JP2001146690A - 染色残液の再使用方法および染料除去剤の再生方法 - Google Patents

染色残液の再使用方法および染料除去剤の再生方法

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JP2001146690A
JP2001146690A JP33301899A JP33301899A JP2001146690A JP 2001146690 A JP2001146690 A JP 2001146690A JP 33301899 A JP33301899 A JP 33301899A JP 33301899 A JP33301899 A JP 33301899A JP 2001146690 A JP2001146690 A JP 2001146690A
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condensate
dye
dyeing
glycoluril
formaldehyde
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Kouji Taketsuji
耕治 竹辻
Ryutaro Ito
龍太郎 伊藤
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Hakuto Co Ltd
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NAGASE TECHNO COLOR KK
Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色工程における染色残液を簡便な方法
によって染料の除去を可能ならしめ、これによって、染
色残液を循環使用して、染料、染色助剤を多量に含む廃
水の処理に要するコストを低減し、周辺環境への影響を
少なく、さらに水資源や硫酸ナトリウムなどの有用物質
の有効活用を図る染色残液の再使用方法および染料除去
剤の再生方法を提供する。 【解決手段】 (1)染色工程から排出された染料と染色
助剤を含む染色残液を、グリコールウリルとホルムアル
デヒドとの縮合物と接触させて縮合物に染料を取り込む
工程、(2)染料を取り込んだグリコールウリルとホルム
アルデヒドとの縮合物と処理水を分離する工程、および
(3)脱色された処理水を染色工程に戻す工程からなる染
色残液の再使用方法、および、染料を取り込んだグリコ
ールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物を、特定の水
溶性有機溶剤および/あるいは特定のアルカリ化合物の
1/10000〜1/10規定水溶液と接触せしめて該
縮合物から染料を除去することよりなるグリコールウリ
ルとホルムアルデヒドとの縮合物の再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色工程から排出
された染料と染色助剤とを含む染色残液を脱色し、染色
工程で再使用することを可能ならしめる染色残液の再使
用方法およびそのために使用された染料除去剤の再生方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維、特に天然繊維の染色工程では、染
色浴に染料と共に硫酸ナトリウム、界面活性剤、キレー
ト剤などの染色助剤が多量に使用されている。染色浴中
の染料は繊維に取り込まれるが、それでも染色後の残液
中には未染着染料が残り、反応染料の場合ではその反応
基が加水分解された染料も残り、さらに染色助剤は繊維
に取り込まれないため、ほとんどそのまま残っている。
通常、染色残液は他工程の廃水と共に総合廃水処理場に
て処理され、染色残液中に残っている硫酸ナトリウムな
どは再利用されることなく排出されているのが現状であ
る。染色残液を再使用しようとすると、残っている染料
を除き、着色のない水とすることが最も必要なことであ
る。着色成分の除去だけに限れば、凝集法、吸着法、オ
ゾン酸化法など化学的、あるいは物理的方法で目的が達
せられるが、その水を再使用するとなると共存する染色
助剤などその他成分も考慮に入れなければならない。
【0003】染色残液の再使用に関する報告は、処理せ
ずに染色残液を分光光度計にて分析し、残存染料の量を
考慮して染色浴を補正して再使用を試みたもの〔クック
(F.L.Cook)ら、Text.Chem.Col.,10
巻,21頁,1978年刊〕、セルロース系高分子吸着剤
で染料除去を試みたもの〔木村光雄ら,水処理技術,2
7巻,7月号,485〜490頁,1986年刊〕、オ
ゾン酸化で脱色した水の再使用を試みたもの〔パーキン
ス(W.S.Perkins)ら,Text.Che
m.Color,28巻,31〜37頁,1996年
刊〕、キトサンなどの天然高分子凝集剤等で染料を除去
し、助剤である硫酸ナトリウムを残留させることを試み
たもの〔山本周治ら,繊維加工,49巻,126〜13
0頁,1997年刊〕など僅かな例を見るのみである。
しかし、これらの方法では処理後の水に凝集剤が残った
り、又脱色を完全に行なおうとすると多量の処理剤が必
要であるなどの問題を有していた。染色残液を処理せず
に再使用するには同色染めにしか使用できないという制
約を受ける。特に反応染料のように化学的変化を起こす
