JP2001145695A - 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具およびその製造方法 - Google Patents
湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具およびその製造方法Info
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Abstract
有し、かつ安全性の高い医療用具を提供する。また、医
療用具の基材に対する制限が殆どなく、潤滑性を発現す
る親水性高分子化合物或いは、水溶性又は水膨潤性高分
子物質を基材表面に簡便にコーティングできる医療用具
の製造方法を提供する。 【解決手段】分子内に少なくとも1個のカルボニル基又
はヒドラジン残基を含有する親水性高分子化合物と、分
子内に少なくとも2個のヒドラジン残基又はカルボニル
基を含有する架橋剤を反応させ、これらの反応生成物か
らなる表面潤滑層を形成する。或いは、分子内に少なく
とも1個のカルボニル基又はヒドラジン残基を含有する
化合物と架橋剤との反応生成物と、水溶性または水膨潤
性高分子物質との相互侵入網目構造を形成し、表面潤滑
層を形成する。
Description
製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は医療用具の
材料表面に存在している高分子化合物により、湿潤時に
潤滑性の優れた効果を発現する医療用具及びその製造方
法に関するものである。
医療材料においては、組織損傷の低減化や操作性の向上
を目的として、その表面の摩擦抵抗の低減化が要求され
ることから表面の潤滑化が必須の項目となっている。
しては、材料自体が低摩擦材料であるテフロンなどを使
用する方法、或いは基材表面に各種オイルを塗布する方
法が用いられてきた。しかしながらこれらの方法では、
摩擦抵抗の低減化が十分でなかったり、潤滑性が持続し
ないといった欠点があった。
をコーティングすることにより表面の潤滑性を得る方法
がある。このようなコーティングでは、上記のテフロン
等やオイル塗布といった処理法よりも潤滑性においては
優れているものの、耐久性に問題があると考えられてい
る。このため、その耐久性の向上を解決するものとし
て、いくつかの方法が挙げられている。
示される親水性重合体のポリビニルピロリドン(PV
P)と反応性官能基のイソシアネート基を用いて網目状
に化学結合を形成させてPVPを基材表面に固定化する
表面潤滑化方法が開示されており、特公昭59-193766号
公報には、ポリエチレンオキサイド(PEO)とイソシ
アネート基を用いた反応による表面潤滑化方法が開示さ
れている。また、特公平1-55023号公報には、官能基を
有する二種以上のモノマーからなる共重合体とイシシア
ナート基を組み合わせて塗布することによる表面潤滑化
方法が開示されている。
アナートに代表される反応性の高いプロトン受容性官能
基とプロトン供与性官能基の反応を使用しているため、
溶媒が非プロトン供与性の有機溶媒に限定されてしまう
だけでなく、コーティング操作の複雑化、コート溶液或
いは作業域の厳密な水分管理が必要であるといった問題
点があった。
リウレタンのエマルジョンを用いて、イソシアナート基
(或いはカルボキシル基)をブロックしておき、温度を
上げることによりイソシアナート基(或いはカルボキシ
ル基)が活性を取り戻すことを利用した表面潤滑化方法
も報告されている。しかしながら、この反応を用いた場
合は反応に高い温度を必要とするため、基材自体にも高
い温度がかかり、基材自体が本来要求されている物性を
失ってしまう恐れがある。
を得る方法においては、通常、基材の表面にコーテイン
グ操作により親水性ポリマーを被覆し固定化したあと、
水中に浸漬する或いは水蒸気中で加湿する等の方法で水
との接触処理を施すことにより、コーテイングされた表
面に対して水との親和性を向上し、湿潤時における表面
の潤滑性がより短時間で発現されるという効果がある。
しかしながら、上記のような表面潤滑化方法において
は、コーティング用の溶媒としては有機溶媒が通常使わ
れているため、水との接触処理はコーティング操作を行
った後に、コーティング操作と別途の工程で行われてお
りその分だけ工程が煩雑になり、製造コストが高くなる
という問題点がある。
性物質を用いて潤滑性と共に生理活性(例えば、抗血栓
性)も付与したい場合、水溶性の生理活性物質は通常有
機溶媒には不溶のため、潤滑性を付与するための親水性
ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液によるコーティング
操作とは別に、水溶性の生理活性物質を水系の溶媒に溶
解した溶液による処理を行わなければならないため、同
一の工程で潤滑性処理と生理活性付与処理とを行うこと
ができず工程が煩雑となるといった問題点があった。
決し、イソシアナート基に代表される反応性の高いプロ
トン受容性官能基を使用することなく温和なコーティン
グ条件により、基材自体に本来要求される物性を損なう
ことなく、永続的な潤滑性を有する安全性の高い医療用
具およびその製造方法を提供することにある。
コーティング操作と同工程で行うことができ、より簡素
な工程で表面潤滑性を得ることができ、従ってより低コ
ストで表面潤滑性を得られる医療用具およびその製造方
法を提供することにある。
などの水溶性の生理活性物質を安定的にかつ簡単なコー
ティング操作により潤滑性発現物質とともに表面に固定
化でき、潤滑性と生理活性とを安定的に発現できる表面
を有する医療用具およびその製造方法を提供することに
ある。
〜(15)の本発明により解決される。
医療用具であって、該医療用具を構成する基材の表面
に、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を含有する
親水性高分子化合物と一分子当たり少なくとも二個のヒ
ドラジン残基を有するヒドラジド化合物からなる架橋剤
との反応生成物を含む表面潤滑層を形成したことを特徴
とする医療用具。
医療用具であって、該医療用具を構成する基材の表面
に、分子内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有す
る親水性高分子化合物と一分子当たり少なくとも二個の
カルボニル基を有するカルボニル基含有化合物からなる
架橋剤との反応生成物を含む表面潤滑層を形成したこと
を特徴とする湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具。
水膨潤性の高分子物質を含んでいることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の医療用具。
ることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記
