JP2001146063A - 判 子 - Google Patents

判 子

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JP2001146063A
JP2001146063A JP32884399A JP32884399A JP2001146063A JP 2001146063 A JP2001146063 A JP 2001146063A JP 32884399 A JP32884399 A JP 32884399A JP 32884399 A JP32884399 A JP 32884399A JP 2001146063 A JP2001146063 A JP 2001146063A
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JP32884399A
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Tsutomu Tanaka
田中  勉
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Tanaka Ltd
Original Assignee
Tanaka Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一部が透光性を有する判子の内部
に所望の文字や図形などが表示可能な判子に係わり、特
に、印影の上下方向や判子の種類を一度に認識しうる極
めて簡単な構造の判子を提供することにある。 【解決手段】 判子は、端部に印影が形成されると共に
少なくとも一部に吸収された光のエネルギーによって透
明度または色の変化可能な透光性材料を有する。判子
は、透光性材料の内部で集束される光ビームが照射され
て、この光ビームの集束される局部の透明度または色が
変化されて、透光性材料の内部に文字及び/又は図形を
表示している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一部が
透光性を有する判子の内部に所望の文字や図形などが表
示可能な判子に係わり、特に、印影の上下方向や判子の
種類を一度に認識しうる極めて簡単な構造の判子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、科学技術の発展に伴い電子承認の
技術が発達しつつあるものの、証明書や宅配便の受け取
りなどの確認には、判子が専ら用いられている。宅配便
の利用増などに伴い判子の重要性は、ますます増えてい
る。
【0003】このような判子は、木、金属、各種樹脂や
動物の牙などを材料として多角柱や円柱状などの端部に
印影が形成されたものが一般的である。判子には通常そ
の印影に上下左右がある。判を押す場合には十分に注意
しなければ印影が傾いたりして、判子が綺麗に押すこと
ができない。そのため、押印時に印影が正しい位置にな
るように判子の一部を切り欠くことが行われている。し
かし、このような切り欠きは、認識し難い。また、認識
しやすくさせようと切り欠きを大きくさせると判子を押
し難くなるという問題が生ずる。また、印影に付着した
インクのふき取りなどにより傷がついたり磨耗する場合
もある。
【0004】また、別の判子として、図15に示すよう
に判子形成時に例えば半円柱形状の透明樹脂91の一方
に氏名などの所望の文字92を印刷する。その後、他の
半円柱形状の透明樹脂91を張り合わせる。張り合わさ
れる略円柱状の端部に印影93を持った判子を形成する
ことも考えられる。このような判子は、インクのふき取
りによっても内部に表示された文字などが消えることが
ない。しかしながら、張り合わせなどによって形成させ
る判子は、判子形成時に文字の印刷等をしなければなら
ない。一度形成させた判子の内部には文字等が表示でき
ないため、極めて量産性が悪く工程数も多い。また、水
溶性のインクなどを利用した場合には半円柱状の接合界
面からインクのしみ込みが生じ印字面が不明確となる場
合がある。このような染み込みは印字面が不明確となる
だけでなく見栄えも極めて悪くなるという問題がある。
【0005】そこで、本発明は極めて簡単な構成によっ
て、見栄えよく印影の位置や種類などが表示できる判子
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、端部に印影を
持った少なくとも一部が透光性を有する判子である。特
に、透光性材料の内部に、文字及び/又は図形を、透光
性の程度または色を変化させることによって表示させた
判子である。文字及び/又は図形は、透光性材料の内部