染料を含有する染色残液は再使用することができない。
また未染着染料を除去して助剤を含む水を再使用する場
合、特に鮮明色染色に再使用するためには完全に染料を
除去しなければならず、採算性など、種々の課題が残っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】染色残液の再使用は、
染料、染色助剤を多量に含む廃水の処理に要するコスト
を低減し、周辺環境への影響を少なく、さらに水資源や
硫酸ナトリウムなどの有用物質の有効使用を考えたと
き、染色工場にとっては大きな意味をもつことになる。
【0005】本発明はこのような見地から、染色工程に
おける染色残液の再使用を可能ならしめるようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリコー
ルウリルとホルムアルデヒドとの縮合物が、水中に溶解
する染料分子を選択的に分子内に取り込むという知見か
ら、染色残液に適用したときには、水中の染料のみを選
択的に取り込み、共存する染色助剤は実質取り込まない
こと、また、染料を取り込んだ該縮合物は、これを水溶
性有機溶剤および/あるいはアルカリ水溶液と接触処理
することにより該縮合物から染料が除去されて簡便に再
生可能であることを見出した。本発明はこれらの知見に
基づいて完成するに至った。
【0007】すなわち、本請求項1に係る発明は、(1)
染色工程から排出された染料と染色助剤とを含む染色残
液をグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物と
接触させる工程、(2)該処理後の染色残液を、染料を取
り込んだグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合
物と処理水とに分離する工程、および(3)脱色された
処理水を染色工程に戻す工程からなる染色残液の再使用
方法であり、本請求項2に係る発明は、染色残液のpH
を3〜7に調整した後にグリコールウリルとホルムアル
デヒドとの縮合物と接触させてなる請求項1記載の染色
残液の再使用方法であり、本請求項3に係る発明は、グ
リコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物が、クク
ルビツリル前駆物質である請求項1または2記載の染色
残液の再使用方法であり、本請求項4に係る発明は、
(2)工程によって処理水と分離された、染料を取り込ん
だグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物を、
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコールより選ばれた1種以上の
水溶性有機溶剤および/あるいはアルカリ水溶液が水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム
より選ばれた1種以上のアルカリ化合物の1/1000
0〜1/10規定水溶液と接触せしめて該縮合物から染
料を除去することからなるグリコールウリルとホルムア
ルデヒドとの縮合物の再生方法であり、本請求項5に係
る発明は、グリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮
合物が、ククルビツリル前駆物質である請求項4記載の
グリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物の再生
方法であり、本請求項6に係る発明は、グリコールウリ
ルとホルムアルデヒドとの縮合物が、請求項4〜5記載
のいずれかの方法で再生したグリコールウリルとホルム
アルデヒドとの縮合物である請求項1〜3記載の染色残
液の再使用方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】染色工程で用いる染色浴は、染料
の他、通常、硫酸ナトリウム等の塩類、浸透剤、消泡
剤、脱気浸透剤などの各種の染色助剤を含んでいる。こ
のうち染料の一部は繊維に吸着されるが、繊維に吸着さ
れなかった染料やほとんどの染色助剤は染色残液に残っ
ている。
【0009】本発明は、(1)染色工程から排出された染
料と染色助剤とを含む染色残液をグリコールウリルとホ
ルムアルデヒドとの縮合物(以下「縮合物」と略す)と
接触させて縮合物に染料を取り込む工程、(2)染料を取
り込んだ縮合物と処理水を分離する工程、および(3)脱
色された処理水を染色工程に戻す工程からなる染色残液
の再使用方法、および染料を取り込んだ縮合物から染料
を除去し該縮合物を再生する方法からなりたっている。
【0010】本発明において、処理されうる染料の例と
しては特に限定されないが、反応染料、直接染料、硫化
染料、スレン染料、及び酸性染料が挙げられる。
【0011】本発明の染色残液の再使用方法における第
1工程は、染色工程から排出された染料と染色助剤とを
含む染色残液を、縮合物と接触させる工程である。
【0012】本発明に係る縮合物は、グリコールウリル
とホルムアルデヒドとの反応によって得られ、ククルビ
ツリルおよび/あるいはククルビツリル前駆物質であ
る。
【0013】ククルビツリルは、グリコールウリル6分
子とホルムアルデヒド12分子からなる大環状化合物で
ある〔ウィリアム エル モック(WilliamL.