載の医療用具。
医療用具であって、該医療用具を構成する基材の表面
で、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を含有する
カルボニル基含有化合物と一分子当たり少なくとも二個
のヒドラジン残基を有するヒドラジド化合物との反応生
成物と、水溶性または水膨潤性の高分子物質とが相互侵
入網目構造を形成し、表面潤滑層を形成していることを
特徴とする医療用具。
医療用具であって、該医療用具を構成する基材の表面
で、分子内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有す
るヒドラジド化合物と一分子当たり少なくとも二個のカ
ルボニル基を有するカルボニル基含有化合物との反応生
成物と、水溶性または水膨潤性の高分子物質とが相互侵
入網目構造を形成し、表面潤滑層を形成していることを
特徴とする医療用具。
ボニル基含有化合物の少なくともいずれかが水系溶媒に
可溶であることを特徴とする(5)又は(6)に記載の
医療用具。
性物質を含むことを特徴とする(1)ないし(7)のい
ずれかに記載の医療用具。
医療用具の製造方法であって、該医療用具を構成する基
材の表面に、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を
含有する親水性高分子化合物を含む溶液を被覆した後、
一分子当たり少なくとも二個のヒドラジン残基を有する
ヒドラジド化合物からなる架橋剤を含む溶液を被覆する
ことを特徴とする医療用具の製造方法。
る医療用具の製造方法であって、該医療用具を構成する
基材の表面に、分子内に少なくとも一個のヒドラジン残
基を含有する親水性高分子化合物を含む溶液を被覆した
後、一分子当たり少なくとも二個のカルボニル基を有す
るカルボニル基含有化合物からなる架橋剤を含む溶液を
被覆することを特徴とする医療用具の製造方法。
溶液および前記架橋剤を含む溶液の少なくともいずれか
に水溶性または水膨潤性の高分子物質を共存させること
を特徴とする(9)又は(10)に記載の医療用具の製
造方法。
して水系溶媒を用いることを特徴とする(9)ないし
(11)のいずれかに記載の医療用具の製造方法。
た溶液に水溶性の生理活性物質を共存させることを特徴
とする(12)に記載の医療用具の製造方法。
に、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を含有する
カルボニル基含有化合物を含む溶液を被覆した後、一分
子当たり少なくとも二個のヒドラジン残基を有するヒド
ラジド化合物を含む溶液を被覆する医療用具の製造方法
であって、該カルボニル基含有化合物を含む溶液と該ヒ
ドラジン化合物を含む溶液の少なくともいずれかに水溶
性または水膨潤性の高分子物質を共存させることを特徴
とする、湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具の製
造方法。
に、分子内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有す
るヒドラジド化合物を含む溶液を被覆した後、一分子当
たり少なくとも二個のカルボニル基を有するカルボニル
基含有化合物を含む溶液を被覆する医療用具の製造方法
であって、該カルボニル基含有化合物を含む溶液と該ヒ
ドラジン化合物を含む溶液の少なくともいずれかに水溶
性または水膨潤性の高分子物質を共存させることを特徴
とする、湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具の製
造方法。
材の表面に、一個以上のヒドラジン残基もしくはカルボ
ニル基を含有する親水性高分子化合物と、このヒドラジ
ン残基もしくはカルボニル基と反応し得る官能基、すな
わちカルボニル基若しくはヒドラジン残基を二個以上有
する化合物からなる架橋剤とを反応させ、これらの反応
生成物により表面潤滑層を形成することを特徴とする、
湿潤時に潤滑性を発現する医療用具とその製造方法に関
するものである。
の表面で、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を含
有するカルボニル基含有化合物と一分子当たり少なくと
も二個のヒドラジン残基を有するヒドラジド化合物との
反応生成物と、水溶性または水膨潤性の高分子物質とと
が相互侵入網目構造を形成し、これにより表面潤滑層を
形成することを特徴とする、湿潤時に潤滑性を発現する
医療用具とその製造方法に関するものである。
との反応を利用したものであるため、穏和な条件での反
応により親水性高分子化合物と架橋剤との間に共有結合
を形成させて、基材自体が本来要求されている物性を損
なうことなく、基材表面に強固に親水性高分子化合物を
固定化することが可能となる。またこのような反応で
は、プロトン供与性の溶媒も用いることができ、反応時
の作業域の厳密な水分管理等を行う必要もない。
合物と上記架橋剤との反応生成物により表面潤滑層を形
成する場合について詳細に説明する。
み合わせとしては、一方がヒドラジン残基を含有するヒ
ドラジド化合物であり、他方がカルボニル基含有化合物
であれば特に制限なく使用することができる。ただし、
反応の際の作業環境或いは臭気を考慮した場合には、親
水性高分子化合物としてカルボニル基含有化合物を用
い、一分子内に二個以上のヒドラジン残基を有するヒド
ラジド化合物を架橋剤として使用する方が望ましい。
は、複数個の官能基を有する架橋剤と反応し得る官能基
(ヒドラジン残基若しくはカルボニル基)を分子内に一
個以上有し、かつ水を吸水して膨潤若しくは溶解する高
分子化合物である。この親水性高分子化合物は、生理食
塩水、緩衝水、血液などの水系溶媒に浸漬すると吸水し
て膨潤するが、吸水された水は、血管壁等の体腔内壁と
医療用具とが接触した際、医療用具の表面で潤滑性を発
現することとなる。従って、親水性高分子化合物として
は、使用する温度(通常30〜40℃)領域で吸水率が
50重量%以上であるものが潤滑性発現の観点からは好
適であり、100重量%以上であるものがより好適であ
る。
を発現する親水性の部位と反応性官能基(ヒドラジン残
基若しくはカルボニル基)を有する反応性の部位とを含
有する共重合体が好適に用いられる。この親水性共重合
体としては、共重合体であれば特に限定されないが、潤
滑性発現の観点からは、ブロック共重合体或いはグラフ
ト共重合体の方が望ましく、また、架橋反応後の膜強度
の向上という観点からは、架橋点の分散しているランダ
ム共重合体の方が望ましい。しかしながら、これらは要
求される膜物性により適宜選択されるべきである。
現する部位は親水性共重合体中に90重量部以上、好ま
しくは95重量部以上、更に好ましくは98重量部以上
が望ましい。
