これを実現するのが「マスター宣言」の機能である。
「マスター宣言」は、どのデータ同期ネットワークにも
属していないデータセットを持つメンバのみが、自分が
これから作るデータ同期ネットワークのマスターになる
という設定をすることができる。この時、設定はスタン
ドアロンで行われ、他のメンバとの通信は行われない。
該データ同期ネットワークに属さないメンバや、スレー
ブであったメンバの「データ同期メンバの解除」を行っ
て、該データ同期ネットワークに、後からマスターを追
加するために「マスター宣言」をすることはできない。
その場合には、「マスター宣言」を行ったメンバをマス
ターとする、まったく別の新しいデータ同期ネットワー
クが定義される。「マスター宣言」はいつでも新しいデ
ータ同期ネットワークを作成する場合のみに使用され
る。
新たなデータ同期ネットワークのマスターにする、「マ
スター宣言」の処理ステップを図11に示す。
「マスター宣言」の機能呼び出し操作をあるデータセッ
トに対して行うと(ステップS41)、そのデータセッ
トについて、自機器における現在のデータ同期ネットワ
ークの設定をデータ同期ネットワーク設定管理部16で
判断する(ステップS42)。既にマスターであるか、
あるいはスレーブとして設定されている場合には処理を
終了する。もしデータ同期ネットワークの定義がなされ
ていない状態であるならば、まずデータ同期ネットワー
クの識別データをデータ同期ネットワーク設定管理部1
6で生成し(ステップS43)、これを元に自機器に対
する証明データを生成する(ステップS44)。
6において、優先度カウンタをリセットして、自分の優
先度としてカウンタの初期の値を優先度データに設定し
た後(ステップS45,S46)、カウンタを更新し処
理を終了する。
に、「データ同期メンバの解除」を行う。この動作はマ
スターとスレーブで異なった役割を持つため、スレーブ
の場合とマスターの場合についてそれぞれ説明する。
のメンバから解除する場合であるが、例えばあるデータ
同期ネットワークに参加しているスレーブをその同期ネ
ットワークのメンバから除外した状態で使用する場合
や、スレーブを廃棄する場合などに、この機能を使用す
る。「データ同期メンバの解除」は、スタンドアロンの
動作であり、マスターや他の機器との通信は必要としな
い。またそれによって既存のデータ同期ネットワークに
影響が及ぶこともない。唯一、解除されたスレーブの持
っていた優先度データは「データ同期メンバの登録」で
再利用されることはないため欠番となるが、これによっ
てデータ同期ネットワークの一貫性が壊れるものではな
い。
バの解除」を行う場合の処理ステップを図12に示す。
いての「データ同期メンバの解除」要求が機器入出力部
13になされると(ステップS51)、そのデータセッ
トについて、自機器における現在のデータ同期ネットワ
ークの設定状態をデータ同期ネットワーク設定管理部1
6にて判断する(ステップS52)。そして自機器がス
レーブである時には、データ同期ネットワーク設定管理
部16の該当する優先度データ、証明データ、識別デー
タを消去する(ステップS53,S54,S55)。
バから解除する場合は、「データ同期メンバの解除」が
行われる際に、データ同期ネットワークのスレーブのう
ち、マスターと現在通信可能なメンバが存在すれば、こ
のスレーブもデータ同期ネットワークのメンバから解除
される。これはマスターを他のメンバに引き継ぐことな
しに、データ同期ネットワークのメンバから解除すると
いう状況が、通常はデータ同期ネットワークの設定自体
を解除したい場合であることからである。また通信可能
なスレーブのみが、同時にデータ同期ネットワークから
解除されるのは、マスターがデータ同期ネットワークの
メンバを把握できないことと、スレーブの買い替え、廃
棄、故障、盗難など、あるいは単に他の場所においてあ
ることにより、データ同期ネットワークの全メンバが揃
う状況は必ずしも仮定されないことからである。この場
合、その場にいなかったスレーブは以前のデータ同期ネ