Mock)ら,アメリカ化学雑誌(Journal o
f the AmericanChemical Soc
iety)103巻,7367頁(1981年)参照〕。
【0014】ククルビツリル前駆物質は、グリコールウ
リルとホルムアルデヒドとを、1:2〜1:3(モル
比)、好ましくは1:2.3〜1:2.9(モル比)で混
合し、塩酸などを加えた酸性水溶液中、50〜120℃
で、10〜60分攪拌することによって得られる化合物
である〔竹辻耕治,富岡秀雄,日本化学会誌,670〜
678頁,(1998年)参照〕。因みに、この前駆物
質は、濃硫酸中で煮沸することにより環状構造のククル
ビツリルに転化することができる。
【0015】ククルビツリルとククルビツリル前駆物質
は、赤外スペクトル法(IR)、プロトン核磁気共鳴分
光法(1H−NMR)、炭素−13核磁気共鳴分光法(1
3C−NMR)、示差熱天秤(TG−DTA)、示差走査
熱量計(DSC)、マトリックス支援レーザー脱離イオン
飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF−MS)等
により明瞭に区別される。例えば、赤外線吸収スペクト
ル、プロトン核磁気共鳴スペクトルにおける差異は表1
に示したとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】本発明においては、ククルビツリル、およ
び/あるいはククルビツリル前駆物質のいずれも用いら
れるが、染料を含む着色水の脱色能力、および染料を取
り込んだものからの染料除去再生効率を考慮すると、ク
クルビツリル前駆物質がより好ましい。
【0018】本発明に係る縮合物はpHが1以下の強酸
には溶解するが、pHが2〜12の水には実質的に不溶
である。この縮合物を、染料が溶解している水に接触さ
せると、水中の染料をその構造内に取り込むので、該水
中に溶解している染料を除去処理する資材として非常に
有利に扱える。しかもこの縮合物は、水中に共存する硫
酸ナトリウムなどの染色助剤は実質取り込まず、染料の
みを選択的、特異的に取り込むことが確認されており、
本発明の目的に合致し、極めて好ましいものである。縮
合物が染料分子を取り込む様式は、具体的には明らかで
ないが、物理的/化学的吸着、結合などが考えられる。
【0019】本発明の方法においては、縮合物を粉末の
状態で、染料と硫酸ナトリウムなど染色助剤を含有する
染色残液中に加え攪拌するか、あるいは染色残液は該縮
合物をシリカゲル、けいそう土などの担体と共にカラム
状に充填したカラム上から流される。
【0020】本発明に係る縮合物を粉末の状態で用いる
場合には、染色残液中に該縮合物を加え攪拌するだけで
水中に溶解している染料を取り込み、その水を実質無色
にすることができる。縮合物の添加量は、水中にある染
料の種類、染料濃度、温度などにより異なるが、通常水
中の染料に対して2〜200倍(重量比)、好ましくは
3〜100倍(重量比)、さらに好ましくは5〜10倍
(重量比)である。2倍より少ないと染料の取り込みが
不充分なことがあり、一方200倍より多く用いること
は、作用上何ら悪い影響はないが経済的には不利となる
ことがある。染色残液のpHは染色条件など状況により
異なるが、好ましくは2〜12、より好ましくは染色残
液をpH3〜7に調整して行うのがよい。pH調整を行
う際の酸性物質、アルカリ性物質は本発明では限定され
るものではないが、染色工程では硫酸ナトリウムを使う
ことが多く、染色残液を脱色処理し、処理水を再利用す
るためには、硫酸あるいは水酸化ナトリウム等を用いて
pH調整するのが好ましいといえる。接触時間はその条
件により異なるが、通常30分間以上、好ましくは1時
間以上である。接触時間が長過ぎても悪い影響はない。
【0021】処理温度は0〜100℃で、通常常温付近
である。但し、硫酸ナトリウムの含有濃度にもよるが、
温度が低くなると硫酸ナトリウムが析出してくることが
あるので、硫酸ナトリウムが析出しない温度域で処理す
ることが好ましい。0℃未満では水が凍結し作用が円滑
に進まない。染料を取り込んだ後の縮合物は、該縮合物
が水中に実質溶解することがなく、水中に分散するのみ
であるので、濾過などの簡単な固液分離操作で分離でき
る。
【0022】該縮合物を担体と共にカラム状に充填して
用いる場合には、縮合物及び担体をカラムに充填した
後、そのカラム上から染色残液が流される。本発明に用
いられる担体としては、例えば、シリカゲル、けいそう
土、セルロース、活性白土、酸性白土、酸化アルミニウ
ム、セピオライト、けい砂などが挙げられ、好ましくは
シリカゲル、けいそう土、セルロースである。縮合物と
担体の混合方法は、縮合物と担体をそれぞれ粉体のま
ま、あるいは少量の水を加えて混合してもよく、あるい
は縮合物を88%蟻酸水溶液などの強酸性液に溶解さ
せ、ここに所定量の担体を加え、よく撹拌した後水酸化
ナトリウム等のアルカリ水溶液を加えてpHを5〜8に
して縮合物を析出させ、これをカラムに充填する。縮合
物と担体の使用割合は任意に選ばれるが、通常、縮合物
に対して1〜10倍(重量比)、好ましくは5〜8倍
(重量比)である。染色残液の処理量や通過速度は、任意