残基若しくはカルボニル基を分子内に有する反応性モノ
マーと親水性モノマーとを共重合する、或いはヒドラジ
ン残基若しくはカルボニル基に変換可能な他の反応性官
能基を分子内に有する反応性モノマーと親水性モノマー
とを共重合し、その後に当該反応性官能基をヒドラジン
残基若しくはカルボニル基に変換することにより得るこ
とができる。上記反応性モノマーにより、上記親水性共
重合体中の官能基を含有する反応性の部位が構成され、
親水性モノマーにより、上記親水性共重合体中の潤滑性
を発現する親水性(潤滑性)の部位が構成される。
媒中において潤滑性を発現すればいかなるものであって
も良いが、アクリルアミドやその誘導体、ビニルピロリ
ドン、アクリル酸やメタクリル酸およびその誘導体で水
溶性のモノマーを主な構成成分とするものを例示でき
る。例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモ
ルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート
等のアクリルアミド誘導体、ビニルピロリドン、2−メ
タクリロイルオキシエチル−D−グリコシド、2−メタ
クリロイルオキシエチル−D−マンノシド、ビニルメチ
ルエーテル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体やその部分アルキルエステル等の無水マレイン酸
系高分子物質などを好適に例示できる。これらのうち、
合成の容易性や操作性等を考慮すると、アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド誘導
体や無水マレイン酸系高分子物質、ビニルメチルエーテ
ルなどが好ましい。上記無水マレイン酸系高分子として
は、水溶解性に限定されず、無水マレイン酸系高分子を
主成分としていれば不溶化されたものであってもよい。
そして、上記親水性モノマーとして最も好ましくはジメ
チルアクリルアミドを主成分とするものが望ましい。
親水性共重合体中にカルボニル基を含有する構成単位も
しくはヒドラジン残基を有する構成単位を形成可能なモ
ノマーであればいかなるものでもよく、あらかじめカル
ボニル基或いはヒドラジン残基を含有するモノマーのほ
か、カルボニル基或いはヒドラジン残基と変換可能な他
の反応性官能基を有するモノマーを用い、当該モノマー
と上記親水性モノマーとを共重合した後にその官能基を
カルボニル基若しくはヒドラジン残基に変換してもよ
い。
しては、一分子中に少なくとも一個のカルボニル基を含
有するものであれば特に制限なく使用可能であるが、重
合可能な二重結合を有するモノマーが好適に用いられ
る。具体例としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダ
イアセトンメタアクリルアミド、ビニルアルキルケトン
類等が挙げられるが、特に好ましいのはダイアセトンア
クリルアミドである。
としては、一分子中に少なくとも一個のヒドラジン残基
を有し重合可能であれば特に制限なく使用可能である
が、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、α−クロロアクリル酸のような重合性の二
重結合を有する不飽和酸のエステル好ましくは低級アル
コールとのエステル中のカルボン酸エステル基に、ヒド
ラジン又はヒドラジン水化物(すなわちヒドラジンヒド
ラード)を反応させてヒドラジン残基に変換したモノマ
ーを好適に用いることができる。また、ヒドラジン残基
に変換可能な他の反応性官能基を有するモノマーとし
て、例えば、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
α−クロロアクリル酸のような重合性の二重結合を有す
る不飽和酸のエステル好ましくは低級アルコールとのエ
ステルを用いることができ、これらのモノマーと上記親
水性モノマーとを共重合させた後に、そのカルボン酸エ
ステル基をヒドラジン又はヒドラジン残基を有するよう
に処理することにより、ヒドラジン残基を含有する親水
性共重合体を好適に製造することも可能である。
応し得る架橋剤とは、親水性高分子化合物がカルボニル
基含有化合物である場合は一分子内に少なくとも二個の
ヒドラジン残基を有するヒドラジド化合物であり、また
親水性高分子化合物がヒドラジン残基を含有する化合物
である場合は一分子内に少なくとも二個のカルボニル基
を有するカルボニル基含有化合物である。これらの架橋
剤は、上記親水性高分子化合物のカルボニル基若しくは
ヒドラジン残基と反応して共有結合を形成し、医療用具
を構成する基材の表面でこれらの反応生成物(架橋物)
が不溶化することにより、医療用具を構成する基材の表
面に親水性高分子化合物を強固に固定化するものであ
る。
含まれる官能基1モルに対して、0.01〜1.5モル、望まし
くは0.1〜1.0モルになる割合で適用することが望まし
い。
なものである(水溶性である)ことが好ましい。これに
より、後述する架橋剤を溶解する溶媒として水系溶媒を
用いることが可能となり、架橋剤を含有する溶液を基材
表面に被覆し親水性高分子化合物と反応させる際の臭気
等の作業環境の改善が図れる。また、親水性高分子化合
物と架橋剤との反応と同時あるいは並行して、得られる
潤滑表面層の水に対する親和性を高めることが可能とな
り、別途水との接触処理を行う必要が無く、表面潤滑化
工程の簡素化が図れる。さらに、後述するような水溶性
の生理活性物質を架橋剤とともに水系溶媒中に共存させ
ることが可能となり、表面潤滑化に必要な工程と共通の
工程で生理活性も合わせ持つ表面を得ることが可能とな
る。
としてカルボニル基含有化合物を用いる場合は、分子内
に少なくとも二個のヒドラジン残基を有するヒドラジド
化合物が架橋剤として使用される。そのようなヒドラジ
ド化合物としては、例えば、カルボヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチ
ル)-5-イソプロピルヒダントイン等のヒドラジド化合
物、或いはポリ(メタ)アクリル酸エステルを重合後に
ヒドラジン残基を有するように処理した重合体若しくは
共重合体、または、モノマーの時点でヒドラジン残基を
有するように予め処理したモノマーの重合体或いは共重
合体が挙げられる。このうち、反応性、精製工程を考慮
した場合、特に好ましいのは容易に水に溶解できるカル
ボヒドラジドである。
化合物としてヒドラジン残基を含有する化合物を用いる
場合は、分子内に少なくとも二個のカルボニル基を有す
るカルボニル基含有化合物が架橋剤として使用される。
そのようなカルボニル基含有化合物としては、例えば、
グリオキザール、ブタンジオン、2,4-ペンタンジオン、
ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリ
ルアミド、ビニルアルキルケトン等の化合物、あるい
は、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタア
クリルアミド、ビニルアルキルケトン等のカルボニル基
を含有する重合可能なモノマーを(共)重合した重合体
若しくは共重合体が挙げられる。
溶解した溶液と架橋剤を溶媒に溶解した溶液とをそれぞ
れ作製し、医療用具を構成する基材の表面に親水性高分
子化合物を含有する溶液を被覆した後、架橋剤を含有す
る溶液を被覆し、親水性高分子化合物と架橋剤とを架橋
反応させることにより、これらの反応生成物(架橋物)
が基材表面で不溶化し、親水性高分子化合物が基材の表
面に強固に固定化され、体液や生理食塩水等の水系溶媒
に接触して潤滑性を発現する。
架橋剤を溶解する溶媒としては、従来のイソシアネート
を利用した反応では使用出来なかったプロトン供与性の
溶媒も含めて特に制限無く使用することができ、医療用
具を構成する基材の構成材料に応じて適宜選択すること
が可能である。例えば、含水有機溶媒に親水性高分子化
合物および架橋剤を溶解させて基材表面に被覆し、架橋
反応を行うことも可能である。しかしながら、より強固
に基材表面に親水性高分子化合物を固定化するために
は、親水性高分子化合物を溶解させる溶媒として、基材
を膨潤させる溶媒を選択することが好ましい。これによ
り、親水性高分子化合物が基材の内部に含浸され、強固
に固定化される。一方、架橋剤を溶解させる溶媒として
は、基材をあまり膨潤させない溶媒を用いることが好ま
しい。
しない材料であっても、溶媒に可溶な官能基を有さない
重合体中に上記親水性高分子化合物を分散させて基材表
面に被覆した後、架橋剤を反応させる方法、或いは親水
性高分子化合物として上記した親水性共重合体を用いる
場合には、この共重合体中に基材の構成材料と親和性の
高いモノマー(構成単位)を含有させる方法によって
も、膨潤性の溶媒を用いた場合と同じ効果が得ることが
可能である。
を行う条件は、反応系のpHが酸性側(pH<7)に傾いて
いれば反応が促進されるためどのような調製を行っても
よいが、短時間で架橋反応を行うためにはpH≦5、更に
好ましくはpH≦3以下の架橋剤溶液を調製することが望
ましい。溶液の取り扱いの容易さという観点からはpHが
7に近い溶液を使用する方がより好ましく、更に好まし
くは反応に使用する共重合体中にアクリル酸等のアニオ
ン性のモノマーを予め含有する共重合体を使用すること
である。これらの反応条件も系のpH処理を行う工程、処
理時間にあわせて適宜選択するべきであり、特に限定さ
れない。
に高分子量の水溶性または水膨潤性の高分子物質を含ま
せてもよい。水溶性または水膨潤性の高分子物質として
は、体液や生理食塩水等の水系溶媒と接触して潤滑性を
発現するものであれば特に制限されず、例えばポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレングリコール、無水マレイン
酸-ビニルメチルエーテル共重合体等の無水マレイン酸
系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム等を好適に用いる
ことができる。
物質は、親水性高分子化合物および架橋剤との反応生成
物(架橋物)と基材の表面で相互侵入網目構造を形成し
ていることが好適である。これにより、水溶性または水
膨潤性の高分子物質を強固に基材表面に固定化すること
が可能となる。上記相互侵入網目構造の形成は、親水性
高分子化合物を含有する溶液中或いは架橋剤を含有する
溶液中の少なくともいずれかに上記水溶性または水膨潤
性の高分子物質を共存させて基材表面に被覆することに
よって行うことができる。
分子物質を表面潤滑層に含ませる方法としては、上記相
互侵入網目構造の形成による方法に限定されるものでは
なく、例えば、親水性高分子化合物と架橋剤との反応生
成物に例えば該反応生成物中の反応性官能基を介して結
合させてもよく、あるいは、例えば親水性高分子化合物
と架橋剤とを反応させてこれらの反応生成物を形成した
後、水溶性または水膨潤性の高分子物質を含有する溶液
を基材表面に被覆、含浸することにより、表面潤滑層に
水溶性または水膨潤性の高分子物質を含有させてもよ
い。
とヒドラジド化合物との反応生成物と水溶性または水膨
潤性の高分子物質とが相互侵入網目構造を形成し、表面
潤滑層を形成する場合について詳細に説明する。
有化合物およびヒドラジン化合物としては、反応して高
分子網目構造をなす反応生成物(架橋物)を形成するも
のであれば特に制限無く使用することができる。しかし
ながら、高分子網目構造を充分に形成するためには、上
記カルボニル基含有化合物および上記ヒドラジン化合物
の一方は、分子内に少なくとも1個のカルボニル基若し
くはヒドラジン残基を有し、かつある程度以上の分子量
を有する高分子化合物であり、他方が分子内に少なくと
も2個のカルボニル基若しくはヒドラジド残基を有する
架橋剤として作用するものであることが好ましい。
基若しくはヒドラジン残基を有する高分子化合物の平均
分子量は特に制限されないが、2千〜500万、さらに
は2万〜200万の範囲であることが好ましい。当該分
子量が上記範囲を下回ると、水溶性または水膨潤性の高
分子物質との相互侵入網目構造の形成が不充分となる虞
れがある。他方、当該分子量が上記範囲を上回ると、溶
媒への溶解率が低下し、基材表面の被覆を困難とする傾
向が強まる。
基若しくはカルボニル基を有する構成単位と他の構成単
位からなる共重合体が好適に用いられる。この共重合体
としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体および
グラフト共重合体のいずれでも制限無く使用することが
できる。
しくはカルボニル基を分子内に有するモノマーと他の重
合性を有するモノマーとを共重合する、或いはヒドラジ
ン残基若しくはカルボニル基に変換可能な他の反応性官
能基を分子内に有するモノマーと他の重合性を有するモ
ノマーとを共重合し、その後に当該反応性官能基をヒド
ラジン残基若しくはカルボニル基に変換することにより
得ることができる。
は、一分子中に少なくとも一個のカルボニル基を含有す
るものであれば特に制限なく使用可能であるが、重合可
能な二重結合を有するモノマーが好適に用いられる。具
体例としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセ
トンメタアクリルアミド、ビニルアルキルケトン類等が
挙げられるが、特に好ましいのはダイアセトンアクリル
アミドである。
は、一分子中に少なくとも一個のヒドラジン残基を有し
重合可能であれば特に制限なく使用可能であるが、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、α−クロロアクリル酸のような重合性の二重結合を