ットワークに参加したままであるが、その場にいなかっ
たスレーブ同士で引き続きデータ同期をすることもでき
る。ただし、この場合はマスターが既にいない状態であ
るため、新規にデータ同期メンバの登録を行って、デー
タ同期ネットワークのメンバを増やすことはできない。
解除」を行う場合の処理ステップを図13に示す。ユー
ザによりあるデータセットについての「データ同期メン
バの解除」要求が機器入出力部13へ出されると、図1
2で説明したように、データ同期ネットワーク設定管理
部において、そのデータセットについて、自機器におけ
る現在のデータ同期ネットワークの設定状態が判断され
る。自機器がマスターである場合には、現在通信可能な
スレーブを検索する(ステップS61)。これは例え
ば、ブロードキャストによって送信したデータに対する
スレーブからの応答などによって判断すればよい。そし
てその後、現在通信可能な範囲にいるスレーブに対し
て、マスターの証明データと、「データ同期メンバの解
除」要求を送信する(ステップS62,S63)。
ーの証明データを使って認証を行い、その後スレーブに
おける「データ同期メンバの解除」と同様に自身の設定
を解除する。
タ、証明データ、識別データ、カウンタの値を消去し、
カウンタのリセットを行って処理を終了する(ステップ
S64〜S67)。
トワークにおいて、データ同期ネットワークはそのまま
の状態で存続させ、マスターである権利のみを現マスタ
ーから他のメンバに委譲する処理である。これは例え
ば、新しく購入した機器を既存のデータ同期ネットワー
クのマスターにしたい場合、マスターであった機器を廃
棄する場合、マスターである機器を買い換えたい場合、
移動できないデスクトップPCなどをマスターにしてい
るが、外出先にて「データ同期メンバの登録」を一時的
に行いたい場合など、データ同期ネットワークの機能、
構成をそのままに、マスターを他の機器に移したい場合
に使用する。これは既存のデータ同期ネットワークにお
けるスレーブとマスターの権限を交換するものである
が、「データ同期メンバの登録」と組み合わせて自動化
することでデータ同期ネットワークのメンバでないメン
バに対して、マスター権限の委譲を行っても良い。
を引き継ぐスレーブの各々の機器で、「マスターの引き
継ぎ」機能を呼び出す。そして、「データ同期メンバの
登録」と同様な方法で、マスターの保持している設定情
報をスレーブに移し、スレーブに保持している設定情報
をマスターに移す。マスターとスレーブ1台の情報をそ
のまま交換し、また個々のメンバは互いに他の機器に関
する情報を持っていないことから、他のデータ同期ネッ
トワークのメンバには影響を与える事はなく、「データ
同期メンバの登録」と同様に安全且つ簡単に処理を行う
ことができる。
詳細について、説明することとする。はじめに、「マス
ター引き継ぎ」の処理に伴って行われる、マスターとス
レーブの通信処理を図14を用いて説明する。
ー引き継ぎ要求を相手に送信し、要求を受け取ると双方
で機器認証のための証明データを送信する。認証処理
後、マスターはスレーブに識別データ、優先度データ、
カウンタ値を送信し、スレーブは優先度データ、識別デ
ータを送信して、通信処理は完了する。
くみていくこととする。図15は「マスター引き継ぎ」
機能のマスター側における処理ステップを示したもので
あり、図3とあわせて説明する。
「マスター引き継ぎ」要求を受け取ると(ステップS7
1)、自機器において現在のデータ同期ネットワークの
設定を、データ同期ネットワーク設定管理部16で判断
する(ステップS72)。マスターである場合には、引
き続きユーザから処理実行の要求を機器入出力部13で
待ち受ける。機器入出力部13で処理実行要求を受け取
ると(ステップS73)、通信部11よりマスター引き
継ぎの処理要求をブロードキャスト送信する(ステップ
S74)。そして通信部11にて、相手機器からの引き
継ぎの処理要求を待ち受け、相手機器からの要求が到着
すると(ステップS75)、現在処理実行状態の機器が