に選ばれ、一律に決めることはできないが、カラム下か
ら出る水に着色のないことをみることでわかる。
【0023】次いで縮合物と処理水を分離する工程を経
て、染料のみを取り除き、実質無色になった染色残液
を、染色工程に戻し再利用する。本発明に用いられる縮
合物は、染料のみを特異的に取り込み、浸透剤、消泡
剤、脱気浸透剤などの各種の染色助剤には実質的に何の
影響も与えないので、該接触処理した後の染色残液は、
染料濃度以外は染色に用いた染色浴液組成と実質同じで
あり、また、縮合物はpHが2〜12の水には実質的に
は不溶であり、縮合物が処理染色残液に残留しないた
め、染色に影響することはなく、所定量の染料を追加
し、再び染色に用いることができる。処理を完璧に行え
ば、処理後の液は無色となっているので、再使用に際し
て、他のあらゆる色相、他種の染料や染色方法を用いる
ことも可能である。しかし、染色残液処理時のpH調整
によって、処理染色残液は、硫酸ナトリウムなど塩類濃
度が処理前の染色残液と変わっており、また、再使用時
には染料、染色助剤の構成、その他工程条件が変わるこ
とにより染色浴の液組成が変わることもあるので、本発
明方法により処理、回収された染色残液の成分組成を考
慮して硫酸ナトリウムなどの塩、染色助剤などの成分組
成の補正を行うことが必要となることがある。
【0024】染料を取り込んだ縮合物は、特定の水溶性
有機溶剤および/あるいは特定のアルカリ水溶液と接触
させることによって再生することができる。
【0025】本発明で用いられる水溶性有機溶剤は、ホ
ルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール等であり、アルカリ水溶
液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム等の1/10000〜1/10規定水溶液であ
る。本発明においては、これらを単独で用いても、また
2種以上を組み合せて用いてもよい。
【0026】本発明における縮合物と水溶性有機溶剤お
よび/あるいはアルカリ水溶液との接触の方法は、特に
限定するものではないが、実用上は水溶性有機溶剤およ
び/あるいはアルカリ水溶液の中に染料を取り込んだ縮
合物を入れて撹拌、好ましくは60〜80℃に加熱して
撹拌する。接触時間は状況により異なるが、通常1〜2
時間である。このとき超音波照射など物理的操作を加え
るとさらに好ましいことがある。
【0027】水溶性有機溶剤および/あるいはアルカリ
水溶液の使用量は、溶剤の種類、染料の種類などにより
異なるが、通常、染料を取り込んだ縮合物に対して好ま
しくは10〜2000倍(重量比)、より好ましくは10
0〜500倍(重量比)である。10倍より少ないと縮合
物からの染料の除去が不充分なことがあり、2000倍
より多いと縮合物からの染料の除去は充分であるが、不
経済なことになる。
【0028】水溶性有機溶剤および/あるいはアルカリ
水溶液で処理した後の縮合物は、清水で洗った後再使用
に供することができる。
【0029】また、縮合物をシリカゲルなどの担体と共
にカラム状に充填し、その上部から染料を含む着色水を
流すことで、脱色を行なうことがあるが、縮合物から染
料を除去する場合も同様、カラムに充填したまま上部よ
り本発明の水溶性有機溶剤および/あるいは本発明のア
ルカリ水溶液を流すことによっても目的を達せられる。
この場合、染料除去に使用される水溶性有機溶剤および
/あるいはアルカリ水溶液の使用量は、カラムの下から
出る溶液の着色が認められなくなるまで行い、最後にカ
ラム内に残存している溶剤を除去するために少量の水で
洗浄することで、再生処理は完了する。
【0030】このようにして再生した縮合物は、再度着
色水の脱色処理に使用することが可能である。縮合物の
脱色再生を繰り返すにつれて、染料除去能力が徐々に低
下することがあるが、その場合には、新たに製造した縮
合物を適宜追加することなどによって調整する。
【0031】縮合物中の染料を除去するのに用いた後の
水溶性有機溶剤および/あるいはアルカリ水溶液は、蒸
留などの方法によって精製し、再度この目的に使用でき
る。実用上は蒸留により容易に回収できる有機溶剤がよ
り好ましく、また、縮合物中に取り込まれた染料を縮合
物から除去する能力を加味すると、ホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドの水
溶性有機溶剤が特に好ましく選ばれる。
【0032】また、縮合物から分離した染料は、上記水
溶性有機溶剤および/あるいはアルカリ水溶液に溶解し
ており、濃縮することにより高濃度に溶解した残渣とす
ることができるので、焼却処分するのがよい。
【0033】上記縮合物の再生方法に係る工程を、先に
述べた本発明の染色残液の再生方法に組み込むことが好
ましい。これにより、本発明の染色残液の再生方法は、
常に新鮮な縮合物を用いる必要がなく、より効率的に、
低コストで染色残液に処理を施し、さらなる染色工程に
供することができる。さらに使用される縮合物の量も少
なく抑えられる。その結果、最終的に廃棄に至る縮合物
の量を抑えることができ、縮合物の大量廃棄により生じ