で光ビームを集束するように照射して、集束された光ビ
ームエネルギーで、透光性材料の透明度または色が変化
されて、内部に文字及び/又は図形を表示している。光
ビームは、細く集束された状態で透光性材料の内部に照
射されない。所定の広がりのある光ビームで透光性材料
に照射されて、内部で集束される。集束された光ビーム
は、集束点で局部的に光のエネルギー密度が高くなり、
透光性材料の透明度または色を変化させて、文字及び/
又は図形を表示する。
【0007】光ビームを内部に集束して、透光性材料の
内部に表示される文字及び/又は図形は、消えることが
ない。また、内部にインクが染み込むこともない。さら
に、判子を押す場合における印影の位置関係を正確に認
識させることができると共に複数の判子を所有する場合
においても、どのような判子であるかを比較的簡単に判
別することができる。
【0008】本発明の判子は、透光性材料の内部の表示
させたい文字及び/又は図形が、印影に表示された文字
及び/又は図形と実質的に同一とすることにより、印影
に表示された氏名、社名、図形などを判別し、瞬時に所
望の判子を視認させることができる。
【0009】また、本発明の判子は、光ビームの集束点
を制御して、透光性材料の内部に表示している文字及び
/又は図形を、3次元的に表示することもできる。この
判子は、2次元的に表示させた文字や図形などを表示さ
せたものに対して、表示させたい文字や図形などを立体
的に認識させることができる。そのため、あらゆる角度
から表示させた文字や図形を簡単に把握することができ
る。
【0010】さらにまた、本発明の判子は、透光性材料
の曲面を有する表面上から光照射によって内部に表示さ
せたい文字及び/又は図形を形成させることもできる。
この判子は、持ちやすい形状の判子や任意のキャラクタ
ー形状を有する判子内部においても文字及び/図形が明
確に表示された判子とすることができる。
【0011】本発明の判子は、レーザー光線ではなく
て、透光性材料に、近紫外線、可視光線、赤外線のいず
れかの光ビームを照射して内部に文字及び/又は図形を
表示する。レーザー光線は、エネルギー密度が高く、し
かも、細く絞られた光ビームであるために、これを透光
性材料に照射すると、光ビームが透過する部分で透光性
材料の透明度や色が変化してしまう。このため、透光性
材料の内部に、スポットとして鮮明な文字及び/又は図
形を表示するのが難しい。とくに、光ビームを照射する
軸方向での位置制御が難しい。したがって、表示される
文字及び/又は図形は、光ビームの方向に厚くなって、
透光性材料の内部で正確な面に表示するのが難しい。
【0012】これに対して、近紫外線、可視光線、赤外
線等の光線は、所定の面積を照射する太い光ビームとし
て、透光性材料を照射し、この太い光ビームを集束し
て、透光性材料の内部でスポットに集束できる。このた
め、光ビームは、これが透過する通路で透光性材料の透
明度や色を変化させることがなく、集束されたスポット
においてのみ、透明度等を変化させて、内部に鮮明に文
字及び/又は図形を表示できる。さらに、近紫外線、可
視光線、赤外線は、ランプ等で発光できるために、レー
ザー光線とは比較にならないほど安価な装置で、透光性
材料の内部に文字及び/又は図形を表示できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、透光性の部材中に任
意の文字及び/又は図形などを描画させることによっ
て、視認性や取り扱い性に優れた判子とすることができ
ることを見いだしたものである。以下、本発明の実施形
態を示すが、本発明は、これのみに限定されないことは
いうまでもない。
【0014】図1に示す判子11は、透光性材料14を
柱状に成形しており、端部に印影13を形成している。
透光性材料14は、吸収された光のエネルギーによって
透明度または色の変化可能な透光性の部材を使用してい
る。判子11は、透光性材料14に光ビームを照射し、
この光ビームを内部で集束して、光エネルギーを局部的
にスポットに集中させて、透光性材料14の透明度また
は色を変化させて、内部に文字及び/又は図形12を形
成している。ただし、判子は、必ずしも全体を透光性材
料で成形する必要はない。判子は、少なくとも一部に透
光性材料を有するように成形することもできる。
【0015】透光性材料14は、光のエネルギーによっ
て変質するもので、具体的には、ガラス、水晶、サファ
イアなどの無機結晶材料、あるいは、エポキシ樹脂、ア
クリル樹脂、ビニル樹脂など種々の合成樹脂を利用する
ことができる。これらの透光性材料は、スポットに集束
された光エネルギーで変質されて、判子11の内部に他
の部分とは透光性の異なる白濁部をつくり出すことがで