自機器と、該相手機器のみであることを通信部11およ
び通信制御部12で判断する(ステップS76)。
6のYES)、該相手機器に証明データを通信部11か
ら送信する。なお証明データの送信と、処理実行状態の
機器数を判断するステップの順序は、逆でもかまわな
い。そして、相手機器からの証明データを通信部11に
て受け取ると(ステップS78)、相手機器の認証を認
証部15およびデータ同期ネットワーク設定管理部16
にて行い、相手機器がマスターと同一のデータ同期ネッ
トワークに存在する機器であることを確認する(ステッ
プS79)。認証が失敗した場合は終了し(ステップS
79のNO)、成功した場合には(ステップS79のY
ES)、データ同期ネットワーク設定管理部16と通信
制御部12、通信部11にて、スレーブに対して自機器
の持っている識別データ、優先度データ、カウンタの値
を送信する(ステップS80,S81,S82)。その
後スレーブからの優先度データ、識別データを通信部1
1で受け取り(ステップS83,S84)、データ同期
ネットワーク設定管理部16にて、スレーブから受け取
った優先度データ、証明データ、識別データを自身の優
先度データ、証明データ、識別データとして設定し(ス
テップS85)、カウンタをリセットして処理は終了す
る(ステップS86)。
カウンタの値、証明データ、識別データを送信するタイ
ミングと、スレーブからの優先度データ、証明データ、
識別データを受け取るタイミングは任意の順序で良い。
動作と同様になるが、この処理ステップを図16に示
す。
「マスター引き継ぎ」要求を受け取ると、図15で説明
したように、自機器において現在のデータ同期ネットワ
ークの設定をデータ同期ネットワーク設定管理部で判断
する。設定がなされていない場合には終了し、マスター
である場合には、前述のマスターの動作となる。スレー
ブであると判断された場合には、ユーザからのマスター
引き継ぎの処理実行要求を機器入出力部13で待ち受
け、機器入出力部13がこれを受け取ると(ステップS
91)、通信部11にて、マスター引き継ぎ要求をブロ
ードキャスト送信する(ステップS92)。そして、マ
スターからの引き継ぎ要求を待ち受け、引き継ぎ要求を
受け取ると(ステップS92)、現在「マスター引き継
ぎ」の実行状態である機器の数を、通信部11および通
信制御部12で判断し(ステップS94)、処理実行状
態である機器が自機器の他に1台のみであった場合には
(ステップS94のYES)、以下の処理に進む。
する(ステップS95,S96)。そして、認証部15
およびデータ同期ネットワーク設定管理部16にて、相
手の認証を行う(ステップS97)。認証後、通信相手
が自分の属するデータ同期ネットワークのマスターでな
い場合には処理は終了し(ステップS97のNO)、マ
スターである場合には(ステップS97のYES)、マ
スターの持っている優先度データ、カウンタの値、識別
データを通信部11より受信する(ステップS99,S
100,S101)。その後自機器の持っている、優先
度データ、識別データを通信部11より送信した後(ス
テップS101,S102)、受信したマスターの識別
データ、証明データ、優先度データ、カウンタの値をデ
ータ同期設定管理部16にて自身のデータとして設定し
(ステップS103,S104)、処理は終了する。
として機能するデータセットを複数持つ機器の場合に
は、マスター引き継ぎ処理は、ユーザから指定された特
定のデータセットに関する設定情報についてのみ行うよ
うにしても良い。もちろん、引き継ぎ先のスレーブ機器
も複数のデータセットを有するものであれば、マスター
機器の持つ全てのデータセットに関するマスター権限を
スレーブ機器に一度に引き継がせるようにすることもで
きる。
っている優先度をお互いに交換するものである。データ
同期時に競合が起こると、より優先度の高いスレーブの
データで解決される。また優先度はマスターから登録順
に与えられるため、後から登録したスレーブのデータ
を、先に登録したスレーブのデータよりも優先させたい