有する不飽和酸のエステル好ましくは低級アルコールと
のエステル中のカルボン酸エステル基に、ヒドラジン又
はヒドラジン水化物(すなわちヒドラジンヒドラード)
を反応させてヒドラジン残基に変換したモノマーを好適
に用いることができる。また、ヒドラジン残基に変換可
能な他の反応性官能基を有するモノマーとしては、例え
ば、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、α−クロ
ロアクリル酸のような重合性の二重結合を有する不飽和
酸のエステル好ましくは低級アルコールとのエステルを
用いることができ、これらのモノマーと他の重合性モノ
マーとを共重合させた後に、そのカルボン酸エステル基
をヒドラジン又はヒドラジン残基を有するように処理す
ることにより、ヒドラジン残基を含有する共重合体を好
適に製造することができる。他方、ヒドラジン残基を含
有するモノマー若しくはヒドラジン残基に変換可能な他
の反応性官能基を有するモノマーと共重合する他のモノ
マーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸のような重
合性の二重結合を有する不飽和酸モノマーを用いること
も可能である。
基若しくはヒドラジド残基を有する架橋剤は、上記した
分子内に少なくとも1個のカルボニル基若しくはヒドラ
ジン残基を有する化合物と反応して共有結合を形成し、
医療用具を構成する基材の表面でこれらの反応生成物
(架橋物)と水溶性或いは水膨潤性高分子物質とが相互
侵入網目構造を形成して不溶化することにより、医療用
具を構成する基材の表面に水溶性或いは水膨潤性高分子
物質を強固に固定化するものである。
なくとも1個のカルボニル基若しくはヒドラジン残基を
有する化合物中に含まれる官能基1モルに対して、0.01
〜1.5モル、望ましくは0.1〜1.0モルになる割合で適用
することが望ましい。
可溶なものである(水溶性である)ことが好ましい。こ
れにより、後述する架橋剤を溶解する溶媒として水系溶
媒を用いることが可能となり、架橋剤を含有する溶液を
基材表面に被覆し親水性高分子化合物と反応させる際の
臭気等の作業環境の改善が図れる。また、カルボニル基
含有化合物とヒドラジド化合物との反応並びに水溶性或
いは水膨潤性高分子物質の相互侵入網目構造の形成と同
時あるいは並行して、得られる潤滑表面層の水に対する
親和性を高めることが可能となり、別途水との接触処理
を行う必要が無く、表面潤滑化工程の簡素化が図れる。
さらに、後述するような水溶性の生理活性物質を架橋剤
とともに水系溶媒中に共存させることが可能となり、表
面潤滑化に必要な工程と同一の工程で生理活性も合わせ
持つ表面を得ることが可能となる。
のヒドラジン残基を有するヒドラジド化合物を架橋剤と
して使用する場合、そのようなヒドラジド化合物として
は、例えば、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプロ
ピルヒダントイン等のヒドラジド化合物、或いはポリ
(メタ)アクリル酸エステルを重合後にヒドラジン残基
を有するように処理した重合体若しくは共重合体、また
は、モノマーの時点でヒドラジン残基を有するように予
め処理したモノマーの重合体或いは共重合体が挙げられ
る。このうち、反応性、精製工程を考慮した場合、特に
好ましいのは容易に水に溶解できるカルボヒドラジドで
ある。
も二個のカルボニル基を有するカルボニル基含有化合物
を架橋剤として使用する場合、そのようなカルボニル基
含有化合物としては、例えば、グリオキザール、ブタン
ジオン、2,4-ペンタンジオン、ダイアセトンアクリルア
ミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、ビニルアルキ
ルケトン等の化合物、あるいは、ダイアセトンアクリル
アミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、ビニルアル
キルケトン等のカルボニル基を含有する重合可能なモノ
マーを(共)重合した重合体若しくは共重合体が挙げら
れる。
高分子物質とは、水を吸水して膨潤若しくは溶解する化
合物である。この水溶性または水膨潤性の高分子物質
は、生理食塩水、緩衝水、血液等の体液などの水系溶媒
に浸漬すると吸水して膨潤するが、吸水された水は、血
管壁等の体腔内壁と医療用具とが接触した際、医療用具
の表面で潤滑性を発現することとなる。従って、水溶性
または水膨潤性の高分子物質としては、使用する温度
(通常30〜40℃)領域で吸水率が50重量%以上で
あるものが潤滑性発現の観点からは好適であり、100
重量%以上であるものがより好適である。
は、上記したカルボニル基含有化合物とヒドラジド化合
物との反応生成物(架橋物)と相互侵入網目構造を形成
し、かつ生体内で繰り返し摩擦を受けても基材表面から
脱離、剥離、溶出しない物質であることが必要であり、
そのためには、ある程度以上の分子量を有する高分子で
ある必要がある。このような水溶性または水膨潤性の高
分子物質の平均分子量としては、2千〜500万、さら
には2万〜200万の範囲であることが好ましい。当該
分子量が上記範囲を下回ると、上記したカルボニル基含
有化合物とヒドラジド化合物との反応生成物(架橋物)
との相互侵入網目構造の形成が不充分となり、かつ生体
内で当該水溶性または水膨潤性の高分子物質が基材表面
から脱離、剥離、溶出する可能性が高くなる。また、当
該分子量が上記範囲を上回ると、当該水溶性ないし水膨
潤性の高分子物質の溶媒に対する溶解性が低下し、基材
表面への被覆が困難となる傾向が強まる。
としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、無水マレイン酸−ビニルメチルエーテル共
重合体等の無水マレイン酸系高分子、ポリアクリル酸ナ
トリウム等を好適に用いることができる。
1個のカルボニル基またはヒドラジド基を含有するカル
ボニル基含有化合物またはヒドラジド化合物を溶媒に溶
解した溶液と、分子内に少なくとも2個のヒドラジド基
またはカルボニル基を含有するヒドラジド化合物または
カルボニル基含有化合物(架橋剤)を溶媒に溶解した溶
液とをそれぞれ作成し、これらの溶液の少なくともいず
れかに水溶性または水膨潤性高分子物質を共存させて、
医療用具を構成する基材の表面に上記した分子内に少な
くとも1個のカルボニル基またはヒドラジド基を含有す
る化合物を溶媒に溶解した溶液を被覆した後、上記架橋
剤を含有する溶液を被覆し、親水性高分子化合物と架橋
剤とを架橋反応させることにより、これらの反応生成物
(架橋物)と水溶性または水膨潤性高分子物質とが相互
侵入網目構造を形成して基材表面で不溶化し、水溶性ま
たは水膨潤性高分子物質が基材の表面に強固に固定化さ
れ、体液や生理食塩水等の水系溶媒に接触して潤滑性を
発現する。