きる。白濁部は、外来光の反射、散乱、吸収などにより
光透過率の低い部位で、照射された光ビームのエネルギ
ーを集中させることによって、透光性材料14が変質し
てできる。透光性材料14は、この白濁部によって、文
字及び/又は図形12を内部に設けている。
【0016】描画させる文字や図形は、照射する光ビー
ムの出力及び照射時間などを変えることによって任意に
選択することができる。すなわち、光ビームの出力を大
きくすると文字や図形として表示される判子内部の光透
過率が変化した部位が大きくなり線が太くなる。逆に、
光ビームの出力を小さくさせると判子内部の透過率が低
下した部位が小さくなり線が細くなる。同様に、同じ出
力でも照射時間を長くすれば長くするほど、文字及び/
又は図形の線を太くすることができる。
【0017】さらに、透光性材料をガラス製とする判子
は、ガラスに釉薬を含有させて、光ビームで、文字及び
/又は図形を種々の色で表示できる。このガラスは、ス
ポットに集束された光ビームの光エネルギーで釉薬を加
熱して、文字及び/又は図形を表示する部分を発色させ
る。したがって、この判子は、光ビームを透光性材料の
内部でスポットに集束して釉薬を加熱し、釉薬を発色さ
せて文字及び/又は図形を透光性材料の内部に表示す
る。
【0018】さらに、透光性材料は、温度で発色の異な
る釉薬をガラスに含有させることもできる。この透光性
材料は、照射する光ビームの出力、あるいは、照射時間
を変化させて釉薬の加熱温度を制御して、文字及び/又
は図形の色を変化させる。たとえば、光ビームの出力を
大きくし、あるいは、照射時間を長くすると、照射部分
の温度が高くなって、高温で発色する色に変化する。逆
に、光ビームの出力を小さくし、あるいは、照射時間を
短くすると照射部分の温度が低くなって低温で発色する
色に変化する。この構造の判子は、透光性材料の内部
に、異なる色のカラーで文字及び/又は図形を描画でき
る。
【0019】さらに、本発明の判子は、多種類の釉薬を
含有するガラスを積層して透光性材料とすることもでき
る。この判子は、図2に示すように、異なる発色の釉薬
を含有しているガラスを多層に積層して溶着する。この
判子21は、以下のようにして成形できる。
【0020】 図3に示すように、異なる釉薬を含有
する板ガラス25を板状に製作する。 異なる釉薬を含む複数枚の板ガラス25を、積層し
て焼成炉で加熱し、積層しているガラスを溶着してガラ
スブロック26を製作する。 このガラスブロック26を所定の形状にカットする
と、異なる釉薬を含有するガラスが積層された判子21
となる。ガラスブロック26を図に示すように切断する
と、軸方向に垂直に板状のガラスを積層した判子21と
なる。ただ、判子は、軸方向と平行に積層したものとす
ることもできる。 この判子21は、内部でスポットに集束する光ビー
ムの集束点を変化させて、各層のガラスに複数の色を発
色させて、文字及び/又は図形22を形成することがで
きる。
【0021】この構造の判子21は、複数の色によっ
て、透光性材料24の内部に形成される文字及び/又は
図形22を多彩に、しかも、3次元的に描画できる。と
くに、透光性材料24の各層によって発色が異なるの
で、発色させる色と場所とを種々に調整して、遠近感の
ある状態で描画できる特長がある。
【0022】透光性材料を照射する光ビームは、近紫外
線、可視光線、または、赤外線である。これ等の光ビー
ムは、放電ランプ、フィラメントを加熱するランプ、発
光ダイオード等の光源から放射される。放電ランプは近
紫外線の照射に適している。フィラメントを加熱するラ
ンプは可視光線と赤外線の照射に適している。この主の
ランプはハロゲンランプが適している。発光ダイオード
は可視光線の照射に適している。光源は、単一のランプ
で光エネルギーが小さい場合、複数を集合して使用す
る。複数の光源から照射される光ビームは、レンズや反
射鏡で透光性材料の内部に集束される。
【0023】光源から照射される光ビームは、透光性材
料の内部でスポットに集束するように照射される。内部
でスポットに集束される光エネルギーは、判子内部の透
光性材料を局部的に加熱する。光ビームはレンズで集束
される。集束される光ビームは、その焦点の近傍のみ選
択的に構造を変質したり、色を変化させることができ
る。
【0024】光ビームを透光性材料の内部に集束させる
光照射部を図4に示す。この図の光照射部は、ランプ4
2の光を反射鏡44で反射して平行光線として、これを
凸レンズ45で透光性材料14の内部に集束させる。こ
の構造は、ランプ42の発光を有効に利用できる。
【0025】さらに、ランプの光は集束して光ファイバ
ーで伝送することもできる。光ファイバーで伝送される