場合が生じ得る。優先度をデータ同期メンバの登録時に
選択できるようにしても良いが、マスターあるいはスレ
ーブに優先度を選択するための表示インターフェースが
必要となるため、ここでは登録順に番号が振られること
とする。「優先度交換」の時にも、セキュリティ上の理
由から、「データ同期メンバの登録」や「マスター引き
継ぎ」の場合と同様に、設定機器が2つである時にの
み、処理がなされるものとする。
換する場合の通信処理ステップを図17を用いて説明す
る。
が、共に優先度交換要求を相手に送信し、要求を受け取
ると双方で証明データを送信し合う。同一データ同期グ
ループに属するスレーブ機器同士であることが確認され
た後、双方が優先度データを交換して通信処理は終了す
る。
おける「優先度交換」の処理ステップを図18に示す。
「優先度交換」要求を受け取ると(ステップS10
1)、自機器において現在のデータ同期ネットワークの
設定をデータ同期ネットワーク設定管理部16にて判断
する。設定がなされていない場合、またマスターである
場合には処理は終了し、スレーブの場合にはユーザから
の処理実行要求を機器入出力部13で待ち受ける。機器
入出力部13が処理実行要求を受け取ると(ステップS
103)、通信部11にて「優先度交換」の処理要求を
ブロードキャスト送信し、優先度を交換する相手からの
「優先度交換」の処理要求を待ち受ける。そして、相手
から「優先度交換」の処理要求を受け取ると(ステップ
S105)、現在「優先度交換」の実行状態である機器
数を通信部11からのデータによって通信制御部12で
判断し(ステップS106)、「優先度交換」の実行状
態である機器が、自機器の他に1台のみであった場合に
(ステップS106のYES)、データ同期ネットワー
ク設定管理部16、通信制御部12、通信部11によっ
て、証明データの送受信を行う(ステップS107,S
108)。もし実行状態である機器が通信可能な範囲内
に3台以上あるならば(ステップS106のNO)、処
理を終了する。
信した認証データを元に、認証部15とデータ同期ネッ
トワーク設定管理部16で認証を行う(ステップS10
9)。相手機器が、同じデータ同期ネットワークのメン
バであると証明されたら(ステップS109のYE
S)、自優先度データの送信と、相手の優先度データの
受信を行い(ステップS110,S111)、データ同
期ネットワーク設定管理部16にて、各々自分の優先度
を、受け取った優先度で書き換え終了する(ステップS
112)。
として機能するデータセットを複数持つ機器の場合に
は、ユーザから優先度交換が指定されたデータセットに
対して図18の処理を行えばよい。
ターの引き継ぎ」の各処理時には、設定に伴って行われ
るデータ通信の安全性を確保する必要がある。そのた
め、実際の設定データをやり取りする前に、設定を行う
2台の機器を共に処理実行要求の状態に移行させ、処理
実行要求の状態にある機器が、通信可能な範囲内に2台
のみであるかどうかによって、設定を続行するかを決定
する。この一連の処理をもう少し詳しく説明する。
ードと実行モードを持つ。設定モードは「データ同期メ
ンバの登録」、「優先度の変更」、「マスターの引き継
ぎ」といった呼び出し機能を特定する役割を持つ。そし
て実行モードは、設定モードで呼び出された機能の実際
の処理を開始し、必要であれば設定相手とのデータ通信
を行う役割を持つ。ここでこの実行モードが処理実行要
求の状態ということになる。
変更」、「マスターの引き継ぎ」をしたい場合、図19
のように、ユーザはまず設定を行う2つの機器(機器1
と機器2)を設定モードへと移行させる。すると各機器
では、呼び出された機能がなんであるかを判断し、その
機能が自機器の現在の設定において、有効な機能である
かを調べる。例えば「データ同期メンバの登録」を行い
たい場合には、呼び出された機能が「データ同期メンバ
の登録」であること、そして自分がマスターであるか、
スレーブであるか、何も設定されていないのかを調べ
る。呼び出された機能が有効な機能であれば、実行モー