得る環境汚染をも低減することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により何
等制限されるものではない。
【0035】[ククルビツリル前駆物質の合成]36%
塩酸34mLと水50mLの混合物に、グリコールウリ
ル10g(0.071モル)を加え、ここに35%ホル
ムアルデヒド液16mL(0.19モル)を加え、ブンゼ
ンバーナーで素早く加熱した。加熱開始後約30分で反
応液が濁り始め、その時点で加熱を止めた。反応液を冷
水500mL中に注ぎ、1時間放置し、白色沈殿を析出
させた。沈殿を濾別分離して、室温にて減圧乾燥し、目
的とする縮合物を11.6g得た。ここで得た縮合物
は、赤外線吸収スペクトルの吸収が、1730,147
5,1375,1320,1230,1190,960,
800,760cm-1、プロトン核磁気共鳴スペクトル
では、5.37〜5.60,4.08〜4.31(pp
m)にあることから、ククルビツリルではなく、その前
駆物質であることが確認された。
【0036】[ククルビツリルの合成]上記縮合物25
gを濃硫酸60mL中に加え、撹拌しつつ130℃のオ
イルバスで加熱した。加熱開始15分後に、反応液が赤
褐色になった時点で、反応液を冷水1L中に注ぎ、この
時析出した茶色の固体を濾別した。この濾液は再び13
0℃のオイルバスで加熱し、煮沸が始まったとき、直ち
に加熱を止め、室温に冷却した。析出した茶色固体を濾
別し、先に得た茶色固体と合わせて減圧乾燥し、合計1
4.5gの茶色固体を得た。このようにして得た茶色固
体を13gとり、36%塩酸15mLと水7mLの混合
液中に加え、約70℃に加熱して溶解させ、冷水8mL
を加えて希釈し、析出した固体を濾別し、水で数回洗浄
した後、減圧乾燥させ、白色粉末9.4gを得た。ここ
で得た白色粉末は、赤外線吸収スペクトルの吸収が、1
740,1639,1478,1419,1379,132
8,1235,1190,965,800cm-1、プロ
トン核磁気共鳴スペクトルでは、5.66,5.53,
4.26(ppm)にあり、ククルビツリルであること
が確認された。
【0037】[試験に用いた染料] (反応染料) ・Cibacron Red(シバクロン レッド)4G
−E−01(C.I.Reactive Red 12
0):チバ スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Cibacron Red(シバクロン レッド)C−
R:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Cibacron Red(シバクロン レッド)C−
2G(C.I.Reactive Red 228):チバ
スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Cibacron Red(シバクロン レッド)P−
4B:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Remazol Brilliant Red(レマゾ
ール ブリリアント レッド)BB(C.I.Reacti
ve Red 21):ダイスター社製 ・Cibacron Scarlet(シバクロン スカ
レット)F−3G(C.I.Reactive Red 1
83):チバ スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Cibacron Red(シバクロン レッド)F−
B(C.I.Reactive Red 184):チバ
スペシャルティ ケミカルズ社製 ・Remazol Gold.Yellow(レマゾール
ゴールデンイエロー)G.(C.I.Reactive
Yellow 17):ダイスター社製 ・Remazol Brill.Orange(レマゾー
ル ブリリアントオレンジ)3R−KN(C.I.Rea
ctive Orange 16:ダイスター社製 ・Remazol Black(レマゾール ブラック)
B Hi.gran(C.I.Reactive Black
5):ダイスター社製 (直接染料) ・Cibafix Scarlet(シバフィックス ス
カーレット)E−B:チバ スペシャルティ ケミカルズ
社製 ・Cibafix Blue(シバフィックス ブルー)E
−G 133%:チバスペシャルティ ケミカルズ社製 ・Cibafix Black(シバフィックス ブラッ
ク)E−SA:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製
【0038】[試験に用いた均染剤] (浸透・均染剤) ・Invadin LU extra:チバ スペシャル
ティ ケミカルズ社製 (脱気・消泡・浸透剤) ・Cibaflow JET:チバ スペシャルティ ケ
ミカルズ社製 (脱気浸透剤) ・Albatex FFO:チバ スペシャルティ ケミ
カルズ社製 (キレート・分散剤) ・Cibacel DBC:チバ スペシャルティ ケミ
カルズ社製
【0039】[試験に用いた溶剤] 水溶性有機溶剤 ・ホルムアミド(関東化学製特級試薬) ・N,N−ジメチルホルムアミド(以下「DMF」と略