光ビームは、図5に示すように、一旦拡散させてから集
束する。細く集束された光ビームを透光性材料に照射す
ると、光ビームの通路で透光性材料が変質してしまうか
らである。この図に示す光照射部は、光ファイバー43
から放射される光ビームを拡散する凹レンズ46と、凹
レンズ46で拡散された光ビームを集束する凸レンズ4
5とを備える。この光照射部は、光ビームを透光性材料
のスポットに集束して、判子の内部に高い精度で光エネ
ルギーを集中できる。このように、一点に集中するエネ
ルギーは、スポットの集束点の近傍における透明度や色
の変化を防止して、いいかえると、より正確な場所で透
明度や色の変化させて、文字及び/又は図形を鮮明に表
示できる特長がある。
【0026】光ファイバーから照射される光ビームは、
図6に示すように、凸面鏡47で反射して拡散させるこ
ともできる。図に示す凸面鏡47は、反射面が凸状に湾
曲された面で、光ファイバー43から照射される光ビー
ムを拡散しながら反射している。凸面鏡47は、反射面
の曲率半径を変更して光の拡散率を変更できる。
【0027】さらに、光源から照射される光ビームは、
図7に示すように、凹面鏡48で反射して集束すること
もできる。図に示す凹面鏡48は、凹状に湾曲された球
面の内側を反射面としている。この凹面鏡48は、球面
の曲率半径を変更して焦点距離を変更する。さらに、凹
面鏡で拡散光を集束する光照射部は、凹面鏡の角度を微
調整することによって焦点の位置を変更して、透光性材
料の内部に文字及び/又は図形を描画することもでき
る。
【0028】
【実施例】[実施例1]水平方向に移動可能なxy水平
ステージと、互いに直交するx軸及びy軸と垂直をなす
z軸方向に焦点が移動可能な光照射部とを有する光照射
装置を本実施例1に用いる。具体的には、図8に示す如
く端部に所望の氏、名などの凹凸が形成され透明な水晶
からなる四角柱の判子11を、光照射装置のxy水平ス
テージ15に固定する。判子11は、所望の文字の凹凸
が形成された端部と垂直な略水平面に光照射部16から
光ビームが照射可能となるように固定させる。すなわ
ち、光照射面16は照射される光ビームと略垂直であ
る。判子11を固定させたxy水平ステージ15は、固
定させた判子11の水平面を保ちながら、水平方向の任
意の位置に移動させることができる。これによって、垂
直方向の光照射部16から照射した光照射エネルギーを
被照射体である判子11の同一平面において任意に照射
させることができる。
【0029】照射された光ビームは、透光性の判子内部
で集束されて、光エネルギーがスポットに集束される部
分で、透明度または色を変化させる。特に、光ビームが
レンズによって集束される集束点ではエネルギーが集中
するため、その部位近傍のみ選択的に構造を変質して透
明度または色を変化させることができる。このため、判
子内部に他の部分とは透光性の異なる光透過率の低い部
位をつくり出すことができる。光照射部16から光ビー
ムを断続的に照射しつつ、判子11を固定させたxy水
平ステージ15を移動させることで、図1の如く透明な
判子11内部に周りよりも光透過率の低い部位を選択的
に形成させる。
【0030】図に示す判子は、光透過率の低い部位を用
いて端部に設けられた印影13と同じ任意の文字12に
描画している。光透過率の低い部位である所望の文字1
2などは、光照射による厚みがあるものの判子11内部
にほぼ2次元的に描画されている。このような描画は、
判子11の表面に形成されるものではない。そのため、
インクの付着をふき取る場合においても消えることがな
く、インクが内部に染み込むこともない。
【0031】さらに、図8における光照射部16をz軸
に沿って上下させる、あるいは光照射部16から照射さ
れる光ビームを集束させるレンズ焦点を変えることによ
り、図1に記載した判子11の内部において、光透過率
の低い部位を、任意の深さ方向に形成させることもでき
る。これによって、比較的簡単に所望の文字などを描画
することができる。
【0032】[実施例2]実施例1と同様にしてxy水
平ステージ15と、互いに直交するxy軸と垂直をなす
z軸方向に移動可能な光照射部16とを有する光照射装
置を用いる。具体的には、図9に示す如く、あらかじめ
判子31の印影33(模式的に波線で示す)を構成する
凹凸加工された印影形成部35であるゴムを四角柱か
つ、透明な透光性材料34の端部に張り合わせる。判子
31は、印影を形成するゴム35と対向する水平な端面
が光照射部16から光ビームが照射可能となるように図
10の如く固定させる。判子31内部に焦点が合うよう
に光照射部16のレンズを移動させる。本実施例では、