ドへ移行できるが、実行モードへの移行にもユーザの介
入を必要とする。
行モードへ同時(厳密には1秒程度の誤差Δtを許容す
る)に移行させる。実行モードにおいて相手との通信が
確立される前の段階では、各機器は他の機器から実行モ
ードであることを示すデータを待ち受け、それと同時に
実行モードであることを告げるデータを伝送路に送出す
る。このデータの送出は、例えば一定時間間隔でデータ
のブロードキャスト送信を繰り返せば良い。それぞれの
機器で相手の実行モードであることを示すデータを受け
取ると、他にこのモードである機器は存在せず、なおか
つ機器1と機器2が通信しようとしていることを互いに
確認した後、設定情報の通信を開始する。設定情報の通
信に際しては、例えば前述した公開鍵暗号方式などの暗
号方式を用いて、他の機器に設定情報が漏洩しないよう
な暗号化を施すことができる。他に実行モードの機器が
存在する場合には、設定情報に関する通信は一切行わ
ず、処理は中断し終了する。
法と、各機器が持つ機能について説明してきた。次にデ
ータ同期ネットワークを構成する機器の具体的な実現例
について見ていくこととする。
時計に適用した例であり、図21は携帯情報機器に適用
した例である。
関わる部分は、2つのボタンと、4つの表示部である。
ボタンについては、データ同期ネットワークの設定を行
うための各機能の実行要求とデータ同期処理の開始の指
示を行うために用いられる左上のボタンと、データ同期
ネットワークの設定を行う各機能を選択する左下のボタ
ンとがある。そして表示部については、データ同期ネッ
トワークの設定を行う各機能を表示するモード表示部
と、マスター/スレーブを表す「M」または「S」の文
字を表示する表示部と、優先度データの数値を示す表示
部と、データ同期ネットワークの設定が現在なされてい
るかどうかを示す表示部がある。では、使用法の説明の
ために、「データ同期メンバの登録」と「データ同期処
理」の2つの代表的な機能の実行手続きについて考察す
る。
が、はじめに、左下のボタンを使って、「データ同期メ
ンバの登録」のモードを呼び出す。この時、モード表示
部には「データ同期メンバの登録」の機能を呼び出した
ことが表示される。次にこの呼び出しが有効であれば、
左上のボタンを押しつづけ、「データ同期メンバの登
録」に対する要求実行を行う。この例で、この腕時計が
あるマスターに対してメンバ登録してもらうのであれ
ば、マスターとなる機器においても同様の手続きを行
い、両機器が要求実行状態の間に、前述した「データ同
期メンバの登録」処理が成功すると、登録処理は完了す
る。「データ同期処理」の場合には、最初に左上のボタ
ンを押すことによって、同期処理開始の機能が実行さ
れ、腕時計と通信可能な範囲内に存在し、且つ同期処理
の実行が可能な、同じデータ同期ネットワークに属する
機器が1台以上いれば、データ同期の処理が実際に開始
される。データ同期処理の開始は、このようにデータ同
期ネットワークに属している機器のうち、どれか一台が
その機能を呼び出すことによって実行されてもよいし、
またあるいは、実際にその時データ同期処理を行いたい
すべての機器が、同時にデータ同期処理開始の機能を呼
び出すことによって、実行されるようにしても良い。
ータ(時計データ)のみであるので、腕時計との間でデ
ータ同期処理を行う対象となる機器は、腕時計と通信可
能な範囲内に存在する機器の中で、時刻データ(時計デ
ータ)についてのデータ同期ネットワークに属する機器
となる。
定の画面例が示されている。これは、時計データに関す
るデータ同期設定画面の例である。この画面は、左上部
に設けられた各機能を呼び出すための「設定メニュー」
と、現在の設定状態を表示する設定状態の表示部と、そ
して右下部に設けられたデータ同期処理開始の実行ボタ
ンとから構成される。現在この携帯情報機器と通信可能
な範囲内に存在して、同期処理の実行が可能な、同じデ
ータ同期ネットワークに属する機器とデータ同期を行い
たい場合には、右下部の同期ボタンを押すことによって