ヒドラジド化合物を含む溶液の少なくともいずれかに水
溶性または水膨潤性高分子を共存させることにより、水
溶性または水膨潤性の高分子物質を基材表面に被覆する
工程と、カルボニル基含有化合物とヒドラジド化合物の
いずれかを基材表面に被覆する工程とを同時に行うこと
ができ、製造工程の簡略化が図れる。
よびヒドラジド化合物を溶解する溶媒としては、従来の
イソシアネートを利用した反応では使用出来なかったプ
ロトン供与性の溶媒も含めて特に制限無く使用すること
ができ、医療用具を構成する基材の構成材料に応じて適
宜選択することが可能である。例えば、含水有機溶媒に
親水性高分子化合物および架橋剤を溶解させて基材表面
に被覆し、架橋反応を行うことも可能である。しかしな
がら、上記カルボニル基含有化合物またはヒドラジド化
合物のうち、架橋剤として作用する化合物を溶解させる
溶媒としては、基材をあまり膨潤させない溶媒を用いる
ことが好ましい。
物との架橋反応を行う条件は、反応系のpHが酸性側(pH
<7)に傾いていれば反応が促進されるためどのような
調製を行ってもよいが、短時間で架橋反応を行うために
はpH≦5、更に好ましくはpH≦3以下の架橋剤溶液を調製
することが望ましい。溶液の取り扱いの容易さという観
点からはpHが7に近い溶液を使用する方がより好まし
く、更に好ましくは反応に使用する共重合体中にアクリ
ル酸等のアニオン性のモノマーを予め含有する共重合体
を使用することである。これらの反応条件も系のpH処理
を行う工程、処理時間にあわせて適宜選択するべきであ
り、特に限定さ以上説明した本発明では、表面潤滑層
に、さらに水溶性の生理活性物質を含ませることによ
り、生理活性物質を表面潤滑層に担持させたり徐放させ
てもよい。水溶性の生理活性物質としては、ヘパリン、
低分子ヘパリン、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、活性
化プロテインC、ヒルディン、アスピリン、トロンボモ
ジュリン、DHG、プラスミノーゲンアクチベーター、
ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アプロチニン、メ
シル酸ナファモスタット(FUT)、メシル酸ガベキサ
ート(FOY)のような抗血栓性を有する物質や、ペニ
シリンN、セファロスポリンC、セファバシン、カナマ
イシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、塩酸クロルヘ
キシジン(ヒビテン)、ポリミキシンB等の抗菌性を有
する物質、および、DNA、RNA等の核酸類、アルギ
ン酸、ヒアルロン酸、キトサン等の多糖類、コラーゲ
ン、アルブミン等のタンパク質を例示することができ
る。
せる方法としては、カルボニル基含有化合物を含む溶液
とヒドラジド化合物を含む溶液の少なくともいずれかに
上記水溶性の生理活性物質を共存させて基材表面に被覆
することによって行うことができる。あるいは、水溶性
の生理活性物質を適当な溶媒に溶解した溶液を、カルボ
ニル基含有化合物を含む溶液およびヒドラジド化合物を
含む溶液と別に作成し、これらの溶液と別々に基材表面
に被覆することによって行うこともできる。
質を架橋剤として用いることが可能なため、架橋剤を水
系溶媒に溶解した溶液に、水溶性の生理活性物質を共存
させて基材表面に被覆することも可能となる。これによ
り、架橋剤を基材表面に被覆する工程と、生理活性物質
を基材表面に被覆する工程とを同一工程で行うことがで
き、潤滑性および生理活性を合わせ持つ表面を簡素な工
程で得ることができる。
の構成材料は特に限定されず、例えば、ポリオレフィ
ン、変性ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルやそれらの
共重合体などの各種高分子材料や、金属材料、セラミッ
ク材料などが使用可能である。また、基材の形態として
は、上記のような材料を単独で用いた成型体に限定され
ず、ブレンド成型物、アロイ化成型物、多層化成形物な
どでも使用可能である。但し、溶媒で基材を膨潤させて
親水性高分子化合物を強固に固定化したい場合、少なく
とも基材表面に存在させる材料としては、上記高分子材
料が溶媒により良好に膨潤し得るため好ましい。
使用されるカテーテルやガイドワイヤを好適に例示でき
るが、その他にも下記の医療器を例示できる。
管栄養用(ED)チューブなどの経口ないし経鼻的に消
化器管内に挿入ないし留置されるカテーテル類。
チューブのチューブやカフ、気管切開チューブのチュー
ブやカフ、気管内吸引カテーテルなど経口ないし経鼻的
に気道ないし気管内に挿入ないし留置されるカテーテル
類。
ルーンカテーテルのカテーテルやバルーンなどの尿道な
いし尿管内に挿入ないし留置されるカテーテル類。
腸カテーテルなど各種体腔、臓器、組織内に挿入ないし
留置されるカテーテル類。
イリューションカテーテル、血管造影用カテーテル、血
管拡張用カテーテル及びダイレーターあるいはイントロ
デユーサなどの血管内に挿入ないし留置されるカテーテ
ル類。あるいは、これらのカテーテル用のガイドワイヤ
ー、スタイレット等。
具、コンタクトレンズ等
口気管支等。
人工肺、人工腎臓等)やその回路類。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
MAA)24.6g、ダイアセトンアクリルアミド(D
AAAm)0.4g、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)0.005gを、1時間N2バブリングした1,
4-ジオキサン100gを溶媒として、N2存在下で75
℃、6時間攪拌しながら重合した。重合後の溶液はn-ヘ
キサン中に再沈させる精製操作を三度繰り返し、減圧乾
燥してランダムコポリマーを得た。
ロフラン (THF)溶液にポリウレタン(日本ミラクト
ラン製 Miractran E998PNAT)のシートを15秒間浸漬
後、引き上げて60℃、2時間乾燥させた後、pH=3.0に
調製した10wt%カルボヒドラジド水溶液中に3時間浸漬さ
せて架橋反応を行った。
ートは、生理食塩水または水で湿潤させると優れた潤滑
性を示した。また、このシートは後述する摺動性試験を
行った後も優れた潤滑性を示し、性能の低下は認められ
なかった。
g中に50℃でトリエチレングリコール29.7gを滴
下した後、50℃で3時間塩化水素を減圧除去して得ら
れたオリゴエステル22.5gにメチルエチルケトン
4.5gを加え、水酸化ナトリウム5.0g、31%過
酸化水素水6.93g、界面活性剤ジオクチルホスフェ
ート0.44g、水120gよりなる溶液中に滴下し、
−5℃で20分間反応させた。得られた生成物を、水、
メタノールで洗浄を繰り返した後、乾燥させて分子内に複数
のパーオキサイド基を有するポリ過酸化物(PPO)を得