す)(関東化学製特級試薬) ・ジメチルスルホキシド(以下「DMSO」と略す)
(関東化学製特級試薬) ・エチレングリコール(関東化学製特級試薬) ・メタノール(関東化学製特級試薬) ・N−メチル−2−ピロリドン(関東化学製特級試薬) アルカリ水溶液 ・1/100N水酸化ナトリウム水溶液(関東化学製特
級試薬を脱イオン水に溶解させて調製) ・1/1000N炭酸カリウム水溶液(関東化学製特級
試薬を脱イオン水に溶解させて調製)
【0040】[実施例1](縮合物粉体を被処理液に加
え攪拌する処理) (a)反応染料500ppm、硫酸ナトリウム10重量
%を含有する水溶液、および(b)直接染料500pp
m、硫酸ナトリウム2重量%を含有する水溶液を調製
し、それぞれの水溶液に本発明に係るククルビツリル前
駆物質を2000ppmになる相当量にて、あるいはク
クルビツリルを8000ppmになる相当量にて粉末の
まま添加し、室温にてマグネティックスターラーで2時
間攪拌した。処理後の液につき、可視スペクトルの極大
吸収波長における吸光度を、処理前の吸光度と比較し、
残色率(%)を求めた。また、イオンクロマトグラフィ
ーによる硫酸イオン濃度の測定から、水溶液中の硫酸ナ
トリウム濃度を求め、処理前の濃度と比較し、硫酸ナト
リウム残留率(%)を求めた。その結果を表2に示し
た。
【0041】
【数1】
【0042】
【数2】
【0043】[比較例1]実施例1記載の被処理着色水
溶液に本発明に係る縮合物の代わりにポリ塩化アルミニ
ウム(PAC)、あるいはポリジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド〔分子量約10万、センカ(株)製,
ユニセンスCP−103(商品名)〕を添加し、同様に
して残色率(%)、硫酸ナトリウム残留率(%)を求め
た。その結果を表3に示した。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】本発明に係る縮合物を用いた場合には、完
全に脱色され、さらに液中の硫酸ナトリウム濃度は、処
理前後で変わらなかった。これにより、処理後の染色残
液を染色工程に充分使用できることがわかる。一方、比
較に用いたポリ塩化アルミニウム、ポリジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライドでは、硫酸ナトリウムの濃度
はそれ程変化してはいなかったが、処理後の液中に未だ
染料が残って色がついており、この液を再度染色工程で
使用することは実質出来ないことが明らかとなった。
【0047】[実施例2](縮合物をカラムに充填し、
被処理液を流す処理) ククルビツリル前駆物質0.3gとシリカゲル〔粒径6
3−200μm、メルク社製〕2.0gを、あるいはク
クルビツリル1.2gとシリカゲル7.2gを20mL
の水と共に混合した後、それぞれガラスカラム(ガラス
フィルター付)に注ぎ、充填した。
【0048】(a)反応染料を500ppm、硫酸ナト
リウムを10重量%含有する水溶液150mL、あるい
は(b)直接染料500ppm、硫酸ナトリウム2重量%
を含有する水溶液150mLをそれぞれカラム上部より
ゆっくり流し、下部から流出した処理液について実施例
1と同様の方法により、残色率(%)、硫酸ナトリウム
濃度と残留率(%)を求めた。その結果を表4にまとめ
た。
【0049】
【表4】
【0050】表4の結果から分かるように、本発明に係
る縮合物を担体と共にカラムに充填し、上から被処理液
を流した場合にも、着色は完全になくなり、硫酸ナトリ
ウムは濃度の変化がなく残存した。これにより、本発明
の方法で得られた処理後の染色残液は、さらなる染色工
程に充分使用できることがわかる。
【0051】[実施例3](被処理液のpHを変えて縮
合物粉体を加え撹拌する処理) (a)反応染料500ppm、硫酸ナトリウム10重量
%、炭酸ナトリウム1.9重量%を含有する水溶液、あ
るいは(b)直接染料500ppm、硫酸ナトリウム2重
量%を含有する水溶液をそれぞれ調製し被処理液とし
た。これら被処理液をそのまま、あるいは硫酸を加えて
pHを6に調整してから、本発明に係るククルビツリル
前駆物質2000ppmを、あるいはククルビツリル8
000ppmを粉末のまま添加して実施例1と同様にし
て室温にてマグネティックスターラーで2時間攪拌し
た。処理後の液につき、可視スペクトルの極大吸収波長
における吸光度を、処理前の吸光度と比較し着色度を比
較した。
【0052】その結果を表5に示した。
【0053】
【表5】
【0054】[比較例2]実施例3において、本発明に
係る縮合物の代わりにポリ塩化アルミニウム(PAC)
あるいはポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド
〔分子量約10万、センカ(株)製,ユニセンスCP−1
03(商品名)〕加えた以外は同様に処理した。処理後
の着色度を比較した。その結果を表6に示した。
【0055】
【表6】
【0056】本発明に係る縮合物を用いると、pHを6
に調整することにより、pH未調整(8.8〜11.