データ同期処理の機能が呼び出される。また、設定メニ
ューの「データ同期メンバの登録」を選択することによ
って、データ同期メンバの登録画面が表示され、この画
面に備えられた実行ボタンを押しつづけることによっ
て、前述の腕時計の例と同様に、データ同期メンバの登
録の機能を実行することができる。
れば、データ同期の通信相手に関する設定情報を持つ必
要が無く、基本的には証明書(証明データ)と優先度の
みで安全・確実にデータ同期処理を行うことができる。
しかも、同期処理開始を指示するだけで、通信可能な範
囲内に存在する他の機器との間で、同一データ同期グル
ープに属するデータセットについての同期処理が自動実
行されるので、腕時計や携帯電話などのように限られた
ユーザインターフェイスしか持たず、通信相手に関する
設定が困難な機器においても、機器構成が動的に変換す
るようなネットワーク環境下で容易にデータ同期を行う
ことができる。また、マスターが存在せずとも、任意の
スレーブ同士間でデータ同期処理を行うことができるの
で、特に、外出先で無線を用いて通信するような機器へ
の適用に好適である。
は、コンピュータプログラムによって実現することがで
きるので、そのコンピュータプログラムをコンピュータ
読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体に記録して
コンピュータに導入したり、あるいはROMなどの記録
媒体に記録して電子機器に組み込むだけで、通常の電子
機器にて本実施形態と同様の効果を得ることが可能とな
る。
限られた入力装置および表示装置しか持たない機器に対
してもデータ同期のための設定が可能で、且つ機器構成
が動的に変化するような有線または無線のネットワーク
においても任意の機器間で安全にデータ同期のための通
信を行うことが可能となる。更に、機器間で設定情報を
やりとりする際には、特定の2台のみで同時に設定操作
を行い、設定機器が2台であることを保証してから情報
のやりとりを行うことで、安全に設定を行うことができ
る。
る機器登録ステップとデータ同期ステップを説明するた
めの図。
例を示す図。
ロック図。
能を設定時の通信形態によって分類した図。
るマスターとスレーブのデータのやりとりを示す図。
るマスターの処理手順を示すフローチャート。
るスレーブの処理手順を示すフローチャート。
同期処理時の通信形態の一例を示す図。
同期処理時の通信形態の他の例を示す図。
示す図。
手順を示すフローチャート。
けるスレーブの処理手順を示すフローチャート。
けるマスターの処理手順を示すフローチャート。
マスターとスレーブのデータのやりとりを示す図。
マスターの処理手順を示すフローチャート。
スレーブの処理手順を示すフローチャート。
データのやりとりを示す図。
処理手順を示すフローチャート。
ードのタイミングを示す図。
インターフェースの一例を示す図。
端末のインターフェースの一例を示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 複数の機器間で任意のデータに関するデ
ータ同期処理を、無線あるいは有線のネットワークを用
いて行うための通信方法において、 ユーザによりマスターとして指定された機器が、該ユー
ザにより該マスターのスレーブとして指定された機器
に、該スレーブ機器が前記データ同期処理を行うグルー
プに属することを示す証明書と、該スレーブ機器が前記
データ同期処理を行う際に用いるべき優先度とを送出
し、該スレーブ機器を、前記データ同期処理を行うグル
ープのメンバとして登録する機器登録ステップと、 あるスレーブ機器と、該あるスレーブ機器と無線あるい
は有線により通信可能な状態である別の1台以上のスレ
ーブ機器との間で、該あるスレーブ機器と該別のスレー
ブ機器とが前記データ同期処理を行うグループに属する
か否かを前記証明書を用いて判断し、該グループに属す
ると判断されたスレーブ機器間で、前記優先度に従った
前記データ同期処理を無線あるいは有線の通信により行