た。続いて、このPPO10gを重合開始剤として、ダ
イアセトンアクリルアミド(DAAAm)90gを1,4-
ジオキサンを溶媒として、N2存在下で80℃、30分
間攪拌しながら重合した。反応物を、ヘキサンで再沈し
て、分子内にパーオキサイド基を有するポリDAAAm
を得た。続いて、このポリDAAAm0.5gを重合開
始剤とし、親水性モノマーとしてジメチルアクリルアミ
ド(DMAA)24.5gを1,4-ジオキサン100g中
に仕込み、80℃、6時間重合させることにより、反応
性ドメインとしてポリDAAAm、水膨潤性の親水性の
ドメインとしてポリDMAAを有するブロックコポリマ
ーを得た。
ロフラン (THF)溶液にポリウレタン(日本ミラクト
ラン製 Miractran E998PNAT)のシートを15秒浸漬後、
引き上げて60℃、2時間乾燥させた後、pH=3.0に調製
した10wt%カルボヒドラジド水溶液中に3時間浸漬させて
架橋反応を行った。
ートは、生理食塩水または水で湿潤させると優れた潤滑
性を示した。また、このシートは後述する摺動性試験を
行った後も優れた潤滑性を示し、性能の低下は認められ
なかった。
のシートを実施例2で合成されたブロックコポリマー5w
t%のテトラヒドロフラン(THF)溶液に15秒浸漬後、引
き上げて60℃、2時間乾燥させた。得られたシート
は、生理食塩水または水で湿潤させるとしばらくは潤滑
性を示したが、後述する摺動性試験を行った後のサンプ
ルは全く潤滑性を示さなくなり、耐摩耗性の低い事がわ
かった。
ムコポリマー5wt%とポリウレタン(大日本インキ社製
接着性ポリウレタン PANDEX T-5210)2.5wt%のTH
F溶液を作製し、ポリエチレン(東ソー製 VLDPE ルミ
タック12-1)のシートをこの溶液に1分間浸漬させた
後、引き上げて60℃、2時間乾燥させた。次にこのシ
ートをpH=3.0に調製した10wt%カルボヒドラジド水溶液
中に3時間浸漬させて架橋反応を行った。
リエチレンのシートは、生理食塩水または水で湿潤させ
ると優れた潤滑性を示した。また、このシートは後述す
る摺動性試験を行った後も優れた潤滑性を示し、性能の
低下は認められなかった。
ムコポリマー5wt%とポリビニルピロリドン(和光純薬
製 K−90、平均分子量(Mw):1,200,000)2.5wt%のC
HCl3溶液を作製し、ポリウレタン(日本サーメディ
クス製TecoflexEG-65D)のシートをこの溶液に15秒間浸
漬させた後、引き上げて60℃、2時間乾燥させた。次
にこのシートをpH=3.0に調製した10wt%カルボヒドラジ
ド水溶液中に3時間浸漬させて架橋反応を行った。
ートは、生理食塩水または水で湿潤させると優れた潤滑
性を示した。また、このシートは後述する摺動性試験を
行った後も優れた潤滑性を示し、性能の低下は認められ
なかった。
ムコポリマー5wt%とポリビニルピロリドン(和光純薬
製 K−90、平均分子量(Mw);1,200,000)2.5wt%の
CHCl3溶液を作製し、ポリエチレン(東ソー製 VLD
PE ルミタック12-1)のシートをこの溶液に1分間浸漬
させた後、引き上げて60℃、2時間乾燥させた。
塩水または水で湿潤させるとしばらくは潤滑性を示した
が、後述する摺動性試験を行った後のシートは全く潤滑
性を示さなくなり、耐摩耗性の低い事が確認された。
MAA)22.0g、ダイアセトンアクリルアミド(D
AAAm) 0.5g、2-エチルヘキシルアクリレート(2
-EHA)2.5g、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)0.005gを1時間N2バブリングした1,4-
ジオキサン100gを溶媒として、N2下で75℃、6
時間攪拌しながら重合した。重合後の溶液はn-ヘキサン
中に再沈させる精製操作を三度繰り返し、減圧乾燥して
ランダムコポリマーを得た。
ロフラン (THF)溶液にポリエチレン(東ソー製 VLDP
E ルミタック12-1)のシートを1分間浸漬し、引き上
げて60℃、2時間乾燥させた後、pH=3.0に調製した10
wt%カルボヒドラジド水溶液中に3時間浸漬させて架橋反
応を行った。
湿潤させると優れた潤滑性を示した。また、このシート
は後述する摺動性試験を行った後も優れた潤滑性を示
し、性能の低下は認められなかった。
MAA)24.5g、ダイアセトンアクリルアミド(D
AAAm)0.5g、アクリル酸(AA)0.05g、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.005g
を、1時間N2バブリングした1,4-ジオキサン100g
を溶媒として、N2下で75℃、6時間攪拌しながら重
合した。重合後の溶液はn-ヘキサン中に再沈させる精製
操作を三度繰り返し、減圧乾燥してランダムコポリマー
を得た。
ロフラン (THF)溶液にポリウレタン(日本ミラクト
ラン製 Miractran E998PNAT)のシートを15秒間浸漬
し、引き上げて60℃、2時間乾燥させた後、10wt%カ
ルボヒドラジド水溶液中に3時間浸漬させて架橋反応を
行った。
ートは、生理食塩水または水で湿潤させると優れた潤滑
性を示した。また、このシートは後述する摺動性試験を
行った後も優れた潤滑性を示し、性能の低下は認められ
なかった。
ムコポリマー5wt%のTHF溶液を作製し、ポリウレタ
ン(日本サーメディクス製TecoflexEG-65D)のチューブ
をこの溶液に15秒間浸漬させた後、引き上げて60℃、
2時間乾燥させた。次にこのチューブをpH=3.0に調製し
たヘパリンナトリウム(和光純薬製)1wt%含有10wt%カ
ルボヒドラジド水溶液中に3時間浸漬させて架橋反応を
行った。
ューブは、生理食塩水または水で湿潤させると優れた潤
滑性を示した。また、このチューブをウサギの大腿静脈
に2週間留置したところ、血栓の付着が全くみられなか
った。以上のことから、本チューブにおいて潤滑性且つ
抗血栓性を有する表面が形成されていることが確認され
た。
(株)山電製クリープメーター(レオナー RE-33005)
を使用し、冶具に同社の摩擦摩耗試験治具(FW-3305-
1)を用いた。測定は、サンプルが浸水した状態で200g
の分銅で負荷をかけながら行った。各シートサンプルに
ついて試験速度10mm/sec、試験幅20mmで50サイクルの摺
動性試験を行い、それぞれのシートサンプルの試験開始
時の抵抗値と試験終了時の抵抗値を比較した。結果を下
記表1に示す。
よびその製造方法は、基材の表面に親水性の重合体を化
学的に堅固に導入しているものである。このため本発明
の医療用具は材料表面に植物性オイルや他の合成オイル
を塗布する方法において見られる材料表面からの塗布剤
の脱離、剥離、溶出といった現象も観察されず、高い安
全性を確保できる。
等の高い反応性を有するプロトン受容性の官能基を使用
することなく表面潤滑化処理が行えるため、プロトン供