7)の場合より、着色度が小さく良好な染料除去を達成
することが出来る。一方、比較に用いたポリ塩化アルミ
ニウム、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド
では、pHを調整することにより僅かな染料除去効果の
向上がみられたにすぎなかった。
【0057】[実施例4](均染剤の濃度変化) 浸透、均染、脱気、消泡などの機能を持つ各種均染剤を
含む水溶液を本発明に係る縮合物で処理し、処理前後の
水中に含まれる各均染剤の濃度を比較した。
【0058】試験には、浸透・均染剤〔チバ スペシャ
ルティ ケミカルズ社製,「Invadin LU ex
tra」(商品名)〕200ppm、脱気・消泡・浸透
剤〔チバ スペシャルティ ケミカルズ社製,「Ciba
flow JET」(商品名)〕500ppm、脱気浸透
剤〔チバ スペシャルティ ケミカルズ社製,「Alba
tex FFO」(商品名)〕500ppmを含む水溶液
をそれぞれ調製し、これらの水溶液にククルビツリル前
駆物質2000ppm、あるいはククルビツリル800
0ppmを加えて2時間撹拌した。処理液中の濃度を全
有機炭素(TOC)濃度として測定し、処理前のTOCと
比較し、均染剤残留率(%)を求めた。その結果を表7
に示した。
【0059】
【数3】
【0060】
【表7】
【0061】本実験の結果からみられるように、処理前
後にTOCの変化がほとんどなく、本発明に係る縮合物
で処理しても水中に含まれている各均染剤濃度は実質変
化ないことが分かる。従って、これら染色助剤が含まれ
ている染色残液に本発明に係る縮合物で処理をしても濃
度の変化がなく、本発明方法で処理した後の水を再度染
色工程で使用できることが了解されよう。
【0062】[実施例5](縮合物粉体の再生) 染料を10ppm含有する水溶液を調製し、ここに本発
明に係る縮合物を粉末のまま添加し、室温にてマグネテ
ィックスターラーで2時間攪拌し縮合物中に染料を充分
に包含させた。濾過して縮合物を取り出した後、濾液の
可視スペクトルの極大吸収波長における吸光度を測定
し、処理前の染料水溶液の吸光度と比較し、下記式によ
り脱色率(%)を求めた。本試験において縮合物は、該
染料水溶液を完全脱色するに要する量よりも少なくし、
縮合物中への染料取り込み能力を飽和になるようにし
た。
【0063】
【数4】
【0064】次に、染料を取り込んだ縮合物に対して表
8に示した各種溶剤をおよそ500倍量(重量比)加
え、約70℃に加熱しながら、2時間撹拌した。濾過
し、水で洗浄した後、減圧乾燥し、再生縮合物を得た。
【0065】このようにして回収した再生縮合物につい
て、最初の脱色に用いたのと同じ重量となるようにと
り、染料水溶液に加え、同じ条件で脱色試験を行ない、
脱色率(%)を求めた。
【0066】上記の再生操作を繰り返し行ない、再生縮
合物による染料水溶液の脱色を行なった。結果を表8に
まとめた。
【0067】
【表8】
【0068】この結果から、縮合物中に取り込まれた染
料はホルムアミド、DMF、DMSO、エチレングリコ
ール等の水溶性有機溶剤、および1/100N水酸化ナ
トリウム水溶液、1/1000N炭酸カリウム水溶液等
のアルカリ水溶液により除去され、再生された縮合物は
染料除去剤として繰り返し使用が可能であった。水溶性
有機溶剤の中でも、特にホルムアミドが優れており、ホ
ルムアミドで2回の再生処理をしても、縮合物による
染料水溶液の脱色効果の低下が見られなかった。
【0069】一方、メタノール、N−メチル−2−ピロ
リドンでは縮合物中の染料をほとんど除去することがで
きず、縮合物の再生は実質できなかった。
【0070】[実施例6](縮合物をカラムに充填した
まま再生) (a)ククルビツリル前駆物質0.3gとシリカゲル〔粒
径63−200μm、メルク社製〕2.0gを、あるい
は(b)ククルビツリル1.2gとシリカゲル7.2g
を、20mLの水と共に混合した後、それぞれ内径15
mmのガラスカラム(ガラスフィルター付)に注ぎ、充
填した。
【0071】染料100ppmを含む染料水溶液を調製
し、室温にてカラム上部よりゆっくり流し、下部から着
色のない処理液を得た。処理液は適時可視スペクトルを
測定し、実施例5と同様に脱色率を求め、脱色率が90
%以上であることを確認しながら行なった。脱色率が9
0%となった時点で終了し、処理液の量を測定した。
【0072】次いで、カラム上部から再生用の各種溶剤
をゆっくりと流し、カラム中に取り込まれている染料の
抽出を室温にて行なった。下部から流出する液に着色が
なくなるまで溶剤を加え洗浄した後、更に少量の水で洗
浄し、カラム内に残存している溶剤を除去した。
【0073】このようにして再生したカラム内の縮合物
に再び同じ種類の染料水溶液をカラム上部からゆっくり
と流し、同様に脱色率が90%となるまでの処理液の量
を測定した。
【0074】上記操作を繰り返し行ない、カラムに充填
した再生縮合物による染料水溶液の脱色処理液量を求め
た。処理液量が多いほど、脱色処理能力が高いことを示
す。結果を表9に示した。
【0075】
【表9】
【0076】この結果から、縮合物はカラムに充填した
ままで、ホルムアミド、1/100N水酸化ナトリウム
水溶液で洗浄することによって染料を除去でき、再度脱
色処理に使用出来る。特にホルムアミドによって洗浄し
た場合が優れていた。再生した縮合物は、回数を重ねる
毎に少しずつ処理量は減少していくものの、繰り返し5
回以上使用可能であった。
【0077】[実施例7](処理後の染色残液の再度染
色に使用する場合の布地への着色の影響) 表10に示すような2種の模擬液を調製し被処理液とし
た。ここでは実際の染色における染料固着率をRedの
場合70%,Blackの場合60%として染色残液を
想定し、模擬液の染料濃度を決定し、更に実際の染色残
液に起きる染料の加水分解を考慮し、98℃で60分間
加熱処理を施した。
【0078】
【表10】
【0079】被処理液に硫酸を加えてpHを6に調整し
てから、本発明に係る縮合物の粉末を所定量添加し、室
温にてマグネティックスターラーで1時間攪拌した。処
理後の液につき、実施例1と同様に残色率(%)を求め
た。
【0080】次いでこのようにして処理した液を再度染