うデータ同期ステップとを具備することを特徴とする通
信方法。 - 【請求項2】 前記機器登録ステップは、前記機器登録
ステップを実行するための機器登録モードにそれぞれ設
定された1台のマスター機器と1台のスレーブ機器との
2台の機器以外に、前記機器登録モードに設定された他
の機器が存在しないことを確認した後に、行われること
を特徴とする請求項1記載の通信方法。 - 【請求項3】 前記データ同期ステップは、前記データ
同期処理を行う同一のグループに属することを示す証明
書を持つ、1台のマスター機器と1台以上の任意のスレ
ーブ機器、あるいは2台以上の任意のスレーブ機器間で
行われることを特徴とする請求項1記載の通信方法。 - 【請求項4】 前記マスターおよびスレーブの指定は、
前記データ同期処理の対象とすべきデータ毎に行われる
ことを特徴とする請求項1記載の通信方法。 - 【請求項5】 前記機器登録ステップは、前記データ同
期処理の対象とすべきデータ毎に、該データのデータ同
期処理のマスターとして指定された機器が、該マスター
のスレーブとして指定された機器に、前記証明書および
前記優先度を送出することによって実行され、 前記データ同期処理の対象とすべきデータ毎に前記証明
書および前記優先度の設定が行われることを特徴とする
請求項4記載の通信方法。 - 【請求項6】 前記マスター機器から該マスターの権限
を引き継がせるべき他の機器に、該他の機器が該マスタ
ー機器として動作するために必要な情報を送出して、該
マスター機器のマスター権限を該他の機器に引き継がせ
るマスター権限引き継ぎステップをさらに具備すること
を特徴とする請求項1記載の通信方法。 - 【請求項7】 前記データ同期処理を行うグループに属
するスレーブ機器同士で互いの優先度を交換する優先度
交換ステップをさらに具備することを特徴とする請求項
1記載の通信方法。 - 【請求項8】 前記マスター権限引き継ぎステップまた
は前記優先度交換ステップは、前記マスター権限引き継
ぎステップまたは前記優先度交換ステップを実行するた
めのモードに設定された2台の機器外に、前記マスター
権限引き継ぎステップまたは前記優先度交換ステップを
実行するためのモードに設定された他の機器が存在しな
いことを確認した後に行われることを特徴とする請求項
6または7記載の通信方法。 - 【請求項9】 前記マスター機器または前記スレーブ機
器を、前記データ同期処理を行うグループの登録から解
除する機器登録解除ステップをさらに具備し、 前記マスター機器の登録を解除する場合、前記マスター
機器が、該マスター機器と通信可能な状態であるスレー
ブ機器に機器登録解除指示を送出することにより、前記
マスター機器の機器登録解除ステップと連動して前記ス
レーブ機器の機器登録解除ステップを実行することを特
徴とする請求項1記載の通信方法。 - 【請求項10】 ユーザによりマスターとして指定され
た場合には、該ユーザにより自装置のスレーブとして指
定された機器に、該スレーブが前記データ同期処理を行
うグループに属することを示す証明書と、該スレーブが
前記データ同期処理を行う際に用いるべき優先度とを発
行し、送信する手段と、 ユーザによりスレーブとして指定された場合には、自装
置が前記データ同期処理を行うグループに属することを
示す証明書と、自装置が前記データ同期処理を行う際に
用いるべき優先度とを、該ユーザにより自装置のマスタ
ーとして指定された機器から受信し、記憶する手段と、 自装置と無線あるいは有線により通信可能な状態である
別の1台以上のスレーブ機器が、前記データ同期処理を
行うグループに属するか否かを該スレーブ機器が有する
証明書を用いて判断し、該グループに属すると判断され
たスレーブ機器との間で、前記優先度に従った前記デー
タ同期処理を無線あるいは有線の通信により行う手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
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