図9に示す如く、xy水平ステージ15を移動させるこ
とによって、光透過率の低い部位を利用して、印影に表
示させた文字とは別の図形32(ここでは、郵便マーク
を図示してある)を描画させてある。このような図形
は、社章などの他、各種キャラクターなど任意に設定さ
せることができる。
【0033】このような判子31は、比較的簡単に形成
させることができる。特に、本実施例の判子31は、複
数の判子を所有する場合、どの判子がどのような用途に
利用できるかを判子ごとに識別できる文字(個人名、会
社名など)、記号や図形などを描画することもできる。
また、同じ氏の個人ごとの判子を識別し視認させること
もできる。
【0034】[実施例3]続いて、任意の形状の判子内
部に表示させたい文字や図形などを描画させる本発明の
実施例3について、図11と図12に基づいて詳述す
る。実施例1と同様に、水平方向に移動可能なxy水平
ステージ15と、互いに直交するxy軸と垂直をなすz
軸方向に移動可能な光照射部16とを有する光照射装置
を用いる。具体的には、端部に所望の氏、名などの凹凸
が形成され透明な略円柱体である判子51を、光照射装
置のxy水平ステージ15に固定する。判子51は、端
部に形成された所望の氏などを押印する場合に、押印の
上方が分かるように円柱部分が光照射部16から光が照
射可能となるように固定させる。円柱部分など曲面を含
む任意の面から光を照射させる場合、レンズ効果によっ
て所望通りの任意の文字や図形を表示させることが難し
い。そのため、光照射面は、照射された光と略垂直とす
べく任意に判子を動かすことができる固定持具や、図1
2に示す如く光ビームが照射される判子51とほぼ同じ
屈折率の液64体が入った水槽66中などにxy水平ス
テージ15に固定された判子51を漬けた状態で駆動さ
せることにより、任意の形状の判子51においても判子
51内部に所望の文字及び/又は図形52を表示させる
ことができる。
【0035】本実施例では、xy水平ステージ15を固
定させるかわりに、光照射部16をxy方向に任意に駆
動させることができる駆動装置65に付けてある。その
ため、光ビームを照射させつつ、xy方向に光照射部1
6を移動させると所望の文字及び/又は図形52を判子
51内部に2次元的に描画させることができる。このよ
うな描画は判子51の表面に形成されるものではないた
め、インクの付着をふき取る場合においても消えること
がない。また、屈折率のほぼ近い液体64中に漬け込ん
で描画する。そのため、光照射される判子51の曲面形
状によらず、任意の曲面を有する判子形状の内部にも所
望の光透過率の低い部位を形成させることができる。
【0036】さらに、光照射部16をz軸に沿って上下
させる、或いは光照射部16から照射される光ビームを
集束させるレンズを移動させるなどで焦点を変え判子5
1の深さ方向に光透過率の低い白濁部を形成させること
もできる。すなわち、任意の深さに2次元的に文字など
を描画させるものだけでなく、判子51内部に3次元的
に所望の文字及び/又は図形52を立体的に白濁表示さ
せることができる。したがって、図11に示す如く、判
子51内部に光透過率の低い部位を利用して、どの角度
から見ても瞬時に表示を認識させ印影の上下左右が分か
る。
【0037】[実施例4]光照射装置は実施例1に示し
たxy水平ステージ15を自由に駆動させることによっ
て所望の画像等を描画するものに代え、本実施例は図1
4に示す如く光照射部16からの光を回転自在なミラー
によって反射させ、ミラーの角度を変えることによって
所望の画像等を描画する。より具体的には、実施例1と
同様にしてxy水平ステージ15上に判子71を固定さ
せる。次に、xy水平ステージ15を駆動させることな
く固定させたまま、判子71に光が照射されるよう光照
射部16から照射させた光(斜線で示す。)を少なくと
も2種類の偏向ミラーで反射させる。互いに直交するx
方向に光を偏向する第一偏向ミラー82の角度を変える
とx方向に光を自由に照射できる。次に、y方向に光を
偏向する第二偏向ミラー83の角度を変えるとy方向に
光を自由に照射できる。これら角度を変えることによっ
て、判子71内部に表示させたい文字及び/又は図形7
2を描画させることができる。
【0038】なお、本実施例では図13で示す如く、内
部に文字及び/図形72を表示させる部位だけ透光性部
材74で形成させ、残りの判子部分を象牙等の不透光性
部材75で形成させてある。この場合、印影73の部分
のすり減りが少ないため長期間にわたって使用すること
ができる。また、象牙の色を暗色系等に選択させること
によって、透光性材料74の内部に表示された文字及び
/又は図形72の視認性を向上させることもできる。