色に使用する際の繊維に及ぼす着色影響を確認するた
め、処理後の液を用いて未シルケットコットンニット白
布を一般的な染色方法にて処理し、白布への着色の影響
を調べた。
【0081】白布に対して、その重量の15倍量(浴比
1:15)の処理後の液を投入し、60℃で45分間加
熱処理した。次いで2%相当量の炭酸ナトリウムを添加
し、60℃で60分間加熱処理した。その後水道水の流
水中で布を十分に水洗し、脱水、乾燥させ、水洗上がり
布とした。また、水洗した布を洗浄剤(日華化学(株)
製,「リポトール RK−5(商品名)〕0.2%水溶液
にて、80℃で20分間ソーピングした後、水洗、脱
水、乾燥させ、ソーピング上がり布とした。
【0082】水洗上がり布、ソーピング上がり布それぞ
れについて、処理前の白布を基準として色差を求めた。
色差は、色差計〔マクベス社製,「カラーアイ(CE)
7000」(商品名)〕を用い、布の明度指数(L*)、
およびクロマテイクネス指数(a*,b*)から次式により
求めた(日本工業規格 JIS Z−8729,198
0)。その結果を表11に示した。
【0083】
【数5】
【0084】
【表11】
【0085】色差が0.5以下では目視により色の差が
認められないとされており、処理後の液による白布への
着色の影響は実質なく、本発明に係る縮合物で処理した
染色残液は再度染色に使用しても問題ないことが明らか
となった。
【0086】
【発明の効果】本発明に係る縮合物は、これを染色残液
に添加し攪拌した後、固液分離する操作により、あるい
はシリカゲル等の担体と共に充填したカラムに染色残液
を流す操作によって、染色残液中の染料を選択的に除去
し、しかも同時に含まれている染色助剤に影響を及ぼさ
ないことから、処理後の水は染色工程に戻し、再使用す
ることが可能となった。縮合物は水に不溶であることか
ら、処理後の水と縮合物との分離は容易である。また、
使用後の染料を取り込んだ該縮合物は、本発明に記載し
た特定の水溶性有機溶剤および/あるいは特定のアルカ
リ化合物の1/10000〜1/10規定水溶液と接触
させることにより、染料を除去し再生することができ、
再度着色水を脱色する工程に染料除去剤として使用可能
となった。本発明方法によって、染色残液は脱色処理さ
れて再び染色工程の染色浴に循環使用することが可能と
なり、水の節減、周辺環境への影響軽減、廃水処理コス
トの低減、染色助剤の有効利用が可能になるなど、益す
るところが大きいと言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 龍太郎 大阪府大阪市西区新町1−1−17 ナガセ テクノカラー株式会社内 Fターム(参考) 4D015 BA02 BA15 BB05 CA08 DB26 DC04 EA13 EA17 4D062 BA02 BA15 BB05 CA08 DB26 DC04 EA13 EA17 4H057 AA02 CA29 CB10 CB13 CB14 CB19 CB22 CB34 CB45 CB46 CB50 CC03 GA13 GA24 HA04 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)染色工程から排出された染料と染色
    助剤とを含む染色残液をグリコールウリルとホルムアル
    デヒドとの縮合物と接触させる工程、(2)該処理後の染
    色残液を、染料を取り込んだグリコールウリルとホルム
    アルデヒドとの縮合物と処理水とに分離する工程、およ
    び(3)脱色された処理水を染色工程に戻す工程からなる
    ことを特徴とする染色残液の再使用方法。
  2. 【請求項2】 染色残液のpHを3〜7に調整した後に
    グリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物と接触
    させることを特徴とする請求項1記載の染色残液の再使
    用方法。
  3. 【請求項3】 グリコールウリルとホルムアルデヒドと
    の縮合物が、ククルビツリル前駆物質である請求項1ま
    たは2記載の染色残液の再使用方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の染色残液の再使用方
    法において、(2)工程によって処理水と分離された、染
    料を取り込んだグリコールウリルとホルムアルデヒドと
    の縮合物を、下記(A)群より選ばれた1種以上の水溶性
    有機溶剤および/あるいは下記(B)群より選ばれた1種
    以上のアルカリ化合物の1/10000〜1/10規定
    水溶液と接触せしめて該縮合物から染料を除去すること
    よりなるグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合
    物の再生方法。 A群:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
    ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレ
    ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
    リコール、テトラエチレングリコール B群:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
    ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
    リウム
  5. 【請求項5】 グリコールウリルとホルムアルデヒドと
    の縮合物が、ククルビツリル前駆物質である請求項4記
    載のグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物の
    再生方法。
  6. 【請求項6】 グリコールウリルとホルムアルデヒドと
    の縮合物が、請求項4〜5記載のいずれかの方法で再生
    したグリコールウリルとホルムアルデヒドとの縮合物で
    ある請求項1〜3記載の染色残液の再使用方法。
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