与性の溶媒の使用が可能となるだけでなく、作業域の厳
密な水分管理等を行う必要がない。それに加えて、基材
本来の物性を損なうことなく温和な条件で表面潤滑化処
理を行うことができる。したがって、基材に対する制限
も殆どなく、様々な医療用具に対して表面潤滑化処理を
行うことができる。
摩擦抵抗が極めて低くなり、特に唾液、消化液、血液等
の体液や生理食塩水、水等の水系液体に濡れた状態、即
ち湿潤状態における摩擦抵抗は極めて小さくなるため、
ガイドワイヤやカテーテル等の挿入の容易性、患者の苦
痛軽減、粘膜や血管内膜の損傷防止等の利点が得られ
る。
リン等の水溶性の生理活性物質を共存させて表面潤滑化
処理を行うことにより、材料表面に生理活性(例えば、
抗血栓性)を合わせ持たせることも可能となるという利
点も有する。
Claims (15)
- 【請求項1】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具であって、該医療用具を構成する基材の表面に、分子
内に少なくとも一個のカルボニル基を含有する親水性高
分子化合物と一分子当たり少なくとも二個のヒドラジン
残基を有するヒドラジド化合物からなる架橋剤との反応
生成物を含む表面潤滑層を形成したことを特徴とする医
療用具。 - 【請求項2】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具であって、該医療用具を構成する基材の表面に、分子
内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有する親水性
高分子化合物と一分子当たり少なくとも二個のカルボニ
ル基を有するカルボニル基含有化合物からなる架橋剤と
の反応生成物を含む表面潤滑層を形成したことを特徴と
する湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具。 - 【請求項3】 前記表面潤滑層は、水溶性または水膨潤
性の高分子物質を含んでいることを特徴とする請求項1
又は2に記載の医療用具。 - 【請求項4】 前記架橋剤は水系溶媒に可溶であること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の医療
用具。 - 【請求項5】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具であって、該医療用具を構成する基材の表面で、分子
内に少なくとも一個のカルボニル基を含有するカルボニ
ル基含有化合物と一分子当たり少なくとも二個のヒドラ
ジン残基を有するヒドラジド化合物との反応生成物と、
水溶性または水膨潤性の高分子物質とが相互侵入網目構
造を形成し、表面潤滑層を形成していることを特徴とす
る医療用具。 - 【請求項6】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具であって、該医療用具を構成する基材の表面で、分子
内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有するヒドラ
ジド化合物と一分子当たり少なくとも二個のカルボニル
基を有するカルボニル基含有化合物との反応生成物と、
水溶性または水膨潤性の高分子物質とが相互侵入網目構
造を形成し、表面潤滑層を形成していることを特徴とす
る医療用具。 - 【請求項7】 前記ヒドラジド化合物と前記カルボニル
基含有化合物の少なくともいずれかが水系溶媒に可溶で
あることを特徴とする請求項5又は6に記載の医療用
具。 - 【請求項8】 前記表面潤滑層に水溶性の生理活性物質
を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに
記載の医療用具。 - 【請求項9】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用
具の製造方法であって、該医療用具を構成する基材の表
面に、分子内に少なくとも一個のカルボニル基を含有す
る親水性高分子化合物を含む溶液を被覆した後、一分子
当たり少なくとも二個のヒドラジン残基を有するヒドラ
ジド化合物からなる架橋剤を含む溶液を被覆することを
特徴とする医療用具の製造方法。 - 【請求項10】 湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療
用具の製造方法であって、該医療用具を構成する基材の
表面に、分子内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含
有する親水性高分子化合物を含む溶液を被覆した後、一
分子当たり少なくとも二個のカルボニル基を有するカル
ボニル基含有化合物からなる架橋剤を含む溶液を被覆す
ることを特徴とする医療用具の製造方法。 - 【請求項11】 前記親水性高分子化合物を含む溶液お
よび前記架橋剤を含む溶液の少なくともいずれかに水溶
性または水膨潤性の高分子物質を共存させることを特徴
とする請求項9又は10に記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項12】 前記架橋剤を含む溶液の溶媒として水
系溶媒を用いることを特徴とする請求項9ないし11の
いずれかに記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項13】 前記架橋剤を水系溶媒に溶解した溶液
に水溶性の生理活性物質を共存させることを特徴とする
請求項12に記載の医療用具の製造方法。 - 【請求項14】 医療用具を構成する基材の表面に、分
子内に少なくとも一個のカルボニル基を含有するカルボ
ニル基含有化合物を含む溶液を被覆した後、一分子当た
り少なくとも二個のヒドラジン残基を有するヒドラジド
化合物を含む溶液を被覆する医療用具の製造方法であっ
て、該カルボニル基含有化合物を含む溶液と該ヒドラジ
ン化合物を含む溶液の少なくともいずれかに水溶性また
は水膨潤性の高分子物質を共存させることを特徴とす
る、湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具の製造方
法。 - 【請求項15】 医療用具を構成する基材の表面に、分
子内に少なくとも一個のヒドラジン残基を含有するヒド
ラジド化合物を含む溶液を被覆した後、一分子当たり少
なくとも二個のカルボニル基を有するカルボニル基含有
化合物を含む溶液を被覆する医療用具の製造方法であっ
て、該カルボニル基含有化合物を含む溶液と該ヒドラジ
ン化合物を含む溶液の少なくともいずれかに水溶性また
は水膨潤性の高分子物質を共存させることを特徴とす
る、湿潤時に表面が潤滑性を発現する医療用具の製造方
法。
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