【0039】
【発明の効果】本発明の判子は、極めて簡単な構成によ
って、見栄えよく印影の位置や種類などが表示できる。
それは、本発明の判子が、少なくとも一部が透光性を有
し、透光性の程度を変化させることによって、透光性材
料の内部に表示させたい文字及び/又は図形を表示させ
ているからである。このため、内部に表示される文字な
どが消えることもなく、しかも、内部にインクが染み込
むこともない判子とすることができる。さらに、印影の
位置を正確に認識しながら判子を押すことができると共
に、複数の判子を所有する場合においても、判子の判別
を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の判子の模式的斜視図
【図2】異なる発色の釉薬を含有するガラスを多層に積
層して制作された判子の一例を示す斜視図
【図3】図2に示す判子を製作する工程を示す斜視図
【図4】光ビームを透光性材料の内部に集束させる光照
射部の一例を示す概略図
【図5】光ビームを透光性材料の内部に集束させる光照
射部の他の一例を示す概略図
【図6】光ビームを透光性材料の内部に集束させる光照
射部の他の一例を示す概略図
【図7】光ビームを透光性材料の内部に集束させる光照
射部の他の一例を示す概略図
【図8】本発明の実施例1の判子を形成させる装置を示
す模式的斜視図
【図9】本発明の実施例2によって形成された判子の模
式的斜視図
【図10】本発明の実施例2の判子を形成させる装置を
示す模式的斜視図
【図11】本発明の実施例3によって形成された判子の
模式的斜視図
【図12】本発明の実施例3の判子を形成させる装置を
示す模式的斜視図
【図13】本発明の実施例4によって形成された判子の
模式的斜視図
【図14】本発明の実施例4の判子を形成させる装置を
示す模式的斜視図
【図15】本発明と比較のために示す判子の模式的斜視
【符号の説明】
11、21、31、51、71・・・判子 12、22、32、52、72・・・文字及び/又は図
形 13、33、73・・・印影 14、24、34、74・・・透光性材料 15・・・xy水平ステージ 16・・・光照射部 25・・・板ガラス 26・・・ガラスブロック 35・・・印影形成部 42・・・ランプ 43・・・光ファイバー 44・・・反射鏡 45・・・凸レンズ 46・・・凹レンズ 47・・・凸面鏡 48・・・凹面鏡 64・・・液体 65・・・駆動装置 66・・・水槽 75・・・不透光性部材 82・・・第一偏向ミラー 83・・・第二偏向ミラー 84・・・レンズ 91・・・半円柱形状の透明樹脂 92・・・文字 93・・・印影

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に印影が形成されると共に少なくと
    も一部に吸収された光のエネルギーによって透明度また
    は色の変化可能な透光性材料を有する判子であって、 前記透光性材料の内部で集束される光ビームが照射され
    て、この光ビームの集束される局部の透明度または色が
    変化されて、透光性材料の内部に文字及び/又は図形が
    表示されてなることを特徴とする判子。
  2. 【請求項2】 前記透光性材料の内部に表示された文字
    及び/又は図形が、印影に表示された文字及び/又は図
    形と実質的に同一である請求項1に記載の判子。
  3. 【請求項3】 前記透光性材料の内部に表示された文字
    及び/又は図形が、透光性材料の内部で3次元的に表示
    されていることを特徴とする請求項1に記載の判子。
  4. 【請求項4】 前記透光性材料の曲面を有する表面上か
    ら光照射によって内部に表示させたい文字及び/又は図
    形を形成させた請求項1に記載の判子。
  5. 【請求項5】 前記透光性材料に近紫外線、可視光線、
    赤外線のいずれかの光ビームを照射して内部に文字及び
    /又は図形を表示している請求項1に記載の判子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002144685A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Hideharu Sonoda 印材、印鑑、およびそれらの製造方法

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JP4646010B2 (ja) * 2000-11-14 2011-03-09 秀晴 園田 印材の製造方法および印鑑の製造方法

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